JP3543796B2 - 留め付けシール金具及び外壁施工構造 - Google Patents
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Description
【技術分野】
本発明は,複数の四方合決り構造の外壁板を馬乗り目地状に施工してなる外壁施工構造における,左右に隣り合う上記外壁板の間に形成される縦目地の下端部に配置される留め付けシール金具,及びこれを用いた外壁施工構造に関する。
【0002】
【従来技術】
従来より,図20,図21に示すごとく,複数の四方合決り構造の外壁板を馬乗り目地状に施工してなる外壁施工構造8がある。
即ち,上記外壁板2は,上部下実210と下部上実220と左右に設けた横下実240及び横上実230とを有する(図11参照)。そして,下側の外壁板2の上部下実210に,上側の外壁板2の下部上実220を重ね,左側の外壁板2の横下実240に右側の外壁板2の横上実230を重ねて施工する。そして,上記外壁施工構造8においては,図20に示すごとく,左右に隣り合う上記外壁板2の間に形成される縦目地27は,一直線状に連続せずに,左右の位置が互い違いとなる馬乗り目地状となっている。
【0003】
上記外壁施工構造8においては,図21,図22に示すごとく,上記縦目地27の上端部272及び下端部271に,留め付け金具9を配置して,各外壁板2を胴縁等の下地材3に固定している。
上記留め付け金具9は,図23に示すごとく,上記外壁板2の裏側面26に当接する基板部91と,該基板部91の前方に水平方向に立設された支承部92と,該支承部92の前端部から斜め上方へ屈曲した上板係止部93と,上記支承部92の前端部から斜め下方へ屈曲した下板係止部94と,上記上板係止部93及び下板係止部94の各先端部の間に連設された前方平板部97とを有する。
【0004】
そして,上記留め付け金具9は,図21,図22に示すごとく,上下の外壁板2を下地材3に固定している。即ち,上記留め付け金具9は,下板係止部94を下側の外壁板2の上辺部21に係止させ,上記支承部92により上側の外壁板2を支承すると共に上板係止部93を上側の外壁板2の下辺部22に係止させた状態で,ビス4によって下地材3に固定されている。
【0005】
また,図21,図22に示すごとく,上記外壁板2の上部下実210及び横下実240には,コーキング材29を打設してある。このコーキング材29の上から,他の外壁板2の下部上実220そして横上実230が重なり,上記コーキング材29を押圧する。これにより,縦目地27或いは横目地270から外壁施工構造8の内部への浸水を防いでいる。
【0006】
【解決しようとする課題】
しかしながら,上記外壁施工構造8には,上記コーキング材29を打設しているにもかかわらず,以下に示す不具合により,浸水を確実に防ぐことが困難であるという問題がある。この問題につき,図22,図24を用いて説明する。
【0007】
なお,図24は,上記縦目地27の下端部271周辺を前方(表面側)から見た状態を示す。図24において,各外壁板2の後方部分の輪郭は,実際には前方から見えない部分であり,破線で表している。そして,符号a1〜c1を付した破線で輪郭を示した外壁板の後方部分は,それぞれ符号a2〜c2を付した実線で輪郭を示した外壁板の前方部分と一体的になっている。また,符号2a〜2cは,それぞれ,後方部分の輪郭a1〜c1と前方部分の輪郭a2〜c2とを有する外壁板を表す。
【0008】
図22,図24に示すごとく,上記外壁施工構造8においては,上記縦目地27に雨水6が浸入することがある。上記縦目地27に浸入した雨水6は,横下実24に打設されたコーキング材29によって,左右方向(図22,図24においては右方)への移動が阻止され,外壁施工構造8の内部への浸入が防止される。
ところが,上記雨水6は,上記縦目地27を伝って下方へ落下する。そして,雨水6は,上記縦目地27の下端部271に配置された上記留め付け金具9の前方平板部97へ達する。
【0009】
上記前方平板部97へ達した雨水6は,その流量が少ない場合には,その殆どが,上記縦目地27の下方に存在する外壁板2の上辺部21から前方へ排出される。
しかし,上記雨水6の流量が多いと,上記縦目地27を伝って落下してきた雨水6は,上記下側の外壁板2の上辺部21において,その圧力が高まり,左右方向へ流動させる力が働く。そのため,上記雨水6の一部は,図22,図24に示すごとく,上記前方平板部97の前面を伝って左右に流れ,側端部99から下側の外壁板2の上辺部21に落下し,更には,外壁板2の裏側へ浸入するおそれがある。
【0010】
また,上記前方平板部97を伝って左右に移動した雨水6の一部は,上記上板係止部93を乗り越えて上記支承部92の上,更にはその両側端部99へと移動する。そして,この雨水6も,上記留め付け金具9の側端部99から上記外壁板2の裏側へ浸入する。
これにより,上記外壁板2や下地材3の腐食,劣化を招くおそれがある。
【0011】
本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので,複数の四方合決り構造の外壁板を馬乗り目地状に施工してなる外壁施工構造において,浸水を確実に防止することができる留め付けシール金具,及びこれを用いた外壁施工構造を提供しようとするものである。
【0012】
【課題の解決手段】
第1の発明は,複数の四方合決り構造の外壁板を馬乗り目地状に施工してなる外壁施工構造において,左右に隣り合う上記外壁板の間に形成される縦目地の下端部に配置される留め付けシール金具であって,
該留め付けシール金具は,胴縁等の下地材に固定されると共に上記外壁板の裏側面に当接する基板部と,該基板部から前方へ水平方向に立設された中央水平立設部と,該中央水平立設部の前端から下方へ屈曲した下方屈曲部と,該下方屈曲部における左右端部の下端から上方へ屈曲した前板部と,上記中央水平立設部の左右において上記基板部から前方へ水平方向に立設された支承部と,該支承部の前端から上方へ屈曲した上板係止部と,上記支承部の前端から下方へ屈曲した下板係止部と,上記上板係止部の先端から上記下板係止部の先端にかけて垂直方向に連設された連設部とを有し,
かつ,上記中央水平立設部の左右端部の上面,及び上記前板部の前面には,弾性材が配設されていることを特徴とする留め付けシール金具にある(請求項1)。
【0013】
上記留め付けシール金具は,上記中央水平立設部と下方屈曲部とを有し,上記中央水平立設部の左右端部の上面には弾性材を配設してなる。そのため,上記留め付けシール金具を上記縦目地の下端部に配設したとき,該縦目地を伝って落下してくる雨水等を上記左右の弾性材の間における上記中央水平立設部によって受け,上記下方屈曲部から,外壁の前方へ排出することができる。
【0014】
また,上記中央水平立設部の左右端部の上面,及び上記前板部の前面に弾性材が配設されている。そのため,上記留め付けシール金具の上側に配置する外壁板の下辺部に,上記弾性材を密着させることができる。
それ故,上記中央水平立設部に落下した雨水等を,左右の上記弾性材により堰き止め,外壁施工構造の内部への浸入を確実に防ぐことができる。そして,堰き止められた雨水等を,上記下方屈曲部から外壁前方へ積極的に排出することができる。
【0015】
また,上記留め付けシール金具は,上記水平立設部の左右において,上記支承部と上記上板係止部とを有するため,上側に配置する外壁板の下辺部を支承すると共に係止することができる。また,上記留め付けシール金具は,上記下板係止部を有するため,下側の外壁板の上辺部を係止することができる。そして,上記基板部を下地材に固定することができる。
【0016】
これにより,上記留め付けシール金具は,上記外壁板を上記下地材に留め付けることができる。即ち,上記留め付けシール金具は,雨水等の浸入防止と,外壁板の留め付けとの双方の機能を有する。そのため,上記留め付けシール金具を用いることにより,浸水を防ぐ外壁施工構造を容易かつ安価に施工することができる。
【0017】
また,上記前板部は,上記下方屈曲部の下端から上方へ折り曲げることにより,形成することができる。そのため,上記前板部の加工が容易である。
また,上記前板部は,上記下方屈曲部の下端から上方へ屈曲しているため,上記前板部とその内側の下方屈曲部との間に,特に大きな切込を必要としない。それ故,上記下方屈曲部と前板部との間からの雨水の漏れを防ぐことができる。
【0018】
以上のごとく,本発明によれば,複数の四方合決り構造の外壁板を馬乗り目地状に施工してなる外壁施工構造において,浸水を確実に防止することができる留め付けシール金具を提供することができる。
【0019】
第2の発明は,複数の四方合決り構造の外壁板を馬乗り目地状に施工すると共に,左右に隣り合う上記外壁板の間に形成される縦目地の下端部に,留め付けシール金具を配置してなる外壁施工構造であって,
上記留め付けシール金具は,上記外壁板の裏側面に当接する基板部と,該基板部から前方へ水平方向に立設された中央水平立設部と,該中央水平立設部の前端から下方へ屈曲した下方屈曲部と,該下方屈曲部における左右端部の下端から上方へ屈曲した前板部と,上記中央水平立設部の左右において上記基板部から前方へ水平方向に立設された支承部と,該支承部の前端から上方へ屈曲した上板係止部と,上記支承部の前端から下方へ屈曲した下板係止部と,上記上板係止部の先端から上記下板係止部の先端にかけて垂直方向に連設された連設部とを有し,更に,上記中央水平立設部の左右端部の上面,及び上記前板部の前面には,弾性材が配設されており,
また,上記留め付けシール金具は,上記基板部を上記外壁板の裏側面に当接させて,胴縁等の下地材に固定されており,
上記留め付けシール金具の下方に配置した上記外壁板は,上辺部を上記留め付けシール金具の下板係止部に係止させ,上方に配置した上記外壁板は,下辺部を上記留め付けシール金具の上記支承部に載置すると共に上記上板係止部に係止させてあり,
また,上記留め付けシール金具の上記弾性材は,上方の上記外壁板の下辺部に密着しており,
かつ,上記縦目地の下端部は,上記留め付けシール金具における上記左右の弾性材の間に配置されていることを特徴とする外壁施工構造にある(請求項7)。
【0020】
上記外壁施工構造においては,上記縦目地の下端部が,上記留め付けシール金具における上記左右の弾性材の間に配置されている。そのため,上記縦目地を伝って落下してくる雨水等を上記左右の弾性材の間における上記中央水平立設部によって受け,上記下方屈曲部から,外壁の前方へ排出することができる。
【0021】
また,上記中央水平立設部の左右端部の上面,及び上記前板部の前面に配設された弾性材は,上記留め付けシール金具の上側に配置する外壁板の下辺部に密着している。それ故,上記中央水平立設部に落下した雨水等を,左右の上記弾性材により堰き止め,外壁施工構造の内部への浸入を確実に防ぐことができる。そして,堰き止められた雨水等を,上記下方屈曲部から外壁前方へ積極的に排出することができる。
【0022】
また,上記留め付けシール金具は上記下地材に固定され,下方に配置した上記外壁板は,上辺部を上記留め付けシール金具の下板係止部に係止させ,上方に配置した上記外壁板は,下辺部を上記留め付けシール金具の上記支承部に載置すると共に上記上板係止部に係止させてある。
これにより,上記留め付けシール金具によって,上記外壁板を胴縁等の下地材に,容易かつ確実に留め付けることができる。
【0023】
即ち,上記留め付けシール金具は,雨水等の浸入防止と,外壁板の留め付けとの双方の機能を有する。そのため,上記留め付けシール金具を用いることにより,浸水を防ぐ外壁施工構造を容易かつ安価に施工することができる。
【0024】
また,上記前板部は,上記下方屈曲部の下端から上方へ折り曲げることにより,形成することができる。そのため,上記前板部の加工が容易である。
また,上記前板部は,上記下方屈曲部の下端から上方へ屈曲しているため,上記前板部とその内側の下方屈曲部との間に,特に大きな切込を必要としない。それ故,上記下方屈曲部と前板部との間からの雨水の漏れを防ぐことができる。
【0025】
以上のごとく,本発明によれば,複数の四方合決り構造の外壁板を馬乗り目地状に施工してなる外壁施工構造において,浸水を確実に防止することができる外壁施工構造を提供することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
上記第1の発明(請求項1)において,上記四方合決り構造の外壁板とは,上辺部に上部下実を,下辺部に下部上実を,左辺部に横上実を,右辺部に横下実をそれぞれ有する外壁板である(図11参照)。そして,下側の外壁板の上部下実に,上側の外壁板の下部上実を重ね,左側の外壁板の横下実に右側の外壁板の横上実を重ねて施工する。
また,馬乗り目地状とは,外壁施工構造の上端から下端にかけて上記縦目地が一直線状に連続せず,例えば上記縦目地の左右位置が互い違いとなる状態をいう(図6参照)。
【0027】
また,上記弾性材は,弾力性があり,かつ防水性のあるものである。
また,本明細書においては,「前」とは建築物の外側方向を,「後」とは建築物の内側方向をいう。そして,上記留め付けシール金具等に関しては,下地材に取付けた状態を基準として,「前」,「後」,「上」,「下」,「水平」,「垂直」等の表現を用いる。
【0028】
また,上記前板部は,上記連設部よりも後方に配置されていることが好ましい。これにより,上記外壁板の下部上実を,上記前板部の前面に配設した上記弾性材に密着させると共に,上記連設部にも確実に当接させることができる。そのため,上記留め付けシール金具は,上記外壁板を安定して留め付けることができる。
【0029】
また,上記弾性材は,上記中央水平立設部の上方の基板部にも延設されていることが好ましい(請求項2)。
この場合には,上記弾性材が上記外壁板の裏側面にも密着し,雨水等が上記外壁板の裏側面から外壁施工構造の内部へ浸入することを防ぐことができる。
【0030】
また,上記基板部のうち上記弾性材を配設する弾性材配設面は,上記基板部のうち上記外壁板の裏側面に当接する板当接面よりも,後方に形成されていることが好ましい(請求項3)。
この場合には,上記外壁板の裏側面を,上記弾性材配設面に配設した上記弾性材に密着させると共に,上記基板部の板当接面にも確実に当接させることができる。そのため,上記留め付けシール金具は,上記外壁板を安定して留め付けることができる。
上記弾性材配設面は,上記板当接面よりも例えば1〜2mm後方に配置されている。
【0031】
また,上記弾性材はゴム弾性発現体または発泡体であることが好ましい(請求項4)。これにより,一層確実に雨水の浸入を防ぐ留め付けシール金具を得ることができる。
上記ゴム弾性発現体または発泡体としては,例えば,エチレンゴムやEPDM(エチレン・プロピレンゴム)等からなるゴム発泡体,或いはポリエチレン等の合成樹脂発泡体等がある。
また,上記発泡体は,独立気泡の発泡体であることが好ましい。
【0032】
また,上記基板部は,上記外壁板の裏側面に当接する板当接面よりも後退した凹陥部を有し,該凹陥部には,上記留め付けシール金具を胴縁等の下地材に固定するためのビスを挿通するビス穴が設けてあり,該ビス穴の下側には上記凹陥部から前方下方へ突出した傾斜部が設けてあり,上記ビス穴に挿通した上記ビスをねじ込む際に,該ビスの頭部が上記傾斜部に当接し,上記留め付けシール金具を下方へ押す力が働くよう構成されていることが好ましい(請求項5)。
これにより,上記留め付けシール金具によって,下側の外壁板を下地材に一層確実に固定することができる。
【0033】
また,上記留め付けシール金具は,金属板を折り曲げ加工することにより一体的に形成してあることが好ましい(請求項6)。
これにより,製造容易で安価な留め付けシール金具を得ることができる。
【0034】
次に,上記第2の発明(請求項7)において,上記前板部は,上記連設部よりも後方に配置されており,上記外壁板の下部上実を,上記前板部の前面に配設した上記弾性材に密着させると共に,上記連設部にも当接させることが好ましい。これにより,上記留め付けシール金具によって,上記外壁板を安定して留め付けることができる。
【0035】
また,上記留め付けシール金具は,上記弾性材を,上記中央水平立設部の上方の基板部にも延設してなり,該弾性材は,上記外壁板の裏側面に密着していることが好ましい(請求項8)。
この場合には,上記弾性材が上記外壁板の裏側面にも密着し,雨水等が上記外壁板の裏側面から外壁施工構造の内部へ浸入することを防ぐことができる。
【0036】
また,上記縦目地の上端部には,留め付けストッパー金具が配置されており,該留め付けストッパー金具は,上記外壁板の裏側面に当接する基板部と,該基板部の前方に水平方向に立設された支承部と,該支承部の前端部から斜め上方へ屈曲した上板係止部と,上記支承部の前端部から斜め下方へ屈曲した下板係止部と,上記支承部よりも下方の上記基板部から前方に垂直方向に立設された垂直立設部が設けてあり,
また,上記留め付けストッパー金具は,上記基板部を上記外壁板の裏側面に当接させて,上記下地材に固定されており,
上記留め付けストッパー金具の下方に配置した上記外壁板は,上辺部を上記留め付けストッパー金具の下板係止部に係止させ,上方に配置した上記外壁板は,下辺部を上記留め付けストッパー金具の上記支承部に載置すると共に上記上板係止部に係止させてあり,
かつ,上記垂直立設部には,下側の外壁板の側端面が当接していることが好ましい(請求項9)。
【0037】
この場合には,上記外壁板を一層正確に施工することができる。即ち,上記留め付けストッパー金具における垂直立設部により,上記留め付けストッパー金具の下側の外壁板が左右にずれることを防ぐことができる。
【0038】
【実施例】
(実施例1)
本発明の実施例にかかる留め付けシール金具につき,図1〜図18を用いて説明する。
本例の留め付けシール金具1は,図6〜図8に示すごとく,複数の四方合決り構造の外壁板2を馬乗り目地状に施工してなる外壁施工構造7において,左右に隣り合う上記外壁板2の間に形成される縦目地27の下端部271に配置される。
【0039】
上記四方合決り構造の外壁板2は,図11に示すごとく,上辺部21に上部下実210を,下辺部22に下部上実220を,左辺部23に横上実230を,右辺部24に横下実240をそれぞれ有する。そして,図7に示すごとく,下側の外壁板2の上部下実210に,上側の外壁板2の下部上実220を重ね,左側の外壁板2の横下実240に右側の外壁板2の横上実230を重ねて施工する。
また,馬乗り目地状とは,外壁施工構造7の上端から下端にかけて上記縦目地27が一直線状に連続せず,例えば図6に示すごとく,上記縦目地27の左右位置が互い違いとなる状態をいう。
【0040】
また,図11に示すごとく,上記外壁板2の上部下実210及び横下実240には,コーキング材29を打設してある。このコーキング材29の上から,他の外壁板2の下部上実220そして横上実230が重なり,上記コーキング材29を押圧する。
【0041】
上記留め付けシール金具1は,図1〜図5に示すごとく,下記の基板部11,中央水平立設部12,下方屈曲部121,前板部123,支承部13,上板係止部131,下板係止部132,及び連設部133を有する。
上記基板部11は,図12〜図16に示すごとく,胴縁等の下地材3に固定されると共に上記外壁板2の裏側面26に当接する部分である。そして,図1〜図5に示すごとく,該基板部11から前方へ水平方向に,上記中央水平立設部12が立設されている。また,該中央水平立設部12の前端から下方へ,上記下方屈曲部121が屈曲形成されている。該下方屈曲部121における左右端部の下端から上方へ向かって,上記前板部123が屈曲形成されている。該前板部123の上端122は,上記水平立設部12よりも上方に位置する。
【0042】
上記中央水平立設部12の左右においては,上記基板部11から前方へ水平方向に上記支承部13が立設されている。また,上記上板係止部131は,上記支承部13の前端から上方へ屈曲形成され,上記下板係止部132は,上記支承部13の前端から下方へ屈曲形成されている。
【0043】
また,上記連設部133は,上記上板係止部131の先端から上記下板係止部132の先端にかけて垂直方向に連設されている。
そして,上記中央水平立設部12の左右端部の上面,及び上記前板部123の前面には,弾性材14が配設されている。また,上記中央水平立設部12の上面の弾性材14と上記前板部123の前面の弾性材14とは,上記前板部123の上端122において連結し,一体となっている。
左右の弾性材14の間には,約20mmの間隔が設けてある。
【0044】
図1〜図5に示すごとく,上記基板部11は,その上端部において斜め後方に屈曲した上方斜面部112と,該斜面部112から上記基板部11と略平行となるよう屈曲形成された上方脚部111とを有する。また,上記基板部11は,その下端部において略90°後方に屈曲形成された下方脚部119を有する。図12〜図14に示すごとく,上記上方脚部111の後面及び上記下方脚部119の後端部は下地材3に当接される。
【0045】
これにより,上記基板部11のうち上記外壁板2の裏側面26に当接する板当接面118は,上記下地材3から約5mm前方に配置される。
なお,上記上方斜面部112には,釘穴18が3箇所に形成されており,該釘穴18に釘を通して上記留め付けシール金具1を下地材3に釘打ち固定することもできる。
【0046】
また,図1,図3,図5に示すごとく,上記留め付けシール金具1における上記前板部123は,上記連設部133よりも約0.8mm程度後方に配置されている。
また,上記弾性材14は,上記中央水平立設部12の上方の基板部11にも延設されている。また,上記基板部11のうち上記弾性材14を配設する弾性材配設面117は,上記板当接面118よりも約1.5mm程度後方に形成されている。
【0047】
また,上記弾性材14は,弾力性があり,かつ防水性のあるものである。
具体的には,上記弾性材14はゴム弾性発現体または発泡体である。上記ゴム弾性発現体または発泡体としては,例えば,エチレンゴムやEPDM(エチレン・プロピレンゴム)等からなるゴム発泡体,或いはポリエチレン等の合成樹脂発泡体等がある。また,上記発泡体は,独立気泡の発泡体であることが好ましい。
【0048】
また,図1,図4(B),(C),図5に示すごとく,上記基板部11は,上記板当接面118よりも後退した凹陥部113を有する。該凹陥部113には,上記留め付けシール金具1を下地材3に固定するためのビス4を挿通するビス穴114が,3箇所に設けてある。該ビス穴114の下側には上記凹陥部113から前方下方へ突出した傾斜部115が設けてある。これにより,図17(A),(B)に示すごとく,上記ビス穴114に挿通した上記ビス4を,矢印Xの方向へねじ込む際に,該ビス4の頭部41が上記傾斜部115に当接し,上記留め付けシール金具1を下方(矢印Y)へ押す力が働くよう構成されている。
【0049】
また,上記留め付けシール金具1は,厚み約0.8mmのステンレス鋼板を折り曲げ加工することにより一体的に形成してある。そして,上記支承部12は,2枚のステンレス鋼板が重ね合わされるように構成されており,部分的にスポット溶接されることで補強される。
【0050】
また,図1,図2に示すごとく,上記支承部13の上下における基板部11の左右端部には,1mm程度後方に後退した補強用のリブ116が形成されている。また,上記上方脚部111と上方斜面部112との間にも,補強用のリブ11aが形成されている。また,図2に示すごとく,上記中央水平立設部12の基端部の両側には,折曲げ用の切込127が形成されている。また,左右の上記前板部123の下端とその内側の上記下方屈曲部121との間には,折り曲げ用の切込128が形成されている。
【0051】
次に,上記留め付けシール金具1を用いた本例の外壁施工構造7につき,図6〜図18を用いて説明する。
上記外壁施工構造7は,図6〜図8に示すごとく,複数の四方合決り構造の外壁板2を馬乗り目地状に施工すると共に,左右に隣り合う上記外壁板2の間に形成される縦目地27の下端部271に,上記留め付けシール金具1を配置してなる。
【0052】
図8,図12〜図16に示すごとく,上記留め付けシール金具1は,上記基板部11を上記外壁板2の裏側面26に当接させて,胴縁等の下地材3に固定されている。
図8,図12に示すごとく,上記留め付けシール金具1の下方に配置した上記外壁板2は,上辺部21を上記留め付けシール金具1の下板係止部132に係止させている。また,上方に配置した上記外壁板2は,下辺部22を上記留め付けシール金具1の上記支承部13に載置すると共に上記上板係止部131に係止させてある。
【0053】
また,図8,図13,図14に示すごとく,上記留め付けシール金具1の上記弾性材14は,上方の上記外壁板2の下辺部22に密着している。また,上記弾性材14は,留め付けシール金具1の中央水平立設部12の上面,下方屈曲部121の上面,前板部123の後面,前面,及び上端122に密着している。
そして,図8,図16,図18に示すごとく,上記縦目地27の下端部271は,上記留め付けシール金具1における上記左右の弾性材14の間に配置されている。
【0054】
図18は,図16のJ−J線矢視断面相当の外壁施工構造7の断面図である。また,図18における二点鎖線は各外壁板2の前方部分(意匠面)の輪郭を表す。そして,符号a2〜c2を付した二点鎖線で輪郭を示した外壁板2の前方部分は,それぞれ符号a1〜c1を付した実線で輪郭を示した外壁板2の後方部分と一体的になっている。また,符号2a,2b,2cは,基準となる留め付けシール金具1の,それぞれ下方,左上方,右上方に配置される外壁板を表す。即ち,外壁板2a〜2cは,それぞれ,後方部分の輪郭a1〜c1と前方部分の輪郭a2〜c2とを有する外壁板である。
【0055】
また,図8,図13,図14に示すごとく,上記留め付けシール金具1は,上記弾性材14を,上記中央水平立設部12の上方の基板部11にも延設してなり,該弾性材14は,上記外壁板2の裏側面26に密着している。
【0056】
図6,図7,図10に示すごとく,上記縦目地27の上端部272には,留め付けストッパー金具5が配置されている。図9に示すごとく,該留め付けストッパー金具5は,上記外壁板2の裏側面26に当接する基板部51と,該基板部51の前方に水平方向に立設された支承部52と,該支承部52の前端部から斜め上方へ屈曲した上板係止部53と,上記支承部52の前端部から斜め下方へ屈曲した下板係止部54と,上記支承部52よりも下方の上記基板部51から前方に垂直方向に立設された垂直立設部55とを有する。
【0057】
また,上記留め付けストッパー金具5は,上記留め付けシール金具1と同様に,上方斜面部512,上方脚部511,下方脚部519を有し,上記基板部11の板当接部118を下地材3から約5mm前方に配置できるよう構成されている。
【0058】
また,図10に示すごとく,上記留め付けストッパー金具5は,上記基板部51を上記外壁板2の裏側面26に当接させて,上記下地材3に固定されている。
図7,図10に示すごとく,上記留め付けストッパー金具5の下方に配置した上記外壁板2は,上辺部21を上記留め付けストッパー金具5の下板係止部54に係止させている。また,上方に配置した上記外壁板2は,下辺部22を上記留め付けストッパー金具5の上記支承部52に載置すると共に上記上板係止部53に係止させてある。
図10に示すごとく,上記垂直立設部55には,下側の外壁板2の右辺部24が当接している。
【0059】
次に,本例の作用効果につき説明する。
上記留め付けシール金具1は,図1に示すごとく,上記中央水平立設部12と下方屈曲部121とを有し,上記中央水平立設部12の左右端部の上面には弾性材14を配設してなる。そして,図7,図8,図18に示すごとく,上記外壁施工構造7においては,上記縦目地27の下端部271が,上記留め付けシール金具1における上記左右の弾性材14の間に配置されている。
そのため,図18に示すごとく,上記縦目地27を伝って落下してくる雨水6を上記左右の弾性材14の間における上記中央水平立設部12によって受け,上記下方屈曲部121から,外壁の前方へ排出することができる。
【0060】
また,上記中央水平立設部12の左右端部の上面,及び上記前板部123の前面に配設された弾性材14は,図8,図13,図14に示すごとく,上記留め付けシール金具1の上側に配置する外壁板2の下辺部22に密着している。それ故,図18に示すごとく,上記中央水平立設部2に落下した雨水6を,左右の上記弾性材14により堰き止め,外壁施工構造1の内部への浸入を確実に防ぐことができる。そして,堰き止められた雨水6を,上記下方屈曲部121から外壁前方へ積極的に排出することができる。
【0061】
また,図8,図12に示すごとく,上記留め付けシール金具1は上記下地材3に固定され,下方に配置した上記外壁板2は,上辺部21を上記留め付けシール金具1の下板係止部132に係止させている。そして,上方に配置した上記外壁板2は,下辺部22を上記留め付けシール金具1の上記支承部13に載置すると共に上記上板係止部131に係止させてある。
これにより,上記留め付けシール金具1によって,上記外壁板2を胴縁等の下地材3に,容易かつ確実に留め付けることができる。
【0062】
即ち,上記留め付けシール金具1は,雨水6の浸入防止と,外壁板2の留め付けとの双方の機能を有する。そのため,上記留め付けシール金具1を用いることにより,浸水を防ぐ外壁施工構造を容易かつ安価に施工することができる。
【0063】
また,上記前板部123は,上記下方屈曲部121の下端から上方へ折り曲げることにより,形成することができる。そのため,上記前板部123の加工が容易である。
また,上記前板部123は,上記下方屈曲部121の下端から上方へ屈曲しているため,上記前板部123とその内側の下方屈曲部121との間に,特に大きな切込を必要としない。即ち,上記切込128は小さくすることができる(図2,図3)。それ故,上記下方屈曲部121と前板部123との間からの雨水6の漏れを防ぐことができる。
【0064】
また,図1に示すごとく,上記留め付けシール金具1の前板部123は,上記連設部133よりも後方に配置されている。これにより,上記外壁板2の下辺部22を,図13に示すごとく,上記前板部123の前面に配設した上記弾性材14に密着させると共に,図12に示すごとく,上記連設部133にも確実に当接させることができる。そのため,上記留め付けシール金具1は,上記外壁板2を安定して留め付けることができる。
【0065】
また,上記弾性材14は,上記中央水平立設部12の上方の基板部11にも延設されている。そのため,上記弾性材14が上記外壁板2の裏側面26にも密着し,雨水6が上記外壁板2の裏側面26から外壁施工構造7の内部へ浸入することを防ぐことができる。
【0066】
また,図13〜図16に示すごとく,上記基板部11における上記弾性材配設面117は,上記板当接面118よりも後方に形成されている。これにより,上記外壁板2の裏側面26を,上記弾性材配設面117に配設した上記弾性材14に密着させると共に,上記基板部11の板当接面118にも確実に当接させることができる。そのため,上記留め付けシール金具1は,上記外壁板2を安定して留め付けることができる。
【0067】
また,上記弾性材14はゴム弾性発現体または発泡体であるため,一層確実に雨水6の浸入を防ぐことができる。
また,上記留め付けシール金具1は,ステンレス鋼板を折り曲げ加工することにより一体的に形成してなるため,製造容易であり,また安価である。
【0068】
また,上記基板部11における上記凹陥部113に設けたビス穴114の下側には,上記傾斜部115が設けてある。そして,図17に示すごとく,上記ビス穴114に挿通した上記ビス4をねじ込む際に,該ビス4の頭部41が上記傾斜部115に当接し,上記留め付けシール金具1を下方へ押す力が働くよう構成されている。
【0069】
即ち,上記留め付けシール金具1を下地材3に固定するに当っては,図17に示すごとく,ビス穴114にビス4を挿通し,上記下地材3にねじ込む。
このビス4のねじ込みの最終段階において,図17(A)に示すごとく,上記ビス4の頭部41が上記傾斜部113に当接する。この状態から更に上記ビス4を,矢印Xが示す水平方向へねじ込むことにより,上記留め付けシール金具1を下方へ押す力(矢印Y)が作用する。これにより,図17(B)に示すごとく,上記留め付けシール金具1の下板係止部122が下側の外壁板2の上辺部21を押圧する。
このように,上記留め付けシール金具1によって,下側の外壁板2を下地材3に一層確実に固定することができる。
【0070】
以上のごとく,本例によれば,複数の四方合決り構造の外壁板を馬乗り目地状に施工してなる外壁施工構造において,浸水を確実に防止することができる留め付けシール金具及び外壁施工構造を提供することができる。
【0071】
(実施例2)
本例は,図19に示すごとく,中央水平立設部12の全幅にわたって,その上方の基板部11に弾性材14を配設した留め付けシール金具10の例である。
該留め付けシール金具10を用いた場合には,その上側に配設する外壁板の裏側面に,上記弾性材14が密着する。
その他は,実施例1と同様である。
【0072】
本例によれば,上記水平立設部12に達した雨水6が外壁板2の裏側へ浸入することを一層確実に防ぐことができる。
その他は,実施例1と同様の作用効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における,留め付けシール金具の斜視図。
【図2】実施例1における,留め付けシール金具の正面図。
【図3】実施例1における,留め付けシール金具の底面図。
【図4】(A)図2のA−A線矢視断面図,(B)図2のB−B線矢視断面図,(C)図2のC−C線矢視断面図。
【図5】図2のD−D線矢視断面図。
【図6】実施例1における,外壁施工構造の正面図。
【図7】実施例1における,外壁施工構造の一部の正面図。
【図8】実施例1における,外壁施工構造の斜視図。
【図9】実施例1における,留め付けストッパー金具の斜視図。
【図10】実施例1における,留め付けストッパー金具により左下の外壁板を留め付けた状態を示す外壁施工構造の斜視図。
【図11】実施例1における,外壁板の斜視図。
【図12】図8のF−F線矢視断面図。
【図13】図8のG−G線矢視断面図。
【図14】図8のH−H線矢視断面図。
【図15】図8のE−E線矢視断面相当において,上側の外壁板を取り去った状態を示す外壁施工構造の断面説明図。
【図16】図8のE−E線矢視断面図。
【図17】実施例1における,留め付けシール金具に設けた傾斜部の機能の説明図であって,(A)ビスのねじ込み完了直前の状態を表す説明図,(B)ビスのねじ込み完了後の状態を表す説明図。
【図18】実施例1における,図16のJ−J線矢視断面相当の,雨水の流れの説明図。
【図19】実施例2における,留め付けシール金具の斜視図。
【図20】従来例における,外壁施工構造の正面図。
【図21】従来例における,外壁施工構造の一部の正面図。
【図22】従来例における,外壁施工構造の斜視図。
【図23】従来例における,留め付け金具の斜視図。
【図24】従来例における,留め付け金具の周辺の雨水の流れを説明する斜視説明図。
【符号の説明】
1,10...留め付けシール金具,
11...基板部,
12...中央水平立設部,
121...下方屈曲部,
123...前板部,
13...支承部,
131...上板係止部,
132...下板係止部,
133...連設部,
14...弾性材,
2...外壁板,
21...上辺部,
22...下辺部,
27...縦目地,
3...下地材,
5...留め付けストッパー金具,
6...雨水,
7...外壁施工構造,
Claims (9)
- 複数の四方合決り構造の外壁板を馬乗り目地状に施工してなる外壁施工構造において,左右に隣り合う上記外壁板の間に形成される縦目地の下端部に配置される留め付けシール金具であって,
該留め付けシール金具は,胴縁等の下地材に固定されると共に上記外壁板の裏側面に当接する基板部と,該基板部から前方へ水平方向に立設された中央水平立設部と,該中央水平立設部の前端から下方へ屈曲した下方屈曲部と,該下方屈曲部における左右端部の下端から上方へ屈曲した前板部と,上記中央水平立設部の左右において上記基板部から前方へ水平方向に立設された支承部と,該支承部の前端から上方へ屈曲した上板係止部と,上記支承部の前端から下方へ屈曲した下板係止部と,上記上板係止部の先端から上記下板係止部の先端にかけて垂直方向に連設された連設部とを有し,
かつ,上記中央水平立設部の左右端部の上面,及び上記前板部の前面には,弾性材が配設されていることを特徴とする留め付けシール金具。 - 請求項1において,上記弾性材は,上記中央水平立設部の上方の基板部にも延設されていることを特徴とする留め付けシール金具。
- 請求項2において,上記基板部のうち上記弾性材を配設する弾性材配設面は,上記基板部のうち上記外壁板の裏側面に当接する板当接面よりも,後方に形成されていることを特徴とする留め付けシール金具。
- 請求項1〜3のいずれか一項において,上記弾性材はゴム弾性発現体または発泡体であることを特徴とする留め付けシール金具。
- 請求項1〜4のいずれか一項において,上記基板部は,上記外壁板の裏側面に当接する板当接面よりも後退した凹陥部を有し,該凹陥部には,上記留め付けシール金具を胴縁等の下地材に固定するためのビスを挿通するビス穴が設けてあり,該ビス穴の下側には上記凹陥部から前方下方へ突出した傾斜部が設けてあり,上記ビス穴に挿通した上記ビスをねじ込む際に,該ビスの頭部が上記傾斜部に当接し,上記留め付けシール金具を下方へ押す力が働くよう構成されていることを特徴とする留め付けシール金具。
- 請求項1〜5のいずれか一項において,上記留め付けシール金具は,金属板を折り曲げ加工することにより一体的に形成してあることを特徴とする留め付けシール金具。
- 複数の四方合決り構造の外壁板を馬乗り目地状に施工すると共に,左右に隣り合う上記外壁板の間に形成される縦目地の下端部に,留め付けシール金具を配置してなる外壁施工構造であって,
上記留め付けシール金具は,上記外壁板の裏側面に当接する基板部と,該基板部から前方へ水平方向に立設された中央水平立設部と,該中央水平立設部の前端から下方へ屈曲した下方屈曲部と,該下方屈曲部における左右端部の下端から上方へ屈曲した前板部と,上記中央水平立設部の左右において上記基板部から前方へ水平方向に立設された支承部と,該支承部の前端から上方へ屈曲した上板係止部と,上記支承部の前端から下方へ屈曲した下板係止部と,上記上板係止部の先端から上記下板係止部の先端にかけて垂直方向に連設された連設部とを有し,更に,上記中央水平立設部の左右端部の上面,及び上記前板部の前面には,弾性材が配設されており,
また,上記留め付けシール金具は,上記基板部を上記外壁板の裏側面に当接させて,胴縁等の下地材に固定されており,
上記留め付けシール金具の下方に配置した上記外壁板は,上辺部を上記留め付けシール金具の下板係止部に係止させ,上方に配置した上記外壁板は,下辺部を上記留め付けシール金具の上記支承部に載置すると共に上記上板係止部に係止させてあり,
また,上記留め付けシール金具の上記弾性材は,上方の上記外壁板の下辺部に密着しており,
かつ,上記縦目地の下端部は,上記留め付けシール金具における上記左右の弾性材の間に配置されていることを特徴とする外壁施工構造。 - 請求項7において,上記留め付けシール金具は,上記弾性材を,上記中央水平立設部の上方の基板部にも延設してなり,該弾性材は,上記外壁板の裏側面に密着していることを特徴とする外壁施工構造。
- 請求項7又は8において,上記縦目地の上端部には,留め付けストッパー金具が配置されており,該留め付けストッパー金具は,上記外壁板の裏側面に当接する基板部と,該基板部の前方に水平方向に立設された支承部と,該支承部の前端部から斜め上方へ屈曲した上板係止部と,上記支承部の前端部から斜め下方へ屈曲した下板係止部と,上記支承部よりも下方の上記基板部から前方に垂直方向に立設された垂直立設部とを有し,
また,上記留め付けストッパー金具は,上記基板部を上記外壁板の裏側面に当接させて,上記下地材に固定されており,
上記留め付けストッパー金具の下方に配置した上記外壁板は,上辺部を上記留め付けストッパー金具の下板係止部に係止させ,上方に配置した上記外壁板は,下辺部を上記留め付けストッパー金具の上記支承部に載置すると共に上記上板係止部に係止させてあり,
かつ,上記垂直立設部には,下側の外壁板の側端面が当接していることを特徴とする外壁施工構造。
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