JP3543396B2 - 薬液担持性の造粒物 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、薬液担持性の造粒物、特に炭酸水素ナトリウムを主成分とする薬液担持性の造粒物に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的には、造粒の目的は、粒子の大型化、精密に混合された粉体の偏析防止、流動特性の改善、発塵防止、大比表面積の形成、圧縮成形特性の改善、他成分の含浸、外観の改善などであり、各々の目的は単独のときもあるが複合している場合もある。
【0003】
一方、炭酸水素ナトリウムは、洗浄剤および入浴剤などに配合あるいは加工する際には、目的に応じて造粒物として使用することが多い。従来の炭酸水素ナトリウムの造粒物では、比較的空隙率の高い、バインダーを使用した湿式押し出し造粒の場合でも、薬液の担持量は10〜15重量%程度に留まり、単に炭酸水素ナトリウムの造粒物ではこれ以上の薬液の担持が困難である。さらに、担持した薬剤は炭酸水素ナトリウムの粒子間にのみ保持されているので、例えば薬液担持後に圧縮成形すると薬液が成形物外に排出されてしまうという問題もあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、炭酸水素ナトリウムのようにそれ自体が多孔質でない粒子の造粒物において、従来のように単にバインダーを使用して微粉末を造粒した造粒物よりも、薬液の担持量をさらに増大させることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、無機塩粒子50〜99重量%および多孔質シリカ1〜50重量%の混合物からなる造粒物を提供するものである。
【0006】
多孔質シリカは、単位重量あたりの薬液の担持量が多いので少量の添加で造粒物の薬液担持量を増大する効果が大きく、化学的活性が小さく、価格も安価であるので無機塩に添加するのに好適である。造粒物中の多孔質シリカの含有量は、1〜50重量%であることが必要である。多孔質シリカの含有量が1重量%に満たない場合は、造粒物の薬液担持量が不足するので不適当である。多孔質シリカの含有量が50重量%を超える場合は、本来必要な成分である無機塩粒子の配合量が少なくなるので不適当である。多孔質シリカのより好ましい配合量は造粒物の1〜30重量%であり、さらに好ましい多孔質シリカの配合量は造粒物の3〜10重量%である。
【0007】
多孔質シリカは、その細孔中に薬液を保持することができる。多孔質シリカの細孔容積は0.5〜3ml/gの範囲にあることが好ましい。細孔容積が0.5ml/gに満たない場合は、薬液の担持量が不十分になるおそれがあるので好ましくない。細孔容積が3ml/gを超える場合は、本発明の目的からして特に不都合はないが、そのような細孔容積の多孔質シリカは適当な価格で安定して入手することが困難である。
【0008】
多孔質シリカとしては、粒子内に薬液を保持することができるものであれば特に限定されないが、シリカゲルの微粒子が好ましい。また多孔質シリカの平均粒子径は、1〜100μm程度が好ましい。
【0009】
無機塩としては、アルカリ金属塩が好ましい。具体的には、炭酸水素ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどが挙げられる。無機塩の平均粒子径は、10〜200μmが好ましい。平均粒子径が10μmに満たない場合は、粒子を気流粉砕などの製造費用の高い方法で得る必要があるので好ましくない。平均粒子径が200μmを超える場合は、特に湿式造粒において造粒物の乾燥前の形状の維持が困難になるので好ましくない。造粒物において、無機塩粒子の配合量は50〜99重量%である。無機塩粒子のより好ましい配合量は造粒物の70〜99重量%であり、さらに好ましい無機塩粒子の配合量は造粒物の90〜97重量%である。
【0010】
無機塩が炭酸水素ナトリウムである場合、炭酸水素ナトリウム自身が多孔質でないために、炭酸水素ナトリウムにバインダーのみを加えて造粒した場合、薬液は造粒時に形成された炭酸水素ナトリウム粒子間の空隙に存在することとなる。炭酸水素ナトリウムに多孔質シリカを混合した後に造粒すると、造粒時に形成された空隙に加えて多孔質シリカ内の細孔による薬液の担持が可能であり、造粒物としては大幅に薬液の担持量が増加できる。
【0011】
本発明の造粒物は、無機塩粒子および多孔質シリカを混合し、種々の方法で造粒することにより得られる。造粒方法としては、圧縮成形など乾式造粒法、押し出し造粒、転動造粒などの湿式造粒法のいずれの方法も採用可能である。造粒の際には、バインダーを配合することもできる。この方法を、従来の造粒品製造プロセスに導入する場合には、単に多孔質シリカの粉体を主要原料に混合するのみでよく、従来から実施されている造粒工程を本質的に変更することなく効率良く容易に実施できる。
【0012】
本発明において、薬液とは種々の機能を有する液体であり、溶液も含む。水系、非水系いずれも使用できる。薬液としては、洗剤、香料、入浴剤、調味料、肥料、医薬、農薬など特に限定されない。薬液は、造粒物にスプレーなどの方法で容易に担持させることができる。また、多孔質シリカに造粒前に薬液を担持させておいて、これを造粒する方法も採用できる。
【0013】
【作用】
従来の造粒物においては、それ自体が多孔質でない物質の造粒物に薬液を担持した場合、薬液は造粒時に形成された空隙にのみ存在する。本発明においては、造粒時に形成された空隙に加えて多孔質シリカ内の細孔による薬液の担持が可能であり、造粒物としては大幅に薬液の担持量が増加できる。また、圧縮成形のような造粒方法においては、押し出し造粒などの湿式造粒法に比較して粒子間の空隙がわずかでありその部分の薬液保持量は少ないが、多孔質シリカを混合して造粒した場合、多孔質シリカの細孔により担持される薬液は湿式造粒法などと同様の担持量であり、全体の保持薬液量の増大を実現することができる。
【0014】
【実施例】
実施例
平均粒子径45μmの食品添加物用炭酸水素ナトリウムを9.5kg、平均粒子径12μmの微小真球状の多孔質シリカを0.5kg秤量した。二軸混練機を使用し、前記炭酸水素ナトリウムとシリカを混合しながら、水を2kg添加した。引き続き混合しながら、カルボキシメチルセルロースナトリウムの2重量%水溶液を1.5kg添加した。混合後の湿潤粉体を、二軸横押出式の造粒機にて1mm径のスクリーンを使用し湿式造粒した。造粒物は60℃の炭酸ガス雰囲気中で5時間静置乾燥後に、1400μmと355μmのJIS標準篩いを使用し篩い分け両篩い間に残った造粒物を完成品とし評価した。
【0015】
薬液の担持量を評価するために完成した造粒物を1g秤量し、ここに水を滴下し、造粒物中に水が担持されなくなる量を測定した。本実施例では0.41mlであった。
【0016】
比較例
実施例において、炭酸水素ナトリウム9.5kgおよび微小真球状の多孔質シリカ0.5kgに代えて、炭酸水素ナトリウムを10kgを用いた以外は実施例と同様にして造粒物を製造し評価した。
【0017】
実施例と同様に、完成した造粒物を1g秤量し、ここに水を滴下し、造粒物中に水が担持されなくなる量を測定した。本実施例では0.22mlであった。
【0018】
【発明の効果】
本発明により、炭酸水素ナトリウムのようにそれ自体が多孔質でない物質の造粒物において、薬液の担持量を、単にバインダーを使用して造粒した場合に比べ増量させることができる。多孔質シリカは、自重の数倍の薬液を担持することができるので、多孔質シリカを1重量%添加した造粒物は、薬液担持量が数重量%増大する。たとえば、炭酸水素ナトリウムの造粒品が10〜15重量%程度しか薬液を担持できないの対し、造粒時に多孔質のシリカを5重量%程度配合することによって20重量%以上の薬液を担持できるようになる。
【0019】
本発明の造粒物は、従来の造粒品製造プロセスに多孔質シリカの粉体を主要原料に混合するだけで製造することができ、従来の造粒工程を、本質的に変更することなく効率良く容易に製造することができる。
Claims (3)
- 無機塩粒子50〜99重量%および多孔質シリカ1〜50重量%の混合物からなる造粒物。
- 多孔質シリカの細孔容積が0.5〜3ml/gである請求項1に記載の造粒物。
- 無機塩粒子が炭酸水素ナトリウムである請求項1または2に記載の造粒物。
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