JP3546223B2 - コネクタ組立機 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はコネクタ組立機に関し、更に詳細には複数本の端子が取り付けられた端子フープ材から切り離した端子を、コネクタ用のハウジングに設けられた端子挿入用の複数本のスリットに順次挿入するコネクタ組立機に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリント基板等に設けられたコネクタに連結される外部配線の端末には、複数本の端子が設けられたコネクタが連結されている。
かかるコネクタは、図14に示す様に、プラスチック製のハウジングHに略平行に形成された複数本の端子挿入用のスリットの各々に、端子102、102・・・が端縁に形成された長尺なキャリア104から成る端子フープ材106から切り離された端子102′を順次挿入することによって形成される。
この様な、ハウジングHのスリットに端子102を順次挿入する作業は、工業的には自動挿入装置によって行われる。
この自動挿入装置においては、ハウジングHのスリットを端子挿入位置に搬送する搬送装置と、端子フープ材106のキャリア104から切り離した端子102′をハウジングHのスリットに挿入する端子挿入装置とから構成される。
【0003】
かかる自動挿入装置の端子挿入装置では、端子フープ材106の最下端に形成された端子102を所定位置に移送した後、キャリア104から切り離した端子102′をハウジングHのスリットに挿入する。
また、搬送装置では、ハウジングHのスリットに端子102′を挿入した後、端子未挿入のスリットが端子挿入位置に到達するように、ハウジングHを間欠的に順次移送する。
この様な自動挿入装置においては、搬送装置のハウジングHの移送動作と、端子挿入装置の端子フープ材106の移送動作、端子102の切り離し動作、及び切り離した端子102′のハウジングHのスリットへの挿入動作等の各動作とは、互いに電気的に連動されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
かかる自動挿入装置によれば、ハウジングの各スリットに端子を高速で挿入することができ、コネクタを工業的に生産することができる。
しかし、従来の自動挿入装置においては、通常、一の動作完了をセンサ等で確認した後、次の動作を開始するため、一の動作完了と次の動作開始との間にどうしても無駄時間が発生する。
このため、かかる無駄時間を解消すべく、本発明者等は、端子挿入装置における一連の動作をカム装置によって機械的に行うことを試みたところ、一の動作完了と次の動作開始との間の無駄時間を短縮することができ、端子挿入装置の一連の動作に要する時間の短縮を図ることができる。
【0005】
しかしながら、搬送装置におけるハウジングの移送手段として、ハウジングを挿入して移送する送り爪を採用する場合には、送り爪にハウジングに対する挿入動作・取出動作を行わせる手段として、流体駆動のシリンダ装置が用いられていることが多い。
この様な場合、送り爪の挿入動作・取出動作の各動作完了をシリンダ装置の動作端の位置を確認しつつ次の動作に進行させることが必要である。このため、送り爪の挿入・取出動作とは無関係の端子挿入装置の駆動モータ等を停止しなければならず無駄時間が発生し、結局、自動挿入装置における一連の動作時間の大幅な短縮は困難であった。
そこで、本発明の目的は、一連の動作時間を短縮して端子をハウジングに自動挿入が可能であるコネクタ組立機を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、前記目的を達成べく検討を重ねた結果、ハウジング搬送装置に設けられた送り爪に、ハウジングの挿入・取出動作を行わせる手段として、端子挿入装置の各動作に連動しているカム装置を用いることによって、送り爪の挿入・取出動作の際に発生する無駄時間を減少可能であることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、複数本の端子が形成された端子フープ材から切り離した端子を、コネクタ用のハウジングに設けられた端子挿入用の複数本のスリットに順次挿入するコネクタ組立機において、該端子が挿入されるハウジングのスリットの各々と端子挿入位置とを順次一致させるように、前記ハウジングが挿入された送り爪を間欠的に微送するハウジング搬送装置と、前記端子挿入位置に到達したハウジングのスリットに、前記端子フープ材から切り離した端子を挿入する端子挿入装置と、前記ハウジング搬送装置に連繋され、且つ端子挿入装置の各動作に連動されているカム装置であって、ハウジング搬送装置の送り爪にハウジングに対する挿入動作・取出動作を行わせる送り爪用カム装置とを具備することを特徴とするコネクタ組立機にある。
【0007】
かかる構成を有する本発明において、端子挿入装置において、端子フープ材の送り動作、端子の切り離し動作、及び切り離した端子の挿入動作の各々の動作を動作カム装置によって制御することにより、各動作間の無駄時間を可及的に減少できる。
更に、送り爪用カム装置の駆動カムと動作カム装置の駆動カムとを同一回転軸に設け、且つ送り爪を微送してハウジングの各スリットに端子を順次挿入する際に、前記送り爪用カム装置とハウジング搬送装置との連繋を一時的に解除する解除手段を設けることによって、両カム装置間の連動を容易化しつつ、動作カム装置の作動と送り爪用カム装置の作動との干渉を防止できる。
その際に、解除手段として、送り爪用カム装置の駆動カムとカムフォロワーとの接触を強制的に解除する流体駆動のシリンダ装置を使用することによって、送り爪用カム装置とハウジング搬送装置との連繋の一時的な解除を容易に行うことができる。
また、ハウジング搬送装置において、送り爪に挿入されたハウジングの微送を、駆動手段に連結されたボールネジを介して行うことにより、ハウジングのスリットを端子挿入位置に正確に合わせることができる。
尚、各カム装置のカムの駆動手段をサーボモータとすることによって、各動作相互間の動作開始・動作完了のタイミング合わせを正確に且つ容易に行うことができる。
【0008】
【作用】
本発明によれば、ハウジング搬送装置に設けられた送り爪のハウジングに対する挿入動作・取出動作を、端子挿入装置の各動作と連繋された送り爪用カム装置によって行うため、ハウジングに対する送り爪の挿入・取出動作の開始・完了のタイミング合わせを正確に且つ容易に行うことができる。
しかも、ハウジングに対する送り爪の挿入手段・取出手段として、従来の流体駆動のシリンダ装置に代えてカム装置によって行うため、シリンダ装置の動作端の位置確認等の時間を不要化でき、ハウジングに対する送り爪の挿入動作時・取出動作時に発生する無駄時間を可及的に減少できる結果、一連の動作時間の短縮が可能になったのである。
【0009】
【実施例】
本発明を図面によって更に詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例に係る正面図であり、端子挿入装置10(以下、挿入装置10と称することがある)とハウジング搬送装置50(以下、搬送装置50と称することがある)とから成る。
挿入装置10は、基台12上に載置されたサーボモータ14によって駆動される複数枚の駆動カムから成る駆動カム群16が設けられている。この駆動カム群16の各駆動カムの回転角等はエンコーダ18によって検出される。
また、搬送装置50は、基台52上に載置されたサーボモータ52により駆動されるボールネジ56によって、図面に対して垂直方向に送り爪58が移動可能に設けられている。この送り爪58は、挿入装置10に設けられた送りレール20に載置されたハウジングを移送する。
尚、送り爪58は、バネ60によって挿入装置10の送りレール20方向に付勢されているレール59に固着されいる。
【0010】
かかる本実施例のコネクタ組立機において、挿入装置10と搬送装置50とは、送り爪用カム装置22を介して連結されている。
この送り爪用カム装置22では、駆動カム群16を構成する駆動カムの一枚に当接可能に設けられたカムフォロワー23に連結されたロッドの一端が、連結部材62を介して搬送装置50のレール59に連結されている。このため、送り爪用カム装置22が作動した場合、レール59をバネ60の付勢力に抗して挿入装置10の送りレール20と離れる方向に押圧し、送り爪58をレール20上のハウジングから離れさせ、次のハウジングの移送等のために移動できる。
【0011】
図1に設けられた駆動カム群16を構成するカム16aは、リンク24によってピッチ送り装置26を構成するレバー25を上下方向に駆動し、端子フープ材のピッチ送りを行う。
また、バネ28は、図2に示す様に、端子フープ材から切断した端子をハウジングの所定のスリットに仮挿入する仮挿入装置34を後端方向(サーボモータ14方向)に付勢し、バネ30は仮挿入した端子を本挿入する本挿入装置36を後端方向(サーボモータ14方向)に付勢する。
かかる仮挿入装置34及び本挿入装置36は、駆動カム群16を構成するカム16cによって制御される。
これらカム16a、16cと共に、駆動カム群16を構成するカム16bは、クランプした端子フープ材から端子を切断するクランプ・カット装置32を制御する。
【0012】
図2に示すバネ30によって後端方向(サーボモータ14方向)に付勢されている本挿入装置36は、図3に示す様に、カム16cに当接するカムレバー38の一端が本挿入装置36の一部に連結されている。このため、カム16cが回転してカムレバー38が38′の位置に回動したとき、本挿入装置36の全体をバネ30の付勢力に抗してレール20方向に移動し、端子をハウジング内に本挿入する。
同様に、図2に示すバネ28によって後端方向(サーボモータ14方向)に付勢されたいる仮挿入装置34も、カム16cによって装置34の全体がバネ28の付勢力に抗してレール20方向に移動される。
また、カム16bの曲面に曲折して形成された溝には、クランプ・カット装置32を構成するカムレバー33の一端が挿入され、溝の曲折に合わせて図4に示すピン35を中心にしてカムレバー33の他端を回動させる。
このカムレバー33の他端に装着され、先端にクランプ部37とカット部39とが先端に設けられたクランプ・カット装置32は、カムレバー33の他端の回動に伴って移動し、端子フープ材のクランプ及び端子の切断を行う。
尚、この際に、端子フープ材の位置決め穴に、図5に示す様に、パイロット27、27の先端が挿入され、端子フープ材の位置決めが行われる。
【0013】
かかるクランプ・カット装置32には、カムレバー13の一端21をクランプ部37方向に付勢するバネ11が設けられ、カムレバー13の他端23は本挿入装置36に設けられた板カム17の屈曲面19に当接している(図4では、他端23の構造を明確にすべく、屈曲面19から離して描いた)。
このため、図3に示す様に、カム16cに当接するカムレバー38が38′に回動して本挿入装置36をレール20方向に移動させたとき、板カム17もレール20方向に移動するため、カムレバー13の他端23も屈曲面19に沿って移動し、クランプ・カット装置32に設けられたバネ11の付勢力に抗してカムレバー13の一端21をピン15を中心にして回動する。
一方、クランプ・カット装置32は、端子フープ材がクランプされ、且つ端子の切断がなされた状態にあるが、カムレバー13の一端21がバネ11の付勢力に抗して回動されてクランプ部37をアンクランプとするため、本挿入装置36に設けられた挿入部材40による本挿入動作を、クランプ部37によって干渉されることなく行うことができる。
【0014】
ところで、図6に示す様に、本実施例では、レール20上に載置されたハウジングHに対し、端子フープ材をクランプするクランプ部37、カット部39、及び端子フープ材から切断した端子をハウジングHのスリットに本挿入する挿入部材40の順序で設けられている。
このため、図7に示す様に、端子フープ材Fをクランプ部38及びカット部39で正確にクランプしてカットすべく、位置決め用のパイロット27、27(図5)の先端が挿入される穴29、29と、端子フープ材Fの位置決め穴とが一致するように、端子フープ材Fを正確に移送することが必要である。
本実施例では、図8に示す端子フープ材Fのピッチ送り装置26が設けられている。
図8において、フープ送り爪49は、図1に示す上下運動するレバー25に伴い、レール47上を上下方向に移動可能に設けられ、且つピン42を中心にして回動可能にも設けられている。このフープ送り爪49の一端側に設けられた爪が端子フープ材Fの方向に回動するように付勢するバネ46がフープ送り爪49の他端側に設けられている。
更に、フープ送り爪49の途中から突出する突出部に設けられたローラ44の近傍に、図4〜5において説明したカムレバー33の回動に伴い移動するL字状部材45の先端が位置するように、L字状部材45が設けられている。
【0015】
かかるフープ送り爪49の一連の動作を図9に示す。図9において、図1に示すレバー25の下方への移動に伴いフープ送り爪49も下方に移動し、フープ送り爪49の爪が位置決め穴に挿入された端子フープ材Fを下方に移動させる〔図9(a)〕。
このフープ送り爪49の下方への移動は、レバー25が端子フープ材Fを所定ピッチ下方に移動させたとき停止する〔図9(b)〕。
その後、L字状部材45がカムレバー33の回動に伴い矢印A方向に移動し、ローラ44と当接してピン42を中心にしてフープ送り爪49を回動させ、フープ送り爪49の爪を端子フープ材Fの位置決め穴から外す。この様に、端子フープ材Fの位置決め穴から爪が外されたフープ送り爪49は、ローラ44にL字状部材44に当接しつつレバー25の上昇に伴い上昇する。
次いで、所定高さに上昇したフープ送り爪49は、L字状部材45がカムレバー33の回動に伴い図9(a)に示す位置に戻るため、バネ46の付勢力によって回動し端子フープ材Fの位置決め穴に爪を挿入する。
【0016】
かかる図1〜図9に示すカム16a〜16cは、駆動カム群16として同一回転軸に設けられており、図10のタイミングチャートに示す様に、回転軸が一回転すると端子フープ材の送りから端子の本挿入までを行う。
ところで、カム16a〜16cの挿入装置10における動作と搬送装置50との動作との同調、例えば搬送装置50の送り爪58にハウジングHを挿入・取出する動作を、流体駆動のシリンダ装置によって行うと、前述した様に、無駄時間が多く発生する。
この点、本発明においては、図11に示す様に、カム16a〜16cと同一回転軸にカム16dを設けた送り爪用カム装置22によって、搬送装置50の送り爪58にハウジングHの挿入・取出動作を行わせている。このため、送り爪58の直接の動作に流体駆動のシリンダ装置を使用することを要せず、無駄時間を可及的に少なくすることができるのである。
【0017】
一方、ハウジングHの各スリットに端子の挿入が完了するまでは、送り爪58にハウジングHを挿入しつつ微送することを要する。このため、本実施例では、図11の送り爪用カム装置22においては、ハウジングHの各スリットに端子の挿入が完了するまでの間、カム16dによる送り爪58に対するハウジングHの挿入・取出動作を回避すべく、カム16dに当接するカムフォロワー70をカム16dと当接しない位置70′に強制的に回動させることにしている。
かかる送り爪用カム装置22について、以下、詳細に説明する。駆動カム16dに当接可能に設けられたカムフォロワー70の途中には連結ロッド72の一端が連結され、連結ロッド72の他端には連結ブッロク74の一端部が連結されている。このブロック74の他端部は、挿入装置10の基部12上に載置された部材76に形成された溝部78に挿入されている。ブロック74の回動方向を規制するためである。
かかるブロック74には、操作ロッド80の一端が連結され、操作ロッド80の他端には搬送装置50の連結部材62が装着されている。この様に、操作ロッド80が連結されているブロック74には、操作ロッド80と反対側となるように、圧空駆動のシリンダ装置82を構成するロッドが連結されている。
【0018】
図11に示す送り爪用カム装置22によれば、カムフォロワー70をカム16dに当接するようにシリンダ装置82を作動した場合、連結部材62を介して図1に示すレール59をバネ60の付勢力に抗して挿入装置10の送りレール20と離れる方向に押圧し、送り爪58を送りレール20上のハウジングから離すことができる。このため、送り爪58を左右方向に大きく移動できる。
一方、カムフォロワー70を駆動カム16dから離れた位置70′になるようにシリンダ装置82を作動した場合、送りレール20上のハウジングを挿入した送り爪58をボールネジ56によって微送できる。
尚、カム16a〜16dの位置は、エンコーダ18によって検出可能であるため、エンコータ18の検出値によってシリンダ装置82の作動や搬送装置50のサーボモータ54の回転数等を容易に制御できる。
【0019】
かかるハウジングHの移送状態を図12に示す。挿入装置10のレール20に載置されたハウジングHと搬送装置50の送り爪58とが離れている〔図12(a)〕。カム16dの突出部分にカムフォロワー70が当接し、搬送装置50のレール59(図1)をバネ60の付勢力に抗して送り爪58がレール20から離れる方向に押圧しているからである。
カム16dが回転してカム16dの切欠部にカムフォロワー70が当接したとき、レール59をレ−ル20から離れる方向に押圧する力が消滅するため、バネ60の付勢力によってレール59をレール20の方向に移動させ送り爪58にハウジングHを挿入する〔図12(b)〕。
ハウジングHが挿入された送り爪58によって、第1番目のスリットを端子挿入位置となるようにハウジングHを移送した後、カム16a〜16cによって端子102を挿入する〔図12(c)〕。
次いで、ハウジングHが挿入された送り爪58を間欠的に微送し、端子102をスリットを挿入する〔図12(d)〕。この際、カム16dとカムフォロワー70とが当接しないように、シリンダ装置82によってカムフォロワー70を位置70′にするため、端子102の挿入途中で送り爪58とハウジングHとが外れることを防止できる。
端子102がハウジングHの所定のスリットに挿入が完了した後、シリンダ装置82によってカムフォロワー70をカム16dにシリンダ装置82によって当接させ、ハウジングHを送り爪58から取り出す〔図12(e)〕。
その後、送り爪58は、レール20に搭載された新しいハウジングHの方向に移動し〔図12(f)〕、図12(a)からの動作を繰り返す。
かかるシリンダ装置82の作動方向は、エンコーダ18の検出値に基づいて搭載されたマイクロコンピュータ等によって判断される。また、送り爪58の微送もマイクロコンピュータ等によって制御される。
【0020】
ここで、ハウジングHのスリットに端子102を挿入する手順を図13によって説明する。
先ず、ピッチ送り装置26によって端子フープ材を所定位置に移送した後〔図13(a)〕、端子フープ材に穿設された位置決め穴にパイロット27によって端子フープ材の位置決めを行うと共に、カム16bによってカムレバー33を介してクランプ部37が端子102をクランプする方向に移動し、端子102の端部をクランプする〔図13(b)〕。
クランプされた端子フープ材は、カム16bによってカムフォロワー33を介してカット部39が端子フープ材のキャリア104を切断する方向に移動し、キャリア104を切断する〔図13(c)}。この際に、端子102はクランプ部37によってクランプされている。
更に、端子102をクランプしたクランプ部37は、図3に示す様に、カム16cによってバネ30の付勢力に抗してハウジングH方向に移動し、端子102の一部をハウジングHのスリットに挿入する仮挿入を行う〔図13(d)〕。
次いで、板カム17によってカムレバー13を介してクランプ部37をアンクランプし〔図13(e)〕、挿入部材40によって仮挿入された端子102を本挿入〔図13(f)〕して一連の端子102の挿入動作を完了する。
【0021】
図1〜図13に示す本実施例のコネクタ組立機による端子挿入に要する時間を、一の動作完了をセンサ等で確認した後、次の動作を開始する従来方式の自動挿入機での端子挿入時間と比較した。その結果を下記に示す。
(1) ハウジングHの各スリットへの端子102の挿入を完了した後、次のハウジングHのスリットへの端子102の挿入開始までの時間
本実施例 従来方式 短縮時間
0.284秒 0.690秒 0.406秒
(2) ハウジングHのスリットへの端子一本当たりの挿入時間
本実施例 従来方式 短縮時間
0.184秒 0.215秒 0.030秒
上記から明らかな様に、本実施例によれば端子挿入動作を従来方式の組立機よりも短縮することができ、コネクタ組立の作業効率を向上することができる。
【0022】
【発明の効果】
本発明によれば、コネクタ組立装置の各動作における無駄時間を可及的に短縮することができ、ハウジングのスリットへの端子挿入時間等を短縮することできる結果、コネクタ組立の作業効率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るコネクタ組立機の正面図である。
【図2】図1に示すコネクタ組立機の平面図である。
【図3】図1に示すコネクタ組立機の端子挿入装置10を構成する端子挿入装置を説明するための説明図である。
【図4】図2のコネクタ組立機を構成する端子挿入装置10の部分拡大図である。
【図5】図2のコネクタ組立機を構成する端子挿入装置10の部分拡大図である。
【図6】レール20に載置されたハウジングHとクランプ部38等との位置関係を説明するための説明図である。
【図7】図2のコネクタ組立機を構成する端子挿入装置10のレール20に載置されたハウジングHとの関係を説明する説明図である。
【図8】図2のコネクタ組立機を構成する端子挿入装置10のピッチ送り装置26を説明するための説明図である。
【図9】図8に示すピッチ送り装置26の送り爪49等の動作を説明するための説明図である。
【図10】カム16a〜16cのタイミングチャートである。
【図11】図2のコネクタ組立機を構成する端子挿入装置10の送り爪用カム装置22を説明するための説明図である。
【図12】レール20に載置されたハウジングHと送り爪58との動作を説明するための説明図である。
【図13】ハウジングHに端子102を挿入する動作を説明するための説明図である。
【図14】ハウジングHの内部構造と端子フープ材106とを説明するための説明図である。
【符号の説明】
10 端子挿入装置
12 基台
14、54 サーボモータ
16 駆動カム群
18 エンコータ
20、59 レール
22 送り爪用カム装置
26 ピッチ送り装置
28、30 バネ(付勢部材)
32 クランプ・カット装置
34 アンクランプ装置
36 仮挿入・本挿入装置
50 ハウジング搬送装置
58 送り爪
H ハウジング
【産業上の利用分野】
本発明はコネクタ組立機に関し、更に詳細には複数本の端子が取り付けられた端子フープ材から切り離した端子を、コネクタ用のハウジングに設けられた端子挿入用の複数本のスリットに順次挿入するコネクタ組立機に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリント基板等に設けられたコネクタに連結される外部配線の端末には、複数本の端子が設けられたコネクタが連結されている。
かかるコネクタは、図14に示す様に、プラスチック製のハウジングHに略平行に形成された複数本の端子挿入用のスリットの各々に、端子102、102・・・が端縁に形成された長尺なキャリア104から成る端子フープ材106から切り離された端子102′を順次挿入することによって形成される。
この様な、ハウジングHのスリットに端子102を順次挿入する作業は、工業的には自動挿入装置によって行われる。
この自動挿入装置においては、ハウジングHのスリットを端子挿入位置に搬送する搬送装置と、端子フープ材106のキャリア104から切り離した端子102′をハウジングHのスリットに挿入する端子挿入装置とから構成される。
【0003】
かかる自動挿入装置の端子挿入装置では、端子フープ材106の最下端に形成された端子102を所定位置に移送した後、キャリア104から切り離した端子102′をハウジングHのスリットに挿入する。
また、搬送装置では、ハウジングHのスリットに端子102′を挿入した後、端子未挿入のスリットが端子挿入位置に到達するように、ハウジングHを間欠的に順次移送する。
この様な自動挿入装置においては、搬送装置のハウジングHの移送動作と、端子挿入装置の端子フープ材106の移送動作、端子102の切り離し動作、及び切り離した端子102′のハウジングHのスリットへの挿入動作等の各動作とは、互いに電気的に連動されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
かかる自動挿入装置によれば、ハウジングの各スリットに端子を高速で挿入することができ、コネクタを工業的に生産することができる。
しかし、従来の自動挿入装置においては、通常、一の動作完了をセンサ等で確認した後、次の動作を開始するため、一の動作完了と次の動作開始との間にどうしても無駄時間が発生する。
このため、かかる無駄時間を解消すべく、本発明者等は、端子挿入装置における一連の動作をカム装置によって機械的に行うことを試みたところ、一の動作完了と次の動作開始との間の無駄時間を短縮することができ、端子挿入装置の一連の動作に要する時間の短縮を図ることができる。
【0005】
しかしながら、搬送装置におけるハウジングの移送手段として、ハウジングを挿入して移送する送り爪を採用する場合には、送り爪にハウジングに対する挿入動作・取出動作を行わせる手段として、流体駆動のシリンダ装置が用いられていることが多い。
この様な場合、送り爪の挿入動作・取出動作の各動作完了をシリンダ装置の動作端の位置を確認しつつ次の動作に進行させることが必要である。このため、送り爪の挿入・取出動作とは無関係の端子挿入装置の駆動モータ等を停止しなければならず無駄時間が発生し、結局、自動挿入装置における一連の動作時間の大幅な短縮は困難であった。
そこで、本発明の目的は、一連の動作時間を短縮して端子をハウジングに自動挿入が可能であるコネクタ組立機を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、前記目的を達成べく検討を重ねた結果、ハウジング搬送装置に設けられた送り爪に、ハウジングの挿入・取出動作を行わせる手段として、端子挿入装置の各動作に連動しているカム装置を用いることによって、送り爪の挿入・取出動作の際に発生する無駄時間を減少可能であることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、複数本の端子が形成された端子フープ材から切り離した端子を、コネクタ用のハウジングに設けられた端子挿入用の複数本のスリットに順次挿入するコネクタ組立機において、該端子が挿入されるハウジングのスリットの各々と端子挿入位置とを順次一致させるように、前記ハウジングが挿入された送り爪を間欠的に微送するハウジング搬送装置と、前記端子挿入位置に到達したハウジングのスリットに、前記端子フープ材から切り離した端子を挿入する端子挿入装置と、前記ハウジング搬送装置に連繋され、且つ端子挿入装置の各動作に連動されているカム装置であって、ハウジング搬送装置の送り爪にハウジングに対する挿入動作・取出動作を行わせる送り爪用カム装置とを具備することを特徴とするコネクタ組立機にある。
【0007】
かかる構成を有する本発明において、端子挿入装置において、端子フープ材の送り動作、端子の切り離し動作、及び切り離した端子の挿入動作の各々の動作を動作カム装置によって制御することにより、各動作間の無駄時間を可及的に減少できる。
更に、送り爪用カム装置の駆動カムと動作カム装置の駆動カムとを同一回転軸に設け、且つ送り爪を微送してハウジングの各スリットに端子を順次挿入する際に、前記送り爪用カム装置とハウジング搬送装置との連繋を一時的に解除する解除手段を設けることによって、両カム装置間の連動を容易化しつつ、動作カム装置の作動と送り爪用カム装置の作動との干渉を防止できる。
その際に、解除手段として、送り爪用カム装置の駆動カムとカムフォロワーとの接触を強制的に解除する流体駆動のシリンダ装置を使用することによって、送り爪用カム装置とハウジング搬送装置との連繋の一時的な解除を容易に行うことができる。
また、ハウジング搬送装置において、送り爪に挿入されたハウジングの微送を、駆動手段に連結されたボールネジを介して行うことにより、ハウジングのスリットを端子挿入位置に正確に合わせることができる。
尚、各カム装置のカムの駆動手段をサーボモータとすることによって、各動作相互間の動作開始・動作完了のタイミング合わせを正確に且つ容易に行うことができる。
【0008】
【作用】
本発明によれば、ハウジング搬送装置に設けられた送り爪のハウジングに対する挿入動作・取出動作を、端子挿入装置の各動作と連繋された送り爪用カム装置によって行うため、ハウジングに対する送り爪の挿入・取出動作の開始・完了のタイミング合わせを正確に且つ容易に行うことができる。
しかも、ハウジングに対する送り爪の挿入手段・取出手段として、従来の流体駆動のシリンダ装置に代えてカム装置によって行うため、シリンダ装置の動作端の位置確認等の時間を不要化でき、ハウジングに対する送り爪の挿入動作時・取出動作時に発生する無駄時間を可及的に減少できる結果、一連の動作時間の短縮が可能になったのである。
【0009】
【実施例】
本発明を図面によって更に詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例に係る正面図であり、端子挿入装置10(以下、挿入装置10と称することがある)とハウジング搬送装置50(以下、搬送装置50と称することがある)とから成る。
挿入装置10は、基台12上に載置されたサーボモータ14によって駆動される複数枚の駆動カムから成る駆動カム群16が設けられている。この駆動カム群16の各駆動カムの回転角等はエンコーダ18によって検出される。
また、搬送装置50は、基台52上に載置されたサーボモータ52により駆動されるボールネジ56によって、図面に対して垂直方向に送り爪58が移動可能に設けられている。この送り爪58は、挿入装置10に設けられた送りレール20に載置されたハウジングを移送する。
尚、送り爪58は、バネ60によって挿入装置10の送りレール20方向に付勢されているレール59に固着されいる。
【0010】
かかる本実施例のコネクタ組立機において、挿入装置10と搬送装置50とは、送り爪用カム装置22を介して連結されている。
この送り爪用カム装置22では、駆動カム群16を構成する駆動カムの一枚に当接可能に設けられたカムフォロワー23に連結されたロッドの一端が、連結部材62を介して搬送装置50のレール59に連結されている。このため、送り爪用カム装置22が作動した場合、レール59をバネ60の付勢力に抗して挿入装置10の送りレール20と離れる方向に押圧し、送り爪58をレール20上のハウジングから離れさせ、次のハウジングの移送等のために移動できる。
【0011】
図1に設けられた駆動カム群16を構成するカム16aは、リンク24によってピッチ送り装置26を構成するレバー25を上下方向に駆動し、端子フープ材のピッチ送りを行う。
また、バネ28は、図2に示す様に、端子フープ材から切断した端子をハウジングの所定のスリットに仮挿入する仮挿入装置34を後端方向(サーボモータ14方向)に付勢し、バネ30は仮挿入した端子を本挿入する本挿入装置36を後端方向(サーボモータ14方向)に付勢する。
かかる仮挿入装置34及び本挿入装置36は、駆動カム群16を構成するカム16cによって制御される。
これらカム16a、16cと共に、駆動カム群16を構成するカム16bは、クランプした端子フープ材から端子を切断するクランプ・カット装置32を制御する。
【0012】
図2に示すバネ30によって後端方向(サーボモータ14方向)に付勢されている本挿入装置36は、図3に示す様に、カム16cに当接するカムレバー38の一端が本挿入装置36の一部に連結されている。このため、カム16cが回転してカムレバー38が38′の位置に回動したとき、本挿入装置36の全体をバネ30の付勢力に抗してレール20方向に移動し、端子をハウジング内に本挿入する。
同様に、図2に示すバネ28によって後端方向(サーボモータ14方向)に付勢されたいる仮挿入装置34も、カム16cによって装置34の全体がバネ28の付勢力に抗してレール20方向に移動される。
また、カム16bの曲面に曲折して形成された溝には、クランプ・カット装置32を構成するカムレバー33の一端が挿入され、溝の曲折に合わせて図4に示すピン35を中心にしてカムレバー33の他端を回動させる。
このカムレバー33の他端に装着され、先端にクランプ部37とカット部39とが先端に設けられたクランプ・カット装置32は、カムレバー33の他端の回動に伴って移動し、端子フープ材のクランプ及び端子の切断を行う。
尚、この際に、端子フープ材の位置決め穴に、図5に示す様に、パイロット27、27の先端が挿入され、端子フープ材の位置決めが行われる。
【0013】
かかるクランプ・カット装置32には、カムレバー13の一端21をクランプ部37方向に付勢するバネ11が設けられ、カムレバー13の他端23は本挿入装置36に設けられた板カム17の屈曲面19に当接している(図4では、他端23の構造を明確にすべく、屈曲面19から離して描いた)。
このため、図3に示す様に、カム16cに当接するカムレバー38が38′に回動して本挿入装置36をレール20方向に移動させたとき、板カム17もレール20方向に移動するため、カムレバー13の他端23も屈曲面19に沿って移動し、クランプ・カット装置32に設けられたバネ11の付勢力に抗してカムレバー13の一端21をピン15を中心にして回動する。
一方、クランプ・カット装置32は、端子フープ材がクランプされ、且つ端子の切断がなされた状態にあるが、カムレバー13の一端21がバネ11の付勢力に抗して回動されてクランプ部37をアンクランプとするため、本挿入装置36に設けられた挿入部材40による本挿入動作を、クランプ部37によって干渉されることなく行うことができる。
【0014】
ところで、図6に示す様に、本実施例では、レール20上に載置されたハウジングHに対し、端子フープ材をクランプするクランプ部37、カット部39、及び端子フープ材から切断した端子をハウジングHのスリットに本挿入する挿入部材40の順序で設けられている。
このため、図7に示す様に、端子フープ材Fをクランプ部38及びカット部39で正確にクランプしてカットすべく、位置決め用のパイロット27、27(図5)の先端が挿入される穴29、29と、端子フープ材Fの位置決め穴とが一致するように、端子フープ材Fを正確に移送することが必要である。
本実施例では、図8に示す端子フープ材Fのピッチ送り装置26が設けられている。
図8において、フープ送り爪49は、図1に示す上下運動するレバー25に伴い、レール47上を上下方向に移動可能に設けられ、且つピン42を中心にして回動可能にも設けられている。このフープ送り爪49の一端側に設けられた爪が端子フープ材Fの方向に回動するように付勢するバネ46がフープ送り爪49の他端側に設けられている。
更に、フープ送り爪49の途中から突出する突出部に設けられたローラ44の近傍に、図4〜5において説明したカムレバー33の回動に伴い移動するL字状部材45の先端が位置するように、L字状部材45が設けられている。
【0015】
かかるフープ送り爪49の一連の動作を図9に示す。図9において、図1に示すレバー25の下方への移動に伴いフープ送り爪49も下方に移動し、フープ送り爪49の爪が位置決め穴に挿入された端子フープ材Fを下方に移動させる〔図9(a)〕。
このフープ送り爪49の下方への移動は、レバー25が端子フープ材Fを所定ピッチ下方に移動させたとき停止する〔図9(b)〕。
その後、L字状部材45がカムレバー33の回動に伴い矢印A方向に移動し、ローラ44と当接してピン42を中心にしてフープ送り爪49を回動させ、フープ送り爪49の爪を端子フープ材Fの位置決め穴から外す。この様に、端子フープ材Fの位置決め穴から爪が外されたフープ送り爪49は、ローラ44にL字状部材44に当接しつつレバー25の上昇に伴い上昇する。
次いで、所定高さに上昇したフープ送り爪49は、L字状部材45がカムレバー33の回動に伴い図9(a)に示す位置に戻るため、バネ46の付勢力によって回動し端子フープ材Fの位置決め穴に爪を挿入する。
【0016】
かかる図1〜図9に示すカム16a〜16cは、駆動カム群16として同一回転軸に設けられており、図10のタイミングチャートに示す様に、回転軸が一回転すると端子フープ材の送りから端子の本挿入までを行う。
ところで、カム16a〜16cの挿入装置10における動作と搬送装置50との動作との同調、例えば搬送装置50の送り爪58にハウジングHを挿入・取出する動作を、流体駆動のシリンダ装置によって行うと、前述した様に、無駄時間が多く発生する。
この点、本発明においては、図11に示す様に、カム16a〜16cと同一回転軸にカム16dを設けた送り爪用カム装置22によって、搬送装置50の送り爪58にハウジングHの挿入・取出動作を行わせている。このため、送り爪58の直接の動作に流体駆動のシリンダ装置を使用することを要せず、無駄時間を可及的に少なくすることができるのである。
【0017】
一方、ハウジングHの各スリットに端子の挿入が完了するまでは、送り爪58にハウジングHを挿入しつつ微送することを要する。このため、本実施例では、図11の送り爪用カム装置22においては、ハウジングHの各スリットに端子の挿入が完了するまでの間、カム16dによる送り爪58に対するハウジングHの挿入・取出動作を回避すべく、カム16dに当接するカムフォロワー70をカム16dと当接しない位置70′に強制的に回動させることにしている。
かかる送り爪用カム装置22について、以下、詳細に説明する。駆動カム16dに当接可能に設けられたカムフォロワー70の途中には連結ロッド72の一端が連結され、連結ロッド72の他端には連結ブッロク74の一端部が連結されている。このブロック74の他端部は、挿入装置10の基部12上に載置された部材76に形成された溝部78に挿入されている。ブロック74の回動方向を規制するためである。
かかるブロック74には、操作ロッド80の一端が連結され、操作ロッド80の他端には搬送装置50の連結部材62が装着されている。この様に、操作ロッド80が連結されているブロック74には、操作ロッド80と反対側となるように、圧空駆動のシリンダ装置82を構成するロッドが連結されている。
【0018】
図11に示す送り爪用カム装置22によれば、カムフォロワー70をカム16dに当接するようにシリンダ装置82を作動した場合、連結部材62を介して図1に示すレール59をバネ60の付勢力に抗して挿入装置10の送りレール20と離れる方向に押圧し、送り爪58を送りレール20上のハウジングから離すことができる。このため、送り爪58を左右方向に大きく移動できる。
一方、カムフォロワー70を駆動カム16dから離れた位置70′になるようにシリンダ装置82を作動した場合、送りレール20上のハウジングを挿入した送り爪58をボールネジ56によって微送できる。
尚、カム16a〜16dの位置は、エンコーダ18によって検出可能であるため、エンコータ18の検出値によってシリンダ装置82の作動や搬送装置50のサーボモータ54の回転数等を容易に制御できる。
【0019】
かかるハウジングHの移送状態を図12に示す。挿入装置10のレール20に載置されたハウジングHと搬送装置50の送り爪58とが離れている〔図12(a)〕。カム16dの突出部分にカムフォロワー70が当接し、搬送装置50のレール59(図1)をバネ60の付勢力に抗して送り爪58がレール20から離れる方向に押圧しているからである。
カム16dが回転してカム16dの切欠部にカムフォロワー70が当接したとき、レール59をレ−ル20から離れる方向に押圧する力が消滅するため、バネ60の付勢力によってレール59をレール20の方向に移動させ送り爪58にハウジングHを挿入する〔図12(b)〕。
ハウジングHが挿入された送り爪58によって、第1番目のスリットを端子挿入位置となるようにハウジングHを移送した後、カム16a〜16cによって端子102を挿入する〔図12(c)〕。
次いで、ハウジングHが挿入された送り爪58を間欠的に微送し、端子102をスリットを挿入する〔図12(d)〕。この際、カム16dとカムフォロワー70とが当接しないように、シリンダ装置82によってカムフォロワー70を位置70′にするため、端子102の挿入途中で送り爪58とハウジングHとが外れることを防止できる。
端子102がハウジングHの所定のスリットに挿入が完了した後、シリンダ装置82によってカムフォロワー70をカム16dにシリンダ装置82によって当接させ、ハウジングHを送り爪58から取り出す〔図12(e)〕。
その後、送り爪58は、レール20に搭載された新しいハウジングHの方向に移動し〔図12(f)〕、図12(a)からの動作を繰り返す。
かかるシリンダ装置82の作動方向は、エンコーダ18の検出値に基づいて搭載されたマイクロコンピュータ等によって判断される。また、送り爪58の微送もマイクロコンピュータ等によって制御される。
【0020】
ここで、ハウジングHのスリットに端子102を挿入する手順を図13によって説明する。
先ず、ピッチ送り装置26によって端子フープ材を所定位置に移送した後〔図13(a)〕、端子フープ材に穿設された位置決め穴にパイロット27によって端子フープ材の位置決めを行うと共に、カム16bによってカムレバー33を介してクランプ部37が端子102をクランプする方向に移動し、端子102の端部をクランプする〔図13(b)〕。
クランプされた端子フープ材は、カム16bによってカムフォロワー33を介してカット部39が端子フープ材のキャリア104を切断する方向に移動し、キャリア104を切断する〔図13(c)}。この際に、端子102はクランプ部37によってクランプされている。
更に、端子102をクランプしたクランプ部37は、図3に示す様に、カム16cによってバネ30の付勢力に抗してハウジングH方向に移動し、端子102の一部をハウジングHのスリットに挿入する仮挿入を行う〔図13(d)〕。
次いで、板カム17によってカムレバー13を介してクランプ部37をアンクランプし〔図13(e)〕、挿入部材40によって仮挿入された端子102を本挿入〔図13(f)〕して一連の端子102の挿入動作を完了する。
【0021】
図1〜図13に示す本実施例のコネクタ組立機による端子挿入に要する時間を、一の動作完了をセンサ等で確認した後、次の動作を開始する従来方式の自動挿入機での端子挿入時間と比較した。その結果を下記に示す。
(1) ハウジングHの各スリットへの端子102の挿入を完了した後、次のハウジングHのスリットへの端子102の挿入開始までの時間
本実施例 従来方式 短縮時間
0.284秒 0.690秒 0.406秒
(2) ハウジングHのスリットへの端子一本当たりの挿入時間
本実施例 従来方式 短縮時間
0.184秒 0.215秒 0.030秒
上記から明らかな様に、本実施例によれば端子挿入動作を従来方式の組立機よりも短縮することができ、コネクタ組立の作業効率を向上することができる。
【0022】
【発明の効果】
本発明によれば、コネクタ組立装置の各動作における無駄時間を可及的に短縮することができ、ハウジングのスリットへの端子挿入時間等を短縮することできる結果、コネクタ組立の作業効率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るコネクタ組立機の正面図である。
【図2】図1に示すコネクタ組立機の平面図である。
【図3】図1に示すコネクタ組立機の端子挿入装置10を構成する端子挿入装置を説明するための説明図である。
【図4】図2のコネクタ組立機を構成する端子挿入装置10の部分拡大図である。
【図5】図2のコネクタ組立機を構成する端子挿入装置10の部分拡大図である。
【図6】レール20に載置されたハウジングHとクランプ部38等との位置関係を説明するための説明図である。
【図7】図2のコネクタ組立機を構成する端子挿入装置10のレール20に載置されたハウジングHとの関係を説明する説明図である。
【図8】図2のコネクタ組立機を構成する端子挿入装置10のピッチ送り装置26を説明するための説明図である。
【図9】図8に示すピッチ送り装置26の送り爪49等の動作を説明するための説明図である。
【図10】カム16a〜16cのタイミングチャートである。
【図11】図2のコネクタ組立機を構成する端子挿入装置10の送り爪用カム装置22を説明するための説明図である。
【図12】レール20に載置されたハウジングHと送り爪58との動作を説明するための説明図である。
【図13】ハウジングHに端子102を挿入する動作を説明するための説明図である。
【図14】ハウジングHの内部構造と端子フープ材106とを説明するための説明図である。
【符号の説明】
10 端子挿入装置
12 基台
14、54 サーボモータ
16 駆動カム群
18 エンコータ
20、59 レール
22 送り爪用カム装置
26 ピッチ送り装置
28、30 バネ(付勢部材)
32 クランプ・カット装置
34 アンクランプ装置
36 仮挿入・本挿入装置
50 ハウジング搬送装置
58 送り爪
H ハウジング
Claims (6)
- 複数本の端子が形成された端子フープ材から切り離した端子を、コネクタ用のハウジングに設けられた端子挿入用の複数本のスリットに順次挿入するコネクタ組立機において、
該端子が挿入されるハウジングのスリットの各々と端子挿入位置とを順次一致させるように、前記ハウジングが挿入された送り爪を間欠的に微送するハウジング搬送装置と、
前記端子挿入位置に到達したハウジングのスリットに、前記端子フープ材から切り離した端子を挿入する端子挿入装置と、
前記ハウジング搬送装置に連繋され、且つ端子挿入装置の各動作に連動されているカム装置であって、ハウジング搬送装置の送り爪にハウジングに対する挿入動作・取出動作を行わせる送り爪用カム装置とを具備することを特徴とするコネクタ組立機。 - 端子挿入装置において、端子フープ材の送り動作、端子の切り離し動作、及び切り離した端子の挿入動作の各々の動作が動作カム装置によって制御される請求項1記載のコネクタ組立機。
- 送り爪用カム装置の駆動カムと動作カム装置の駆動カムとが同一回転軸に設けられ、
且つ送り爪を微送してハウジングの各スリットに端子を順次挿入する際に、前記送り爪用カム装置とハウジング搬送装置との連繋を一時的に解除する解除手段が設けられている請求項1又は請求項2記載のコネクタ組立機。 - 解除手段が、送り爪用カム装置の駆動カムとカムフォロワーとの接触を強制的に解除する流体駆動のシリンダ装置である請求項3記載のコネクタ組立機。
- ハウジング搬送装置において、送り爪に挿入されたハウジングの微送が、駆動手段に連結されたボールネジを介して行われる請求項1〜3のいずれか一項記載のコネクタ組立機。
- 各カム装置のカムの駆動手段がサーボモータである請求項1〜5記載のいずれか一項記載のコネクタ組立機。
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