JP4043390B2 - 給湯暖房機システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、給湯暖房機システムに関し、詳しくは、熱源機と、前記熱源機に接続された複数の温水端末機と、設定時刻に前記温水端末機の作動若しくは停止又は設定を制御するタイマー制御手段とを備えてなる給湯暖房機システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、炊飯器、エアコンディショナー、給湯設備、コンピュータ等、家庭内で用いられる殆どの機器には、夫々個別に計時機能が備わり、予め設定された時刻に機器の作動又は停止等を制御するタイマー制御手段が備わっている。上述した給湯暖房機システムにおいても、複数の温水端末機を統括するタイマー制御手段が備わり、個々に作動や停止等の設定が可能である。
【0003】
温風暖房機のタイマー制御手段の一例として、暖房を必要とする時刻を設定するタイマー時刻設定部と、室温を検出する室温検出部と、所望の温度を設定する温度設定部と、被暖房空間の広さ加減を設定する広さ設定部と、室温と設定温度と広さ情報から室温が設定温度に到達するまでの時間を演算する到達時間推測演算部と、この到達時間推測演算部により算出された時間だけ前記タイマー設定時刻より早く運転を開始する運転制御部とで構成して、タイマー運転作動時の室温が高くても、低くても、また、設定温度が高くても、低くても広さ情報を基に前だし時間を決定するので、正確な前だし時間の設定ができ、むだな燃焼や熱すぎ寒すぎ等のない効率的で快適なタイマー運転が出来るものが提案されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−340537号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来のタイマー制御手段では、複数の機器に対してタイマー設定する場合には、それぞれの機器毎に時刻を設定操作する必要があり、変更する場合にも同様にそれぞれの機器に対して毎回変更操作するという煩雑な操作をしなければならないとの問題点があり、特に、熱源機と、前記熱源機に接続された複数の温水端末機と、設定時刻に前記温水端末機の作動若しくは停止又は設定を制御するタイマー制御手段とを備えてなる給湯暖房機システムについては、熱源機の作動状態によって各温水端末機の設定温度への到達時刻が変動するので、被暖房空間の広さや室温のみで効率的なタイマー運転が保証されるものではなく、さらなる改良の余地があった。
【0006】
本発明の目的は、上述した給湯暖房機システムの設定時刻における機器の作動若しくは停止又は設定を効率的に管理可能としながらも、それら機器の作動等時刻の設定又は設定変更を容易になし得るイベント情報による給湯暖房機システムを提供する点にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するための本発明に係る給湯暖房機システムの第一の特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項1に記載した通り、熱源機と、前記熱源機に接続された複数の温水端末機と、設定時刻に前記温水端末機の作動若しくは停止又は設定を制御するタイマー制御手段とを備えてなる給湯暖房機システムであって、前記タイマー制御手段は、計時手段と、イベント発生時刻データと前記イベント発生時刻データに対する相対時刻データを含むイベント情報を入力するイベント情報入力手段と、前記計時手段により計時された時刻が、前記イベント情報入力手段により入力された前記イベント発生時刻データに対する前記相対時刻データで特定される時刻に達したときを前記設定時刻として機器の作動若しくは停止又は設定を制御するイベント対応制御手段とを備えて構成してある点にある。
【0008】
つまり、イベント対応制御手段は、イベント情報入力手段により入力されたイベント発生時刻データに対する相対時刻データで特定される時刻に達したときを設定時刻として機器の作動若しくは停止又は設定を制御するように構成してあるので、一度イベント情報を入力しておけば、その後の変更操作に関しては基準となるイベント発生時刻データのみ更新処理すれば、個々に異なる作動時刻等を設定入力する煩雑な操作が不要となるのである。
【0009】
例えば、温水端末機として、複数の部屋に設置された複数の温水床暖房機や温水パネルヒータに対して、イベント発生時刻として朝の予定起床時刻を想定すると、予定起床時刻前の第一所定時刻に寝室の温水パネルヒータを作動させ、予定起床時刻前の第二所定時刻に居間の温水床暖房機を作動させ、予定起床時刻前の第三所定時刻にキッチンの温水パネルヒータを作動させると、起床後の生活パターンに合せて効率よく機器を運転制御できるもので、上述した第一から第三所定時刻が相対時刻データに相当する。
【0010】
そして、予定起床時刻の変更に伴い各機器の作動時間を変更する必要のある場合には、予定起床時刻であるイベント発生時刻の設定を変更しさえすれば、その変更されたイベント発生時刻を基準とする相対時刻に各種機器に対する制御が開始されるのである。
【0011】
ここで、タイマー制御手段は、熱源機に接続された全ての温水端末機に対する制御を集中的に管理するもので、熱源機又は特定の温水端末機に併設されたり単独設置されるものであってもよいし、個々の温水端末機に個別に設けられるものであってもよい。さらに、タイマー制御手段は一体でも各手段が別体に構成されてもよく、例えば、イベント情報入力手段がリモコンに設けられ、その他の手段が熱源機の制御手段に併設されていてもよい。また、イベント情報入力手段としては、イベント発生時刻データ等の設定データを人為的に操作入力する操作スイッチを備えた入力手段で構成されるものであってもよいし、複数の温水端末機に設けられるものでは、通信ラインを介して他の温水端末機から伝送入力される通信手段で構成されるものであってもよい。
【0012】
同第二の特徴構成は、同欄の請求項2に記載した通り、上述の第一の特徴構成に加えて、前記熱源機又は他の温水端末機の動作状態に基づいて、特定の温水端末機に対する前記相対時刻データを自動変更する相対時刻データ自動変更手段を備えている点にある。
【0013】
温水端末機が作動してから所定の温度に達するまでには、熱源機の立ち上がり時間、温水配管による放熱ロス等による遅延時間が発生する。そのため、相対時刻データによりこれら遅延時間を吸収して、真に暖房の必要な時刻に作動可能に構成してあるのであるが、特定の温水端末機を作動させる際に、熱源機又は他の温水端末機がすでに作動している場合には前記遅延時間に変動が生じる。そこで、相対時刻データ自動変更手段を設けることにより、前記熱源機又は他の温水端末機の動作状態に基づいて遅延時間を加減することにより、特定の温水端末機を効率良く運転することが可能となるのである。
【0014】
同第三の特徴構成は、同欄請求項3に記載した通り、上述の第一又は第二の特徴構成に加えて、前記熱源機又は当該温水端末機の環境条件に基づいて、当該温水端末機に対する前記相対時刻データを自動変更する相対時刻データ自動変更手段を備えてある点にあり、このように構成することにより、例えば、当該温水端末機の設置場所の温度や設置面積、被暖房容積等の環境条件に基づいて遅延時間を加減することにより、特定の温水端末機を効率良く運転することが可能となるのである。
【0015】
同第四の特徴構成は、同欄請求項4に記載した通り、上述の第一から第三のいずれかに記載の特徴構成に加えて、前記イベント情報入力手段は、機器外部からのイベント情報を受信可能な通信手段を備えて構成されている点にあり、例えば、起床時間の変更に伴い、イベント発生時刻の設定又は変更設定が必要になったときでも、個々に設定変更操作しなくとも、通信手段により自動的に設定変更可能となり、操作の煩雑さが解消されるのである。
【0016】
同第五の特徴構成は、同欄請求項5に記載した通り、上述の第一から第四のいずれかに記載の特徴構成に加えて、前記タイマー制御手段が、前記温水端末機以外の他の機器の作動若しくは停止又は設定を制御可能に構成されている点にあり、このように構成することにより、複数の機器毎に設けられ、夫々を個別に設定するような手間のかかる煩雑な操作を解消して、生活パターンに対応して家庭内の機器の設定時刻での作動等の予約運転が総合的に制御可能となるのである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1に示すように、給湯暖房システムは、熱源機1と、前記熱源機1に接続された複数の温水端末機2と、設定時刻に各温水端末機2を個別に作動若しくは停止又は設定制御するタイマー制御手段3とを備えて構成される。
【0018】
前記熱源機1は、第一ガスバーナ1cを備え、給水配管1aから供給される水を所定温度に加熱して給湯配管1bに供給する第一熱交換器1dと、第二ガスバーナ1eを備え、循環用配管1fを循環する水を所定温度に加熱する第二熱交換器1gとを備えて構成され、後述の運転状態信号の入力に基づいて熱交換器1d、1gの運転や、後述する循環ポンプ1hの運転制御を行なう熱源機制御手段1iを設けてある。
【0019】
前記温水端末機2は、具体的には温水パネルヒータ、床暖房機、浴室乾燥機等で構成され、前記循環用配管1fが分岐されてそれぞれの設置部に設置された分岐配管2aと、循環用配管1f及び分岐配管2a内に湯を循環供給する循環ポンプ1hから各分岐配管2aへの湯の供給を制御するバルブ機構2bと、前記バルブ機構2bの開閉又は開度を調節等する端末機制御手段2cを備えて構成される。前記端末機制御手段2cは、温水端末機2の運転をマニュアル制御する始動、停止スイッチ(図示せず)、温度設定スイッチ(図示せず)による操作、又は、前記タイマー制御手段3の作動により、前記バルブ機構2bの開閉(始動、停止に対応)又は開度を調節(温度設定に対応)するとともに、前記熱源機1に対して作動、停止、設定温度等を示す運転状態信号を出力する。
【0020】
前記タイマー制御手段3は、複数の温水端末機2を個別に運転制御可能なリモート制御手段としての機能も兼ね備え、図2に示すように、計時手段3aと、イベント発生時刻データと前記イベント発生時刻データに対する相対時刻データと、作動若しくは停止又は設定の制御対象としての温水端末機2を特定する機器IDデータを含むイベント情報を入力するイベント情報入力手段3bと、前記計時手段3aにより計時された時刻が、前記イベント情報入力手段3bにより入力された前記イベント発生時刻データに対する前記相対時刻データで特定される時刻に達したときを前記設定時刻として、機器IDデータで特定される温水端末機2の作動若しくは停止又は設定を制御するべく、前記端末機制御手段2cに対して始動、停止、設定温度といった制御情報を出力するイベント対応制御手段3cと、リモート制御のための入力スイッチ部3eと、計時手段3aにより計時された現在時刻やイベント情報入力手段3bによる入力状態を表示可能なタッチパネル式の表示手段3dと、イベント情報を記憶するメモリ手段(図示せず)等を備えて構成してある。
【0021】
前記イベント情報は、図3に示すように、イベント種別データとしてのイベントIDデータと、イベント名称データ、そのイベント種別データに対応付けられたイベント発生時刻データと、制御対象たる温水端末機2を特定する端末機IDデータ、その端末機IDデータで特定される端末機に対する相対時刻データと、温水端末機2の作動、停止、設定の各動作種別を特定する動作種別データからなり、前記イベント情報入力手段3bにより入力される。
【0022】
前記イベント情報入力手段3bによるイベント情報の入力手順について説明する。図4に示すように、前記表示手段3dのタッチパネルに設定されているイベント情報入力スイッチ(モードスイッチ)31がオンされると、イベント情報入力モードに切り換わる。イベント情報入力モードでは、現在日時、時刻表示欄32、イベント種別表示欄33、イベント発生時刻表示欄34、端末機ID表示欄35、動作種別欄39、セットスイッチ36、設定スイッチ37、38が表示される。イベント情報入力モードに切り換った時点でイベント種別表示欄33の枠が点滅し、上下の設定スイッチ37、38をオン操作する度に候補となるイベント名称(起床、出勤、帰宅、入浴等)が表示され、セットスイッチ36がオン操作された時の表示内容に対応するイベントIDデータが決定され、イベント発生時刻表示欄34の枠が点滅する。その状態で、上下の設定スイッチ37、38をオン操作する度に候補となる時刻データが1時間間隔で更新表示されるので、該当時刻データが表示されている時点でセットスイッチ36がオン操作された時の時刻データが決定され、同様に、上下の設定スイッチ37、38をオン操作する度に候補となる分データが1分間隔で更新表示されるので、該当分データが表示されている時点でセットスイッチ36がオン操作された時の分データが決定され、次に端末機ID表示欄35の枠が点滅し、上下の設定スイッチ37、38をオン操作する度に候補となる端末機ID(認識容易な記号等でもよい。)が表示され、セットスイッチ36がオン操作された時の表示内容に対応する端末機IDが決定され、さらに同様の手順で動作種別が設定される。この状態で更にセットスイッチ36をオン操作すると、イベント種別表示欄の再設定モードに移行し、以下同様の操作の繰り返しとなる。データが正確に設定され、モードスイッチ17aがオン操作されると設定が終了する。尚、同一のイベントIDデータに対するイベント発生時刻データを各々入力する必要は無く、直近の入力値で全てが書き換えられる。
【0023】
前記イベント対応制御手段3cは、設定されたイベント情報のうち、任意のイベントIDデータに関して、イベント発生時刻データに対する相対時刻データで特定される時刻に達したときを温水端末機2の作動等する設定時刻として端末機IDデータで特定される温水端末機2の作動若しくは停止又は設定を制御するべく、当該端末機制御手段2cに対して制御情報を出力する。
【0024】
当該端末機制御手段2cは、前記イベント対応制御手段3cからの制御信号を受けて、前記バルブ機構2bの開閉(始動、停止に対応)又は開度を調節(温度設定に対応)するとともに、前記熱源機1に対して作動、停止、設定温度等を示す運転状態信号を出力する。前記熱源機1の熱源機制御手段1iは、前記運転状態信号を受けて、前記第二ガスバーナ1eを点火して適切な加熱熱量に調節するとともに前記循環ポンプ1hを作動させる。
【0025】
前記タイマー制御手段3には、さらに、前記熱源機1又は他の温水端末機2の動作状態に基づいて、特定の温水端末機2に対する前記相対時刻データを自動変更する相対時刻データ自動変更手段3fを設けてあり、特定の温水端末機2に対する設定時刻に既に他の温水端末機2(熱源機1)が作動しているか否かをイベント情報に基づいて判断し、作動している場合には当該特定の温水端末機2に対する設定時刻を早めるべく相対時刻データを変更処理する。つまり、当該特定の温水端末機2が作動する前に他の温水端末機2が作動している場合には前記循環用配管1fを循環する湯の温度が既に立ち上がっているために、当該特定の温水端末機2の立ち上がり時間のための設定時刻を短縮して効率的に運転制御するものである。相対時刻データ自動変更手段3fによる相対時刻データは、上述したように、イベント情報に基づいて更新処理される場合には、イベント情報の設定入力の完了時点で判断できるので、その時点で実行される。それ以外に、上述した各端末機制御手段2cからの運転情報を入力して特定の温水端末機の設定時刻よりも以前(少なくともイベント発生時刻に対する相対時刻と同時又はそれ以前)に他の温水端末機が運転中であるか否かを判断して、運転中であると判断された場合に特定の温水端末機の相対時刻を設定変更することも可能である。
【0026】
又、当該特定の温水端末機2が作動する設定時刻の直後に他の温水端末機2が作動するように設定緒されている場合には、負荷の増大により前記循環用配管1fを循環する湯の温度の立ち上がり時間が長くなるため、当該特定の温水端末機2の立ち上がり時間のための設定時刻を早めて効率的に運転制御する事も可能である。ここで、各温水端末機2の分岐配管2aへの湯の供給を所定のデューティ比でオンオフ制御するものであれば、同時運転される温水端末機間のバルブ機構2bによる給湯のオンオフの位相をずらせることにより双方の温度の立ち上がり時間をバランス良く制御することが可能となる。例えば、熱源機1に循環用配管1fの戻り経路の湯温を計測するセンサを設け、戻り湯温が基準温度よりも高いときには位相差を小さくし、低い時には位相差を大きくする等の制御手段を設けることで実現できる。
【0027】
このようにして、例えば、一日の朝の生活様式にそってイベント情報により設定された時刻を基準として給湯暖房機システムが運転される。例えば、イベント種別として起床時刻が6時とセットされている場合には、起床時刻の1時間前の5時に寝室の温水パネルヒータを作動させ、起床時刻の30分前に居間の温水床暖房機を作動させ、起床時刻の15分前にキッチンの温水パネルヒータを作動させ、起床時刻の15分後に寝室の温水パネルヒータを停止させるという具合である。さらに、イベント種別として出勤(外出)時刻が7時30分とセットされている場合には、7時30分に居間の温水床暖房機、キッチンの温水パネルヒータを停止させるのである。
【0028】
以下に別実施形態を説明する。上述した実施形態において、さらに、前記熱源機1又は当該温水端末機2の環境条件に基づいて、当該温水端末機2に対する前記相対時刻データを自動変更する相対時刻データ自動変更手段を備えても良く、これにより、例えば、当該温水端末機の設置場所の温度や設置面積、被暖房容積等の環境条件に基づいて所定温度に到るまでの立ち上がり遅延時間を加減して、特定の温水端末機を効率良く運転することが可能となる。この場合には、それぞれの温水端末機が設置されている環境(被暖房空間の容量等を事前入力したり、室温センサの検出値が入力可能にインターフェース回路を構成しておく必要がある。
【0029】
上述したイベント情報に基づく温水端末機の制御では、主に機器の作動、停止について説明したが、作動に伴う制御温度等の設定の変更等の制御も当然のことながら可能である。又、上述した他の機器の作動状態や環境条件に基づく相対時刻データ自動変更手段に代えて、又は加えて、他の機器の作動状態や環境条件に基づいて機器の運転温度等の設定を自動変更して効率よく運転可能に構成してもよい。
【0030】
上述した実施形態では、設定時刻に各温水端末機を個別に作動若しくは停止又は設定制御する集中制御形態のタイマー制御手段として、計時手段と、イベント情報入力手段と、イベント対応制御手段とを備えて構成したものを説明したが、タイマー制御手段の構成としては、これに限るものではなく、各温水端末機に個別にタイマー制御手段を設けて個別にイベント情報を入力可能に構成する分散方式や、各温水端末機に個別にタイマー制御手段を設けるとともに、個々のイベント情報入力手段が通信ラインを介して他の温水端末機からイベント情報が伝送入力される通信手段を備えて構成されるものであってもよい。さらには、給湯暖房機システムの外部又は熱源機にイベント情報を管理するイベント管理サーバ等の情報処理装置を設けて当該情報処理装置に各温水端末機に設置されたタイマー制御手段又は、上述した集中制御形態のタイマー手段を通信手段としての有線又は無線によるネットワークに接続し、当該情報処理装置からイベント情報を入力するように構成するものであってもよい。これらの構成において、タイマー制御手段に設けられた各計時手段は、時間のずれが生じないように、何れかのタイマー制御手段に設置された主たる計時手段、例えば熱源機に設置された計時手段等に同期されるように構成されることが好ましい。
【0031】
この場合には、各イベント対応制御手段にイベント情報を記憶するメモリ手段を設けて、通信手段を介して入力されたイベント情報の端末機IDデータに基づいて自身に関するイベント情報か否かを判別し、自身に対するイベント情報であれば、イベントIDデータ、発生時刻データ、相対時刻データをメモリ手段に取り込み、当該取り込まれたイベントデータに基づいて自身の制御を行なうことになる。ここで、イベントIDデータとイベントIDデータに対する相対時刻データを予め各イベント対応制御手段に備えられたメモリ手段に設定記憶しておけば、その後は通信手段を介して伝送されるイベント情報には少なくとも相対時刻データを省略できる。このように構成される場合にも、イベント情報に含まれる他の温水端末装置に対するイベント情報を認識することにより他の温水端末装置の作動状態が認識できるので、上述した相対時刻データ自動変更手段を設けることが可能である。
【0032】
上述のイベント情報は、家庭内において複数の操作者により設定操作されることも当然にあり、夫々の操作者により同一の温水端末機に対して異なる時刻データ(イベント発生時刻データ又は相対時刻データ)が設定される場合、直近に設定されたデータを有効にすることで対応できる。その他に、同一イベントであっても家族の構成員毎にイベントIDデータを異ならせて、それぞれのイベントデータを設定できるように構成してもよい。この場合に、同一の温水端末機に対する異なるイベント情報が設定されたときには、始動のための設定時刻が重なれば早い方を優先させ、停止のための設定時刻が重なれば遅い方を優先させて制御する優先処理手段をイベント対応制御手段に設けるように構成することが好ましい。
【0033】
上述した給湯暖房システムによれば、タイマー制御手段による制御対象は熱源機に接続された温水端末機に限るものを説明したが、前記温水端末機以外の他の機器の作動若しくは停止又は設定を制御可能に構成してもよく、このように構成することにより、生活パターンに対応して家庭内の各種機器の設定時刻での作動等の予約運転が総合的に制御可能となるのである。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、給湯暖房機システムの設定時刻における機器の作動若しくは停止又は設定を効率的に管理可能としながらも、それら機器の作動等時刻の設定又は設定変更を容易になし得るイベント情報による給湯暖房機システムを提供することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】給湯暖房機システムのブロック構成図
【図2】タイマー制御手段のブロック構成図
【図3】イベント情報の説明図
【図4】イベント情報の入力画面の説明図
【符号の説明】
1:熱源機
2:温水端末機
3:タイマー制御手段
3a:計時手段
3b:イベント情報入力手段
3c:イベント対応制御手段
3f:相対時刻データ自動変更手段

Claims (4)

  1. 熱源機と、前記熱源機に接続された複数の温水端末機と、設定時刻に前記温水端末機の作動若しくは停止又は設定を制御するタイマー制御手段とを備えてなる給湯暖房機システムであって、
    前記タイマー制御手段は、計時手段と、イベント発生時刻データと前記イベント発生時刻データに対する前記温水端末機別に設定される相対時刻データを含むイベント情報を入力するイベント情報入力手段と、前記計時手段により計時された時刻が、前記イベント情報入力手段により入力された前記イベント発生時刻データに対する前記相対時刻データで特定される時刻に達したときを前記設定時刻として機器の作動若しくは停止又は設定を前記温水端末機別に制御するイベント対応制御手段と、他の温水端末機の動作状態または他の温水端末機の前記相対時刻データの設定に基づいて、特定の温水端末機に対する前記相対時刻データを自動変更する相対時刻データ自動変更手段と、を備えて構成してある給湯暖房機システム。
  2. 前記相対時刻データ自動変更手段は、更に、前記熱源機又は当該温水端末機の環境条件に基づいて、当該温水端末機に対する前記相対時刻データを自動変更する請求項1に記載の給湯暖房機システム。
  3. 前記イベント情報入力手段は、機器外部からのイベント情報を受信可能な通信手段を備えて構成されている請求項1又は2に記載の給湯暖房システム。
  4. 前記タイマー制御手段が、前記温水端末機以外の他の機器の作動若しくは停止又は設定を制御可能に構成されている請求項1からのいずれか1項に記載の給湯暖房システム。
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