JP2003322713A - 回折光学素子およびその製造方法および光ピックアップ装置および光ディスクドライブ装置 - Google Patents

回折光学素子およびその製造方法および光ピックアップ装置および光ディスクドライブ装置

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JP2003322713A
JP2003322713A JP2002127923A JP2002127923A JP2003322713A JP 2003322713 A JP2003322713 A JP 2003322713A JP 2002127923 A JP2002127923 A JP 2002127923A JP 2002127923 A JP2002127923 A JP 2002127923A JP 2003322713 A JP2003322713 A JP 2003322713A
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diffractive optical
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JP2002127923A
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Yasuhiro Azuma
康弘 東
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】回折光学素子製造の際の、基板の反りを有効に
解消する。 【解決手段】透明基板1A上に有機材料膜3を接着固定
する工程と、有機材料膜3に、矩形状の凹凸による回折
格子RLを複数個、格子配列状に形成する工程と、形成
された複数の回折格子を個別的に分離する分離工程とを
有する回折光学素子の製造方法において、有機材料膜3
の熱収縮により反りを生じた基板に対し、反りを緩和す
るための溝を、回折格子の格子状配列の縦横方向に少な
くとも1筋ずつ、有機材料膜3の側から、有機材料膜3
の厚さ以上で、透明基板1Aの強度を損わない深さに形
成する工程を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、回折光学素子お
よびその製造方法および光ピックアップ装置および光デ
ィスクドライブ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】回折光学素子は「光に所望の回折現象を
生じさせる光学素子」であり、分光や光の偏向等を行わ
せる素子として広く使用されている。
【0003】回折光学素子は従来から種々のものが知ら
れているが、新たな回折光学素子として「光学的に透明
な基板の上に有機膜や高分子膜を形成し、これら膜の表
面に凹凸による所望の回折格子を形成したもの」が提案
されている(特開2000−221325号公報、特開
2000―75130号公報、特開平11−17422
6号公報等)。
【0004】上記公報記載の回折光学素子は、膜が複屈
折性を持つ「偏光ホログラム素子」であり、例えば、光
ピックアップ装置において「光源側からの光束の光路と
光ディスクからの戻り光束の光路とを光路分離する」の
に好適に使用され得る。
【0005】若干、説明を補足すると、回折光学素子
は、光ピックアップ装置に用いられるものではサイズが
「数ミリ四方程度」で、これを単品づつ別個に製造する
わけではなく、一度に数百のものが製造される。
【0006】即ち、直径:数10〜数100mmのサイ
ズの透明基板、例えば直径:100あるいは150mm
の透明基板上に接着剤層が形成され、形成された接着剤
層上に、基板サイズと同サイズ、あるいはこれより一回
り小さいサイズの有機材料膜を載せ、接着剤層により透
明基板に接着固定する。接着剤層を構成する接着剤とし
ては熱硬化性のものや、紫外線硬化型接着剤のような光
硬化性のものを用いることができる。
【0007】透明基板に接着された有機材料膜の表面に
複数(通常100〜200個)の回折格子の形成が行わ
れる。回折格子の形成は、有機材料膜上に金属や酸化物
による薄い膜を形成し、フォトリソグラフィにより上記
膜をパターニングして回折格子群に対応するエッチング
マスクを形成し、このマスクを介したドライエッチング
で行うことができる。
【0008】回折格子形成後、必要に応じてオーバコー
ト層を形成し、さらに所望により透明な基板をオーバコ
ート層上に載置して全体を一体化する。その後、ダイシ
ング装置を用いて切断を行い、個々の回折光学素子を得
る。
【0009】ところで、上記回折格子を形成する有機材
料膜の材料は一般に「高分子材料」で、回折光学素子の
製造工程で加熱を伴う処理(例えば、熱硬化性の接着剤
で接着剤層を構成し、加熱により硬化させて有機材料膜
を接着固定する場合や、エッチングマスクを形成する際
のフォトリソグラフィにおけるフォトレジストのプリベ
ークやポストベーク処理)を受けると、熱による温度変
化(上記接着剤の熱硬化の場合で100〜150℃)に
より収縮し、接着剤層を介して固定された透明基板に
「反り」を生じさせる。
【0010】このような「反り」が発生すると、例え
ば、回折格子形成の工程を行う際に、基板を「真空吸
着」で所定の位置に固定することが困難になったり、で
きなくなったりする。また、反りの生じた有機材料膜に
ドライエッチングで回折格子を形成する際、反りのため
に「同時に形成される複数の回折格子が同一のものにな
らなく」なり、製造された回折光学素子の光学特性の
「ばらつき」が生じる。特に、反りの大きな部分に形成
された回折格子の場合、透過光の波面収差を劣化させ、
実際上の使用ができなくなる場合もあるため、回折光学
素子の製造の歩留まりが低下する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、回折光学
素子製造の際の、上記「反り」の問題を有効に解消する
ことを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明の回折光学素子
の製造方法は「透明基板上に有機材料膜を接着固定する
有機材料膜接着工程と、透明基板上に接着固定された有
機材料膜に矩形状の凹凸による回折格子を複数個、格子
配列状に形成する回折格子形成工程と、格子配列状に形
成された複数の回折格子を個別的に分離する分離工程と
を有する回折光学素子の製造方法」であって「溝形成工
程」を有する。
【0013】「溝形成工程」は、有機材料膜接着工程よ
り後において「有機材料膜の熱収縮により反りを生じた
基板(透明基板と有機材料膜とを一体的に含む状態)」
に対して行われる。即ち、反りを生じた基板における
「有機材料膜の側」から「反りを緩和するための溝」
を、複数の回折格子の「格子状配列の縦横方向」に少な
くとも1筋ずつ形成する。「溝の深さ」は、有機材料膜
の厚さ以上で、且つ、透明基板の強度を損なわない深さ
とする。
【0014】上述の如く、基板の反りは「有機材料膜の
熱収縮」によるものであるから、収縮状態にある有機材
料膜を溝で切断すると、切断部分で膜の応力がなくなる
ため、基板全体としての反りが緩和される。
【0015】上記の如く、溝は「複数の回折格子の、格
子状配列の縦横方向に少なくとも1筋ずつ」形成すれば
「反りを緩和する効果」があるが、溝の数は多いほど効
果的であり、例えば、複数の回折格子の形成領域におい
て「n(≧1)×m(≧1)個の回折格子の形成領域部
分」を単位として相互に分離するように溝形成を行うこ
とができ(請求項2)、特に、n=m=1として溝形成
を行うことが好ましい(請求項3)。
【0016】この請求項3の場合には、各回折格子単位
で、回折格子相互が溝により分離することになる。この
とき、形成される溝の「筋数」も最大となる。この状態
では、溝が碁盤の升目状に形成され、各回折格子は「溝
で囲まれる単位の升」の部分に形成される。
【0017】請求項1または2または3記載の回折光学
素子の製造方法において、溝形成工程により形成する溝
の深さ:d、有機材料膜の厚さ:t、透明基板の厚さ:
Tは、条件:t<d<T/2を満足することが好ましい
(請求項4)。
【0018】溝の深さ:dが有機材料膜の厚さ:tより
小さい場合には、溝による膜の応力の解消が不充分で、
反りを緩和する効果も十分には得られない。この意味
で、溝の深さ:dは「深いほど反り低減の効果」を上げ
るが、透明基板の厚さ:Tの半分以上になると、反り緩
和の効果は上がるが、透明基板自体の強度が不充分とな
って「ひび・割れ」などを発生し易くなり、却って歩留
まり低下を招く。
【0019】請求項1〜4の任意の1に記載の回折格子
の製造方法における「溝形成工程における溝形成」はダ
イシング装置により行うことが好ましい(請求項5)。
この場合において、格子配列状に形成された複数の回折
格子を溝により個別的に分離するようにし(上記請求項
3におけるm=n=1の場合)、溝形成工程においては
「分離工程で用いるダイシングブレードよりも幅広のダ
イシングブレード」を用いて、各回折格子の形成領域部
分を単位として相互に分離するように溝形成を行うこと
が好ましい(請求項6)。
【0020】溝の形成は「エッチング等」で行うことも
できる。しかし、請求項5、6の場合のように「ダイシ
ング装置」を用いて行うと、溝深さの制御が容易であ
り、生産性も良い。ダイシング装置を用いて溝形成を行
う場合、請求項6の製造方法のように、最終工程である
「分離工程」で各回折格子を個別的に分離して回折光学
素子とする際に使用するダイシングブレードよりも幅広
の厚いダイシングブレードを用いると、回折格子上にオ
ーバコート層を形成する場合、最終的に得られる回折光
学素子において「回折格子周辺のオーバコート層材料が
厚くなる構造」となり、回折光学素子の強度が増し、信
頼性が高まる。
【0021】なお、ダイシングブレードの幅はできる限
り狭いもの使用した方が、一枚の基板からより多くの回
折光学素子を作製できる。
【0022】上記請求項1〜6の任意の1に記載の回折
光学素子の製造方法は、複数の回折格子の形成をドライ
エッチングにより行い、このドライエッチングに対して
エッチングマスクとなるマスクパターンを形成する工程
より前に、溝形成工程を行うことが好ましい(請求項
7)。
【0023】複数の回折格子の形成をドライエッチング
で行う際には、エッチングマスクを形成することになる
が、このとき基板に反りが生じていると、エッチングマ
スクの作製にフォトリソグラフィを利用する場合、フォ
トレジストを露光するパターンに歪みや「ぼけ」が生じ
て制度の良いエッチングマスクを形成することが困難に
なり、エッチングマスクが不正確であると形成される回
折格子も不良となる。
【0024】従ってこのような場合には、溝形成工程
を、エッチングマスクのマスクパターンを形成する工程
より前に行うのが良い。また、このようにすることが製
造プロセスの生産製の面からも好ましい。
【0025】上記「ドライエッチング」は、量産性を考
慮すると酸素ガスを使用するのが良く、中でも高密度プ
ラズマドライエッチング装置(例えば日本真空技術株式
会社製 商品名:NLD−800)は量産性の面から、
上記ドライエッチングによる複数回折格子の形成に好適
である。
【0026】基板上に接着固定された有機材料膜の表面
に所定数の回折格子を形成した状態で分離工程を行い、
回折格子を個別に分離しても、分離された各素子は「回
折光学素子」としての機能を備えているから、これをも
って「回折光学素子」とすることもできる。
【0027】しかし、回折格子の形成された有機材料膜
は必ずしも十分な「物理的強度」を持つ訳ではないの
で、このまま使用するよりは「複数の回折格子を格子配
列状に形成され、溝形成工程により溝を形成された有機
材料膜上から、各回折格子における矩形状の回折格子の
凹部に、光学的に透明な材料を充填してオーバコート層
とする(請求項8)」ことにより、オーバコート層で回
折格子を保護することが好ましく、オーバコート層上に
さらに「透明な基板を一体化する(請求項9)」ことに
より「より堅牢な回折光学素子」を実現できる。
【0028】上記請求項8または9記載の回折光学素子
の製造方法において、有機材料膜として「有機複屈折
膜」を用い、オーバコート層の材料として「有機複屈折
膜の常光線に対する屈折率もしくは異常光線に対する屈
折率と実質的に等しい屈折率」を持つ等方性光学材料を
用いることができる(請求項10)。
【0029】上記「有機複屈折膜」は大面積で大量に、
且つ低コストで作製できることが好ましく、この点を考
慮すると、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポ
リカーボネイト(PC)、ポリビニルアルコール(PV
A)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリスチ
レン、ポリサルフォン(PSF)、ポリエーテルサルフ
ォン(PES)、ポリイミドなどの「高分子複屈折膜」
が好適であり、中でも均一な薄膜化の容易さ、耐熱性、
耐薬品性の点からポリエチレンテレフタレート(PE
T)は極めて好適である。
【0030】請求項10記載の回折光学素子の製造方法
における「有機複屈折膜」としては「分子鎖が配向した
高分子複屈折膜」を用いることができ(請求項11)、
この場合「延伸により分子鎖を配向させて複屈折性を発
現させた高分子膜」であることがコスト面から好ましい
(請求項12)。
【0031】上記請求項8〜12の任意の1に記載の回
折光学素子の製造方法において、オーバコート層の材料
としては、粘性・屈折率等の物性を容易に制御できるこ
とや、接着力、透明性等の観点から、アクリル系もしく
はエポキシ系の材料であることが好ましい(請求項1
3)。
【0032】請求項14記載の「回折光学素子」は、上
記請求項1〜13の任意の1に記載の回折光学素子の製
造方法で製造される回折光学素子である。これら回折光
学素子のうち、請求項10または11記載の回折光学素
子の製造方法で形成されるものは「偏光ホログラム素
子」として使用できる(請求項15)。
【0033】この請求項15記載の回折光学素子は勿
論、「オーバコート層上に透明な基板を一体化されてい
る」ことができ(請求項16)、この場合のオーバコー
ト層の材料としては「アクリル系もしくはエポキシ系の
材料」が好適である(請求項17)。請求項15または
16または17記載の回折光学素子は「有機複屈折膜を
接着された透明基板に反射防止膜を形成した」ものであ
ることができる(請求項18)。勿論、オーバコート層
の上に透明な基板を一体化する場合には、この基板に反
射防止膜を設けることもできる。
【0034】この発明の光ピックアップ装置は、上記請
求項15〜18の任意の1に記載の回折光学素子を「光
源側からの光束の光路と、光ディスクからの戻り光束の
光路とを光路分離する偏光ホログラム素子」として用い
たことを特徴とする(請求項19)。
【0035】この発明の光ディスクドライブ装置は「光
ディスクに対し、光ピックアップ装置を用いて情報の記
録・再生・消去の1以上を行う光ディスクドライブ装
置」であって、光ピックアップ装置として請求項19記
載のものを用いたことを特徴とする(請求項20)。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、実施の形態を説明する。図
1は、この発明の「回折光学素子の製造方法」の実施の
1形態を説明するための図である。
【0037】図1(a)は「有機材料膜接着工程」が行
われた状態を示している。透明基板1A上に接着剤層2
が形成され、この接着剤層2により有機材料膜3が透明
基板1Aに接着固定されている。有機材料膜3は「有機
材料膜接着工程中に受けた熱」により熱収縮し、透明基
板1Aを反らせ「基板として反りを発生した状態」とな
っている。図1(a)に示す「Δ」が「反り量」を表
し、この反り量:Δにより「基板としての反りの程度」
を表す。
【0038】なお、「以後の製造工程において、有機材
料膜3と透明基板1Aとが剥離したりしない」ように接
着力を強化するのに、有機材料膜3の接着剤層側面を
「粗面化処理」するのが好ましい。粗面化処理は「プラ
ズマ処理」を用いて行うこともできるし、コロナ放電や
サンドブラスト処理で行うこともできる。粗面化処理に
より有機材料膜面に形成される凹凸が大きいと光を散乱
させるので、形成される凹凸は、使用波長:λに対しλ
/10以下の大きさで、なおかつ接着力強化に有効な大
きさである必要がある。
【0039】図1(b)は、有機材料膜接着工程後に
「溝形成工程」を行った状態を示している。図に示すよ
うに、反りを緩和する複数筋の溝Fが、有機材料膜3の
側から「複数の回折格子の格子状配列(この実施の形態
では、この段階では未だ回折格子は形成されていないの
で「形成されるべき複数の回折格子の格子状配列」の縦
横方向(図面に直交する方向の溝のみを示してい
る))」に、有機材料膜3の厚さ以上で、且つ透明基板
1Aの強度を損わない深さ(図では、溝の底が、透明基
板1Aの上面から僅かの深さにある)に形成されてい
る。形成された溝Fの部分で有機材料膜3の応力がなく
なり、透明基板1Aの反りが緩和されて「殆ど反りの無
い状態」に戻っている。なお、溝形成は「ダイシング装
置」を用いて行っている。
【0040】図1(c)は、溝形成工程により分離され
た各部分(この実施の形態では、最終的に単位の回折光
学素子となる部分)に回折格子に応じたエッチングマス
クとなるマスクパターンMPを「金属膜」により形成し
た状態である。マスクパターンMPの形成は、例えば、
以下のように行うことができる。
【0041】溝Fを形成された有機材料膜3の上にスパ
ッタリング等で金属膜を形成したのち、この金属膜上に
フォトレジストの薄層を形成し、フォトレジスト膜にマ
スクパターンに応じたパターン像を露光・現像する(フ
ォトリソグラフィ工程)。
【0042】このようにして形成されたレジストパター
ンをマスクとしてウエットエッチングを行い、露呈され
た金属膜部分のみをエッチングしたのち、レジストパタ
ーンを構成するフォトレジストを除去すれば、図1
(c)の如き状態となる。上記フォトリソグラフィ工程
においては、フォトレジストのプリベークやポストベー
クの際に、有機材料膜3が加熱されることになるが、こ
のとき有機材料膜3は溝Fで分断されているから、基板
に反りを生じることは無い。
【0043】図1(d)は、マスクパターンMPを介し
てドライエッチングを行い、有機材料膜3に、断面が略
矩形状の凹凸による回折格子RLを形成し、マスクパタ
ーンMPを除去した状態を示している。
【0044】図1(e)は、複数の回折格子RLを格子
配列状に形成され、溝形成工程により溝Fを形成された
有機材料膜3上から、各回折格子RLにおける「断面が
略矩形状の回折格子」の凹部に、光学的に透明な材料を
充填してオーバコート層4とし、さらに、オーバコート
層4上に透明な基板1Bを一体化した状態を示してい
る。
【0045】このときも、有機材料膜3のオーバコート
層4に接する側の面に、前記と同様の「粗面化処理」を
施すことが好ましい。
【0046】図1(f)は、図1(e)の状態に対し
「ダイシング装置による切断」を行って(分離工程)、
複数の回折格子RLを個別的に分離する状態を示してい
る。この分離工程の結果、図2に示すような構成の回折
光学素子10が得られる。
【0047】即ち、図1に実施の形態を示した回折光学
素子の製造方法は、透明基板1A上に有機材料膜3を接
着固定する有機材料膜接着工程(図1(a))と、透明
基板1A上に接着固定された有機材料膜3に矩形状の凹
凸による回折格子RLを複数個、格子配列状に形成する
回折格子形成工程(図1(c)、(d))と、格子配列
状に形成された複数の回折格子RLを個別的に分離する
分離工程(図1(f))とを有する回折光学素子の製造
方法において、有機材料膜接着工程より後において「有
機材料膜3の熱収縮により反りを生じた基板」に対し、
反りを緩和するための溝Fを、回折格子の格子状配列の
縦横方向に少なくとも1筋ずつ、有機材料膜3の側か
ら、有機材料膜3の厚さ以上で、且つ、透明基板1Aの
強度を損わない深さに形成する溝形成工程を有するもの
(請求項1)である。
【0048】また上記実施の形態においては、回折格子
の形成領域においてn(≧1)×m(≧1)個の回折格
子の形成領域部分を単位として相互に分離するように溝
形成が行われ(請求項2)、なお且つ、n=m=1とし
て溝形成が行われている(請求項3)。
【0049】溝形成工程により形成する溝の深さ:d、
有機材料膜の厚さ:t、透明基板の厚さ:Tは、条件:
t<d<T/2を満足する(請求項4)。
【0050】溝形成工程における溝形成は、「ダイシン
グ装置」により「分離工程で用いるダイシングブレード
よりも幅広のダイシングブレード」を用いて行われ(請
求項6)、その結果、図2に示すように「最終的に得ら
れた回折光学素子10」では、回折格子周辺(図の左右
端部)で、オーバコート層4の材料が厚くなる構造とな
り、回折光学素子10の強度が増大し信頼性が高まるも
のとなっている。
【0051】また、矩形状の凹凸による回折格子RLの
形成はドライエッチングにより行われ、このドライエッ
チングに対してエッチングマスクとなるマスクパターン
MPを形成する工程(図1(c))より前に「溝形成工
程(図1(b))」が行なわれている(請求項7)。
【0052】複数の回折格子RLを格子配列状に形成さ
れ、溝形成工程により溝Fを形成された有機材料膜3上
から、各回折格子RLにおける矩形状の回折格子の凹部
に、光学的に透明な材料を充填してオーバコート層4が
形成され(請求項8)、オーバコート層4上に透明な基
板1Bが一体化(図1(e))される(請求項9)。
【0053】図2に示す回折光学素子10は、有機材料
膜3が複屈折性を持たず、オーバコート層4が「有機材
料膜3と異なる屈折率」を持つものであれば通常の回折
格子として分光や光の偏向に使用することができる。
【0054】図2の回折光学素子10の製造方法として
の上記実施の形態は、有機材料膜3として「有機複屈折
膜」を用い、オーバコート層4の材料として「有機複屈
折膜3における常光線もしくは異常光線に対する屈折率
に実質的に等しい屈折率を持つ等方性光学材料」を用い
る場合には、請求項10記載の製造方法に関するものと
なる。
【0055】このようにして形成された回折光学素子1
0は、請求項14記載の回折光学素子であり、特に、有
機材料膜3として「有機複屈折膜」を用い、オーバコー
ト層4の材料として「有機複屈折膜3における常光線も
しくは異常光線に対する屈折率に実質的に等しい屈折率
を持つ等方性光学材料」を用いたものは「偏光ホログラ
ム素子」として使用できる(請求項15) 図2に示す回折光学素子10における透明基板1Aの表
面(図の下方の表面)に「反射防止膜」を形成すること
ができる(請求項18)。反射防止膜はまた、透明基板
1Aの上記表面に形成するのに代えて、あるいは上記表
面に形成するのと共に、透明な基板1Bの表面に形成す
ることもできる。
【0056】なお、取り扱いに幾分慎重を期するなら
ば、図2の状態から、透明な基板1Bを除去し、オーバ
コート層4を「保護膜を兼ねた表面層」とすることもで
きる。このような回折光学素子は、請求項8記載の製造
方法により製造される回折光学素子の1態様である。
【0057】図3は、この発明の光ピックアップ装置の
実施の1形態を示す図である。光ピックアップ装置は、
光源30から放射される光を、対物レンズ37により光
ディスク40の記録面上に光スポットとして集光し、記
録面により反射された戻り光束を、対物レンズ37を介
して光検出部39へ導きつつ、光ディスク40に対し、
情報の記録・再生・消去の1以上を行う光ピックアップ
装置であり、光源30と対物レンズ37との間に回折光
学素子31が配置されている。回折光学素子31は、図
2に即して説明した如きものである。
【0058】図3の光ピックアップ装置では、光源30
である半導体レーザからの光が回折光学素子31を透過
する。回折光学素子31は「偏光ホログラム素子」とし
て用いられており、光源側からの光はそのまま回折光学
素子31を透過し、さらに、1/4波長板35を透過
し、対物レンズ37の作用により、光ディスク40の記
録面上に光スポットとして集光する。
【0059】記録面により反射された光は「戻り光束」
となって対物レンズ37、1/4波長板35を透過し、
偏光面が当初の方向から90度旋回した直線偏光とな
り、回折光学素子31に入射し、回折光学素子31によ
る回折作用を受けて光検出部39へ向けて偏向される。
このとき、戻り光束には回折光学素子31により、例え
ば非点収差が与えられ、この光束は光検出部39で受光
され、非点収差法によるフォーカシング信号、プッシュ
プル法によるトラッキング信号や再生信号を発生させ
る。
【0060】即ち、図3の光ピックアップ装置は、請求
項15〜18の任意の1に記載の回折光学素子を、光源
30側からの光束の光路と、光ディスク40からの戻り
光束の光路とを光路分離する偏光ホログラム素子31と
して用いたもの(請求項19)である。
【0061】図4は、光ディスクドライブ装置の実施の
1形態を示す図である。この光ディスクドライブ装置
は、光ディスク40に対し、光ピックアップ装置41を
用いて情報の記録・再生・消去の1以上を行う装置であ
る。光ディスク40は保持部47に保持され、「駆動手
段」としてのモータMで回転駆動される。
【0062】セットされた光ディスク40に対し光ピッ
クアップ装置41が、変位駆動手段43により光ディス
ク40の半径方向へ変位駆動されて、記録・再生・消去
の1以上を行う。制御手段45は、光ピックアップ装置
41からの信号に基づく各種制御や再生信号の出力を制
御するほか、装置全体の制御を行う。
【0063】即ち、図4の光ディスクドライブ装置は、
光ディスク40に対し、光ピックアップ装置41を用い
て情報の記録・再生・消去の1以上を行う光ディスクド
ライブ装置において、光ピックアップ装置として請求項
19記載のものを用いたもの(請求項20)である。
【0064】
【実施例】以下、具体的な実施例と比較例を上げる。な
お、実施例・比較例の説明において図1、図2を参照
し、これら図面における符号を用いる。 実施例1 厚さ:1.0mm、直径:100mmの円板形状(オリ
エンテーションフラットが形成されている)の透明基板
(BK7)1Aに、紫外線硬化型接着剤を厚さ:20μ
mに設けて接着剤層2とし、その上に、厚さ:100μ
mの「高分子材料(PET)」による(透明基板1Aと
同形状の)有機複屈折膜3を「有機材料膜」として載置
して減圧下で接着剤層2と一体化させた後、有機複屈折
膜3の側から紫外線を照射し、100℃の温度で10分
間のベーキングを行い、接着剤層2を完全に硬化させた
(図1(a))。
【0065】この状態での「基板(透明基板1Aと有機
複屈折膜3の一体化したもの)」の反り量:Δは60μ
mであった。
【0066】次に、ダイシング装置により厚さ:0.3
mmのダイシングブレードを用い、有機複屈折膜3の側
から、透明基板1Aに至る溝Fを形成した(溝形成工
程)。溝Fの深さは、透明基板1Aの上面から100μ
mとした。このときの基板の反り量:Δは20μmであ
った(図1(b))。
【0067】溝形成後の状態を図5に示す。溝Fは、最
終的に回折光学素子となる部分を単位として相互に分離
するように形成した。
【0068】その後、有機複屈折膜3上に金属膜(A
l)によるエッチングマスクのマスクパターンMP(回
折格子に対応するピッチ:Pt=3.0μm)を複数個
形成し(図1(c))、このマスクパターンMPをエッ
チングマスクとしてドライエッチングを行ったのち、エ
ッチングマスク(金属膜)を除去し、溝で分離された有
機複屈折膜の各部に、断面が略矩形形状の凹凸による回
折格子RL(ピッチ:3.0μm、深さ:4.0μm)
を形成した(図1(d))。
【0069】さらに、複数の回折格子RLが形成された
有機複屈折膜3の上にオーバコート層4となるアクリル
系の紫外線硬化型接着剤をボッティングし、その上から
厚さ:500μmの透明な基板1Bをのせて適度に加圧
し、各回折格子の凹部に上記樹脂を充填した。
【0070】上記透明な基板1B側から紫外線を照射
後、100℃で10分間のベーキングを行こない完全に
硬化させた((図1(e))のち、ダイシング装置によ
り、厚さ:0.2mmのダイシングブレードを用いて全
体を「5.0mm×5.0mm」サイズのチップに切断
し(図1(f))、図2に示す如き回折光学素子を複数
個作製した。
【0071】実施例2 厚さ:1.0mm、直径:100mmの(オリエンテー
ションフラットを形成された)円板形状の透明基板(B
K7)1Aを用い、実施例1と同様の方法で、厚さ:1
00μmで、透明基板1Aと同形状の有機複屈折膜(P
ET)3の接着・固定を行った。この状態の基板の反り
量:Δは60μmであった。
【0072】実施例1と同様の方法による溝形成工程を
行こない、透明基板1Aの表面側から深さ:200μm
に達する溝Fを形成した。このときの基板の反り量:Δ
は15μmであった。
【0073】以下、実施例1と同様に、金属膜(Al)
によるマスクパターンMPの形成、ドライエッチング、
オーバコート層4の形成、透明な基板1Bの一体化、ダ
イシング装置による分離工程を行い、図2に示す如き回
折光学素子を複数個得た。
【0074】実施例3 厚さ:1.0mm、直径:100mmの(オリエンテー
ションフラットを形成された)円板形状の透明基板(B
K7)1Aを用い、実施例1と同様の方法で、厚さ:1
00μmで、透明基板1Aと同形状の有機複屈折膜(P
ET)3の接着・固定を行った。この状態の基板の反り
量:Δは60μmであった。
【0075】実施例1と同様の方法による溝形成工程を
行い、透明基板1Aの表面側から深さ:500μm(透
明基板1Aの厚さの半分)に達する溝Fを形成した。こ
のときの基板の反り量:Δは15μmであった。
【0076】以下、実施例1と同様に金属膜(Al)に
よるマスクパターンMPの形成、ドライエッチング、オ
ーバコート層4の形成、透明な基板1Bの一体化、ダイ
シング装置による分離工程を行い、図2に示す如き回折
光学素子を複数個得た。
【0077】比較例1 厚さ:1.0mm、直径:100mmの(オリエンテー
ションフラットを形成された)円板形状の透明基板(B
K7)1Aを用い、実施例1と同様の方法で、厚さ:1
00μmで、透明基板1Aと同形状の有機複屈折膜(P
ET)3の接着・固定を行った。この状態の基板の反り
量:Δは60μmであった。
【0078】その後、溝形成工程を行うことなく、実施
例1と同様に金属膜(Al)によるマスクパターンMP
の形成、ドライエッチング、オーバコート層4の形成、
透明な基板1Bの一体化、ダイシング装置による分離工
程を行い、図2に示す如き回折光学素子を複数個得た。
【0079】比較例2 厚さ:1.0mm、直径:150mmの(オリエンテー
ションフラットを形成された)円板形状の透明基板(B
K7)1Aを用い、実施例1と同様の方法で、厚さ:1
00μmで透明基板1Aと同形状の有機複屈折膜(PE
T)3の接着・固定を行った。この状態の基板の反り
量:Δは150μmであった。透明基板1Aの直径が大
きくなった分、反り量:Δも大きくなっている。
【0080】その後、溝形成工程を行うことなく、実施
例1と同様に金属膜(Al)によるマスクパターンMP
の形成、ドライエッチング、オーバコート層4の形成、
透明な基板1Bの一体化、ダイシング装置による分離工
程を行い、図2に示す如き回折光学素子を複数個得た。
【0081】比較例3 厚さ:1.0mm、直径:100mmの(オリエンテー
ションフラットを形成された)円板形状の透明基板(B
K7)1Aを用い、実施例1と同様の方法で、厚さ:1
00μmで、透明基板1Aと同形状の有機複屈折膜(P
ET)3の接着・固定を行った。この状態の基板の反り
量:Δは60μmであった。
【0082】この状態でダイシング装置による溝形成工
程を行い、透明基板1Aの表面側から深さ:600μm
(透明基板1Aの厚さの半分を越える深さ)に達する溝
Fを形成した。このときの基板の反り量:Δは8μmで
あった。
【0083】その後、実施例1と同様に金属膜(Al)
によるマスクパターンMPの形成、ドライエッチング、
オーバコート層4の形成、透明な基板1Bの一体化、ダ
イシング装置による分離工程を行い、図2に示す如き回
折光学素子を複数個得た。
【0084】実施例1〜3、比較例1〜3のそれぞれの
サンプルに対する「反り量と評価結果」を以下に一覧と
して示す。反り量Aとあるのは「有機材料膜接着工程後
の反り量」、反り量Bとあるのは「溝形成工程実施後の
反り量」である。なお、各数値(反り量A、B・溝深
さ)の単位は「μm」である。
【0085】 実施例1 実施例2 実施例3 比較例1 比較例2 比較例3 反り量A 60 60 60 60 150 60 溝深さ 100 200 500 溝なし 溝なし 600 反り量B 20 15 10 60 150 8 工程不具合 なし なし なし 固定不可 固定不可 ひび発生 評価判定 ○ ○ ○ × × × 「工程不具合」における「固定不可」は、有機材料膜接
着工程後の反りにより基板を真空吸着で固定できなかっ
たことを意味する。また「ひび発生」は、有機材料膜接
着工程より後の工程で、透明基板1Aに「ひび」が発生
したことを意味する。「評価判定」における「○」は、
回折光学素子の製造工程に不具合がなく、歩留まり良く
回折光学素子を得られたことを意味し、「×」は、製造
工程に不具合が発生したり、製造の歩留まりが低かった
りしたことを意味する。
【0086】
【発明の効果】以上に説明したように、この発明によれ
ば、新規な回折光学素子とその製造方法、この回折光学
素子を偏光ホログラム素子として用いる光ピックアップ
装置、この光ピックアップ装置を用いる光ディスクドラ
イブ装置を実現できる。
【0087】この発明の回折光学素子の製造方法によれ
ば、有機材料膜の熱収縮による基板の反りが有効に軽減
もしくは防止され、製造工程における「固定不可」等の
不具合が無く、製造工程をスムーズに実施でき、高い歩
留まりを実現できる。
【0088】したがって、この製造方法で製造される回
折光学素子は「高品質」で、性能が安定しており、低コ
ストで実現可能である。このような回折光学素子を偏光
ホログラム素子として用いることにより、光路分離が良
好でコンパクトな光ピックアップ装置を実現でき、この
ような良好な光ピックアップ装置を用いることにより性
能良好な光ディスクドライブ装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】回折光学素子の製造方法の実施の1形態を説明
するための図である。
【図2】図1の実施の形態により製造される回折光学素
子の構成を説明するための図である。
【図3】光ピックアップ装置の実施の1形態を説明する
ための図である。
【図4】光ディスクドライブ装置の実施の1形態を説明
するための図である。
【図5】実施例において、溝形成工程後の状態を説明す
るための図である。
【符号の説明】
1A 透明基板 2 接着剤層 3 有機材料膜 4 オーバコート層 1B 透明な基板 10 回折光学素子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H049 AA03 AA13 AA25 AA31 AA33 AA34 AA37 AA57 AA65 BA05 BA42 BA45 BB44 BB65 BC03 BC08 BC14 BC21 CA05 CA15 CA28 2K009 AA02 BB14 BB23 5D119 AA35 AA38 BA01 BB01 BB02 BB03 FA05 JA12 JA13 JA14 JA32 JA43 JA64 JA65 NA05 5D789 AA35 AA38 BA01 BB01 BB02 BB03 FA05 JA12 JA13 JA14 JA32 JA43 JA64 JA65 NA05

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明基板上に有機材料膜を接着固定する有
    機材料膜接着工程と、 上記透明基板上に接着固定された上記有機材料膜に、矩
    形状の凹凸による回折格子を複数個、格子配列状に形成
    する回折格子形成工程と、 格子配列状に形成された複数の回折格子を個別的に分離
    する分離工程とを有する回折光学素子の製造方法におい
    て、 上記有機材料膜接着工程より後において、上記有機材料
    膜の熱収縮により反りを生じた基板に対し、上記反りを
    緩和するための溝を、上記回折格子の格子状配列の縦横
    方向に少なくとも1筋ずつ、上記有機材料膜の側から、
    上記有機材料膜の厚さ以上で、且つ上記透明基板の強度
    を損なわない深さに形成する溝形成工程を有することを
    特徴とする回折光学素子の製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の回折光学素子の製造方法に
    おいて、 複数の回折格子の形成領域において、n(≧1)×m
    (≧1)個の回折格子の形成領域部分を単位として、相
    互に分離するように溝形成を行うことを特徴とする回折
    光学素子の製造方法。
  3. 【請求項3】請求項2記載の回折光学素子の製造方法に
    おいて、 n=m=1として溝形成を行うことを特徴とする回折光
    学素子の製造方法。
  4. 【請求項4】請求項1または2または3記載の回折光学
    素子の製造方法において、 溝形成工程により形成する溝の深さ:d、有機材料膜の
    厚さ:t、透明基板の厚さ:Tが、条件: t<d<T/2 を満足することを特徴とする回折光学素子の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項1〜4の任意の1に記載の回折格子
    の製造方法において、 溝形成工程における溝形成をダイシング装置により行う
    ことを特徴とする回折光学素子の製造方法。
  6. 【請求項6】請求項5記載の回折光学素子の製造方法に
    おいて、 格子配列状に形成された複数の回折格子を個別的に分離
    する分離工程を、ダイシング装置により行い、 溝形成工程においては、上記分離工程で用いるダイシン
    グブレードよりも幅広のダイシングブレードを用いて、
    各回折格子の形成領域部分を単位として相互に分離する
    ように溝形成を行うことを特徴とする回折光学素子の製
    造方法。
  7. 【請求項7】請求項1〜6の任意の1に記載の回折光学
    素子の製造方法において、 複数の回折格子の形成をドライエッチングにより行い、
    このドライエッチングに対してエッチングマスクとなる
    マスクパターンを形成する工程より前に、溝形成工程を
    行うことを特徴とする回折光学素子の製造方法。
  8. 【請求項8】請求項1〜7の任意の1に記載の回折光学
    素子の製造方法において、 複数の回折格子を格子配列状に形成され、溝形成工程に
    より溝を形成された有機材料膜上から、各回折格子にお
    ける矩形状の回折格子の凹部に、光学的に透明な材料を
    充填して、オーバコート層とすることを特徴とする回折
    光学素子の製造方法。
  9. 【請求項9】請求項8記載の回折光学素子の製造方法に
    おいて、 オーバコート層上に、透明な基板を一体化することを特
    徴とする回折光学素子の製造方法。
  10. 【請求項10】請求項8または9記載の回折光学素子の
    製造方法において、 有機材料膜が有機複屈折膜であり、オーバコート層が、
    上記有機複屈折膜の常光線に対する屈折率もしくは異常
    光線に対する屈折率と実質的に等しい屈折率を持つ等方
    性光学材料であることを特徴とする回折光学素子の製造
    方法。
  11. 【請求項11】請求項10記載の回折光学素子の製造方
    法において、 有機複屈折膜として、分子鎖が配向した高分子複屈折膜
    を用いることを特徴とする回折光学素子の製造方法。
  12. 【請求項12】請求項11記載の回折光学素子の製造方
    法において、 有機複屈折膜として用いられる高分子複屈折膜が、延伸
    により分子鎖を配向させた高分子膜であることを特徴と
    する回折光学素子の製造方法。
  13. 【請求項13】請求項8〜12の任意の1に記載の回折
    光学素子の製造方法において、 オーバコート層の材料がアクリル系もしくはエポキシ系
    の材料であることを特徴とする回折光学素子の製造方
    法。
  14. 【請求項14】請求項1〜13の任意の1に記載の回折
    光学素子の製造方法で製造される回折光学素子。
  15. 【請求項15】請求項14記載の回折光学素子におい
    て、 請求項10または11記載の回折光学素子の製造方法で
    製造され、偏光ホログラム素子として使用されることを
    特徴とする回折光学素子。
  16. 【請求項16】請求項15記載の回折光学素子におい
    て、 オーバコート層上に透明な基板を一体化されていること
    を特徴とする、偏光ホログラム素子として使用される回
    折光学素子。
  17. 【請求項17】請求項16記載の回折光学素子におい
    て、 オーバコート層の材料がアクリル系もしくはエポキシ系
    の材料であることを特徴とする回折光学素子。
  18. 【請求項18】請求項15または16または17記載の
    回折光学素子において、 有機複屈折膜を接着された透明基板に反射防止膜を形成
    したことを特徴とする回折光学素子。
  19. 【請求項19】請求項15〜18の任意の1に記載の回
    折光学素子を、光源側からの光束の光路と、光ディスク
    からの戻り光束の光路とを光路分離する偏光ホログラム
    素子として用いたことを特徴とする光ピックアップ装
    置。
  20. 【請求項20】光ディスクに対し、光ピックアップ装置
    を用いて情報の記録・再生・消去の1以上を行う光ディ
    スクドライブ装置において、 光ピックアップ装置として、請求項19記載のものを用
    いたことを特徴とする光ディスクドライブ装置。
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