JPH09293268A - 光ピックアップ - Google Patents

光ピックアップ

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JPH09293268A
JPH09293268A JP8139817A JP13981796A JPH09293268A JP H09293268 A JPH09293268 A JP H09293268A JP 8139817 A JP8139817 A JP 8139817A JP 13981796 A JP13981796 A JP 13981796A JP H09293268 A JPH09293268 A JP H09293268A
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JP
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polarization
light
recording
polarized light
optical pickup
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JP8139817A
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English (en)
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So Maruyama
創 丸山
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 容易に設計、製作できると共に、小型にで
き、簡単な制御により、DVDやCD等の異なる厚さの
記録媒体や、第1、第2の異なる記録面を有する記録媒
体等に対して、情報の記録および再生の少なくとも一方
を行い得る光ピックアップを提供する。 【解決手段】 記録媒体30に対して情報を光学的に記録
および再生の少なくとも一方を行うために、記録媒体30
に偏光を照射する光ピックアップにおいて、光源手段21
から射出された偏光の状態を、偏光切り換え手段(26,2
7 )によりネマティック液晶のTN効果を用いて選択的
に90°変換して、集光手段29により偏光状態に応じて
異なる焦点位置に集光させるように記録媒体30に照射
し、その反射光を集光手段29を経て受光手段33で受光す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、異なる厚さの記
録媒体や、異なる記録面を有する記録媒体に情報を光学
的に記録したり、あるいはこのような記録媒体に記録さ
れている情報を光学的に再生するのに用いる光ピックア
ップに関するものである。
【0002】
【従来技術】可変の焦点距離を得るレンズ系として、例
えば、特開昭54−99654号公報には、2枚の凹面
の透明電極板間にネマティック液晶を介在させた液晶レ
ンズを用い、透明電極板間に電圧を印加して液晶のディ
レクタの配向を制御することにより、液晶の屈折率を変
化させて焦点距離を可変にするようにしたものが開示さ
れている。
【0003】また、特開平5−298700号公報に
は、第1、第2の異なる記録面を有する光ディスクに対
して、情報の記録あるいは再生を行うために、半導体レ
ーザからの光ビームをコリメータレンズ、ビーム整形プ
リズム、ビームスプリッタ及び複屈折レンズを経て光デ
ィスクに導くようにすると共に、ビーム整形プリズムと
ビームスプリッタとの間に1/2波長板を配置し、この
1/2波長板を選択的に所定角度回転させて光の偏光面
を制御することにより、複屈折レンズによる焦点距離を
切り換えて、光ビームを第1及び第2の記録面上に選択
的に集光させるようにした記録再生装置が提案されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
特開昭54−99654号公報に開示された液晶レンズ
にあっては、その製造が困難であるという問題があると
共に、レンズを厚くすると、透過率が低下し、場合によ
っては液晶物質が白濁するため、所望の結像性能が得ら
れなかったり、焦点制御が困難になるなど、レンズ設計
に制約が生じるという問題がある。
【0005】また、上記の特開平5−298700号公
報に開示された記録再生装置にあっては、1/2波長板
を所定角度回転させて偏光面を制御するようにしている
ため、その回転制御に精度が要求され、制御が難しいと
いう問題があると共に、1/2波長板を回転させるため
のメカ機構を要することから、全体が大型化するという
問題がある。
【0006】この発明は、上述した従来の問題点に着目
してなされたもので、容易に設計、製作できると共に、
小型にでき、しかも簡単な制御により、DVDやCD等
の異なる厚さの記録媒体や、上述した第1、第2の異な
る記録面を有する記録媒体等に対して、情報の記録及び
再生の少なくとも一方を行い得るように適切に構成した
光ピックアップを提供することを目的とするものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明は、記録媒体に対して情報を光学的に記録
及び再生の少なくとも、一方を行うために、該記録媒体
に偏光を照射する光ピックアップにおいて、偏光を出射
する光源手段と、この光源手段から出射された偏光の状
態を、ネマティック液晶のTN効果を用いて選択的に9
0°変換する偏光切り換え手段と、この偏光切り換え手
段を経た偏光を、その偏光状態に応じて異なる焦点位置
に集光させるように前記記録媒体に照射する集光手段
と、前記記録媒体で反射される偏光の反射光を、前記集
光手段を経て受光する受光手段とを有することを特徴と
するものである。
【0008】前記集光手段は、複屈折レンズをもって構
成するのが、構成を簡単にする点でこのましい。前記集
光レンズは、偏光ホログラムレンズをもって構成するの
が、安価に構成する点で好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】図1及び図2は、この発明の原理
を説明するための概略図である。図1及び図2では、図
示しない光源からの光を偏光子1で直線偏光2とし、こ
の直線偏光2を偏光切り換え手段3及び集光手段4を経
て集光させるように構成してある。偏光切り換え手段3
は、二枚の透明電極板5、6間に、誘電異方性が正のネ
マティック液晶7を数μm〜数百μmの厚さにサンドイ
ッチし、その分子配向を二枚の透明電極板5、6間で9
0°連続的にねじらせて作製したTN配列セル8と、こ
のTN配列セル8に電圧を印加するための電源9と、そ
の印加電圧を調整するための可変抵抗10とをもって構
成する。集光手段4は、例えば、これに入射する偏光の
偏光面の方向に応じて屈折率が変化するように構成す
る。
【0010】ここで、TN配列セル8は、その印加電圧
によって入射直線偏光2の偏光面を選択的に90°回転
させて出射させるTN効果を有する。すなわち、印加さ
れる電圧が、あるしきい値VO (V)未満では、図1に
示すように、ネマティック液晶7は、二枚の透明電極板
5、6間で90°連続的にねじれた分子配向を維持し、
入射直線偏光2を、その偏光面を90°回転して出射さ
せる。これに対して、印加電圧がしきい値VO (V)を
超えると、図2に示すように、ネマティック液晶7は、
その分子配向が電場方向に傾いて90°の旋光性を消失
し、入射直線偏光2を、その偏光面を回転させることな
く出射させる。
【0011】この発明では、このTN効果を利用し、図
示しない記録媒体の記録面位置に応じて、偏光子1を経
て入射する直線偏光2の偏光面を選択的に90°回転さ
せて出射させ、その出射光を集光手段4により偏光面の
方向に応じて、記録媒体の記録面位置に対応する焦点距
離f1 またはf2 (f1 <f2 )の位置に集光させる。
例えば、厚さの薄い記録媒体(例えば、カバーガラス厚
さが0.6mmのDVD用ディスク)に対して記録ある
いは再生を行う場合には、図1に示すように、TN配列
セル8への印加電圧をVO (V)未満、例えば0(V)
として、偏光子1を経た直線偏光2をTN配列セル8に
より、偏光面を90°回転して出射させ、その出射光1
1を集光手段4により焦点距離f1 の位置に集光させ
る。また、厚さの厚い記録媒体(例えば、カバーガラス
厚さが1.2mmのCD用ディスク)に対して記録再生
を行う場合には、図2に示すように、TN配列セル8へ
の印加電圧をV1 (V)(V1 >VO )として、偏光子
1を経た直線偏光2を、その偏光面を回転させることな
くTN配列セル8から出射させ、その出射光12を集光
手段4により焦点距離f1 よりも長い焦点距離f2 の位
置に集光させる。
【0012】このように、ネマティック液晶のTN効果
を利用する偏光切り換え手段3、及びこの偏光切り換え
手段3を経た偏光を、その偏光状態に応じて異なる焦点
位置に集光させる集光手段4を用いれば、記録あるいは
再生すべき記録媒体の記録面位置に応じて、偏光切り換
え手段3を構成するTN配列セル8への印加電圧を制御
するだけで、記録または再生光を所望の位置に集光させ
ることが可能となる。
【0013】
【実施例】図3は、この発明の第1実施例を示すもので
ある。この実施例では、半導体レーザ21から放射され
る直線偏光を、コリメータレンズ22により平行ビーム
に変換し、その平行ビームをビーム整形プリズム23に
より断面ほぼ円形のビームに整形して、偏光ビームスプ
リッタ24にP偏光25で入射させる。偏光ビームスプ
リッタ24は、例えば、P偏光の透過率が80%、反射
率が20%となるように構成し、この偏光ビームスプリ
ッタ24を透過した直線偏光を、ネマティック液晶を有
するTN配列セル26に入射させる。
【0014】TN配列セル26は、液晶制御回路27に
より印加電圧を制御するようにし、これにより入射直線
偏光の偏光面を選択的に90°回転させて出射させる。
このTN配列セル26を出射した直線偏光は、立ち上げ
ミラー28および複屈折レンズ29を経て記録媒体(デ
ィスク)30に照射する。なお、複屈折レンズ29は、
ディスク30に対して、公知のように、図示しないフォ
ーカス駆動手段およぴトラッキング駆動手段によりそれ
ぞれフォーカス方向およびトラッキング方向に変位可能
に光ピックアップ本体に支持する。
【0015】また、ディスク30で反射される戻り光
は、複屈折レンズ29、立ち上げミラー28およびTN
配列セル26を経て偏光ビームスプリッタ24に入射さ
せ、ここで反射される戻り光を、集光レンズ31および
シリンドリカルレンズ32を経て光検出器33で受光す
る。光検出器33は、例えば、4分割した受光領域をも
って構成し、それらの出力に基づいて、図示しない信号
処理回路において、再生信号、プッシュプル法によるト
ラッキングエラー信号および非点収差法によるフォーカ
スエラー信号を検出するようにする。
【0016】この実施例は、DVDやCD等の異なる厚
さのディスク30に対して、情報の記録または再生を行
うもので、DVD等の厚さの薄い(基板厚さT1 )ディ
スク30の場合には、液晶制御回路27によるTN配列
セル26への印加電圧を0(V)として、偏光ビームス
プリッタ24を透過した直線偏光を、図4に詳細に示す
ように、TN配列セル26で偏光面を90°回転させ
て、複屈折レンズ29により基板厚さT1 のディスク3
0に対応する短い焦点距離の位置に集光させる。また、
CD等の厚さの厚い(基板厚さT2 )のディスク30の
場合には、液晶制御回路27によるTN配列セル26へ
の印加電圧を、しきい値VO (V)よりも高いV
1 (V)として、偏光ビームスプリッタ24を透過した
直線偏光を、図5に詳細に示すように、TN配列セル2
6で偏光面を回転させることなく透過させて、複屈折レ
ンズ29により基板厚さT2 のディスク30に対応する
長い焦点距離の位置に集光させる。なお、図4および図
5では、立ち上げミラー28の図示を省略してある。
【0017】図6は、図3に示した光ピックアップを装
着した記録/再生装置の要部の構成を示すものである。
図6において、光ピックアップ本体41は、図3におい
て説明した液晶制御回路27を除く、その他の構成部品
を収容するが、ここでは、TN配列セル26、複屈折レ
ンズ29、光検出器33、およびフォーカス駆動手段を
構成するフォーカスコイル42のみを示し、その他の構
成部品は図示を省略してある。この光ピックアップ本体
41は、ボイスコイルモータ等の移動手段43により、
ディスク30のトラックを横切る方向に移動可能に、記
録/再生装置に組み込まれる。
【0018】この実施例では、記録/再生装置へのディ
スク30の装着により、複屈折レンズ29をフォーカス
方向に変位させ、その際のフォーカスエラー信号に基づ
いて、装着されたディスク30が基板厚さT1 のもの
か、T2 のものかを判別し、その判別結果に基づいて液
晶制御回路27を介してTN配列セル26への印加電圧
を制御する。このため、記録/再生装置へのディスク3
0の装着をディスクセンサ51で検出し、その出力に基
づいて、光ピックアップによりディスク30に再生光を
照射しながら、コントローラ52およびフォーカス駆動
回路53を介してフォーカスコイル42に所要の電流を
供給して、複屈折レンズ29をフォーカス方向に変位さ
せる。なお、この際のTN配列セル26への印加電圧は
0(V)として、基板厚さT1 のディスクを再生する際
の短い焦点距離の位置に再生光を集光させる。
【0019】また、再生信号、フォーカスエラー信号お
よびトラッキングエラー信号を得るために、光ピックア
ップの光検出器33の出力を処理する信号処理回路54
から得られるフォーカスエラー信号(VF )は、比較回
路55に供給して、予め設定した基準信号(VF0)と比
較し、その比較結果に基づいて液晶制御回路27を介し
てTN配列セル26への印加電圧を制御するようにす
る。ここで、基準信号(VF0)は、基板厚さT1 の薄い
ディスクに対して得られるフォーカスエラー信号
(VF )のピーク値よりも低く、かつ基板厚さT2 の厚
いディスクに対して得られるフォーカスエラー信号(V
F )のピーク値よりも高い値に設定する。
【0020】以下、この実施例の動作について、図7に
示すフローチャートを参照しながら説明する。まず、記
録再生装置へのディスク30の挿入後、ディスクセンサ
51によりディスク30が所定の位置に装着されたか否
かを検出する。ディスク30が所定の位置に装着された
のが検出されたら、液晶制御回路27によるTN配列セ
ル26への印加電圧を0(V)とした状態で、光ピック
アップによりディスク30に再生光を照射しながら、コ
ントローラ52によりフォーカス駆動回路53を制御し
て、フォーカスコイル42に所要の電流を供給し、複屈
折レンズ29をフォーカス方向に変位させる。この複屈
折レンズ29のフォーカス方向の変位によるフォーカス
エラー信号(VF )は、光検出器33の出力に基づいて
信号処理回路54で検出して、比較回路55で基準信号
(VF0)と比較する。
【0021】ここで、装着されたディスク30が、基板
厚さT1 の薄いものである場合には、信号処理回路54
から得られるフォーカスエラー信号(VF )のピーク値
は、基準信号(VF0)よりも高くなる。これに対し、装
着されたディスク30が、基板厚さT2 の厚いものであ
る場合には、基板厚さによって発生する収差の影響が大
きくなり、光検出器33での戻り光はスポットの中心部
と周辺部とで合焦位置にずれが生じる。このため、信号
処理回路54から得られるフォーカスエラー信号
(VF )のピーク値は、基準信号(VF0)よりも低くな
る。
【0022】比較回路55において、VF >VF0が検出
された場合には、装着されたディスク30は、基板厚さ
がT1 の薄いものであるので、TN配列セル26への印
加電圧をそのまま、すなわち0(V)とし、その後、公
知のようにフォーカスサーチ、フォーカス引き込み、ト
ラッキングサーチ、トラッキング引き込みを行ってか
ら、記録または再生動作を実行する。これに対し、比較
回路55で、VF >VF0が検出されない場合には、装着
されたディスク30は、基板厚さがT2 の厚いものであ
るので、液晶制御回路27によりTN配列セル26への
印加電圧をV1 として、複屈折レンズ29により長い焦
点距離の位置に再生光を集光させ、その状態で同様に、
フォーカスサーチ、フォーカス引き込み、トラッキング
サーチ、トラッキング引き込みを行ってから、記録また
は再生動作を実行する。
【0023】以上のように、この実施例によれば、液晶
レンズや1/2波長板を回転させるメカ機構を用いるこ
となく、TN配列セル26および複屈折レンズ29を用
い、TN配列セル26への印加電圧を制御する簡単な制
御で、厚さの異なる2種類のディスクに対応する焦点距
離を選択的に得ることができる。したがって、レンズ設
計に制約を受けることなく、容易に製作できると共に、
全体を小型にできる。
【0024】なお、上記の実施例では、偏光ビームスプ
リッタ24を、P偏光の透過率が80%、反射率が20
%となるように構成したが、これらP偏光の透過率およ
び反射率は適宜設定することができる。また、偏光ビー
ムスプリッタ24に代えて、入射する光を50%透過、
残りの50%を反射させるハーフミラーを用いることも
できる。このようにハーフミラーを用いれば、TN配列
セル26を、ハーフミラーの前段(半導体レーザ21と
ハーフミラーとの間)または後段(ハーフミラーと複屈
折レンズ29との間)の任意の光路中に配置することも
できるので、光学系の設計の自由度を向上できると共
に、偏光ビームスプリッタを用いる場合に比べて安価に
できる利点がある。
【0025】図8A及びBは、この発明の第2実施例の
要部の構成を示すものである。この実施例は、図3に示
す光ピックアップにおいて、複屈折レンズ29に代えて
偏光ホログラムレンズ61を用いて集光手段を構成した
ものである。偏光ホログラムレンズ61は、図8Aおよ
びBに示すように、同心円状のピットを形成したホログ
ラムレンズ61aと、コーティング層61bとをもって
構成する。
【0026】この偏光ホログラムレンズ61は、図9に
示すように、紙面と平行な方向の直線偏光62に対して
は、ホログラムレンズ61aとコーティング層61bと
の屈折率が等しいので、通常の集光レンズと同様に作用
して、入射直線偏光62を焦点距離f3 の位置に集光す
るが、紙面と垂直な方向の直線偏光63に対しては、ホ
ログラムレンズ61aとコーティング層61bとの屈折
率が異なるため、回折作用により、入射直線偏光63は
焦点距離f3 よりも短い焦点距離f4 の位置に集光す
る。
【0027】したがって、ディスクの基板厚さに応じ
て、図3において説明したように、TN配列セルへの印
加電圧を制御して、偏光ホログラムレンズ61に入射さ
せる直線偏光の偏光面を選択的に90°回転させれば、
異なる2種類の基板厚さのディスクに対して記録または
再生動作を行うことができる。このように、偏光ホログ
ラムレンズ61を用いれば、複屈折レンズを用いる場合
に比べて、安価にできる利点がある。
【0028】図10は、この発明の第3実施例の要部の
構成を示すものである。この実施例は、図3に示す光ピ
ックアップにおいて、複屈折レンズ29に代えて、集光
レンズ71と、LiNbO3 等の複屈折平板72とを用
いて集光手段を構成したものである。ここで、集光レン
ズ71は、偏光に関係なく同一焦点を有し、複屈折平板
72は、直交する直線偏光に対して異なる屈折率、例え
ば、紙面と平行な方向の直線偏光73に対しては屈折率
0 、紙面と垂直な方向の直線偏光74に対しては屈折
率n1 (n0 <n1 )を有するので、直線偏光73は焦
点距離f5 の位置に集光し、直線偏光74は焦点距離f
6 (f6 <f5 )の位置に集光する。
【0029】したがって、ディスクの基板厚さに応じ
て、図3において説明したように、TN配列セルへの印
加電圧を制御して、集光レンズ71および複屈折平板7
2に入射させる直線偏光の偏光面を選択的に90°回転
させれば、異なる2種類の基板厚さのディスクに対して
記録または再生動作を行うことができる。このように、
集光手段を、集光レンズ71および複屈折平板72をも
って構成すれば、集光レンズ71は従来のものを用いる
ことができるので、安価にできる利点がある。
【0030】なお、上述した各実施例では、DVDやC
D等の異なるディスクに対して記録または再生を行うよ
うに説明したが、特開平5−298700号公報に開示
されているような光ディスクの第1、第2の異なる記録
面に対して、選択的に記録または再生を行う場合にも、
この発明の光ピックアップを用いることができる。図1
1乃至図13は、本発明の第4実施例の光ピックアップ
の構成を示すものである。本実施例では、基板厚の厚い
方(基板厚T2 )を光磁気ディスク、薄い方(基板厚T
1 )を相変化ディスクとし、基板厚の異なる両ディスク
の記録再生を実現する。
【0031】図11を参照して、本実施例の光ピックア
ップの説明をする。半導体レーザ81から放射される直
線偏光を、コリメータレンズ82により平行ビームに変
換し、その平行ビームをビーム整形プリズム83により
断面ほぼ円形のビームに整形して、偏光ビームスプリッ
タ84にP偏光85で入射させる。偏光ビームスプリッ
タ84は、例えば、P偏光の透過率が80%、反射率が
20%、S偏光はすべて反射となるように構成し、この
偏光ビームスプリッタ84を透過した直線偏光を、ネマ
ティック液晶を有するTN配列セル86に入射させる。
【0032】TN配列セル86は、液晶制御回路87に
より印加電圧を制御するようにし、これにより入射直線
偏光の偏光面を選択的に90°回転させて出射させる。
このTN配列セル86を出射した直線偏光は、立ち上げ
ミラー88および複屈折レンズ89を経てディスク90
に照射する。なお、複屈折レンズ89は、ディスク90
に対して、公知のように、図示しないフォーカス駆動手
段およびトラッキング駆動手段によりそれぞれフォーカ
ス方向およびトラッキング方向に変位可能に光ピックア
ップ本体に支持する。
【0033】また、ディスク90から反射される戻り光
は、複屈折レンズ89、立ち上げミラー88およびTN
配列セル86を経て偏光ビームスプリッタ84に入射さ
せ、ここで反射される戻り光を、1/2波長板91、集
光レンズ92、偏光ビームスプリッタ93を経て光検出
器94a,94bによって受光される。光検出器94
a,94bは6分割した受光領域をもって構成し、それ
らの出力に基づいて、図示しない信号処理回路におい
て、再生信号、プッシュプル法によるトラッキングエラ
ー信号およびビームサイズ法によるフォーカシングエラ
ー信号を検出するようにする。
【0034】基板厚の厚い(厚さT2 )光磁気ディスク
の記録再生のときは、液晶制御回路87によるTN配列
セル86への印加電圧をしきい値V0 (V)よりも高い
1(V)として、偏光ビームスプリッタ84を透過し
た直線偏光(P偏光)を、TN配列セル86で偏光面を
回転させることなく透過させて、複屈折レンズ89によ
り光磁気ディスクに対応する長い焦点距離の位置に集光
させる。
【0035】P偏光のまま光磁気ディスクの記録面に照
射され、そこでの反射光はP偏光成分の他にカー効果に
よって生じるS偏光成分も含まれる(図12の95)。
この光が電圧印加されたTN配列セル86に入射したと
き各偏光は変化せずそのまま透過する。透過光96は偏
光ビームスプリッタ84でP偏光成分の20%およびS
偏光成分の100%(図12の97)が反射され、1/
2波長板91により偏光方向が45°回転される。その
後、反射光は集光レンズ92で収束され、偏光ビームス
プリッタ93(P偏光透過率100%、S偏光反射率1
00%)に入射し、P偏光成分とS偏光成分に分けられ
る。分けられたそれぞれの光は、それぞれの光検出器9
4a、94bによって受光され、公知のビームサイズ法
によりフォーカスエラー信号が検出され、プッシュプル
法によりトラッキングエラー信号が検出される。
【0036】また、基板厚の薄い(厚さT1 )相変化デ
ィスクの記録再生のときは、液晶制御回路87によるT
N配列セル86への印加電圧を0(V)として、偏光ビ
ームスプリッタ84を透過した直線偏光(P偏光)を、
TN配列セル86で偏光面90°回転させて、複屈折レ
ンズ89により基板厚の薄い相変化ディスクに対応する
短い焦点距離の位置に集光させる。
【0037】S偏光でもって相変化ディスクの記録面に
照射され、そこでの反射光もS偏光である。このS偏光
の反射光がTN配列セル86に入射すると、反射光の偏
光面が90°回転されP偏光となる。この反射光は偏光
ビームスプリッタ84でその20%が反射され、1/2
波長板91により偏光方向が45°回転され、集光レン
ズ92に入射する。集光レンズ92によって収束された
光は偏光ビームスプリッタ93に入射され、P偏光成分
およびS偏光成分に分けられる。分けられた光は、それ
ぞれの光検出器94a,94bによって受光され、公知
のビームサイズ法によりフォーカスエラー信号が検出さ
れ、プッシュプル法によりトラッキングエラー信号が検
出される。
【0038】なお、本実施例では、基板厚の厚いディス
クとして光磁気ディスク、基板厚の薄いディスクとして
相変化ディスクとして説明したが、基板厚の薄いディス
クも光磁気ディスクとしても本実施例の光ピックアップ
で対応できる。図13は、本実施例の光ピックアップに
おいて、基板厚の薄いディスクが光磁気ディスクの場合
の、光磁気ディスクからの反射光の偏光状態を示す図で
ある。
【0039】基板厚の薄い光磁気ディスクの記録再生の
場合、記録面に入射される光としてS偏光が選択され
る。よって、半導体レーザ81から放射された直線偏光
(P偏光)85は、しきい値V0 (V)以下の電圧が印
加されたTN配列セル86に入射され、直線偏光(S偏
光)98に変換され、光磁気ディスクに照射される。光
磁気ディスクから反射される光には、S偏光成分に加
え、カー効果によって生じるP偏光成分も含まれており
(99)、この反射光がTN配列セル86に入射したと
き、その偏光面が90°回転される(100)。この光
100は偏光ビームスプリッタ84でP偏光成分の20
%およびS偏光成分の100%が反射され(101)、
この光101は1/2波長板91および集光レンズ92
を介して偏光ビームスプリッタ93に入射されP偏光成
分およびS偏光成分に分けられ、光検出器94a,94
bによって受光される。サーボ信号の検出の方法は基板
厚の厚い光磁気ディスクの場合と同様であるので説明を
省略する。
【0040】本実施例では基板の薄いディスクとして、
相変化ディスクおよび光磁気ディスクを例にあげて説明
したが、これは基板厚の薄いディスクがDVDであっ
て、その記録方式が相変化記録あるいは光磁気記録であ
る場合に相当するものであってもよい。 付記項 1.請求項1記載の光ピックアップにおいて、前記集光
手段は、集光レンズと複屈折平板とを有することを特徴
とする光ピックアップ。 2.請求項1〜3、付記項1のいずれか一つに記載の光
ピックアップにおいて、前記偏光切り換え手段は、ネマ
ティック液晶を有するTN配列セルと、このTN配列セ
ルに印加する電圧を制御する制御回路とを有することを
特徴とする光ピックアップ。 3.付記項2記載の光ピックアップにおいて、前記受光
手段の出力に基づいてフォーカスエラー信号(VF)を
検出する信号処理回路と、この信号処理回路で検出した
フォーカスエラー信号(VF)と、予め設定した基準信
号(VF0)とを比較する比較回路とを有し、この比較
回路の出力に基づいて前記制御回路による前記TN配列
セルへの印加電圧を制御するように構成したことを特徴
とする光ピックアップ。 4.付記項3記載の光ピックアップにおいて、前記制御
回路により、前記TN配列セルに偏光状態を90°変換
するためのしきい値(V0)未満の電圧を印加して、前
記フォーカスエラー信号(VF)を検出するよう構成し
たことを特徴とする光ピックアップ。 5.請求項1〜3、付記項1〜4のいずれか一つに記載
の光ピックアップにおいて、前記光源手段と前記集光手
段との間の光路中に、前記記録媒体からの反射光を前記
受光手段に向ける光路変更手段を有することを特徴とす
る光ピックアップ。 6.付記項5記載の光ピックアップにおいて、前記光路
変更手段を、ハーフミラーをもって構成したことを特徴
とする光ピックアップ。 7.付記項5記載の光ピックアップにおいて、前記光路
変更手段を偏光ビームスプリッタをもって構成し、この
偏光ビームスプリッタを前記光源手段と前記偏光切り換
え手段との間の光路中に配置して、前記記録媒体からの
反射光を、前記集光手段および前記偏光切り換え手段を
経て、前記光路変更手段により前記受光手段に向けるよ
う構成したことを特徴とする光ピックアップ。 8.付記項7記載の光ピックアップにおいて、前記偏光
ビームスプリッタと前記受光手段の間に1/2波長板お
よび第2の偏光ビームスプリッタとを配置し、前記受光
手段は、前記第2の偏光ビームスプリッタで分離される
2つの光を受光するものであることを特徴とする光ピッ
クアップ。
【0041】
【発明の効果】この発明によれば、記録媒体に照射する
偏光の状態を、偏光切り換え手段によりネマティック液
晶のTN効果を用い選択的に90°変換し、この偏光切
り換え手段を経た偏光を、集光手段により偏光状態に応
じて異なる焦点位置に集光させるようにしたので、液晶
レンズや回転可能な1/2波長板を用いる場合に比べ
て、容易に設計、製作できると共に、小型にでき、しか
も簡単な制御によりDVDやCD等の異なる厚さの記録
媒体や、第1、第2の異なる記録面を有する記録媒体な
どに対して、情報の記録および再生の少なくとも一方を
行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の原理を説明するための概略図であ
る。
【図2】同じく、この発明の原理を説明するための概略
図である。
【図3】この発明の第1実施例を示す図である。
【図4】図3に示す光ピックアップの作用を説明するた
めの図である。
【図5】同じく、図3に示す光ピックアップの作用を説
明するための図である。
【図6】図3に示す光ピックアップを装着した記録/再
生装置の要部の構成を示す図である。
【図7】図6の動作を説明するためのフローチャートで
ある。
【図8】この発明の第2実施例の要部の構成を示す図で
ある。
【図9】その作用を説明するための図である。
【図10】この発明の第3実施例の要部の構成を示す図
である。
【図11】この発明の第4実施例を示す図である。
【図12】図11に示す光ピックアップ内における偏光
の状態を示す図である。
【図13】同じく、図11に示す光ピックアップ内にお
ける偏光の状態を示す図である。
【符号の説明】
1 偏光子 3 偏光切り換え手段 4 集光手段 5、6 透明電極板 7 ネマティック液晶 8 TN配列セル 9 電源 10 可変抵抗 21 半導体レーザ 22 コリメータレンズ 23 ビーム整形プリズム 24 偏光ビームスプリッタ 26 TN配列セル 27 液晶制御回路 28 立ち上げミラー 29 複屈折レンズ 30 記録媒体(ディスク) 31 集光レンズ 32 シリンドリカルレンズ 33 光検出器 61 偏光ホログラムレンズ 61a ホログラムレンズ 61b コーティング層 71 集光レンズ 72 複屈折平板 91 1/2波長板 92 集光レンズ 93 偏光ビームスプリッタ 94a 光検出器 94b 光検出器

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録媒体に対して情報を光学的に記録お
    よび再生の少なくとも一方を行うために、該記録媒体に
    偏光を照射する光ピックアップにおいて、 偏光を射出する光源手段と、 この光源手段から射出された偏光の状態を、ネマティッ
    ク液晶のTN効果を用いて選択的に90°変換する偏光
    切り換え手段と、 この偏光切り換え手段を経た偏光を、その偏光状態に応
    じて異なる焦点位置に集光させるように前記記録媒体に
    照射する集光手段と、 前記記録媒体で反射される偏光の反射光を、前記集光手
    段を経て受光する受光手段とを有することを特徴とする
    光ピックアップ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の光ピックアップにおい
    て、 前記集光手段は、複屈折レンズを有することを特徴とす
    る光ピックアップ。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の光ピックアップにおい
    て、 前記集光手段は、偏光ホログラムレンズを有することを
    特徴とする光ピックアップ。
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