JP3545822B2 - 孔版印刷装置 - Google Patents

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JP3545822B2 JP00051795A JP51795A JP3545822B2 JP 3545822 B2 JP3545822 B2 JP 3545822B2 JP 00051795 A JP00051795 A JP 00051795A JP 51795 A JP51795 A JP 51795A JP 3545822 B2 JP3545822 B2 JP 3545822B2
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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、サーマルヘッド等の発熱体で穿孔されたマスタを巻装して印刷を行う孔版印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より簡便な印刷方法として、デジタル式感熱孔版印刷が知られている。これは、微細な発熱素子が一列に配置されたサーマルヘッドを感熱孔版マスタ(以下、「マスタ」という)に接触させ、パルス的に発熱素子に通電させながらマスタを搬送することで画像情報に応じてマスタを溶融穿孔し、このマスタを多孔性の円筒状版胴の外周面に巻装した後、穿孔した部分よりインキを透過させて用紙に転移させることにより印刷画像を形成するものである。
【0003】
この印刷に用いられる孔版印刷装置では、版胴外周面上に巻装された使用済みマスタを剥離して排版ボックスに廃棄する排版動作、サーマルヘッドでマスタを溶融穿孔しつつプラテンローラーで搬送する製版動作、製版済みマスタを版胴に巻装する給版動作、給紙装置によって給送された印刷用紙に対して印刷画像を形成する印刷動作等の一連の動作を経て印刷が行われる。
【0004】
従来、孔版印刷装置での印刷は、装置のオペレーターが装置本体に原稿をセットし、製版開始スイッチを投入してから排版動作が開始され、排版動作完了後に製版動作が開始され、製版動作と並行して給版動作が行われ、給版動作完了後に印刷動作が行われる。
【0005】
しかしこの装置では、排版動作が完了した後に製版動作が行われるため、次版の製版に際して排版動作の完了を待たねばならず、オペレーターが製版開始スイッチを投入してから一連の動作を経て最初の印刷物が排出されるまでの時間であるファースト・プリント・タイム(以下、「FPT]という)が長くなってしまうという問題点があった。
【0006】
そこで、製版済みマスタを貯留するマスタストック手段を設け、排版動作と並行して製版動作を行う技術が特開昭61−287781号公報に、類似の技術が特開昭61−261088号公報及び特開昭62−25080号公報にそれぞれ開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記特開昭61−287781号公報、特開昭61−261088号公報及び特開昭62−25080号公報にそれぞれ開示された技術では、装置に新しいマスタをセットする場合に、オペレーターは装置本体上部の画像読取装置を大きくスライドさせ、オペレーター自らの手でプラテンローラー、マスタ送り込み手段を経てマスタ送り出し手段までの長距離にわたりマスタを引き出してセットした後、切断手段によってマスタを切断し、装置内に手を入れて切断されたマスタの切れ端を取り出さなくてはならず、危険であると共に、マスタのセット作業を行うにはある程度の熟練度を必要とするため、専任のオペレーターを置かなくてはならないという問題点がある。
【0008】
本発明は、上記各問題点を解決し、排版動作と製版動作とを並行して行うことによってFPTを短縮し、かつ、専任のオペレーターを必要とすることなくマスタのセット作業を簡単に行うことができる孔版印刷装置を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、外周面に製版済みマスタの一端を係止するクランプ手段を有する多孔性で回転自在な版胴と、ロール状に巻成されたマスタを貯容するマスタ貯容手段と、前記マスタ貯容手段からのマスタを画像情報に応じて選択的に加熱穿孔する製版手段と、前記製版済みマスタを切断する切断手段と、前記版胴と前記切断手段との間の上方に配設され、前記製版済みマスタを搬入する開口を下部に有し、その内部に前記製版済みマスタを貯留するマスタストック手段と、前記切断手段と前記マスタストック手段との間に配設され、前記マスタストック手段に前記製版済みマスタを搬送するマスタ送り込み手段と、前記版胴と前記マスタストック手段との間に設けられ、前記クランプ手段に向けて前記製版済みマスタを搬送するマスタ送り出し手段と、前記マスタ送り込み手段と前記マスタ送り出し手段との間であって前記開口の下方に配設された前記製版済みマスタをガイドする案内板とを具備した孔版印刷装置であって、前記マスタストック手段内に配設された、前記マスタの前記マスタ貯容手段への初期セット時において前記切断手段によって切断された前記マスタの切れ端を貯容するマスタカット貯容部と、前記マスタの切れ端を前記マスタカット貯容部に向けて導く導入手段とを具備したことを特徴とする。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の孔版印刷装置において、さらに、前記マスタカット貯容部は、前記マスタストック手段内の前記開口より最も離れた底部側に設けられていることを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載の孔版印刷装置において、さらに、前記導入手段は、前記マスタカット貯容部の上方に配設された吸引ファンであることを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の発明は、請求項1または請求項2または請求項3記載の孔版印刷装置において、さらに、前記マスタカット貯容部と前記導入手段との間に、前記マスタの切れ端を前記マスタカット貯容部に対して押圧する変位自在な押圧板を具備したことを特徴とする。
【0013】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の孔版印刷装置において、さらに、前記マスタカット貯容部と前記押圧板は、前記マスタの切れ端の限界貯容量を検知する貯容量検知手段を具備することを特徴とする。
【0014】
請求項6記載の発明は、請求項1、請求項2、請求項3、請求項4または請求項5記載の孔版印刷装置において、さらに、前記マスタカット貯容部は実質的に箱型であり、該マスタカット貯容部は前記マスタストック手段に対して着脱自在に設けられていることを特徴とする。
【0015】
請求項7記載の発明は、請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5または請求項6記載の孔版印刷装置において、さらに、前記案内板は、その前記マスタ送り込み手段側が軸支されて回動自在に設けられており、前記マスタの切れ端が前記マスタカット貯容部に導入される際に回動手段によって回動されることを特徴とする。
【0016】
【作用】
請求項1記載の発明によれば、マスタ貯容手段への初期セット時において、切断手段によって切断されたマスタの切れ端は、導入手段に導かれ、マスタストック手段内のマスタカット貯容部に貯容される。
【0017】
請求項4記載の発明によれば、切断手段によって切断されたマスタの切れ端は、押圧板によってマスタカット貯容部に押圧されて貯容される。
【0018】
請求項5記載の発明によれば、マスタカット貯容部に貯容されたマスタの切れ端は、貯容量検知手段によってその限界貯容量を検知される。
【0019】
請求項6記載の発明によれば、実質的に箱型のマスタカット貯容部は、マスタストック手段に対して着脱自在に設けられている。
【0020】
請求項7記載の発明によれば、切断手段によって切断されたマスタの切れ端がマスタカット貯容部に導入される際に、そのマスタ送り込み手段側が軸支されて回動自在に設けられた案内板が回動手段によって回動される。
【0021】
【実施例】
本発明の第1の実施例を示す図1において、図示されない駆動手段で回転駆動される版胴1は、その外周部にマスタの先端部を係止するクランプ手段としてのクランパー2を有している。クランパー2は軸2aで版胴1の外周面に枢着され、図示しない開閉手段により駆動力を伝達されて回動自在となっている。版胴1の内部には、図示しない周知のインキ供給手段が配設されている。
【0022】
版胴1の右上方には、マスタ貯容手段3、製版手段4、切断手段5、マスタストック手段6、マスタ送り込み手段7、マスタ送り出し手段8、案内板9等が配設されている。
マスタ貯容手段3は、ケース10、マスタロール11、マスタ支持部材12等から主に構成されている。マスタ11aをロール状に巻装してなるマスタロール11は、その芯部をマスタ支持部材12に支持されており、マスタ支持部材12は、孔版印刷装置本体に取り付けられたケース10の図示しない側板に回転自在に支持されている。
【0023】
マスタロール11の配設位置より左方には、サーマルヘッド13とプラテンローラー14とからなる製版手段4が配設されている。サーマルヘッド13は、孔版印刷装置本体の図示しない側板に取り付けられており、マスタロール11より引き出されたマスタ11aに対して溶融穿孔を行い、製版済みマスタを形成する。プラテンローラー14は、孔版印刷装置本体の側板に回転自在に支持されていると共に、図示しない付勢手段によってサーマルヘッド13に付勢されており、図示しない駆動手段で回転駆動され、マスタをサーマルヘッド13に押圧しつつ下流側へと搬送する。
【0024】
製版手段4のマスタ搬送方向下流側には、可動刃15、固定刃16からなる切断手段5が配設されている。この切断手段5は、可動刃15が固定刃16に対して回転移動し、製版済みマスタを切断する。
切断手段5のマスタ搬送方向下流側には、送り込み駆動ローラー17、送り込み従動ローラー18からなるマスタ送り込み手段7が配設されている。送り込み駆動ローラー17及び送り込み従動ローラー18は、孔版印刷装置本体の側板に回転自在に支持されており、送り込み駆動ローラー17は図示しない駆動手段で回転駆動される。送り込み従動ローラー18は、送り込み駆動ローラー17と連れ回りする。
【0025】
マスタ送り込み手段7のマスタ搬送方向下流側には、送り出し駆動ローラー19、送り出し従動ローラー20、マスタガイド板21からなるマスタ送り出し手段8が配設されている。送り出し駆動ローラー19及び送り出し従動ローラー20も上記各ローラーと同様に孔版印刷装置本体の側板に回転自在に支持されている。送り出し駆動ローラー19は図示しない駆動手段で回転駆動され、送り出し従動ローラー20は送り出し駆動ローラー19と連れ回りする。マスタガイド板21は孔版印刷装置本体の側板に固設され、マスタ送り出し手段8より搬送される製版済みマスタをクランパー2へと案内する。
マスタ送り込み手段7とマスタ送り出し手段8との間には、案内板9が配設されている。案内板9は、マスタ送り込み手段7とマスタ送り出し手段8とを連絡すべく配設されており、そのマスタ送り込み手段7側の端部において、支軸9aにより回動自在に軸支されている。支軸9aには図示しない歯車が固着されており、この歯車は図示しないステッピングモーターの出力軸に固着された歯車と噛合している。
【0026】
図2は、第1の実施例におけるマスタストック手段6を示している。同図において、マスタストック手段6は、マスタ貯容手段3、製版手段4、切断手段5、マスタ送り込み手段7、案内板9の上方に配設されており、筐体22、吸引ファン23、撓みセンサー24、導入手段としての吸引ファン25、マスタカット貯容部26、押圧板27等から主に構成されている。
【0027】
筐体22は、金属板や樹脂板等で形成された側板22a,22b、上板22c、底板22d,22e、図示を省略した印刷装置前面側の側板、印刷装置後面側の側板22hから一体的に構成されており、案内板9の上方に開口22fを有している。マスタ貯容手段3側寄りの側板22bには切欠部22gが形成され、マスタ貯容手段3の上方に位置する底板22dに接続した底板22eは、製版手段4と切断手段5とマスタ送り込み手段7との上方において、上方に向けて湾曲した形状を呈している。
【0028】
上板22cの上面であって開口22fと対応する位置には吸引ファン23が、また、底板22dと対応する位置には吸引ファン25が取り付けられている。上板22cの、各吸引ファン23,25が取り付けられる部位には、各吸引ファン23,25が作動したときに、筐体22内の空気を流動させるための図示しない開口が設けられている。
【0029】
側板22aの外側には、ブラケット24aが固着されており、ブラケット24aには、検知部を側板22a側に向けて撓みセンサー24が取り付けられている。側板22aには、撓みセンサー24の光軸が通過するための図示しない孔が形成されている。
【0030】
開孔22fより最も離れた位置に配設された底板22dの上面には、箱型を呈したマスタカット貯容部26が配設されている。マスタカット貯容部26は、その一側面によって切欠部22gを埋め、側板22bの外面と同一平面を構成する。さらに、マスタカット貯容部26の、図2において紙面奥側の側面には、後述する支軸27aが垂直方向に上下動するための図示しない溝部が形成されている。また、側板22bの外方に位置する孔版印刷装置本体の側板28には、切欠部22gよりも大きく、かつ、切欠部22gを含むように形成された切欠部28aが設けられており、この切欠部28aには、支軸29aを中心に外方へ向けて回動自在に設けられた蓋29が配設されている。蓋29は、その自由端部において側板28と係脱自在に構成されており、切欠部28aを覆い側板28と係合した状態で、側板28と同一平面を構成する。マスタカット貯容部26は、蓋29が外方に回動して切欠部28aが開放された図2に示す状態において、図に二点鎖線で示すように切欠部22gより右方に移動させることで、マスタストック手段6からの取り外しが可能となっている。また、側板22bの外側であって、側板28と蓋29との係合部に対応する位置には、側板28と蓋29との係合が解除されたときに信号を出力する開閉センサー30が設けられている。
【0031】
押圧板27は、図3に示すように、上部に設けられた支軸27aによって支持されており、支軸27aは側板22hの外側に設けられた上下動機構31によって支持されている。押圧板27には、吸引ファン25の空気流による吸引力を下方へ伝達させるための開孔27bが複数形成されている。
【0032】
上下動機構31は、モーター32、ギヤ33,34,35,36,37,38、リンク39、アクチュエーター40、動滑車41、バネ42、上死点センサー43、下死点センサー44、貯容量検知手段としての定量センサー45、定滑車46から主に構成されている。
リンク39は、その中心部に形成された長穴部39cにおいてギヤ38に、かつ、その一端を支軸39aに揺動自在に支持されており、ギヤ38の回動に伴って、その自由端部が支軸39aを中心に上下動自在となっている。リンク39の自由端部には、アクチュエーター40が載置されている。支軸27aが固着されたアクチュエーター40は、図示しない付勢手段によって上方に付勢されており、動滑車41を回転自在に支持している。支軸27aは、側板22hに形成された図示しない溝によって、垂直方向に上下動自在にガイドされている。動滑車41と定滑車46とに掛け渡されたバネ42は、そのバネ定数が、アクチュエーター40を上方に付勢する図示しない付勢手段のバネ定数よりも僅かに大きくなるように設定されている。
【0033】
上下動機構31は、モーター32の回転力を各ギヤを介して伝達し、リンク39を支軸39aを中心に揺動させてその自由端と当接したアクチュエーター40を上下動作せることにより、支軸27a及び押圧板27を、図2の実線位置と二点鎖線位置との間で上下動作せるように構成されている。上死点センサー43と定量センサー45とはアクチュエーター40に設けられた検知片40aを、下死点センサー44はリンク39の凸部39bをそれぞれ検知して信号を送出する。下死点センサー44は、凸部39bによってその作動片44aが押されて信号を発するとき、押圧板27の下面がマスタカット貯容部26の底面と当接することで、リンク39の自由端部とアクチュエーター40との当接が僅かに離れる位置に配置されている。
【0034】
版胴1の右方であってマスタ貯容手段3の下方には、給紙装置47が配設されている。給紙装置47は、給紙トレイ48、給紙ローラー49、分離ローラー50、レジストローラー対51、ガイド板52、53等から主に構成されている。
排紙トレイ48はその上に印刷用紙Pを積載され、給紙装置本体47aに上下動自在に支持されている。給紙トレイ48は印刷用紙Pの増減と連動して上下動される。給紙ローラー49と分離ローラー50とは、最上位の印刷用紙Pと当接するように設けられており、各ローラーは図示しない駆動手段で回転駆動される。分離ローラー50の印刷用紙搬送方向下流側には、レジストローラー対51が配設されている。レジストローラー対51は、搬送された印刷用紙Pの先端を啣え込み、タイミングをとって版胴1の外周面と後述するプレスローラーとの間に搬送する。ガイド板52,53は孔版印刷装置本体の図示しない側板に固着されており、印刷用紙Pの給紙をガイドする。
【0035】
版胴1の下方近傍には、給紙装置47から搬送された印刷用紙Pを版胴1の外周面に押圧するプレスローラー54、及び版胴1の外周面より印刷済み用紙を剥離する剥離爪55が配設されている。プレスローラー54は、孔版印刷装置本体の図示しない側板に揺動自在に支持された支軸54aに固着されており、揺動手段54bで揺動される。剥離爪55も孔版印刷装置本体の図示しない側板に揺動自在に支持された支軸55aに固着されており、図示しない揺動手段で揺動される。
【0036】
版胴1の左下方には排紙装置56が配設されている。排紙装置56は、従動ローラー57、駆動ローラー58、ゴムベルト59、ファン60、排紙トレイ61等から主に構成されている。
従動ローラー57と駆動ローラー58とは排紙装置本体56aの側板に回転自在に支持されており、各ローラー57,58間には、表面に複数の開孔を有するゴムベルト59が掛け渡されている。駆動ローラー58は図示しない駆動手段で回転駆動され、この回転力はゴムベルト59を介して従動ローラー57に伝達される。各ローラー57,58の間であって排紙装置本体56aの下部には、ファン60が配設されている。ファン60は、その回転により図において下向きの空気流を発生させ、ゴムベルト59の表面に印刷済み用紙を吸引する。駆動ローラー58の印刷用紙搬送方向下流側には、印刷済み用紙を積載する排紙トレイ61が、排紙装置本体56aと一体的に形成されている。
【0037】
版胴1の左上方には排版装置62が配設されている。排版装置62は、上部排版部材63、下部排版部材64、排版ボックス65、圧縮板66等から主に構成されている。
上部排版部材63は、図示しない駆動手段で回転駆動される駆動ローラー67と従動ローラー68、及び各ローラー間に掛け渡されたゴムベルト69とから構成されている。下部排版部材64は、駆動ローラー67と図示しないギヤによって連結され回転駆動される駆動ローラー70と従動ローラー71、及び各ローラー70,71間に掛け渡されたゴムベルト72とから構成されている。また、下部排版部材64は、駆動ローラー67の中心軸を中心に左右方向に移動自在となっており、図示しない移動手段で移動される。下部排版部材64の移動により、駆動ローラー70の外周面は版胴1の外周面と接離自在となっている。内部に使用済みマスタを貯容する排版ボックス65は、排版装置本体に対して着脱自在に設けられており、その上方には、図示しない昇降手段によって上下動される圧縮板66が配設されている。
【0038】
以下、動作を説明する。
マスタ支持部材12にマスタロール11がセットされ、オペレーターが図示しない操作パネル上のマスタカットスイッチを投入すると、図示しない制御手段からの指令により、プラテンローラー14を駆動する図示しないステッピングモーターと送り込み駆動ローラー17を駆動する図示しない駆動手段とが作動し、プラテンローラー14と送り込み駆動ローラー17とが時計回り方向に回転駆動されてマスタ11aが右方へ搬送される。各ローラー14,17の駆動と同時に、制御手段からの指令によりモーター32が作動して押圧板27が上昇し、検知片40aが上死点センサー43に検知されてその信号が制御手段に出力されると、制御手段からの指令によりモーター32の作動が停止し、押圧板27が図4の実線位置で停止する。
【0039】
押圧板27が実線位置で停止すると、制御手段からの指令により吸引ファン25が回転を開始して図4の矢印方向に筐体22内の空気を流動させると共に、制御手段からの指令により支軸9aを回動させる図示しないステッピングモーターが作動し、案内板9が図4の二点鎖線位置から時計回り方向に回動され、ステッピングモーターのステップ数より所定位置である実線位置に達したと制御手段が判断すると、ステッピングモーターの回転が停止して案内板9が位置決めされる。
【0040】
案内板9の位置決めが完了し、プラテンローラー14とマスタ送り込み手段7とによってマスタ11aが所定量搬送されると、制御手段から指令が送られて可動刃15が固定刃16に対して回転移動してマスタ11aが切断される。切断後、マスタ送り込み手段7によって筐体22の内部に送り込まれたマスタ11aの切れ端11bは、吸引ファン25の吸引力によって図5の一点鎖線矢印方向に運ばれ、押圧板27の下面に貼り付く。
【0041】
マスタ11aが切断手段5によって切断されると、制御手段からの指令によって支軸9aを回動させる図示しないステッピングモーターが作動し、案内板9が反時計回り方向に回動され、図4の実線位置に再び位置決めされる。案内板9の位置決めが完了すると、制御手段からの指令によってプラテンローラー14が回転し、マスタ11aの切断後の先端がマスタ送り込み手段7によって挟持される初期設定位置まで搬送されると、プラテンローラー14の回転が停止する。制御手段は、プラテンローラー14の回転を停止させた後、吸引ファン25の作動を停止させると共に、モーター32を作動させて押圧板27を下方へと移動させる。押圧板27の下面に貼り付いていた切れ端11bは、その自重と押圧板27の下降とによって下方へ運ばれ、マスタカット貯容部26の内部に確実に貯容される。
【0042】
押圧板27は、モーター32が回転してリンク39が支軸39aを中心に時計回り方向に回動し、リンク39の自由端と当接するアクチュエーター40がバネ42の付勢力によって下方に移動されることにより、側板22hに形成された図示しない溝に沿って垂直下方に移動され、押圧板27が切れ端11bを介してマスタカット貯容部26の底面と当接した図に二点鎖線で示す位置で停止する。押圧板27が切れ端11bをマスタカット貯容部26の底面に押圧する力、つまり、アクチュエーター40を上方へ付勢する図示しない付勢手段の付勢力を僅かに上回るバネ42の下方への付勢力は、切れ端11bを僅かに押さえつける適切な付勢力に予め調整されている。
【0043】
リンク39が回動し、凸部39bが作動片44aに当接して下死点センサー44からの信号が制御手段に入力されると、制御手段はモーター32の作動を停止させる。リンク39の回動に伴って、上述のようにアクチュエーター40が垂直下方に移動するが、この移動途中において作動片40aは定量センサー45を横切り、定量センサー45は制御手段へ信号を出力する。制御手段は、通常はこの定量センサー45からの信号を受けた後に下死点センサー44からの信号を受けてモーター32の作動を停止させるのであるが、切れ端11bがマスタカット貯容部26の内部に定量溜まり、押圧板27の垂直下方への移動が多量の切れ端11bによって妨げられて、作動片40aが定量センサー45を横切る前にアクチュエーター40の下降が停止することにより、定量センサー45からの信号を受ける前に下死点センサー44からの信号を受けてモーター32の作動を停止させた場合には、図示しない操作パネル上に「切れ端定量」の表示をさせて、オペレーターにマスタカット貯容部26からの切れ端11bの除去を促すように構成されている。
【0044】
ここで、マスタカット貯容部26からの切れ端11bの除去動作について説明する。
オペレーターは、図示しない操作パネル上の表示を確認し、装置が待機状態であることを確認した後、蓋29を図2に示す位置に回動させる。この回動に伴って開閉センサー30がオンされ、開閉センサー30は制御手段に信号を出力する。開閉センサー30からの信号を受けた制御手段は、モーター32を作動させてリンク39を反時計回り方向に回動させる。リンク39の回動により、アクチュエーター40が上方に押し上げられ、やがてその作動片40aが上死点センサー43に到達して、上死点センサー43からの信号が制御手段に送られると、制御手段はモーター32の作動を停止させる。この動作により、押圧板27が図2に実線で示す位置に位置決めされ、オペレーターはマスタカット貯容部26を図2の右方に引き出して、その内部に貯容された切れ端11bを除去する。この後、マスタカット貯容部26を再び装置の内部に戻して蓋29を閉めることにより、装置は待機状態に復帰する。
【0045】
マスタカットスイッチの押下によって、マスタ11aの先端が初期設定位置に位置決めされ、押圧板27が図の二点鎖線位置に位置決めされた後、オペレーターによって図示しない操作パネル上の製版開始スイッチが押下されると、製版行程と排版行程とが開始される。
製版開始スイッチが押下されると、その外周面に使用済みマスタを巻装している版胴1は、図示しない駆動手段により反時計回り方向に回転を開始する。そして版胴1が、その外周面に巻装した使用済みマスタの後端が駆動ローラー70と対向する所定の排版位置に到達すると、図示しない移動手段と駆動手段とが作動し、駆動ローラー70を回転させると共に下部排版部材64を版胴1側に移動させる。駆動ローラー70の外周面が版胴1の外周面上の使用済みマスタと当接したとき、版胴1は反時計回り方向に回転し続けており、駆動ローラー70と当接してすくい上げられた使用済みマスタは、下部排版部材64と上部排版部材63とで挟持されて版胴1の外周面より剥離される。剥離された使用済みマスタは下部排版部材64と上部排版部材63とで搬送され、排版ボックス65の内部に廃棄される。
【0046】
版胴1の外周面より使用済みマスタが全て剥離されると、版胴1はさらに回転して図1に示す給版位置に停止する。版胴1が給版位置に停止すると、図示しない開閉手段が作動してクランパー2を時計回り方向に回動させ、版胴1は図1に示す給版待機状態となり、排版行程が完了する。
【0047】
上記の排版行程と並行して、製版手段4では製版行程が行われる。
オペレーターが製版開始スイッチを押下すると、プラテンローラー14、送り込み駆動ローラー17、送り出し駆動ローラー19がそれぞれ図示しない駆動手段で回転駆動される。マスタ11aはプラテンローラー14、マスタ送り込み手段7に搬送されつつ、サーマルヘッド13で穿孔製版されて搬送される。プラテンローラー14を駆動する図示しないステッピングモーターのステップ数より、製版された製版済みマスタの先端が案内板9に案内されて送り出し駆動ローラー19と送り出し従動ローラー20とで挟持されたと判断すると、送り出し駆動ローラー19の回転が停止される。
【0048】
先端をマスタ送り出し手段8に挟持された製版済みマスタの未製版部分であるマスタ11aには、引き続きサーマルヘッド13での穿孔製版が行われる。そして先端をマスタ送り出し手段8に挟持された製版済みマスタは、その後続部をプラテンローラー14及びマスタ送り込み手段7でさらに搬送されることにより、その中間部が案内板9上より上方に向かって凸状に撓み、マスタストック手段6の開口22fからマスタストック手段6の内部に搬送される。このときには吸引ファン23が回転して筐体22内部の空気を上方に流動させているので、製版済みマスタはマスタストック手段6の内部に良好に導入され、貯留される。製版済みマスタが、案内板9上よりジャムすることなくマスタストック手段6の内部に搬送されたか否かは、撓みセンサー24がオンすることにより確認される。また、マスタストック手段6の製版済みマスタのストック長さは、排版装置62が排版動作を行っている間に製版手段4によって製版される製版済みマスタの長さに対して、十分なストック長さであることはいうまでもない。
【0049】
製版行程と排版行程とが完了して版胴1が給版待機状態となると、給版行程が開始される。
停止していた送り出し駆動ローラー19は再び回転を開始し、製版済みマスタは、マスタガイド板21に案内されてクランパー2へと搬送され、クランパー2が閉じることによりその先端部を版胴1の外周面に係止される。次に版胴1は図1の時計回り方向に回転し、その外周面に製版済みマスタを巻装する。この巻装時においても吸引ファン23は作動しており、マスタストック手段6の内部の製版済みマスタには適度の張力が継続して付与されているので、ジャムの発生が抑制されている。
【0050】
巻装が進行し、マスタストック手段6の内部に貯留された製版済みマスタが全て版胴1へと搬送されて撓みセンサー24がオフすると、版胴1及び送り出し駆動ローラー19の回転が一時停止される。この間にも製版手段4ではマスタ11aに対する製版が継続して行われており、プラテンローラー14及び送り込み駆動ローラー17は回転しているので、案内板9上に搬送された製版済みマスタは再びマスタストック手段6の内部に搬送され、撓みセンサー24をオンさせる。撓みセンサー24がオンした後、一定時間が経過してマスタストック手段6の内部に一定量の製版済みマスタが貯留されると、停止していた版胴1及び送り出し駆動ローラー19が再び回転し、マスタストック手段6の内部に貯留された製版済みマスタを版胴1の外周面に巻装する。このように撓みセンサー24のオン−オフ動作に伴って、版胴1及び送り出し駆動ローラー19が間欠的に回転して、版胴1外周面への製版済みマスタの給版行程が進行する。
【0051】
プラテンローラー14を駆動する図示しないステッピングモーターのステップ数より、1版分の製版済みマスタが版胴1に巻装されたと判断すると、プラテンローラー14、送り込み駆動ローラー17、送り出し駆動ローラー19、版胴1の回転がそれぞれ停止され、切断手段5が製版済みマスタを切断する。その後、再び版胴1が回転して、マスタ送り込み手段7とマスタ送り出し手段8に挟持された残りの製版済みマスタを巻装して、給版行程が完了する。
【0052】
給版行程完了後、給紙トレイ48上の1枚の印刷用紙Pが給紙ローラー49と分離ローラー50とで分離給送される。その後印刷用紙Pはガイド板52,53に案内されて給送され、レジストローラー対51によりタイミングをとられた後、プレスローラー54と低速で回転している版胴1の外周面との間に給送される。給送された印刷用紙Pは、揺動手段54bによって揺動されるプレスローラー54によって、版胴1の外周面に巻装された製版済みマスタに押圧される。この押圧動作により、プレスローラー54と印刷用紙Pと製版済みマスタと版胴1の外周面とが圧接し、図示しないインキ供給手段によって版胴1の内周面に供給されたインキは、版胴1の外周面の開孔部より滲出した後、版胴1の外周面と製版済みマスタとの空隙部に充填され、製版済みマスタの穿孔部を介して印刷用紙Pの表面に転写される。インキを転移された印刷用紙Pは、剥離爪55で版胴1の外周面より剥離されて下方へと落下し、吸引ファン60の吸引力によってゴムベルト59の上面に引き付けられつつ左方へと搬送され、排紙トレイ61上に排出される。この一連の動作により版付行程が完了する。
【0053】
上述の製版、排版、給版、版付の各行程が完了した後、オペレータによって、図示しない操作パネル上で印刷速度や印刷枚数等の印刷条件が設定された後、印刷開始スイッチが押下されると、版胴1が高速で回転駆動され、給紙装置47が印刷用紙Pを連続的に給送して、印刷行程が行われる。
【0054】
図6は、本発明の第2の実施例に用いられるマスタストック手段73を示している。この第2の実施例において、上述の第1の実施例におけるマスタストック手段6と同様の部位には、第1の実施例と同じ符号を付し、個々の詳細な説明は省略する。
【0055】
マスタストック手段73は、筐体74、吸引ファン23、撓みセンサー24、導入ファンとしての吸引ファン25、マスタカット貯容部75、押圧板76等から主に構成されている。
【0056】
筐体74は、マスタ貯容手段3、製版手段4、切断手段5、マスタ送り込み手段7、案内板9の上方に配設されており、案内板9の上方に位置する部位であって吸引ファン23の下方に位置する部位に開口74aを有している。また、開口74aが形成された部位から最も離れた部位である、マスタ貯容手段3と製版手段4との上方に位置する部位であって吸引ファン25の下方に位置する部位には、マスタカット貯容部75が、その底部側に配設されている。マスタカット貯容部75はマスタカット貯容部26と同様に、蓋29が外方に回動して切欠部28aが開放された図に二点鎖線で示す状態において、マスタストック手段73からの取り外しが可能となっている。マスタカット貯容部75の、図6において紙面奥側の側面には、後述する作動片76cが移動するための溝75aが形成されている(図7、図9参照)。筐体74は、開口74aが形成された部位とマスタカット貯容部75が配設された部位との間の部位である切断手段5とマスタ送り込み手段7との上方に位置する部位において、高さ方向に括れた形状を呈している。
【0057】
自由端部を櫛歯状に形成された押圧板76は、図7に示すように、支軸76aが一体形成された基端部を、筐体74に固設された軸受77によって回動自在に支持されている。支軸76aの、軸受77より突出した一端にはアーム76bが一体形成されており、このアーム76bは、孔版印刷装置本体に固設されたモーター78の出力軸78aに固着されたカム79の外周面と当接している。支軸76aには図示しないトーションスプリングが取り付けられており、このトーションスプリングの付勢力によって、支軸76aは、平生、アーム76bをカム79の外周面に当接させる方向(図6において押圧板76を反時計回り方向に回動させる方向)に付勢されている。カム79は、図8に示すように、その長軸部Aがアーム76bと当接する状態において、押圧板76の自由端部が筐体74の上板と当接する図6の実線位置を占めるように、また、その短軸部Bがアーム76bと当接する状態において、押圧板76の自由端部がマスタカット貯容部75の底面と当接する図6の二点鎖線位置を占めるようにその形状を定められている。
【0058】
押圧板76の自由端部の、アーム76bが形成された側の側端には、作動片76cが一体形成されている。作動片76cは、モーター78の作動によるアーム76bの回動に伴って溝75aに沿って移動する。筐体74の側面内部であって、作動片76cの移動経路の途中の、作動片76cが溝75aへの進入を開始する位置と対応する部位には、貯容量検知手段としての定量センサー80が配設されている。定量センサー80は作動片76cを検知し、制御手段へ向けて信号を発する。
【0059】
上記構成に基づき、以下に第2の実施例の動作を説明する。
オペレーターが図示しない操作パネル上のマスタカットスイッチを投入すると、図示しない制御手段からの指令により、第1の実施例と同様にプラテンローラー14と送り込み駆動ローラー17とが時計回り方向に回転駆動されてマスタ11aが右方へ搬送される。各ローラー14,17の駆動と同時に、制御手段からの指令によりモーター78が作動し、カム79の長軸部Aがアーム76bと当接して押圧板76が図6の実線位置で停止する。
【0060】
押圧板76が実線位置で停止すると、吸引ファン25が回転を開始して筐体74内の空気を流動させると共に、案内板9が図6の二点鎖線位置から時計回り方向に回動され、実線位置に位置決めされる。
【0061】
案内板9の位置決めが完了してマスタ11aが所定量搬送されると、制御手段から指令が送られて切断手段5がマスタ11aを切断する。切断後、マスタ送り込み手段7によって筐体74の内部に送り込まれたマスタ11aの切れ端11bは、吸引ファン25の吸引力によって図6の一点鎖線矢印方向に運ばれ、押圧板76の下面に貼り付く。
【0062】
マスタ11aが切断手段5によって切断されると、制御手段からの指令によって案内板9が反時計回り方向に回動され、図6の実線位置に再び位置決めされる。案内板9の位置決めが完了すると、制御手段からの指令によってプラテンローラー14が回転し、マスタ11aの切断後の先端がマスタ送り込み手段7によって挟持される初期設定位置まで搬送されると、プラテンローラー14の回転が停止する。制御手段は、プラテンローラー14の回転を停止させた後、吸引ファン25の作動を停止させると共に、モーター78を作動させてカム79を図8の時計回り方向に回動させ、押圧板76を図6の反時計回り方向へと回動させる。押圧板76の下面に貼り付いていた切れ端11bは、その自重と押圧板76の回動動作とによって下方へ運ばれ、マスタカット貯容部75の内部に確実に貯容される。
【0063】
押圧板76は、カム79の回転に伴ってアーム76bが支軸76aを中心に図8において時計回り方向に回動し、支軸76aが図示しないトーションスプリングの付勢力によって時計回り方向に移動されることにより、その自由端部が切れ端11bを介してマスタカット貯容部75の底面と当接する、図6に二点鎖線で示す位置で停止する。押圧板76が切れ端11bをマスタカット貯容部75の底面に押圧する力、つまり、支軸76aを図8の時計回り方向に付勢する図示しないトーションスプリングの付勢力は、切れ端11bを僅かに押さえつける適切な付勢力に予め調整されている。
【0064】
カム79が回動して短軸部Bがアーム76bに当接すると、制御手段はモーター78の作動を停止させる。カム79の回動に伴って、上述のように押圧板76が図6において反時計回り方向に回動するが、この回動途中において作動片76cは定量センサー80を横切り、定量センサー80は制御手段へ信号を一定時間だけ出力する。制御手段は、通常はこの定量センサー45からの信号を一定時間受けた後にモーター78の作動を停止させるのであるが、切れ端11bがマスタカット貯容部75の内部に定量溜まり、押圧板76の下方への回動が多量の切れ端11bによって妨げられて、作動片76cが定量センサー80を横切った時点で押圧板76の回動が停止することにより、定量センサー80からの信号が制御手段に向けて出力され続けた場合には、図示しない操作パネル上に「切れ端定量」の表示をさせて、オペレーターにマスタカット貯容部75からの切れ端11bの除去を促すように構成されている。
【0065】
図10は、本発明の第2の実施例の変形例を示している。この変形例は、上述の第2の実施例と比較すると、マスタストック手段73に代えて筐体82を有するマスタストック手段81を用いた点においてのみ相違する。
【0066】
筐体82は、マスタ貯容手段3、製版手段4、切断手段5、マスタ送り込み手段7、案内板9の上方に配設されており、案内板9の上方に位置する部位であって吸引ファン23の下方に位置する部位に開口82aを有している。また、開口82aが形成された部位から最も離れた部位である、マスタ貯容手段3と製版手段4との上方に位置する部位であって吸引ファン25の下方に位置する部位には、マスタカット貯容部75が、その底部側に配設されている。筐体82は、開口82aが形成された部位からマスタカット貯容部75が配設された部位に向けて、上方へ滑らかに傾斜した形状を呈している。このように構成された筐体82を有するマスタストック手段81を用いることにより、吸引ファン25の吸引力によって切れ端11bをマスタカット貯容部75に導く際に、上記第2の実施例に比較して、切れ端11bの導入を滑らか、かつ、確実に行うことができる。
【0067】
上記実施例及び各変形例において、製版手段4としてサーマルヘッド13とプラテンローラー14とを用いたが、マスタ11aを選択的に加熱穿孔するものであれば、他の手段を用いてもよい。他の手段としてはレーザー製版、フラッシュ製版等が挙げられる。
【0068】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、排版動作と製版動作とを並行して行うことによってFPTを短縮することができると共に、マスタ貯容手段への初期セット時において、切断手段によって切断されたマスタの切れ端は、導入手段に導かれてマスタストック手段内のマスタカット貯容部に貯容されるので、オペレーター自身が装置内の切断手段近傍へ手を入れてマスタの切れ端を除去する危険な作業が省かれ、作業の安全性が向上すると共に、誰もが簡単にマスタのセット作業を行うことができる。
【0069】
請求項4記載の発明によれば、切断手段によって切断されたマスタの切れ端は、押圧板によってマスタカット貯容部に押圧されて貯容されるので、切れ端をマスタカット貯容部に多量に貯容することができ、マスタの初期セット時における切れ端の除去回数を減少させることにより、作業効率を向上することができる。
【0070】
請求項5記載の発明によれば、マスタカット貯容部に貯容されたマスタの切れ端は、貯容量検知手段によってその限界貯容量を検知されるので、切れ端がマスタカット貯容部より溢れて印刷作業に支障を来す不具合を未然に防止することができると共に、切れ端の除去作業を最小限度の回数で行うことにより、作業効率を向上することができる。
【0071】
請求項6記載の発明によれば、実質的に箱型のマスタカット貯容部は、マスタストック手段に対して着脱自在に設けられているので、切れ端の除去作業を行う際に、従来の装置のように孔版印刷装置の上部をスライドさせる必要がなくなり、装置の簡略化、軽量化、コストダウンを図ることができると共に、切れ端の除去作業を誰にでも非常に簡単に行うことができる。
【0072】
請求項7記載の発明によれば、切断手段によって切断されたマスタの切れ端がマスタカット貯容部に導入される際に、そのマスタ送り込み手段側が軸支されて回動自在に設けられた案内板が回動手段によって回動されるので、切れ端の先端がマスタストック手段内部に向けて確実に導入され、マスタカット貯容部への切れ端の導入を確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を採用した孔版印刷装置要部の概略側面図である。
【図2】本発明の第1の実施例を採用したマスタストック手段周辺部の側面図である。
【図3】本発明の第1の実施例を説明する押圧板上下動機構の部分斜視図である。
【図4】本発明の第1の実施例を説明するマスタストック手段周辺部の側面図である。
【図5】本発明の第1の実施例を説明するマスタストック手段周辺部の側面図である。
【図6】本発明の第2の実施例を採用したマスタストック手段周辺部の側面図である。
【図7】本発明の第2の実施例に用いられる押圧板を説明する図である。
【図8】本発明の第2の実施例に用いられるカムを説明する図である。
【図9】本発明の第2の実施例を説明するマスタストック手段周辺部の側面図である。
【図10】本発明の第2の実施例の変形例を説明するマスタストック手段周辺部の側面図である。
【符号の説明】
1 版胴
2 クランプ手段(クランパー)
3 マスタ貯容手段
4 製版手段
5 切断手段
6,73,81 マスタストック手段
7 マスタ送り込み手段
8 マスタ送り出し手段
9 案内板
11 マスタロール
11a マスタ
11b 切れ端
22f,74a,82a 開口
26,75 マスタカット貯容部
27,76 押圧板
45,80 貯容量検知手段(定量センサー)

Claims (7)

  1. 外周面に製版済みマスタの一端を係止するクランプ手段を有する多孔性で回転自在な版胴と、ロール状に巻成されたマスタを貯容するマスタ貯容手段と、前記マスタ貯容手段からのマスタを画像情報に応じて選択的に加熱穿孔する製版手段と、前記製版済みマスタを切断する切断手段と、前記版胴と前記切断手段との間の上方に配設され、前記製版済みマスタを搬入する開口を下部に有し、その内部に前記製版済みマスタを貯留するマスタストック手段と、前記切断手段と前記マスタストック手段との間に配設され、前記マスタストック手段に前記製版済みマスタを搬送するマスタ送り込み手段と、前記版胴と前記マスタストック手段との間に設けられ、前記クランプ手段に向けて前記製版済みマスタを搬送するマスタ送り出し手段と、前記マスタ送り込み手段と前記マスタ送り出し手段との間であって前記開口の下方に配設された前記製版済みマスタをガイドする案内板とを具備した孔版印刷装置であって、
    前記マスタストック手段内に配設された、前記マスタの前記マスタ貯容手段への初期セット時において前記切断手段によって切断された前記マスタの切れ端を貯容するマスタカット貯容部と、
    前記マスタの切れ端を前記マスタカット貯容部に向けて導く導入手段とを具備したことを特徴とする孔版印刷装置。
  2. 前記マスタカット貯容部は、前記マスタストック手段内の前記開口より最も離れた底部側に設けられていることを特徴とする請求項1記載の孔版印刷装置。
  3. 前記導入手段は、前記マスタカット貯容部の上方に配設された吸引ファンであることを特徴とする請求項1または請求項2記載の孔版印刷装置。
  4. 前記マスタカット貯容部と前記導入手段との間に、前記マスタの切れ端を前記マスタカット貯容部に対して押圧する変位自在な押圧板を具備したことを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3記載の孔版印刷装置。
  5. 前記マスタカット貯容部と前記押圧板は、前記マスタの切れ端の限界貯容量を検知する貯容量検知手段を具備することを特徴とする請求項4記載の孔版印刷装置。
  6. 前記マスタカット貯容部は実質的に箱型であり、該マスタカット貯容部は前記マスタストック手段に対して着脱自在に設けられていることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4または請求項5記載の孔版印刷装置。
  7. 前記案内板は、その前記マスタ送り込み手段側が軸支されて回動自在に設けられており、前記マスタの切れ端が前記マスタカット貯容部に導入される際に回動手段によって回動されることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5または請求項6記載の孔版印刷装置。
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