JP3544459B2 - 加熱装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術の分野】
本発明は、連続運転の制御機能を有する操作手段を備えた加熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば加熱装置である給湯器において、バーナ等の加熱手段を備えた給湯器本体と、該給湯器本体とケーブルにより通信可能に接続されると共に、給湯器本体から作動用電源が供給される操作手段(以下、リモコンという)とからなり、使用者がリモコンを操作することで、給湯器本体から離れた場所で該給湯器本体に対する運転指示を行えるようにしたものがある。
【0003】
そして、浴槽への給湯を行う給湯器で、追い焚き機能を持たないものにあっては、給湯器本体に対して、浴槽に高温の湯を給湯することで浴槽の湯温を上昇させる、所謂高温差し湯運転の指示を行う機能を、リモコンに持たせたものがある。
【0004】
この高温さし湯運転は、使用者が設定した時間(例えば、1分〜15分までの任意の時間)の間、給湯器本体から浴槽に高温の湯が給湯されるように、給湯器本体を連続運転するものである。
【0005】
また、同様に、浴槽の湯の温度が高すぎるときに、使用者が設定した時間の間、給湯器本体から浴槽に給水して浴槽の温度を下降させる、所謂差し水を行う機能を持たせたものもある。
【0006】
このように、設定時間の間、給湯器本体を連続運転させるタイマ運転を行うため、リモコンには、運転時間の計測を行うタイマと、該タイマ運転の運転時間(高温差し湯時間、差し水時間)を設定する運転時間設定スイッチとが設けられる。そして、リモコンは、タイマ運転の開始時にタイマを起動すると共に加熱装置本体に対してタイマ運転の開始指示データを送信し、該タイマのタイムアップ時に加熱装置本体に対してタイマ運転の終了指示データを送信することで、タイマ運転の開始から終了までの制御指示を行う。
【0007】
ところで、このように、給湯器本体から供給される電源によりリモコンを作動させる構成とすると、停電等により給湯器本体への電源供給が遮断されると、給湯器本体からリモコンへの作動用電源の供給も遮断される。そのため、前記運転時間設定スイッチにより設定されたタイマ運転時間の設定データが消失してしまい、使用者は給湯器本体への電源供給が回復した後に、タイマ運転時間を再設定しなければならないという煩わしさがある。
【0008】
そこで、このような煩わしさが生じないよう、リモコンにEEPROM等の不揮発性メモリを設け、前記運転時間設定スイッチにより設定されたタイマ運転時間の設定データを、該不揮発性メモリに保持するようにしたものが知られている。
【0009】
しかし、リモコンにEEPROM等の不揮発性メモリを設けると、リモコンの製造コストが上昇し、また、リモコンのサイズが大きくなってしまうという不都合があった。
【0010】
この不都合を解消する方法として、従来から給湯器本体に備えられている、給湯器の運転履歴や調整値、及び学習値等を保持するための不揮発性メモリを流用し、前記リモコンの運転時間設定スイッチにより設定されたタイマ運転時間の設定データを、該リモコンから給湯器本体に転送し、給湯器本体の不揮発性メモリに保持することが考えられる。
【0011】
この方法により、リモコンに不揮発性メモリを設けることなく、前記タイマ運転時間の設定データを停電発生時にも保持することができる。
【0012】
しかし、本願発明者らは、この方法では、前記タイマ運転の実行中に、湿気等の影響により給湯器本体からリモコンへの作動用電源の供給が瞬間的に遮断されたときに、以下の不都合が生じることを知見した。
【0013】
即ち、前記タイマ運転の実行中に停電が発生したときは、給湯器本体とリモコンが共に作動を停止するので問題はないが、給湯器本体に電源供給がなされている状態で、給湯器本体からリモコンへの作動用電源の供給が遮断されたときには、リモコンは作動を停止するものの、給湯器本体は作動状態にあるためタイマ運転を続行する。
【0014】
そしてこのとき、それまで給湯器本体に対してタイマ運転の制御指示を行っていたリモコンに備えられたタイマの残時間データが消失してしまう。そのため、給湯器本体からリモコンへの作動用電源の供給が回復しても、リモコンは作動用電源の遮断発生時点でのタイマ運転の残時間データを使用してタイマ運転の制御指示を継続することはできず、給湯器本体の不揮発性メモリに保持されたタイマ運転時間の設定データを使用してタイマ運転の制御指示を再開することしかできないという不都合があった。
【0015】
そして、このように、タイマ運転の設定データを使用してタイマ運転の制御指示を再開すると、当初使用者が希望したタイマ運転時間よりも長い時間タイマ運転が実行されるため、例えばタイマ運転が高温差し湯であったときには、使用者の意図した以上に浴槽の湯の温度が上昇し、その熱さにより使用者に不快感を与えてしまうという不都合があった。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記不都合を解消し、操作手段に不揮発性メモリを設けることなく、該操作手段への電源供給が瞬間的に遮断されても、該操作手段から加熱装置本体に対する連続運転の制御指示を継続することができる加熱装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、加熱手段を有する加熱装置本体と、該加熱装置本体と通信可能に接続され、該加熱装置本体から作動用電源が供給される第1操作手段とからなり、該第1操作手段は、前記加熱装置本体に対して、前記加熱手段の連続運転の開始から終了までの制御指示を行う連続運転制御手段を有し、前記加熱装置本体は、前記第1操作手段からの指示に応じて前記加熱手段の動作を制御する加熱制御手段を有する加熱装置において、前記第1操作手段に備えられた前記連続運転制御手段は、前記連続運転の実行中は前記連続運転の経過データを逐次前記加熱装置本体に送信し、前記加熱装置本体は、前記第1操作手段から受信した前記経過データを保持する第1記憶手段を有し、前記連続運転制御手段は、前記加熱装置本体から前記第1操作手段への作動用電源の供給が遮断され、その後該作動用電源の供給が回復したときには、前記加熱装置本体に対して前記経過データの返送を要求し、前記加熱装置本体は、前記連続運転制御手段から前記経過データの返送要求があったときは、前記第1記憶手段に保持した前記経過データを前記第1操作手段に返送し、前記連続運転制御手段は、前記加熱装置本体から返送された前記経過データを受信したときは、該経過データに基づいて前記連続運転の制御指示を継続することを特徴とする。
【0018】
かかる本発明によれば、前記第1操作手段に備えられた前記連続運転制御手段は、前記連続運転の実行中に、該連続運転の経過データを逐次前記加熱装置本体に送信する。そして、前記加熱装置本体は、前記連続運転制御手段から送信された前記経過データを前記第1記憶手段に保持する。
【0019】
そのため、前記加熱装置本体から前記第1操作手段に供給される作動用電源が遮断されても、該加熱装置本体に電源が供給されている限り(前記第1記憶手段が不揮発性である場合は加熱装置本体への電源供給が遮断されても)前記第1記憶手段に保持された前記経過データは消失しない。即ち、前記第1操作手段に不揮発性の記憶手段を設けることなく、前記経過データが保持される。
【0020】
そして、前記加熱装置本体から前記第1操作手段への作動用電源の供給が回復したときに、該加熱装置本体は、前記連続運転制御手段からの前記経過データの返送要求に応じて、前記第1記憶手段に保持された前記経過データを該第1操作手段に返送する。
【0021】
そして、該第1操作手段に備えられた前記連続運転制御手段は、前記加熱装置本体から返送された前記経過データに基づいて前記連続運転の制御指示を継続する。そのため、前記加熱装置本体から前記第1操作手段への作動用電源の供給が瞬間的に遮断された場合であっても、前記第1操作手段は、前記加熱装置本体に対する制御指示を続行することができる。
【0022】
尚、加熱装置本体に運転履歴データ等を保持する不揮発性の記憶手段を備えた加熱装置にあっては、該不揮発性の記憶手段を前記第1記憶手段に流用することで、加熱装置本体に新たに記憶手段を設けることが不要となる。
【0023】
また、前記連続運転は、所定時間、前記加熱手段を連続運転させるタイマ運転であり、前記連続運転制御手段は、前記所定時間を作動時間とするタイマを有し、前記連続運転の開始時に、該タイマの作動を開始すると共に、前記加熱装置本体に対して前記タイマ運転の開始指示を行い、また、該タイマのタイムアップ時に前記加熱装置本体に対して前記タイマ運転の停止指示を行い、前記経過データは、前記タイマのタイムアップまでの残時間データであり、前記連続運転制御手段は、該残時間データが前記加熱装置本体から返送されたときに、該残時間を作動時間として前記タイマを再起動し、前記タイマ運転の制御指示を継続することを特徴とする。
【0024】
かかる本発明によれば、前記第1操作手段に前記タイマ運転を実行するためのタイマを備えた加熱装置において、該タイマ運転の実行中は該タイマのタイムアップまでの残時間データが、該第1操作手段から前記加熱装置本体に送信され、前記加熱装置本体に備えられた前記第1記憶手段に逐次保持される。
【0025】
そのため、前記加熱装置本体から前記第1操作手段への作動用電源の供給が遮断されても前記第1記憶手段に保持された前記残時間データは消失しない。そして、前記加熱装置本体から前記第1操作手段への作動用電源の供給が回復したときに、前記加熱装置本体が前記タイマ運転の実行中であったときには、前記タイマの残時間データが前記加熱装置本体から前記第1操作手段に返送される。
【0026】
そして、前記第1操作手段に備えられた前記連続運転制御手段は、前記加熱装置本体から返送された残時間データを前記タイマの作動時間として該タイマを再起動し、前記タイマ運転の制御指示を継続する。そのため、前記第1操作手段は、前記加熱装置本体からの作動用電源が瞬間的に遮断された場合であっても、前記所定時間を運転時間とする、前記加熱装置本体に対するタイマ運転の制御指示を継続することができる。
【0027】
また、前記第1操作手段に、前記タイマ運転の運転時間を設定する運転時間設定手段と、該運転時間設定手段により該タイマ運転の運転時間が設定された際に、該運転時間の設定データを前記加熱装置本体に送信する設定データ送信手段とを設け、前記加熱装置本体に、前記第1操作手段から受信した前記運転時間の設定データを保持する第2記憶手段と、前記タイマ運転の終了後、該第2記憶手段に保持した前記設定データを前記第1操作手段に返送する設定データ返送手段とを設け、前記第1操作手段は、前記加熱装置本体から前記設定データを受信したときに、該設定データに基づいて前記タイマ運転の運転時間を再設定することを特徴とする。
【0028】
かかる本発明によれば、前記運転時間設定手段により前記タイマ運転の運転時間が設定された際に、該運転時間の設定データが前記設定データ送信手段により、前記加熱装置本体に送信され、該加熱装置本体に備えられた前記第2記憶手段に保持される。
【0029】
そして、前記タイマ運転の終了後、前記第2記憶手段に保持された前記設定データが、前記設定データ返送手段により前記第1操作手段に返送され、前記運転時間設定手段により前記タイマ運転の運転時間が再設定される。
【0030】
そのため、前記第1操作手段に保持する必要があるデータは、前記タイマ運転実行中の前記タイマの計測時間データのみであり、前記タイマ運転の運転時間の設定データを保持する必要はない。これにより、前記第1操作手段に保持するデータ量を減らすことができる。
【0031】
尚、加熱装置本体に運転履歴データ等を保持する不揮発性の記憶手段を備えた加熱装置にあっては、該不揮発性の記憶手段を前記第2記憶手段に流用することで、加熱装置本体に新たに記憶手段を設けることが不要となる。
【0032】
また、前記加熱装置本体と通信可能に接続された第2操作手段を備え、前記第1操作手段は、前記タイマ運転の残時間データを前記加熱装置本体を介して前記第2操作手段に送信し、前記第2操作手段は、前記第1操作手段から受信した前記タイマ運転の残時間データに基づいて、前記タイマ運転終了までの残時間を表示する表示手段を有することを特徴とする。
【0033】
かかる本発明においては、前記第1操作手段の他に、前記タイマ運転の残時間を表示する前記第2操作手段が備えられ、前記第1操作手段から前記加熱装置本体を介して、前記第2操作手段に前記タイマ運転の残時間データが逐次送信される。
【0034】
そのため、この場合には、前記第2操作手段で前記タイマ運転の残時間を表示するために、前記第1操作手段から逐次送信される残時間データを利用して、前記加熱装置本体の前記第1記憶手段に前記タイマ運転の残時間データを保持することができ、前記第1操作手段からの送信データ量を増やすことなく、前記タイマ運転の残時間データの保持処理を実行できる。
【0035】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態の一例を図1〜図7を参照して説明する。図1は本発明の加熱装置である給湯装置の全体構成図、図2は図1に示した給湯装置の制御ブロック図、図3は図1に示した給湯装置に備えたリモコンの外観図、図4,図5は該リモコンの動作フローチャート、図6,図7は図1に示した給湯装置に備えたコントローラの動作フローチャートである。
【0036】
図1を参照して、本実施の形態の給湯装置は、浴槽1に湯を給湯する給湯器2と、給湯器2の動作を制御するコントローラ3と、コントローラ3から作動用電源が供給され、使用者の操作に応じてコントローラ3に給湯動作の指示を与える第1操作手段4(以下、風呂リモコンという)と第2操作手段5(以下、メインリモコンという)とからなる。
【0037】
給湯器2は、燃焼室6と、燃焼室6内に設けられた加熱手段であるバーナ7と、バーナ7により給湯管8内の水を加熱する熱交換器9と、バーナ7の点火を行う点火電極10と、バーナ7の燃焼状態を検出する炎センサであるフレームロッド11とを備える。
【0038】
燃焼室6の下方にはバーナ7に燃焼用空気を供給する送風ファン12が設けられ、バーナ7には元電磁弁13,給湯電磁弁14,及び比例弁15を介してガス供給管16から燃料ガスが供給される。また、第1切換電磁弁17と第2切換電磁弁18とにより、バーナ7の燃料ガスが供給される範囲が変更される。
【0039】
給湯管8は湯張り電磁弁19を介して浴槽1に接続され、熱交換器9で加熱された湯が浴槽1に給湯される。また、給湯管8には給湯器2に供給される水の流量を検出する流量センサ20と、給湯器2から給湯される湯の流量を調節する水量調節弁である湯量サーボ21と、給湯器2から給湯される湯の温度を検出する出湯温度センサ22とが設けられている。
【0040】
図2を参照して、風呂リモコン4とコントローラ3とは、通信ポート30,40を介して通信可能に接続され、また、メインリモコン5とコントローラ3とは、通信ポート30,50を介して通信可能に接続される。これにより、コントローラ3は、風呂リモコン4及びメインリモコン5との間で給湯制御信号等の送受信を行うことができる。尚、風呂リモコン4は浴室に設置され、メインリモコン5は台所等、浴室とは別の場所に設置される。
【0041】
コントローラ3は、第1制御手段32により全体制御がなされ、本発明の加熱制御手段である給湯制御部33,湯張り制御部34,第1記憶手段35,及び第2記憶手段36を有する。
【0042】
第1制御手段32は、本発明の設定データ返送手段を含み、風呂リモコン4及びメインリモコン5から受信した給湯制御信号に応じて、給湯制御部33に目標給湯温度と給湯流量、及び浴槽1への給湯の開始と停止を指示し、湯張り制御部34に対して湯張り量と湯張り運転の開始を指示する。
【0043】
給湯制御部33は、第1制御手段32から指示された目標給湯温度と、出湯温度センサ22の検出温度とが一致するように、送風ファン12,元電磁弁13,給湯電磁弁14,比例弁15,第1切換電磁弁17,及び第2切換電磁弁18を制御してバーナ7による熱交換器9への加熱量を調節し、浴槽1への給湯の開始指示と停止指示とに応じて湯張り電磁弁19を開閉する。また、給湯制御部33は、第1制御手段32から指示された給湯流量の指示に応じて湯量サーボ21の作動量を調節する。
【0044】
湯張り制御部34は、第1制御手段32による湯張り運転の開始指示に応じて、湯張り電磁弁19を開弁すると共に流量センサ20により検出される給湯器2への給水流量の累積を開始し、該給水流量の累積値が指定された湯張り量以上となったときに、湯張り電磁弁19を閉弁する。
【0045】
また、詳細は後述するが、第1記憶手段35と第2記憶手段36は、風呂リモコン4から送信されるタイマ45の残時間データと作動時間の設定データをそれぞれ保持するためのものである。
【0046】
風呂リモコン4は、本発明の設定データ送信手段を含む第2制御手段41により全体制御がなされ、本発明の連続運転制御手段であるタイマ運転制御手段42、第1操作手段43、及び第1表示手段44を有する。
【0047】
タイマ運転制御手段42は、タイマ45とインターバルタイマ46とを有し、コントローラ3に対して、タイマ45の作動時間の間、給湯器2から浴槽1への給湯或いは給水を行うタイマ運転の制御指示を行う。尚、インターバルタイマ46については後述する。
【0048】
第1操作手段43は、図3aに示すように、給湯装置全体の運転開始と運転停止を指示する運転スイッチ60、湯張り運転の開始を指示する自動スイッチ61、高温差し湯運転の開始を指示する高温差し湯スイッチ62、差し水運転の開始を指示する差し水スイッチ63、湯張り運転における給湯温度(以下、湯張り温度という)を設定する湯張り温度スイッチ64、湯張り運転における給湯量(以下、湯張り量という)を設定する湯量スイッチ65、高温差し湯運転における給湯時間(以下、高温差し湯時間という)を設定する高温差し湯タイマスイッチ66、差し水運転における給水時間(以下、差し水時間という)を設定する差し水タイマスイッチ67、及び湯張り、高温差し湯、差し水の各運転が実行されていないときの給湯温度(以下、通常給湯温度という)を設定する給湯温度スイッチ68を有する。尚、高温差し湯タイマスイッチ66と、差し水タイマスイッチ67が、本発明の運転時間設定手段に相当し、これらの操作によりタイマ45の作動時間が設定される。
【0049】
第2制御手段41は、使用者による第1操作手段43の操作に応じて、コントローラ3に給湯目標温度等の指示データを送信し、タイマ運転制御手段42に対してタイマ運転の開始を指示する。また、第2制御手段41は、第1操作手段により設定された温度や時間、及びコントローラ3から送信される実際の給湯温度等を第1表示手段44に表示する。
【0050】
メインリモコン5は、第3制御手段51により全体制御がなされ、第2操作手段52と、第2表示手段53と、時計54とを有する。
【0051】
第2操作手段52は、図3bに示すように、風呂用給湯器全体の運転開始と運転停止とを指示する運転スイッチ70、湯張り運転の開始を指示する自動スイッチ71、前記通常給湯温度を設定する給湯温度スイッチ72、時計54の現在時刻を変更する時間設定スイッチ73、使用者が湯張り運転が開始されることを希望する時刻である予約時刻を設定する予約設定スイッチ74、時間スイッチ75、及び湯張り運転の予約をセットする予約運転スイッチ76を有する。
【0052】
使用者が時間設定スイッチ73を操作すると、メインリモコン5は時計設定モードとなり、使用者はこの状態で時間スイッチ75を操作して時計54の現在時刻を変更する。また、使用者が予約設定スイッチ74を操作すると、メインリモコン5は予約時間設定モードとなり、使用者はこの状態で時間スイッチ75を操作して湯張り運転の希望開始時間を設定する。そして、使用者が予約運転スイッチ76を操作すると、湯張り運転の予約がセットされ、第3制御手段51は、時計54の時刻が前記予約モードで設定された予約時刻になった時に、湯張り運転を開始するよう、コントローラ3に指示データを送信する。
【0053】
また、第3制御手段51は、第2操作手段52により設定された温度や時間、及びコントローラ3から送信される実際の給湯温度等を第2表示手段53に表示する。
【0054】
次に、図4〜図7を参照して、使用者が風呂リモコン4の第2操作手段43に備えられた高温差し湯スイッチ62、或いは差し水スイッチ63を操作したときの、風呂リモコン4とコントローラ3間の通信制御動作について説明する。尚、上述したように、図4,図5は風呂リモコン4の動作フローチャートであり、図6,図7はコントローラ3の動作フローチャートである。
【0055】
図4を参照して、風呂リモコン4は、コントローラ3からの作動用電源の供給により動作を開始し、STEP1でコントローラ3に対してタイマ45の作動時間の設定データの返送要求信号を送信する。
【0056】
図6を参照して、コントローラ3の第1制御手段32は、風呂リモコン4からのタイマ45の作動時間の設定データの返送要求信号を受信すると、STEP50,STEP70,STEP72のループのSTEP72からSTEP73に進み、第2記憶手段36に該設定データを保持していたときは、STEP74に進んで該設定データを風呂リモコン4に返送する。このように、タイマ45の作動時間の設定データは、コントローラ3に保持されているので、風呂リモコン4でタイマ45の作動時間の設定データを保持する必要はない。
【0057】
図4を参照して、風呂リモコン4は、コントローラ3からタイマ45の作動時間の設定データを受信したときは、STEP3からSTEP21に分岐して、該設定データをタイマ45の作動時間とし、STEP6に進む。尚、コントローラ3からタイマ45の作動時間の設定データが返送されなかったときは、STEP4で、使用者によるタイマ運転時間の設定待ちとなる。
【0058】
STEP6,STEP30の待ちループで、使用者が高温差し湯スイッチ62、或いは差し水スイッチ63を操作してタイマ運転の開始指示を行うと、STEP6からSTEP7に進んで風呂リモコン4からコントローラ3に、給湯モード(高温差し湯モード、或いは差し水モード)の指示データが送信される。
【0059】
続いて、風呂リモコン4に備えたタイマ運転制御手段42は、STEP8で第2制御手段41を介してタイマ運転の開始指示データを送信し、STEP9でタイマ45を起動し、STEP10でインターバルタイマ46を起動する。
【0060】
図6を参照して、コントローラ3は、風呂リモコン4からタイマ運転の開始指示データを受信すると、STEP50,STEP70,STEP72の待ちループからSTEP51に進み、高温差し湯モードの指示データを受信したときはSTEP52で、給湯制御部33が給湯器2の目標給湯温度を所定の高温差し湯温度(例えば80℃)とし、STEP53で給湯器2の作動を開始し(差し水モードのときはこのSTEP52,STEP53の処理は不要)、STEP54で湯張り電磁弁19を開弁して、浴槽1への給湯(高温差し湯モード)、或いは給水(差し水モード)を開始する。
【0061】
図5を参照して、風呂リモコン4のタイマ運転制御手段42は、タイマ運転の開始指示データの送信後、STEP12でタイマ45がタイムアップするまでの間、STEP11でインターバルタイマ46がタイムアップする毎に、STEP40に分岐して、STEP40で第2制御手段41を介してタイマ45の残時間データをコントローラ3に送信し、STEP41でインターバルタイマ46を再起動する。これにより、インターバルタイマ46の作動時間が経過する毎に、風呂リモコン4からコントローラ3に、タイマ45の残時間データが送信される。
【0062】
図7を参照して、コントローラ3の第1制御手段32は、STEP55で風呂リモコン4からタイマ45の残時間データを受信すると、STEP80に分岐して該残時間データを第1記憶手段35に保持する。
【0063】
ここで、タイマ運転の実行中に、コントローラ3から風呂リモコン4への作動用電源の供給が湿気等の影響により、瞬間的に遮断したときのコントローラ3と風呂リモコン4の動作について説明する。
【0064】
コントローラ3から風呂リモコン4への作動用電源の供給が遮断されると、風呂リモコンは作動不能となり、該作動用電源の供給回復時に図4のSTEP1から動作を再開し、STEP1でコントローラ3に対してタイマ45の作動時間の設定データの返送要求信号を送信する。
【0065】
一方このとき、コントローラ3は、タイマ運転を続行しており、図7のSTEP55〜STEP57のループを実行中である。ここでコントローラ3の第1制御手段32は、風呂リモコン4から、タイマ45の作動時間の設定時間データの返送要求信号を受信すると、STEP56からSTEP90に分岐して、第1記憶手段35に保持していたタイマ45の残時間データを風呂リモコン4に返送する。
【0066】
図4を参照して、風呂リモコン4は、STEP2でコントローラ3からタイマ45の残時間データを受信すると、STEP20に分岐し、タイマ運転制御手段42は、受信した残時間データに基づいてタイマ45の作動時間を設定してSTEP9に進む。そしてタイマ運転制御手段42は、STEP9でタイマ45を再起動するので、コントローラ3から返送された残時間を作動時間としてタイマ運転の制御が再開される。
【0067】
そのため、タイマ運転の実行中に、コントローラ3から風呂リモコン4への作動用電源の供給が瞬間的に遮断されても、風呂リモコン4は、コントローラ3へのタイマ運転の制御指示を継続することができる。
【0068】
そして、図5を参照して、風呂リモコン4のタイマ運転制御手段42は、STEP12でタイマ45がタイムアップしたときに、STEP13に進んで第1制御手段32を介してコントローラ3にタイマ運転の終了指示データを送信する。
【0069】
図7を参照して、コントローラ3は、風呂リモコン4からのタイマ運転の終了指示データを受信すると、STEP57からSTEP58に進み、高温差し湯モードであったときは、STEP59で給湯制御部33により給湯器2の作動を停止して(差し水モードであったときにはこの処理は不要)、STEP60で湯張り電磁弁19を閉弁して浴槽1への給湯(高温差し湯モードの場合)、或いは給水(差し水モードの場合)を停止してタイマ運転を終了する。
【0070】
また、図4を参照して、STEP6,STEP30のループで、使用者が風呂リモコン4の高温差し湯タイマスイッチ66、或いは差し水タイマスイッチ67を操作してタイマ運転時間の設定を行うと、STEP30からSTEP5に進み、第2制御手段41はこれらのスイッチにより設定されたタイマ運転時間の設定データをタイマ45の作動時間の設定データとしてコントローラ3に送信する。
【0071】
図6を参照して、コントローラ3は、風呂リモコン4からタイマ45の作動時間の設定データを受信すると、STEP50,STEP70,STEP72の待ちループのSTEP70からSTEP71に進み、第1制御手段32は受信したタイマ45運転時間の設定データを第2記憶手段36に保持する。
【0072】
このように、風呂リモコン4で設定されたタイマ運転時間の設定データがコントローラ3に備えられた第2記憶手段36に保持されるので、コントローラ3から風呂リモコン4への作動用電源の供給が遮断されても、タイマ運転時間の設定データは消失しない。そのため、風呂リモコン4にタイマ運転時間の設定時間を保持する記憶手段を設ける必要がなく、また、使用者はタイマ運転を行う度にタイマ運転時間を設定する必要がない。
【0073】
また、風呂リモコン4からコントローラ3にタイマ45の残時間データを送信する時は、該残時間データがメインリモコン5へも送信されるため、風呂リモコン4からの送信データ量を増やすことなく、メインリモコン5でタイマ運転の残時間を表示させることができる。
【0074】
尚、本実施の形態では、加熱装置として、給湯装置を例に説明したが他の種類の加熱装置、例えば温風暖房機や食器洗浄機等に対しても本発明の適用が可能である。
【0075】
また、連続運転としてタイマ運転を例に説明したが、他の連続運転であっても、リモコンから加熱装置本体に対して、制御指示を与えて行うものであれば、本発明の適用が可能である。例えば温風暖房機において、リモコンに温度センサを設け、該温度センサの検出温度が所定の温度変化パターンに合致するように、リモコンから温風暖房機に対して発熱量の制御指示を与えるような場合である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の加熱装置である給湯装置の全体構成図。
【図2】図1に示した給湯装置の制御ブロック図。
【図3】図1に示した給湯装置に備えたリモコンの外観図。
【図4】図1に示した給湯装置に備えた風呂リモコンの動作フローチャート。
【図5】図1に示した給湯装置に備えた風呂リモコンの動作フローチャート。
【図6】図1に示した給湯装置に備えたコントローラの動作フローチャート。
【図7】図1に示した給湯装置に備えたコントローラの動作フローチャート。
【符号の説明】
1…浴槽、2…給湯器、3…コントローラ、4…風呂リモコン、5…メインリモコン、6…燃焼室、7…バーナ、8…給湯管、9…熱交換器、10…点火電極、11…フレームロッド、12…送風ファン、13…元電磁弁、14…給湯電磁弁、15…比例弁、16…ガス供給管、17…第1切換電磁弁、18…第2切換電磁弁、19…湯張り電磁弁、20…流量センサ、21…湯量サーボ、22…出湯温度センサ、30…通信ポート、32…第1制御手段、33…給湯制御部、34…湯張り制御部、35…第1記憶手段、36…第2記憶手段、40…通信ポート、41…第2制御手段、42…タイマ運転制御手段、43…第1操作手段、44…第1表示手段、45…タイマ、46…インターバルタイマ、50…通信ポート、51…第3制御手段、52…第2操作手段、53…第2表示手段、54…時計、60…運転スイッチ、61…自動スイッチ、62…高温差し湯スイッチ、63…差し水スイッチ、64…湯張り温度スイッチ、65…湯量スイッチ、66…高温差し湯タイマスイッチ、67…差し水タイマスイッチ、68…給湯温度スイッチ、70…運転スイッチ、71…自動スイッチ、72…給湯温度スイッチ、73…時間設定スイッチ、74…予約設定スイッチ、75…時間スイッチ、76…予約運転スイッチ

Claims (4)

  1. 加熱手段を有する加熱装置本体と、該加熱装置本体と通信可能に接続され、該加熱装置本体から作動用電源が供給される第1操作手段とからなり、該第1操作手段は、前記加熱装置本体に対して、前記加熱手段の連続運転の開始から終了までの制御指示を行う連続運転制御手段を有し、前記加熱装置本体は、前記第1操作手段からの指示に応じて前記加熱手段の動作を制御する加熱制御手段を有する加熱装置において、
    前記第1操作手段に備えられた前記連続運転制御手段は、前記連続運転の実行中は前記連続運転の経過データを逐次前記加熱装置本体に送信し、
    前記加熱装置本体は、前記第1操作手段から受信した前記経過データを保持する第1記憶手段を有し、
    前記連続運転制御手段は、前記加熱装置本体から前記第1操作手段への作動用電源の供給が遮断され、その後該作動用電源の供給が回復したときには、前記加熱装置本体に対して前記経過データの返送を要求し、
    前記加熱装置本体は、前記連続運転制御手段から前記経過データの返送要求があったときは、前記第1記憶手段に保持した前記経過データを前記第1操作手段に返送し、
    前記連続運転制御手段は、前記加熱装置本体から返送された前記経過データを受信したときは、該経過データに基づいて前記連続運転の制御指示を継続することを特徴とする加熱装置。
  2. 前記連続運転は、所定時間、前記加熱手段を連続運転させるタイマ運転であり、
    前記連続運転制御手段は、前記所定時間を作動時間とするタイマを有し、前記連続運転の開始時に、該タイマの作動を開始すると共に、前記加熱装置本体に対して前記タイマ運転の開始指示を行い、また、該タイマのタイムアップ時に前記加熱装置本体に対して前記タイマ運転の停止指示を行い、
    前記経過データは、前記タイマのタイムアップまでの残時間データであり、
    前記連続運転制御手段は、該残時間データが前記加熱装置本体から返送されたときに、該残時間を作動時間として前記タイマを再起動し、前記タイマ運転の制御指示を継続することを特徴とする請求項1記載の加熱装置。
  3. 前記第1操作手段に、前記タイマ運転の運転時間を設定する運転時間設定手段と、該運転時間設定手段により該タイマ運転の運転時間が設定された際に、該運転時間の設定データを前記加熱装置本体に送信する設定データ送信手段とを設け、
    前記加熱装置本体に、前記第1操作手段から受信した前記運転時間の設定データを保持する第2記憶手段と、前記タイマ運転の終了後、該第2記憶手段に保持した前記設定データを前記第1操作手段に返送する設定データ返送手段とを設け、
    前記第1操作手段は、前記加熱装置本体から前記設定データを受信したときに、該設定データに基づいて前記タイマ運転の運転時間を再設定することを特徴とする請求項2記載の加熱装置。
  4. 前記加熱装置本体と通信可能に接続された第2操作手段を備え、
    前記第1操作手段は、前記タイマ運転の残時間データを前記加熱装置本体を介して前記第2操作手段に送信し、
    前記第2操作手段は、前記第1操作手段から受信した前記タイマ運転の残時間データに基づいて、前記タイマ運転終了までの残時間を表示する表示手段を有することを特徴とする請求項2又は3記載の加熱装置。
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