JP4440706B2 - 偏光ホログラム素子、その製造方法、および偏光ホログラム素子を用いた光ピックアップ装置、および光ディスクドライブ装置 - Google Patents

偏光ホログラム素子、その製造方法、および偏光ホログラム素子を用いた光ピックアップ装置、および光ディスクドライブ装置 Download PDF

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Description

本発明は、CD(コンパクト・デイスク)、CD−ROM、ビデオデイスク等の光デイスクおよび光磁気デイスク等に光学的情報を書き込んだり、光学的情報を読み取るための光ヘッド装置に関する。
近年、様々な光記録媒体に対応する光ピックアップ装置が研究開発されている。一つは、波長780nmレーザー光を用いるCD(Compact DISC)系の読みとり用光ピックアップ、書き込み用光ピックアップであり、また、波長660nm程度のレーザー波長を用いるDVD(Digital Video DISC)系の読み取り用、書き込み用の光ピックアップ装置である。また、将来の高密度光ディスクとして、青色レーザー光を用いた光ディスク用ピックアップも研究開発が盛んに行われている。上記に示した光ピックアップ装置は、個別の技術課題はあるものの、ピックアップ部分の小型化や、低コスト化等の共通の課題を持っており、これらの課題に対する開発が盛んである。
光ピックアップの小型化や低コスト化に対して有効な構成として、偏光分離素子として偏光ホログラム素子を利用した光学系が採用されている。これは、レーザー光の往路、復路の分離を行うための素子であり、従来は偏光ビームスプリッター等を使用していたため、光学系が大型化していた部分を解決するだけでなく、レーザー発光と同一面に信号検出素子を配置出来るため、光路の設計が容易になり、かつ、部品点数も低減できると言うメリットを持っている。また、記録密度の異なる複数種類の記録媒体の書き込み、読み取りを一つの光ピックアップで行う場合においても、光路を共通化可能であることから、有効な光学系であると考えられている。以下に、偏光ホログラム素子の例を示す。
第一の従来例として、一般的な偏光ホログラムの例を示す。本従来例は、複屈折結晶材料であるニオブ酸リチウム基板を用いて表面に異方性回折格子を形成し偏向選択性を持たせている(例えば、特許文献1 参照。)。この場合は、基板が高価であることや、その加工性において回折格子パターンを狭ピッチ化することが困難であり、その回折角度を大きく取ることが出来ない等の問題点がある。これにより、素子の低コスト供給や偏光ホログラム素子を用いた光学系を小型化することが出来ない。
第二の従来例として、光学的等方性基板上に有機膜(ポリアセチレン配向膜)を形成することで、低コストな偏光分離素子を提供している(例えば、特許文献2 参照。)。また、第三の従来例として、光学的等方性基板上に複屈折性を持った高分子膜を形成することにより、低コストな偏光分離素子を提供している(例えば、特許文献3 参照。)。これらの二例の従来例においては、素子も低コスト化可能であり、格子ピッチも狭ピッチ化することが可能であるために、素子の低コスト供給や偏光ホログラム素子を用いた光学系を小型化することが可能である。
上記第二、三の従来例においては、回折格子自体が矩形で形成されている。これは、回折される偏光方向のレーザー光に対して、回折効率を高くし、かつ透過率(0次回折効率)を押さえるためである。しかしながら矩形の回折格子を作製した場合には、±1次回折効率は最大で約40%に留まってしまう。信号の検出効率を上げるためには、更なる効率の向上が必要である。
第四の従来例として、回折格子が重合性液晶モノマーを重合してなる光学異方性ポリマーにより形成された光学異方性回折格子を有する回折格子であり、回折格子の凹凸部に配向膜を形成しその配向膜のラビング方向に沿って前記液晶を注入し、紫外線により露光し、配向を保持したまま重合し光学異方性ポリマーとして光学異方性回折格子を形成したもので、±1次回折光のいずれか一方の回折効率を高くしたものがある(例えば、特許文献4 参照。)。この場合、ガラス基板に凹凸を形成する、配向膜の形成および、ラビング精度が必要となり、プロセスが長くなり、素子の低コスト化が困難である等の問題がある。
凹凸状の回折格子の深さが浅くても十分な回折効率が得られる構成として、格子の深さ方向を基板面に対して垂直ではなく、傾斜させた構成を本出願人が提案した(特許文献5 参照)。
特開2000−199820号公報 特開2000−221325号公報 特開2000−75130号公報 特開平9−50642号公報 特開2004−004161号公報
本出願人が先に提案した特許文献5に記載した偏光ホログラム素子およびその製造方法において、透明基板に有機複屈折膜を接着した有機複屈折膜に回折格子を形成する際、基板を傾斜してドライエッチング方法等により回折格子形成するものを示したが、精度上およびコスト面でさらに改良の期待が高まっている。その主な項目を挙げれば、偏光特性向上、回折効率の向上、製造の低コスト化、加工の高精度化等である。
請求項1に記載の発明では、偏光ホログラム素子の製造方法において、第1の透明基板(下基板と称す)に、入射光の異なる振動面に対し屈折率が異なる有機複屈折膜を貼り付ける工程と、該有機複屈折膜上に周期的な凹凸格子(以下回折格子と称す)を形成する工程と、等方性接着剤により前記回折格子の凹み部分を充填し、且つ、第2の透明基板(上基板と称す)を接着する工程と、前記等方性接着剤が半硬化の状態において、前記上基板と前記下基板の間で両基板面に対し平行な方向に外力を加える工程と、その状態で前記等方性接着剤を十分硬化させる工程とを有し、前記等方性接着剤により前記上基板を接着する工程は、前記等方性接着剤の上に前記上基板を載置した状態で、1回目の硬化処理をする第1硬化工程と、前記上基板と前記下基板とを相対的に平行移動させる工程と、平行移動後に2回目の硬化処理をする第2硬化工程とを有することを特徴とする。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の偏光ホログラム素子の製造方法において、前記外力は一方の基板に対し、他方の基板を平行移動させ与えることを特徴とする。
請求項3に記載の発明では、請求項1または2に記載の偏光ホログラム素子の製造方法において、前記等方性接着剤は光硬化型接着剤であることを特徴とする。
請求項4に記載の発明では、請求項3に記載の偏光ホログラム素子の製造方法において、前記等方性接着剤はアクリル樹脂系、またはエポキシ樹脂系の紫外線硬化型接着剤であることを特徴とする。
請求項5に記載の発明では、請求項3または4に記載の偏光ホログラム素子の製造方法において、前記第1および第2の硬化工程は、前記等方性接着剤に付与するそれぞれのエネルギーをE1、E2としたとき、
E1≦E2
となるように照射することを特徴とする。
請求項6に記載の発明では、請求項1または2に記載の偏光ホログラム素子の製造方法において、前記等方性接着剤は熱硬化型接着剤であることを特徴とする。
請求項7に記載の発明では、請求項6に記載の偏光ホログラム素子の製造方法において、前記第1および第2の硬化工程は、前記等方性接着剤に付与するそれぞれの温度をT1、T2とし、前記熱硬化型接着剤の硬化温度をT0としたとき、
T1<T0<T2
となるように与えることを特徴とする。
請求項8に記載の発明では、請求項7に記載の偏光ホログラム素子の製造方法において、前記第1の硬化工程は、前記上基板の側から所定の温度を与え、前記した下基板の側から冷却することによって、前記熱硬化型接着剤に所定の温度勾配を所定時間与えることを特徴とする。
請求項9に記載の発明では、請求項1ないし8のいずれか1つに記載の偏光ホログラム素子の製造方法において、前記下基板、前記有機複屈折膜、前記上基板のいずれか2つに、平行移動量を検出するためのマークを形成する工程をさらに含み、前記接着工程には、前記マークを検出する検出手段と、前記上基板もしくは下基板の内の一方の基板を保持し固定する固定手段と、他方の基板を保持し、該基板をX座標、Y座標および回転方向に移動可能な移動手段と、前記固定された基板に対し、それに対向させた他方の基板の平行基準を設定する基準設定手段と、接着層厚みを規定する規定手段と、光を照射する光照射手段と、前記等方性接着剤を滴下する滴下手段とを有するアライメント接着装置を用いることを特徴とする。
請求項10に記載の発明では、偏光ホログラム素子において、請求項1ないし9のいずれか1つに記載の偏光ホログラム素子の製造方法によって製造されたことを特徴とする。
請求項11に記載の発明では、光ピックアップにおいて、請求項10に記載の偏光ホログラム素子を偏光分離素子として用いたことを特徴とする。
請求項12に記載の発明では、光ディスクドライブ装置において、請求項11に記載の光ピックアップを用いたことを特徴とする
本発明は、偏光ホログラム素子において、回折格子の形成方向を、基板面と垂直方向から傾けて構成することで、実際に使用する回折光の効率を向上することができる。
以下に、本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の実施例を説明するための図である。
同図において符号1は下基板、2は下接着層、3は有機福屈折膜、4は回折格子、5は上接着層、6は上基板をそれぞれ示す。
本実施例の光学素子は、波長660nmのレーザー光用の偏光分離用偏光ホログラム素子である。その構成は、光学的に透明な等方性基板に、BK7基板を用い、この基板上にポリエステル系の有機複屈折膜をエポキシ樹脂系紫外線硬化接着材で接着し、有機複屈折膜上に、ドライエッチングにより矩形回折格子を形成した後、エポキシ樹脂系の紫外線硬化樹脂によるオーバーコート層を充填し、格子の埋め込み、その上部に光学的に透明な等方性基板として、BK7基板を接着した構成となっている。BK7基板の空気との界面には使用する波長に対する反射防止層を設けている。そして、回折格子の格子深さ方向を基板の面に垂直な方向に形成している。
次に各構成の詳細について説明する。
作製方法は、初めに、直径100mm、厚さ1.00mmのショット社製光学ガラスBK7からなる下基板1を図示しない回転塗布装置の基板固定テーブルに載せ、真空吸着し、固定した。その後、基板固定テーブルを50rpmで回転させながら、基板の中央部にディスペンサーを用いて屈折率1.52、粘度500cps(25℃)のオーテックス社製EX1500−4エポキシ系紫外線硬化型接着剤を約10g滴下した。その後、基板固定テーブルを最大500rpmで回転させ、基板全面に接着剤を広げ、基板固定テーブルの回転を停止した。
その後、異常光線方向が、約1.579、常光線方向が約1.670の屈折率を有する厚さ100μmの有機複屈折膜3を、サークルカッターにより直径80mmに切断し、有機複屈折膜3の中心と基板中心とを合わせ載置装置を用いて下基板上の接着剤面に載せた。切断にはサークルカッターの他に、ビク型、ピナクル型、プレス等の方法が使用可能である。
その後、基板固定テーブルを最大2000rpmで回転させ、紫外線硬化型接着剤を振り切り、接着層厚さを基板面内で一定にして有機複屈折膜表面を平坦化した。
基板固定テーブルの回転を停止し、有機複屈折膜側から高圧水銀灯を用いて波長356nm、強度50mW/cmの紫外線を200秒間照射し、紫外線硬化型接着剤を硬化させ下接着層2を形成した。このときの硬化後の接着厚みは20μmであった。
次に、有機複屈折膜3を接着した下基板1を基板固定テーブルから外し、有機複屈折膜3上にポジレジストを1.1μmの厚さに塗布し、90℃30分のプリベークを行った。その後、下基板1を縮小投影露光装置(NA=0.45、σ=0.6、波長;i線)に装着し、1000周期ある回折格子で、Duty約0.5、格子のピッチが2.0μmのデバイスパターンと、位置合わせのためのアライメントマークを設ける2個のアライメントエリア1aの中に、上下基板アライメント用マーク1bとして幅30μm、長さ130μmの十字形状アライメントパターンを基板の赤道上でオリエンテーションフラットに平行方向に基板の中心から±40mmの位置に設け、移動量設定アライメントマーク1cとして各アライメントパターンを中心に52.5μmピッチで+側に2個、−側に2個設置したレチクルを用いて露光を行った後、現像液NMD−3を用いて現像を行い、100℃30分のポストベークを行い、周期的なレジストパターンを完成させた。その後、前記のレジストパターン上にスパッタ法によってAlを蒸着し、引き続きアセトンを用いてレジストを溶解してAlのリフトオフを行い、レジストパターンを反転させたAlパターンを完成させた。
図2は回折格子形成段階の1素子分の断面を示す図である。
図3は素子アレイの概要を示す図である。
図3において符号10は素子アレイを示す。
その後、日本真空技術社製NLD−800エッチング装置を用い基板バイアス200W、アンテナ電力1KW、酸素ガス40SCCM、基板温度−30℃のエッチング条件で、前記のAlパターンを金属マスクにして深さを4.0μmまで有機複屈折膜3をエッチングした。このときの回折格子4は基板に垂直に形成されている。回折格子4の断面は図2のようになっている。以後の工程でこの回折格子を一方向に傾斜させる。
その後、リン酸系のAlエッチング液を用いてAlパターンを除去し、1000周期ある凹凸格子(以後回折格子4と記述)と凹凸形状のアライメントマーク1b、1cとを完成させた。以下、素子アレイ10と称する。
図4は上基板の概要を示す図である。
一方の直径100mm、厚さ1.00mmのショット社製BK−7からなる光学ガラスも同様に、光学ガラス上にポジレジストを1.1μmの厚さに塗布し、90℃30分のプリベークを行った。
その後、光学ガラスを縮小投影露光装置(NA=0.45、σ=0.6、波長;i線)に装着し、上下基板アライメント用マーク6bとしてライン幅20μm、長さ110μmの十字形状アライメントパターンを基板の赤道上でオリエンテーションフラットに平行方向に基板の中心から±40mmの位置に設け、移動量設定アライメントマーク6cとして各アライメントパターンを中心に52.5μmピッチで+側に2個、−側に2個設置したレチクルを用いて露光を行った後、現像液NMD−3を用いて現像を行い、100℃30分のポストベークを行い、レジストパターンを完成させた。以下、上基板6とする。
反射防止層としては、MgF/TiO2/SiO2を使用した多層膜によって構成している。
図5はアライメント接着装置の概要を示す図である。
同図において符号100はアライメント接着装置、101はベース、102はステージ移動装置、103はZ軸移動制御装置、104はX、Y,θ移動ステージを兼ねた下基板チャック、105は石英ガラスマスクホルダ、106は基板吸着用溝、107は真空排気口、108はアライメント検出光学系、109はアライメント光、110は光照射装置をそれぞれ示す。
同図に示すアライメント接着装置100を用いて、前述した素子アレイ10と、上基板6とを対向させて接着する工程を説明する。
同図に示すように、前述した方法で作った上基板6を石英ガラスマスクホルダ105に真空吸着により固定する。次に、複数の回折格子4を形成した素子アレイ7を下基板チャック104上に載置し、真空吸着により固定した後、下基板チャック104と石英ガラスマスクホルダ105間に、φ5mm、高さ5.000mm、平行度0.001mm、表面粗さRa<10nmのジルコニア円柱(図示せず)を支持アームの移動により120°等分の位置に3個挿入した。その後、Z軸制御装置103によりベース101を上昇し、ジルコニア円柱を挟み込み、1N/個で加圧、停止した点をギャップ5.000mmおよび平行面として記憶した。その後、ベース101を下降し、ジルコニア円柱を基板外へ移動した。
次に、素子アレイ7を図で左の方向に押し出し、素子アレイ7の中央に図示しないディスペンサー(接着剤滴下装置)を用い、紫外線硬化型のエポキシ樹脂系接着材7、オーテックス社製EXGT1500−4Kを0.5mL滴下する。この接着剤7は波長365nm、光強度20mW/cm以上の紫外線で重合・硬化させ、積算光量9000mjで99%重合する接着剤である。
図6は上下各基板のアライメントマークそれぞれと、重ね合わせの状態を示す図である。
素子アレイ10を図で右の方向に戻し、接着層厚み100μm以上を確保するギャップ2.300mmまでZ軸制御装置103によりベース101を上昇した。次に、アライメント検出光学系(画像記憶装置付顕微鏡)108により上下基板のアライメントマーク位置検出を石英ガラスマスクホルダ105を通して行った。アライメント手順は次のとおりである。
はじめに、上基板6のアライメント用マーク6bを検出し、十字線で挟み込んだ画像を記憶し、次に、顕微鏡の焦点位置を下基板1上面付近に合わせ有機複屈折膜3上のアライメント用マーク1bを検出し、検出されたアライメントエラー(画像を記憶した十字線とのズレ)をステージ駆動装置102により、下部基板チャック104をX、Y、θ移動させる事により補正した。これを基板面内で同一線上の80mm離れた少なくとも2点でアライメントを実施した。アライメント補正後、下基板チャック104はベース101に真空吸着等により固定される。ここで上下基板の位置合わせができた。
その後、最終接着剤厚み50μmを確保するため、再度、ベース101を上昇し、接着剤7を基板全体に押し広げ、ギャップ2.200mmの位置で固定した。このとき、上下基板総厚み2.000mm、有機複屈折膜3の厚みが0.100mm、下基板1と有機複屈折膜3の間の下接着層2の厚みが0.050mm、有機複屈折膜3と上基板6の間の上接着層5の厚みが0.050mmとなる。
図7は素子1個分の断面を示す図である。
図8は接着剤の半硬化時点の状態を説明するための図である。
接着剤の広がりが十分行われる間、この状態を2分間保持した。次に、光照射装置110により、石英ガラスマスクホルダ105を通して回折格子4上部と格子溝の接着剤7面に波長365nm、光強度20mW/cmの紫外線を50秒間照射(エネルギー量E1とする)し、接着剤7を半硬化した。これにより、接着剤7の硬化度が回折格子溝底部が最も小さく、上基板との接触面が硬化度が最も大きい状態の半硬化状態となる。照射時間は最大200秒くらいまではかけることができる。
図9は半硬化状態で上下基板をずらす様子を示す図である。
その後、上下基板に設けた、平行移動量を示すマークを検出し、所定の移動量のマークまでステージ移動装置102により下基板チャック104を移動し、平行移動のためのアライメントを実施した後、下部基板チャック104をベース101に真空吸着により固定した。分かりやすくするためマーク1個分移動した例を同図に示す。これにより、半硬化した接着剤7を通して、有機複屈折膜3にせん断力が働き回折格子4が傾き、保持される。その後、接着剤7全面に波長365nm、光強度20mW/cmの紫外線を400秒間照射(エネルギー量E2)し、接着剤を硬化して偏光ホログラムアレイ20を完成させた。照射時間は1回目の照射時間とも関係し、最小は250秒くらいまで可能である。
今回、回折格子の傾斜角を6度にするため、素子アレイ10の移動量を105μmとした。なお、移動量は回折格子の倒れ角と有機複屈折膜上のマークと上基板上のマーク間距離により求めた。また、このように、紫外光照射を2段階に分け、接着剤の硬化度合いを制御し、接着剤が弾性を有した状態で外力を加えているため、接着剤に歪が発生するのを防止している。なお、エネルギー量はE1<E2となるよう設定する。
また、本アライメント接着装置100は接着面間の平行度を高精度に維持した状態で平行移動が可能なため、品質の高い加工が可能である。
図10は偏光ホログラムアレイの素子単体への分割を説明するための図である。
同図において符号20は偏光ホログラムアレイ、30は偏光ホログラム素子、200はダイシング装置をそれぞれ示す。
その後, 石英ガラスマスクホルダ105の真空吸着を切り、上基板6の真空吸着固定を解除する。次にZ軸制御装置103によりベース101を下降した後、下基板チャック104の真空吸着を切りアライメント接着した偏光ホログラムアレイ20を取り出し、ダイシング装置200により5mm□に切断し、偏光ホログラム素子(偏光分離素子)30とした。
完成した偏光ホログラムの断面は図1に示すとおりである。
図11は偏光ホログラム素子の回折特性を示す図である。
図7に示すような矩形の回折格子の場合には、レーザー光を垂直入射させた場合には、約40%の回折効率が得られる。このような素子を光ピックアップなどの偏光分離素子に使用する場合には、受光素子には片側の回折光のみを用いることになるため、もう片側の回折光は使用しない。つまり、片側の回折効率のみを向上させることができれば、受光効率が上がることになる。
本実施例のように、回折格子面に対して回折格子ストライプ方向(回折光発生方向)に入射光を傾けた場合の、傾斜角に対する回折効率を同図に示す(実測値)。レーザーの入射角度を変化させることによって、±1次光の回折効率に偏りを設けることが可能なことがわかる。第一実施例においては、回折格子形成方向を6°傾け、実質的にレーザー入射光が6°傾いた構成としているため、回折効率が、+1次で約50%とすることができた。これによってレーザー光の利用効率が上がることになる。また、この時0次回折光の上昇が懸念されるが、同図に示すように、ほぼ増加は見られない。一方、格子内に上記構成のオーバーコート材料を充填しているため、偏光を90°回転させたレーザー光においては、約99%の透過率を示している。
本実施例においては、回折格子の形成方向を基板面から傾けて形成することにより、使用する回折光の回折効率を向上することができた。また、格子内をオーバーコート材料としての接着剤で充填し、その屈折率を複屈折材料とマッチングさせることにより、偏光分離素子の特性を低下することなく充填と接着ができている。紫外線硬化型接着剤を用いているので、プロセスが容易であり、また、プロセスの時間短縮が可能となった。
また、異方性膜に延伸された高分子有機膜を使用することにより、より低価格での素子作製が可能である。また、回折格子面の上方に光学的に平滑なBK7基板を接着することにより、波面収差特性の低下が防止できた。
オーバーコート層により接着することにより、樹脂の共通化を図ることができ、コストも低減できる。また、素子表面に使用波長に対する無反射コーティングを施すことにより、透過率、回折効率などの特性が向上する。また、回折格子の形成方法に関しても、より容易な方法で所望の形状が形成できるため、容易に作製可能となる。
図12は本発明の他の実施例を説明するための図である。
同図において符号8は4分の1波長板(λ/4板と表記する)、9は粘着剤をそれぞれ示す。
本実施例による偏光分離素子は波長660nmのレーザー光に対する偏光ホログラム素子である。本実施例の構成は光学的に透明な等方性基板として、BK7基板上にアクリル系紫外線硬化接着材による接着層を介し、ポリエステル系有機材料を延伸し作製した有機複屈折膜を形成した基板上に、矩形回折格子を形成し、その上部に格子を埋め込む様にエポキシ系の紫外線硬化樹脂によるオーバーコート層を形成し、その上部にBK7基板にλ/4板を形成した光学的に透明な等方性基板を構成している。
また、BK7基板の空気との界面に使用する波長に対する反射防止層を設けている。また、ここで回折格子の格子形成方向を図1に示すように、基板と垂直な面から角度をつけて形成している。その角度としては、4°の傾きを持たせている。
偏光ホログラム素子の作製方法は、初めに、直径100mm、厚さ1.00mmのショット社製光学ガラスBK7からなる下基板を図示しない回転塗布装置の基板固定テーブルに載せ、真空吸着し、固定した。その後、基板固定テーブルを平均30rpmで回転させながら、下基板の中央部にディスペンサーを用いて屈折率1.52、粘度500cps(25℃)のスリーボンド社製TB3042アクリル系紫外線硬化型接着剤を約10g滴下した。その後、基板固定テーブルを約400rpmで回転させ、下基板全面に接着剤を広げ、基板固定テーブルの回転を停止した。
その後、異常光線方向が、約1.579、常光線方向が約1.670の屈折率を有する厚さ100μmの有機複屈折膜を、サークルカッターにより直径80mmに切断し、有機複屈折膜の中心と光学ガラス基板中心とを合わせ載置装置を用いて下基板上の接着剤面に載せた。
その後、基板固定テーブルを最大2000rpmで回転させ、紫外線硬化型接着剤を振り切り、接着層厚さを光学ガラス面内で一定にして有機複屈折膜表面を平坦化した。
その後、基板固定テーブルの回転を停止し、有機複屈折膜側から高圧水銀灯を用いて波長356nm、強度40mW/cmの紫外線を250秒間照射し、紫外線硬化型接着剤を硬化した。
このときの硬化後の接着厚みは20μmであった。
次に、有機複屈折膜を接着した基板を基板固定テーブルから外し、有機複屈折膜上にポジレジストを1.1μmの厚さに塗布し、90℃30分のプリベークを行った。その後、下基板を縮小投影露光装置(NA=0.45、σ=0.6、波長;i線)に装着し、1000周期ある回折格子はDuty約0.5、格子のピッチが2.0μmのデバイスパターンと幅30μm、長さ130μmの十字形状アライメントパターンを光学ガラス基板の赤道上でオリエンテーションフラットに平行方向に光学ガラス基板の中心から±40mmの位置に設け、各アライメントパターンを中心に52.5μmピッチでそれぞれ+側に2個、−側に2個設置したレチクルを用いて露光を行った。その後、現像液NMD−3を用いて現像を行い、100℃30分のポストベークを行い、周期的なレジストパターンを完成させた。その後、前記のレジストパターン上にスパッタ法によってAlを蒸着し、引き続きアセトンを用いてレジストを溶解してAlのリフトオフを行い、レジストパターンを反転させたAlパターンを完成させた。
その後、日本真空技術社製NLD−800エッチング装置を用い、基板バイアス200W、アンテナ電力1KW、酸素ガス40SCCM、基板温度−30℃のエッチング条件で、前記のAlパターンを金属マスクにして有機複屈折膜の深さを4.0μmまでエッチングした。このときの回折格子は光学ガラス基板に垂直に形成されている。
その後、リン酸系のAlエッチング液を用いてAlパターンを除去し、1000周期ある凹凸格子(以後回折格子と記述)と凹凸形状のアライメントマークとを完成させた。以下、素子アレイとする。
図13はλ/4板の貼り付け位置関係を説明するための図である。
一方の直径100mm、厚さ1.00mmのショット社製BK−7からなる光学ガラスも同様に、光学ガラス上にポジレジストを1.1μmの厚さに塗布し、90℃30分のプリベークを行った。その後、光学ガラスを縮小投影露光装置(NA=0.45、σ=0.6、波長;i線)に装着し、2ヵ所のアライメントマークエリア6aに、ライン幅20μm、長さ110μmの十字形状アライメントパターン6bのレチクルを用いて露光を行った後、現像液NMD−3を用いて現像を行い、100℃30分のポストベークを行い、レジストパターンを完成させた。以下、上基板6とする。
この上に、フィルムラミネータ装置を用い、ポリエステル系の位相差膜よりなる膜厚約100μmの片面粘着材9付きλ/4板8の位相軸8aを上基板十字形状アライメントパターンの配置方向に対し、45度ずらし貼り付け、光学的に透明な等方性基板とした。以下、上カバー11と記述する。λ/4板8貼り付けは十字形状アライメントマークの反対面とした。
なお、λ/4板貼り付け面の反対面にはMgF/TiO2/SiO2構成の多層膜の反射防止層(図示省略)を形成している。
前述した方法で作った上カバー11をλ/4板8の貼り付け面を下向きにして真空吸着により石英ガラスマスクホルダ105に固定し、次に、回折格子4を形成した素子アレイ10を下基板チャック104上に載置し、真空吸着により固定した。その後、下基板チャック104と石英ガラスマスクホルダ105間に、φ5mm、高さ5.000mm、平行度0.001mm、表面粗さRa<10nmのジルコニア円柱を支持アームの移動により120°等分の位置に3個挿入した後、Z軸制御装置103によりベース101を上昇し、ジルコニア円柱を挟み込み、1N/個で加圧、停止した点をギャップ5.000mmおよび平行面として記憶した後、ベース101を下降し、ジルコニア円柱を基板外へ移動した。
次に、素子アレイ10を図で左の方向に押し出し、素子アレイ10の中央に図示しないディスペンサーを用い、紫外線硬化型のエポキシ樹脂系接着剤7、オーテックス社製EXGT1500−4Kを0.5mL滴下する。この接着剤7は波長365nm、光強度20mW/cm以上の紫外線で重合し、積算光量9000mjで99%重合する接着剤である。
次に, 素子アレイ10を図で右の方向に戻し、接着層厚み100μm以上を確保するギャップまでベース101を上昇した。次に、上下基板のアライメントマーク位置検出を,石英ガラスマスクホルダ105を通してアライメント検出光学系108によりアライメントを行った。はじめに、上基板6のアライメントマークを検出し、十字線で挟み込んだ画像を記憶し、次に、顕微鏡の焦点位置を下基板1に合わせ下基板のアライメントマークを検出し、検出されたアライメントエラー(画像を記憶した十字線とのズレ)をステージ移動装置102により、下部基板チャック104をX、Y、θ移動させる事により補正した。これを基板面内で同一線上の80mm離れた少なくとも2点でアライメントを実施した。アライメント補正後、下部基板チャック104はベース101に真空吸着等で固定した。その後、最終接着剤厚み50μmを確保するため、再度、ベース101を上昇し、接着剤を基板全体に押し広げ、ギャップ2.200mmの位置で固定した。
接着剤の広がりが十分行われる間、この状態を2分間保持した。次に、光照射装置により、石英ガラスマスクホルダ105を通し、図示しない遮光マスクを用い、回折格子上部と格子溝の接着剤面にのみ波長365nm、光強度20mW/cmの紫外線を100秒照射(E1)し、接着剤を半硬化した。これにより、接着剤の硬化度が回折格子溝底部が最も小さく、上基板との接触面が最も大きい状態の半硬化状態とした。
その後、上下基板に設けた、平行移動量を示すマークを検出し、下部基板チャック104を所定の移動量のマークまでステージ駆動装置102により、平行移動のためのアライメントを実施した後、下部基板チャックをベース101に真空吸着により固定した。これにより、半硬化した接着剤とともに、有機複屈折膜に平行方向の力が働きこれにより、回折格子が傾く。その後、接着剤全面に波長365nm、光強度20mW/cmの紫外線を400秒間照射(E2:E2>E1)し、接着剤を完全硬化した。今回、回折格子の傾斜角を4°にするため、素子アレイ10の移動量を61μmとした。なお、移動量は回折格子の倒れ角と有機複屈折膜上のマークと上基板6上のマーク間距離により求めた。
その後、石英ガラスマスクホルダ105の真空吸着を切り、上基板6の真空吸着固定を解除する。次にZ軸制御装置によりベース101を下降した後、下基板チャック104の真空吸着を切り、アライメント接着した偏光ホログラムアレイ40を取り出し、ダイシング装置200により5mm□に切断し、偏光ホログラム素子50とした。
接着層には界面での反射を極力避けるために、BK7基板に屈折率を一致させた紫外線硬化接着剤を使用している。また、オーバーコート層(上接着層)の屈折率をほぼ有機複屈折膜の異常光線方向の屈折率と合せた材料を使用している。
本実施例による偏光ホログラム素子の回折特性について、図11を用いて詳細に説明する。本実施例においては、回折格子の形成方向を4°傾け、実質的にレーザー入射光を4°傾けた構成としているため、回折効率が、+1次で約48%とすることができた。これによってレーザー光の利用効率が上がることになる。また、この時0次回折光の上昇が懸念されるが、同図に示すように、ほぼ増加は見られない。一方、格子内に上記構成のオーバーコート材料を充填しているため、偏光を90°回転させたレーザー光においては、約99%の透過率を示している。また、λ/4板8を一体で形成しているため、直線偏光を入射させると、円偏光で出射される。この機能によって、光ピックアップのような往復光路を持った光学系において、往復の光路を分離することが可能になる。
尚、本発明における実施例においては、波長は660nmについての素子をあげているが、780nm用、二波長用なども格子深さを変更することで対応可能である。
図14は本発明の素子を用いる光ピックアップの構成を説明するための図である。
同図において符号300は光ピックアップ、301は光源としてのレーザーダイオード、302はコリメータレンズ、303は対物レンズ、304は受光素子としてのフォトダイオード、Dは光ディスクをそれぞれ示す。
例えばCD用光ピックアップではレーザーダイオードから出射された波長780nmの光は、本発明の偏光分離素子50、コリメータレンズ302、対物レンズ303を通って光ディスクD(この例ではCD)を照射し、CDの記録ピットからの反射光は偏光分離素子50で回折されフォトダイオード304に導かれ、フォーカス検出、トラック検出、信号検出が行われる。
本例の光ピックアップを用い、CD−RWに信号を記録し、その後同じ光ピックアップで信号の再生を行った所、プリズムを接着したビームスプリッタとλ/4波長板を組み合わせた従来のCD用光ピックアップと同等の再生信号出力を得ることができ、本例の光ピックアップが従来の光ピックアップと同等の記録/再生特性を持つことが確認できた。
また本例のピックアップでは、偏光分離素子がプリズムを接着したビームスプリッタよりも小さくなっており、かつ偏光分離素子にλ/4波長板も組み込んでいるため、従来の光ピックアップと比較して小型化が実現できていた。
図5を援用して本発明の他の実施例を説明する。
本実施例では接着剤7として熱硬化型の接着剤を用いる。樹脂の種類が異なる点以外の特性や、その他の材質、製法は実施例1と同様である。この場合は、図5における光照射装置110の代わりに、石英ガラスホルダ105に対してほぼ均等に熱を与える熱源(図示せず)を接触させておく。そして、下基板チャックには冷却装置(図示せず)を接触させておく。接着剤の半硬化を行うときは、熱源と冷却装置を同時に作動させ、上基板6から下基板1に向かって所定の温度勾配を所定時間与える。与える温度は、上基板6に接触している熱硬化樹脂が完全硬化するのに必要な温度T0以下になるような温度T1に設定しておく。その結果、上基板6に近い部分は硬化が或る程度進むのに対し、格子の凹部の底の方は僅かな硬化が生ずるだけの、いわゆる半硬化状態を作ることができる。
この半硬化状態で、上基板6を下基板1に対して所定量移動させれば図1に示したような、傾斜した回折格子を作ることができる。その状態を保ったまま、今度は下基板1側の冷却装置は作動させず、上基板6側の熱源から、熱硬化型樹脂の硬化に必要な所定温度T0以上の温度T2を与え、回折格子の凹部の底まで硬化が進むよう、その温度を所定時間保持する。特に図示しないが、冷却装置側に別の熱源を用意しておいて、第2の硬化工程の時は下側からも加熱するようにすることもできる。
完成品は実施例1の場合と全く同等に扱うことができる。
本発明の実施例を説明するための図である。 回折格子形成段階の1素子分の断面を示す図である。 素子アレイの概要を示す図である。 上基板の概要を示す図である。 アライメント接着装置の概要を示す図である。 上下各基板のアライメントマークそれぞれと、重ね合わせの状態を示す図である。 素子1個分の断面を示す図である。 接着剤の半硬化時点の状態を説明するための図である。 半硬化状態で上下基板をずらす様子を示す図である。 偏光ホログラムアレイの素子単体への分割を説明するための図である。 偏光ホログラム素子の回折特性を示す図である。 本発明の他の実施例を説明するための図である。 λ/4板の貼り付け位置関係を説明するための図である。 本発明の素子を用いる光ピックアップの構成を説明するための図である。
符号の説明
1 下基板
3 有機複屈折膜
4 回折格子
5 上接着層
6 上基板
20 偏光ホログラムアレイ
30 偏光分離素子

Claims (12)

  1. 第1の透明基板(下基板と称す)に、入射光の異なる振動面に対し屈折率が異なる有機複屈折膜を貼り付ける工程と、該有機複屈折膜上に周期的な凹凸格子(以下回折格子と称す)を形成する工程と、等方性接着剤により前記回折格子の凹み部分を充填し、且つ、第2の透明基板(上基板と称す)を接着する工程と、前記等方性接着剤が半硬化の状態において、前記上基板と前記下基板の間で両基板面に対し平行な方向に外力を加える工程と、その状態で前記等方性接着剤を十分硬化させる工程とを有し、
    前記等方性接着剤により前記上基板を接着する工程は、前記等方性接着剤の上に前記上基板を載置した状態で、1回目の硬化処理をする第1硬化工程と、前記上基板と前記下基板とを相対的に平行移動させる工程と、平行移動後に2回目の硬化処理をする第2硬化工程とを有することを特徴とする偏光ホログラム素子の製造方法
  2. 請求項1に記載の偏光ホログラム素子の製造方法において、
    前記外力は一方の基板に対し、他方の基板を平行移動させ与えることを特徴とする偏光ホログラム素子の製造方法
  3. 請求項1または2に記載の偏光ホログラム素子の製造方法において、
    前記等方性接着剤は光硬化型接着剤であることを特徴とする偏光ホログラム素子の製造方法。
  4. 請求項3に記載の偏光ホログラム素子の製造方法において、
    前記等方性接着剤はアクリル樹脂系、またはエポキシ樹脂系の紫外線硬化型接着剤であることを特徴とする偏光ホログラム素子の製造方法。
  5. 請求項3または4に記載の偏光ホログラム素子の製造方法において、
    前記第1および第2の硬化工程は、前記等方性接着剤に付与するそれぞれのエネルギーをE1、E2としたとき、
    E1≦E2
    となるように照射することを特徴とする偏光ホログラム素子の製造方法。
  6. 請求項1または2に記載の偏光ホログラム素子の製造方法において、
    前記等方性接着剤は熱硬化型接着剤であることを特徴とする偏光ホログラム素子の製造方法。
  7. 請求項6に記載の偏光ホログラム素子の製造方法において、
    前記第1および第2の硬化工程は、前記等方性接着剤に付与するそれぞれの温度をT1、T2とし、前記熱硬化型接着剤の硬化温度をT0としたとき、
    T1<T0<T2
    となるように与えることを特徴とする偏光ホログラム素子の製造方法。
  8. 請求項7に記載の偏光ホログラム素子の製造方法において、
    前記第1の硬化工程は、前記上基板の側から所定の温度を与え、前記した下基板の側から冷却することによって、前記熱硬化型接着剤に所定の温度勾配を所定時間与えることを特徴とする偏光ホログラム素子の製造方法。
  9. 請求項1ないし8のいずれか1つに記載の偏光ホログラム素子の製造方法において、
    前記下基板、前記有機複屈折膜、前記上基板のいずれか2つに、平行移動量を検出するためのマークを形成する工程をさらに含み、前記接着工程には、前記マークを検出する検出手段と、前記上基板もしくは下基板の内の一方の基板を保持し固定する固定手段と、他方の基板を保持し、該基板をX座標、Y座標および回転方向に移動可能な移動手段と、前記固定された基板に対し、それに対向させた他方の基板の平行基準を設定する基準設定手段と、接着層厚みを規定する規定手段と、光を照射する光照射手段と、前記等方性接着剤を滴下する滴下手段とを有するアライメント接着装置を用いることを特徴とする偏光ホログラム素子の製造方法。
  10. 請求項1ないし9のいずれか1つに記載の偏光ホログラム素子の製造方法によって製造されたことを特徴とする偏光ホログラム素子
  11. 請求項10に記載の偏光ホログラム素子を偏光分離素子として用いたことを特徴とする光ピックアップ
  12. 請求項11に記載の光ピックアップを用いたことを特徴とする光ディスクドライブ装置
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