JP3545358B2 - 引き出し式食器洗浄機の設置方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、引き出し式食器洗浄機に関するものである。特に、台上に設置される引き出し式食器洗浄機の移動を防止する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
台上に設置される引き出し式食器洗浄機が用いられている(以下、「引き出し式食器洗浄機」を「食器洗浄機」と略す)。この種の食器洗浄機の洗浄槽は、洗浄機本体に収容された収容位置から、引き出された引き出し位置まで引き出すことができる。引き出し位置まで引き出された洗浄槽は、洗浄機本体に設けられているストッパに当たってその位置に止まるが、その際に食器洗浄機に前向きの力が加わる。この前向きの力によって、食器洗浄機が前方に移動してしまう(台に対して食器洗浄機の位置がずれる)のを防止するために、台と食器洗浄機に移動を防止する移動防止部材が設けられている。以下、この移動防止部材の一例について説明する。
【0003】
図1に示されているように、台112の天板112aの前方側(矢印113の方向)上部にスクリュウ118が取り付けられている。スクリュウ118は段付きタイプであり、ねじ込まれたスクリュウ118のスクリュウ頭と天板112aとの間には間隔が設けられる。そして台112の上に食器洗浄機110が載せられ、続いて図2に示されている移動防止金具122(移動防止部材)が台112に取り付けられる。なお、洗浄槽116が収容されていると、扉117によって洗浄機本体114の前面が隠されてしまうので、移動防止金具122を台112に取り付ける際には、洗浄槽116を引き出し、洗浄機本体114の前面に設けられている前枠114aを露出させてから行う必要がある。
移動防止金具122は、図2に示されているように、L字状の断面を有しているとともに、丸穴122aと丸穴122cが形成されている。丸穴122aには、側方に伸びるスリット122bが形成されている。また、洗浄機本体114の前枠114aには、スクリュウ穴114bが形成されている。
【0004】
移動防止金具122を台112に取り付ける際には、図3に示されているように、丸穴122aをスクリュウ118のスクリュウ頭118aに通した後に、移動防止金具122を側方(矢印124の方向)にスライドさせる。移動防止金具122がスライドされると、スリット122bがスクリュウ118のスクリュウ頭118aの下に入り込み、移動防止金具122の上方への動きが規制される。そして、丸穴122cに通したスクリュウ123を前枠114aのスクリュウ穴114bにねじ込むことにより、移動防止金具122は台112に取り付けられる。このようにして台112に取り付けられた移動防止金具122の前面板122dは、洗浄機本体114の前枠114aを係止する位置に配置される。このため、洗浄槽116が引き出されてストッパに当たり、食器洗浄機110に前方向きの力が加わっても、食器洗浄機110が移動してしまうことが防止される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、移動防止部材の取り付け作業は、引き出された洗浄槽の下で行わなければならないため、手を入れにくいとともに視認も難しく、作業者に困難な作業を強いていた。
【0006】
本発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、食器洗浄機の移動防止部材の取り付けが容易に行える技術を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段および作用と効果】
請求項1に記載の食器洗浄機の設置方法では、台上に引き出し式食器洗浄機を設置するにあたって、平面状のベース部とそのベース部の一端に設けられた係止片を有する台側移動防止部材を台に取り付ける工程と、その後に台に洗浄機本体を位置決めする工程と、その後に本体側移動防止部材と台側移動防止部材の係止片が係止する位置関係で本体側移動防止部材を食器洗浄機の本体の前面に取り付ける工程とを有している。
従来から知られる引出し式食器洗浄機の設置方法では、洗浄機本体の位置決めをした後に、移動防止部材を台に取り付けていた。この場合、洗浄機本体が邪魔となり、移動防止部材を取り付ける作業が困難であった。
請求項1の引き出し式食器洗浄機の設置方法では、平面状のベース部とそのベース部の一端に設けられた係止片を有する台側移動防止部材と、本体側移動防止部材とを利用することでこの問題を解決する。台側移動防止部材は台上に洗浄機本体を位置決めする前に台側に固定しておけばよいことから、その固定作業に洗浄機本体が邪魔になることがない。また、本体側移動防止部材は、食器洗浄機の本体の前面に取り付ければよいために、その取り付け作業に洗浄機本体が邪魔になることもない。取り付け作業が極めて容易化される。
【0011】
台上に引き出し式食器洗浄機を設置する場合、台に洗浄機本体を位置決めする工程に先立って洗浄機本体に本体側移動防止部材を仮止めしておいてもよい(請求項2)。
上記の食器洗浄機の設置方法によれば、本体側移動防止部材を仮止め位置から切り替え取り付けるだけで、本体側移動防止部材と台側移動防止部材の係止片が係止する位置関係で本体側移動防止部材を食器洗浄機の本体の前面に取り付けることができる。作業をより容易に行うことができる。
【0012】
請求項1または2に記載の引き出し式食器洗浄機の設置方法において、食器洗浄機の本体の前面のうち、洗浄槽の側壁よりも外方または洗浄槽の扉に設けられた切り欠きに対応して洗浄槽のスライドに干渉しない部分に、本体側移動防止部材を取り付けることが好ましい(請求項3)。
上記の方法によると、本体側移動防止部材をより簡単に取り付けることが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態) 本発明に係る食器洗浄機の第1実施形態を図4〜図11を参照しながら説明する。
まず最初に、食器洗浄機10の構成と動作について簡単に説明する。食器洗浄機10は、図4に示されているように、台12上に設置される。食器洗浄機10の洗浄機本体14は、前方が開放されており、ここに洗浄槽16が引き出し可能に装着される。洗浄槽16は、上部が開放された箱状に形成されており、その前面には扉17が設けられている。使用者は、洗浄槽16の上部開放部から食器15を出し入れすることができる。洗浄槽16の扉17には、使用者が洗浄槽16に収容/引き出しの力を加えるための取っ手17aが形成されている。使用者によって洗浄槽16が収容位置に戻されると、洗浄槽16の動きと連動して動作するシール蓋開閉機構(図示省略)によって、洗浄機本体14の内側上部に配置されているシール蓋(図示省略)が下がり、洗浄槽16の上部開放部に蓋をする。この状態で操作パネル17bに設けられている運転スイッチをオンにすると、洗浄槽16が収容位置にロックされ、食器洗浄機10が運転を開始する。食器洗浄機10が運転を開始すると、洗浄槽16に入れられた食器15に洗浄水が勢いよく吹き付けられ、この作用によって食器15が洗浄される。
【0014】
以上、食器洗浄機10の構成と動作について簡単に説明した。続いて、食器洗浄機10が移動するのを防止する構成について説明する。
台12上に設置される食器洗浄機10は、台12(図5参照)に固定される台側移動防止金具22に、洗浄機本体14(図8参照)の前枠14aに固定される本体側移動防止金具42が係止することによって、その移動が防止される。なお、台側移動防止金具22と本体側移動防止金具42は、それぞれ請求項に記載の台側移動防止部材と本体側移動防止部材に相当する。
台側移動防止金具22は、図5に示されているように、平面状のベース部22aと、このベース部22aの一端に設けられた係止片22bを有している。ベース部22aには、上下に貫通する2個の丸穴22cが形成されている。そして、この台側移動防止金具22は、図6に示されているように、台12の天板12aの前方側(矢印32の方向)上部の両側端にスクリュウ33によって固定される。
また、図7に示されているように、台12の天板12aの後部両端に、後方移動防止金具36がスクリュウ37によって固定される(図7において、矢印34が後方側を示している)。後方移動防止金具36には、係止片36aが設けられているとともに、複数の前後方向に伸びる長穴である穴36bが形成されている。緩く締め込んだスクリュウ37に沿って穴36bをスライドさせることにより、後方移動防止金具36の天板12aに対する固定位置を調整することができる。また、後方移動防止金具36には、食器洗浄機10の扉17を全開したときに食器洗浄機10が下へ傾くのを防止するツメ36cも設けられている。
【0015】
本体側移動防止金具42は、図8に示されているように、その断面形状はL字状であり、上下方向に伸びる長穴である穴42aと、係止片42bを有している。本体側移動防止金具42は、その穴42aが長穴なので、図9において点線で図示されている上方にスライドした位置で前枠14aに仮止めすることができる。(図9は、片側の台側移動防止金具22と本体側移動防止金具42を図示している)。なお、スクリュウ43が、請求項に記載の取り付け手段に相当する。この本体側移動防止金具42の仮止めは、食器洗浄機10を台12に載せる前に行っておくことが望ましい。また、洗浄槽16が収容されていると、扉17によって洗浄機本体14の前枠14aが隠されてしまうので、本体側移動防止金具42の仮止めや固定に際しては、洗浄槽16を引き出して行う必要がある。そして、食器洗浄機10を台12に載せた後、本体側移動防止金具42を矢印44で示したように下方側にスライドさせ、スクリュウ43によって固定する。
【0016】
図10によく示されているように、固定された本体側移動防止金具42の係止片42bは、台12の天板12aに固定されている台側移動防止金具22の係止片22bに係止する。このため、食器洗浄機10の前方側への移動が防止される。このように、食器洗浄機10を台12に載せる前に本体側移動防止金具42を仮止め位置に仮止めしておけば、食器洗浄機10を台12に載せた後は、本体側移動防止金具42を係止位置までスライドさせ、スクリュウ43を締め込むだけで本体側移動防止金具42を固定することができる。
なお、上述したように、台12の天板12aの後部に固定されている後方移動防止金具36の係止片36aは、洗浄機本体14の後壁を係止する。後方移動防止金具36が洗浄機本体14の後壁を係止すると、洗浄槽16が収容される際に発生する後方向きの力によって、食器洗浄機10が移動してしまうことが防止される。
【0017】
本体側移動防止金具42を洗浄機本体14に固定しているスクリュウ43は、図11に示されているように、洗浄槽16の側壁16aよりも外方に位置している(図11においては、扉の図示は省略している)。洗浄槽16の側壁16aよりも外方は、洗浄槽16の下とは異なり手を入れやすいとともに視認も容易である。このため、本発明の構成によれば、本体側移動防止部材42を洗浄機本体14に容易に固定することができる。
【0018】
(第2実施形態) 本発明に係る食器洗浄機の第2実施形態を図12を参照しながら説明する。なお、第1実施形態と重複する説明は省略し、本第2実施形態として特徴的な部分のみを述べる。
本第2実施形態の食器洗浄機50の台側移動防止金具22、本体側移動防止金具42、スクリュウ43は、第1実施形態の食器洗浄機10とは異なり、洗浄槽16の下に配置されている。そして、扉17の下部には切り欠き部52が形成されており、扉17が閉じられた状態でも、台側移動防止金具22、本体側移動防止金具42、スクリュウ43は、前方に対して露出される。このため、本体側移動防止金具42を固定する際に、洗浄槽16を引き出し、スクリュウ43を露出させてから行う必要がない。従って、本第2実施形態の食器洗浄機によれば、本体側移動防止部材42を容易に固定することができる。
【0019】
(第3実施形態) 本発明に係る食器洗浄機の第3実施形態を図13を参照しながら説明する。なお、第1実施形態と重複する説明は省略し、本第3実施形態として特徴的な部分のみを述べる。
本第3実施形態の食器洗浄機60の台側移動防止金具22、本体側移動防止金具42、スクリュウ43は、扉17の両端下部62で前方に対して露出される。このため、本体側移動防止金具42を固定する際に、洗浄槽16を引き出し、スクリュウ43を露出させてから行う必要がない。
【0020】
以上、本発明の実施の形態の食器洗浄機について説明したが、本発明の適用範囲は上記の実施の形態に何ら限定されるものではない。すなわち、本発明は、当事者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の技術の食器洗浄機が設置される台の斜視図
【図2】同、食器洗浄機が台上に設置された状態の斜視図
【図3】同、台上に設置された食器洗浄機に移動防止金具が取り付けられる過程を説明する斜視図
【図4】第1実施形態の食器洗浄機が台上に設置された状態の斜視図
【図5】同、台側移動防止金具の斜視図
【図6】同、台に台側移動防止金具が取り付けられる状態の斜視図
【図7】同、台に後方移動防止金具が取り付けられる状態の斜視図
【図8】同、本体側移動防止金具の斜視図
【図9】同、台側移動防止金具に本体側移動防止金具が係止している状態の斜視図
【図10】同、台側移動防止金具に本体側移動防止金具が係止している状態の側面図
【図11】同、台に食器洗浄機が設置されている状態の正面図(扉は省略して図示している)
【図12】第2実施形態の食器洗浄機が台に設置されている状態の正面図
【図13】第3実施形態の食器洗浄機が台に設置されている状態の正面図
【符号の説明】
10:食器洗浄機(第1実施形態)
12:台、12a:天板
14:洗浄機本体、14a:前枠
15:食器
16:洗浄槽、16a:側壁
17:扉、17a:取っ手、17b:操作パネル
22:台側移動防止金具、22a:ベース部、22b:係止片、22c:丸穴
32:前方側を示す矢印
33:スクリュウ
34:後方側を示す矢印
36:後方移動防止金具、36a:係止片、36b:穴、36c:ツメ
37:スクリュウ
42:本体側移動防止金具、42a:穴、42b:係止片
43:スクリュウ
44:下方側を示す矢印
50:食器洗浄機(第2実施形態)
52:切り欠き部
60:食器洗浄機(第3実施形態)
62:扉の両端下部
110:食器洗浄機
112:台、112a:天板
113:台の前方側を示す矢印
114:洗浄機本体、114a:前枠、114b:スクリュウ穴
116:洗浄槽
117:扉
118:スクリュウ
122:移動防止金具、122a:丸穴、122b:スリット、122c:丸穴、122d:前面板
124:側方を示す矢印
Claims (3)
- 台上に引き出し式食器洗浄機を設置する方法であって、平面状のベース部とそのベース部の一端に設けられた係止片を有する台側移動防止部材を台に取り付ける工程と、その後に台に洗浄機本体を位置決めする工程と、その後に本体側移動防止部材と台側移動防止部材の係止片が係止する位置関係で本体側移動防止部材を食器洗浄機の本体の前面に取り付ける工程とを有している引き出し式食器洗浄機の設置方法。
- 台に洗浄機本体を位置決めする工程に先立って洗浄機本体に本体側移動防止部材を仮止めする工程が付加されていることを特徴とする請求項1に記載の引き出し式食器洗浄機の設置方法。
- 食器洗浄機の本体の前面のうち、洗浄槽の側壁よりも外方または洗浄槽の扉に設けられた切り欠きに対応して洗浄槽のスライドに干渉しない部分に、本体側移動防止部材を取り付けることを特徴とする請求項1または2に記載の引き出し式食器洗浄機の設置方法。
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