JP3077928B2 - 集積型光学装置及びその製造方法並びに金型の製造方法 - Google Patents

集積型光学装置及びその製造方法並びに金型の製造方法

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JP3077928B2
JP3077928B2 JP05209259A JP20925993A JP3077928B2 JP 3077928 B2 JP3077928 B2 JP 3077928B2 JP 05209259 A JP05209259 A JP 05209259A JP 20925993 A JP20925993 A JP 20925993A JP 3077928 B2 JP3077928 B2 JP 3077928B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透過型の回折光学素子
と反射型の回折光学素子とを同一基板上に具備する集積
型光学装置に関し、特に、良好な加工精度と光学特性を
有する集積型光学装置及びその製造方法並びに金型の製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】回折光学素子は薄型軽量で、かつ集積化
にも適しており、集積型光学装置の重要な構成部品とし
て注目されている。例えばコンパクトディスク(CD)
や光ディスク、光カードメモリ等の光学的記録素子の信
号を読み出す光学ヘッドとして用いられている、例えば
特開平4−219640号公報に記載された従来の集積
型光学装置を図6及び図7に示す。図6は従来の集積型
光学装置の構成を示す平面図であり、図7はその側面図
である。また、この従来の集積型光学装置の製造方法を
図8に示す。
【0003】図6及び8に示すように、従来の集積型光
学装置において、ガラス基板1上には2種類の反射型回
折光学素子(反射型コリメータレンズ16、反射型位置
信号検出素子17)及び透過型回折光学素子(透過型光
集光レンズ15a、15b)とがそれぞれ所定の位置に
設けられている。また、ガラス基板1の裏面上の所定の
位置には半導体レーザ13、光検出器14及び、反射層
6eがそれぞれ設けられている。
【0004】図7に示すように、半導体レーザ13から
ガラス基板1の内部に向かって斜め方向に出射された光
は伝播光束9aとなり、反射型コリメータレンズ16に
入射する。反射型コリメータレンズ16に入射した光束
は反射層6cにより反射され、平行光束化される。平行
化された光束はガラス基板1の内部を伝播し、反射層6
eにより再反射され、透過型光集光レンズ15aに入射
する。透過型光集光レンズ15aに入射した光束はガラ
ス基板1の外部に向かって斜め方向に出力され、光ディ
スク12への集光光束10aとなる。光束10aは光デ
ィスク12の反射面により反射され、反射光束10b
は、透過型光集光レンズ15bに入射する。透過型光集
光レンズ15bに入射した光束は平行化され、伝播光束
9bとなる。伝播光束9bは反射層6eにより反射さ
れ、反射型位置信号検出素子(フォーカス/トラック誤
差信号検出手段)17に入射する。伝搬光束9bはこの
反射型位置信号検出素子17により2分割され、ガラス
基板1の内部を伝播し、4分割の光検出器14に集光さ
れる。光検出器14により検出された信号に基づいて、
再生信号及び位置信号であるフォーカス誤差信号及びト
ラック誤差信号が読み出される。
【0005】次に、上記従来の集積型光学装置の製造方
法を図8を用いて説明する。図8にに示すように、まず
基板1上に感光性樹脂18としてPMMA、CMS等の
電子ビームレジストを塗布する(工程(a))。次に、
作製しようとする回折光学素子15、16、17の膜厚
分布に応じて電子ビーム11を照射し(工程(b))、
現像処理により感光性樹脂18の膜厚を変化させる(工
程(c))。さらに、反射型の回折光学素子16、17
上及び基板1の裏面にそれぞれ反射層6c、6d、6e
を堆積させ、半導体レーザ13及び光検出器14を基板
1裏面に取り付ける(工程(d))。これにより従来の
集積型光学装置が完成する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】図6及び図7から明ら
かなように、従来の集積型光学装置では、反射型回折光
学素子16、17及び透過型回折光学素子15a、15
bが基板1の同一面上に設けられている。一方、図8に
示す製造方法からも分かるように、これらの反射型及び
透過型の回折光学素子は、共に同一の感光性樹脂を電子
ビーム描画法により微細加工することにより形成された
ものである。しかしながら、反射型回折光学素子と透過
型回折光学素子の最適なグレーティング形状はそれぞれ
異なる。反射型回折光学素子16、17の最大の溝の深
さは、例えば0.24μmである。ところが、透過型回折
光学素子15a、15bの最大の溝の深さは1.3μmで
ある。すなわち、反射型回折光学素子16、17は透過
型回折光学素子15a、15bの約1/6程度の薄さで
ある。
【0007】同一基板上に反射型回折光学素子16、1
7及び透過型回折光学素子15a、15bの両タイプの
素子を同一樹脂で形成するためは、基板上に塗布する樹
脂の膜厚を溝の深さの深い透過型回折光学素子15a,
15bに適合するように1.3μm以上にする必要があ
る。一方、反射型回折光学素子16、17はその最大の
溝の深さが0.24μm程度でなければならず、そのため
に電子ビームの露光量を調整する。ところが、樹脂の膜
厚1.3μmに対してその最大の溝の深さが0.24μmと
なるように制御する場合、その厚さの比(約6倍)に応
じて溝の深さの制御性が悪くなる。すなわち、従来の製
造方法では加工精度が低く、良好な光学特性を実現する
ことは困難であるという問題点を有していた。また、透
過型回折光学素子(集光レンズ)15a、15bは反射
型回折光学素子16、17に比べて、その周期が、例え
ば1/3程度小さい。そのため、より一層の微細加工性
を行うために、分解能の高い感光性樹脂が適する。しか
し、このような分解能の高い感光性樹脂は反射型回折光
学素子16、17に関しては、これらの溝の深さが浅い
ためグレーティングの溝の斜面を滑らかに実現すること
は困難であり、良好な光学特性を実現することは困難で
あると言う問題点を有していた。すなわち、このような
透過型回折光学素子15a、15bと反射型回折光学素
子16、17の必要とする特性の違いから、同一の樹脂
を用いてこれらの光学素子をガラス基板1の同一面上に
形成しようとすると、両方の素子を同時に良好に形成す
ることは事実上不可能であるという問題点を有してい
た。本発明は、上記問題点を解決するためになされたも
のであり、透過型回折光学素子と反射型回折光学素子と
を基板の同一面上に具備しつつ、良好な加工精度と光学
特性を有する集積型光学装置及びその製造方法並びに金
型の製造方法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】以上のような問題点を解
決するために、本発明の集積型光学装置は、透過型回折
光学素子及び反射型回折光学素子をそれぞれ基板の同一
主面上の異なる位置に設けた集積型光学装置であって、
前記透過型回折光学素子は第1の樹脂で形成され、前記
反射型回折光学素子は前記第1の樹脂とは異なる第2の
樹脂で形成されている。上記構成において、反射型回折
光学素子上に第1の樹脂層を設けたことが好ましい。ま
た、基板主面上に第1の樹脂層を設け、前記第1の樹脂
層上に反射型回折光学素子を形成したことが好ましい。
さらに、第1の樹脂と第2の樹脂はそれぞれ感光性樹脂
であることが好ましい。さらに、第1の樹脂はポジ形感
光性樹脂であり、第2の樹脂はネガ形感光性樹脂である
ことが好ましい。さらに、透過型回折光学素子は光集光
レンズであり、反射型回折光学素子は位置信号検出光学
素子、コリメータレンズ及び波長選択レンズであること
が好ましい。一方、本発明の集積型光学装置の製造方法
は、 (1)基板の主面上に第2の樹脂を塗布する工程、 (2)前記第2の樹脂上の反射型回折光学素子を形成す
る位置に、前記反射型回折光学素子の膜厚分布に対応す
るように荷電ビームを照射する工程、 (3)前記第2の樹脂を現像処理し、前記第2の樹脂の
膜厚を変化させる工程、 (4)前記反射型回折光学素子を形成する位置を含むよ
うに反射層を堆積する工程、 (5)前記主面上に第1の樹脂を塗布する工程、 (6)前記第1の樹脂上の透過型回折光学素子を形成す
る位置に、前記透過型回折光学素子の膜厚分布に対応す
るように荷電ビームを照射する工程、 (7)前記第1の樹脂を現像処理し、前記第1の樹脂の
膜厚を変化させる工程を具備するように構成されてい
る。また、本発明の集積型光学装置の製造方法は、 (1)基板の主面上に第1の樹脂を塗布する工程、 (2)前記第1の樹脂上に第2の樹脂を塗布する工程、 (3)前記第2の樹脂上の反射型回折光学素子を形成す
る位置に、前記反射型回折光学素子の膜厚分布に対応す
るように荷電ビームを照射する工程、 (4)前記第2の樹脂を現像処理し、前記第2の樹脂の
膜厚を変化させる工程、 (5)透過型回折光学素子を形成する位置に、前記透過
型回折光学素子の膜厚分布に対応するように荷電ビーム
を照射する工程、 (6)前記第1の樹脂を現像処理し、前記第1の樹脂の
膜厚を変化させる工程、 (7)前記反射型回折光学素子を形成する位置を含むよ
うに、反射層を堆積させる工程を具備するように構成さ
れている。上記各構成において、第2の樹脂を塗布する
膜厚は、第2の樹脂の屈折率(n)と、入射光の波長
(λ)に対して、0.55λ/n〜λ/nとすることが
好ましい。さらに、本発明の金型の製造方法は、 (1)基板の主面上に第1の感光性樹脂を塗布する工
程、 (2)前記第1の樹脂の上に第2の感光性樹脂を塗布す
る工程、 (3)前記第2の感光性樹脂上の反射型回折光学素子を
形成する位置に、前記反射型回折光学素子の膜厚分布に
対応するように荷電ビームを照射する工程、 (4)前記第2の感光性樹脂を現像処理する工程、 (5)前記第1の感光性樹脂上の透過型回折光学素子を
形成する位置に、前記透過型回折光学素子の膜厚分布に
対応するように荷電ビームを照射する工程、 (6)前記第1の感光性樹脂を現像処理する工程、 (7)前記反射型回折光学素子及び前記透過型回折光学
素子を含む金型を作成する工程を具備するように構成さ
れている。 さらに、本発明の集積型光学装置の製造方法
は、 (1)上記金型の製造方法により作成された金型を用い
て、前記反射型回折光学素子及び前記透過型回折光学素
子を同時に複製する工程、 (2)前記反射型回折光学素子を形成する位置を含むよ
うに、反射層を堆積させる工程を具備するように構成し
てもよい。
【0009】
【作用】透過型回折光学素子と反射型回折光学素子と
を、それぞれ異なる樹脂を用いて基板の同一の主面上に
形成するように構成したので、それぞれの素子の目的に
応じて最適な種類の樹脂及び塗布厚さを選択することに
より、最適な加工精度及び光学特性が実現される。
【0010】
【実施例】
<第1実施例>本発明の集積型光学装置を、その好適な
第1の実施例を示す図1及び図2を用いて説明する。図
1は第1の実施例に係る集積型光学装置の構成及び光束
の伝播、集光等の様子を示す側面図であり、図2はその
平面図である。なお、第1の実施例の集積型光学装置
は、具体的にはコンパクトディスク(CD)や光ディス
ク、光カードメモリ等の光学的記録素子の信号を読み出
すための光学ヘッドである。図1において、基板1の表
面(主面)1a上には、第2の樹脂で形成された3つの
反射型回折光学素子(反射型波長選択レンズ5、反射型
コリメータレンズ4、反射型位置信号検出素子3)が設
けられ、各反射型回折光学素子3、4、5の表面は反射
層6aで覆われている。さらに、反射層6aの上からこ
れらの素子3、4、5を覆うように、第1の樹脂層7が
設けられている。また、基板1の主面1a上の反射型回
折光学素子3、4、5を形成した位置とは異なる位置
に、第1の樹脂で形成した透過型光集光レンズ2が設け
られている。基板1の裏面1bには、半導体レーザ1
3、光検出器14及び反射層6bが設けられている。
【0011】基板1は使用波長に対して透明であれば良
く、例えば厚さ(Z軸方向の寸法)3mm、幅(X軸方
向の寸法)5mm、長さ(Y軸方向の寸法)10mmの
ガラスを用いる。特に石英やBK7等のガラス基板は、
温度的にも安定である。反射層6a、6bは、例えばA
g、Al、Au等の金属層である。また、第1及び第2
の樹脂は、それぞれ電子ビーム、イオンビーム等荷電ビ
ームに感光する感光性樹脂であり、例えば電子ビームレ
ジストである。本実施例では、第1の樹脂はポジ形の電
子ビームレジスト、例えばPMMAを用い、第2の樹脂
はネガ形の電子ビームレジスト、例えばCMSを用い
た。ポジ形の感光性樹脂とは、荷電ビームを照射し、現
像処理を行なうと、その樹脂の残膜率が照射量が多いほ
ど、小さくなるもので、ネガ形はその逆のものである。
第1の実施例の集積型光学装置では、透過型回折光学素
子2を形成する第1の樹脂による層7を反射型回折光学
素子3、4、5の反射層6a上に設けた構造である。こ
れにより、金属反射層6aの酸化防止及び反射型回折光
学素子3、4、5の耐環境性を向上させる効果がある。
また、図示していないが基板1裏面1bの反射層6b上
にも樹脂層を形成すると同様の効果がある。
【0012】次に、第1の実施例の集積型光学装置の動
作について説明する。例えば波長0.78μmの半導体レ
ーザ13の表面出射端から、光軸の角度がZ軸に対して
例えば20゜斜め方向に出射された伝播光束9は、例え
ば焦点距離1.6mm、口径1mmの波長選択レンズ5
に入射する。この波長選択レンズ5は、Y軸方向に進む
に従って徐々に周期が小さくなり、断面が矩形形状で、
かつ楕円曲線の1部である曲線グレーティングにより構
成されている。波長選択レンズ5に入射した光束は、例
えば5%の回折効率で反射回折され、選択された波長
(例えば0.78μm)の回折光のみが半導体レーザ13
の表面出射端に集光されて入射する。他の波長(例えば
0.77〜0.79μm)の1次回折光は表面出射端上で
は集光されずぼやけてしまうので、選択波長から離れる
ほど入射する光量が減少する。その結果、半導体レーザ
13のレーザ発振波長が選択波長に引きずり込まれ、波
長変動が0.2nm程度に抑制される。
【0013】波長選択レンズ5の透過光(0次回折光)
は、反射層6bにより反射され、基板1内を伝播し、例
えば焦点距離9.6mm、口径2mmの反射型コリメー
タレンズ4に入射する。反射型コリメータレンズ4に入
射した光束は、光軸の角度(伝搬角θ)はそのまま(例
えば20゜)で反射され、平行光束化される。反射型コ
リメータレンズ4は、外周になるにつれて周期が小さく
なる断面が鋸歯形状の楕円グレーティングにより構成さ
れている。この楕円形グレーティングの中心位置は、外
周部にいくにしたがって、Y軸方向に徐々にシフトする
構造をしている。反射型コリメータレンズ4をこのよう
な形状にすることにより、一般に斜め入射の影響により
生じるコマ収差と非点収差が小さくなり、良好に平行光
束化することができる。
【0014】例えば幅2mmの平行化された光束は、基
板1の内部を繰り返し反射されて伝播し、反射型位置信
号検出素子3を経由し、その透過光は、例えば口径2m
m、焦点距離2mmの透過型光集光レンズ2に入射す
る。透過型光集光レンズ2に入射した光束は、垂直方向
に出力され光ディスク12への集光される。集光光束1
0は光ディスク12により反射され、反射光束は、同じ
く透過型光集光レンズ2に入射し、平行光束化される。
平行化された伝播光束9’は、基板1の内部を逆向きに
繰り返し反射されて伝播し、反射型位置信号検出素子3
に入射する。反射型位置信号検出素子3は、例えばX軸
方向の寸法2mm、Y軸方向の寸法ズ2mm、焦点距離
10.4mmであり、フォーカス/トラック誤差信号検
出素子として機能する。反射型位置信号検出素子3は、
楕円曲線の一部である曲線グレーティングにより構成さ
れた、同じ仕様を有する反射型レンズを2つアレイ状に
配列した構造を有する(図2参照)。伝播光束9’はこ
の反射型位置信号検出素子3により1次回折光が2分割
され、それぞれ光軸の例えば30°の伝播角度で基板1
の内部を繰り返し反射されて伝播し、光検出器14に集
光される。2つの光検出器14により検出された信号に
基づいて、再生信号及び位置信号であるフォーカス誤差
信号及びトラック誤差信号が読み出される。
【0015】反射型コリメータレンズ4は、例えば断面
が鋸歯形状で溝の最大深さが0.24μmのインライン形
の反射型回折光学レンズである。透過型対物レンズ2は
断面が矩形形状で、例えば溝の深さが0.80μmのオフ
アキシス形の透過型回折光学レンズである。反射型波長
選択レンズ5及び反射型位置信号検出レンズ3は溝の最
大深さが例えば0.12μmのオフアキシス形である。こ
れら4つの光学素子はすべて、光の回折現象を用いて集
光させる回折光学素子である。なお、インライン形の回
折光学レンズとは、入射光の光軸の角度と出射光の光軸
の角度が一致するレンズのことであり、オフアキシス形
の回折光学レンズとは入射光の光軸の角度と、出射光の
光軸の角度が異なるレンズのことである。なお、光学素
子として膜厚がせいぜい数μm程度の回折光学素子を用
いているので、公知のプレーナ技術を用いることによ
り、基板1の主面1a上における各回折光学素子の正確
な位置合わせ及び集積化が可能になり、装置全体の小型
軽量化及び製品の安定化が促進される。
【0016】次に、上記第1の実施例に係る集積型光学
装置に製造に適した製造方法を図3を用いて説明する。
まず、基板1上に第2の樹脂8を、例えば0.3μm塗布
する(工程(a))。次に、反射型回折光学素子3、
4、5を形成する位置に、その膜厚分布に対応するよう
に電子ビーム11を照射する(工程(b))。さらに、
現像処理を行ない第2の樹脂8の膜厚を変化させる(工
程(c))。これらの素子3、4、5上を含むように反
射層6aを、例えば4000オングストローム堆積する
(工程(d))。その後、第1の樹脂7を、例えば0.
85μm塗布する(工程(e))。その上から、透過型
回折光学素子2を形成する位置に、その膜厚分布に対応
するように電子ビーム11を照射する(工程(f))。
さらに、第1の樹脂7の現像処理を行い、第1の樹脂7
の膜厚を変化させる(工程(g))。同時に、基板1の
裏面1bに反射層6bを、例えば2000オングストロ
ーム堆積し、半導体レーザ13及び光検出器14を基板
1裏面にマウントする(工程(g))。以上のようにし
て、図1及び図2に示す集積型光学装置が完成する。
【0017】第1の実施例の集積型光学装置の製造方法
においては、第1の樹脂7を一度塗布するだけで、透過
型回折光学レンズ2の作成のための樹脂の塗布と反射型
回折光学素子3、4、5を保護するための樹脂の塗布を
同時に実現することができる。なお、本実施例では、電
子ビームを感光性樹脂に照射したが、これはイオンビー
ム等の他の荷電ビームでもよい。また、第2の樹脂8の
塗布膜厚は、製造する反射型回折光学素子3、4、5の
溝の最大深さより厚くする必要があるが、ネガ形の樹脂
の場合、これの1.1倍から2倍の膜厚の範囲に選択す
ると、回折光学素子の周期が小さいところで生じる膜減
りを吸収でき、所望の溝の深さを有する回折光学素子が
形成できることが確認された。すなわち、反射型コリメ
ータレンズ4の最大溝の深さは、第2の樹脂の屈折率n
及び入射光の波長λに対して近似的にLR=λ/2nで
与えられるため、第2の樹脂8の塗布膜厚は0.55λ
/n〜λ/nの範囲にあることが好ましいことが分っ
た。また、第1の樹脂7の塗布膜厚は、製造する透過型
回折光学素子2の溝の最大深さより大きくする必要があ
るが、ポジ形のレジストを用いた場合では、ネガ形の場
合ほど大きくする必要はなく、せいぜい1.2倍程度で
充分であった。すなわち、透過型光集光レンズ2の最大
溝の深さは、第1の樹脂の屈折率n’及び入射光の波長
λに対して近似的に、LT=λ/2(n’−1)で与え
られるため、第1の樹脂7の塗布膜厚は0.6λ/
(n’−1)以下であればよいことが分った。
【0018】<第2実施例>本発明の集積型光学装置
を、その好適な第2の実施例を示す図4を用いて説明す
る。図4は第2の実施例に係る集積型光学装置の構成及
び光束の伝播及び集光の様子を示す側面図である。な
お、平面図は実質的に図2と同じであるため省略する。
なお、第2の実施例の集積型光学装置は第1の実施例の
集積型光学装置と同様、光学的記録素子の信号を読み出
す光学ヘッドである。また、図1及び図2に示す第1の
実施例と同一の番号を付した構成要素は実質的に同一で
あるため、その説明を省略する。図4に示す本実施例の
集積型光学装置では、基板1の主面(表面)上に第1の
樹脂層7を設け、この第1の樹脂層7の上に反射型回折
光学素子3、4、5が形成されている。第1の樹脂とし
てポジ形の電子ビームレジスト、例えばPMMAを用
い、第2の樹脂としてネガ形の電子ビームレジスト、例
えばCMSを用いた。その他の構成は第1の実施例の場
合と同様である。
【0019】次に、上記本発明の集積型光学装置の第2
の実施例に適した製造方法を図5を用いて説明する。図
5に示すように、まず、基板1の主面1aの上に第1の
樹脂7を塗布し、さらにその上に第2の樹脂8を塗布す
る(工程(a))。次に、反射型回折光学素子3、4、
5を形成する位置に、反射型回折光学素子3、4、5の
膜厚分布に対応するように電子ビーム11を照射する
(工程(b))。さらに、現像処理を行い、第2の樹脂
8の膜厚を変化させる(工程(c))。その後、透過型
回折光学素子2を形成する位置に、透過型回折光学素子
2の膜厚分布に対応するように電子ビーム11を照射す
る(工程(d))。そして、現像処理を行い、第1の樹
脂7の膜厚を変化させる(工程(e))。反射型回折光
学素子3、4、5を形成する位置を含むように、反射層
6aを堆積する(工程(f))。同時に、基板1の裏面
1bに反射層6bを、例えば2000オングストローム
堆積し、さらに半導体レーザ13及び光検出器14を基
板1裏面にマウントする(工程(f))。この様にし
て、第2の実施例に係る集積型光学装置が完成する。
【0020】第2の実施例にかかる集積型光学装置で
は、反射層6aの堆積は、透過型回折光学素子2と反射
型回折光学素子3’、4’、5’の両方の素子の形状加
工が終了後に行なうため、複製法を用いた大量生産に適
している。すなわち、図5に示す工程(e)により集積
型光学装置を作製した後、これを原型として反射型回折
光学素子3’、4’、5’と透過型回折光学素子2を同
時に含む金型を、例えばニッケル電鋳法により作製す
る。この金型を用いることにより、反射型回折光学素子
3’、4’、5’と透過型回折光学素子2を、例えばU
V硬化樹脂により、同時に複製することが可能になる。
その後、反射型回折光学素子3’、4’、5’を形成す
る位置を含むように、反射層6aを堆積する。従って、
一度原型となる装置(図5の工程(e))を形成すれ
ば、その後は、その都度電子ビーム描画を用いることな
く、複製法で大量生産することが可能である。
【0021】なお、上記第1及び第2の実施例におい
て、光集光レンズ及びコリメータレンズ等は便宜上名付
けたものであり、一般にいうレンズと同じ意味を有す
る。また、上記各実施例では、光学的記録素子の信号を
読み出す光学ヘッドの場合について述べたが、基板上に
透過型及び反射型の回折光学素子を具備した他の光デバ
イスについても同様の効果がある。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、透過型回折光学素子と
反射型の回折光学素子とをそれぞれ異なる性質の樹脂を
用いて基板の同一主面上に形成するように構成したの
で、それぞれの光学素子が必要とする加工精度及び光学
特性を実現することが可能になる。また、光学素子とし
て膜厚がせいぜい数μm程度の回折光学素子を用いたの
で、公知のプレーナ技術を用いることにより、基板の主
面上における各回折光学素子の正確な位置合わせ及び集
積化が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の集積型光学装置の、好適な第1の実施
例の構成及び光束の伝播及び集光の様子を示す側面図
【図2】第1の実施例の構成を示す平面図
【図3】第1の実施例に係る集積型光学装置に適する製
造方法を示す工程図
【図4】本発明の集積型光学装置の、好適な第2の実施
例の構成及び光束の伝播及び集光の様子を示す側面図
【図5】第2の実施例に係る集積型光学装置に適する製
造方法を示す工程図
【図6】従来の集積型光学装置の構成を示す平面図
【図7】従来の集積型光学装置の構成を示す側面図
【図8】従来の集積型光学装置の製造方法を示す工程図
【符号の説明】
1 基板 2 透過型光集光レンズ 3 反射型位置信号検出素子 4 反射型コリメータレンズ 5 反射型波長選択レンズ 6 反射層 7 第1の樹脂 8 第2の樹脂 9 伝搬光 10 出射光 11 電子ビーム 12 光ディスク 13 半導体レーザ 14 光検出器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−219640(JP,A) 特開 昭60−188911(JP,A) 特開 平5−188208(JP,A) 特公 平5−12774(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 27/42 G02B 5/18 G02B 6/34 G11B 7/135

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透過型回折光学素子及び反射型回折光学
    素子をそれぞれ基板の同一の主面上の異なる位置に設け
    た集積型光学装置であって、前記透過型回折光学素子は
    第1の樹脂で形成され、前記反射型回折光学素子は前記
    第1の樹脂とは異なる第2の樹脂で形成されたことを特
    徴とする集積型光学装置。
  2. 【請求項2】 反射型回折光学素子上に第1の樹脂層を
    設けたことを特徴とする請求項1に記載の集積型光学装
    置。
  3. 【請求項3】 基板主面上に第1の樹脂層を設け、前記
    第1の樹脂層上に反射型回折光学素子を形成したことを
    特徴とする請求項1に記載の集積型光学装置。
  4. 【請求項4】 第1の樹脂と第2の樹脂はそれぞれ感光
    性樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の集積型
    光学装置。
  5. 【請求項5】 第1の樹脂はポジ形感光性樹脂であり、
    第2の樹脂はネガ形感光性樹脂であることを特徴とする
    請求項4に記載の集積型光学装置。
  6. 【請求項6】 透過型回折光学素子は光集光レンズであ
    り、反射型回折光学素子は位置信号検出光学素子、コリ
    メータレンズ及び波長選択レンズであることを特徴とす
    る請求項1に記載の集積型光学装置。
  7. 【請求項7】(1)基板の主面上に第2の樹脂を塗布す
    る工程、 (2)前記第2の樹脂上の反射型回折光学素子を形成す
    る位置に、前記反射型回折光学素子の膜厚分布に対応す
    るように荷電ビームを照射する工程、 (3)前記第2の樹脂を現像処理し、前記第2の樹脂の
    膜厚を変化させる工程、 (4)前記反射型回折光学素子を形成する位置を含むよ
    うに反射層を堆積する工程、 (5)前記主面上に第1の樹脂を塗布する工程、 (6)前記第1の樹脂上の透過型回折光学素子を形成す
    る位置に、前記透過型回折光学素子の膜厚分布に対応す
    るように荷電ビームを照射する工程、 (7)前記第1の樹脂を現像処理し、前記第1の樹脂の
    膜厚を変化させる工程を具備する集積型光学装置の製造
    方法。
  8. 【請求項8】(1)基板の主面上に第1の樹脂を塗布す
    る工程、 (2)前記第1の樹脂上に第2の樹脂を塗布する工程、 (3)前記第2の樹脂上の反射型回折光学素子を形成す
    る位置に、前記反射型回折光学素子の膜厚分布に対応す
    るように荷電ビームを照射する工程、 (4)前記第2の樹脂を現像処理し、前記第2の樹脂の
    膜厚を変化させる工程、 (5)透過型回折光学素子を形成する位置に、前記透過
    型回折光学素子の膜厚分布に対応するように荷電ビーム
    を照射する工程、 (6)前記第1の樹脂を現像処理し、前記第1の樹脂の
    膜厚を変化させる工程、 (7)前記反射型回折光学素子を形成する位置を含むよ
    うに、反射層を堆積させる工程を具備する集積型光学装
    置の製造方法。
  9. 【請求項9】 第2の樹脂を塗布する膜厚は、第2の樹
    脂の屈折率(n)と、入射光の波長(λ)に対して、
    0.55λ/n〜λ/nとすることを特徴とする請求項
    7又は8に記載の集積型光学装置の製造方法。
  10. 【請求項10】(1)基板の主面上に第1の感光性樹脂
    を塗布する工程、 (2)前記第1の樹脂の上に第2の感光性樹脂を塗布す
    る工程、 (3)前記第2の感光性樹脂上の反射型回折光学素子を
    形成する位置に、前記反射型回折光学素子の膜厚分布に
    対応するように荷電ビームを照射する工程、 (4)前記第2の感光性樹脂を現像処理する工程、 (5)前記第1の感光性樹脂上の透過型回折光学素子を
    形成する位置に、前記透過型回折光学素子の膜厚分布に
    対応するように荷電ビームを照射する工程、 (6)前記第1の感光性樹脂を現像処理する工程、 (7)前記反射型回折光学素子及び前記透過型回折光学
    素子を含む金型を作成する工程を具備する金型の製造方
  11. 【請求項11】(1)請求項10記載の製造方法により
    作成された金型を用いて、前記反射型回折光学素子及び
    前記透過型回折光学素子を同時に複製する工程、 (2)前記反射型回折光学素子を形成する位置を含むよ
    うに、反射層を堆積させる工程を具備する集積型光学装
    置の製造方法。
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