JP4765380B2 - 光学素子 - Google Patents

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本発明は、光記録媒体を再生及び/又は記録することができる互換性を有する光ヘッド装置などに用いる光学素子に関する。
DVDやCD等の異なる規格の光記録媒体を再生及び/又は記録(以下、「再生・記録」という)することができる互換性を有する光ヘッド装置(以下、互換光ヘッド装置とよぶ)において、再生・記録の高速化、光ヘッド装置の小型化、或いは軽量化などについての試みが盛んに行われている。
例えば、規格が異なるDVDとCDでは、その再生・記録に用いられるレーザ光の波長が異なるので、互換光ヘッド装置を小型化、軽量化するには、レンズ等の光学部品を、異なる波長のレーザ光に対して共通化して使用することにより、互換光ヘッド装置内部の部品点数を減らす必要がある。
その場合、光学部品のもつ波長依存性(色収差)により、良好な再生・記録特性を得ることが難しくなっている。さらに、半導体レーザの発振波長が温度により変動することから生じる波長依存性(色収差)も問題となっている。特に、次世代の青紫色半導体レーザを使った光ヘッド装置においては、その影響が大きい。
ところで、波長依存性(色収差)については、屈折率の異なる材料からなる合わせレンズを使って補正できることが知られている。一方、この合わせレンズは、その性質上、厚く、重くなってしまうため、互換光ヘッド装置の小型化、軽量化を損なう。そこで、合わせレンズ以外のもので波長依存性(色収差)を補正できる、小型かつ軽量な光学素子の開発が望まれている(例えば、特許文献1参照)。ところが、この特許文献1に記載の収差補正装置は、電気的手段を構成要素の一部に含んでいるので、構造が複雑であるとともに余分な電力消費を伴うなどの欠点を有している。
一方、波長依存性を積極的に利用し、CD用の波長のレーザ光に対しては回折機能を有するがDVD用の波長のレーザ光に対しては回折機能を有しない、またはその逆の機能を有する波長選択性のある回折光学素子が提案されている。しかしながら、CD用の長波長の光を出射するレーザ光に対して波面を変化させるが、DVD用の短波長のレーザ光に対しては波面を変化させない、またはその逆の機能を有する波長選択性のある光学素子についてはこれまで殆ど考慮されていない。
特開2001−273663号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、電気的な手段を必要とせずに、簡単な構造のもので互換光ヘッド装置のレンズ等の光学部品における波長依存性を補正することができ、しかも互換光ヘッド装置の小型化、軽量化を図ることができる光学素子を提供することを目的とする。
本発明は、少なくとも1枚の透明基板と、前記透明基板上に積層された少なくとも一つの第1薄膜と、少なくとも一つの第2薄膜と、を備える光学素子であって、前記第1薄膜は屈折率の波長依存性が大きい第1樹脂からなり、複数に分割された領域を含むとともに、各領域内で光学的に固有の均一厚さを有するとともに、各領域毎に凹凸が形成されることにより厚さが変動し、前記第2薄膜は前記第1樹脂よりも屈折率の波長依存性が小さい第2樹脂からなるとともに、前記第1薄膜の凹凸を補完するように第2樹脂が充填された構造を備え、前記第1薄膜及び前記第2薄膜は、当該第1薄膜と当該第2薄膜を透過する長短2種類の波長の光波のうち前記短い波長の光波に対してはともに同じ屈折率を有するとともに、前記長い波長の光波に対しては一定の屈折率差を有することにより、前記第1薄膜を透過する前記短い波長の光波と前記第2薄膜を透過する前記短い波長の光波との間に位相差が発生せず、前記第1薄膜を透過する前記長い波長の光波と前記第2薄膜を透過する前記長い波長の光波との間に所定の位相差が発生する光学素子を提供する。
本発明によれば、余分な電力消費を必要とせず、簡単な構造のものを用い、素子に入射する光波の波長の種類によって選択的に波面を変化させることができる光学素子を提供できる。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。
[第1の実施形態]
図1及び図2は、本発明の第1の実施形態に係る光学素子1を示すものであり、この光学素子1は、第1透明基板11と、第2透明基板12と、第1、第2透明基板11,12間に介装された薄膜層である第1樹脂(第1薄膜を構成)13及び第2樹脂(第2薄膜を構成)14とを備えている。
第1透明基板11は、方形状を有するガラス製の薄い平板であって、一方の面(以下、外面という)には図示外の反射防止膜を形成している。また、この第1透明基板11は、外面とは反対の面(以下、内面という)に、第1樹脂13及び第2樹脂14が成膜されている。
第1樹脂13は、屈折率の波長分散性が大きい樹脂で所定の領域(図1の第1領域)に形成しており、本実施形態では紫外線硬化樹脂を用いている。
第2樹脂14は、第1樹脂13よりも屈折率の波長分散性が小さい樹脂により、第1樹脂13の上面に外部に露出しない高さまで均一に成膜する。また、第1樹脂13が形成されていない第1透明基板11の内面が露出した領域(第2領域)にも均一厚さに成膜している。なお、第2樹脂14には、熱硬化性樹脂を用いている。これにより、第1透明基板11の内面側全体には、第1樹脂13及び第2樹脂14が一定の均一厚さに成膜されている。
ここで、第1樹脂13は、これを透過する光波に対して、短波長λa(本実施形態では660nm)の透過光における屈折率と長波長λb(本実施形態では780nm)の透過光における屈折率の差Δn(ab)は0.047、即ち
Δn(ab)=|n(a)−n(b)|
=0.047
但し、n(a);第1樹脂13での短波長光に対する屈折率
(b);第1樹脂13での長波長光に対する屈折率
・・・(1)
である。
一方、第2樹脂14は、波長660nmにおける屈折率と波長780nmにおける屈折率の差Δnが0.007
Δn(ab)=|n(a)−n(b)|
=0.007
但し、n(a);第2樹脂13での短波長光に対する屈折率
(b);第2樹脂14での長波長光に対する屈折率
・・・(2)
である。
また、この第1樹脂13及び第2樹脂14は、長短2種類の固有波長(λa、λb;但しλa<λb)の光波のうち、一方の波長(660nm)の光波が透過するときの屈折率が同一
(a)=n(a)
但し、n(a);第1樹脂13での短波長光に対する屈折率
(a);第2樹脂14での短波長光に対する屈折率
・・・(3)
である。一方、他方の波長(780nm)の透過光に対しては、特定の屈折率差Δn12(b)
Δn12(b)=|n(a)−n(a)|
=|Δn(b)−Δn(b)|
・・・(4)
を有するように構成されている。
なお、本実施形態では、第1樹脂13に含まれる構成成分を調整することで、短波長660nmの光波に対する第1樹脂13の屈折率n(a)と第2樹脂14の屈折率n(a)とを一致させるとともに、長波長780nmの光波に対する第1樹脂13の屈折率n(b)と第2樹脂14の屈折率n(b)との差Δn12(b)を0.04に設定している。
第2透明基板12は、第1透明基板11と同一大きさを有するガラス製の薄い平板であって、第1、第2樹脂13、14を介して第1透明基板11に一体に固着している。また、この第2透明基板12にも、第2樹脂14が固着する一方の面(以下、内面という)とは反対面(以下、外面という)に、図示外の反射防止膜を成膜している。
従って、本実施形態によれば、光学素子1に入射する短波長λaの平面波は、素子透過後も平面波で、光学素子1に入射する長波長λbの平面波は、素子透過後は図1に示すパターンに従った波面を持つ光波となる。なお、本実施形態の光学素子1では、第1樹脂13及び第2樹脂14の形成パターンについて、特に図1に示すパターンに限定されるものではなく、例えば図3に示すようなパターンに形成してもよい。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態に係る光学素子2について、図4〜図5を参照しながら説明する。なお、本実施形態において、第1の実施形態と同一部分には同一符号を付して重複説明を避ける。
本実施形態の光学素子2は、第1の実施形態と異なり、第1樹脂23が、中央部寄りが低く周辺部寄りが高い略扇形状の固有パターンを有している。即ち、光学素子2は、一定(X)方向について、周縁部から中央部に向けて3段の段部(以下、上段を第3領域、中段を第4領域、下段を第5領域とよぶ)を形成しており、左右(Y軸を中心にしてその両側)線対称に形成されている。即ち、この第1樹脂23は、左右両縁部側を中心とした円弧状の段部を左右にそれぞれ有する略扇形状に形成されている。一方、第2樹脂24は、第1樹脂23の凹凸を補完する状態に成膜している。また、第1樹脂23が形成されていない第1透明基板11の内面が露出した領域(第2樹脂23のみ形成された略鼓形状の領域。以下、これを第6領域とよぶ)にも、第1樹脂23を均一厚さに成膜している。これにより、第1透明基板11の内面側の全面が平坦形状を呈する。また、本実施形態でも、第1、第2透明基板11、12の外面に、図示外の反射防止膜を形成している。
また、本実施形態の第1樹脂23及び第2樹脂24は、第1の実施形態と同様に、長短2種類の特定の固有波長(λa、λb;但しλa<λb)の光波のうち、一方の波長(660nm)の光波が透過するときの屈折率がともに同じであるとともに、他方の波長(780nm)の透過光に対して特定の屈折率差を有する。
従って、本実施形態によれば、前述の2種類の波長の光波が本素子を透過する際、780nmの光波に対しては第3領域から第6領域の間で段階的に位相差をもたせることができる。また、660nmの光波に対しては、第3領域〜第5領域を透過するものと第6領域を透過するものとの間に位相差は発生しない。すなわち、780nmの光波は、図4に示す平面パターンにしたがった波面を作り出すことができる。一方、660nmの光波は、本素子を透過する際に波面が変化しない。
また、780nmの光波が本素子1を透過する際、第3領域〜第5領域と第6領域とを透過する光波の間に発生する位相差は、第1樹脂23の厚さを変えることで、その値を容易に変更できる。
なお、本実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば第1樹脂の断面状態が光学素子の中央部から左右(X)方向に若干ずれた2個所で高くそこから離れる周辺部に向けて3段階で低くなる2つの山型を有するパターン形状(以下、上段を第3領域、中段を第4領域、下段を第5領域とよぶ)のものでもよい。この場合、第2樹脂は、図5に示す第2樹脂と同様に、第1樹脂の凹凸を補完する状態に成膜する。これにより、第1透明基板の内面側の全面が平坦形状を呈する(第2樹脂のみ形成された領域が第6領域)。
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態に係る光学素子3について、図6〜図8を参照しながら説明する。なお、本実施形態において、第1の実施形態と同一部分には同一符号を付して重複説明を避ける。
本実施形態の光学素子3は、第1、第2の実施形態と異なり、第1、第2の透明基板11、12の間に、第1樹脂33、第2樹脂34が積層されている。
第1樹脂33は、第2の実施形態の第1樹脂23と同様の断面形状を有するものであって、中央部から周辺部に向けて3段の段部(以下、上段を第7領域、中段を第8領域、下段を第9領域とよぶ)を呈しているが、第2の実施形態と異なり、左右(X)方向のみでなく上下(Y)方向についても、同様の段部(以下、上段を第11領域、中段を第12領域、下段を第13領域とよぶ)が線対称に形成されている。一方、第2樹脂34は、第1樹脂33の上段部(第7領域及び第11領域)が見えなくなる高さまで、第1樹脂33の凹凸を補完する状態に成膜している。一方、第1樹脂33が形成されていない第1透明基板11の内面が露出した領域(以下、これを第10領域とよぶ)にも均一厚さに第2樹脂34を成膜している。一方、第2透明基板12にも、同様に、第1樹脂33と第2樹脂34で領域10〜13が形成されている。
なお、本実施形態でも、第1、第2透明基板11、12の外面には、図示外の反射防止膜を成膜している。
従って、本実施形態によれば、第1、第2の実施形態と同様に、長波長λb(本実施形態でも780nm)の光波が本素子を透過する際、第7領域(又は第11領域)から第10領域の間で位相差を付与できる。また、短波長λa(本実施形態でも660nm)の光波に対しては、各領域を透過する光波の間に位相差が発生しない。すなわち、780nmの光波は、図6に示す平面パターンに倣った波面を作り出すことができ、660nmの光波は波面を変えない。また、780nmの光波が本素子を透過する際、各領域を透過する光波間に発生する位相差は、第3樹脂35の厚さを変えることで、容易にその大きさを変更できる。
特に、本実施形態の光学素子は、660nmの光波と780nmの光波を用いて、光記録媒体を再生・記録する互換光ヘッド装置において、この互換光ヘッド装置の一部を構成するレンズやプリズムの光学部材が有する波長依存性に起因して生じる波面の相違、特に非点収差を相殺するために、用いることができる。しかも、本実施形態によれば、第1の実施形態の光学素子1に比べ、より正確に非点収差を相殺できる。
また、本実施形態については、特に、図6に示す構成のものに限定されるものではなく、例えば図9に示すパターンと図10に示す断面構造を有する光学素子30であっても構わない。この場合にも、互換光ヘッド装置において、660nm帯の光波には作用せず、780nm帯の光波のみに作用するレンズとして用いることができる。
「例1」
本実施例は、図1に示すパターンと図2に示す構造を有する第1実施形態の光学素子1の具体例であり、以下のように作製する。
まず、ガラス製の第1透明基板11の空気側の表面に、真空蒸着を用いて反射防止膜を成膜する。次に、この第1透明基板11に、屈折率の波長分散が大きい第1樹脂13を、スピンコート法を用いて、1.1μmの厚さに塗布する。この第1樹脂13は、紫外線硬化性を有するものであり、塗布した後の第1樹脂13に均一に紫外線を照射して硬化させ、残留する溶媒を過熱し蒸発させる。また、この第1樹脂13は、互換光ヘッド装置を用いて光記録媒体を再生・記録する際に使用する長短2種類の固有波長の光波に対して、短波長(本例では660nm)の透過光における屈折率と長波長(本例では780nm)の透過光における屈折率の差が0.047である。
次に、第1樹脂13の膜上にポジ型のフォトレジストを塗布し、フォトリソグラフィにより、図1のようなパターンを形成する。さらに、ドライエッチングを用いて、第1樹脂13の第2領域の部分を除去する。続いて、第1樹脂13よりも屈折率の波長分散性が小さい熱硬化性の第2樹脂14を第2領域に充填し、さらにその上にガラス製の第2透明基板12を積層して熱硬化させる。また、この第2透明基板12の空気側の表面には、真空蒸着を用いて成膜した反射防止膜が施されている。
また、第2樹脂14は、波長660nmの光波に対する屈折率と波長780nmの光波に対する屈折率との差が0.007である。なお、第1樹脂13に含まれる成分を調整することで、波長660nmにおける第1樹脂13の屈折率と第2樹脂14の屈折率を一致させるとともに、波長780nmにおける第1樹脂13の屈折率と第2樹脂14の屈折率との差を0.04にする。
このようにして作製される本実施例の光学素子1において、波長780nmの光波が本素子を透過する際、第1領域と第2領域とを透過する光波の間で、44nmの位相差を付与できる。また、波長660nmの光波に対しては、第1領域と第2領域とを透過する光波の間に位相差は発生しない。すなわち、波長780nmの光波は、図1に示すパターンに倣った波面を作り出すことができ、波長660nmの光波は、波面を変化しない。また、波長780nmの光波が本素子を透過する際、第1領域と第2領域とを透過する光波の間に発生する位相差は、第1樹脂13の厚さを変えることで、容易にその値を変更できる。
特に、本実施例の光学素子は、波長660nm帯の光波と波長780nm帯の光波を用いて、光記録媒体を再生・記録する互換光ヘッド装置において、この互換光ヘッド装置の一部を構成するレンズやプリズム等の光学部材が有する波長依存性から生じる波面の相違、特に非点収差を相殺するために用いることができる。
また、本実施例における光学素子の平面パターンは、図3に示すパターンであっても良い。この場合、前記互換光ヘッド装置において、対物レンズが図の上下方向に稼動するとき、その対物レンズの稼動方向と素子の図面上下方向を揃えることで、対物レンズの稼動による影響を小さくできる。
「例2」
本実施例は、図4に示すパターンと図5に示す構造を有する第2の実施形態の光学素子2の具体例であり、以下のように作製する。
まず、ガラス製の第1透明基板11の空気側の表面に、真空蒸着を用いて反射防止膜を成膜する。次に、この第1透明基板11に、屈折率の波長分散が大きい第1樹脂23を、スピンコート法を用いて、3.3μmの厚さに塗布する。第1樹脂23は、第1の実施形態と同様に紫外線硬化性樹脂であり、塗布後の第1樹脂23に紫外線を均一に照射して硬化させ、その後、残留する溶媒を過熱し蒸発させる。また、第1樹脂23の短波長(本実施例でも660nm)の光波に対する屈折率と長波長(本実施例でも780nm)の光波に対する屈折率の差は0.047である。
次に、図5に示すパターンを形成するために、第1樹脂23の膜上にポジ型のフォトレジストを塗布し、フォトリソグラフィとドライエッチングを繰り返し行ない、第4領域、第5領域、第6領域にある第1樹脂23を厚さ1.1μmだけ除去し、続いて、第5領域、第6領域にある第1樹脂23を厚さ1.1μmだけ除去し、最後に、第6領域にある樹脂4を1.1μmの厚さだけ除去する。
続いて、第1樹脂23より屈折率の波長分散性が小さい熱硬化性を有する第2樹脂24を、第1樹脂23の凹部に充填し、さらにその上からガラス製の第2透明基板12を積層して熱硬化させる。また、この第2透明基板12の空気側の表面には、真空蒸着を用いて成膜した反射防止膜が施されている。
なお、本実施例では、実施例1と同様に、第2樹脂24は、波長660nmの光波に対する屈折率と波長780nmの光波に対する屈折率との差が0.007である。また、第1樹脂23に含まれる成分を調整することで、波長660nmの光波に対する第1樹脂23の屈折率と第2樹脂24の屈折率とを一致させるとともに、波長780nmの光波に対する第1樹脂23の屈折率と第2樹脂24の屈折率との差を0.04にする。
このようにして作製される本実施例の光学素子において、波長780nmの光波が本素子を透過する際、第3領域から第6領域の間で位相差を付与できる。また、波長660nmの光波に対しては、第3領域から第5領域を透過する光波と第6領域を透過する光波との間に位相差が発生しない。すなわち、波長780nmの光波は、図4に示すパターンに倣った波面を作り出すことができ、波長660nmの光波は波面を変化しない。また、本実施例では、波長780nmの光波が本素子2を透過する際、第3領域から第5領域を透過する光波と第6領域を透過する光波との間に発生する位相差は、第1樹脂23の厚さを変えることで、その値を容易に変更できる。
特に、本実施例の光学素子は、波長660nm帯の光波と波長780nm帯の光波を用いて光記録媒体を再生・記録する互換光ヘッド装置において、この互換光ヘッド装置の一部を構成するレンズやプリズム等の光学部材が有する波長依存性に起因して生じる波面の相違、特に非点収差を相殺するために、用いることができる。換言すれば、実施例1の光学素子に比べより正確に非点収差を相殺できる。
「例3」
本実施例は、図6に示す平面パターンを有し、A−Aから見た素子断面は図7に示す構造を持ち、図6のB−B断面から見た素子断面が図8に示す構造を持つ第3の実施形態の光学素子に具体例であり、以下のように作製する。
まず、ガラス製の第1透明基板11の空気側の表面に、真空蒸着法を用いて反射防止膜を成膜する。次に、ガラス製の第1透明基板11に、屈折率の波長分散が大きい第1樹脂33を、スピンコート法を用いて、3.3μmの厚さになるように塗布する。第1樹脂33は、紫外線硬化性であり、塗布した第1樹脂33に均一に紫外線を照射して硬化させ、残留する溶媒を過熱して蒸発させる。また、第1樹脂33の波長660nmにおける屈折率と波長780nmにおける屈折率の差は0.047である。
図6に示す平面パターンを形成するために、前記第1樹脂33の膜上にポジ型のフォトレジストを塗布し、フォトレジストとトライエッチングの技術を繰り返し用いて、領域10、12、13の第1樹脂33を厚さ1.1μm分除去し、続いて領域10、13の第1樹脂33を厚さ1.1μm分除去し、最後に、領域10の第1樹脂33を、1.1μmの厚さ分だけ除去する。
同様に、ガラス製の第2透明基板12の空気側の表面に、真空蒸着法を用いて反射防止膜を成膜する。次に、ガラス製の第2透明基板2に、屈折率の波長分散が大きい樹脂4を、スピンコート法を用いて、3.3μmの厚さになるように塗布する。第1樹脂33は、紫外線硬化性であり、塗布した第1樹脂33に均一に紫外線を照射して硬化させ、残留する溶媒を過熱して蒸発させる。また、第1樹脂33の波長660nmにおける屈折率と波長780nmにおける屈折率の差は0.047である。
図6に示す平面パターンを形成するために、前記第1樹脂33の膜上にポジ型のフォトレジストを塗布し、フォトリソグラフィとドライエッチングの技術を繰り替し用いて、領域8、9、10の第1樹脂33を厚さ1.1μm分除去し、続いて、領域9、10の第1樹脂33を厚さ1.1μm分除去し、最後に、領域10の第1樹脂33を1.1μmの厚さ分だけ除去する。
続いて、前記第1透明基板11と第2透明基板12の加工面を向かい合わせ、その間に屈折率の波長分散の小さな熱硬化性の第2樹脂34を充填し、積層して熱硬化させ、前記第1透明基板11と第2透明基板12を固着する。
実施例1と同様に、第2樹脂34の波長660nmにおける屈折率と波長780nmにおける屈折率の差は0.007である。また、第1樹脂33に含まれる成分を調整することで、波長660nmにおける第2樹脂34の屈折率と第1樹脂33の屈折率を一致させて、波長780nmにおける第2樹脂34の屈折率と第1樹脂33の屈折率の差を0.04にする。
こうして作製される本実施例の光学素子において、波長780nmの光波が本素子を透過する際、領域7から13の間で位相差をもたせることができる。また、波長660nmの光波に対しては、各領域を透過する光波の間に位相差は発生しない。すなわち、波長780nmの光波は、図6に示す平面パターンにしたがった波面を作り出すことができ、波長660nmの光波を変えない。
また、波長780nmの光波が本素子を透過する際、各領域を透過する光波間に発生する位相差は、第1樹脂33の厚さを変えることで、容易にその大きさを変えることができる。特に、本実施例の光学素子は、波長660nm帯の光波と波長780nm帯の光波を用いて、光記録媒体を再生・記録する互換光ヘッド装置において、装置を構成するレンズやプリズム等の光学部材が有する波長依存性から生じる波面の相違、特に非点収差を、相殺するために用いることができる。実施例1の光学素子に比べ、より正確に非点収差を相殺することができる。
また、本実施例の応用として、図10に示す断面構造をもち、図9に示す平面パターンとなる光学素子がある。この場合、前記互換光ヘッド装置において、波長660nm帯の光波には作用せず、波長780nm帯の光波にのみ作用するレンズとして使うことができる。なお、図10において、第1樹脂は35、第2樹脂は36で示す。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施し得るものである。
本発明の光学素子は、電気的な手段を必要とせずに簡単な構造のもので、光学部品における波長依存性を補正することができる効果を有し、小型化、軽量化を図ることができる互換光ヘッド装置等のレンズとして有用である。
本発明の第1の実施形態に係る光学素子のパターンを示す平面図。 図1のII-II線断面図。 本発明の第1の実施形態に係る光学素子のパターンの変形例を示す平面図。 本発明の第2の実施形態に係る光学素子のパターンを示す平面図。 図4のV-V線断面図。 本発明の第3の実施形態に係る光学素子のパターンを示す平面図。 図6のA−A線断面図。 図6のB−B線断面図。 本発明の第3の実施形態に係る光学素子のパターンの変形例を示す平面図。 図9のX-X線断面図。
符号の説明
1、2、3 光学素子
11 第1透明基板
12 第2透明基板
13、23、33、35 第1樹脂(第1薄膜を構成)
14、24、34、36 第2樹脂(第2薄膜を構成)

Claims (1)

  1. 少なくとも1枚の透明基板と、
    前記透明基板上に積層された少なくとも一つの第1薄膜と、少なくとも一つの第2薄膜と、を備える光学素子であって、
    前記第1薄膜は屈折率の波長依存性が大きい第1樹脂からなり、複数に分割された領域を含むとともに、各領域内で光学的に固有の均一厚さを有するとともに、各領域毎に凹凸が形成されることにより厚さが変動し、
    前記第2薄膜は前記第1樹脂よりも屈折率の波長依存性が小さい第2樹脂からなるとともに、前記第1薄膜の凹凸を補完するように第2樹脂が充填された構造を備え、
    前記第1薄膜及び前記第2薄膜は、当該第1薄膜と当該第2薄膜を透過する長短2種類の波長の光波のうち前記短い波長の光波に対してはともに同じ屈折率を有するとともに、前記長い波長の光波に対しては一定の屈折率差を有することにより、前記第1薄膜を透過する前記短い波長の光波と前記第2薄膜を透過する前記短い波長の光波との間に位相差が発生せず、前記第1薄膜を透過する前記長い波長の光波と前記第2薄膜を透過する前記長い波長の光波との間に所定の位相差が発生する、光学素子。
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