JP4237020B2 - 偏光分離素子の作製方法 - Google Patents

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Description

本発明は、偏光分離素子の作製方法に関する。
光ディスク用の光ピックアップ装置では、光源から出射され光ディスクに入射される入射光束と、光ディスクにより反射され光ディスクの情報を帯びた戻り光束(情報信号)とを分離して、戻り光束(情報信号)を効率良く光検出手段(例えば多分割フォトダイオード等の受光素子)に導くために、偏光分離素子が用いられている。従来は偏光分離素子として、プリズムを接着したビームスプリッタがλ/4波長板との組み合わせで用いられていたが、光ピックアップ装置の小型化、低コスト化の要求に答えるため、ビームスプリッタの代わりに薄型化が可能な「複屈折回折格子型の偏光分離素子」が提案されている。
例えば直交する2つの偏光成分を分離する偏光分離素子として、透明基板上に入射光の異なる振動面に対し屈折率が異なる有機複屈折膜を接着し、この有機複屈折膜表面に周期的な凹凸格子からなる回折格子を形成した偏光分離素子が提案されている(特許文献1参照)。なお、有機複屈折膜としては、延伸した有機高分子膜が用いられている。
この偏光分離素子では、接着剤を用いて有機複屈折膜を透明基板に接着しているが、有機複屈折膜を透明基板へ接着する際に、回折格子を透過する光束に対して格子面内で光路長を一定とするためには、接着剤層の厚さを均一にして有機屈折膜表面を平坦化する必要がある。また、接着剤層に気泡が入ると、入射光束や出射光束が気泡によって散乱されて回折効率が低下するため、気泡を巻きこまないような接着法が必要となる。
以上の点から、透明基板へ有機複屈折膜を接着する方法としては、例えば貼り合せ光ディスクの作製工程で用いられているスピンナー法が適していると考えられる。
ここで、スピンナー法による貼り合せ光ディスクの作製工程の一例を図9に基づいて説明する。
まず、図9(a)に示すように、第1の基板51のハブ51Aをスピンテーブル52のセンターピン53にさし込み、スピンテーブル52を回転させながら第1の基板51にディスペンサー54を用いて紫外線硬化型接着剤55を滴下する。
次に図9(b)に示すように、第1の基板51の周辺部まで接着剤55が広がったらスピンテーブル52の回転を停止する。
次に図9(c)に示すように、第2の基板56のハブ56Aをスピンテーブル52のセンターピン53にさし込み、第1の基板51と第2の基板56を接触させる。
次に図9(d)に示すように、スピンテーブル52を回転させ、余分な接着剤を振り切り接着剤層55の厚さを一定にする。
その後、図9(e)に示すように、スピンテーブル52の回転を停止し、紫外線(UV)を照射して接着剤層55を硬化し、貼り合せ光ディスクを完成させる。
しかしながら、上記の方法を偏光分離素子の有機複屈折膜の接着に用いる場合、以下の問題が発生していた。
偏光分離素子は大きさが数mm程度であるため、偏光分離素子の作製の際には、直径4〜8インチの透明基板に接着された有機複屈折膜上に数10〜数100個の回折格子をアレイ状に作製し、その後、ダイシングによって個々の偏光分離素子を取り出している。また、1枚の基板から取れる偏光分離素子数を多くするため、有機複屈折膜や透明基板にはハブを設けていない。
そのため、図10(a)に示すように、スピンテーブル10に透明基板1を真空吸着し、その後、透明基板1の中央に紫外線硬化型接着剤2を滴下し、スピンテーブル10を回転して接着剤2を透明基板1の全面に広げた後、有機複屈折膜3を透明基板上に載せるが、有機複屈折膜3にはハブがないためセンターピンで固定できず、フリーな状態で透明基板1に載せることになる。一般的には載置装置を用いて有機複屈折膜3を接着剤2が塗付された透明基板1に載せているが、スピンテーブル10の回転中心に有機複屈折膜3の中心を正確に合せることは載置装置の機械的精度の点から困難な場合が多い。そのため有機複屈折膜3がスピンテーブル10の回転中心に載っていない場合、図10(a)のようにスピンテーブル10を回転させると、有機複屈折膜3が位置ずれを起こす。そして位置ずれが大きい場合は、図10(b)に示すように、位置ずれによって透明基板1から有機複屈折膜3がはみ出してしまう。
通常、有機複屈折膜3を接着剤2が塗付された透明基板1に載せ、紫外線照射によって接着剤を硬化させた後、回折格子を形成するためリソグラフィー/ドライエッチングを行うが、装置内や工程間の搬送は基板側面をクランプして行うことが多く、透明基板1から有機複屈折膜3がはみ出していると搬送が困難になり、回折格子を形成できない。
そのためスピンテーブル10の回転中に有機複屈折膜3の位置ずれが発生した場合は、スピンテーブル10の回転を停止し、適切な位置へ有機複屈折膜3を戻す作業を行い、再びスピンテーブル10を回転させる必要があり、上記の作業を繰り返すことによって貼り合せ工程のスループットを遅くしていた。また、上記の作業のため、スピンテーブル10の回転時間を一定にすることができず、基板間で接着剤層の厚さが不均一になる問題も発生していた。
スピンテーブルの回転中に有機複屈折膜の位置ずれを起こさせないためには、回転中に紫外線を照射する方法が考えられる。例えば貼り合せ光ディスクの作製方法では、回転中に紫外線を照射して紫外線硬化型接着剤を硬化する方法が提案されている(特許文献2、特許文献3参照)。しかしながら、偏光分離素子の作製においては、接着剤層の厚さを均一化するため基板をある程度回転させた後に紫外線を照射しなければならないので、有機複屈折膜の位置ずれを完全に防止することは困難であった。
また、載置装置に画像認識機能を搭載し、スピンテーブルの回転中心と有機複屈折膜の中心を検出し、載置装置にフィードバック制御を掛けながらスピンテーブルの回転中心に有機複屈折膜の中心を置く場合は、スピンテーブルの回転中心と有機複屈折膜の中心との位置合せ精度を著しく向上できるため、スピンテーブルの回転中に有機複屈折膜の位置ずれが起きにくい。しかしながら、載置装置にCCD(Charge Coupled Devices)等の撮像素子を用いた検出機構やフィードバック機構を設ける必要があり、載置装置のコストが上昇する。また、貼り合せ時に位置検出やフィードバック制御を行うため、貼り合せ工程のスループットが低下してしまう。そのため安価に偏光分離素子を作製することが困難になる。
さらに接着剤層の厚さを均一化するため、スピンテーブルを回転させて余分な接着剤を振り切る工程において、振り切られた接着剤がミストとなり、有機複屈折膜上に付着してしまう。また、有機複屈折膜は有機高分子材料からなるため、貼り合せ工程のハンドリング中に有機複屈折表面にキズが付き易かった。
接着後、有機複屈折膜の表面に回折格子を形成するため、フォトリソグラフィーとエッチングを行うが、有機複屈折膜表面に接着剤ミストやキズがあると、リソグラフィー工程でパターン欠陥が生じ、偏光分離素子の製造歩留を低下させていた。
また、有機複屈折膜は面内の2方向で屈折率が異なるため、面内の2方向のうち特定の1方向に回折格子を形成する必要がある。そのためたリソグラフィー工程では有機複屈折膜の面内で屈折率が異なる2方向のうち特定の1方向(以下、有機複屈折膜の露光基準軸と略す)に揃えてレジストパターンを形成しなければならない。そのため有機複屈折膜に露光基準軸の指標となるマーク(通常はオリエンテーションフラットを用いる)を設け、有機複屈折膜のマークを基準位置としてレジストパターンを形成する。
露光には縮小投影露光装置が用いられるが、通常、縮小投影露光装置では基板のオリエンテーションフラットを検出し、オリエンテーションフラットを基準位置にして1st露光(下層とアライメントを行わない露光)行うため、透明基板の内側にある有機複屈折膜のマークを基準位置にして1st露光を行うためには別の機構が必要になり、装置のコストアップに繋がる。
そのため、図11に示すように、透明基板1にもオリエンテーションフラット1Aを設け、有機複屈折膜3の接着工程で透明基板1のオリエンテーションフラット1Aと有機複屈折膜3のマークの相対位置を許容範囲内で抑え(有機複屈折膜3にオリエンテーションフラット3Aを設ける場合は、透明基板1と有機複屈折膜3のオリエンテーションフラット1A,3Aをお互いに平行にする)、露光工程では透明基板1のオリエンテーションフラット1Aを基準位置にして1st露光を行っている。
しかしながら、有機複屈折膜の接着工程において、有機複屈折膜が透明基板からはみ出さない程度に位置ずれを抑え込むことができた場合においても、有機複屈折膜の僅かな位置ずれは有機複屈折膜のマークと透明基板のオリエンテーションフラットの相対位置をずらし、許容範囲を越える割合を多くする。その結果、露光工程では透明基板のオリエンテーションフラットを基準位置にするため、レジストパターンの方向が有機複屈折膜の露光基準軸と一致しない割合が増加し、所望の光学特性を持つ偏光分離素子が得られる歩留が低下してしまう。
特開2000−75130号公報 特開平10−334521号公報 特開2000−268416号公報
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、有機複屈折膜を用いた偏光分離素子の作製過程における有機複屈折膜の接着工程において、有機複屈折膜が透明基板からはみ出さないで接着でき、かつ透明基板の周辺部の紫外線硬化型接着剤を除去できる偏光分離素子の作製方法を提供することを課題(目的)としている。
また、本発明は、有機複屈折膜に面内で屈折率の異なる2方向のうち特定の1方向の指標となるマークを設け、透明基板のオリエンテーションフラットと有機複屈折膜のマークの相対位置を許容値に入れて接着し、露光工程では透明基板のオリエンテーションフラットを基準位置にして露光することにより、有機複屈折膜の屈折率の異なる2方向のうち特定の1方向に回折格子の方向を合わせるプロセスの歩留を向上できる偏光分離素子の作製方法を提供することを課題(目的)としている。
さらに本発明は、露光工程のスループットを向上できる偏光分離素子の作製方法を提供することを課題(目的)としている。
さらに本発明は、有機複屈折膜の接着工程で回折格子を形成する面にキズや異物を付ける確率を低減できる偏光分離素子の作製方法を提供することを課題(目的)としている。
さらに本発明は、有機複屈折膜の接着工程で、透明基板周辺に接着剤残が残らず、かつ作業環境や装置安全性を改善できる偏光分離素子の作製方法を提供することを課題(目的)としている。
上記目的を達成するため、本発明は以下の手段を有する偏光分離素子の作製方法である
本発明の第の手段は、透明基板上に入射光の異なる振動面に対して屈折率が異なる有機複屈折膜を接着する工程と、前記有機複屈折膜上に周期的なマスクパターンを形成し、前記マスクパターンを用いて有機複屈折膜をエッチングして周期的な凹凸格子からなる回折格子を形成する工程とを有する偏光分離素子の作製方法において、前記接着工程が、透明基板上に紫外線硬化型接着剤を塗布する工程と、その紫外線硬化型接着剤の上に有機複屈折膜を載置する工程と、透明基板を所定時間回転して透明基板の回転を停止する工程と、透明基板の回転を止めた状態で有機複屈折膜を透明基板上で滑動して位置を修正する工程と、再度透明基板を所定時間回転して透明基板の回転を停止し、透明基板と有機複屈折膜の相対位置が許容値内であることを確認する工程と、透明基板の回転を止めた状態で第1の紫外線を照射する工程と、透明基板を回転しながら、紫外線硬化型接着剤は溶解するが有機複屈折膜は溶解しない有機溶媒を滴下して透明基板の周辺部の紫外線硬化型接着剤を除去する工程と、その後、透明基板に第2の紫外線を照射して紫外線硬化型接着剤を硬化する工程とからなることを特徴としている。
本発明の第の手段は、第1の手段の偏光分離素子の作製方法において、前記透明基板はオリエンテーションフラットを有し、前記有機複屈折膜は面内で屈折率の異なる2方向のうち特定の1方向に対して指標となるマークを有する構造を持ち、かつ透明基板と有機複屈折膜の相対位置が許容値内であることを確認する項目が、有機複屈折膜端と透明基板端の距離および有機複屈折膜のマークと透明基板のオリエンテーションフラットの相対位置であることを特徴としている。
本発明の第の手段は、第1または第2の手段の偏光分離素子の作製方法において、前記有機複屈折膜は透明基板と接着する面と対向する面に保護膜が付いており、透明基板に第1の紫外線を照射した後に有機複屈折膜から保護膜を剥離することを特徴としている。
また、本発明の第の手段は、第または第の手段の偏光分離素子の作製方法において、前記有機複屈折膜は透明基板と接着する面と対向する面に保護膜が付いており、透明基板に第2の紫外線を照射した後に有機複屈折膜から保護膜を剥離することを特徴としている。
さらに、本発明の第の手段は、第1〜の手段のいずれか一つの偏光分離素子の作製方法において、前記有機溶媒がイソプロピルアルコールまたはアセトンの少なくとも一方であることを特徴としている。
本発明の第の手段の偏光分離素子の作製方法においては、接着工程が、透明基板上に紫外線硬化型接着剤を塗布する工程と、その紫外線硬化型接着剤の上に有機複屈折膜を載置する工程と、透明基板を所定時間回転して透明基板の回転を停止する工程と、透明基板の回転を止めた状態で有機複屈折膜を透明基板上で滑動して位置を修正する工程と、再度透明基板を所定時間回転して透明基板の回転を停止し、透明基板と有機複屈折膜の相対位置が許容値内であることを確認する工程と、透明基板の回転を止めた状態で第1の紫外線を照射する工程と、透明基板を回転しながら、紫外線硬化型接着剤は溶解するが有機複屈折膜は溶解しない有機溶媒を滴下して透明基板の周辺部の紫外線硬化型接着剤を除去する工程と、その後、透明基板に第2の紫外線を照射して紫外線硬化型接着剤を硬化する工程とからなる。そのため第1の紫外線照射後では紫外線硬化型接着剤が半硬化して粘度が大きくなり、有機複屈折膜を固定できるようになり、第1の紫外線照射後に透明基板を回転しながら紫外線硬化型接着剤を溶解しかつ有機複屈折膜を溶解しない有機溶媒を滴下して透明基板の周辺部の紫外線硬化型接着剤を除去しても、有機複屈折膜は位置ずれを起こし難いので、接着後では透明基板からの有機複屈折膜のはみ出しをほぼ防止できる。また、紫外線硬化型接着剤を溶解する有機溶媒を滴下するため、透明基板の周辺部には紫外線硬化型接着剤の接着剤残が残らない。
本発明の第の手段の偏光分離素子の作製方法においては、第1の手段の構成および効果に加えて、前記透明基板はオリエンテーションフラットを有し、前記有機複屈折膜は面内で屈折率の異なる2方向のうち特定の1方向に対して指標となるマークを有する構造を持ち、かつ透明基板と有機複屈折膜の相対位置が許容値内であることを確認する項目が、有機複屈折膜端と透明基板端の距離および有機複屈折膜のマークと透明基板のオリエンテーションフラットの相対位置である。そのため紫外線硬化型接着剤の硬化中は有機複屈折膜の位置ずれがほぼ起きないため、接着後では有機複屈折膜端と透明基板端の距離および有機複屈折膜のマークと透明基板のオリエンテーションフラットの相対位置が許容値内に入る。その結果、次工程以降では透明基板から有機複屈折膜のはみ出しが無いため、搬送不良やクランプ不良が起きないので偏光分離素子の製造歩留を向上できる。さらに、透明基板のオリエンテーションフラットを基準位置として回折格子を形成した場合、有機複屈折膜のマークが有機複屈折膜の面内で屈折率の異なる2方向のうち特定の1方向に対して指標となり、かつ透明基板のオリエンテーションフラットに対しての相対位置が許容値内にあるため、形成された回折格子の方向は光学特性を損なわない範囲で有機複屈折膜の面内で屈折率の異なる2方向のうち特定の1方向に対して合うので、所望の光学特性を有する偏光分離素子を高歩留で作製できる。また、回折格子パターンを露光する工程について見ると、有機複屈折膜の面内で屈折率の異なる2方向のうち特定の1方向に対して回折格子の方向を合わせるために、縮小投影露光装置に装着されているアライメント方法を用いる必要はなく、透明基板のオリエンテーションフラットを基準位置とする1st露光で十分であるため、露光工程のスループットを向上できる。
本発明の第の手段の偏光分離素子の作製方法においては、第1または第2の手段の構成および効果に加えて、前記有機複屈折膜は透明基板と接着する面と対向する面に保護膜が付いており、透明基板に第1の紫外線を照射した後に有機複屈折膜から保護膜を剥離する。また、本発明の第の手段の偏光分離素子の作製方法においては、第または第の手段の構成および効果に加えて、前記有機複屈折膜は透明基板と接着する面と対向する面に保護膜が付いており、透明基板に第2の紫外線を照射した後に有機複屈折膜から保護膜を剥離する。そのため透明基板と有機複屈折膜の接着工程は、有機複屈折膜の面のうち回折格子を形成する面を保護膜で被覆した状態で行うことができる。その結果、貼り合せ工程で回折格子を形成する面にキズや異物を付ける確率を著しく小さくでき、偏光分離素子の製造歩留の向上が可能になる。
本発明の第の手段の偏光分離素子の作製方法においては、第1〜の手段の構成および効果に加えて、前記有機溶媒がイソプロピルアルコールまたはアセトンの少なくとも一方である。そのため接着工程で広く用いられているアクリル系やエポキシ系紫外線硬化型接着剤を非常によく溶解するので、透明基板周辺に接着剤残が残らず、有害性の大きい他の有機溶媒を用いる場合よりも作業環境や装置安全性を改善できる。
以下、本発明に係る偏光分離素子の作製方法およびその作製方法を用いて作製された偏光分離素子、およびその偏光分離素子を用いた光ピックアップ装置、および偏光分離素子の作製方法に用いられる接着装置の具体的な実施例を、図面を参照して詳細に説明する。
図1に偏光分離素子の作製方法の参考実施例を示す。また、図2に図1(e)の工程の詳細を説明する斜視図を示す。
まず、図1(a)に示すように、直径165mm、厚さ1.0mm、長さ54mmのオリエンテーションフラットを設けたショット製光学ガラスBK7からなる透明基板1をスピンテーブル10に載せ、真空吸着によってスピンテーブル10に固定した。その後、スピンテーブル10を10〜50rpmで回転させながら、透明基板1の中央部にディスペンサー11を用いて屈折率1.52、粘度500cpのアクリル系紫外線硬化型接着剤2を8〜11g滴下した。その後、スピンテーブル10を300rpmで回転させ、透明基板1の全面に紫外線硬化型接着剤2を広げた後、図1(b)に示すように、スピンテーブル10の回転を停止した。
次に、図1(c)に示すように、直径155mm、厚さ80μmの有機複屈折膜3であり、面内で屈折率の異なる2方向(以後、進相軸と遅相軸と略す)のうち1方向(本実施例では遅相軸と平行な方向を採用した)に45mmのオリエンテーションフラット3Aを持つ有機複屈折膜3を図示しない載置装置を用いて紫外線硬化型接着剤2の上に載置した。載置の際は、有機複屈折膜3の中心をスピンテーブル10の回転中心にほぼ合せ、有機複屈折膜3のオリエンテーションフラット3Aと透明基板1のオリエンテーションフラット1Aのなす角度を±0.5度以下とした。
次に、図1(d)に示すように、スピンテーブル10を400rpmで7秒間回転し、接着剤2を振り切った。そして、スピンテーブル10の回転を停止して有機複屈折膜3の位置ずれを目視で観察したところ、有機複屈折膜3は透明基板上で4mm程度動いており、有機複屈折膜3の中心とスピンテーブル10の回転中心及び有機複屈折膜3のオリエンテーションフラット3Aと透明基板1のオリエンテーションフラット1Aが平行から大きくずれていた。
そのため、図1(e)に示すように、調整治具12を用いて有機複屈折膜3の外側にずれた側の端部を透明基板1の中心側へ押し、透明基板上を滑るように有機複屈折膜3を動かし(以後、滑るように動かすことを滑動と略す)、有機複屈折膜3の位置修正(つまり透明基板1と有機複屈折膜3の中心を合せ、かつ有機複屈折膜3のオリエンテーションフラット3Aと透明基板1のオリエンテーションフラット1Aを概略平行となる位置へ有機複屈折膜3を動かす)を行った(詳細を図2(a),(b)に示す)。
次に図1(f)に示すように、スピンテーブル10を再度400rpmで3秒間回転して接着剤2を振り切った。そして、スピンテーブル10の回転を停止して有機複屈折膜3の位置ずれを目視で観察したところ、有機複屈折膜3は透明基板1上でほとんど動いていなかった。
その後、スピンテーブル10を700rpmで8秒間回転して、接着剤2を振り切った。そして、スピンテーブル10の回転を停止して有機複屈折膜3の位置ずれを目視で観察したところ、有機複屈折膜3は透明基板1上で約3mm程度動いていた。そこで図1(e)と同様に、再度調整治具12を用い、有機複屈折膜3を透明基板1上で滑動し、有機複屈折膜3の位置修正を行った。
次に図1(f)と同様に、スピンテーブル10を再度700rpmで6秒間回転して、接着剤2を振り切った。そして、スピンテーブル10の回転を停止して有機複屈折膜3の位置ずれを目視で観察したところ、有機複屈折膜3は透明基板1上で約2mm程度動いていた。そこで図1(e)と同様に、再度調整治具12を用い、有機複屈折膜3を透明基板1上で滑動し、有機複屈折膜3の位置修正を行った。
その後、図1(f)と同様に、スピンテーブルを再度700rpmで10秒間回転して、接着剤2を振り切った。そして、スピンテーブル10の回転を停止して有機複屈折膜3の位置ずれを目視で観察したところ、有機複屈折膜3は透明基板1上でほとんど動いていなかった。
その後、図1(f)と同様に、スピンテーブル10を再度700rpmで6秒間回転して、接着剤2を振り切った。そして、スピンテーブル10の回転を停止して有機複屈折膜3の位置ずれを目視で観察したところ、有機複屈折膜3は透明基板1上でほとんど動いていなかった。
その後、図1(f)と同様に、スピンテーブル10を900rpmで4秒間回転して、接着剤2を振り切った。そして、スピンテーブル10の回転を停止して有機複屈折膜3の位置ずれを目視で観察したところ、有機複屈折膜3は透明基板1上で約5mm程度動いていた。そこで図1(e)と同様に、再度調整治具12を用い、有機複屈折膜3を透明基板1上で滑動し、有機複屈折膜3の位置修正を行った。
その後、図1(f)と同様に、スピンテーブル10を再度900rpmで8秒間回転して、接着剤2を振り切った。そして、スピンテーブル10の回転を停止して有機複屈折膜3の位置ずれを目視で観察したところ、有機複屈折膜3は透明基板1上で約3mm程度動いていた。そこで図1(e)と同様に、再度調整治具12を用い、有機複屈折膜3を透明基板1上で滑動し、有機複屈折膜3の位置修正を行った。
その後、図1(f)と同様に、スピンテーブル10を再度900rpmで33秒間回転して、接着剤2を振り切った。そして、スピンテーブル10の回転を停止して有機複屈折膜3の位置ずれを目視で観察したところ、有機複屈折膜3は透明基板1上でほとんど動いていなかった。
その後、図1(f)と同様に、スピンテーブル10を再度900rpmで45秒間回転を行い、接着剤2を振り切った。そして、スピンテーブル10の回転を停止し、倍率4〜50倍の測長顕微鏡で有機複屈折膜3と透明基板1の相対位置を観察した結果、有機複屈折膜端と透明基板端の距離は4mm以上あり、有機複屈折膜3のオリエンテーションフラット3Aと透明基板1のオリエンテーションフラット1Aのなす角度は0.36度であった。
有機複屈折膜3の接着後の仕様において、透明基板端と有機複屈折膜端の距離はエッチング装置のクランプ幅から規定される。本実施例では2mm以上である。また、有機複屈折膜3のオリエンテーションフラット3Aと透明基板1のオリエンテーションフラット1Aのなす角度の許容値は偏光分離素子の光学特性、特に1次回折効率から規定されるが、本実施例では±1度以下である。
上記の顕微鏡での測定結果から、有機複屈折膜端と透明基板端の距離および有機複屈折膜3のマークと透明基板1のオリエンテーションフラット1Aの相対位置、つまり有機複屈折膜3のオリエンテーションフラット3Aと透明基板1のオリエンテーションフラット1Aのなす角度が許容値内であることが確認された。
次に図1(g)に示すように、スピンテーブル10の回転を停止した状態で、有機複屈折膜3側から紫外線照射装置として高圧水銀灯を用いて第1の紫外線(UV)を照射し、紫外線硬化型接着剤2を硬化した。
その後、図1(h)に示すように、透明基板1を700rpmで45秒間回転し、有機複屈折膜膜3と透明基板1の境界に、リンス機構のノズル13から有機溶媒(例えばイソプロピルアルコール)14を滴下した。このイソプロピルアルコールは、本実施例に用いたアクリル系紫外線硬化型接着剤2は溶解するが、有機複屈折膜3は溶解しない有機溶媒である。本実施例の工程によって、図1(g)の工程後に基板周辺部に残っていた紫外線硬化型接着剤2はイソプロピルアルコールによって除去された。
次に、有機複屈折膜3を接着した透明基板1(以後、有機複屈折膜を接着した透明基板を基板と略す)をスピンテーブル10から外し、倍率4〜50倍の測長顕微鏡で有機複屈折膜3と透明基板1の相対位置を再度測定した結果、有機複屈折膜端と透明基板端の距離、および有機複屈折膜3のオリエンテーションフラット3Aと透明基板1のオリエンテーションフラット1Aのなす角度は、図1(g),(h)の工程を経ても変化はなかった。
次に、図示を省略するが、前記の基板にポジレジストを0.7μmの厚さに塗布し、60℃の温度で30分間のプリベークを行った。その後、基板を縮小投影露光装置(NA=0.45、σ=0.6、波長;i線)に装着し、透明基板1のオリエンテーションフラット1Aを縮小投影露光装置側で検出し、1st露光によって透明基板1のオリエンテーションフラット1Aと平行な方向に0.90μmのライン・アンド・スペース・パターンを露光し、現像液NMD−3を用いて現像を行い、周期的なレジストパターンを完成させた。その後、前記のレジストパターン上に真空蒸着法によってアルミニウム(Al)を70nmの厚さに蒸着し、引き続きアセトンを用いてレジストを溶解してAlのリフトオフを行い、レジストパターンを反転させたAlパターンを完成させた。その後、ECR(Electron Cyclotron Resonance)エッチング装置を用い、酸素ガスを主成分とするエッチングガス雰囲気中で、前記のAlパターンを金属マスクにして有機複屈折膜3を深さ3.0μmまでエッチングした。
その後、リン酸系のAlエッチング液を用いてAlパターンを除去し、周期的な凹凸格子からなる回折格子を完成させた。ここで、図1(i)は透明基板1上の有機複屈折膜3に回折格子4を形成した状態を模式的に示している。すなわち図1(i)において、有機複屈折膜3の上面には周期的な凹凸格子からなる回折格子4が形成されている。
次に平面加工した直径250mm、厚み50mmのステンレス台上に回折格子4を形成した基板1を置き、回折格子面に光学的に等方的なアクリル系紫外線硬化型接着剤(等方性接着剤)5をマイクロシリンジで1.2mL滴下する。そして、図1(j)に示すように、等方性接着剤5を塗布した基板上に、両面を光学研磨した直径165mm、厚み1mmの対向透明基板(材質;ショット製光学ガラスBK7)6を載せ、さらに対向透明基板上に光学研磨した光学ガラス(図示せず)を載せ、対向透明基板6に100gf/cmの圧力を加え、等方性接着剤5を被接着面全面に広げた。この状態で対向透明基板6を通して紫外線(UV)を照射し、等方性接着剤5を硬化し、ウエハー状の偏光分離素子の中間完成体100を形成した。尚、図1(j)は、有機複屈折膜3からなる回折格子4が形成された基板1に等方性接着剤5を介して対向透明基板6を一体化して形成した中間完成体100を模式的に示している。
次に図1(k)に示すように、ダイシングソー15を用いて中間完成体100をダイシングして3.5mm角の大きさの複数の素子(各々の素子が1個の回折格子を有する)を切り出し、複数個の偏光分離素子101を完成させた。
以上の工程を経て完成した偏光分離素子101に波長680nmのS偏光を照射し、受光素子で1次回折光を受け、1次回折効率を測定した結果、回折格子4が良好に形成された全ての偏光分離素子101は、仕様の回折効率32%以上を達成した。
また、図1(a)〜(h)に示す工程により有機複屈折膜3を接着した基板1をダイシングソー15を用いて切断し、200倍の金属顕微鏡で断面を観察し、基板の直径方向での接着層厚さを測定(測定範囲;有機複屈折膜端から5〜130mm)した。その結果を図3に示す。
本実施例での接着層厚さは平均31μmで、直径方向でほぼ均一であることが確認され、上記の接着法では接着層の膜厚制御に問題はなかった。
以上の本実施例の作製方法に従うと、有機複屈折膜3の接着工程が、透明基板1上に紫外線硬化型接着剤2を塗布し、その後、紫外線硬化型接着剤2上に有機複屈折膜3を載せ、その後、透明基板1を回転し、その後、透明基板1の回転を止めた状態で有機複屈折膜3を透明基板1上で滑動して位置を修正した後、透明基板1を回転し、再度透明基板1の回転を停止し、透明基板1と有機複屈折膜3の相対位置が許容値内であることを確認した後、透明基板1の回転を止めた状態で第1の紫外線(UV)を照射して紫外線硬化型接着剤2を硬化するため、硬化中に有機複屈折膜3の位置ずれは起きず、透明基板1からの有機複屈折膜3のはみ出し防止が実現できる。
また、透明基板1と有機複屈折膜3の相対位置を許容値内に納めることが可能なので、透明基板1のオリエンテーションフラット1Aを基準位置にして1st露光を行う場合も、レジストパターンの方向は有機複屈折膜3の露光基準軸と一致するため、所望の光学特性を持つ偏光分離素子101が得られ、歩留が向上する。
本実施例では、回折格子パターンが良好に形成された偏光分離素子101は、全て遅相軸に対し回折格子4の角度ずれが小さいので所望の回折効率を達成できる。
さらに、回折格子パターンを露光する工程では、有機複屈折膜3の面内で屈折率の異なる2方向のうち特定の1方向に対して回折格子4の方向を合わせるために、縮小投影露光装置に装着されているアライメント方法を用いる必要はなく、透明基板1のオリエンテーションフラット1Aを基準位置とする1st露光で十分であるため、露光工程のスループットを向上できる。
加えて第1の紫外線を照射して紫外線硬化型接着剤2を硬化した後に、透明基板1を回転させながら、紫外線硬化型接着剤2は溶解するが有機複屈折膜3は溶解しない有機溶媒14を滴下するため、有機複屈折膜3で被覆されていない透明基板周辺の紫外線硬化型接着剤2を除去することができる。また、透明基板1を回転させながら前記の有機溶媒14を滴下するため、有機溶媒14には遠心力がかかり、有機複屈折膜3と透明基板1とで挟まれた領域にある紫外線硬化型接着剤2へは染み込みにくいので、透明基板1と有機複屈折膜3は十分な接着面積が得られる。
その結果、基板周辺部には接着剤が残らないので、装置間や装置内の搬送で基板周辺部をハンドリングしても基板周辺部からの異物発生が非常に少ないので、偏光分離素子の製造歩留を向上できる。
なお、本実施例では、有機溶媒14としてイソプロピルアルコールを用いたが、前記の有機溶媒14はイソプロピルアルコールに限定される必要は無く、紫外線硬化型接着剤2は溶解するが有機複屈折膜3は溶解しない有機溶媒であれば何ら構わない。しかしながら、貼り合せ光ディスク等の貼り合せ工程で広く用いられているアクリル系やエポキシ系紫外線硬化型接着剤は、イソプロピルアルコールとアセトンに非常によく溶解するので、透明基板端には接着剤残が残らず、有害性の大きい他の有機溶媒よりイソプロピルアルコールやアセトンを用いることは、作業環境や装置安全性の面からより望ましい。
さらに、本実施例では、有機複屈折膜3の面内で屈折率の異なる2方向のうち特定の1方向に対して指標となるマークとして遅相軸に平行なオリエンテーションフラットを用いたが、マークの形状は透明基板の内側に入るものであれば突起や切り欠きであっても何ら構わず、透明基板1と有機複屈折膜3の相対位置が比較的検出しやすい形状であれば良い。
また、本実施例では、回転後の有機複屈折膜3のずれを目視で観察し、第1の紫外線(UV)を照射する前に測長顕微鏡で有機複屈折膜3と透明基板1の相対位置を精密に測定したが、回転後の有機複屈折膜3のずれを毎回測長顕微鏡等を用いて精密に測定しても良い。また、前記の測定結果と許容値との差を割り出し、位置調整にフィードバック制御をかけると、有機複屈折膜3の位置ずれを短時間で抑えることが可能となり望ましい。
図4に本発明の偏光分離素子の作製方法の実施例を示す。
まず図4(a)に示すように、直径165mm、厚さ1.0mm、長さ54mmのオリエンテーションフラットを設けたショット製光学ガラスBK7からなる透明基板1をスピンテーブル10に載せ、真空吸着によってスピンテーブル10に固定した。その後、スピンテーブル10を10〜50rpmで回転させながら、透明基板1の中央部にディスペンサー11を用いて屈折率1.58、粘度600cpのエポキシ系紫外線硬化型接着剤2を9〜13g滴下した。その後、スピンテーブル10を300rpmで回転させ、透明基板1の全面に紫外線硬化型接着剤2を広げ、その後、図4(b)に示すようにスピンテーブル10の回転を停止した。
次に図4(c)に示すように、直径155mm、厚さ70μmで、遅相軸と平行な方向に45mmのオリエンテーションフラットを持つ有機複屈折膜3を図示しない載置装置を用いて紫外線硬化型接着剤2の上に載置した。
載置の際は、有機複屈折膜3の中心をスピンテーブル10の回転中心にほぼ合せ、有機複屈折3のオリエンテーションフラットと透明基板1のオリエンテーションフラットのなす角度を±0.5度以下とした。
次に図4(d)に示すように、スピンテーブル10を400rpmで8秒間回転し接着剤2を振り切った。そして、スピンテーブル10の回転を停止して有機複屈折膜3の位置ずれを目視で観察したところ、有機複屈折膜3は透明基板1上でほとんど動いていなかった。
その後、スピンテーブル10を再度400rpmで2秒間回転して接着剤2を振り切った。そして、その後、スピンテーブル10の回転を停止して有機複屈折膜3の位置ずれを目視で観察したところ、有機複屈折膜3は透明基板1上でほとんど動いていなかった。
次にスピンテーブル10を700rpmで10秒間回転して、接着剤2を振り切った。そして、スピンテーブル10の回転を停止して有機複屈折膜3の位置ずれを目視で観察したところ、有機複屈折膜3は透明基板1上で3mm程度動いており、有機複屈折膜3の中心とスピンテーブル10の回転中心及び有機複屈折膜3のオリエンテーションフラット3Aと透明基板1のオリエンテーションフラット1Aが平行から大きくずれていた。
そのため、図4(e)に示すように、調整治具12を用いて有機複屈折膜3を滑動し、有機複屈折膜3の位置修正(つまり透明基板1と有機複屈折膜3の中心を合せ、かつ有機複屈折膜3のオリエンテーションフラット3Aと透明基板1のオリエンテーションフラット1Aを概略平行となる位置へ有機複屈折膜3を動かす)を行った(図2(a),(b)参照)。
次に図4(f)に示すように、スピンテーブル10を再度700rpmで12秒間回転して接着剤2を振り切った。そして、スピンテーブル10の回転を停止して有機複屈折膜3の位置ずれを目視で観察したところ、有機複屈折膜3は透明基板1上でほとんど動いていなかった。
その後、スピンテーブル10を再度700rpmで4秒間回転して、接着剤2を振り切った。そして、スピンテーブル10の回転を停止して有機複屈折膜3の位置ずれを目視で観察したところ、有機複屈折膜3は透明基板1上でほとんど動いていなかった。
その後、スピンテーブル10を再度700rpmで14秒回転して、接着剤2を振り切った。そして、スピンテーブル10の回転を停止して有機複屈折膜3の位置ずれを目視で観察したところ、有機複屈折膜3は透明基板1上でほとんど動いていなかった。
次にスピンテーブル10を1100rpmで8秒間回転して、接着剤2を振り切った。そして、スピンテーブル10の回転を停止して有機複屈折膜3の位置ずれを目視で観察したところ、有機複屈折膜3は透明基板1上で約7mm程度動いていた。そこで図4(e)と同様に、調整治具12を用い、有機複屈折膜3を透明基板1上で滑動し、有機複屈折膜3の位置修正を行った。
その後、図4(f)と同様に、スピンテーブル10を再度1100rpmで11秒間回転して、接着剤2を振り切った。そして、スピンテーブル10の回転を停止して有機複屈折膜3の位置ずれを目視で観察したところ、有機複屈折膜3は透明基板1上で約1mm程度動いていた。そこで図4(e)と同様に、調整治具12を用い、有機複屈折膜3を透明基板1上で滑動し、有機複屈折膜3の位置修正を行った。
次に、図4(f)と同様に、スピンテーブル10を再度1100rpmで20秒間回転して、接着剤2を振り切った。そして、スピンテーブル10の回転を停止して有機複屈折膜3の位置ずれを目視で観察したところ、有機複屈折膜3は透明基板1上でほとんど動いていなかった。
その後、スピンテーブル10を再度1100rpmで51秒間回転して、接着剤2を振り切った。そして、スピンテーブル10の回転を停止し、倍率4〜50倍の測長顕微鏡で有機複屈折膜3と透明基板1の相対位置を観察した結果、有機複屈折膜端と透明基板端の距離は4mm以上あり、有機複屈折膜3のオリエンテーションフラット3Aと透明基板1のオリエンテーションフラット1Aのなす角度は0.22度であった。
有機複屈折膜3の接着後の仕様としては、実施例1と同様に、透明基板端と有機複屈折膜端の距離はエッチング装置のクランプ幅の規定から2mm以上、有機複屈折膜3のオリエンテーションフラット3Aと透明基板1のオリエンテーションフラット1Aのなす角度は偏光分離素子の光学特性から±1度以下となっている。
また、上記の顕微鏡での測定結果から、有機複屈折膜端と透明基板端の距離および有機複屈折膜3のマークと透明基板1のオリエンテーションフラットの相対位置、つまり有機複屈折膜3のオリエンテーションフラット3Aと透明基板1のオリエンテーションフラット1Aのなす角度が許容値内であることが確認された。
次に図4(g)に示すように、スピンテーブル10の回転を停止した状態で、有機複屈折膜3側から紫外線照射装置として高圧水銀灯を用いて第1の紫外線(UV)を照射し、紫外線硬化型接着剤2を硬化した。
本工程では紫外線硬化型接着剤2を半硬化して紫外線硬化型接着剤2の粘度を高め、図4(g)の工程で透明基板1を回転しても有機複屈折膜3が位置ずれを起こさなくすることを目的としており、実施例1の1/10〜1/3程度の照射エネルギーに留めた。
次に図4(h)に示すように、透明基板1を700rpmで60秒間回転し、有機複屈折膜膜3と透明基板1の境界に、リンス機構のノズル13から有機溶媒(例えばアセトン)14を滴下した。このアセトンは、本実施例に用いたエポキシ系紫外線硬化型接着剤2は溶解するが、有機複屈折膜3は溶解しない有機溶媒である。本実施例の工程によって、図4(g)の工程後に基板周辺部に残っていた紫外線硬化型接着剤2はアセトンによって除去された。
次に図4(i)に示すように、透明基板1の回転を停止し、有機複屈折膜3側から紫外線照射装置として高圧水銀灯を用いて第2の紫外線(UV)を照射して紫外線硬化型接着剤2を完全に硬化した。
その後、有機複屈折膜3を接着した透明基板1をスピンテーブル10から外し、倍率4〜50倍の測長顕微鏡で有機複屈折膜3と透明基板1の相対位置を再度測定した結果、有機複屈折膜端と透明基板端の距離、有機複屈折膜3のオリエンテーションフラット3Aと透明基板1のオリエンテーションフラット1Aのなす角度は、図4(g)〜(i)の工程を経てもほとんど変化はなかった。
次に、前記の有機複屈折膜3を接着した透明基板1に実施例1と同様な方法で回折格子4を形成した。ここで、図4(j)は透明基板1上の有機複屈折膜3に回折格子4を形成した状態を模式的に示している。すなわち図4(j)において、有機複屈折膜3の上面には周期的な凹凸格子からなる回折格子4が形成されている。
その後、実施例1と同様の方法で、回折格子4を形成した基板1上に光学的に等方的なエポキシ系紫外線硬化型接着剤(等方性接着剤)5を塗布し、対向透明基板6を等方性接着剤5で接着して、ウエハー状の偏光分離素子の中間完成体100を形成した。尚、図4(k)は、有機複屈折膜3からなる回折格子4が形成された基板1に等方性接着剤5を介して対向透明基板6を一体化して形成した中間完成体100を模式的に示している。
次に図4(l)に示すように、ダイシングソー15を用いて中間完成体100をダイシングして3.5mm角の大きさの複数の素子(各々の素子が1個の回折格子を有する)を切り出し、複数個の偏光分離素子101を完成させた。
本実施例においても、実施例1と同様に、偏光分離素子101に波長680nmのS偏光を照射し、受光素子で1次回折光を受け、1次回折効率を測定した結果、回折格子4が良好に形成された全ての偏光分離素子101は、仕様の回折効率32%以上を達成できた。
また、本実施例の作製方法に従うと、有機複屈折膜3の接着工程が、透明基板1上に紫外線硬化型接着剤2を塗布し、その後、紫外線硬化型接着剤2上に有機複屈折膜3を載置し、その後、透明基板1を回転し、その後、透明基板1の回転を止めた状態で有機複屈折膜3を透明基板1上で滑動して位置を修正した後、透明基板1を回転し、再度透明基板1の回転を停止し、透明基板1と有機複屈折膜3の相対位置が許容値内であることを確認した後、透明基板1の回転を止めた状態で第1の紫外線を照射して紫外線硬化型接着剤2を半硬化して粘度を大きくするため、有機複屈折膜3を固定できるようになり、後工程で透明基板1を回転した場合も有機複屈折膜3の位置ずれは起き難くなる。
そのため、透明基板1の周辺部の接着剤2を除去するため、透明基板1を回転しながら、紫外線硬化型接着剤2は溶解するが有機複屈折膜3は溶解しない有機溶媒14を滴下しても、紫外線硬化型接着剤2は半硬化して粘度が大きくなっているため有機複屈折膜3の位置ずれが起き難い。その結果、透明基板1からの有機複屈折膜3のはみ出し防止をほぼ100%で実現できる。
さらに、透明基板1と有機複屈折膜3の相対位置が許容値内に入る割合が著しく向上する。その結果、透明基板1のオリエンテーションフラットを基準位置にして露光を行う場合も、レジストパターンの方向は有機複屈折膜3の露光基準軸と一致するため、所望の光学特性を持つ偏光分離素子が得られ、歩留を高めることができる。
本実施例では、回折格子パターンが良好に形成された偏光分離素子101は、全て遅相軸に対し回折格子4の角度ずれが小さいので所望の回折効率を達成できる。
さらに、回折格子パターンを露光する工程では、有機複屈折膜3の面内で屈折率の異なる2方向のうち特定の1方向に対して回折格子4の方向を合わせるために、縮小投影露光装置に装着されているアライメント方法を用いる必要はなく、透明基板1のオリエンテーションフラット1Aを基準位置とする1st露光で十分であるため、露光工程のスループットを向上できる。
さらに、第1の紫外線を照射して紫外線硬化型接着剤2を半硬化した後に、透明基板1を回転させながら、紫外線硬化型接着剤2は溶解するが有機複屈折膜3は溶解しない有機溶媒14を滴下するため、有機複屈折膜3で被覆されていない透明基板周辺の紫外線硬化型接着剤2を除去することができる。また、透明基板1を回転させながら前記の有機溶媒14を滴下するため、有機溶媒14には遠心力がかかり、有機複屈折膜3と透明基板1とで挟まれた領域にある紫外線硬化型接着剤2へは染み込みにくいので、透明基板1と有機複屈折膜3は十分な接着面積が得られる。
その結果、基板周辺部には接着剤が残らないので、装置間や装置内の搬送で基板周辺部をハンドリングしても基板周辺部からの異物発生が非常に少ないので、偏光分離素子の製造歩留を向上できる。
なお、本実施例では有機溶媒14としてアセトンを用いたが、前記の有機溶媒14はアセトンに限定される必要は無く、紫外線硬化型接着剤2は溶解するが有機複屈折膜3は溶解しない有機溶媒であれば何ら構わない。しかしながら、貼り合せ光ディスク等の貼り合せ工程で広く用いられているアクリル系やエポキシ系紫外線硬化型接着剤は、イソプロピルアルコールとアセトンに非常によく溶解するので、有害性の大きい他の有機溶媒よりイソプロピルアルコールやアセトンを用いることは、作業環境や装置安全性の面からより望ましい。
さらに、本実施例では有機複屈折膜3の面内で屈折率の異なる2方向のうち特定の1方向に対して指標となるマークとして遅相軸に平行なオリエンテーションフラットを用いたが、マークの形状は透明基板の内側に入るものであれば突起や切り欠きであっても何ら構わず、透明基板と有機複屈折膜の相対位置が比較的検出しやすい形状であれば良い。
また、本実施例では回転後の有機複屈折膜3のずれを目視で観察し、第1の紫外線を照射する前に測長顕微鏡で有機複屈折膜3と透明基板1の相対位置を精密に測定したが、回転後の有機複屈折膜3のずれを毎回測長顕微鏡等を用いて精密に測定しても良い。また、前記の測定結果と許容値との差を割り出し、位置調整にフィードバック制御をかけると、有機複屈折膜3の位置ずれを短時間で抑えることが可能となり望ましい。
図5に本発明の偏光分離素子の作製方法の別の実施例を示す。
まず図5(a)に示すように、直径165mm、厚さ1.0mm、長さ54mmのオリエンテーションフラットを設けたショット製光学ガラスBK7からなる透明基板1をスピンテーブル10に載せ、真空吸着によってスピンテーブル10に固定した。その後、実施例1,2と同様にスピンコート法によって屈折率1.58、粘度600cpのエポキシ系紫外線硬化型接着剤2を透明基板1の全面に塗布し、その後、図5(b)に示すようにスピンテーブル10の回転を停止した。
次に図5(c)に示すように、一面に粘着剤7を介して有機高分子からなる保護膜8が付いた有機複屈折膜(直径155mm、厚さ70μmで、遅相軸と平行な方向に45mmのオリエンテーションフラットを設けた有機複屈折膜)3を、紫外線硬化型接着剤2の上に図示しない載置装置を用いて載置した。載置の際は、有機複屈折膜3の中心をスピンテーブル10の回転中心にほぼ合せ、有機複屈折膜3のオリエンテーションフラットと透明基板1のオリエンテーションフラットのなす角度を±0.5度以下とした。
次に図5(d)〜(f)に示すように、実施例2の図4(d)〜(f)の工程と同様の工程を行い、透明基板1を400〜1100rpmで回転させ、接着剤2を振り切った。
回転中に有機複屈折膜3が位置ずれを起こした場合は、透明基板1の回転を停止し、調整治具12を用いて有機複屈折膜3を滑動して有機複屈折膜3の位置調整(つまり図2に示すように、透明基板1と有機複屈折膜3の中心を合せ、かつ有機複屈折膜3のオリエンテーションフラット3Aと透明基板1のオリエンテーションフラット1Aを概略平行となる位置へ有機複屈折膜3を動かす)を行った。
次にスピンテーブルを再度1100rpmで10秒間回転し、接着剤2を振り切った。
その後、スピンテーブル10の回転を停止し、倍率4〜50倍の測長顕微鏡で有機複屈折膜3と透明基板1の相対位置を観察した結果、有機複屈折膜端と透明基板端の距離は4mm以上あり、有機複屈折膜3のオリエンテーションフラット3Aと透明基板1のオリエンテーションフラット1Aのなす角度は0.67度であった。
有機複屈折膜3の接着後の仕様としては、実施例1と同様に、透明基板端と有機複屈折膜端の距離はエッチング装置のクランプ幅の規定から2mm以上、有機複屈折膜3のオリエンテーションフラット3Aと透明基板1のオリエンテーションフラット1Aのなす角度は偏光分離素子の光学特性から±1度以下となっている。
上記の顕微鏡での測定結果から、有機複屈折膜端と透明基板端の距離および有機複屈折膜3のマークと透明基板1のオリエンテーションフラットの相対位置、つまり有機複屈折膜3のオリエンテーションフラット3Aと透明基板1のオリエンテーションフラット1Aのなす角度が許容値内であることが確認された。
次に図5(g)に示すように、スピンテーブル10の回転を停止した状態で、有機複屈折膜3の保護膜8側から紫外線照射装置として高圧水銀灯を用いて第1の紫外線(UV)を照射した。
本工程では保護膜8での紫外線吸収を考慮し、実施例2の1.1倍のエネルギーで照射して紫外線硬化型接着剤2を半硬化させた。
その後、図5(h)に示すように、ピンセットを用いて、有機複屈折膜3から保護膜8を剥離した。
次に図5(i)に示すように、透明基板1を700rpmで60秒間回転し、有機複屈折膜3と透明基板1の境界に、リンス機構のノズル13から有機溶媒(例えばアセトン)14を滴下した。このアセトンは、本実施例に用いたエポキシ系紫外線硬化型接着剤2は溶解するが、有機複屈折膜3は溶解しない有機溶媒である。本実施例の工程によって、図5(h)の工程後に基板周辺部に残っていた紫外線硬化型接着剤2はアセトンによって除去された。
次に図5(j)に示すように、透明基板1の回転を停止し、有機複屈折膜3側から紫外線照射装置として高圧水銀灯を用いて第2の紫外線(UV)を照射して紫外線硬化型接着剤2を完全に硬化した。
その後、有機複屈折膜3を接着した透明基板1をスピンテーブル10から外し、倍率4〜50倍の測長顕微鏡で有機複屈折膜3と透明基板1の相対位置を再度測定した結果、有機複屈折膜端と透明基板端の距離、有機複屈折膜3のオリエンテーションフラット3Aと透明基板1のオリエンテーションフラット1Aのなす角度は、図5(g)〜(j)の工程を経てもほとんど変化はなかった。
次に、前記の有機複屈折膜3を接着した透明基板1に実施例1,2と同様な方法で回折格子4を形成した。ここで、図5(k)は透明基板1上の有機複屈折膜3に回折格子4を形成した状態を模式的に示している。すなわち図5(k)において、有機複屈折膜3の上面には周期的な凹凸格子からなる回折格子4が形成されている。
その後、実施例1,2と同様の方法で、回折格子4を形成した基板1上に光学的に等方的なエポキシ系紫外線硬化型接着剤(等方性接着剤)5を塗布し、対向透明基板6を等方性接着剤5で接着して、ウエハー状の偏光分離素子の中間完成体100を形成した。尚、図5(l)は、有機複屈折膜3からなる回折格子4が形成された基板1に等方性接着剤5を介して対向透明基板6を一体化して形成した中間完成体100を模式的に示している。
次に図5(m)に示すように、ダイシングソー15を用いて中間完成体100をダイシングして3.5mm角の大きさの複数の素子(各々の素子が1個の回折格子を有する)を切り出し、複数個の偏光分離素子101を完成させた。
本実施例においても、実施例1,2と同様に、偏光分離素子101に波長680nmのS偏光を照射し、受光素子で1次回折光を受け、1次回折効率を測定した結果、回折格子4が良好に形成された全ての偏光分離素子101は、仕様の回折効率32%以上を達成できた。
また、本実施例の作製方法によると、透明基板1と有機複屈折膜3の接着工程は、有機複屈折膜3の面のうち回折格子4を形成する面を保護膜8で被覆した状態で行うことができる。そのため、貼り合せ工程で回折格子4を形成する面にキズや異物を付ける確率が著しく減る。特にスピンテーブル10を回転させ、紫外線硬化型接着剤2を振り切る工程において、振り切った接着剤のミストが回折格子を形成する面に付着しない(接着剤のミストは保護膜8に付き、紫外線照射後、保護膜8を剥離するので、有機複屈折膜3の表面には残らない)ため、異物の非常に少ない有機複屈折膜表面を実現できる。そのため、リソグラフィー工程において異物やキズによって発生するパターン欠陥を低減でき、偏光分離素子の製造歩留を向上できる。
なお、本実施例では第1の紫外線を照射した後に有機複屈折膜3から保護膜8を剥離し、その後、透明基板1を回転させながらアセトンを滴下して透明基板周辺の接着剤残の除去を行ったが、第1の紫外線を照射した後に保護膜8を付けたまま透明基板1を回転させながらアセトンを滴下して、透明基板周辺の接着剤残の除去を行い、その後、有機複屈折膜3から保護膜8を剥離しても何ら構わない。
また、本実施例では粘着剤7によって有機複屈折膜3に保護膜8を保持・固定しているが、粘着剤7がなく、保護膜8が物理吸着によって直接有機複屈折膜3に密着していても何ら構わない。
図6に本発明の偏光分離素子の作製方法のさらに別の実施例を示す。
まず図6(a)に示すように、直径165mm、厚さ1.0mm、長さ54mmのオリエンテーションフラットを設けたショット製光学ガラスBK7からなる透明基板1をスピンテーブル10に載せ、真空吸着によってスピンテーブル10に固定した。その後、実施例1,2と同様にスピンコート法によって屈折率1.58、粘度600cpのエポキシ系紫外線硬化型接着剤2を透明基板1の全面に塗布し、その後、図6(b)に示すようにスピンテーブル10の回転を停止した。
次に図6(c)に示すように、一面に粘着剤7を介して有機高分子からなる保護膜8が付いた有機複屈折膜(直径155mm、厚さ70μmで、遅相軸と平行な方向に45mmのオリエンテーションフラットを設けた有機複屈折膜)3を、紫外線硬化型接着剤2の上に図示しない載置装置を用いて載置した。載置の際は、有機複屈折膜3の中心をスピンテーブル10の回転中心にほぼ合せ、有機複屈折膜3のオリエンテーションフラットと透明基板1のオリエンテーションフラットのなす角度を±0.5度以下とした。
次に図6(d)〜(f)に示すように、実施例2の図4(d)〜(f)の工程と同様の工程を行い、透明基板1を400〜1100rpmで回転させ、接着剤2を振り切った。
回転中に有機複屈折膜3が位置ずれを起こした場合は、透明基板1の回転を停止し、調整治具12を用いて有機複屈折膜3を滑動して有機複屈折膜3の位置調整(つまり図2に示すように、透明基板1と有機複屈折膜3の中心を合せ、かつ有機複屈折膜3のオリエンテーションフラット3Aと透明基板1のオリエンテーションフラット1Aを概略平行となる位置へ有機複屈折膜3を動かす)を行った。
次にスピンテーブルを再度1100rpmで7秒間回転し、接着剤2を振り切った。
その後、スピンテーブル10の回転を停止し、倍率4〜50倍の測長顕微鏡で有機複屈折膜3と透明基板1の相対位置を観察した結果、有機複屈折膜端と透明基板端の距離は4mm以上あり、有機複屈折膜3のオリエンテーションフラット3Aと透明基板1のオリエンテーションフラット1Aのなす角度は0.40度であった。
有機複屈折膜3の接着後の仕様としては、実施例1と同様に、透明基板端と有機複屈折膜端の距離はエッチング装置のクランプ幅の規定から2mm以上、有機複屈折膜3のオリエンテーションフラット3Aと透明基板1のオリエンテーションフラット1Aのなす角度は偏光分離素子の光学特性から±1度以下となっている。
上記の顕微鏡での測定結果から、有機複屈折膜端と透明基板端の距離および有機複屈折膜3のマークと透明基板1のオリエンテーションフラットの相対位置、つまり有機複屈折膜3のオリエンテーションフラット3Aと透明基板1のオリエンテーションフラット1Aのなす角度が許容値内であることが確認された。
次に図6(g)に示すように、スピンテーブル10の回転を停止した状態で、有機複屈折膜3の保護膜8側から紫外線照射装置として高圧水銀灯を用いて第1の紫外線(UV)を照射した。
本工程では保護膜8での紫外線吸収を考慮し、実施例2の1.1倍のエネルギーで照射して紫外線硬化型接着剤2を半硬化させた。
その後、図6(h)に示すように、透明基板1を700rpmで60秒間回転し、有機複屈折膜3と透明基板1の境界に、リンス機構のノズル13から有機溶媒(例えばアセトン)14を滴下した。このアセトンは、本実施例に用いたエポキシ系紫外線硬化型接着剤2は溶解するが、有機複屈折膜3は溶解しない有機溶媒である。本実施例の工程によって、図6(g)の工程後に基板周辺部に残っていた紫外線硬化型接着剤2はアセトンによって除去された。
次に図6(i)に示すように、透明基板1の回転を停止し、有機複屈折膜3の保護膜8側から紫外線照射装置として高圧水銀灯を用いて第2の紫外線(UV)を照射して紫外線硬化型接着剤2を完全に硬化した。
その後、図6(j)に示すように、ピンセットを用いて、有機複屈折膜3から保護膜8を剥離した。
その後、有機複屈折膜3を接着した透明基板1をスピンテーブル10から外し、倍率4〜50倍の測長顕微鏡で有機複屈折膜3と透明基板1の相対位置を再度測定した結果、有機複屈折膜端と透明基板端の距離、有機複屈折膜3のオリエンテーションフラット3Aと透明基板1のオリエンテーションフラット1Aのなす角度は、図6(g)〜(j)の工程を経てもほとんど変化はなかった。
次に、前記の有機複屈折膜3を接着した透明基板1に実施例1,2と同様な方法で回折格子4を形成した。ここで、図6(k)は透明基板1上の有機複屈折膜3に回折格子4を形成した状態を模式的に示している。すなわち図6(k)において、有機複屈折膜3の上面には周期的な凹凸格子からなる回折格子4が形成されている。
その後、実施例1,2と同様の方法で、回折格子4を形成した基板1上に光学的に等方的なエポキシ系紫外線硬化型接着剤(等方性接着剤)5を塗布し、対向透明基板6を等方性接着剤5で接着して、ウエハー状の偏光分離素子の中間完成体100を形成した。尚、図6(l)は、有機複屈折膜3からなる回折格子4が形成された基板1に等方性接着剤5を介して対向透明基板6を一体化して形成した中間完成体100を模式的に示している。
次に図6(m)に示すように、ダイシングソー15を用いて中間完成体100をダイシングして3.5mm角の大きさの複数の素子(各々の素子が1個の回折格子を有する)を切り出し、複数個の偏光分離素子101を完成させた。
本実施例においても、実施例1,2と同様に、偏光分離素子101に波長680nmのS偏光を照射し、受光素子で1次回折光を受け、1次回折効率を測定した結果、回折格子4が良好に形成された全ての偏光分離素子101は、仕様の回折効率32%以上を達成できた。
また、本実施例の作製方法によっても実施例3と同様に、透明基板1と有機複屈折膜3の接着工程は、有機複屈折膜3の面のうち回折格子4を形成する面を保護膜8で被覆した状態で行うことができるため、貼り合せ工程で回折格子を形成する面にキズや異物を付ける確率を著しく小さくできる。その結果、偏光分離素子の製造歩留を向上できる。
図7は本発明に係る光ピックアップ装置の一実施例を示す概略構成図である。この光ピックアップ装置は、例えばDVD(デジタルバーサタイルディスク)系の光ディスク(DVD,DVD−ROM,DVD−R,DVD−RAM(DVD−RW),S−DVD等)の記録または再生に用いられる光ピックアップ装置であり(ただし、DVD系の光ディスクに限るものではない)、光源であるレーザーダイオード111、偏光分離素子112、コリメータレンズ113、λ/4波長板114、対物レンズ115、光検出器であるフォトダイオード116を備えており、偏光分離素子112としては、実施例1〜4のいずれかの作製方法で作製された偏光分離素子101が用いられる。
この光ピックアップ装置では、レーザーダイオード111から出射された波長680nmの光は、偏光分離素子112とコリメータレンズ113、λ/4波長板114、対物レンズ115を通った後、光ディスク117を照射する。そして、光ディスク117の記録面からの反射光は戻り光束となり、偏光分離素子112で回折されフォトダイオード116に導かれ、フォーカス誤差信号、トラック誤差信号、情報信号の検出が行われる。
本実施例の光ピックアップ装置を用い、DVD系の光ディスク117としてDVD−ROMからの情報信号の再生を行った所、プリズムを接着したビームスプリッタとλ/4波長板を組み合わせた従来のDVD系光ディスク用の光ピックアップ装置と同等の信号出力を得ることができ、本実施例の光ピックアップ装置が従来の光ピックアップ装置と同等の再生特性を持つことが確認できた。
また、本実施例の光ピックアップ装置では、偏光分離素子112は実施例1〜4のいずれかの作製方法によって有機複屈折膜3を透明基板1に接着した構造をもつので、プリズムを接着したビームスプリッタよりも小さく薄型になっている。その結果、従来の光ピックアップ装置よりも小型化・薄型化が可能となる。さらに実施例1〜4のいずれかの作製方法によって作製した偏光分離素子は比較的安価に製造できることから、光ピックアップ装置をより低コストで作製することが可能となる。
図8は本発明による有機複屈折膜の接着装置の一実施例を示す概略構成図である。
この有機複屈折膜の接着装置は、本発明による偏光分離素子の作製方法に用いられる接着装置であり、透明基板1を保持するスピンテーブル10と、スピンテーブル10を回転させるステッピングモーター等からなる回転機構(図示せず)と、透明基板1に紫外線硬化型接着剤を塗布するディスペンサー11等からなる塗布機構と、2本の吸着アーム21によって有機複屈折膜3の両端を保持し、透明基板1上に塗布された紫外線硬化型接着剤上に有機複屈折膜3を載置する載置機構20と、透明基板端と有機複屈折膜端の距離及び透明基板1と有機複屈折膜3の各オリエンテーションフラットの延長線のなす角度を読み取る位置検出機構18と、紫外線硬化型接着剤は溶解するが有機複屈折膜3は溶解しない有機溶媒を透明基板1に滴下するノズル13を有するリンス機構17と、透明基板1に紫外線を照射する高圧水銀灯やメタルハライドランプ等からなる紫外線照射機構30から構成されている。
なお、位置調整機構はXY方向に可動できる2軸アーム41の先端に調整治具12が付いており、調整治具12で有機複屈折膜3を押し、透明基板1上を滑らせる機構になっている。そして、位置検出機構18は倍率が4〜50倍に可変できるズームレンズの付いたCCDカメラと2点間の長さ測定と交線の角度の測定が可能な画像処理ソフトから構成されている。
次に本実施例の接着装置を用いて有機複屈折膜を接着する手順を述べる。
直径165mm、厚さ1.0mmで、54mmのオリエンテーションフラットを持つショット製光学ガラスBK7からなる透明基板1をスピンテーブル10に載せ、真空吸着によってスピンテーブル10に固定する。その後、透明基板1の中央部にロボットアーム16によってディスペンサー11を移動し、スピンテーブル10を20rpmで回転させながら、透明基板1の中央部にディスペンサー11を用いて屈折率1.58、粘度600cpのエポキシ系紫外線硬化型接着剤を10g滴下する。
その後、ディスペンサー11を元の位置に戻し、スピンテーブル10を300rpmで回転させ、透明基板1の全面に紫外線硬化型接着剤を広げ、その後、スピンテーブル10の回転を停止する。
次に、直径155mm、厚さ80μmで、遅相軸と平行な方向に45mmのオリエンテーションフラットを持つ有機複屈折膜3の両端を載置機構20の2本の吸着アーム21に真空吸着して保持し、載置機構20を透明基板1上へ移動し、有機複屈折膜3の中心をスピンテーブル10の回転中心にほぼ合せながら2本の吸着アーム21の真空吸着を徐々に解除して紫外線硬化型接着剤の上に有機複屈折膜3を載置する。その後、載置装置20を元の位置に戻し、スピンテーブル10を1100rpmで回転させ、紫外線硬化型接着剤を振り切り、有機複屈折膜表面を平坦化する。
次に、スピンテーブル10の回転を停止し、2軸アーム41を動かして調整治具12を有機複屈折膜3の側面に突き当て、有機複屈折膜3の位置ズレに応じて2軸アーム41をXY方向に動かして有機複屈折膜3を調整治具12で押し、有機複屈折膜3を透明基板1上で滑るように動かし(滑動)、有機複屈折膜3の位置修正を行う。そして、位置調整終了後、位置調整機構40を元の位置に戻す。
次に、スピンテーブル10を再度1100rpmで5秒間回転させ、スピンテーブル10の回転を停止する。その後、透明基板1上に位置検出機構18を移動し、XYの2方向について透明基板端と有機複屈折膜端の距離を測定し、透明基板端と有機複屈折膜端の距離が許容値内であることを確認する。さらに透明基板1のオリエンテーションフラットの延長線と有機複屈折膜3のオリエンテーションフラットの延長線が交わるときの角度(以後、各オリエンテーションフラットのなす角度と記述)を測定し、各オリエンテーションフラットのなす角度が許容値内であることを確認する。上記の2つの測定値が許容値を超えている場合は、許容値と実測値のずれを算出し、位置検出機構18を元に戻し、位置調整機構40の2軸アーム41を動かして調整治具12を有機複屈折膜3の側面に突き当て、前記の算出したずれに応じて2軸アーム41をXY方向に動かし、有機複屈折膜3を調整治具12で押し、有機複屈折膜3を透明基板1上で滑動し位置調整を行う。
次に、位置調整機構40を元の位置に戻し、再度スピンテーブル10を1100rpmで5秒間回転させ、スピンテーブル10の回転を停止し、透明基板1上に位置検出機構18を再度移動して、透明基板端と有機複屈折膜端の距離及び各オリエンテーションフラットのなす角度を測定し、許容値内に入るまで上記の作業を繰り返す。その後、紫外線照射機構30とリンス機構17を移動し、スピンテーブル10の回転を停止した状態で有機複屈折膜3側から第1の紫外線(UV)を照射して紫外線硬化型接着剤を半硬化させる。第1の紫外線照射後、スピンテーブル10を700rpmで回転させ、紫外線硬化型接着剤は溶解するが有機複屈折膜3は溶解しない有機溶媒(本実施例ではアセトンを使用)を透明基板端に滴下して、基板周辺部に残っていた紫外線硬化型接着剤を除去する。その後、スピンテーブル10の回転を停止し、リンス機構17を元の位置に戻す。そして、紫外線照射機構30を用いて有機複屈折膜3側から第2の紫外線(UV)を照射して紫外線硬化型接着剤を完全硬化させる。紫外線照射終了後、紫外線照射機構30を元の位置に戻し、スピンテーブル10の真空吸着を解除して、有機複屈折膜3を接着した透明基板1を取り出す。
上記のように本実施例の接着装置を用いると、実施例2の偏光分離素子の作製方法を実施できるため、透明基板1からの有機複屈折膜3のはみ出しを防止できる。
さらに透明基板1と有機複屈折膜3の相対位置を許容値内に納めることが可能となり、透明基板1のオリエンテーションフラットを基準位置にして1st露光を行う場合も、レジストパターンの方向は有機複屈折膜3の露光基準軸と一致するため、所望の光学特性を持つ偏光分離素子が得られ、歩留が向上する。
また、第1の紫外線を照射して紫外線硬化型接着剤を半硬化した後に、透明基板を回転させながら、紫外線硬化型接着剤は溶解するが有機複屈折膜3は溶解しない有機溶媒を滴下するため、基板周辺部には接着剤残が残らない。その結果、装置間や装置内の搬送で基板周辺部をハンドリングしても基板周辺部からの異物発生が非常に少ないので、偏光分離素子の製造歩留を向上できる。
さらにまた、有機複屈折膜3の一面に有機高分子からなる保護膜8が付いた有機複屈折膜3を用いると、実施例3,4の偏光分離素子の作製方法を実現できる。
さらにまた、第1の紫外線照射によって紫外線硬化型接着剤を完全硬化させると、実施例1の偏光分離素子の作製方法が実現できる。
なお、本実施例では回転後の有機複屈折膜のずれを目視で観察し、第1の紫外線を照射する前に測長顕微鏡で有機複屈折膜と透明基板の相対位置を精密に測定しているが、回転後の有機複屈折膜のずれを毎回測長顕微鏡等を用いて精密に測定しても良い。
また、前記の測定結果と許容値との差を割り出し、位置調整機構にフィードバック制御をかけることにより有機複屈折膜の位置ずれを短時間で調整できるので、より望ましい。
以上に説明した本発明の偏光分離素子の作製方法では、有機複屈折膜を透明基板に接着する際に、透明基板1からの有機複屈折膜3のはみ出しを防止でき、平坦性の良い表面を得る接着方法を用いているので、有機複屈折膜を用いた偏光分離素子の作製に好適に利用することができる。
そして、本発明に係る偏光分離素子は、前記の作製方法で作製したことにより、偏光分離素子の波面収差の向上と小型化が可能となり、CD系光ディスクやDVD系光ディスク等の光記録媒体の記録、再生に用いられる光ピックアップ装置に好適に利用することができる。また、本発明に係る光ピックアップ装置は、従来の光ピックアップ装置よりも小型化が可能となるので、小型でポータブルな光ディスクドライブ装置や、携帯用パーソナルコンピュータ等に搭載する光ディスクドライブ装置などに好適に利用することができる。
さらに本発明に係る接着装置は、偏光分離素子を作製する際の有機複屈折膜の接着工程に好適に利用できる他、その他の薄膜の基板への接着工程にも好適に利用することができる。
光分離素子の作製方法の参考実施例を示す工程説明図である。 透明基板上の有機複屈折膜の位置ずれ修正方法の説明図である。 実施例1の作製方法で透明基板に有機複屈折膜を接着した際の、基板上の直径方向の距離と接着剤層の膜厚の関係を示す図である。 本発明による偏光分離素子の作製方法の実施例を示す工程説明図である。 本発明による偏光分離素子の作製方法の別の実施例を示す工程説明図である。 本発明による偏光分離素子の作製方法のさらに別の実施例を示す工程説明図である。 本発明に係る光ピックアップ装置の一実施例を示す概略構成図である。 本発明に係る有機複屈折膜の接着装置の一実施例を示す概略構成図である。 従来の貼り合せ光ディスクの作製方法の一例を示す工程説明図である。 透明基板上に有機複屈折膜を接着する際の位置ずれを示す説明図である。 露光工程で必要となる有機複屈折膜と透明基板の相対位置を合わせるためのオリエンテーションフラットの説明図である。
符号の説明
1:透明基板
2:紫外線硬化型接着剤
3:有機複屈折膜
4:回折格子
5:等方性接着剤
6:対向透明基板
7:粘着剤
8:保護膜
10:スピンテーブル
11:ディスペンサー
12:調整治具
13:リンス機構のノズル
14:有機溶媒
15:ダイシングソー
16:ロボットアーム
17:リンス機構
18:位置検出機構
20:載置機構
21:吸着アーム
30:紫外線照射機構
40:位置調整機構
41:2軸アーム
101,112:偏光分離素子
111:レーザーダイオード
113:コリメータレンズ
114:λ/4波長板
115:対物レンズ
116:フォトダイオード
117:光ディスク(光記録媒体)

Claims (5)

  1. 透明基板上に入射光の異なる振動面に対して屈折率が異なる有機複屈折膜を接着する工程と、前記有機複屈折膜上に周期的なマスクパターンを形成し、前記マスクパターンを用いて有機複屈折膜をエッチングして周期的な凹凸格子からなる回折格子を形成する工程とを有する偏光分離素子の作製方法において、
    前記接着工程が、透明基板上に紫外線硬化型接着剤を塗布する工程と、その紫外線硬化型接着剤の上に有機複屈折膜を載置する工程と、透明基板を所定時間回転して透明基板の回転を停止する工程と、透明基板の回転を止めた状態で有機複屈折膜を透明基板上で滑動して位置を修正する工程と、再度透明基板を所定時間回転して透明基板の回転を停止し、透明基板と有機複屈折膜の相対位置が許容値内であることを確認する工程と、透明基板の回転を止めた状態で第1の紫外線を照射する工程と、透明基板を回転しながら、紫外線硬化型接着剤は溶解するが有機複屈折膜は溶解しない有機溶媒を滴下して透明基板の周辺部の紫外線硬化型接着剤を除去する工程と、その後、透明基板に第2の紫外線を照射して紫外線硬化型接着剤を硬化する工程とからなることを特徴とする偏光分離素子の作製方法。
  2. 請求項1記載の偏光分離素子の作製方法において、
    前記透明基板はオリエンテーションフラットを有し、前記有機複屈折膜は面内で屈折率の異なる2方向のうち特定の1方向に対して指標となるマークを有する構造を持ち、かつ透明基板と有機複屈折膜の相対位置が許容値内であることを確認する項目が、有機複屈折膜端と透明基板端の距離および有機複屈折膜のマークと透明基板のオリエンテーションフラットの相対位置であることを特徴とする偏光分離素子の作製方法。
  3. 請求項1または2記載の偏光分離素子の作製方法において、
    前記有機複屈折膜は透明基板と接着する面と対向する面に保護膜が付いており、透明基板に第1の紫外線を照射した後に有機複屈折膜から保護膜を剥離することを特徴とする偏光分離素子の作製方法。
  4. 請求項1または2記載の偏光分離素子の作製方法において、
    前記有機複屈折膜は透明基板と接着する面と対向する面に保護膜が付いており、透明基板に第の紫外線を照射した後に有機複屈折膜から保護膜を剥離することを特徴とする偏光分離素子の作製方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか一つに記載の偏光分離素子の作製方法において、
    前記有機溶媒がイソプロピルアルコールまたはアセトンの少なくとも一方であることを特徴とする偏光分離素子の作製方法。
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