JP2007026589A - ホログラム素子の製造方法および光ピックアップ装置 - Google Patents

ホログラム素子の製造方法および光ピックアップ装置 Download PDF

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Abstract


【課題】 複数の各領域に形成されるホログラムパターンの回折格子の格子間隔が異なっても、各領域において高い1次回折効率を得ることができ、各領域での1次回折効率としてほぼ一定の値が得られるホログラム素子の製造方法を提供する。
【解決手段】 透明基板41の表面に感光材料膜44を形成した後、格子間隔の異なる第1領域の第1ホログラムパターン42および第2領域の第2ホログラムパターン43をマスクパターン44a,44bとして各領域の格子間隔に応じた好適な露光量でそれぞれ現像する。その後エッチングして第1ホログラムパターン42および第2ホログラムパターン43を形成することにより、各領域のホログラムパターンの回折格子として、凸部の幅と格子間隔との比であるデューティ比が好適であり、かつ各領域間のデューティ比の値が略等しいものを形成することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、たとえば、CD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)などの光記録媒体に光を照射して情報を記録および/または再生する光ピックアップ装置に好適に用いられるホログラム素子の製造方法および光ピックアップ装置に関する。
情報の記録および再生が可能な光記録媒体として、波長780nmの光によって情報の記録および再生が行われるCD、CDに用いられる波長よりも短い波長630〜690nmの光によって情報の記録および再生が行われるDVDが広く使用されている。光記録媒体に記録される情報の再生は、光記録媒体に存在する微細なピットにレーザ光を照射し反射させ、その反射光の光量の変化を記録情報として捉える光ピックアップ装置によって行われる。
図17は、従来の光ピックアップ装置1の構成を概略的に示す斜視図である。光ピックアップ装置1は、光記録媒体2に向けてレーザ光を出射する光源3と、光源3からの出射光を0次回折光、±1次回折光に分岐するグレーティング4と、光源3からの出射光を透過し光記録媒体2からの反射光を光検出器9に向けて反射するビームスプリッタ5と、入射光を平行光にするコリメータレンズ6と、光記録媒体2の情報記録面上に光を集光する対物レンズ7と、ビームスプリッタ5により光検出器9に向けて反射される光を分割し光検出器9の受光素子に入射させる偏光分離素子8と、光記録媒体2からの反射光を受光する光検出器9とを含んで構成される。
光記録媒体2に記録される情報を再生する際、光源3から出射された光は、グレーティング4によって0次回折光、±1次回折光に分岐されてビームスプリッタ5を透過し、コリメータレンズ6を透過して平行光となり、対物レンズ7によって光記録媒体2の情報記録面上に集光される。光記録媒体2の情報記録面で反射された光は、対物レンズ7およびコリメータレンズ6を透過してビームスプリッタ5で反射され、偏光分離素子8により分割されて光検出器9の受光素子に入射する。光検出器9では、入射した光を信号に変換し、光記録媒体2に記録される情報を得る。
このような構成の光ピックアップ装置は、たとえばノート型パーソナルコンピュータ、モバイル光情報記録再生装置に搭載されて汎用されるので、小型化が必須の開発課題とされている。光ピックアップ装置の小型化を実現する代表的な例として、ホログラム素子を用いて光源と光検出器とを一体化する光集積ユニットが提案されている。
図18は、光集積ユニット11が搭載される光ピックアップ装置12の構成を概略的に示す斜視図である。光ピックアップ装置12は、大略的に、光集積ユニット11と対物レンズ13との間にコリメータレンズ14が配置される簡単な構成となっている。
光集積ユニット11は、ホログラム素子15と、光を出射する光源であるレーザ素子16と、光記録媒体19からの反射光を受光する受光素子17とを含む。ホログラム素子15は、複数に分割された領域にそれぞれ回折格子が形成されるホログラムパターン18を有する。
レーザ素子16から出射された光は、ホログラム素子15のホログラムパターン18を透過し、コリメータレンズ14を透過して対物レンズ13によって光記録媒体19の情報記録面に集光される。対物レンズ13およびコリメータレンズ14を透過した光記録媒体19からの反射光は、ホログラムパターン18に入射し、ホログラムパターン18の各領域の回折格子によって回折されて受光素子17に入射する。
受光素子17に入射した光のうち、ホログラムパターン18の一方の領域で回折された光記録媒体19からの反射光は光記録媒体19に記録される情報の検出に用いられ、ホログラムパターン18の他方の領域で回折された光記録媒体19からの反射光は光記録媒体19に記録される情報の検出および光記録媒体19へ入射する光の焦点位置を制御するための信号であるフォーカスエラー信号(以後、FE信号とも呼ぶ)の検出に用いられる。また、ホログラムパターン18の複数の各領域で回折された光の強度差によって、光記録媒体19に形成されるトラックに光を追従させるための信号であるトラッキングエラー信号(以後、TE信号とも呼ぶ)の検出を行う。
光ピックアップ装置の光学部品としてホログラム素子を用いると、光ピックアップ装置の小型化だけでなく、光ピックアップ装置の部品点数削減、組立て工程の簡略化などの利点もある。このため、ホログラム素子を用いることによって、光ピックアップ装置の低価格化を実現することができる。
光ピックアップ装置の光学部品として用いられるホログラム素子は、数mm角程度の大きさである。このホログラム素子は、大量かつ安価に製造することを目的として、比較的大きい寸法の光透過性基板(以後、透明基板とも呼ぶ)に一括して複数のホログラム素子を形成した後に、前記基板をホログラム素子単位に分断することにより製造される。ホログラム素子には、極めて微細な回折格子であるホログラムパターンが精密に形成される。回折パターンを形成する方法としては、たとえば、半導体装置の製造方法を利用する方法がある。
図19は、半導体装置の製造方法を利用する従来のホログラム素子の製造方法を概略的に示す断面図である。図19に示すホログラム素子の製造方法は、洗浄工程と、感光材料塗布工程と、露光工程と、エッチング工程と、アッシング工程と、分割工程とを含む。
洗浄工程では、図19(a)に示すように、ガラス基板などの透明基板21を洗浄する。感光材料塗布工程では、図19(b)に示すように、洗浄された透明基板21の一方の面にフォトレジストなどの感光材料をたとえばスピンコート法などによって塗布し、透明基板21上に感光材料膜22を形成する。露光工程では、図19(c)に示すように、感光材料膜22に所定の微細なマスクパターン22aを現像する。具体的には、ホログラムパターンが形成される不図示のフォトマスクを感光材料膜22に密着させて設け、フォトマスクの感光材料膜22を臨む側と反対側から光を照射することによって感光材料膜22を感光させ、ホログラムパターンの潜像を形成する。さらに、感光された感光材料膜22に現像液を塗布することによって、感光材料膜22にマスクパターン22aを現像する。
エッチング工程では、図19(d)に示すように、四フッ化炭素(CF)、三フッ化メタン(CHF)などのガス雰囲気中で、ドライエッチングの一種である反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)法によって、感光材料膜22からなるマスクパターン22aをマスクとして透明基板21をエッチングし、透明基板21の一方の面にホログラムパターン21aを形成する。なお、感光材料膜22からなるマスクパターン22aも透明基板21と同時にエッチングされるので、感光材料塗布工程では、透明基板21の加工レートと感光材料膜22の加工レートとの関係を予め把握しておき、透明基板21に予め定める深さのホログラムパターン21aが形成された後でも感光材料膜22からなるマスクパターン22aが透明基板21上に残留するように、塗布する感光材料膜22の厚みを決定する。
アッシング工程では、図19(e)に示すように、透明基板21上に残留する感光材料膜22からなるマスクパターン22aを酸素ガス雰囲気中で灰化除去(アッシング)する。感光材料膜22は、溶剤などによって除去されてもよい。分割工程では、このようにして透明基板21の一方の面に形成される複数のホログラム素子を、図19(f)に示すように、最終的に必要とされる最小単位の形状に分割(ダイシング)する。
以上のようなホログラム素子の製造方法では、透明基板21として、たとえばガラス基板などを用いることができる。ガラス基板からなるホログラム素子は、過酷な使用環境下においても安定な動作を発揮することができるので、車載用途などに広く用いられている。また、光ピックアップ装置に用いられるホログラム素子には、その裏面に、入射光をたとえば0次回折光と±1次回折光とに分離する回折格子として用いられるグレーティングパターンが形成され、さらなる高集積化が図られるものがある。
図19に示す半導体装置の製造方法を利用する方法によって製造したホログラム素子の裏面にグレーティングパターンを形成する場合、図19(e)に示すアッシング工程の後、基板の他方の面に感光材料を塗布して同様の露光工程、エッチング工程およびアッシング工程を行って透明基板の他方の面にグレーティングパターンを形成し、分割工程を行うことにより、一方の面にホログラムパターンが形成され、他方の面にグレーティングパターンが形成されるホログラム素子を作製することができる。
しかしながら、半導体装置の製造方法を利用するホログラム素子の製造方法では、RIE法によるエッチング工程に長時間を要し、また、ホログラムパターンとグレーティングパターンとを同時に形成することができないので、ホログラム素子の製造効率を向上させることが困難である。そこで、透明基板の一方の面と他方の面とに同時にホログラムパターンを形成することができる製造方法として、フォトポリマー法(Photo Polymer法;以後、2P法とも呼ぶ)が用いられている。2P法は、ホログラムパターンの型が形成されるスタンパと呼ばれる透明原盤と、表面が平滑な基板との間に紫外線硬化樹脂を挟み、紫外線硬化樹脂に対して紫外線を照射して硬化させることにより、紫外線硬化樹脂にホログラムパターンを形成する方法である。以下2P法について詳細に説明する。
図20は2P法を利用する従来のホログラム素子の製造方法を概略的に示す断面図であり、図21は2P法を利用する従来のホログラム素子の製造方法に用いられるホログラム素子製造装置31の構成を概略的に示す側面図である。図20に示すホログラム素子の製造方法は、紫外線硬化樹脂塗布工程と、押圧工程と、紫外線照射工程と、剥離工程とを含む。
まず、図21に示すホログラム素子製造装置31について説明する。ホログラム素子製造装置31は、表面が平滑な透明基板32とホログラムパターンおよびグレーティングパターンの型がそれぞれ形成されるスタンパ33,34との間に挟まれる紫外線硬化樹脂35,36に紫外線を照射するUV光源37と、紫外線硬化樹脂35,36が挟まれる透明基板32およびスタンパ33,34を載置するとともに挟込んで支持する1対の支持手段38a,38bと、下側支持手段38bを押圧することにより下側支持手段38bを軸部材40の延びる方向に対して進退可能に移動させる押圧シリンダ39とを含んで構成される。
このようなホログラム素子製造装置31を用い、2P法によってホログラム素子を製造する方法について説明する。紫外線硬化樹脂塗布工程では、図20(a)に示すように、ホログラムパターンを形成すべき透明基板32の一方の面に紫外線硬化樹脂35を塗布するとともに、予めグレーティングパターンの型が形成されるスタンパ34の該型が形成される側の面に紫外線硬化樹脂36を塗布する。紫外線硬化樹脂35,36が透明基板32およびスタンパ34に塗布されると、透明基板32の紫外線硬化樹脂35が塗布される側の面とホログラムパターンの型が形成されるスタンパ33の該型が形成される側の面とを接触または対向させるとともに、スタンパ34の紫外線硬化樹脂36が塗布される面と透明基板32の紫外線硬化樹脂35が塗布されない側の面とを接触または対向させて下側支持手段38b上に載置する。
押圧工程では、図20(b)に示すように、透明基板32、スタンパ33,34および紫外線硬化樹脂35,36が載置される下側支持手段38bを押圧シリンダ39によって図21の紙面に向って上側に移動させ、上側支持手段38aと下側支持手段38bとの間に支持される透明基板32、スタンパ33,34および紫外線硬化樹脂35,36に圧力を付与し、紫外線硬化樹脂35,36を透明基板32とスタンパ33との間で形成される空隙および透明基板32とスタンパ34との間で形成される空隙にそれぞれ充填させる。紫外線照射工程では、UV光源37によって紫外線硬化樹脂35,36に紫外線を照射し、紫外線硬化樹脂35,36を硬化させる。剥離工程では、図20(c)に示すように、スタンパ33,34から紫外線硬化樹脂35,36を剥離する。
紫外線硬化樹脂35,36としては、硬化後の透明基板32との接着性がスタンパ33,34との接着性よりも優れているような材料を選択するか、または透明基板32との接着性を前処理によって予め向上させておくことが必要である。このことによって、透明基板32の一方の面にホログラムパターン35aを形成し、透明基板32の他方の面にグレーティングパターン36aを形成することができる。その後、必要な形状に分割することによって、複数のホログラム素子を作製する。
2P法を利用したホログラム素子の製造方法によれば、透明基板32およびスタンパ33,34として、ともに紫外線透過性の材料からなるものを用いることによって紫外線硬化樹脂35,36に紫外線を照射することができ、透明基板32の両面に、光分岐機能およびFE信号生成機能を有するホログラムパターンと、光分岐機能およびTE信号生成機能を有するグレーティングパターンとを同時に形成することができる。これによって、高集積化が実現されるホログラム素子の製造効率を向上させることができる。
なお、2P法を利用したホログラム素子の製造方法で用いられるスタンパ33,34は、前述の半導体装置の製造方法を利用するホログラム素子の製造方法によって製造される。
2P法を利用したホログラム素子の製造方法では、前述のようにホログラム素子の製造効率を向上することができるけれども、ホログラムパターンを形成する素材として紫外線硬化樹脂を用いる必要があり、より過酷な環境での使用に耐え得るガラス基板からなるホログラム素子を製造することはできない。したがって、透明基板として用いる素材に応じて、半導体装置の製造方法を利用するホログラム素子の製造方法と、2P法を利用したホログラム素子の製造方法とのいずれを用いるかが決定されている。
このようにして製造されるホログラム素子は、前述のように、光記録媒体に記録される情報信号の検出、FE信号の検出、TE信号の検出など、各信号の検出に用いられる。特に、TE信号の検出では、ホログラム素子に形成されるホログラムパターンの複数の各領域で回折された光の強度差によって信号検出が行われる。ここで、前述したような従来のホログラム素子の製造方法によりホログラム素子を製造すると、ホログラム素子の1次回折効率が領域ごとに異なることによって、TE信号にオフセットが発生し、光ピックアップ装置による光記録媒体上のトラックへの追従をうまく行えなくなり、情報の検出が困難となることがある。
ホログラム素子の1次回折効率は、ホログラムパターンの回折格子のデューティ比と、溝深さとによって決定される。ここで、1次回折効率とは、1次光である入射光が回折格子を透過する際の回折光のエネルギと入射光のエネルギとの比である。以下デューティ比について説明する。
図22は矩形断面の溝(凹部)および凸部を有する回折格子の格子間隔Dと凸部の幅dとを示す断面図であり、図23は側壁がテーパになる溝(凹部)を有する回折格子の格子間隔Dと凸部の幅dとを示す断面図である。図23における側壁がテーパになる溝を有する回折格子では、凸部の幅dは溝の深さtの半分の高さにおける凸部の幅と定義する。
デューティ比は、回折格子の凸部の幅dと回折格子のピッチである格子間隔Dとの比(d/D)である。デューティ比が0.5であるとき、回折格子の凸部の幅dと溝の幅(D−d)とが等しくなるので、高い回折効率を得ることができる。したがって、デューティ比は0.5に近い値であることが好適である。このようなデューティ比は、露光工程における露光量が異なることにより変化する。その理由について以下説明する。
露光工程で用いるフォトマスクには複数のスリットが形成される。露光工程では、前述のように、ホログラムパターンが形成されるフォトマスクを感光材料膜に密着させて設け、フォトマスクの感光材料膜を臨む側と反対側から光を照射することによって、該スリットが形成される部分の直下に存在する感光材料膜を感光させ、ホログラムパターンの潜像を形成する。フォトマスクにスリットが形成されるスリット部直下の透明基板は、その部分がエッチング工程を経てホログラムパターンの回折格子の溝(凹部)となる。
ここで、フォトマスクの感光材料膜を臨む側と反対側から露光する際、照射した光がスリット部とスリット部でない非スリット部との境界付近において散乱する散乱光が生じ、スリット部直下近傍の非スリット部の感光材料膜が露光され、エッチング工程後凸部となるべき部分が凹部となり、デューティ比が小さくなることがある。このため、フォトマスクで設計されたスリット部と非スリット部との幅が、エッチング後のパターンの凹部と凸部の幅に必ずしも一致しない。露光量が大きくなると、スリット部および非スリット部の幅に対する散乱光の影響は大きくなる。露光量がある程度まで大きくなると、スリット部と非スリット部との境界で生じる散乱光が一定となり、エッチング後に凹部と凸部の比は一定の値に近づく。したがって、好適なデューティ比の回折格子を形成し、各領域における1次回折効率を一定にするためには、露光工程における露光量を最適な値に決定する必要がある。
そこで、露光量を最適な値に設定することにより、各領域に形成されるホログラムパターンの1次回折効率を略等しくするホログラム素子の製造方法が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1に開示されるホログラム素子の製造方法では、前述の半導体装置の製造方法が利用される。
特許文献1に開示の方法では、まず、露光工程における露光量の値を変化させて複数のホログラム素子サンプルを作製し、各ホログラム素子サンプルの各領域に形成されるホログラムパターンの1次回折効率を測定する。各領域での1次回折効率の測定結果から、各領域の回折効率のデューティ比およびホログラム素子の1つの領域の1次回折効率と他の領域の1次回折効率との比である1次回折効率比を算出する。デューティ比は、レーザ顕微鏡などにより回折格子の凸部の幅と回折格子の格子間隔とを測定することによって求められるけれども、ホログラム素子に形成される回折格子の格子間隔は2μm程度と非常に小さいので、高精度で測定することが困難である。したがって、特許文献1に開示の方法では、1次回折効率の測定値からデューティ比が算出される。
このようにして、複数個のホログラム素子サンプルを作製することによって、各領域の回折効率のデューティ比が0.4〜0.6であり、かつ1次回折効率比が0.9〜1.1となる場合の最適な露光量を予め試験によって求め、該最適な露光量で露光工程を行うことによりホログラム素子を量産する。
特許文献1に開示の方法では、最適な露光量を予め試験により求めることにより、好適なデューティ比および1次回折効率比が得られるホログラム素子を製造することができるので、高い1次回折効率が得られ、かつ各領域における1次回折効率が略等しい光学特性に優れるホログラム素子を得ることができるとされる。
しかしながら、好適なデューティ比を得るための最適な露光量は、フォトマスクに形成されるスリット部の幅、すなわち回折格子の凹部の幅により異なる。たとえば、同じ露光量で露光工程を行っても、フォトマスクに形成されるスリット部の幅が大きいと、スリット部から非スリット部側に入射する散乱光の光量が多くなるので、非スリット部直下の感光材料膜の露光される面積、すなわちホログラムパターン形成後における回折格子の凹部の面積が大きくなりデューティ比が小さくなる。一方、フォトマスクに形成されるスリット部の幅が小さいと、スリット部から非スリット部側に入射する散乱光の光量が少なくなるので、非スリット部直下の感光材料膜の露光される面積、すなわちホログラムパターン形成後における回折格子の凹部の面積が小さくなりデューティ比が大きくなる。
このため、特許文献1に開示の方法では、各領域に形成される回折格子の凹部の幅の差、すなわち各領域に形成されるホログラムパターンの回折格子の格子間隔の差が大きくなると、各領域のホログラムパターンに対する最適な露光量の値にも差が出てしまい、すべての領域において回折格子のデューティ比が0.4〜0.6であり、かつ1次回折効率比が0.9〜1.1となるような露光量の値が存在せず、ホログラム素子が製造できない恐れがある。したがって、各領域のホログラムパターンの回折格子の格子間隔が異なっても、各領域の回折格子のデューティ比を好適な値として各領域において高い1次回折効率を得ることができ、各領域での1次回折効率としてほぼ一定の値が得られるホログラム素子の製造方法が求められる。
特開2002−258725号公報
本発明の目的は、複数の各領域に形成されるホログラムパターンの回折格子の格子間隔が異なっても、各領域において高い1次回折効率を得ることができ、各領域での1次回折効率としてほぼ一定の値が得られるホログラム素子の製造方法および該方法を用いて製造されるホログラム素子を備える光ピックアップ装置を提供することである。
本発明は、透明基板上に複数の領域が形成され、複数の各領域に回折格子が形成されるホログラムパターンを有するホログラム素子の製造方法において、
透明基板の表面に感光材料を塗布する感光材料塗布工程と、
透明基板に塗布された感光材料を第1マスクにより選択的に露光し、透明基板上の第1領域にある感光材料に第1ホログラムパターンを現像する第1露光工程と、
透明基板に塗布された感光材料を第2マスクにより選択的に露光し、透明基板上の第2領域にある感光材料に第2ホログラムパターンを現像する第2露光工程と、
第1露光工程および第2露光工程で露光し現像された感光材料および透明基板をエッチングして第1ホログラムパターンおよび第2ホログラムパターンを形成するエッチング工程とを含み、
第1ホログラムパターンおよび第2ホログラムパターンは、
回折格子の格子間隔がそれぞれ異なることを特徴とするホログラム素子の製造方法である。
また本発明は、透明基板上に複数の領域が形成され、複数の各領域に回折格子が形成されるホログラムパターンを有するホログラム素子の製造方法において、
透明基板の表面に感光材料を塗布する感光材料塗布工程と、
透明基板に塗布された感光材料を第1マスクにより選択的に露光し、透明基板上の第1領域にある感光材料に第1ホログラムパターンを現像する第1露光工程と、
第1露光工程で露光し現像された感光材料および透明基板をエッチングして第1ホログラムパターンを形成する第1エッチング工程と、
透明基板に塗布された感光材料を第2マスクにより選択的に露光し、透明基板上の第2領域にある感光材料に第2ホログラムパターンを現像する第2露光工程と、
第2露光工程で露光し現像された感光材料および透明基板をエッチングして第2ホログラムパターンを形成する第2エッチング工程とを含み、
第1ホログラムパターンおよび第2ホログラムパターンは、
回折格子の格子間隔がそれぞれ異なることを特徴とするホログラム素子の製造方法である。
また本発明は、第1領域と第2領域との間には、
ホログラムパターンが形成されない領域が設けられることを特徴とする。
また本発明は、前記ホログラムパターンが形成されない領域には、
凹凸が形成されることを特徴とする。
また本発明は、前記ホログラムパターンが形成されない領域は、
第1領域と第2領域とが対向する方向における長さが、1μm以上100μm以下であることを特徴とする。
また本発明は、前記ホログラムパターンが形成されない領域は、
第1領域と第2領域とが対向する方向における長さが、30μm以上100μm以下であることを特徴とする。
また本発明は、前記ホログラムパターンが形成されない領域は、
第1領域と第2領域とが対向する方向における長さが、30μm以上40μm以下であることを特徴とする。
また本発明は、第1ホログラムパターンおよび第2ホログラムパターンは、
一方のホログラムパターンの回折格子の格子間隔が1.74μm以上2.75μm以下であり、他方のホログラムパターンの回折格子の格子間隔が1.42μm以上1.98μm以下であることを特徴とする。
また本発明は、第1ホログラムパターンおよび第2ホログラムパターンは、
一方のホログラムパターンの回折格子の回折角が16°以上26°以下であり、他方のホログラムパターンの回折格子の回折角が19°以上33°以下であることを特徴とする。
また本発明は、基板の表面に紫外線硬化樹脂を塗布する紫外線硬化樹脂塗布工程と、基板に塗布される紫外線硬化樹脂に対して予めホログラムパターンが形成されたスタンパを押圧させる押圧工程と、紫外線硬化樹脂に紫外線を照射する紫外線照射工程と、スタンパを紫外線硬化樹脂から剥離する剥離工程とを含むホログラム素子の製造方法であって、
スタンパは、
前記記載のホログラム素子の製造方法により製造されるホログラム素子であることを特徴とするホログラム素子の製造方法である。
また本発明は、紫外線硬化樹脂塗布工程では、
基板の両面に紫外線硬化樹脂を塗布し、
押圧工程では、
基板の一方の面に塗布される紫外線硬化樹脂に対して、基板の一方の面に対向して設けられるスタンパを押圧させるとともに、基板の他方の面に塗布される紫外線硬化樹脂に対して、基板の他方の面に対向して設けられるスタンパを押圧させ、
紫外線照射工程では、
基板の一方の面を臨んで設けられる光源によって、基板の一方の面に塗布される紫外線硬化樹脂に紫外線を照射することを特徴とする。
また本発明は、基板は、紫外線吸収剤を含む樹脂からなり、
紫外線照射工程では、
基板の他方の面に塗布される紫外線硬化樹脂に、基板の他方の面を臨んで設けられる反射手段によって、光源から出射される光の反射光を照射することを特徴とする。
また本発明は、前記反射手段は、
基板の他方の面を臨む側の面が、平行に入射した光の反射光が1点に集光される放物面状であるパラボラ形状に形成されることを特徴とする。
また本発明は、スタンパは、
基板を臨む側の面の面積が、基板のスタンパを臨む側の面の面積よりも大きく、
基板を臨む側の面の前記基板の面積よりも大きい部分に、基板の一方の面に対向して設けられるスタンパと基板の他方の面に対向して設けられるスタンパとの位置を合わせるための位置合わせ用パターンが形成されることを特徴とする。
また本発明は、前記記載のホログラム素子の製造方法によって製造されるホログラム素子を備えることを特徴とする光ピックアップ装置である。
本発明によれば、透明基板上に複数の領域が形成され、複数の各領域に格子間隔の異なる回折格子が形成されるホログラムパターンを有するホログラム素子は、透明基板の表面に感光材料を塗布する感光材料塗布工程と、透明基板に塗布された感光材料を第1マスクにより選択的に露光し、透明基板上の第1領域にある感光材料に第1ホログラムパターンを現像する第1露光工程と、透明基板に塗布された感光材料を第2マスクにより選択的に露光し、透明基板上の第2領域にある感光材料に第2ホログラムパターンを現像する第2露光工程と、第1露光工程および第2露光工程で露光し現像された感光材料および透明基板をエッチングして第1ホログラムパターンおよび第2ホログラムパターンを形成するエッチング工程とを含む製造方法により製造される。
このため、格子間隔の異なる第1領域の第1ホログラムパターンおよび第2領域の第2ホログラムパターンが、各領域の格子間隔に応じた好適な露光量でそれぞれ現像されるので、各領域のホログラムパターンの回折格子として、凸部の幅と格子間隔との比であるデューティ比が好適であり、かつ各領域間のデューティ比の値が略等しいものを形成することができる。したがって、各領域において高い1次回折効率を得ることができるとともに、各領域での1次回折効率としてほぼ一定の値が得られ、光学特性に優れるホログラム素子を製造することができる。
また本発明によれば、透明基板上に複数の領域が形成され、複数の各領域に格子間隔の異なる回折格子が形成されるホログラムパターンを有するホログラム素子は、透明基板の表面に感光材料を塗布する感光材料塗布工程と、透明基板に塗布された感光材料を第1マスクにより選択的に露光し、透明基板上の第1領域にある感光材料に第1ホログラムパターンを現像する第1露光工程と、第1露光工程で露光し現像された感光材料および透明基板をエッチングして第1ホログラムパターンを形成する第1エッチング工程と、透明基板に塗布された感光材料を第2マスクにより選択的に露光し、透明基板上の第2領域にある感光材料に第2ホログラムパターンを現像する第2露光工程と、第2露光工程で露光し現像された感光材料および透明基板をエッチングして第2ホログラムパターンを形成する第2エッチング工程とを含む製造方法により製造される。
このため、格子間隔の異なる第1領域の第1ホログラムパターンおよび第2領域の第2ホログラムパターンが、各領域の格子間隔に応じた好適な露光量でそれぞれ現像されるので、各領域のホログラムパターンの回折格子として、デューティ比が好適な値であり、かつ各領域間のデューティ比の値が等しいものを形成することができる。さらに、格子間隔の異なる第1ホログラムパターンおよび第2ホログラムパターンが、各領域の格子間隔に応じた好適な時間でエッチングされて形成されるので、第1ホログラムパターンの回折格子の溝深さと第2ホログラムパターンの回折格子の溝深さとを略等しくすることができる。このことによって、第1ホログラムパターンおよび第2ホログラムパターンのデューティ比および溝深さを略等しくすることができるので、ホログラム素子の各領域における1次回折効率をほぼ等しく、かつ各領域での1次回折効率の値を高めることができる。
また本発明によれば、第1領域と第2領域との間には、ホログラムパターンが形成されない領域が設けられる。第1領域の第1ホログラムパターンと第2領域の第2ホログラムパターンとをそれぞれ別々に現像すると、ホログラムパターン同士が重なり合って現像される恐れがあり、ホログラムパターンが重なって形成されると、光ピックアップ装置の光学部品として使用する際に、該重なり部分に入射した光記録媒体からの反射光が光記録媒体の再生光に対して迷光となり、このような迷光が信号検出用受光素子に入射して信号オフセットの増大を生じさせ、光記録媒体の再生または記録不良などの原因となる恐れがあるけれども、第1領域と第2領域との間にホログラムパターンが形成されない領域を設けることにより、これらの問題を防止することができる。
また本発明によれば、ホログラムパターンが形成されない領域には凹凸が形成される。ホログラムパターンが形成されない領域に凹凸を形成することにより、該領域への入射光が全方位へ反射される散乱光となり、その強度が弱められるとともに、戻り光の入射を抑制することができるので、該領域への入射光が光記録媒体の再生光に対して迷光となることを一層防止できる。
また本発明によれば、ホログラムパターンが形成されない領域は、第1領域と第2領域とが対向する方向における長さが1μm以上100μm以下であり、好ましくは30μm以上100μm以下、さらに好ましくは30μm以上40μm以下である。ホログラムパターンが形成されない領域の長さがこのような範囲であると、ホログラム素子からの回折光の光量を低減することなく、ホログラムパターン同士の重なりを充分に防止することができる。
また本発明によれば、第1ホログラムパターンおよび第2ホログラムパターンは、一方のホログラムパターンの回折格子の格子間隔が1.74μm以上2.75μm以下であり、他方のホログラムパターンの回折格子の格子間隔が1.42μm以上1.98μm以下である。第1ホログラムパターンおよび第2ホログラムパターンの回折格子の格子間隔がこのような範囲であるとき、各領域のホログラムパターンを同一の露光工程により現像するとデューティ比に差が生じやすいので、ホログラムパターンを別々に現像することによりデューティ比を略等しくする効果が特に発揮される。
また本発明によれば、第1ホログラムパターンおよび第2ホログラムパターンは、一方のホログラムパターンの回折格子の回折角が16°以上26°以下であり、他方のホログラムパターンの回折格子の回折角が19°以上33°以下である。第1ホログラムパターンおよび第2ホログラムパターンの回折格子の回折角がこのような範囲であると、各領域のホログラムパターンを同一の露光工程により現像する際にデューティ比の差が生じやすいので、各領域のホログラムパターンを別々に露光する方法が特に好ましく用いられる。
また本発明によれば、基板の表面に紫外線硬化樹脂を塗布する紫外線硬化樹脂塗布工程と、基板に塗布される紫外線硬化樹脂に対して予めホログラムパターンが形成されたスタンパを押圧させる押圧工程と、紫外線硬化樹脂に紫外線を照射する紫外線照射工程と、スタンパを紫外線硬化樹脂から剥離する剥離工程とを含むホログラム素子の製造方法(2P法;Photo Polymer法)に用いるスタンパとして、前記のようなホログラム素子の製造方法により製造されるホログラム素子を用いる。このようなスタンパを用いて形成されるホログラム素子は、スタンパに形成されるホログラムパターンの型のデューティ比が好適な値であるとともに各領域のデューティ比が略等しい値であるので、2P法により製造したホログラム素子についても光学特性に優れるものとすることができる。
また本発明によれば、紫外線硬化樹脂塗布工程では、基板の両面に紫外線硬化樹脂を塗布し、押圧工程では、基板の一方の面に塗布される紫外線硬化樹脂に対して、基板の一方の面に対向して設けられるスタンパを押圧させるとともに、基板の他方の面に塗布される紫外線硬化樹脂に対して、基板の他方の面に対向して設けられるスタンパを押圧させ、紫外線照射工程では、基板の一方の面を臨んで設けられる光源によって、基板の一方の面に塗布される紫外線硬化樹脂に紫外線を照射する。このようにして、基板の両面に同時にホログラムパターンを形成することができ、ホログラム素子の製造効率を高めることができる。
また本発明によれば、基板は、紫外線吸収剤を含む樹脂からなり、紫外線照射工程では、基板の他方の面に塗布される紫外線硬化樹脂に、基板の他方の面を臨んで設けられる反射手段によって、光源から出射される光の反射光を照射する。このため、一方の面に塗布された紫外線硬化樹脂を硬化させる際に照射する紫外線によって他方の面に塗布された紫外線硬化樹脂を硬化させることができるので、紫外線硬化樹脂を硬化させるための紫外線の光量を低減することができ、省エネルギ化を図ることができる。
また本発明によれば、反射手段の基板の他方の面を臨む側の面が、平行に入射した光の反射光が1点に集光される放物面状であるパラボラ形状に形成されるので、反射光を基板の他方の面に入射させやすく、基板の他方の面に塗布される紫外線硬化樹脂を効率よく硬化させることができる。
また本発明によれば、スタンパは、基板を臨む側の面の面積が、基板のスタンパを臨む側の面の面積よりも大きく、基板を臨む側の面の前記基板の面積よりも大きい部分に、基板の一方の面に対向して設けられるスタンパと基板の他方の面に対向して設けられるスタンパとの位置を合わせるための位置合わせ用パターンが形成される。このような位置合わせ用パターンを形成することにより、基板のより多くの面積の部分にホログラムパターンを形成することができるとともに、一方の面に形成されるホログラムパターンと、他方の面に形成されるホログラムパターンとの位置合わせを行うことができ、光学特性に優れるホログラム素子を製造することができる。
また本発明によれば、光ピックアップ装置は、前記のような方法により製造されるホログラム素子を備え、該ホログラム素子は、各領域において高い1次回折効率を得ることができるとともに、各領域での1次回折効率としてほぼ一定の値が得られるので、信号検出の精度を向上させることができる。
図1は、本発明の実施の一態様であるホログラム素子の製造方法を概略的に示す断面図である。本実施態様のホログラム素子の製造方法は、透明基板41上に複数の領域が形成され、複数の各領域に回折格子が形成されるホログラムパターンを有するホログラム素子の製造方法であって、透明基板41の表面に感光材料を塗布する感光材料塗布工程と、透明基板41に塗布された感光材料を第1マスクにより選択的に露光し、透明基板41上の第1領域にある感光材料に第1ホログラムパターン42を現像する第1露光工程と、透明基板41に塗布された感光材料を第2マスクにより選択的に露光し、透明基板41上の第2領域にある感光材料に第2ホログラムパターン43を現像する第2露光工程と、第1露光工程および第2露光工程で露光し現像された感光材料および透明基板41をエッチングして第1ホログラムパターン42および第2ホログラムパターン43を形成するエッチング工程とを含み、第1ホログラムパターン42および第2ホログラムパターン43は、回折格子の格子間隔がそれぞれ異なることを特徴とする。
本実施態様では、半導体装置の製造方法を利用してホログラム素子を製造する。まず手順A1では、透明基板41を洗浄する洗浄工程を行う。透明基板41としては、たとえば、130mm角、厚さ2mmの石英ガラスなどを用いることができる。透明基板41の洗浄は、アルカリ洗剤、イソプロピルアルコール(IPA)、純水で順次洗浄することにより行う。
手順A2では、洗浄された透明基板41の表面に感光材料を塗布する感光材料塗布工程を行う。感光材料塗布工程では、透明基板41の一方の面に感光材料を、たとえばスピンコート法などにより塗布し、透明基板41の表面に感光材料膜44を形成する。感光材料塗布工程では、たとえば、感光材料としてポジ型フォトレジスト(S1808、ロームアンドハーツ社製)を用い、スピンコート法により厚み約9000Åの感光材料膜44を形成する。その後90℃で30分間ベークする方法などにより、塗布した感光材料膜44を乾燥させる。
手順A3では、透明基板41に塗布された感光材料を第1マスクにより選択的に露光し、透明基板41上の第1領域にある感光材料に第1ホログラムパターン42を現像する第1露光工程を行う。
図2は手順A3の第1露光工程で用いられる第1マスク45の形態を示す平面図であり、図3は手順A3の第1露光工程で用いられる第1ホログラムパターン42を現像するための第1回折パターン46を概略的に示す平面図である。第1マスク45には、複数の第1回折パターン46、位置決め用の第1アライメントマーク47aおよび第2アライメントマーク47bが形成される。なお、図2A(a)は第1マスク45全体の形態を示す平面図であり、図2B(b)および図2B(c)はそれぞれ第1マスク45に形成される位置決め用の第1アライメントマーク47aおよび第2アライメントマーク47bを示す平面図である。
第1ホログラムパターン42を現像するための第1回折パターン46は、図3の紙面に向って左側の半円である第1領域(以後、α領域とも呼ぶ)48に形成される回折格子である。また、第1回折パターン46が形成される第1領域48よりも外周側には、分割工程においてホログラム素子を複数に分割するためのダイシングマーク49がホログラム素子の4角に形成される。透明基板41には複数のホログラム素子のホログラムパターンが一括して形成されるので、後の分割工程ではこのダイシングマーク49に応じて透明基板41が分割され、個々のホログラム素子とされる。
さらに、第1領域48よりも外周側には、ホログラム素子を光集積ユニットに搭載する際の位置決めに用いられる画像認識用マーク50と、第1回折パターン46の形状を検査するために用いられる検査パターン51,52と、ホログラム素子の種類を識別する識別マーク53とが設けられる。
第1露光工程では、このような第1回折パターン46などが形成される第1マスク45を透明基板41表面に形成される感光材料膜44に密着させて設け、フォトマスクの感光材料膜44を臨む側と反対側から光を照射することによって感光材料膜44を感光させ、感光材料膜44の第1領域48に第1回折パターン46の潜像を形成する。感光材料膜44を感光させる装置としては、たとえば、マスクアライナー(キヤノン社製)などを用いることができる。
さらに、感光された感光材料膜44に現像液を塗布して感光材料膜44の露光された部分を溶解させて第1ホログラムパターン42を現像し、感光材料膜44からなる第1マスクパターン44aを形成する。現像液としては、たとえば、アルカリ溶剤(現像液351、ロームアンドハーツ社製)などを用いることができる。
第1露光工程における露光量は、第1ホログラムパターン42の回折格子のデューティ比が好適な値となるように設定される。第1露光工程で設定する露光量については、後述の第2露光工程で設定する露光量とともに説明する。
手順A4では、透明基板41に塗布された感光材料を第2マスクにより選択的に露光し、透明基板41上の第2領域にある感光材料に第2ホログラムパターン43を現像する第2露光工程を行う。
図4は、手順A4の第2露光工程で用いられる第2ホログラムパターン43を現像するための第2回折パターン54を示す平面図である。第2回折パターン54が形成される第2マスクは、第1回折パターン46の代わりに第2回折パターン54が形成されること以外は第1マスク45に類似するので、対応する部分については同一の参照符号を付して説明を省略するとともに、第2マスク全体の構成図を省略する。
第2ホログラムパターン43を現像するための第2回折パターン54は、図4の紙面に向って右側の半円である第2領域55に形成される回折格子である。なお、第2領域55は、β領域56とγ領域57とに分割される。本実施態様において、β領域56に形成される回折格子およびγ領域57に形成される回折格子は、格子間隔および回折角が等しく、形成される回折格子のスリットの延びる方向が異なること以外は同一の構成であるので、β領域56およびγ領域57に形成される回折格子のパターンを第2回折パターン54と呼び、第2回折パターン54が形成される第2マスクにより現像されるホログラムパターンを第2ホログラムパターン43と呼ぶ。
第2露光工程では、フォトマスクとして第2マスクを用いること以外は第1露光工程と同様にして透明基板41上に感光材料膜44からなる第2マスクパターン44bを形成し、第2領域55に第2ホログラムパターン43を現像する。また、第2露光工程における露光量は、第2ホログラムパターン43の回折格子のデューティ比が好適な値となるように設定される。この露光量について以下説明する。
図5は、α領域48、β領域56およびγ領域57における回折格子のデューティ比と露光量との関係を示す図である。なお、α領域48に形成される回折格子は、格子間隔が2.274μmであり、波長780nmの1次光の平行光が入射したときの回折角が20°である。また、β領域56およびγ領域57に形成される回折格子は、格子間隔が1.508μmであり、波長780nmの1次光の平行光が入射したときの回折角が31.15°である。
凸部の幅と格子間隔との比であるデューティ比は、その値が0.5のとき、凹部の幅と凸部の幅とが1:1となり、1次回折効率が最大となる。したがって、デューティ比が0.4〜0.6の範囲であることが好適である。上記のような回折格子を形成する場合、図5に示すように、α領域48に第1マスクパターン44aを形成する第1露光工程では、デューティ比が約0.5となるように、露光量(積算光量値LI:Light Integrated)を約4.0とすることが好ましい。一方、β領域56およびγ領域57に第2マスクパターン44bを形成する第2露光工程では、デューティ比が約0.5となるように、露光量を約6.5とすることが好ましい。このように、第1露光工程および第2露光工程では、それぞれの領域に形成する回折格子の格子間隔および回折角に応じて、予め試験などにより求められるデューティ比が好適な値となるような露光量で各領域のマスクパターンを形成し、ホログラムパターンを現像する。
なお、第2露光工程においては、第1露光工程において形成された第1マスクパターン44aと、第2露光工程において形成する第2マスクパターン44bとの位置合わせを行うために、第1マスク45の位置と第2マスクの位置とを合致させる。この位置合わせの方法としては、たとえば、特開平6−252023号公報などに開示される方法を用いることができる。このような方法によれば、第1マスク45に形成される位置決め用の第1および第2アライメントマーク47a,47bと第2マスクに形成される位置決め用のアライメントマークとの位置を顕微鏡などで観察しながら第1マスク45および/または第2マスクを移動させてアライメントマーク同士の位置を合致させることにより、20〜30μmの精度で位置合わせを実現することができる。
手順A5では、第1露光工程および第2露光工程で露光し現像された感光材料および透明基板41をエッチングして第1ホログラムパターン42および第2ホログラムパターン43を形成するエッチング工程を行う。
エッチング工程では、四フッ化炭素(CF)、三フッ化メタン(CHF)などのガス雰囲気中で、RIE法によって感光材料膜44からなる第1マスクパターン44aおよび第2マスクパターン44bをマスクとして透明基板41をエッチングし、透明基板41の表面に第1ホログラムパターン42および第2ホログラムパターン43を形成する。
その後、透明基板41上に残留する感光材料膜44からなる第1マスクパターン44aおよび第2マスクパターン44bを除去する感光材料除去工程を行う。感光材料除去工程では、透明基板41上に残留する感光材料膜44からなる第1マスクパターン44aおよび第2マスクパターン44bを、酸素ガス雰囲気中で灰化除去するか、または硫酸と過酸化水素水との混合溶液などによって除去する。
また本実施態様では、透明基板41の他方の面(以後、裏面とも呼ぶ)にグレーティングパターン58を形成する。手順A1〜A5終了後、手順A6では、手順A2の感光材料塗布工程で行われる方法と同様にして、透明基板41の裏面に感光材料を塗布し、グレーティングパターン用感光材料膜(以後、単に感光材料膜とも呼ぶ)59を形成する。
手順A7では、不図示のグレーティングパターンが形成されるマスクを用いて透明基板41に塗布された感光材料膜59に露光を行い、感光材料膜59からなるグレーティングマスクパターン59aを形成することによって、透明基板41の裏面の感光材料膜59にグレーティングパターン58を現像する第3露光工程を行う。第3露光工程においては、第2露光工程と同様にしてマスクの位置決めが行われ、第1ホログラムパターン42および第2ホログラムパターン43と、形成すべきグレーティングパターン58との位置を好適に設定する。
手順A8では、第3露光工程で露光し現像された感光材料膜59および透明基板41をエッチングしてグレーティングパターン58を形成する裏面エッチング工程を行う。裏面エッチング工程は、手順A5に示す表面のエッチング工程と同様の方法によって行うことができる。その後、第1ホログラムパターン42および第2ホログラムパターン43ならびにグレーティングパターン58が形成される透明基板41に反射防止膜を形成し、ダイシングマーク49に応じた最終的に必要とされる最小単位の形状に分割してホログラム素子を製造する。
図6は、実施の第1態様のホログラム素子の製造方法により製造されるホログラム素子60を示す概略図である。なお、図6(a)はホログラム素子60の透明基板41表面側から見た平面図であり、図6(b)はホログラム素子60の側面図であり、図6(c)はホログラム素子60の透明基板41裏面側から見た平面図である。
ホログラム素子60は、たとえば、分割工程において縦3.2mm、横2.8mmに分割される。ホログラム素子60の表面には第1マスク45および第2マスクにより、第1領域48に第1ホログラムパターン42が形成され、第2領域55に第2ホログラムパターン43が形成される。また、ホログラム素子60の裏面にはグレーティングパターン58が形成される。ホログラム素子60の第1ホログラムパターン42と第2ホログラムパターン43とが形成される面およびグレーティングパターン58が形成される面には、それぞれ反射防止膜61が形成される。
本実施態様のホログラム素子の製造方法によれば、格子間隔の異なる第1領域48の第1ホログラムパターン42および第2領域55の第2ホログラムパターン43が、第1露光工程および第2露光工程において、各領域の格子間隔に応じた好適な露光量でそれぞれ現像されるので、各領域のホログラムパターンの回折格子として、凸部の幅と格子間隔との比であるデューティ比が約0.5と好適であり、かつ各領域間のデューティ比の値が略等しいものを形成することができる。したがって、各領域において高い1次回折効率を得ることができるとともに、各領域での1次回折効率としてほぼ一定の値が得られ、光学特性に優れるホログラム素子を製造することができる。
ここで、第1ホログラムパターン42および第2ホログラムパターン43は、一方のホログラムパターンの回折格子の格子間隔が1.74μm以上2.75μm以下であり、他方のホログラムパターンの回折格子の格子間隔が1.42μm以上1.98μm以下であることが好ましい。さらに、第1ホログラムパターン42の回折格子および第2ホログラムパターン43の回折格子の格子間隔の差が0.55μm以上であることが好ましい。
第1ホログラムパターン42および第2ホログラムパターン43の回折格子の格子間隔が上記のような範囲であるとき、各領域のホログラムパターンを同一の露光工程により現像すると、デューティ比に差が生じやすい。したがって、回折格子の格子間隔が上記のような範囲である場合、ホログラムパターンを別々に現像することによりデューティ比を略等しくする効果が特に発揮される。
また、第1ホログラムパターン42および第2ホログラムパターン43は、一方のホログラムパターンの回折格子の回折角が16°以上26°以下であり、他方のホログラムパターンの回折格子の回折角が19°以上33°以下であることが好ましい。さらに、回折格子の回折角の差が7°以上であることが好ましい。なお、この回折角は、波長780nmの1次光の平行光が入射したときの回折角である。
第1ホログラムパターン42および第2ホログラムパターン43の回折格子の回折角がこのような範囲であると、各領域のホログラムパターンを同一の露光工程により現像する際にデューティ比の差が生じやすいので、各領域のホログラムパターンを別々に露光する方法が特に好ましく用いられる。
このような本実施態様のホログラム素子の製造方法は、上記の構成に限定されることなく、種々の変更が可能である。たとえば、ホログラムパターンの領域が3つ以上に分割される場合、該領域に形成される回折格子の格子間隔および回折角に応じて、露光工程を3回以上に分けて行ってもよい。また、本発明の製造方法は、必ずしも両面にホログラムパターンおよびグレーティングパターンが形成されるホログラム素子を製造することに限定されるものではなく、片面のみにホログラムパターンが形成されるホログラム素子の製造などに用いられてもよい。
図7は、実施の第2態様のホログラム素子の製造方法により製造されるホログラム素子71を示す概略図である。なお、図7(a)はホログラム素子71の透明基板41表面側から見た平面図であり、図7(b)はホログラム素子71の側面図であり、図7(c)はホログラム素子71の透明基板41裏面側から見た平面図である。ホログラム素子71は、前述の実施の第1態様のホログラム素子の製造方法の手順と同様の手順で製造され、実施の第1態様の製造方法で製造されるホログラム素子60に類似するので、対応する部分については同一の参照符号を付して説明を省略する。
本実施態様のホログラム素子の製造方法において特徴とすべきは、ホログラム素子71の第1領域48と第2領域55との間に、ホログラムパターンが形成されない領域(以後、プレーン部とも呼ぶ)72が設けられることである。このようなプレーン部72は、たとえば、第1露光工程で用いる第1マスクとして、第1領域の第2領域を臨む側付近に第1ホログラムパターンの回折格子が形成されないものを用い、第2露光工程で用いる第2マスクとして、第2領域の第1領域を臨む側付近に第2ホログラムパターンの回折格子が形成されないものを用いることによって形成される。
第1領域48の第1ホログラムパターン42と第2領域55の第2ホログラムパターン43とを第1露光工程および第2露光工程においてそれぞれ別々に現像すると、ホログラムパターン同士が重なり合って現像される恐れがあり、ホログラムパターンが重なって形成されると、光ピックアップ装置の光学部品として使用する際に、該重なり部分に入射した光記録媒体からの反射光がノイズを発生し、このようなノイズが信号検出用受光素子に入射して信号オフセットの増大を生じさせ、光記録媒体の再生または記録不良などの原因となる恐れがあるけれども、本実施態様のように第1領域48と第2領域55との間にホログラムパターンが形成されないプレーン部72を、たとえば34μmの幅で設けることにより、これらの問題を防止することができる。
なお、プレーン部72は、第1領域48と第2領域55とが対向する方向における長さLが1μm以上100μm以下であることが好ましい。また、プレーン部72の長さLは、30μm以上100μm以下であることがより好ましく、30μm以上40μm以下であることがさらに好ましい。プレーン部72の第1領域48と第2領域55とが対向する方向における長さLが1μm未満であると、ホログラムパターン同士の重なりを充分に防止することが困難となる。一方長さLが100μmを超えると、ホログラムパターンが形成される領域の直径が1mm前後であるので、ホログラムパターンの面積の約1割以上にプレーン部72が形成されることとなり、ホログラム素子からの回折光の光量が低減する恐れがある。
第1マスクと第2マスクとの位置合わせ精度は、前述のように20〜30μm程度であるので、プレーン部72の第1領域48と第2領域55とが対向する方向における長さが30μm以上であれば、ホログラムパターン同士の重なりを確実に防止することができる。さらにプレーン部72の第1領域48と第2領域55とが対向する方向における長さが40μm以下であれば、ホログラム素子からの回折光の光量がほとんど低減されない。
図8は、実施の第3態様のホログラム素子の製造方法により製造されるホログラム素子81を示す概略図である。なお、図8(a)はホログラム素子81の透明基板41表面側から見た平面図であり、図8(b)はホログラム素子81の側面図であり、図8(c)はホログラム素子81の透明基板41裏面側から見た平面図である。ホログラム素子81は、前述の実施の第2態様のホログラム素子の製造方法により製造されるホログラム素子71に類似するので、対応する部分については同一の参照符号を付して説明を省略する。
ホログラム素子81の特徴は、第1領域48と第2領域55との間にホログラムパターンが形成されない領域82が設けられ、該ホログラムパターンが形成されない領域82に凹凸が形成されることである。このような凹凸は、たとえば、第1露光工程で用いる第1マスクとして、第1領域の第2領域を臨む側付近に第1ホログラムパターンの回折格子が形成されないものを用い、該回折格子が形成されない部分に予め溝パターン、格子パターンなどの凹凸パターンを設けることにより作製することができる。凹凸パターンは第2マスクに形成されてもよい。また凹凸は上記の方法により形成されることに限定されるものではなく、たとえば、エッチング工程を行って第1ホログラムパターン42および第2ホログラムパターン43を形成した後、マスクを用いて第1ホログラムパターン42および第2ホログラムパターン43を被覆するように露光し、凹凸を生じるようにフッ酸などでウエットエッチングを行う方法などにより形成されてもよい。
このように第1領域48と第2領域55との間にホログラムパターンが形成されない領域82が形成され、かつ該領域82に凹凸が形成されると、該領域82への入射光が全方位へ反射される散乱光となり、その強度が弱められるので、該領域82への入射光が光記録媒体の再生光に対して迷光となることを一層防止できる。
図9は、本発明の実施の第4態様であるホログラム素子の製造方法を概略的に示す断面図である。本実施態様のホログラム素子の製造方法は、前述の図1に示す実施の第1態様のホログラム素子の製造方法に類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して説明を省略する。
本実施態様のホログラム素子の製造方法は、透明基板41上に複数の領域が形成され、複数の各領域に回折格子が形成されるホログラムパターンを有するホログラム素子の製造方法であって、透明基板41の表面に感光材料を塗布する感光材料塗布工程と、透明基板41に塗布された感光材料を第1マスクにより選択的に露光し、透明基板41上の第1領域にある感光材料に第1ホログラムパターン42を現像する第1露光工程と、第1露光工程で露光し現像された感光材料および透明基板41をエッチングして第1ホログラムパターン42を形成する第1エッチング工程と、透明基板41に塗布された感光材料を第2マスクにより選択的に露光し、透明基板上の第2領域にある感光材料に第2ホログラムパターン43を現像する第2露光工程と、第2露光工程で露光し現像された感光材料および透明基板41をエッチングして第2ホログラムパターン43を形成する第2エッチング工程とを含み、第1ホログラムパターン42および第2ホログラムパターン43は、回折格子の格子間隔がそれぞれ異なることを特徴とする。
すなわち、本実施態様のホログラム素子の製造方法の特徴は、それぞれ別々に現像される第1領域の第1ホログラムパターン42と第2領域の第2ホログラムパターン43とを、別々にエッチングすることである。
手順B1、B2およびB3では、前述の実施の第1態様の手順A1、A2およびA3と同様にして、洗浄工程、感光材料塗布工程および第1露光工程を行う。
手順B4では、第1露光工程で露光し現像された感光材料および透明基板41をエッチングして第1ホログラムパターン42を形成する第1エッチング工程を行う。第1エッチング工程は、前述の実施の第1態様のエッチング工程と同様に、RIE法などにより透明基板41を予め定める溝深さとなるようにエッチングし、透明基板41の表面に第1ホログラムパターン42を形成する。その後、透明基板41上に残留する感光材料膜44からなる第1マスクパターン44aを除去する感光材料除去工程を行う。
次いで、手順B5では、実施の第1態様の手順A2と同様にして感光材料塗布工程を行い、感光材料膜44を再度形成し、実施の第1態様の手順A4と同様にして、第2露光工程を行う。
手順B6では、第2露光工程で露光し現像された感光材料および透明基板41をエッチングして第2ホログラムパターン43を形成する第2エッチング工程を行う。第2エッチング工程では、手順B4の第1エッチング工程と同様にして、透明基板41を予め定める溝深さになるようにエッチングし、透明基板41の表面に第2ホログラムパターン43を形成し、その後、透明基板41上に残留する感光材料膜44からなる第2マスクパターン44aを除去する感光材料除去工程を行う。
手順B7、B8およびB9では、実施の第1態様の手順A6、A7およびA8と同様にして透明基板41の裏面にグレーティングパターン58を形成する。
本実施態様のホログラム素子の製造方法によれば、各領域の格子間隔に応じた好適な露光量で第1ホログラムパターン42および第2ホログラムパターン43がそれぞれ現像されるだけでなく、格子間隔の異なる第1ホログラムパターン42および第2ホログラムパターン43が、各領域の格子間隔に応じた好適な時間でエッチングされて形成されるので、第1ホログラムパターン42の回折格子の溝深さと第2ホログラムパターン43の回折格子の溝深さとを略等しくすることができる。このことによって、第1ホログラムパターン42における1次回折効率と、第2ホログラムパターン43における1次回折効率とを一層近づけることができる。
このような本発明のホログラム素子の製造方法は、たとえば、2P法を利用したホログラム素子の製造方法に使用されるスタンパの製造方法にも用いることができる。
図10は、本発明の実施の第5態様であるホログラム素子の製造方法に用いられるスタンパ(以後、ホログラムスタンパとも呼ぶ)91を作製する方法を概略的に示す断面図であり、図11は図10のスタンパ91の作製方法で用いられる第1ホログラムパターン92を現像するための第1マスクの第1回折パターン99を示す平面図であり、図12は図10のスタンパ91の作製方法で用いられる第2ホログラムパターン93を現像するための第2マスクの第2回折パターン100を示す平面図である。
本実施態様では、スタンパ91の素材として用いられる透明基板94は、次のような大きさに定められる。透明基板94は、2P法によりホログラム素子を製造する際、ホログラムパターンを表面に形成すべき基板を臨む側の面が、該基板のスタンパを臨む側の面よりも大きくなる部分が存在することが好ましく、たとえば、直径135mm、厚さ3mmである。透明基板94の面積は、該基板の面積よりも大きいことがさらに好ましい。また透明基板94としては、たとえば石英基板などを用いることができる。
またスタンパ91は、平面形状が円形に形成されるホログラムパターンを有し、該ホログラムパターンは、円の中心を通る直線である第1分割線によって第1領域(以後、α領域とも呼ぶ)95と残余の領域である第2領域96との2つの領域に区分される。第2領域96は、第1分割線に対して直交する直線である第2分割線によってβ領域97とγ領域98とに区分される。
第1マスクには、第1領域95に、格子間隔が2.252μmであり、波長780nmの1次光の平行光が入射したときの回折角が20.27°である回折格子を現像するための第1回折パターン99が形成される。また第2マスクには、第2領域96に、格子間隔が1.652μmであり、波長780nmの1次光の平行光が入射したときの回折角が28.17°である回折格子を現像するための第2回折パターン100が形成される。
手順C1、C2、C3およびC4では、前述の実施の第1態様の手順A1、A2、A3およびA4と同様にして、洗浄工程、感光材料塗布工程、第1露光工程および第2露光工程を行い、透明基板94表面に感光材料膜101を形成し、感光材料膜101からなる第1マスクパターン101aおよび感光材料膜101からなる第2マスクパターン101bをそれぞれ別々の工程で形成する。
なお、上記のような格子間隔および回折角を有する回折格子の最適露光量を予め求めておき、第1露光工程では第1領域95の回折格子のデューティ比が約0.5となるような露光量で、第2露光工程では第2領域96の回折格子のデューティ比と約0.5となるような露光量で、それぞれ露光を行う。また、第1露光工程および第2露光工程では、第1ホログラムパターン92および第2ホログラムパターン93とともに、2P法によって基板の両面にホログラムパターンとグレーティングパターンを形成する際に用いるグレーティングスタンパとの位置合わせ用パターンをスタンパ91に現像しておく。この位置合わせ用パターンは、スタンパ91の前記基板よりも大きい部分に現像される。
手順C5では、第1露光工程および第2露光工程で露光し現像された感光材料膜101および透明基板94をエッチングして第1ホログラムパターン92および第2ホログラムパターン93ならびに位置合わせ用パターンを形成するエッチング工程を行う。本実施態様では、第1領域95および第2領域96のホログラムパターンとして、側壁がテーパになる溝(凹部)を有する回折格子を形成するために、四フッ化炭素(CF)と酸素(O)とを導入し、エッチングを行う。テーパを有する側壁の傾斜角度および該傾斜角度とするための具体的なエッチング方法については、特開2003−66234号公報の第1実施形態に開示されている。スタンパ91に側壁がテーパである回折格子が形成されると、2P法によるホログラム素子の製造の際、紫外線硬化樹脂に成型バリが生じるのを防止することができる。
以下、このようにして作製したホログラムスタンパ91と、ホログラムスタンパ91と略等しい大きさの透明基板にグレーティングパターンおよび位置合わせ用パターンが形成されたグレーティングスタンパとを用いて、基板の両面にホログラムパターンおよびグレーティングパターンが形成されるホログラム素子を製造する方法である実施の第5態様のホログラム素子の製造方法について説明する。
図13は本発明の実施の第5態様であるホログラム素子の製造方法を実施するためのホログラム素子製造装置102の側面図である。ホログラム素子製造装置102は、前述の図21に示すホログラム素子製造装置31に類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して説明を省略する。
本実施態様のホログラム素子の製造方法は、基板103の表面に紫外線硬化樹脂104を塗布するとともに、基板103の裏面に紫外線硬化樹脂105を塗布する紫外線硬化樹脂塗布工程と、基板103の表面に塗布される紫外線硬化樹脂104に対して予めホログラムパターンが形成されたホログラムスタンパ91を押圧させるとともに、基板103の裏面に塗布される紫外線硬化樹脂105に対して予めグレーティングパターンが形成されたグレーティングスタンパ106を押圧させる押圧工程と、基板103の表面を臨んで設けられるUV光源37によって紫外線硬化樹脂104に紫外線を照射する紫外線照射工程と、ホログラムスタンパ91およびグレーティングスタンパ106を紫外線硬化樹脂104,105からそれぞれ剥離する剥離工程とを含むホログラム素子の製造方法であって、ホログラムスタンパ91は、前述の図10に示すスタンパの作製方法により作製されることを特徴とする。
また、本実施態様では、基板103が紫外線吸収剤を含む樹脂からなり、紫外線照射工程において、基板103の裏面に塗布される紫外線硬化樹脂105に、基板103の裏面を臨んで設けられる反射手段107によって、UV光源37から出射される光の反射光を照射することを特徴とする。さらに反射手段107は、基板103の裏面を臨む側の面が、平行に入射した光の反射光が1点に集光される放物面状であるパラボラ形状に形成されることを特徴とする。
反射手段107は、前述のように、その反射面が平行に入射した光の反射光が1点に集光される放物面状であるパラボラ形状に湾曲する3次元形状の反射板である。反射手段107としては、たとえば、反射面にアルミニウムが蒸着されるものを用いることができる。反射手段107は、基板103に対してUV光源37と反対側に配置され、その反射面が基板103の裏面を臨むようにして設けられる。
以下、このような反射手段107を備えるホログラム素子製造装置102によるホログラム素子の製造方法の一例について説明する。まず、たとえば、130mm角、厚さ2mmの紫外線吸収剤が分散されるアクリル樹脂からなる基板103をカセットに10枚装着し、カセットごとに純水に浸漬して超音波洗浄を2分間行い、続いてカセットをIPAに浸漬し超音波洗浄を2分間行った後、基板103を自然乾燥させる。
次に、カセットに10枚装着した基板103を、カセットごとN−ビニル−2−ピロリドン溶剤が霧状で存在するチャンバ内に1時間載置し、5分間窒素(N)中でパージし、30分間自然乾燥させる。このようにして、基板103と紫外線硬化樹脂104,105との密着性を向上させるためのプライマー処理を行う。
基板103の表面にプライマー処理が行われると、基板103の表面に紫外線硬化樹脂104を塗布するとともに、基板103の裏面に紫外線硬化樹脂105を塗布する紫外線硬化樹脂塗布工程を行う。基板103に塗布される紫外線硬化樹脂104,105としては、たとえば、紫外線硬化樹脂MP−107(三菱レイヨン社製)を用いることができる。基板103裏面への紫外線硬化樹脂105の塗布は、グレーティングスタンパ106のグレーティングパターンが形成される側の面に紫外線硬化樹脂105を塗布し、基板103の裏面と、グレーティングスタンパ106に塗布された紫外線硬化樹脂105とを接触させることにより行う。紫外線硬化樹脂104,105が基板103に塗布されると、基板103の紫外線硬化樹脂104が塗布される側の面とホログラムスタンパ91のホログラムパターンが形成される側の面とを接触させて、これらを下側支持手段38b上に載置する。
ここで、ホログラムスタンパ91とグレーティングスタンパ106との位置合わせは、それぞれのスタンパの透明基板に形成される位置合わせパターンを合致させることにより行う。本実施態様では、ホログラムスタンパ91およびグレーティングスタンパ106が基板103よりも大きく、かつホログラムスタンパ91およびグレーティングスタンパ106の該大きい部分に位置合わせ用パターンが形成される。したがって、基板103のより多くの面積にホログラムパターンを形成することができるとともに、表面に形成されるホログラムパターンと、裏面に形成されるグレーティングパターンとの位置合わせを容易に行うことができる。
次いで、基板103の表面に塗布される紫外線硬化樹脂104に対して、基板103の表面に対向して設けられるホログラムスタンパ91を押圧させるとともに、基板103の裏面に塗布される紫外線硬化樹脂105に対して、基板103の裏面に対向して設けられるグレーティングスタンパ106を押圧させる押圧工程を行う。押圧工程は、前述の図20(b)に示す押圧工程と同様にして行うことができる。
押圧工程により紫外線硬化樹脂104,105が基板103とホログラムスタンパ91との間で形成される空隙および基板103とグレーティングスタンパ106との間で形成される空隙にそれぞれ充填されると、紫外線硬化樹脂104,105に紫外線を照射する紫外線照射工程が行われる。
紫外線照射工程では、基板103の表面を臨んで設けられるUV光源37から、基板103の表面に塗布される紫外線硬化樹脂104に対して、たとえば光量100mW/cmで20秒間、紫外線を照射する。また、基板103の裏面に塗布される紫外線硬化樹脂105には、反射手段107によって、UV光源37からの出射光の反射光が照射される。紫外線照射工程により、紫外線硬化樹脂104,105が硬化し、基板103の表面および裏面に、ホログラムパターンを有する紫外線硬化樹脂層と、グレーティングパターンを有する紫外線樹脂層とがそれぞれ形成される。
このように、反射手段107が設けられることにより、基板103の表面に塗布された紫外線硬化樹脂104に照射する紫外線によって、基板103の裏面に塗布された紫外線硬化樹脂105にも紫外線を照射することができるので、紫外線硬化樹脂を硬化させるための紫外線の光量を低減することができ、省エネルギ化を図ることができる。また、基板103として、紫外線透過率が、たとえば0〜20%の材料を用いても、2P法によりホログラム素子を製造することができる。さらに、反射手段107の反射面がパラボラ形状に形成されるので、反射光を基板103の裏面に入射させやすく、基板103の裏面に塗布される紫外線硬化樹脂105を効率よく硬化させることができる。
紫外線硬化樹脂104,105が硬化すると、冷却してホログラムスタンパ91およびグレーティングスタンパ106を紫外線硬化樹脂104,105から剥離する剥離工程を行う。その後、ホログラムパターンおよびグレーティングパターンが形成される基板103表面および裏面の紫外線硬化樹脂層上に反射防止膜を形成し、反射防止膜が形成された基板103を予め定められる形状に分割する。反射防止膜の形成は、たとえば、蒸着装置BMC−850DCI(シンクロン社製)を用いてZrO+TiO混合層とSiO層との2層構造を、高周波イオンプレーティング法(RF−IP法)で形成することにより行われる。基板103の分割には、たとえば、ダイシング装置(ディスコ(株)社製)を用いることができる。
本実施態様のホログラム素子の製造方法によれば、ホログラムパターンを形成するスタンパとして、前述の第1実施態様に類似するホログラム素子の製造方法により製造されるホログラムスタンパ91が用いられるので、ホログラムスタンパ91に形成されるホログラムパターンのデューティ比が好適な値であるとともに第1領域95および第2領域96のデューティ比が略等しい値である。したがって、該ホログラムスタンパ91を用いて2P法により製造されるホログラム素子についても光学特性に優れるものとすることができる。また基板103の両面に同時にホログラムパターンおよびグレーティングパターンを形成することができるので、ホログラム素子の製造効率を高めることができる。
図14は、本発明の実施の第6態様であるホログラム素子の製造方法に用いられるスタンパ108を作製する方法を概略的に示す断面図である。図14に示すスタンパ108の作製方法は、前述の図10に示すスタンパ91の作製方法に類似するので、対応する部分に同一の参照符号を付してその説明を省略する。また、図14に示すスタンパ108作製手順D1〜D6は、図9に示す前述の実施の第4態様のホログラム素子の製造方法における手順B1〜B6に類似するので、その説明を省略する。
ただし、D4およびD6に示す第1エッチング工程および第2エッチング工程では、前述の実施の第5態様のホログラム素子の製造方法に用いられるスタンパ91における手順C5のエッチング工程と同様にして、側壁がテーパになる溝(凹部)を有する回折格子を形成するために、四フッ化炭素(CF)と酸素(O)とを導入してエッチングを行う。このようにして作製されるスタンパ108を用いて、前述の実施の第5態様のホログラム素子の製造方法と同様にしてホログラム素子を製造する。
本実施態様によれば、スタンパ108に形成される第1ホログラムパターン92および第2ホログラムパターン93が別々のエッチング工程により形成されるので、第1ホログラムパターン92の回折格子の溝深さと第2ホログラムパターン93の回折格子の溝深さとを略等しくすることができる。したがって、このようなスタンパ108を用いてホログラム素子を製造すると、ホログラムパターンのデューティ比が好適な値であるとともに、第1領域95および第2領域96の回折格子の1次回折効率が略等しい値のホログラム素子を製造することができる。
図15は本発明のホログラム素子の製造方法によって製造されるホログラム素子111を備える光ピックアップ装置112の構成を示す概略側面図であり、図16は光ピックアップ装置112に搭載され、ホログラム素子111を備えるホログラムレーザユニット113の概略断面図である。
光ピックアップ装置112は、本発明のホログラム素子の製造方法によって製造されるホログラム素子111を備えるホログラムレーザユニット113と、入射光を平行光にするコリメータレンズ114と、入射光を反射して対物レンズ116へ導く立上げミラー115と、光記録媒体117の情報記録面上に光を集光する前記対物レンズ116とを含んで構成される。
ホログラムレーザユニット113は、本発明のホログラム素子の製造方法によって製造されるホログラム素子111と、光を出射する光源である半導体レーザ素子118と、光記録媒体117からの反射光を受光する受光素子119と、基台であるステム120と、半導体レーザ素子118および受光素子119を保護するキャップ121と、複数(図16においては5つ)のリードピン122とを含んで構成される。
ホログラムレーザユニット113は、ステム120のリードピン122が突出する側と反対側の面を覆うようにしてキャップ121が設けられ、ステム120とキャップ121とによって形成される内部空間に光源である半導体レーザ素子118と受光素子119とが収容され、各リードピン122が、ステム120を通して半導体レーザ素子118と受光素子119とに接続されるように構成される。
半導体レーザ素子118および受光素子119は、ステム120のリードピン122が突出する側と反対側の面上に固定されるヒートシンク123に、熱伝導性の高い接着剤により固着されて設けられる。キャップ121には、半導体レーザ素子118からホログラム素子111に向けて出射されるレーザ光が通過するための光学窓であるキャップガラス124が形成され、該キャップガラス124を透過した光がホログラム素子111に入射するように、ホログラム素子111のグレーティングパターンが形成される側の面とキャップ121とが紫外線硬化型接着剤125により接合される。
ホログラム素子111は、前述の実施の第5態様のホログラム素子の製造方法により製造される。このようなホログラム素子111は、紫外線吸収剤が分散されるアクリル樹脂からなる基板126と、基板126の両面がプライマー処理されることにより形成されるプライマー処理層127と、ホログラムパターンが形成されるホログラム樹脂層128と、グレーティングパターンが形成されるグレーティング樹脂層129と、ホログラム樹脂層128上およびグレーティング樹脂層129上に形成される反射防止膜130とを備える。
ホログラムレーザユニット113の半導体レーザ素子118から出射された光は、ホログラム素子111に形成されるグレーティングパターンにより0次回折光および±1次回折光に分離され、コリメータレンズ114を透過して、立上げミラー115で光記録媒体117の方向に反射され、対物レンズ116によって光記録媒体117の情報記録面に集光される。光記録媒体117の情報記録面で反射された光は、対物レンズ116を透過し、立上げミラー115で反射され、コリメータレンズ114を透過して、ホログラム素子111に形成されるホログラムパターンによって回折し、受光素子119に入射する。
光ピックアップ装置112は、本発明の製造方法により製造されるホログラム素子111を備え、該ホログラム素子111は、各領域において高い1次回折効率を得ることができるとともに、各領域での1次回折効率としてほぼ一定の値が得られるので、信号検出の精度を向上させることができる。また、このようなホログラム素子111が光ピックアップ装置の光学部品として搭載されることによって、光ピックアップ装置の構成が簡単になるとともに、装置の小型化を達成できる。また光ピックアップ装置の部品点数削減、組立て工程の簡略化などの利点もあり、ホログラム素子111を用いることによって、光ピックアップ装置の低価格化を実現することができる。
本発明の実施の一態様であるホログラム素子の製造方法を概略的に示す断面図である。 手順A3の第1露光工程で用いられる第1マスク45の形態を示す平面図である。 第1マスク45に形成される位置決め用の第1アライメントマーク47aおよび第2アライメントマーク47bを示す平面図である。 手順A3の第1露光工程で用いられる第1ホログラムパターン42を現像するための第1回折パターン46を概略的に示す平面図である。 手順A4の第2露光工程で用いられる第2ホログラムパターン43を現像するための第2回折パターン54を示す平面図である。 α領域48、β領域56およびγ領域57における回折格子のデューティ比と露光量との関係を示す図である。 実施の第1態様のホログラム素子の製造方法により製造されるホログラム素子60を示す概略図である。 実施の第2態様のホログラム素子の製造方法により製造されるホログラム素子71を示す概略図である。 実施の第3態様のホログラム素子の製造方法により製造されるホログラム素子81を示す概略図である。 本発明の実施の第4態様であるホログラム素子の製造方法を概略的に示す断面図である。 本発明の実施の第5態様であるホログラム素子の製造方法に用いられるスタンパ91を作製する方法を概略的に示す断面図である。 図10のスタンパ91の作製方法で用いられる第1ホログラムパターン92を現像するための第1マスクの第1回折パターン99を示す平面図である。 図10のスタンパ91の作製方法で用いられる第2ホログラムパターン93を現像するための第2マスクの第2回折パターン100を示す平面図である。 本発明の実施の第5態様であるホログラム素子の製造方法を実施するためのホログラム素子製造装置102の側面図である。 本発明の実施の第6態様であるホログラム素子の製造方法に用いられるスタンパ108を作製する方法を概略的に示す断面図である。 本発明のホログラム素子の製造方法によって製造されるホログラム素子111を備える光ピックアップ装置112の構成を示す概略側面図である。 光ピックアップ装置112に搭載され、ホログラム素子111を備えるホログラムレーザユニット113の概略断面図である。 従来の光ピックアップ装置1の構成を概略的に示す斜視図である。 光集積ユニット11が搭載される光ピックアップ装置12の構成を概略的に示す斜視図である。 半導体装置の製造方法を利用する従来のホログラム素子の製造方法を概略的に示す断面図である。 2P法を利用する従来のホログラム素子の製造方法を概略的に示す断面図である。
2P法を利用する従来のホログラム素子の製造方法に用いられるホログラム素子製造装置31の構成を概略的に示す側面図である。 矩形断面の溝(凹部)および凸部を有する回折格子の格子間隔Dと凸部の幅dとを示す断面図である。 側壁がテーパになる溝(凹部)を有する回折格子の格子間隔Dと凸部の幅dとを示す断面図である。
符号の説明
37 UV光源
38a 上側支持手段
38b 下側支持手段
39 押圧シリンダ
40 軸部材
41,94 透明基板
42,92 第1ホログラムパターン
43,93 第2ホログラムパターン
44,101 感光材料膜
44a,101a 第1マスクパターン
44b,101b 第2マスクパターン
45 第1マスク
46,99 第1回折パターン
47a 第1アライメントマーク
47b 第2アライメントマーク
48,95 第1領域(α領域)
49 ダイシングマーク
50 画像認識用マーク
51,52 検査パターン
53 識別マーク
54,100 第2回折パターン
55,96 第2領域
56,97 β領域
57,98 γ領域
58 グレーティングパターン
59 グレーティングパターン用感光材料膜
60,71,81,111 ホログラム素子
61,130 反射防止膜
72 プレーン部
82 凹凸部
91,108 スタンパ
102 ホログラム素子製造装置
103,126 基板
104,105 紫外線硬化樹脂
106 グレーティングスタンパ
107 反射手段
112 光ピックアップ装置
113 ホログラムレーザユニット
114 コリメータレンズ
115 立上げミラー
116 対物レンズ
117 光記録媒体
118 半導体レーザ素子
119 受光素子
120 ステム
121 キャップ
122 リードピン
123 ヒートシンク
124 キャップガラス
125 紫外線硬化型接着剤
127 プライマー処理層
128 ホログラム樹脂層
129 グレーティング樹脂層

Claims (15)

  1. 透明基板上に複数の領域が形成され、複数の各領域に回折格子が形成されるホログラムパターンを有するホログラム素子の製造方法において、
    透明基板の表面に感光材料を塗布する感光材料塗布工程と、
    透明基板に塗布された感光材料を第1マスクにより選択的に露光し、透明基板上の第1領域にある感光材料に第1ホログラムパターンを現像する第1露光工程と、
    透明基板に塗布された感光材料を第2マスクにより選択的に露光し、透明基板上の第2領域にある感光材料に第2ホログラムパターンを現像する第2露光工程と、
    第1露光工程および第2露光工程で露光し現像された感光材料および透明基板をエッチングして第1ホログラムパターンおよび第2ホログラムパターンを形成するエッチング工程とを含み、
    第1ホログラムパターンおよび第2ホログラムパターンは、
    回折格子の格子間隔がそれぞれ異なることを特徴とするホログラム素子の製造方法。
  2. 透明基板上に複数の領域が形成され、複数の各領域に回折格子が形成されるホログラムパターンを有するホログラム素子の製造方法において、
    透明基板の表面に感光材料を塗布する感光材料塗布工程と、
    透明基板に塗布された感光材料を第1マスクにより選択的に露光し、透明基板上の第1領域にある感光材料に第1ホログラムパターンを現像する第1露光工程と、
    第1露光工程で露光し現像された感光材料および透明基板をエッチングして第1ホログラムパターンを形成する第1エッチング工程と、
    透明基板に塗布された感光材料を第2マスクにより選択的に露光し、透明基板上の第2領域にある感光材料に第2ホログラムパターンを現像する第2露光工程と、
    第2露光工程で露光し現像された感光材料および透明基板をエッチングして第2ホログラムパターンを形成する第2エッチング工程とを含み、
    第1ホログラムパターンおよび第2ホログラムパターンは、
    回折格子の格子間隔がそれぞれ異なることを特徴とするホログラム素子の製造方法。
  3. 第1領域と第2領域との間には、
    ホログラムパターンが形成されない領域が設けられることを特徴とする請求項1または2記載のホログラム素子の製造方法。
  4. 前記ホログラムパターンが形成されない領域には、
    凹凸が形成されることを特徴とする請求項3記載のホログラム素子の製造方法。
  5. 前記ホログラムパターンが形成されない領域は、
    第1領域と第2領域とが対向する方向における長さが、1μm以上100μm以下であることを特徴とする請求項3または4記載のホログラム素子の製造方法。
  6. 前記ホログラムパターンが形成されない領域は、
    第1領域と第2領域とが対向する方向における長さが、30μm以上100μm以下であることを特徴とする請求項3または4記載のホログラム素子の製造方法。
  7. 前記ホログラムパターンが形成されない領域は、
    第1領域と第2領域とが対向する方向における長さが、30μm以上40μm以下であることを特徴とする請求項3または4記載のホログラム素子の製造方法。
  8. 第1ホログラムパターンおよび第2ホログラムパターンは、
    一方のホログラムパターンの回折格子の格子間隔が1.74μm以上2.75μm以下であり、他方のホログラムパターンの回折格子の格子間隔が1.42μm以上1.98μm以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載のホログラム素子の製造方法。
  9. 第1ホログラムパターンおよび第2ホログラムパターンは、
    一方のホログラムパターンの回折格子の回折角が16°以上26°以下であり、他方のホログラムパターンの回折格子の回折角が19°以上33°以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載のホログラム素子の製造方法。
  10. 基板の表面に紫外線硬化樹脂を塗布する紫外線硬化樹脂塗布工程と、基板に塗布される紫外線硬化樹脂に対して予めホログラムパターンが形成されたスタンパを押圧させる押圧工程と、紫外線硬化樹脂に紫外線を照射する紫外線照射工程と、スタンパを紫外線硬化樹脂から剥離する剥離工程とを含むホログラム素子の製造方法であって、
    スタンパは、
    請求項1〜9のいずれか1つに記載のホログラム素子の製造方法により製造されるホログラム素子であることを特徴とするホログラム素子の製造方法。
  11. 紫外線硬化樹脂塗布工程では、
    基板の両面に紫外線硬化樹脂を塗布し、
    押圧工程では、
    基板の一方の面に塗布される紫外線硬化樹脂に対して、基板の一方の面に対向して設けられるスタンパを押圧させるとともに、基板の他方の面に塗布される紫外線硬化樹脂に対して、基板の他方の面に対向して設けられるスタンパを押圧させ、
    紫外線照射工程では、
    基板の一方の面を臨んで設けられる光源によって、基板の一方の面に塗布される紫外線硬化樹脂に紫外線を照射することを特徴とする請求項10記載のホログラム素子の製造方法。
  12. 基板は、紫外線吸収剤を含む樹脂からなり、
    紫外線照射工程では、
    基板の他方の面に塗布される紫外線硬化樹脂に、基板の他方の面を臨んで設けられる反射手段によって、光源から出射される光の反射光を照射することを特徴とする請求項11記載のホログラム素子の製造方法。
  13. 前記反射手段は、
    基板の他方の面を臨む側の面が、平行に入射した光の反射光が1点に集光される放物面状であるパラボラ形状に形成されることを特徴とする請求項12記載のホログラム素子の製造方法。
  14. スタンパは、
    基板を臨む側の面の面積が、基板のスタンパを臨む側の面の面積よりも大きく、
    基板を臨む側の面の前記基板の面積よりも大きい部分に、基板の一方の面に対向して設けられるスタンパと基板の他方の面に対向して設けられるスタンパとの位置を合わせるための位置合わせ用パターンが形成されることを特徴とする請求項11〜13のいずれか1つに記載のホログラム素子の製造方法。
  15. 請求項1〜14のいずれか1つに記載のホログラム素子の製造方法によって製造されるホログラム素子を備えることを特徴とする光ピックアップ装置。
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