JP3544162B2 - トリフェニルジアセチレン化合物、ならびに該化合物を含有する液晶組成物および液晶ディスプレイ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はトリフェニルジアセチレン化合物に関するもので、とくに、両端のフェニル基が異なるアルキル基またはアルコキシル基を有し、かつ3つのベンゼン環のうち少なくとも1つが側置換基(side-substituent)を有するトリフェニルジアセチレン化合物に関するものである。この種のトリフェニルジアセチレン化合物は、液晶ディスプレイに必要な液晶混合物の一成分として使用するのに適している。
【0002】
【従来の技術】
STN(super twist nematic)型の液晶ディスプレイは、光学的異方性が大きく(複屈折性Δnが0.15〜0.20)かつ低融点・高透明点の液晶混合物を必要とする。これは、幅広い温度範囲でネマチック液晶相を呈するようにするためである。一般に、液晶核心構造の共振長さが長いほどΔnは大きくなる。
【0003】
中華民国第312702号専利は、ジアセチレンと2つのベンゼン環よりなる液晶モノマーを開示した。中華民国第288048号専利は、末端がアリル基であるようなトリフェニルジアセチレンの液晶モノマーを開示した。
【0004】
Pughらは、両端のフェニル基上に対称のアルコキシル基を有し、液晶材料として使用できるようなトリフェニルジアセチレン化合物を開示した(Journal of Polymer Science:Part A:Polymer Chemistry,Vol.28,1101-1126(1990))。しかしながら、Pughらが開示したトリフェニルジアセチレン化合物は、複屈折性Δnは高いものの、両端のアルコキシル基が対称構造を有するため融点が高すぎる。このため、ネマチック液晶相の温度範囲が狭く、主にスメクチック液晶相を呈する。したがって、TN型(twist nematic)、STN型、またはTFT(thin film transistor、薄膜トランジスタ)型液晶ディスプレイに必要な液晶組成物の一成分として使用するのに適しておらず、実用価値を持たない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上述した問題点を解決し、またΔnが高いうえ低融点かつ高透明点で、ネマチック液晶相の温度範囲を拡大でき、よって液晶ディスプレイに必要な液晶組成物の一成分として使用するのに適している新規なトリフェニルジアセチレン化合物を提供することにある。この化合物は、TN型、STN型、およびTFT型液晶ディスプレイに必要な液晶組成物の一成分として使用するのにとくに適している。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、下記一般式(I):
【0007】
【化2】
【0008】
(ここで、G1は−CnH2n+1 かつ、G 2 は - C m H 2m+1 、または、G 1 は−OC n H 2n+1 かつ、G 2 は−OC m H 2m+1 であり、nは1〜20の整数であり、mは1〜20の整数であり、nとmは等しくなく、R1、R2、およびR3はそれぞれ独立してHまたは炭素数が1〜3のアルキル基であり、R1、R2、およびR3のうち少なくとも1つはHでない)で表されるトリフェニルジアセチレン化合物である。
【0009】
前記G1は−CnH2n+1、nは1〜10の整数であり、前記G2は−CmH2m+1、mは1〜10の整数であることが好ましい。さらに、前記n、mは1〜6の整数であることが好ましい。
【0010】
また、前記G1は−OCnH2n+1、nは1〜10の整数であり、前記G2は−OCmH2m+1、mは1〜10の整数であることが好ましい。さらに、n、mは1〜6の整数であることが好ましい。
【0011】
前記R1およびR3がともにHで、前記R2は炭素数が1〜3のアルキル基であることが好ましい。さらに、前記R2はメチル基であることが好ましい。
【0012】
本発明の液晶組成物は、前記トリフェニルジアセチレン化合物を0.01〜50重量%、および液晶を50〜99.99重量%含有するものである。
【0013】
前記トリフェニルジアセチレン化合物の含有量は1〜30重量%であることが好ましい。
【0014】
前記液晶は、TN型、STN型、またはTFT型の液晶であることが好ましい。
【0015】
本発明の液晶ディスプレイは、前記液晶組成物より構成されている。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明は、両端のフェニル基がそれぞれ異なるアルキル基またはアルコキシル基を有し、かつ3つのベンゼン環のうち少なくとも1つが側置換基を有する新規なトリフェニルジアセチレン化合物を提供する。
【0017】
本発明によるトリフェニルジアセチレン化合物は、つぎの一般式(I)で表される。
【0018】
【化3】
【0019】
ここで、G1は−CnH2n+1 かつ、G 2 は - C m H 2m+1 、または、G 1 は−OC n H 2n+1 かつ、G 2 は−OC m H 2m+1 であり、nは1〜20の整数、とくに1〜10の整数、中でもとくに1〜6の整数であることが好ましく、mは1〜20の整数、とくに1〜10の整数、なかでもとくに1〜6の整数であることが好ましい。R1、R2、およびR3はそれぞれ独立してHまたは炭素数が1〜3のアルキル基である。
【0020】
本発明の特徴は、化学式(I)の末端にある置換基G1およびG2において、nとmが等しくなく、よって化学式(I)の両端のフェニル基がそれぞれ異なるアルキル基またはアルコキシル基を有する点にある。
【0021】
本発明の特徴はまた、化学式(I)が前記G1およびG2という異なるアルキル基またはアルコキシル基を有するうえ、3つのフェニル基のうち少なくとも1つが他とは異なる置換基を有する、すなわちR1、R2、およびR3のうち少なくとも1つがHでない点にある。
【0022】
R1、R2、およびR3は、R1およびR3がともにHで、R2が炭素数1〜3のアルキル基であることが好ましく、R1およびR3がともにHで、R2がメチル基であることがより好ましい。
【0023】
本発明による化合物は、トリフェニルジアセチレンを主構造とするため、高いΔn値を有する。また、本発明によるトリフェニルジアセチレン化合物の両端のフェニル基が、それぞれ異なるアルキル基またはアルコキシル基を有するため、左右で分子の長さが異なり、液晶分子の末端間にかかる引力を減少させる。また主鎖の中心にあるベンゼン環が側置換基を有し、これによって液晶分子の横向き作用力が破壊されるため、融点を低め、ネマチック液晶相の温度範囲を広げることができる。
【0024】
本発明による液晶組成物は、本発明による新規なトリフェニルジアセチレン化合物、および液晶を含有する。これら成分の液晶組成物中における含有量は、本発明によるトリフェニルジアセチレン化合物が0.01〜50重量%、液晶が50〜99.99重量%である。なかでも、本発明によるトリフェニルジアセチレン化合物の含有量が1〜30重量%であることがとくに好ましい。
【0025】
液晶組成物に使用する液晶としては、TN型液晶、STN型液晶およびTFT型液晶である。
【0026】
本発明による液晶組成物は、公知の技術を使用して液晶ディスプレイの構成に使用することができる。とくに、高Δn値の液晶材料を要するECB(electrical control birefringence)のSTN型液晶表示器に適用する。
【0027】
【実施例】
以下に、いくつか実施例をあげ、本発明の方法、特徴および長所をさらに詳しく説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の範囲は特許請求の範囲を基準とするものとする(実施例1〜6における合成過程は図1、実施例7における合成過程は図2参照)。
【0028】
製造例1:化合物1a〜1bの合成
化合物1a(n=6)(1−ヘキシル−4−ヨードベンゼン)を例にとる。
【0029】
4−ヘキシルアニリン(10g、56.5mmole)を30mlのTHFに溶解し、0〜5℃に冷却した後、22mlの強塩酸をゆっくり加えた。ついで、得られた溶液を氷浴させながら5〜10分間攪拌し、23mlの氷亜硝酸ナトリウム水溶液(1g/3ml)を素早く加えた。得られた混合溶液を、氷浴したままの100mlのヨウ化カリウム(0.56mol)水溶液に直ちに入れ、そのままの温度を維持して2〜3時間攪拌した。得られた生成物をヘキサンで希釈し、さらに飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液、水、および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムに通して乾燥・濃縮させた。最後に、シリカゲルでカラム分離(ヘキサンを溶離液として使用)し、無色透明の油状液体1aを収率94.7%で得た。
【0030】
類似の方法により、化合物1b(n=5)(1−ペンチル−4−ヨードベンゼン)を収率95%で得た。
【0031】
本発明は1a〜1bに類似する化合物を用いて実験を行った結果、1c(n=4)は1−ブロモ−4−ブチルベンゼンで、1d(n=3)は1−ブロモ−4−プロピルベンゼンで、1e(n=2)は1−ブロモ−4−エチルベンゼンで、1f(n=1)は1−ブロモトルエンである。前記1c〜1fはいずれもアルドリッチ(aldrich)社の製品である。
【0032】
製造例2:化合物2a〜2fの合成
化合物2a(n=6)[2−メチル−4−(4−ヘキシルフェニル)−3−ブチン−2−オール]を例にとる。
【0033】
化合物1a(14.4g、50mmol)、および2−メチル−3−ブチン−2−オール(6.3g、75mmol)を150mlのトリエチルアミンに溶解し、窒素ガス環境下でトリフェニルホスフィン(1.00g、3.75mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)塩化パラジウム(II)(0.35g、0.5mmol)、およびヨウ化銅(0.38g、2mmol)を別個に加え、得られた混合溶液を1日加熱・還流させた。冷却後、余分な溶剤を抽出してエチルエーテルで希釈し、さらに飽和塩化アンモニウム水溶液、水、および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムに通して乾燥・濃縮させた。最後に、シリカゲルでカラム分離(酢酸エチル:ヘキサン=1:4の混合溶液を溶離液として使用)し、褐色の油状液体2aを収率95%で得た。
【0034】
類似の方法により、化合物2b(n=5)[2−メチル−4−(4−ペンチルフェニル)−3−ブチン−2−オール]を収率87%で、化合物2c(n=4)[2−メチル−4−(4−ブチルフェニル)−3−ブチン−2−オール]を収率88%で、化合物2d(n=3)[2−メチル−4−(4−プロピルフェニル)−3−ブチン−2−オール]を収率96%で、化合物2e(n=2)[2−メチル−4−(4−エチルフェニル)−3−ブチン−2−オール]を収率〜100%で、化合物2f(n=1)[2−メチル−4−(4−メチルフェニル)−3−ブチン−2−オール]を収率〜100%で得た。
【0035】
製造例3:化合物3a〜3fの合成
化合物3a(n=6)[1−(1−エチニル)−4−ヘキシルベンゼン]を例にとる。
【0036】
化合物2a(7.7g、31.6mmol)、および100mlの1,4−ジオキサンを丸底フラスコに入れ、1.3gの水酸化カリウムを加えた後、窒素ガス環境下で100℃まで加熱して反応させた。反応により生成したアセトンは、Dean-Stark trapで収集した。得られた生成物を冷却して水を加え、ヘキサンで抽出した後、無水硫酸マグネシウムに通して乾燥・濃縮させた。最後に、シリカゲルでカラム分離(ヘキサンを溶離液として使用)し、無色透明の油状液体3aを収率97%で得た。
【0037】
類似の方法により、化合物3b(n=5)[1−(1−エチニル)−4−ペンチルベンゼン]を収率83%で、化合物3c(n=4)[1−(1−エチニル)−4−ブチルベンゼン]を収率86%で、化合物3d(n=3)[1−(1−エチニル)−4−プロピルベンゼン]を収率93%で、化合物3e(n=2)[1−(1−エチニル)−4−エチルベンゼン]を収率81%で、化合物3f(n=1)[1−(1−エチニル)−4−メチルベンゼン]を収率78%で得た。
【0038】
製造例4:化合物4a、4bの合成
化合物4a(メチル基がオルトの位置を占める)の合成:
o−トルイジン(20g、0.187mol)を丸底フラスコに入れ、ヨウ素(47.5g、0.187mol)、炭酸カルシウム(23.3g、0.233mol)、および100mlの水を別々に加えた。得られた溶液を室温下で1時間攪拌し、さらに60〜70℃に加熱して5分間攪拌した後、冷却して水を加え、エチルエーテルで抽出した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥・濃縮させ、最後に50%のエタノール水溶液で再結晶させた結果、白色に近い固体結晶4aを収率83%で得た。
【0039】
化合物4b(メチル基がメタの位置を占める)の合成:
o−トルイジン(1g、9.3mmol)、重炭酸ナトリウム(1.2g、14.3mmol)、および8mlの水を50mlの丸底フラスコに入れ、冷却した後、ヨウ素(2g、7.9mmol)を2〜3回に分けて加えた。得られた溶液をそのままの温度を維持しながら1時間攪拌した後、水を加え、エチルエーテルで抽出した。得られた有機層を飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液、水、および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥・濃縮させ、最後にシリカゲルでカラム分離(酢酸エチル:ヘキサン=1:4)の混合溶液を溶離液として使用)した結果、透明で薄紫色の油状の液体4bを収率75.2%で得た。
【0040】
製造例5:化合物5a〜5cの合成
化合物5a(n=3、メチル基がオルトの位置を占める)の合成を例にとる。
【0041】
まず、化合物4a(8.38g、36mmol)、および化合物3d(6.48g、45mmol)を100mlのトリエチルアミンに溶解して丸底フラスコに入れ、窒素ガス環境下でトリフェニル燐(0.7g、2.7mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)塩化パラジウム(II)(0.25g、0.36mmol)、およびヨウ化銅(0.25g、1.3mmol)を別々に加え、1日加熱・還流させた。冷却後、余分な溶剤を抽出し、エチルエーテルで希釈した。ついで飽和塩化アンモニウム水溶液、水、および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥・濃縮させ、最後にシリカゲルでカラム分離(酢酸エチル:ヘキサン=1:4の混合溶液を溶離液として使用)した結果、褐色の固体5aを収率95%で得た。
【0042】
類似の方法により、化合物5b(n=1、メチル基がオルトの位置を占める)を収率76%で、化合物5c(n=2、メチル基がメタの位置を占める)を収率86%で得た。
【0043】
製造例6:化合物6a〜6cの合成
化合物6a(n=3、メチル基がオルトの位置を占める)の合成を例にとる。
【0044】
化合物5a(7.25g、29mmol)を15mlのTHFに溶解し、冷却した後、16mlの強塩酸と17.5mlの亜硝酸ナトリウムより調製された氷亜硝酸溶液に入れ、得られた混合物をさらに凍った6Mのヨウ化カリウム水溶液(50ml)に入れた。ついで、そのままの温度を維持しながら2〜3時間攪拌し、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液を加え、ヘキサンで抽出した。ついで、得られた有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥・濃縮させた後、最後にシリカゲルでカラム分離(ヘキサンを溶離液として使用)した結果、白色の固体結晶6aを収率60%で得た。
【0045】
類似の方法により、化合物6b(n=1、メチル基がオルトの位置を占める)を収率54%で、化合物6c(n=2、メチル基がメタの位置を占める)を収率27%で得た。
【0046】
実施例1:トリフェニルジアセチレン化合物[PTP(CH 3 )TP−nm]の 合成(図2のフローチャートを参照)
化合物PTP(CH3)TP−36(n=3、m=6)の合成を例にとる。
【0047】
まず、化合物6a(3g、8.3mmol)および化合物3a(2.8g、15mmol)を35mlのトリエチルアミンに溶解して丸底フラスコに入れた。ついで、窒素ガス環境下でトリフェニル燐(0.17g、0.65mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)塩化パラジウム(II)(60mg、0.083mmol)、およびヨウ化銅(60mg、0.31mmol)を別々に加え、得られた溶液を一日加熱・還流させた。冷却後、余分な溶剤を抽出してヘキサンで希釈し、さらに飽和塩化アンモニウム水溶液、水、および飽和食塩水で洗浄してから、無水硫酸マグネシウムで乾燥・濃縮させ、最後にシリカゲルでカラム分離(ヘキサンを溶離液として使用)した結果、白色の固体結晶[PTP(CH3)TP−36]を収率21.5%で得た。
【0048】
類似の方法により得た一連のトリフェニルジアセチレン化合物の収率およびスペクトル値を表1〜4に示す。また、示差走査熱量計で融点(Tm)、透明点(Tc)、およびエンタルピー(ΔH)を測定し、その結果を表5に示す。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】
【表3】
【0052】
【表4】
【0053】
【表5】
【0054】
PTP(CH3)TP−nm系列化合物(n=1)の相転移温度(TmとTc)をmに対してプロットしたものが図3である。図中、Tc以上の区域はI区(isotropic、等方区)、TcとTmに挟まれた区域はN区(nematic、ネマチック区)、Tm以下の区域はK区(固体相区)である。
【0055】
PTP(CH3)TP−nm系列化合物(n=3)の相転移温度(TmとTc)をmに対してプロットしたものが図4である。PTP(CH3)TP−nm系列化合物(m=2)の相転移温度(TmとTc)をnに対してプロットしたものが図5である。
【0056】
図3〜5からわかるように、両端のフェニル基が有するアルキル基の非対称性が顕著であるほど、ネマチック液晶相を呈する範囲(すなわちN区)が大きくなることがわかる。
【0057】
実施例2
Merck社製造のE63液晶(cyano-biphenyl混合物を成分とする)に、実施例1でえられた20重量%のPTP(CH3)TP−63(n=6、m=3)を添加し、異なる波長下における複屈折性Δnを測定し、その結果を図6に示した。図から、本発明によるトリフェニルジアセチレン化合物を添加すると、市販の液晶のΔn値を高めることができることがわかる。また、本発明によるトリフェニルジアセチレン化合物は、市販の液晶との相和性にも優れている。
【0058】
以上、好ましい実施例を開示したが、これらは決して本発明の範囲を限定するものではなく、当該技術に熟知した者ならば誰でも、本発明の精神と領域を脱しない範囲内で各種の変動や潤色を加えられるべきであって、従って本発明の保護範囲は特許請求の範囲で指定した内容を基準とする。
【0059】
【発明の効果】
以上より、本発明によるトリフェニルジアセチレン化合物が幅広いネマチック液晶相の温度範囲を有し、液晶ディスプレイに必要な液晶組成物の一成分として使用できることがわかる。当該化合物はとくに、TN型、STN型、およびTFT型液晶ディスプレイに必要な液晶組成物の一成分として使用するのに適している。
【0060】
本発明によるトリフェニルジアセチレン化合物は、あらゆる種類の液晶に添加し、液晶組成物中の一成分として使用することが可能である。ここでいう液晶とは、一般に知られるような液晶相を有した多成分よりなる混合物を指す。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるトリフェニルジアセチレン化合物を合成する過程の前半部分を示したフローチャートである。
【図2】本発明によるトリフェニルジアセチレン化合物を合成する過程の後半部分を示したフローチャートである。
【図3】PTP(CH3)TP−nm系列化合物(n=1)の相転移温度とmとの関係を示したグラフである。
【図4】PTP(CH3)TP−nm系列化合物(n=3)の相転移温度とmとの関係を示したグラフである。
【図5】PTP(CH3)TP−nm系列化合物(m=2)の相転移温度とnとの関係を示したグラフである。
【図6】実施例7で得られたトリフェニルジアセチレン化合物がE63液晶に及ぼすΔn値の引き上げ効果を示したグラフである。
Claims (11)
- 前記G1が−CnH2n+1、nが1〜10の整数であり、前記G2が−CmH2m+1、mが1〜10の整数である請求項1記載のトリフェニルジアセチレン化合物。
- n、mが1〜6の整数である請求項2記載のトリフェニルジアセチレン化合物。
- 前記G1が−OCnH2n+1、nが1〜10の整数であり、前記G2が−OCmH2m+1、mが1〜10の整数である請求項1記載のトリフェニルジアセチレン化合物。
- n、mが1〜6の整数である請求項4記載のトリフェニルジアセチレン化合物。
- 前記R1およびR3がともにHで、前記R2が炭素数1〜3のアルキル基である請求項1記載のトリフェニルジアセチレン化合物。
- 前記R2がメチル基である請求項6記載のトリフェニルジアセチレン化合物。
- 請求項1記載のトリフェニルジアセチレン化合物を0.01〜50重量%、および液晶を50〜99.99重量%含有する液晶組成物。
- 前記トリフェニルジアセチレン化合物の含有量が1〜30重量%である請求項8記載の液晶組成物。
- 前記液晶が、TN型、STN型、またはTFT型の液晶である請求項8記載の液晶組成物。
- 請求項8記載の液晶組成物より構成される液晶ディスプレイ。
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