JP3544461B2 - 光ピックアップ用光学素子および光ピックアップ用光学素子の製造方法および光ピックアップ - Google Patents

光ピックアップ用光学素子および光ピックアップ用光学素子の製造方法および光ピックアップ Download PDF

Info

Publication number
JP3544461B2
JP3544461B2 JP27482397A JP27482397A JP3544461B2 JP 3544461 B2 JP3544461 B2 JP 3544461B2 JP 27482397 A JP27482397 A JP 27482397A JP 27482397 A JP27482397 A JP 27482397A JP 3544461 B2 JP3544461 B2 JP 3544461B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical
light
substrate
optical pickup
manufacturing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP27482397A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH1145455A (ja
Inventor
博庸 三船
剛一 大高
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP27482397A priority Critical patent/JP3544461B2/ja
Priority to US09/083,960 priority patent/US6324149B1/en
Publication of JPH1145455A publication Critical patent/JPH1145455A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3544461B2 publication Critical patent/JP3544461B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Optical Head (AREA)

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は光メモリに情報を記録,あるいは情報が記録された光メモリから情報を再生するために用いられ,特に,対物レンズとソリッドイマージョンレンズ(半球形レンズ)を半導体製造プロセスを用いて基板上に一体的に形成,あるいは別々に形成したものをはり合わせて一体構成する光ピックアップ用光学素子および光ピックアップ用光学素子の製造方法および光ピックアップに関する。
【0002】
【従来の技術】
図45は,従来における光メモリ用光ピックアップ装置の構成を示す説明図である。図において,1は所定の波長および光束のレーザ光を出射する半導体レーザ(以下,LDという),2は上記レーザ光を平行光に光学補正するコリメータレンズ,3は偏光ビームスプリッタ,4は1/4波長板,5はレーザ光を光ディスクの記録面に集光させる対物レンズ,6は対物レンズ側に記録面が形成されている光ディスク,7はフォトダイオード(以下,PDという),8は集光レンズである。なお,この他に,実際にはフォーカス検出やトラック検出のための光学部品があるが,ここでは省略している。
【0003】
以上の構成において,LD1から出射された紙面に対し平行な偏光の光は,コリメータレンズ2で平行光に光学補正される。次いで,この光は,偏光ビームスプリッタ3と1/4波長板4で構成された光アイソレータを通過することにより直線偏光から円偏光に変わる。光ディスク6の記録面で反射する際に円偏光の旋回方向が変化し,1/4波長板4を通過すると,紙面に対して垂直な光となる。さらに,上記光は,偏光ビームスプリッタ3で反射されてPD7の方向に進行し,集光レンズ8で集光され,PD7に入射される。
【0004】
また,上記構成において,光の回析限界によりスポットサイズは光の波長程度までしか得られない。このスポットサイズは下記式(1)により表される。
【0005】
W∝λ/sinθ’……(1)
ここでθ’は対物レンズの出射角であり,レンズのNA(開口数)とはNA=sinθ’という関係がある。なお,λは光源の波長である。
【0006】
そこで,顕微鏡の液浸法のように対物レンズと記録媒体との間にもう1つ半球形レンズ(ソリッドイマージョンレンズ)を配置し,実効的なNAをあげるという方法がスタンフォード大学のKino氏らによって紹介されている。これは,図46(a)のようにソリッドイマージョンレンズ10aを記録媒体に対して波長以下に近接させることにより,レンズの端面に集光したスポットサイズがレンズの屈折率の逆数に比例することを利用したものである。
【0007】
ここで,レンズの屈折率をnとすると,スポットサイズは下記式(2)により表される。
W’∝λ/nsinθ’ ……(2)
【0008】
さらに,ソリッドイマージョンレンズが図46(b)の10bに示すような,超半球状のレンズ(レンズ厚r(1+1/n)のときに収差が少ない:ただし,rは半径,nは屈折率)の場合は,ソリッドイマージョンレンズ10b表面でスネルの法則が適用されるので,スポットサイズをさらに次式(3)のように小さくすることができる。
W’∝λ/nsinθ’ ……(3)
【0009】
ところで,上記の構成では記録面とソリッドイマージョンレンズとの間隔を100nm前後というように光の波長以下に近接させなくてはならない。そこで,図47に示すような空気力学に基づく浮上型のヘッドが提案されている(B.D.Terris,H.J.Mamin,and D.Rugar,“Near field optical data strage”,Appl.Phys.Lett.,68,No.2,141,1996 およびUSP5,497,359号参照)。
【0010】
上記ヘッドは,スライダの上部に接着によりソリッドイマージョンレンズ10c(屈折率=1.83)を設け,さらに,ソリッドイマージョンレンズ10cに対し,間隔をおいて対物レンズ5(NA=0.5)が配置されている。そして,この構成により,830nmの光源を用いた場合に360nmのスポットサイズが得られる。
【0011】
また,この他にソリッドイマージョンレンズを使用した参考技術文献として以下のものが開示されている。たとえば,記録媒体の厚みやレンズの厚みのばらつきで生じる球面収差を補正するものが特開平8−212579号公報に,球面収差を低減するものが特開平8−221772号公報に,コマ収差を低減するものが特開平8−221790号公報に,それぞれ開示されている。なお,これらの技術は前述とは異なり,浮上させずにソリッドイマージョンレンズと対物レンズは,独立したアクチュエータで制御する構成となっている。
【0012】
さらに,マイクロレンズ製造に関連する参考技術文献として以下のものが開示されている。たとえば,凸マイクロレンズおよびその製造方法の特開平6−194502号公報,長焦点凸マクロアレイレンズの特開平6−208006号公報,両凸マイクロレンズアレイの製造方法の特開平7−181303号公報,両凸状の様々なマイクロレンズ形状の材料・デバイス・製造方法の特開平7−198906号公報,凹マイクロレンズおよびその製造方法の特開平7−244206号公報である。
【0013】
また,エッチングにより曲面を形成する参考技術文献として,たとえば特開平5−173003号公報では,散乱光やディフューザーを用いてフォトレジストに凸曲面あるいは凹曲面を直接形成した後,ドライエッチングする技術が開示されている。なお,ここでは平板化することは行っていない。さらに,基板にウェットエッチングを施して凹曲面を形成した後,屈折率の高い材料を充填し,平板のマイクロレンズを形成して液晶表示に用いるものが,特開平6−30090号公報,特開平7−281007号公報,特開平8−171003号公報,特開平8−179299号公報に開示されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,上記に示されるような従来の技術にあっては,図47に示すような構成では,対物レンズとソリッドイマージョンレンズとの組み合わせによりレンズの開口数(NA)が大きくなるため,上記2つのレンズの位置関係がずれた場合に所定のスポットサイズが得られないという不具合があった。
【0015】
換言すれば,対物レンズとソリッドイマージョンレンズとの位置を所定の精度で確保することが困難であるため,スポットサイズを小さく保持することができず,高密度の記録/再生が得られないという問題点があった。
【0016】
また,マイクロレンズには凸レンズ形状のものがあるが,これでは光学素子を積層するような用途において基板が平坦でないため,別のレンズや他の受発光素子などの光学素子を重ねる構造にすることができなかった。
【0017】
一方,ウェットエッチングにより凹曲面を形成した平板型のマイクロレンズの製造方法,および基板内で屈折率分布するようなレンズの製造方法がある。しかしながら,基板の両面に位置精度よく自由な形状のレンズを作製することが困難であったり,製造プロセスが複雑であるため,1つの基板に様々な種類の構造を設けることが難しいものであった。
【0018】
本発明は,上記に鑑みてなされたものであって,対物レンズとソリッドイマージョンレンズとの一体構成,あるいははり合わせによる一体構成により,対物レンズとソリッドイマージョンレンズとの位置精度を容易に確保してスポットサイズの小径化を図り,高密度の記録/再生を実現することを第1の目的とする。
【0019】
また,比較的簡単な方法で平板の基板にレンズを形成し,他の光学素子などの他の光学部品などを積層可能にすることを第2の目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】
請求項に係る光ピックアップ用光学素子にあっては,所定の波長を有するコヒーレントな光を入射し,前記光をコリメートし,該コリメートされた光を微小スポットとして光記録媒体上に集光させ,該集光された光を用いて前記光記録媒体に対する情報の記録/再生を行うための光ピックアップ用光学素子において,1枚の基板上に,前記コリメートされた光を集光する対物レンズと,前記対物レンズの光軸と同軸上に前記基板より高い屈折率を有するソリッドイマージョンレンズと一体的に積層可能に,を設けたものである。
【0025】
すなわち,1枚の基板上に対物レンズとソリッドイマージョンレンズとをそれぞれの光軸を合わせて一体的に製造し,構成することにより,レンズ間の光軸調整や位置ずれが排除され,基板内で集光するためのスポットサイズを小さくすることができるので,高密度の記録/再生が可能となる。
【0026】
また,請求項に係る光ピックアップ用光学素子の製造方法にあっては,所定の波長を有するコヒーレントな光を入射し,前記光をコリメートし,該コリメートされた光を微小スポットとして光記録媒体上に集光させ,該集光された光を用いて前記光記録媒体に対する情報の記録/再生を行うための光ピックアップ用光学素子を製造する光ピックアップ用光学素子の製造方法において,基板の片側の面に凸曲面を形成して前記コリメートされた光を集光する対物レンズを製造する工程と,前記基板に形成された対物レンズとは反対面に凹曲面を形成し,該凹曲面に対して前記基板より高い屈折率を有する材料を堆積させてソリッドイマージョンレンズを製造する工程と,を含むものである。
【0027】
すなわち,半導体製造プロセスを用い,基板の片側の面に凸曲面を形成して対物レンズを製造し,さらに上記形成された対物レンズとは反対面に凹曲面を形成し,該凹曲面に対して上記基板より高い屈折率を有する材料を堆積させてソリッドイマージョンレンズを製造することにより,比較的容易に,かつ経済的に,精度の高い光ピックアップ用光学素子を製造することが可能となる。
【0028】
また,請求項に係る光ピックアップ用光学素子にあっては,前記基板に対し,前記対物レンズおよび前記ソリッドイマージョンレンズの屈折率が高いものである。
【0029】
すなわち,基板に対し,対物レンズおよびソリッドイマージョンレンズの屈折率を高くすることにより,屈折率の高いレンズ中にスポットを形成できるので,小さいサイズのスポットが得られる。
【0030】
また,請求項に係る光ピックアップ用光学素子の製造方法にあっては,所定の波長を有するコヒーレントな光を入射し,前記光をコリメートし,該コリメートされた光を微小スポットとして光記録媒体上に集光させ,該集光された光を用いて前記光記録媒体に対する情報の記録/再生を行うための光ピックアップ用光学素子を半導体製造プロセスを用いて製造する光ピックアップ用光学素子の製造方法において,基板の片側の面に凹曲面を形成して前記コリメートされた光を集光する対物レンズを製造する工程と,前記基板に形成された対物レンズとは反対面に凹曲面を形成し,該凹曲面に対して前記基板より高い屈折率を有する材料を堆積させてソリッドイマージョンレンズを製造する工程と,前記2つの凹曲面に対し,前記基板より高い屈折率を有する材料を堆積する工程と,を含むものである。
【0031】
すなわち,半導体製造プロセスを用い,基板の片側の面に凹曲面を形成して対物レンズを製造し,さらに上記形成された対物レンズとは反対面に凹曲面を形成し,上記2つの凹曲面に対して上記基板より高い屈折率を有する材料を堆積させてソリッドイマージョンレンズを製造することにより,比較的容易に,かつ経済的に,精度の高い光ピックアップ用光学素子を製造することが可能となる。
【0032】
また,請求項に係る光ピックアップ用光学素子にあっては,所定の波長を有するコヒーレントな光を入射し,前記光をコリメートし,該コリメートされた光を微小スポットとして光記録媒体上に集光させ,該集光された光を用いて前記光記録媒体に対する情報の記録/再生を行うための光ピックアップ用光学素子において,前記コリメートされた光を集光する対物レンズが形成された第1の基板と,前記光記録媒体側に近接し,前記第1の基板よりも屈折率の高いソリッドイマージョンレンズが形成された第2の基板と,からなり,前記第1の基板と前記第2の基板とを所定位置ではり合わせて一体構成するものである。
【0033】
すなわち,半導体製造プロセスを用い,第1の基板に対物レンズを形成し,さらに第2の基板に第1の基板よりも屈折率の高いソリッドイマージョンレンズを形成し,この2つの基板をはり合わせて,光ピックアップ用光学素子を構成することにより,屈折率の高いレンズ中にスポットを形成し,小さいサイズのスポットが得られるので,高密度な記録/再生が可能になると共に,対物レンズとソリッドイマージョンレンズがはり合わせにより一体化された構造なので,レンズ間の光軸調整が不要となり,小型軽量化も実現する。
【0034】
また,請求項に係る光ピックアップ用光学素子にあっては,前記第1の基板と前記第2の基板の屈折率がそれぞれ異なるものである。
【0035】
すなわち,第1の基板と第2の基板の屈折率とをそれぞれ異ならせることにより,屈折率の高いレンズ中にスポットを形成できるので,小さいサイズのスポットが得られる。
【0036】
また,請求項に係る光ピックアップ用光学素子の製造方法にあっては,所定の波長を有するコヒーレントな光を入射し,前記光をコリメートし,該コリメートされた光を微小スポットとして光記録媒体上に集光させ,該集光された光を用いて前記光記録媒体に対する情報の記録/再生を行うための光ピックアップ用光学素子を半導体製造プロセスを用いて製造する光ピックアップ用光学素子の製造方法において,第1の基板に凸曲面を形成して前記コリメートされた光を集光する対物レンズを製造する工程と,第2の基板に凸曲面を形成してソリッドイマージョンレンズを製造する工程と,前記2つの基板に形成された対物レンズおよびソリッドイマージョンレンズの両光軸を一致させ,はり合わせする工程と,を含むものである。
【0037】
すなわち,半導体製造プロセスを用い,第1の基板に凸曲面を形成して対物レンズを製造し,第2の基板に凸曲面を形成してソリッドイマージョンレンズを製造し,この2つの基板に形成された対物レンズおよびソリッドイマージョンレンズの両光軸を一致させ,はり合わせすることにより,比較的容易に,かつ経済的に,精度の高い光ピックアップ用光学素子を製造することが可能となる。
【0038】
また,請求項に係る光ピックアップ用光学素子の製造方法にあっては,所定の波長を有するコヒーレントな光を入射し,前記光をコリメートし,該コリメートされた光を微小スポットとして光記録媒体上に集光させ,該集光された光を用いて前記光記録媒体に対する情報の記録/再生を行うための光ピックアップ用光学素子を半導体製造プロセスを用いて製造する光ピックアップ用光学素子の製造方法において,第1の基板に凹曲面を形成して前記コリメートされた光を集光する対物レンズを製造する工程と,第2の基板に凹曲面を形成してソリッドイマージョンレンズを製造する工程と,前記2つの基板に該基板とは異なる屈折率の材料を堆積する工程と,前記堆積後の2つの基板に形成された対物レンズおよびソリッドイマージョンレンズの両光軸を一致させ,はり合わせする工程と,を含むものである。
【0039】
すなわち,半導体製造プロセスを用い,第1の基板に凹曲面を形成して対物レンズを製造し,第2の基板に凹曲面を形成してソリッドイマージョンレンズを製造し,この2つの基板に該基板とは異なる屈折率の材料を堆積させ,該堆積後の2つの基板に形成された対物レンズおよびソリッドイマージョンレンズの両光軸を一致させ,はり合わせすることにより,比較的容易に,かつ経済的に,精度の高い光ピックアップ用光学素子を製造することが可能となる。
【0040】
また,請求項に係る光ピックアップ用光学素子の製造方法にあっては,所定の波長を有するコヒーレントな光を入射し,前記光をコリメートし,該コリメートされた光を微小スポットとして光記録媒体上に集光させ,該集光された光を用いて前記光記録媒体に対する情報の記録/再生を行うための光ピックアップ用光学素子を半導体製造プロセスを用いて製造する光ピックアップ用光学素子の製造方法において,第1の基板に凸曲面を形成して前記コリメートされた光を集光する対物レンズを製造する工程と,第2の基板に凹曲面を形成してソリッドイマージョンレンズを製造する工程と,前記2つの基板に形成された対物レンズおよびソリッドイマージョンレンズの両光軸を一致させ,はり合わせする工程と,を含むものである。
【0041】
すなわち,半導体製造プロセスを用い,第1の基板に凸曲面を形成して対物レンズを製造し,第2の基板に凹曲面を形成してソリッドイマージョンレンズを製造し,この2つの基板に形成された対物レンズおよびソリッドイマージョンレンズの両光軸を一致させ,はり合わせすることにより,比較的容易に,かつ経済的に,精度の高い光ピックアップ用光学素子を製造することが可能となる。
【0042】
また,請求項10に係る光ピックアップ用光学素子にあっては,前記対物レンズと前記ソリッドイマージョンレンズとを対となす組あるいは前記対物レンズを,複数個以上設けて前記基板にアレイ状に配列するものである。
【0043】
すなわち,対物レンズとソリッドイマージョンレンズからなる組,あるいは対物レンズを少なくとも2つ以上を基板にアレイ状に配列することにより,同時に複数の光学素子を構成することが可能となるので,比較的容易に,かつ経済的に,精度の高い光ピックアップ用光学素子を製造することが可能となる。
【0044】
また,請求項11に係る光ピックアップ用光学素子にあっては,所定の波長を有するコヒーレントな光を入射し,前記光をコリメートし,該コリメートされた光を微小スポットとして光記録媒体上に集光させ,該集光された光を用いて前記光記録媒体に対する情報の記録/再生を行うための光ピックアップ用光学素子において,1枚の基板上に,前記コリメートされた光を集光する対物レンズと,前記対物レンズの光軸と同軸上に前記基板より高い屈折率を有するソリッドイマージョンレンズと,前記対物レンズ上に前記光の光路を切り替える光路切り替え手段と,前記対物レンズと前記光路切り替え手段との間に,前記光の偏光状態を変える偏光手段と,を設けたものである。
【0045】
すなわち,1つの基板上に,対物レンズとソリッドイマージョンレンズとを同軸状に形成すると共に,対物レンズ上に偏光手段(たとえば,1/4波長板)を設け,さらに偏光手段上に光路を切り替える光路切り替え手段を設けることで,光学部品を一体構成させ,光ピックアップの小型軽量化を実現し,さらに外部の受発光部分との光の入出力が精度よく,かつ簡単に行える。
【0046】
また,請求項12に係る光ピックアップにあっては,コリメートされた光ビームを微小スポットとして光記録媒体上に集光させ,該集光された光ビームを用いて前記光記録媒体に対する情報の記録/再生を行う光ピックアップにおいて,前記請求項11に記載の光ピックアップ用光学素子を用いる光ピックアップであって,一つの基板上に,前記光ビームを出射する発光手段と,前記光記録媒体からの反射光を受光する受光手段と,を備えたものである。
【0047】
すなわち,請求項11に記載の光ピックアップ用光学素子を用い,さらに,その一つの基板上に,光ビームを出射する発光手段と光記録媒体からの反射光を受光する受光手段とを一体構成させることにより,受発光部分を含めた光学部品の一体構成による小型軽量化が実現し,さらに,すべての素子が基板上に構成されるので,組み立て時における光軸調整などのアライメントが不要になる。
【0048】
また,請求項13に係る光ピックアップにあっては,コリメートされた光ビームを微小スポットとして光記録媒体上に集光させ,該集光された光ビームを用いて前記光記録媒体に対する情報の記録/再生を行う光ピックアップにおいて,前記請求項11に記載の光ピックアップ用光学素子を用いる光ピックアップであって,少なくとも一つ以上の基板上に,前記光ビームを出射する発光手段と,前記光記録媒体からの反射光を受光する受光手段と,を備えたものである。
【0049】
すなわち,請求項11に記載の光ピックアップ用光学素子を用い,さらに,光ビームを出射す発光手段と光記録媒体からの反射光を受光する受光手段とを少なくとも1つ以上の基板に一体構成させることにより,受発光部分を含めた光学部品の一体構成による小型軽量化が実現し,さらに,すべての素子が基板上に構成されるので,組み立て時における光軸調整などのアライメントが不要になる。
【0050】
また,請求項14に係る光ピックアップにあっては,前記請求項12または13に記載の光ピックアップを,所定のパターンに基づいてアレイ状に配置・構成するものである。
【0051】
すなわち,請求項12または13に記載の光ピックアップをアレイ状に配置・構成することにより,同時に多くのデータを読み書きすることが可能となると共に,光ピックアップ全体における読み書きに要する時間が短縮される。
【0052】
また,請求項15に係る光ピックアップ用光学素子の製造方法にあっては,フォトリソグラフィに基づいてレンズなどの光学素子を製造する光ピックアップ用光学素子の製造方法において,レンズを形成するための基板上に所定の厚さで感光性樹脂を塗布する第1の工程と,前記第1の工程で塗布された前記感光性樹脂の上にパターンマスクを配置し,該パターンマスク上に光源から出射した光を拡散する光拡散手段を配置し,前記光を照射する第2の工程と,前記第2の工程の後に現像処理を行い,前記感光性樹脂に光強度分布の形状に近い状態の凹曲面の形成する第3の工程と,前記第3の工程の後,前記の感光性樹脂に対して等方性および(あるいは)異方性のドライエッチングを行って微小凹曲面を形成する第4の工程と,前記第4の工程の後,前記基板上に残った感光性樹脂を剥離し,前記基板に対し屈折率の高い材料を埋め込む第5の工程と,を含むものである。
【0053】
すなわち,少なくとも,基板の片面にフォトリソグラフィ用の感光性樹脂の層を平坦な光学材料上に形成し,上記フォト感光性樹脂にフォトリソグラフィ用の光を拡散して照射して微小な凹曲面を形成する。さらに,この感光性樹脂と光学材料に対して等方性および(あるいは)異方性のドライエッチングを行って微小凹曲面を形成し,該微小凹曲面に屈折率の異なる材料を埋め込んで,所定の光学デバイスを作製することにより平板型のレンズの製造を比較的簡単に実現したので,他の光学素子などの他の光学部品などの積層が可能になる。
【0054】
また,請求項16に係る光ピックアップ用光学素子の製造方法にあっては,前記第2の工程において,前記パターンマスクと前記光拡散手段とを1つにしたマスクを用いるものである。
【0055】
すなわち,フォトリソグラフィで使用するマスクに光拡散の作用をもたせて露光することにより,通常の半導体製造用の露光機に設置して使うことが可能となる。
【0056】
また,請求項17に係る光ピックアップ用光学素子の製造方法にあっては,前記第2の工程に用いる前記光拡散手段は,半透明な光学ガラスで構成するものである。
【0057】
すなわち,1つのマスクで拡散する部分とそうでない部分を選択的に設けることにより,1枚の基板上に断面が矩形状のパターンと凹曲面の平面レンズを同時に作製することが可能になる。
【0058】
また,請求項18に係る光ピックアップ用光学素子の製造方法にあっては,前記第2の工程に用いる前記光拡散手段は,所望の拡散状態が得られる回析格子で構成するものである。
【0059】
すなわち,マスク上に回析格子を設けることにより,通常の半導体製造用の露光機に設置して使うことが可能となり,しかも,回析格子の格子パターンによって任意の光強度を得ることが可能となり,所望の形状の凹曲面を有する平面レンズが得られる。
【0060】
また,請求項19に係る光ピックアップ用光学素子の製造方法にあっては,一枚の基板上に,前記請求項15に記載の光ピックアップ用光学素子の製造方法に基づいて,対物レンズとなる第1の凹曲面を形成し,さらにソリッドイマージョンレンズとなる第2の凹曲面を形成し,前記第1および第2の凹曲面に基板に対して屈折率の異なる材料を堆積させるものである。
【0061】
すなわち,屈折率の高いレンズ中にスポットを形成することができる光学デバイスを製造することが可能なため,高密度な記録再生が実現し,かつ,対物レンズとソリッドイマージョンレンズが一体化されるので,レンズ同士の光軸調整が不要となり,その結果,小型軽量化が可能となる。
【0062】
また,請求項20に係る光ピックアップ用光学素子の製造方法にあっては,前記請求項15に記載の光ピックアップ用光学素子の製造方法に基づいて,第1の基板に凹曲面を形成してコリメートされた光を集光する対物レンズを製造する工程と,前記対物レンズと同一の製造方法に基づいて,第2の基板に凹曲面を形成してソリッドイマージョンレンズを製造する工程と,前記第1の基板および第2の基板に該基板とは異なる屈折率の材料を堆積する工程と,前記堆積後の2つの基板に形成された前記対物レンズおよび前記ソリッドイマージョンレンズの両光軸を一致させ,はり合わせする工程と,を含むものである。
【0063】
すなわち,屈折率の高いレンズ中にスポットを形成することができる光学デバイスを製造することが可能なため,高密度な記録再生が実現し,かつ,対物レンズとソリッドイマージョンレンズが一体化されるので,レンズ同士の光軸調整が不要となり,その結果,小型軽量化が可能となる。
【0064】
【発明の実施の形態】
以下,本発明の光ピックアップ用光学素子および光ピックアップ用光学素子の製造方法および光ピックアップについて添付図面を参照し,詳細に説明する。
【0065】
〔実施の形態1〕
図1は,実施の形態1に係る光ピックアップ用光学素子の構成を示す説明図である。この光ピックアップ用光学素子は,基板101の上部にコリメート光を集光するための対物レンズ102が一体化されている。また,基板101の対物レンズ102部分における厚さは対物レンズ102の集光する厚さに設定されている。
【0066】
上記のように構成された光ピックアップ用光学素子において,コリメート光は対物レンズ102により収れんする光となり,基板101の底面で集光する。また,この実施の形態ではソリッドイマージョンレンズは設けられていないが,基板101内で最小のスポットが形成されるので,基板101内での光の波長は基板101の屈折率の逆数がかけられ,前述した式(2)で表されるようなスポットサイズとなる。
【0067】
そして,上記対物レンズ102が形成された基板101を光学素子として光メモリの記録再生部に使用する。その際,光学素子は図示していないが目的のピットに動作するようなアクチェータや光源,受光部が具備される。なお,図1における下部分は,上記光学素子自身が所望の浮上量で浮上できるようなパターニングがなされているが,アクチェータを使って浮上量を制御できるように構成してもよい。また,上記光学素子を浮上以外の方法で記録面との間隔を保持してもよい。
【0068】
〔実施の形態2〕
図2は,実施の形態2に係る光ピックアップ用光学素子の構成を示す説明図である。この光ピックアップ用光学素子は,前述した図1の構成に対し,基板101の底面に屈折率の高い膜201が設けられている。
【0069】
すなわち,対物レンズ102の最小スポットサイズの位置に屈折率の高い膜201を設けることにより,屈折率の高い膜201内では,光の波長に基板101の屈折率の逆数がかけられ,前述した式(2)で表されるようなスポットサイズとなる。
【0070】
〔実施の形態3〕
図3は,実施の形態3に係る光ピックアップ用光学素子の構成を示す説明図である。図において,この光ピックアップ用光学素子は,コリメートされた光を集光させる働きを有する対物レンズ102と,記録媒体に近接する位置にある対物レンズ102と光軸が一致し,基板101より屈折率の高いソリッドイマージョンレンズ301を一枚の基板101上に形成した構成とする。
【0071】
すなわち,1つの基板101に対物レンズ102(図3における上面側)とソリッドイマージョンレンズ301(図3における下面側)とを設ける。
【0072】
なお,対物レンズ102の形状は球面,あるいは収差を考慮した非球面でもよい。さらに,ソリッドイマージョンレンズ301の形状も屈折作用が得られれば,半球あるいは超半球であってもよい。ただし,ソリッドイマージョンレンズ301の屈折率だけが基板101と異なる。さらに,基板101の厚さは,この光学系で最小スポットサイズが基板101の底面で得られる長さとする。
【0073】
上記構成において,スポットサイズを小さくしたい場合には,前述の式(2)および式(3)より屈折率が大きいほどスポットサイズを小さくすることができるので,ソリッドイマージョンレンズ301は基板101の屈折率よりも大きな屈折率を有する材料を選択すればよい。
【0074】
たとえば,基板101の材料として,BK7(波長768.2nmでの屈折率1.5115)を選択し,ソリッドイマージョンレンズ301の材料として,LaF2(波長768.2nmでの屈折率1.7335)あるいはSFS1(波長768.2nmでの屈折率1.8927)を選択する。
【0075】
図4は,実施の形態3に係る光ピックアップ用光学素子の他の構成を示す説明図である。図において,図3と同様の条件で,対物レンズ102を,基板101の表面から下の位置に対し,凸形状をなして構成する。
【0076】
〔実施の形態4〕
ここでは,基板の1つの面に対して凸曲面を形成して対物レンズとし,もう一方の面に対して凹曲面を形成後,該凹曲面に,基板より屈折率の高い材料を堆積してソリッドイマージョンレンズを製造する方法について述べる。
【0077】
対物レンズ102を形成する材料は光ピックアップ用光学素子を用いるコリメートされた光の波長により任意に選択できる。たとえば,前述したように基板101の材料としてBK7(波長768.2nmでの屈折率1.5115)を選択し,ソリッドイマージョンレンズ301の材料として,LaF2(波長768.2nmでの屈折率1.7335)あるいはSFS1(波長768.2nmでの屈折率1.8927)を用いる。上記基板材料の片側面に対物レンズ102を以下の手順で形成する。
【0078】
図5〜図14は,実施の形態4に係る光ピックアップ用光学素子の製造工程を示す説明図である。上記基板材料の片側面に対物レンズ102を以下の手順で形成する。
【0079】
(工程1)
まず,図5に示すように基板101上に感光性材料501を塗布する。塗布する感光性材料501の厚さは,基板101上に形成する対物レンズの高さと,後に感光性材料501をレジストしてエッチングを行う基板材料のエッチング速度とレジストのエッチング速度との比(選択比)により設定する。たとえば,両者のエッチング速度が等しい場合(選択比1)には,レジストの高さは形成する対物レンズの高さと等しくする。また,基板材料のエッチング速度がレジストのエッチング速度より2倍大きい場合(選択比2)には,レジストの高さは対物レンズの高さの1/2でよい。
【0080】
また,基板101上に塗布する感光性材料501としては,通常の半導体製造に用いられるフォトレジストあるいは感光性ドライフィルムを使用する。具体的には,OFPR−800(ポジ型レジスト),OMR−85(ネガ型レジスト)などを用いればよい。ポジ型あるいはネガ型の選択によりレジストに形状を転写する工程(フォトリソ工程)に用いる写真マスクの形状が変化するが,基本的な形成手順は変わらない。なお,この実施の形態ではポジ型レジストを用いる場合について説明する。
【0081】
(工程2)
次に,図6に示すように,基板101上に形成したレジスト上に対物レンズ径と同等のパターンを形成したマスク(フォトマスク)を介して光を照射し,感光性材料501を感光させる。これにより,光照射後に現像すると基板101上に対物レンズ径と同等のパターン樹脂601が残る。
【0082】
(工程3)
続いて,図7に示すように,上記残存したパターン樹脂601に対し,熱および(あるいは)圧力を加え,重力および表面張力の効果によりレジスト表面を凸レンズ形状701に形成する。なお,作用させる温度と圧力はレジスト形状により異なるが,温度においては200〜400度,圧力は1〜10気圧の範囲で選べばよい。
【0083】
(工程4)
さらに,このようにして形成した凸レンズ形状701の樹脂をマスクとして基板ガラスを基板に垂直な方向にエッチング(異方性エッチング)を行う。このエッチングの手段としては,半導体製造プロセスで通常用いられるドライエッチングが可能である。具体的には反応性イオンエッチング法(RIE)や電子サイクロトロン共鳴エッチング法(ECR)などである。ドライエッチングに用いるガスは基板材料により選択する。
【0084】
たとえば基板材料がガラスの場合は,CF,CHFなどを用いる。また,エッチング速度や選択性の調整のために上記のエッチッグガスに,N,O,Arなどのガスを混入してもよい。すなわち,上記工程により,基板101上に図8に示すような対物レンズ102が形成される。
【0085】
(工程5)
次に,基板101の対物レンズ102を形成した反対側に,基板101より屈折率の高い凹レンズを形成する。なお,凹レンズの形成も上記凸レンズの形成と基本的に同様に行う。なお,この実施の形態ではネガ型レジストを使用する場合を例にとって説明する。
【0086】
図9に示すように,ネガ型レジストを基板上ソリッドイマージョンレンズを形成する面に塗布し,前述のフォトリソ工程を用い,基板101上にソリッドイマージョンレンズが形成される部分901を除いた周囲に樹脂902が残存するようにする。
【0087】
(工程6)
次いで,図10に示すように,ソリッドイマージョンレンズを形成する部分901も含んだ全面にレジスト1001を塗布する。これは樹脂の熱変形を促進させるための塗布であり,塗布厚さは少なくてよい。具体的には5ミクロン以下の必要に応じた厚さでよい。
【0088】
(工程7)
続いて,図11に示すように,前述と同様に熱および(あるいは)圧力の作用で樹脂901を変形させ,凹レンズ形状1101を形成する。
【0089】
(工程8)
さらに,同様のエッチング方法を用い,図12に示すように,基板101上に凹レンズ形状部1201を形成する。
【0090】
(工程9)
次いで,図13に示すように,凹レンズ形状部1201に,基板101より屈折率の高い材料を形成する。この実施の形態では所望の屈折率を有した材料をターゲットとし,これをスパッタ法を用いて凹レンズ形状を含んだ基板101面にスパッタ膜1301を形成する。
【0091】
(工程10)
さらに,図14に示すように,基板101面のエッチバックおよび平坦化により凹レンズ形状部1201に選択的にスパッタ膜1401を残存させる。
【0092】
このように,上記図5〜図14の工程により光ピックアップ用光学素子が製造される。なお,実際には基板101上に多数のヘッドがアレイ状にあるので,これを切断して個別のヘッドを製造する。
【0093】
〔実施の形態5〕
図15は,実施の形態5に係る光ピックアップ用光学素子の構成を示す説明図である。この光ピックアップ用光学素子は,前述の対物レンズが基板101面に対して凸形状であるのに対し,基板101面に対して凹形状となっている。このとき,対物レンズ102およびソリッドイマージョンレンズ301の屈折率は,基板101の屈折率よりも高くなるように設定する。また,基板厚さは,この光学系で最小スポットサイズが基板101の底面で得られる長さとする。
【0094】
〔実施の形態6〕
ここでは,基板101の両面に対して凹曲面を形成し,この2つの凹曲面に基板101より屈折率の高い材料を堆積することにより,2つのレンズを製造する例について説明する。
【0095】
基板101上で対物レンズ102およびソリッドイマージョンレンズ301を凹レンズで形成する方法は,前述した実施の形態4と同様の方法を用いることができる。
【0096】
すなわち,ネガ型レジストを基板101上の対物レンズ102を形成する面に塗布し,前述のフォトリソ工程を用いて基板101上に対物レンズ102が形成される部分を除いた周囲に樹脂が残存するように形成する(図5参照)。
【0097】
次に,対物レンズ102を形成する場所も含んだ全面にレジストを塗布する。これは樹脂の変形を促進するための塗布であり,塗布厚さは少なくてよい。具体的には5ミクロン以下の必要に応じた厚さでよい(図6参照)。
【0098】
次いで,熱および(あるいは)圧力の作用で樹脂を変形させて凹レンズ形状とし(図7参照),通常の異方性エッチングにより,基板101上に凹レンズ形状を形成する(図8参照)。こうして,基板101上に形成した凹レンズ形状の対物レンズと全く同様に基板101の反対側に凹レンズ形状のソリッドイマージョンレンズ301を形成することができる(図9参照)。
【0099】
さらに,実施の形態4と同様に,上記基板101の両面に形成した凹レンズ形状部に基板材料より高い屈折率を有する材料を堆積させる。
【0100】
すなわち,所望の屈折率を有した材料をターゲットとしたスパッタ法を用い,凹レンズ形状を含んだ基板101面にスパッタ膜を形成し(図10参照),基板101面のエッチバックおよび平坦化により,凹レンズ形状部に選択的にスパッタ膜を残存させ,基板材料より高い屈折率を有する凹レンズ形状の対物レンズを得る(図11参照)。
【0101】
また,上記対物レンズの反対側に形成するソリッドイマージョンレンズについても全く同様の方法を用いて製造することができる(図12参照)。なお,実際には基板101上に多数のヘッドがアレイ状にあるので,これを切断して個別のヘッドを製造する。
【0102】
〔実施の形態7〕
ここでは,コリメートされた光を集光させる働きをもつ対物レンズ102を形成した基板101と,記録媒体に近接する位置にある基板よりも屈折率の高いソリッドイマージョンレンズ301を形成した基板とをはり合わせ,一体化する例について説明する。
【0103】
図16は,実施の形態7に係る光ピックアップ用光学素子の構成を示す説明図である。この光ピックアップ用光学素子は,対物レンズ102を具備した基板101とソリッドイマージョンレンズ301を具備した基板1601とから構成されている。
【0104】
対物レンズ102を基板101には下面の左側に突起1602が設けられ,さらにソリッドイマージョンレンズ301を具備した基板1601の上部右側には突起1603が設けられ,この突起1602と突起1603とが両基板に設けられたくぼみ状穴に嵌合し,両基板の位置が決められる。なお,上記位置決めのための突起およびそのくぼみ状穴の形状は,はめ込みやすい形状であれば,その形状は問うものでなく,また,その数も幾つであってもよい。
【0105】
また,上記2つの基板の接合を強固にするための手段として,接着剤あるいは電気化学的な方法などを用いる。ただし,この場合,上記突起やくぼみ状穴のある位置は,対物レンズ102とソリッドイマージョンレンズ301の光路を遮るような位置には配置しないように考慮する。
【0106】
図17は,実施の形態7に係る光ピックアップ用光学素子の他の構成例(1)を示す説明図であり,図16の構成に加え,ソリッドイマージョンレンズ301側の基板1601側のレンズ上側に中空部1701を設けた構成とする。
【0107】
図18は,実施の形態7に係る光ピックアップ用光学素子の他の構成例(2)を示す説明図であり,ソリッドイマージョンレンズ301を基板1601の上部に設け,対物レンズ102側の基板101にはソリッドイマージョンレンズ301が配置されるように下側の面にくぼみ状穴を設けた構成とする。
【0108】
図19は,実施の形態7に係る光ピックアップ用光学素子の他の構成例(3)を示す説明図である。この光ピックアップ用光学素子は,上記と同様に2つの基板が設けられ,対物レンズ102は下に凸の形状をなしている。この2つの基板には前述の実施の形態と同様に相互の基板を所定の位置関係ではり合わせできるような突起とくぼみ状穴が設けられ,これにより嵌合し,図示のようなヘッドを構成する。
【0109】
なお,上記位置決めのための突起およびそのくぼみ状穴の形状は,はめ込みやすい形状であれば,その形状は問うものでなく,また,その数も幾つであってもよい。また,上記2つの基板の接合を強固にするための手段として,接着剤あるいは電気化学的な方法などを用いる。
【0110】
ただし,上記のおいて,突起やくぼみ状穴のある位置は,対物レンズ102とソリッドイマージョンレンズ301の光路を遮るような位置には配置しないように考慮する。
【0111】
また,上記実施の形態では2つの基板をはり合わせるために,嵌合型の構造となっているが,この他にたとえば図20に示すように,幾つかのマーカーを付し,そのマーカーを用いて位置合わせし,接合してもよい。
【0112】
〔実施の形態8〕
図21は,実施の形態8に係る光ピックアップ用光学素子の製造工程における光軸合わせを示す説明図である。図において,対物レンズ102とソリッドイマージョンレンズ301を形成した2つの基板を,双方のレンズの光軸を一致させてはり合わせるための手段として,対物レンズの光軸を中心とした円周上に,位置合わせ手段2101a〜2101dを対物レンズ102を挟んで対向するように複数個形成し,ソリッドイマージョンレンズ301を形成した基板でも同様にソリッドイマージョンレンズ301の光軸を中心として円周上に位置合わせ手段2102a〜2102dを形成しておき,両者の位置合わせ手段2101a〜2101d,2102a〜2102dを一致させるように接合する。
【0113】
なお,位置合わせの手段としては,前述した図16〜図18のように一方が凸形状で,他方が凹形状であるような立体的なものが可能である。また,基板上に凸形状あるいは凹形状を形成する手段としては,前述した実施の形態4,6の凸レンズ形状あるいは凹レンズ形状を形成する方法を用いればよい。
【0114】
また,上記において,位置合わせ手段をマーカーとする場合は,たとえば図22に示すような平面的なマーカーを用いる。これは半導体製造プロセスで通常用いられる手法と同様であり,位置合わせを行う双方の基板に位置合わせのための精度を考慮したマーカーを形成し,この2つのマーカーの重ね合わすことによって位置合わせを行う。
【0115】
上記位置合わせのためのマーカーの形成は,実施の形態4,6で説明した基板上に凸レンズ形状あるいは凹レンズ形状を形成する工程において,たとえばクロムなどの金属膜を形成し,エッチングする工程を導入し,通常の半導体製造プロセスで用いられている手法と同様に形成できる。
【0116】
このようにして,双方の基板を,両レンズの光軸を一致させて位置合わせを行った後にはり合わせる手段としては,接着剤を用いてもよく,また,双方の基板を電気化学的(アノーティック・ボンディングや高温ボンディング)な方法を用いてもよい。
【0117】
〔実施の形態9〕
ここでは,対物レンズとソリッドイマージョンレンズとで対をなす組あるいは対物レンズを2つ以上設け,アレイ状に配列する例について説明する。
【0118】
図23は,実施の形態9に係る光ピックアップ用光学素子の構成を示す説明図である。この光ピックアップ用光学素子は,図示の如く,対物レンズ102a〜102cとソリッドイマージョンレンズ301a〜301cとの組が3つのアレイ状となっている。この光ピックアップ用光学素子は,前述した製造方法により容易に製造できる。
【0119】
上記により3つのスポットが形成される。また,図示していないが,基板101上面からコリメートされた光が入射される。この場合の光源は,レンズアレイに対応するようなアレイ状の光源やレンズアレイ全体を照射するような単独の光源などを用いる。アレイ状の光源を用いると独立した駆動が可能であるので,記録/再生/消去の各動作を別々に行うことができる。また,単独の光源を用いる場合には,再生を3ヵ所から同時に読み出すことが可能である。
【0120】
〔実施の形態10〕
(実施の形態10の構成)
図24は,実施の形態10に係る光ピックアップ用光学素子の構成を示す説明図である。この光ピックアップ用光学素子は,図示の如く,光源からのコリメートされた光を集光させる対物レンズ102と,記録面に近接する位置にある対物レンズと光軸が一致し,基板101より屈折率の高いソリッドイマージョンレンズ301を一枚の基板101に形成すると共に,対物レンズ102上に偏光手段としての1/4波長板2401と,1/4波長板2401上に配置され,斜面に誘電体多層膜2402aが形成され,光路を切り替えるための光路切り替え手段としてのプリズム2402とが設けられている。
【0121】
さらに,上記構成を詳細に説明する。対物レンズ102とソリッドイマージョンレンズ301の両方のレンズは,基板101に対して深さ方向にレンズ面を形成しており,屈折率の効果を上げるために基板101よりも屈折率の高い材料で形成されている。また,対物レンズ102とソリッドイマージョンレンズ301とは光軸が一致するように配置されている。
【0122】
ソリッドイマージョンレンズ301の形状が半球である場合,対物レンズ102の焦点位置に半球の端面が配置されるように構成させる。また,ソリッドイマージョンレンズ301の形状が超半球(レンズ厚r(1+1/n)のときに収差が少ない;ただし,rは半径,nは屈折率)の場合は,超半球レンズの中心からnrだけ下の位置に対物レンズ102の焦点位置がくるように配置すると,ちょうど超半球レンズの端面に集光する。また,対物レンズ102の形状は,球面あるいは非球面である。
【0123】
基板101の材料は,たとえばBK7や石英などのガラスを用いる。また,ソリッドイマージョンレンズ301の材料としては,LaSFN18(屈折率=1.90522,波長656.3nm,SCHOTT社カタログ参照)やSF59(屈折率=1.94325,波長656.3nm,SCHOTT社カタログ参照)などがある。なお,対物レンズ102を構成する基板とソリッドイマージョンレンズ301を構成する基板とを別々に作製しておき,これを上記関係となるように貼り合わせてもよい。
【0124】
1/4波長板2401の材料としては複屈折作用のある材料の特性を用い,光の偏光状態を常光線と異常光線とで波長の1/4だけ変える。常光線の屈折率をno,異常光線の屈折率をneとすると,1/4波長板2401の厚さは,λ/{4(ne−no)}で表される。たとえば,水晶では,常光線の屈折率が1.538,異常光線の屈折率が1.547なので,波長362.8nmの場合の厚さは17.58μmとなる。
【0125】
プリズム2402にはその斜面に誘電体多層膜2402aが成膜されている。この誘電体多層膜2402aで各偏光(p偏光とs偏光)に対する反射率と透過率が異なることを利用し,光路を分離している。また,プリズム2402の基板101に対して垂直な面は,ARコーティングが施されている。このように構成された1/4波長板2401とプリズム2402に対して接着されている。また,プリズム2402の斜面の誘電体多層膜2402aは蒸着処理により形成される。
【0126】
(実施の形態10の動作)
次に,以上のように構成された光ピックアップ用光学素子の動作について説明する。図24において,上部からのコリメートされた光はプリズム2402に入射する。このときコリメート光はp偏光に直線偏光されている。入射した光は図の下向きに進む。この光が1/4波長板2401を透過すると,常光線と異常光線との間でπ/2の位相差が生じ,光は円偏光となる。ただし,1/4波長板2401は,結晶の光軸を入射光の偏光方向に対して45度だけ傾けて配置されてる。このため,この円偏光の光は対物レンズ102で収れんされ,ソリッドイマージョンレンズ301の端面で集光される。
【0127】
また,データを読み出す場合には,上記光が光記録面で反射し,対物レンズ102でコリメートされ,再び1/4波長板2401を通過するとs偏光となり,対物レンズ102でコリメート光となってプリズム2402の斜面(誘電体多層膜2402a)で反射され,図24において右側に進む。
【0128】
〔実施の形態11−1〕
(実施の形態11−1の構成)
図25は,実施の形態11−1に係る光ピックアップの構成を示す説明図である。この光ピックアップは,同一の基板101上に,上記実施の形態10で説明した光ピックアップ用光学素子と,発光部2501と,受光部2502と,偏光ビームスプリッタとして機能するプリズム2503と,が配置されている。発光部2501は発光手段としてのLD(レーザダイオード)2504とコリメートレンズ2505とを備え,受光部2502は受光手段としてのPD(フォトデティクタ)2506と集光レンズ2507とを備えている。
【0129】
コリメートレンズ2505と集光レンズ2507は共に平板上にレンズを形成したもので,基板101に垂直に配置されている。LD2504は,基板101に対して垂直に配置された銅などのブロックで配置されている。また,このブロックはLD2504の放熱を兼ねている。なお,カンに封入されたLDを使用してもよい。
【0130】
PD2506はSi基板そのものを垂直に配置している。また,PD2506はLD2504と同様にカンに封入されたものを使用してもよい。さらに,これらデバイスを駆動するための電気回路などを基板101に配置してもよい。プリズム2402は斜面で全反射するようなコーティングが施されている。また,プリズム2402およびプリズム2503のいずれも光が入射する側の面はARコーティングが施されている。
【0131】
プリズム2402の基板101側には,実施の形態10で述べた1/4波長板2401を配置し,該1/4波長板2401の下には対物レンズ102が形成されている。また,この対物レンズ102とソリッドイマージョンレンズ301との位置関係は,実施の形態10と同様である。また,コリメートレンズ2505や集光レンズ2507,LD2504,PD2506は,たとえば基板101にエッチングされた溝により位置決めされた後,接着剤などで固定する。
【0132】
(実施の形態11−1の動作)
次に,以上のように構成された光ピックアップの動作について説明する。図25において,LD2504から出射されたレーザ光は,コリメートレンズ2505でコリメートされ,プリズム2503に入射する。なお,このときのレーザ光は,p偏光に直線偏光されている。次いで,入射された光はプリズム2503の斜面で屈折されてプリズム2402に進む。この光がプリズム2402で反射され,1/4波長板2401を透過すると,常光線と異常光線との間でπ/2の位相差が生じ,その光は円偏光となる。
【0133】
ただし,1/4波長板2401は,結晶の光軸を入射光の偏光方向に対して45度だけ傾けて配置されている。この円偏光の光が対物レンズ102で収れん光にされ,ソリッドイマージョンレンズ301の端面で集光する。データを読み出す際は,この光が光記録面で反射して対物レンズ102でコリメートされ,再び1/4波長板2401を通過するとs偏光になり,プリズム2402に進む。このプリズム2503ではs偏光の光は反射するので,集光レンズ2507側で反射され,集光レンズ2507で収れん光となり,PD2506上に集光される。
【0134】
また,図示していないが,フォーカシング・エラー信号の検出は,ナイフエッジ法あるいは非点収差法のいずれを用いてもよい。さらにトラッキング・エラーの検出も必要に応じて適切な方法を用いて行う。
【0135】
〔実施の形態11−2〕
(実施の形態11−2の構成)
図26は,実施の形態11−2に係る光ピックアップの構成を示す説明図であり,有限系の光学系を示している。この光ピックアップは,上記実施の形態11−1に対して,コリメートレンズと集光レンズを排除し,1つの基板102に,対物レンズ102と,ソリッドイメージョンレンズ301と,1/4波長板2401と,プリズム2601と,LD2504と,PD2506とが一体的に支持・構成されている。
【0136】
プリズム2601は,その斜面部分に誘電体多層膜がコーティングされている。また,LD2504およびPD2506と接する面はARコーティングを施してある。LD2504とPD2506はプリズム2601面に接するように配置されている。この例では,プリズム2601面にエッチングで溝を形成し,そこにLD2504およびPD2506を接着してある。なお,この配置方法はこれに限定されるものではない。また,LD2504およびPD2506の駆動回路が配置されている。
【0137】
(実施の形態11−2の動作)
次に,以上のように構成された光ピックアップの動作について説明する。図26において,LD2504から出射されたレーザ光は,プリズム2601に入射する。このときのレーザ光は発散光で,かつp偏光に直線偏光されている。入射した光はプリズム2601を透過し,1/4波長板2401を透過する。1/4波長板2401を透過すると,常光線と異常光線との間でπ/2の位相差が生じ,その光は円偏光となる。
【0138】
ただし,1/4波長板2401は,結晶の光軸を入射光の偏光方向に対して45度だけ傾けて配置されている。この円偏光の光が対物レンズ102で収れん光にされ,ソリッドイマージョンレンズ301の端面で集光する。データを読み出す際は,この光が光記録面で反射して対物レンズ102でコリメートされ,再び1/4波長板2401を通過するとs偏光になり,プリズム2402に進む。このプリズム2503ではs偏光の光は反射するので,集光レンズ2507側で反射され,集光レンズ2507で収れん光となり,PD2506上に集光される。
【0139】
上記のように,この実施の形態11−2では,実施の形態11−1に対してコリメートレンズと集光レンズを排除した構成であるので,光ピックアップを簡単な構成にすることができる。
【0140】
また,図示していないが,フォーカシング・エラー信号の検出は,ナイフエッジ法あるいは非点収差法のいずれを用いてもよい。さらにトラッキング・エラーの検出も必要に応じて適切な方法を用いて行う。
【0141】
〔実施の形態12〕
(実施の形態12の構成)
図27は,実施の形態12に係る光ピックアップの構成を示す説明図である。この実施の形態12では,対物レンズ102とソリッドイマージョンレンズ301と1/4波長板2401とが1つの基板102に構成され,2つのプリズム2701〜2702を構成する別の基板と,コリメートレンズ2505と集光レンズ2507とが構成される別の基板と,さらにLD2504とPD2507とが搭載されたPCB基板など,4種類の基板を積層して光ピックアップを構成している。なお,プリズム2701は,その斜面に誘電体多層膜がコーティングされている。また,プリズム2702は,斜面で全反射するように構成されている。
【0142】
(実施の形態12の動作)
次に,以上のように構成された光ピックアップの動作について説明する。図27において,LD2504から出射されたレーザ光は,コリメートレンズ2505でコリメートされ,プリズム2701に入射する。このときのレーザ光はp偏光に直線偏光されている。入射した光はプリズム2701の斜面で反射され,プリズム2702に進む。プリズム2702ではp偏光の光を透過し,1/4波長板2401を透過する。1/4波長板2401を透過すると,常光線と異常光線との間でπ/2の位相差が生じ,その光は円偏光となる。
【0143】
ただし,1/4波長板2401は,結晶の光軸を入射光の偏光方向に対して45度だけ傾けて配置されている。この円偏光の光が対物レンズ102で収れん光にされ,ソリッドイマージョンレンズ301の端面で集光する。データを読み出す際は,この光が光記録面で反射して対物レンズ102でコリメートされ,再び1/4波長板2401を通過するとs偏光になり,対物レンズ102でコリメート光になってプリズム2701に進む。このプリズム2701でp偏光の光は反射され,プリズム2702に進む。さらにプリズム2702で反射され,集光レンズ2507で収れん光となり,PD2506上に集光される。
【0144】
〔実施の形態13−1〕
(実施の形態13−1の構成)
図28は,実施の形態13−1に係る光ピックアップの構成を示す説明図である。この光ピックアップは,前述した図26の光ピックアップ(これら全体を2801とする)をアレイ状に配置して構成されている。すなわち,この実施の形態13−1では,図示の如く2×3のアレイ状となっている。
【0145】
また,上記ピックアップアレイへのデータの入出力は,各光ピックアップ2801に対して独立して行われるように構成されている。すなわち,LD2504とPD2506の駆動回路は,各光ピックアップ2801ごとにに設けられている。また,図28では,アレイの配置は縦横とも等間隔であるが,これ以外に,たとえば図29に示すような配置であってもよい。なお,図29ではアレイ配置を平面図で示してある。
【0146】
(実施の形態13−1の動作)
次に,以上のように構成された光ピックアップの動作は,基本的には前述した実施の形態11−1(図26)と同様である。LD2504とPD2506の駆動方法は,アレイに対応させて制御する必要がある。つまり,書き込み時にはLD2504は書き込みデータに合わせて変調され,読み込み時にはLD2504は直流的にONされ,光記録面から反射してきた光信号を各PD2506が読み込む。
【0147】
〔実施の形態13−2〕
(実施の形態13−2の構成)
図30は,実施の形態13−2に係る光ピックアップの構成を示す説明図である。この光ピックアップは,前述した図27の光ピックアップ(これら全体を3001とする)をアレイ状に配置して構成されている。
【0148】
すなわち,対物レンズ102と,ソリッドイマージョンレンズ301と1/4波長板2401とのアレイ基板と,プリズム2701とプリズム2702とのアレイ基板と,集光レンズ2507とコリメートレンズ2505とのアレイ基板と,LD2504とPD2507とを搭載した基板とを積み重ねた構成となっている。
【0149】
(実施の形態13−2の動作)
次に,以上のように構成された光ピックアップの動作は,前述した実施の形態13−1と同様に,データの入出力は各光ピックアップ3001に対して独立して行う。また,基本的な動作は実施の形態12(図27)と同様であるので,ここでの説明は省略する。
【0150】
〔実施の形態14〕
この実施の形態14では,少なくとも,基板の片面にフォト感光性樹脂の層を平坦な光学材料上に形成し,上記フォト感光性樹脂にフォトリソグラフィ用の光を光拡散手段で拡散して照射し,微小な凹曲面を形成する。さらに,このフォト感光性樹脂と光学材料に対して等方性および(あるいは)異方性のドライエッチングを行って微小凹曲面を形成し,該微小凹曲面に屈折率の異なる材料を埋め込んで,所定の光学デバイスを作製する。以下,順に説明する。
【0151】
(工程1)
図31は,実施の形態14に係る光ピックアップ用光学素子の製造工程(1)を示す説明図である。図31に示す工程では,基板101の片面に後述する選択比に基づく厚さの感光性樹脂3101をスピナーなどでコーティングする。
【0152】
さらに,この工程に用いる材料などについて詳述する。レンズを形成する基板材料は用途に応じて任意に選択することができる。たとえば材料としては基板としてBK7(波長768.2nmでの屈折率1.5115)を用る。
【0153】
上記の基板材料の片面に感光性樹脂3101を所定の厚さで塗布する。塗布する感光性樹脂3101の厚さは,基板101上に形成するレンズの高さと,後に感光性樹脂3101を現像してエッチングを行う際の基板材料のエッチング速度と感光性樹脂3101のエッチング速度の比(選択比)により設定する。たとえば両者のエッチング速度が等しい場合(選択比1)には感光性樹脂3101の高さは形成するレンズの高さと等しく設定する。また,感光性材料のエッチング速度に対して基板材料のエッチング速度が2倍大きい場合(選択比2)には感光性樹脂3101の高さはレンズの高さの1/2でよい。
【0154】
また,基板101上に塗布する感光性樹脂3101の材料としては,通常の半導体製造で用いられるフォトレジストあるいは感光性ドライフィルムを使用することができる。具体的には,東京応化社製OFPR−800(ポジ型レジスト),OMR−85(ネガ型レジスト)などを用いる。ポジ型あるいはネガ型の選択によりレジストの形状を転写する工程(フォトリソ工程)に用いるマスクの形状が変化するが,基本的な形成手順は変わらない。この実施の形態では,ポジ型レジストを用い場合について説明する。
【0155】
(工程2)
図32は,実施の形態14に係る光ピックアップ用光学素子の製造工程(2)を示す説明図である。上記工程1の後,基板101上に形成したレジスト上に,所望とするレンズ径と同等あるいは小さい径のパターンを形成した拡散板マスク3201を介して光を照射し,レジストを感光させる。このとき,拡散板マスク3201自体に光を散乱させる性質があるので,露光機から出た光は拡散板マスク3201内で散乱し,レジストを照射する。
【0156】
(工程3)
図33は,実施の形態14に係る光ピックアップ用光学素子の製造工程(3)を示す説明図である。上記工程2の後,現像を行うと図33に示すように,基板101上に断面が凹曲面のレジストが残る。この残存したレジストに必要に応じて熱および(または)圧力を作用させて重力および表面張力の効果を用い,凹曲面を成形して所望の凹レンズ形状に形成する。作用させる温度はレンズ形状により異なるが,温度においては130度から400度,また,圧力は1から10気圧の範囲を選ぶことができる。
【0157】
(工程4)
図34および図35は,実施の形態14に係る光ピックアップ用光学素子の製造工程(4)を示す説明図である。上記工程3で形成した凹レンズ形状のレジストをマスクとして基板ガラスを基板101に垂直に方向にエッチング(異方性エッチング)する。このエッチング手段としては半導体製造プロセスで通常用いられるドライエッチングを採用する。具体的には,反応性イオンエッチング法(RIE:平行平板型リアクティブ・イオン・ドライ・エッチング),あるいは導入ガスをイオン化し,その生じたイオンを基板101に向かって電気的に加速し,基板に直交な方向からエッチング面により衝突させることでエッチングを行う物理化学的な電子サイクロトロン共鳴エッチング法(ECR)などのドライエッチングを用いる。
【0158】
ドライエッチングに用いるガスは基板材料により選択することができる。たとえば基板材料がガラスの場合にはCF,CHFなどを用いることができる。また,エッチング速度,選択性の調整のために上記のガスにN,O,Arなどのガスを混入することもできる。エッチングは所望の形状(径,深さ)が得られるようにレジストがなくなるまで,あるいは所定の量だけレジストをエッチングする。レジストが残っている場合はアッシングなどによりレジストのみを除去する。このようにして基板101に凹レンズ形状3501を形成する。
【0159】
(工程5)
図36および図37は,実施の形態14に係る光ピックアップ用光学素子の製造工程(5)を示す説明図である。ここでは上記工程4で形成した凹レンズ形状3501の部分に基板101より屈折率の高い材料を形成する。この実施の形態では所望の屈折率を有した材料をターゲットとしたスパッタ法により凹レンズ形状3501を含んだスパッタ膜3601を形成する。さらに基板面のエッチバックおよび平坦化により凹レンズ形状3501の部分に選択的にスパッタ膜3601を残存させる。このようにして平板レンズを作製する。基板101上に数多くのレンズを形成し,必要に応じて切断して個別のレンズとする。また,凹曲面に埋め込む材料としてLaF2(波長768.2nmでの屈折率1.7335)またはSFS1(波長768.2nmでの1.8927)を用いることができる。なお,スパッタ法以外にも光硬化性樹脂材料をコーティングする方法を用いてもよい。
【0160】
(具体例)
ここで前述した工程1〜5における具体的な材料や処理などについて説明する。基板101には合成石英を,ポジレジストとして東京応化工業社製OFPR−800を使用する。また,拡散板マスクとしてオパールガラスを用いる。合成石英上にレジストをスピンコートにより膜厚5μmのコーティングを行う。これをプリベークした後,拡散板マスクを使った露光を行って現像する。引き続いて,200°Cでポストベークする。次にECRエッチングを行う。この際のガスはAr,O,CFを使用する。エッチングが終了すると,残っているレジストを除去する。次いでスパッタでSFS1の膜を成膜する。最後に表面を表面研磨により平坦化すると共に,所望の膜厚となるように研磨する。
【0161】
さらに,この実施の形態14の工程をまとめて説明する。まず,基板101に感光性樹脂3101をスピナーなどでコーティングする。半導体製造装置など通常の露光装置の光源から出射した光を拡散光としてマスク上にあるパターンを照射する。すると,光はフォトマスクを透過あるいは吸収反射し,感光性樹脂3101には透過した散乱光が照射される。たとえば散乱光が完全拡散状態とすると,光の拡散する位置での角度に対する光強度は,角度のコサインのn乗に比例する。マスクに対して基板101の感光性樹脂3101面の位置を密着させずに,ある距離を隔てておくことにより,感光性樹脂3101上にはコサインのn乗に比例したような形の強度分布が生じ,この状態の光で感光性樹脂3101を露光する。この後,現像処理を行うと感光性樹脂3101には光強度分布の形状に近い状態の凹曲面が形成される。この状態でドライエッチングを行って凹曲面を基板に形成する。残った感光性樹脂3101を剥離した後に,基板101よりも屈折率の高い材料を埋め込み,平板レンズを作製する。
【0162】
〔実施の形態15〕
この実施の形態15では,実施の形態14で述べた拡散光の実現例について説明する。図38は,実施の形態15に係る拡散光の第1の実現例を示す説明図である。この例では,拡散光の実現方法として,パターンマスク3801の上に拡散板3802を配置し,そこで拡散光を生成する。なお,ここで用いるパターンマスク3801は透明なガラス基板のCrでパターンニングした通常のものである。
【0163】
すなわち,図38に示すように,露光時にはパターンマスク3801の上に拡散板3802を置いて露光する。その後は,実施の形態14で説明したと同様に,エッチングおよび高屈折率の材料の埋め込み処理を行う。また,断面が矩形上の凹形状を凹曲面作製の際に同時に作製することも可能である。このときには,1つのマスクで凹曲面の部分には拡散するガラスを置き,溝の部分には透明なガラスのままの状態で露光すればよい。
【0164】
〔実施の形態16〕
図39は,実施の形態16に係る拡散光の第2の実現例を示す説明図である。この例では,拡散光の実現方法として,パターンマスク3801の上に回析格子3901を配置し,そこで拡散光を生成する。回析格子3901は,所望とする拡散状態が得られるような完全拡散ではない光強度分布となるような格子パターンを形成する。このときには非球面形状など所望の形状が得られるように1次回析光や高次回析光を含めた光強度分布が得られる回析格子パターンを設計することができる。
【0165】
また,回析格子の代わりに微小な開口による回析現象を利用する方法もある。円形開口の回析の光強度はエアリーディスクとして知られており,強度を表す関数はベッセル関数になる。この0次光を使って感光性樹脂3101に凹曲面を形成することもできる。
【0166】
〔実施の形態17〕
この実施の形態17では,前述した実施の形態14で説明した製造方法に基づいて,基板上の対物レンズおよびソリッドイマージョンレンズを作製する。まず,一方のレンズを作製し,続いて基板の反対側にもう一方のレンズを作製する。以下,工程順に説明する。
【0167】
(工程1)
図40は,実施の形態17に係る光ピックアップ用光学素子の製造工程(1)を示す説明図である。図40に示す工程では,すでに一方の面には対物レンズ102が形成されており,もう一方の面には感光性樹脂3101をコーティングし,拡散板マスク3201を用いて露光する状態を示している。
【0168】
塗布する感光性材料3101の厚さは,基板101上に形成するレンズの高さと,後に感光性材料3101を現像してエッチングを行う際の基板材料のエッチング速度と感光性樹脂のエッチング速度の比(選択比)により設定する。たとえば両者のエッチング速度が等しい場合(選択比1)には感光性樹脂の高さは形成するレンズの高さと等しく設定する。また,感光性材料のエッチング速度に対して基板材料のエッチング速度が2倍大きい場合(選択比2)には感光性樹脂の高さはレンズの高さの1/2でよい。
【0169】
この実施の形態17では,これまでの実施の形態と同様に感光性材料としてポジ型レジストを用いる場合を例にとって説明する。すでに一方の面に形成されているレンズと正確な位置合わせを行うために,対物レンズ102側に位置合わせ用にアライメントマークとマスクのアライメントマークを予め設けておき,露光する際にはそのマークで位置合わせを行う。
【0170】
(工程2)
図41は,実施の形態17に係る光ピックアップ用光学素子の製造工程(2)を示す説明図である。この工程2では,工程1の露光後の処理として実施の形態14と同様に現像処理を行う。この現像により図41に示す如く,基板101上に断面が凹曲面の樹脂が残る。この残存したレジストに必要に応じて熱および(または)圧力を作用させて重力および表面張力の効果を用い,凹曲面を成形して所望の凹レンズ形状に形成する。作用させる温度はレンズ形状により異なるが,温度においては130度から400度,また,圧力は1から10気圧の範囲を選ぶことができる。
【0171】
(工程3)
図42および図43は,実施の形態17に係る光ピックアップ用光学素子の製造工程(3)を示す説明図である。上記工程2で形成した凹レンズ形状のレジストをマスクとして基板ガラスを基板に垂直に方向にエッチング(異方性エッチング)する。このエッチング手段としては半導体製造プロセスで通常用いられるドライエッチングを採用する。具体的には,反応性イオンエッチング法(RIE),電子サイクロトロン共鳴エッチング法(ECR)などのドライエッチングを用いる。
【0172】
ドライエッチングに用いるガスは基板材料により選択することができる。たとえば基板材料がガラスの場合にはCF,CHFなどを用いることができる。また,エッチング速度,選択性の調整のために上記のガスにN,O,Arなどのガスを混入することもできる。エッチングは所望の形状(径,深さ)が得られるようにレジストがなくなるまで,あるいは所定の量だけレジストをエッチングする。レジストが残っている場合はアッシングなどによりレジストのみを除去する。このようにして基板101に凹レンズ形状4301を形成する。
【0173】
(工程4)
図44は,実施の形態17に係る光ピックアップ用光学素子の製造工程(4)を示す説明図である。ここでは上記工程3で形成した凹レンズ形状4301の部分に基板101より屈折率の高い材料を形成する。この実施の形態では所望の屈折率を有した材料をターゲットとしたスパッタ法により凹レンズ形状4301を含んだスパッタ膜4401を形成する。さらに基板面のエッチバックおよび平坦化により凹レンズ形状3501の部分に選択的にスパッタ膜4401を残存させる。このようにして平板レンズを作製する。基板101上に数多くのレンズを形成し,必要に応じて切断して個別のレンズとする。なお,スパッタ法以外にも光硬化性樹脂材料をコーティングする方法を用いてもよい。
【0174】
さて,このようにして作製したヘッドを浮上させる場合,前述した図15と同様に,空気力学的構造を考慮し,その下部部分に凹形状をエッチングにより作製する。この凹形状をマイクロレンズの部分には拡散するガラスを用い,溝の部分には透明なガラスを用いる。
【0175】
〔実施の形態18〕
この実施の形態18では,以上説明した実施の形態14〜17の製造方法に基づいて,コリメートされた光を集光させる働きを有する対物レンズ102と,ソリッドイマージョンレンズ301と,をそれぞれ別々の基板上に形成する。そして,この対物レンズ102とソリッドイマージョンレンズ301との光軸を合わせた状態ではり合わせ,接合する。
【0176】
この接合例を前述の図16を用いて説明する。対物レンズ102を具備した基板101とソリッドイマージョンレンズ301を具備した基板1601の2つを,実施の形態14〜17の製造方法に基づいて作製する。なお,この2つの基板は同一材料で作製する。対物レンズ102を具備した基板101には,その下面に位置決め用の突起(左側)とくぼみ(右側)とを設ける。さらに,ソリッドイマージョンレンズ301を具備した基板1601には,対物レンズ102に対応する位置にくぼみ(左側)と突起(右側)とを設ける。この2つの基板を突起とくぼみとを位置合わせて接合し,図16に示す如くヘッドを形成する。
【0177】
なお,上記において,突起やくぼみの形状ははめ込みやすい構造であれば,どのような構造であってもよく,また,数もいくつあってもよい。さらに,2つの基板の固定を強固にするため,接着剤を用いても,あるいは電気化学的なはり合わせでもよい。ただし,この突起やくぼみは,対物レンズ102とソリッドイマージョンレンズ301の光路を遮るような部分を除いた位置に設ける。また,接着剤は基板101とほぼ同等の屈折率を有する紫外線硬化性樹脂を用いる。
【0178】
次に,上記とは異なる接合例を前述の図20を用いてについて説明する。ここでは,実施の形態14〜17の製造方法に基づいて作製した,対物レンズ102を具備した基板101とソリッドイマージョンレンズ301を具備した基板1601とをそれぞれ所定の位置に設けたマーカーを用いて接合する。なお,図20ではマーカーを3つで示したが,もちろん数は必要に応じて設ければよい。
【0179】
また,上記の他に前述した図21と同様の接合を行ってもよい。まず,図21(a)に示すように,位置合わせ手段を対物レンズ102の光軸を中心とした円周上に対物レンズ102を挟んで対向するように複数個形成する。他方,図21(b)に示すように,ソリッドイマージョンレンズ301を形成した基板にも位置合わせ手段を図21(a)の位置合わせ手段と対応する位置に設ける。そして,この2つの基板の位置合わせ手段同士を合わせて接合する。なお,この場合における位置合わせ手段として,たとえば一方が凸形状であり,他方が凹形状であるような立体的なものを用いる。基板上に凸形状あるいは凹形状を形成する方法としては,レジスト成形とエッチングによって凸形状あるは凹形状を形成する方法を用いる。
【0180】
また,位置合わせ手段をマーカーとする場合は,図22に示したように平面的なマーカーを用いることも可能である。これは半導体製造プロセスで通常用いられている方法と同様であり,位置合わせを行う双方の基板に位置合わせのための精度を考慮したマーカーを形成し,マーカー同士の重なりによって位置合わせを行う。この位置合わせ用のマーカーは,実施の形態14〜17で説明した工程を導入し,通常の半導体製造プロセスで用いられる方法と同様に形成することができる。
【0181】
このようにして,双方の基板に設けた両レンズの光軸を一致させて位置合わせした後,固定方法として接着剤を用いてもよく,あるいは双方の基板をアノーティック・ボンディングや高温ボンディングなどの電気化学的な方法で接着してもよい。
【0184】
【発明の効果】
以上説明したように,本発明に係る光ピックアップ用光学素子(請求項)によれば,1枚の基板上に対物レンズとソリッドイマージョンレンズとをそれぞれの光軸を合わせて一体的に製造し,積層可能に構成することにより,レンズ間の光軸調整や位置ずれが排除され,基板内で集光するためのスポットサイズを小さくすることができるので,高密度の記録/再生が可能となる。他の光学素子などの他の光学部品などの積層が可能となる。
【0185】
また,本発明に係る光ピックアップ用光学素子の製造方法(請求項)によれば,半導体製造プロセスを用い,基板の片側の面に凸曲面を形成して対物レンズを製造し,さらに上記形成された対物レンズとは反対面に凹曲面を形成し,該凹曲面に対して上記基板より高い屈折率を有する材料を堆積させてソリッドイマージョンレンズを製造するため,比較的容易に,かつ経済的に,精度の高い光ピックアップ用光学素子を製造することができる。
【0186】
また,本発明に係る光ピックアップ用光学素子(請求項)によれば,基板に対し,対物レンズおよびソリッドイマージョンレンズの屈折率を高くすることにより,屈折率の高いレンズ中にスポットを形成できるため,小さいサイズのスポットが得られる。
【0187】
また,本発明に係る光ピックアップ用光学素子の製造方法(請求項)によれば,半導体製造プロセスを用い,基板の片側の面に凹曲面を形成して対物レンズを製造し,さらに上記形成された対物レンズとは反対面に凹曲面を形成し,上記2つの凹曲面に対して上記基板より高い屈折率を有する材料を堆積させてソリッドイマージョンレンズを製造するため,比較的容易に,かつ経済的に,精度の高い光ピックアップ用光学素子を製造することができる。
【0188】
また,本発明に係る光ピックアップ用光学素子(請求項)によれば,半導体製造プロセスを用い,第1の基板に対物レンズを形成し,さらに第2の基板に第1の基板よりも屈折率の高いソリッドイマージョンレンズを形成し,この2つの基板をはり合わせて,光ピックアップ用光学素子を構成することにより,屈折率の高いレンズ中にスポットを形成し,小さいサイズのスポットが得られるため,高密度な記録/再生が可能になると共に,対物レンズとソリッドイマージョンレンズがはり合わせにより一体化された構造なので,レンズ間の光軸調整が不要となり,小型軽量化も実現する。
【0189】
また,本発明に係る光ピックアップ用光学素子(請求項)によれば,第1の基板と第2の基板の屈折率とをそれぞれ異ならせることにより,屈折率の高いレンズ中にスポットを形成できるため,小さいサイズのスポットが得られる。
【0190】
また,本発明に係る光ピックアップ用光学素子の製造方法(請求項)によれば,半導体製造プロセスを用い,第1の基板に凸曲面を形成して対物レンズを製造し,第2の基板に凸曲面を形成してソリッドイマージョンレンズを製造し,この2つの基板に形成された対物レンズおよびソリッドイマージョンレンズの両光軸を一致させ,はり合わせするため,比較的容易に,かつ経済的に,精度の高い光ピックアップ用光学素子を製造することができる。
【0191】
また,本発明に係る光ピックアップ用光学素子の製造方法(請求項)によれば,半導体製造プロセスを用い,第1の基板に凹曲面を形成して対物レンズを製造し,第2の基板に凹曲面を形成してソリッドイマージョンレンズを製造し,この2つの基板に該基板とは異なる屈折率の材料を堆積させ,該堆積後の2つの基板に形成された対物レンズおよびソリッドイマージョンレンズの両光軸を一致させ,はり合わせするため,比較的容易に,かつ経済的に,精度の高い光ピックアップ用光学素子を製造することができる。
【0192】
また,本発明に係る光ピックアップ用光学素子の製造方法(請求項)によれば,半導体製造プロセスを用い,第1の基板に凸曲面を形成して対物レンズを製造し,第2の基板に凹曲面を形成してソリッドイマージョンレンズを製造し,この2つの基板に形成された対物レンズおよびソリッドイマージョンレンズの両光軸を一致させ,はり合わせするため,比較的容易に,かつ経済的に,精度の高い光ピックアップ用光学素子を製造することができる。
【0193】
また,本発明に係る光ピックアップ用光学素子(請求項10)によれば,対物レンズとソリッドイマージョンレンズからなる組,あるいは対物レンズを少なくとも2つ以上を基板にアレイ状に配置することにより,同時に複数の光学素子を構成することが可能となるため,比較的容易に,かつ経済的に,精度の高い光ピックアップ用光学素子を製造することができる。
【0194】
また,本発明に係る光ピックアップ用光学素子(請求項11)によれば,1つの基板上に,対物レンズとソリッドイマージョンレンズとを同軸状に形成すると共に,対物レンズ上に偏光手段(たとえば,1/4波長板)を設け,さらに偏光手段上に光路を切り替える光路切り替え手段を設けることにより,光学部品を一体構成することができるので,光ピックアップの小型軽量化を実現し,さらに外部の受発光部分との光の入出力が精度よく,かつ簡単に行うことができる。
【0195】
また,本発明に係る光ピックアップ(請求項12)によれば,請求項11に記載の光ピックアップ用光学素子を用い,さらに,その一つの基板上に,光ビームを出射する発光手段と光記録媒体からの反射光を受光する受光手段とを一体構成させることにより,受発光部分を含めた光学部品の一体構成による小型軽量化が実現し,さらに,すべての素子が基板上に構成されるので,組み立て時における光軸調整などのアライメントが不要なため,組立性やサービス性が向上する。
【0196】
また,本発明に係る光ピックアップ(請求項13)によれば,請求項11に記載の光ピックアップ用光学素子を用い,さらに,光ビームを出射す発光手段と光記録媒体からの反射光を受光する受光手段とを少なくとも1つ以上の基板に一体構成させることにより,受発光部分を含めた光学部品の一体構成による小型軽量化が実現し,さらに,すべての素子が基板上に構成されるので,組み立て時における光軸調整などのアライメントが不要なため,組立性やサービス性が向上する。
【0197】
また,本発明に係る光ピックアップ(請求項14)によれば,請求項12または13に記載の光ピックアップをアレイ状に配置・構成したため,同時に多くのデータを読み書きすることができると共に,光ピックアップ全体における読み書きに要する時間を短縮することができる。
【0198】
また,本発明に係る光ピックアップ用光学素子の製造方法(請求項15)によれば,少なくとも,基板の片面にフォトリソグラフィ用の感光性樹脂の層を平坦な光学材料上に形成し,上記フォト感光性樹脂にフォトリソグラフィ用の光を拡散して照射して微小な凹曲面を形成し,この感光性樹脂と光学材料に対して等方性および(あるいは)異方性のドライエッチングを行って微小凹曲面を形成し,該微小凹曲面に屈折率の異なる材料を埋め込んで,所定の光学デバイスを作製することにより平板型のレンズの製造を比較的簡単に実現したため,他の光学素子などの他の光学部品などを積層することができる。
【0199】
また,本発明に係る光ピックアップ用光学素子の製造方法(請求項16)によれば,フォトリソグラフィで使用するマスクに光拡散の作用をもたせて露光するため,通常の半導体製造用の露光機に設置して使うことができる。
【0200】
また,本発明に係る光ピックアップ用光学素子の製造方法(請求項17)によれば,1つのマスクで拡散する部分とそうでない部分を選択的に設けることが可能なため,1枚の基板上に断面が矩形状のパターンと凹曲面の平面レンズを同時に作製することができる。
【0201】
また,本発明に係る光ピックアップ用光学素子の製造方法(請求項18)によれば,マスク上に回析格子を設けたため,通常の半導体製造用の露光機に設置して使うことができ,しかも,回析格子の格子パターンによって任意の光強度を設定することが可能であるので,所望の形状の凹曲面を有する平面レンズを得ることができる。
【0202】
また,本発明に係る光ピックアップ用光学素子の製造方法(請求項19,20)によれば,屈折率の高いレンズ中にスポットを形成する光学デバイスを製造することが可能なため,高密度な記録再生が実現し,かつ,対物レンズとソリッドイマージョンレンズが一体化されるため,レンズ同士の光軸調整が不要となり,その結果,小型軽量化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1に係る光ピックアップ用光学素子の構成を示す説明図である。
【図2】実施の形態2に係る光ピックアップ用光学素子の構成を示す説明図である。
【図3】実施の形態3に係る光ピックアップ用光学素子の構成を示す説明図である。
【図4】実施の形態3に係る光ピックアップ用光学素子の他の構成を示す説明図である。
【図5】実施の形態4に係る光ピックアップ用光学素子の製造工程(1)を示す説明図である。
【図6】実施の形態4に係る光ピックアップ用光学素子の製造工程(2)を示す説明図である。
【図7】実施の形態4に係る光ピックアップ用光学素子の製造工程(3)を示す説明図である。
【図8】実施の形態4に係る光ピックアップ用光学素子の製造工程(4)を示す説明図である。
【図9】実施の形態4に係る光ピックアップ用光学素子の製造工程(5)を示す説明図である。
【図10】実施の形態4に係る光ピックアップ用光学素子の製造工程(6)を示す説明図である。
【図11】実施の形態4に係る光ピックアップ用光学素子の製造工程(7)を示す説明図である。
【図12】実施の形態4に係る光ピックアップ用光学素子の製造工程(8)を示す説明図である。
【図13】実施の形態4に係る光ピックアップ用光学素子の製造工程(9)を示す説明図である。
【図14】実施の形態4に係る光ピックアップ用光学素子の製造工程(10)を示す説明図である。
【図15】実施の形態5に係る光ピックアップ用光学素子の構成を示す説明図である。
【図16】実施の形態7に係る光ピックアップ用光学素子の構成を示す説明図である。
【図17】実施の形態7に係る光ピックアップ用光学素子の他の構成例(1)を示す説明図である。
【図18】実施の形態7に係る光ピックアップ用光学素子の他の構成例(2)を示す説明図である。
【図19】実施の形態7に係る光ピックアップ用光学素子の他の構成例(3)を示す説明図である。
【図20】実施の形態7に係る光ピックアップ用光学素子のはり合わせをマーカーで位置合わせする例を示す説明図である。
【図21】実施の形態8に係る光ピックアップ用光学素子の製造工程における光軸合わせをマーカーを用いて行う例を示す説明図である。
【図22】実施の形態8に係る位置合わせ手段のマーカー例を示す説明図である。
【図23】実施の形態9に係る光ピックアップ用光学素子の構成を示す説明図である。
【図24】実施の形態10に係る光ピックアップ用光学素子の構成を示す説明図である。
【図25】実施の形態11−1に係る光ピックアップの構成を示す説明図である。
【図26】実施の形態11−2に係る光ピックアップの構成を示す説明図である。
【図27】実施の形態12に係る光ピックアップの構成を示す説明図である。
【図28】実施の形態13−1に係る光ピックアップの構成を示す説明図である。
【図29】実施の形態13−1に係る他のアレイ配置例を示す平面図である。
【図30】実施の形態13−2に係る光ピックアップの構成を示す説明図である。
【図31】実施の形態14に係る光ピックアップ用光学素子の製造工程(1)を示す説明図である。
【図32】実施の形態14に係る光ピックアップ用光学素子の製造工程(2)を示す説明図である。
【図33】実施の形態14に係る光ピックアップ用光学素子の製造工程(3)を示す説明図である。
【図34】実施の形態14に係る光ピックアップ用光学素子の製造工程(4−1)を示す説明図である。
【図35】実施の形態14に係る光ピックアップ用光学素子の製造工程(4−2)を示す説明図である。
【図36】実施の形態14に係る光ピックアップ用光学素子の製造工程(5−1)を示す説明図である。
【図37】実施の形態14に係る光ピックアップ用光学素子の製造工程(5−2)を示す説明図である。
【図38】実施の形態15に係る拡散光の第1の実現例を示す説明図である。
【図39】実施の形態16に係る拡散光の第2の実現例を示す説明図である。
【図40】実施の形態17に係る光ピックアップ用光学素子の製造工程(1)を示す説明図である。
【図41】実施の形態17に係る光ピックアップ用光学素子の製造工程(2)を示す説明図である。
【図42】実施の形態17に係る光ピックアップ用光学素子の製造工程(3−1)を示す説明図である。
【図43】実施の形態17に係る光ピックアップ用光学素子の製造工程(3−2)を示す説明図である。
【図44】実施の形態17に係る光ピックアップ用光学素子の製造工程(4)を示す説明図である。
【図45】従来における光メモリピックアップ装置の構成を示す説明図である。
【図46】従来におけるソリッドイマージョンレンズを用いた光学系の集光例を示す説明図である。
【図47】従来における対物レンズとソリッドイマージョンレンズとを組み合わせた浮上ヘッド例を示す説明図である。
【符号の説明】
101 基板
102 対物レンズ
201 屈折率の高い膜
301 ソリッドイマージョンレンズ
501 感光性材料
601 パターン樹脂
701 凸レンズ形状
1101 凹レンズ形状
1201 凹レンズ形状部
1301,1401 スパッタ膜
1601 基板
1602,1603 突起
2101a〜2101d,2102a〜2102d 位置合わせ手段
2401 1/4波長板
2402,2503,2601,2701,2702 プリズム
2501 発光部
2502 受光部
2504 LD
2505 コリメートレンズ
2506 PD
2507 集光レンズ
2801,3001 光ピックアップ
3101 感光性樹脂
3201 拡散板マスク
3501 凹曲面形状
3601,4401 スパッタ膜
3802 拡散板
3901 回析格子
4301 凹レンズ形状

Claims (20)

  1. 所定の波長を有するコヒーレントな光を入射し,前記光をコリメートし,該コリメートされた光を微小スポットとして光記録媒体上に集光させ,該集光された光を用いて前記光記録媒体に対する情報の記録/再生を行うための光ピックアップ用光学素子において,
    1枚の基板上に,
    前記コリメートされた光を集光する対物レンズと,
    前記対物レンズの光軸と同軸上に前記基板より高い屈折率を有するソリッドイマージョンレンズと,からなり,
    前記対物レンズと前記ソリッドイマージョンレンズがそれぞれ光軸に合わせて一体的に形成され,前記基板が積層可能であること,
    を特徴とする光ピックアップ用光学素子。
  2. 所定の波長を有するコヒーレントな光を入射し,前記光をコリメートし,該コリメートされた光を微小スポットとして光記録媒体上に集光させ,該集光された光を用いて前記光記録媒体に対する情報の記録/再生を行うための光ピックアップ用光学素子を製造する光ピックアップ用光学素子の製造方法において,
    基板の片側の面に凸曲面を形成して前記コリメートされた光を集光する対物レンズを製造する工程と,
    前記基板に形成された対物レンズとは反対面に凹曲面を形成し,該凹曲面に対して前記基板より高い屈折率を有する材料を堆積させてソリッドイマージョンレンズを製造する工程と,
    を含むことを特徴とする光ピックアップ用光学素子の製造方法。
  3. 前記基板に対し,前記対物レンズおよび前記ソリッドイマージョンレンズの屈折率が高いことを特徴とする請求項に記載の光ピックアップ用光学素子。
  4. 所定の波長を有するコヒーレントな光を入射し,前記光をコリメートし,該コリメートされた光を微小スポットとして光記録媒体上に集光させ,該集光された光を用いて前記光記録媒体に対する情報の記録/再生を行うための光ピックアップ用光学素子を半導体製造プロセスを用いて製造する光ピックアップ用光学素子の製造方法において,
    基板の片側の面に凹曲面を形成して前記コリメートされた光を集光する対物レンズを製造する工程と,
    前記基板に形成された対物レンズとは反対面に凹曲面を形成し,該凹曲面に対して前記基板より高い屈折率を有する材料を堆積させてソリッドイマージョンレンズを製造する工程と,
    前記2つの凹曲面に対し,前記基板より高い屈折率を有する材料を堆積する工程と,
    を含むことを特徴とする光ピックアップ用光学素子の製造方法。
  5. 所定の波長を有するコヒーレントな光を入射し,前記光をコリメートし,該コリメートされた光を微小スポットとして光記録媒体上に集光させ,該集光された光を用いて前記光記録媒体に対する情報の記録/再生を行うための光ピックアップ用光学素子において,
    前記コリメートされた光を集光する対物レンズが形成された第1の基板と,
    前記光記録媒体側に近接し,前記第1の基板よりも屈折率の高いソリッドイマージョンレンズが形成された第2の基板と,
    によりな,前記第1の基板と前記第2の基板とを所定位置ではり合わせ,一体構成することを特徴とする光ピックアップ用光学素子。
  6. 前記第1の基板と前記第2の基板の屈折率がそれぞれ異なることを特徴とする請求項に記載の光ピックアップ用光学素子。
  7. 所定の波長を有するコヒーレントな光を入射し,前記光をコリメートし,該コリメートされた光を微小スポットとして光記録媒体上に集光させ,該集光された光を用いて前記光記録媒体に対する情報の記録/再生を行うための光ピックアップ用光学素子を半導体製造プロセスを用いて製造する光ピックアップ用光学素子の製造方法において,
    第1の基板に凸曲面を形成して前記コリメートされた光を集光する対物レンズを製造する工程と,
    第2の基板に凸曲面を形成してソリッドイマージョンレンズを製造する工程と,
    前記2つの基板に形成された対物レンズおよびソリッドイマージョンレンズの両光軸を一致させ,はり合わせする工程と,
    を含むことを特徴とする光ピックアップ用光学素子の製造方法。
  8. 所定の波長を有するコヒーレントな光を入射し,前記光をコリメートし,該コリメートされた光を微小スポットとして光記録媒体上に集光させ,該集光された光を用いて前記光記録媒体に対する情報の記録/再生を行うための光ピックアップ用光学素子を半導体製造プロセスを用いて製造する光ピックアップ用光学素子の製造方法において,
    第1の基板に凹曲面を形成して前記コリメートされた光を集光する対物レンズを製造する工程と,
    第2の基板に凹曲面を形成してソリッドイマージョンレンズを製造する工程と,
    前記2つの基板に該基板とは異なる屈折率の材料を堆積する工程と,
    前記堆積後の2つの基板に形成された対物レンズおよびソリッドイマージョンレンズの両光軸を一致させ,はり合わせする工程と,
    を含むことを特徴とする光ピックアップ用光学素子の製造方法。
  9. 所定の波長を有するコヒーレントな光を入射し,前記光をコリメートし,該コリメートされた光を微小スポットとして光記録媒体上に集光させ,該集光された光を用いて前記光記録媒体に対する情報の記録/再生を行うための光ピックアップ用光学素子を半導体製造プロセスを用いて製造する光ピックアップ用光学素子の製造方法において,
    第1の基板に凸曲面を形成して前記コリメートされた光を集光する対物レンズを製造する工程と,
    第2の基板に凹曲面を形成してソリッドイマージョンレンズを製造する工程と,
    前記2つの基板に形成された対物レンズおよびソリッドイマージョンレンズの両光軸を一致させ,はり合わせする工程と,
    を含むことを特徴とする光ピックアップ用光学素子の製造方法。
  10. 前記対物レンズと前記ソリッドイマージョンレンズとを対となす組あるいは前記対物レンズを,複数個以上設けて前記基板にアレイ状に配列することを特徴とする請求項1,3,5またはいずれかに記載の光ピックアップ用光学素子。
  11. 所定の波長を有するコヒーレントな光を入射し,前記光をコリメートし,該コリメートされた光を微小スポットとして光記録媒体上に集光させ,該集光された光を用いて前記光記録媒体に対する情報の記録/再生を行うための光ピックアップ用光学素子において,
    1枚の基板上に,
    前記コリメートされた光を集光する対物レンズと,
    前記対物レンズの光軸と同軸上に前記基板より高い屈折率を有するソリッドイマージョンレンズと,
    前記対物レンズ上に前記光の光路を切り替える光路切り替え手段と,
    前記対物レンズと前記光路切り替え手段との間に,前記光の偏光状態を変える偏光手段と,
    を設けたことを特徴とする光ピックアップ用光学素子。
  12. コリメートされた光ビームを微小スポットとして光記録媒体上に集光させ,該集光された光ビームを用いて前記光記録媒体に対する情報の記録/再生を行う光ピックアップにおいて,
    前記請求項11に記載の光ピックアップ用光学素子を用いる光ピックアップであって,
    一つの基板上に,
    前記光ビームを出射する発光手段と,
    前記光記録媒体からの反射光を受光する受光手段と,
    を備えたことを特徴とする光ピックアップ。
  13. コリメートされた光ビームを微小スポットとして光記録媒体上に集光させ,該集光された光ビームを用いて前記光記録媒体に対する情報の記録/再生を行う光ピックアップにおいて,
    前記請求項11に記載の光ピックアップ用光学素子を用いる光ピックアップであって,
    少なくとも一つ以上の基板上に,
    前記光ビームを出射する発光手段と,
    前記光記録媒体からの反射光を受光する受光手段と,
    を備えたことを特徴とする光ピックアップ。
  14. 前記請求項12または13に記載の光ピックアップを,所定のパターンに基づいてアレイ状に配置・構成すること特徴とする光ピックアップ。
  15. フォトリソグラフィに基づいてレンズなどの光学素子を製造する光ピックアップ用光学素子の製造方法において,
    レンズを形成するための基板上に所定の厚さで感光性樹脂を塗布する第1の工程と,
    前記第1の工程で塗布された前記感光性樹脂の上にパターンマスクを配置し,該パターンマスク上に光源から出射した光を拡散する光拡散手段を配置し,前記光を照射する第2の工程と,
    前記第2の工程の後に現像処理を行い,前記感光性樹脂に光強度分布の形状に近い状態の凹曲面の形成する第3の工程と,
    前記第3の工程の後,前記の感光性樹脂に対して等方性および(あるいは)異方性のドライエッチングを行って微小凹曲面を形成する第4の工程と,
    前記第4の工程の後,前記基板上に残った感光性樹脂を剥離し,前記基板に対し屈折率の高い材料を埋め込む第5の工程と,
    を含むことを特徴とする光ピックアップ用光学素子の製造方法。
  16. 前記第2の工程において,前記パターンマスクと前記光拡散手段とを1つにしたマスクを用いることを特徴とする請求項15に記載の光ピックアップ用光学素子の製造方法。
  17. 前記第2の工程に用いる前記光拡散手段は,半透明な光学ガラスで構成することを特徴とする請求項15に記載の光ピックアップ用光学素子の製造方法。
  18. 前記第2の工程に用いる前記光拡散手段は,所望の拡散状態が得られる回析格子で構成することを特徴とする請求項15に記載の光ピックアップ用光学素子の製造方法。
  19. 一枚の基板上に,前記請求項15に記載の光ピックアップ用光学素子の製造方法に基づいて,対物レンズとなる第1の凹曲面を形成し,さらにソリッドイマージョンレンズとなる第2の凹曲面を形成し,前記第1および第2の凹曲面に基板に対して屈折率の異なる材料を堆積させることを特徴とする光ピックアップ用光学素子の製造方法。
  20. 前記請求項15に記載の光ピックアップ用光学素子の製造方法に基づいて,第1の基板に凹曲面を形成してコリメートされた光を集光する対物レンズを製造する工程と,
    前記対物レンズと同一の製造方法に基づいて,第2の基板に凹曲面を形成してソリッドイマージョンレンズを製造する工程と,
    前記第1の基板および第2の基板に該基板とは異なる屈折率の材料を堆積する工程と,
    前記堆積後の2つの基板に形成された前記対物レンズおよび前記ソリッドイマージョンレンズの両光軸を一致させ,はり合わせする工程と,
    を含むことを特徴とする光ピックアップ用光学素子の製造方法。
JP27482397A 1997-01-29 1997-10-07 光ピックアップ用光学素子および光ピックアップ用光学素子の製造方法および光ピックアップ Expired - Fee Related JP3544461B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27482397A JP3544461B2 (ja) 1997-01-29 1997-10-07 光ピックアップ用光学素子および光ピックアップ用光学素子の製造方法および光ピックアップ
US09/083,960 US6324149B1 (en) 1997-05-27 1998-05-26 Optical-pick-up device achieving accurate positioning of objective lens and solid-immersion lens and method of forming same

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1560597 1997-01-29
JP13728997 1997-05-27
JP9-15605 1997-05-27
JP9-137289 1997-05-27
JP27482397A JP3544461B2 (ja) 1997-01-29 1997-10-07 光ピックアップ用光学素子および光ピックアップ用光学素子の製造方法および光ピックアップ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1145455A JPH1145455A (ja) 1999-02-16
JP3544461B2 true JP3544461B2 (ja) 2004-07-21

Family

ID=27281081

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27482397A Expired - Fee Related JP3544461B2 (ja) 1997-01-29 1997-10-07 光ピックアップ用光学素子および光ピックアップ用光学素子の製造方法および光ピックアップ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3544461B2 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6680900B1 (en) 1999-06-04 2004-01-20 Ricoh Company, Ltd. Optical-pickup slider, manufacturing method thereof, probe and manufacturing method thereof, and probe array and manufacturing method thereof
AU6952700A (en) * 1999-06-21 2001-01-09 Trustees Of Boston University Numerical aperture increasing lens (nail) techniques for high-resolution sub-surface imaging
KR100357103B1 (ko) * 2000-03-25 2002-10-19 엘지전자 주식회사 광 픽업 장치 및 그 제조방법
JP2004523053A (ja) 2000-11-15 2004-07-29 タエ−サン ソン 高密度光記録及び再生用光ピックアップ装置
JP2003057420A (ja) 2001-08-08 2003-02-26 Minolta Co Ltd 光収束用光学素子
JP2006308960A (ja) * 2005-04-28 2006-11-09 Hitachi Chem Co Ltd マイクロレンズアレイの製造方法、マイクロレンズアレイ用感光性樹脂組成物及びマイクロレンズアレイ用感光性エレメント
WO2008117719A1 (ja) * 2007-03-26 2008-10-02 Kimoto Co., Ltd. 表面凹凸の作製方法
US20100278496A1 (en) * 2007-09-26 2010-11-04 Masatoshi Yamaguchi Optical waveguide and method for producing the same
US11587362B2 (en) 2020-12-16 2023-02-21 Lenovo (Singapore) Pte. Ltd. Techniques for determining sign language gesture partially shown in image(s)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH1145455A (ja) 1999-02-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6324149B1 (en) Optical-pick-up device achieving accurate positioning of objective lens and solid-immersion lens and method of forming same
US6320708B1 (en) Optical head, disk apparatus, method for manufacturing optical head, and optical element
US6442110B1 (en) Beam irradiation apparatus, optical apparatus having beam irradiation apparatus for information recording medium, method for manufacturing original disk for information recording medium, and method for manufacturing information recording medium
KR20060095433A (ko) 광헤드, 광정보재생장치 및 그 제조 방법
US7564504B2 (en) Phase plate and an optical data recording/reproducing device
JP2006120247A (ja) 集光レンズ及びその製造方法、これを用いた露光装置、光学ピックアップ装置及び光記録再生装置
JP3544461B2 (ja) 光ピックアップ用光学素子および光ピックアップ用光学素子の製造方法および光ピックアップ
US5774443A (en) Optical head device capable of reducing the light power loss
JPH10134404A (ja) 光ピックアップ及びそれに用いる光学素子
JPH11177123A (ja) 光ピックアップ用光学素子の作製方法
JP3208297B2 (ja) 光ピックアップ
JP3574571B2 (ja) 光ピックアップ用光学素子の製造方法
JP4478398B2 (ja) 偏光光学素子、光学素子ユニット、光ヘッド装置及び光ディスクドライブ装置
JP4440706B2 (ja) 偏光ホログラム素子、その製造方法、および偏光ホログラム素子を用いた光ピックアップ装置、および光ディスクドライブ装置
JPH11250487A (ja) 光ピックアップヘッド
JP2001067714A (ja) 光ピックアップ装置
JP2618957B2 (ja) 偏光光学素子
JP2008276823A (ja) 光ピックアップおよび光情報処理装置
JP4490842B2 (ja) 光ピックアップ装置
JP2002373448A (ja) 光ディスク装置及びその光学素子の作製方法
JP2000090472A (ja) 光ピックアップヘッド
JP2000149306A (ja) 光ピックアップ用光学素子及び光ピックアップ用光学素子の作製方法
JP2000251313A (ja) 光ピックアップヘッド及び光ピックアップ用光学素子の製造方法
JPH11219548A (ja) 光ディスク用情報読み取り・書き込み装置
JP2002133698A (ja) 情報記録再生装置及び情報記録再生装置用光学素子の作製方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040216

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040330

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040402

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080416

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090416

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100416

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100416

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110416

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120416

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130416

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140416

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees