JP3722548B2 - カーボンブラックを含む造粒体の製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、カーボンブラックを含む造粒物の製造方法を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、窒化アルミニウム粉末を製造する場合等において、疎水性粉体を造粒することが行われている。
【0003】
即ち、窒化アルミニウム粉末は、焼結体が一般に高熱伝導性、高絶縁性、高耐食性、高強度等の優れた工業的特性を有するため、例えば高密度実装用基盤、高出力素子のヒートシンク、高出力HIC基盤などの各種工業材料のセラミックス原料として注目されている。しかして、こうした窒化アルミニウム粉末の効率的な製造方法の一つとして、アルミナとカーボンブラックの混合粉体を窒素ガス含有雰囲気下に高温度で焼成し、アルミナを還元窒化する方法が知られている。そうして、この方法において、反応を均一或いは効率的に行うために、焼成するアルミナとカーボンブラックとを、予め造粒して造粒体として供給する方法が、特開昭62−207703号公報や特開平7−81912号公報等において開示されている。
【0004】
ここで、粉体を造粒する方法としては、一般に、転動造粒、押し出し造粒、圧縮成形による造粒、噴霧造粒等が知られている。このうち特に、転動造粒は、運転操作が迅速、簡便であり、得られる造粒体の粒径が比較的揃っており、比較的兼価に大量に造粒体を生産できるため有利である。また、噴霧造粒は、細粒が得やすく、操作が工程の簡素化・連続化・品質の管理などに適しているので有利である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この転動造粒や噴霧造粒では、バインダーとして通常、水を用いる。しかして、上記カーボンブラックは、疎水性が強い粉体であるため、かかる転動造粒や噴霧造粒を、前記アルミナとカーボンブラックとの造粒に適用した場合、造粒が良好に行えない問題があった。即ち、転動造粒の場合、カーボンブラックと水がなじまず、水の存在状態が不均一となり、水過多の箇所では大きな造粒体ができ、他方、水が不足した箇所では粉体に近い状態のままで、得られる造粒体の粒度分布が非常に広くなる問題が生じていた。こうした問題の解決手段としては、バインダーとして、カーボンブラックとなじみの良い有機溶媒を用いることも考えられるが、その場合、造粒に使用する設備や周辺機器を防爆構造にする必要が生じ、機器類が高価になってくる。
【0006】
一方、噴霧造粒の場合、水を溶媒として噴霧造粒用のスラリーを作製する際、カーボンブラックが良好に分散せず、アルミナとカーボンブラックの分離が起こり、造粒が行えなかった。
【0007】
こうしたことから、転動造粒・噴霧造粒は、効率的な造粒方法でありながら、上記アルミナとカーボンブラックとの造粒等、疎水性粉体を造粒する際には実用的なレベルで適用することができず、そのため前記刊行物における各実施例でも、この造粒は、高分子系バインダーの存在下に溶融押し出しする押し出し造粒が具体的に採用されているのが実状である。
【0008】
以上の背景にあって、本発明は、かかるカーボンブラックを含む粉体を、狭い良好な粒度分布で効率的に転動造粒、或いは噴霧造粒する方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の課題に鑑み鋭意研究を重ねてきた。その結果、造粒する際に界面活性剤を存在させることにより、上記の課題が解決できることを見いだし本発明を完成するに至った。
【0010】
即ち、本発明は、カーボンブラックを含む粉体を、水及びHLBが12.0〜20.0の界面活性剤の存在下で、転動造粒または噴霧造粒することを特徴とするカーボンブラックを含む造粒体の製造方法である。
【0011】
本発明の造粒方法は、カーボンブラック、或いは該カーボンブラックを原料粉体の一部として含む粉体に対して何等制限なく適用される。上記カーボンブラックは、平均粒子径が5μm以下、好適には1μm以下のものを用いるのが好適である。
【0012】
カーボンブラックとしては、ファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック等の公知のものが何等制限なく使用できる。その純度は、灰分1.0重量%以下、好ましくは0.5重量%以下のものを用いるのが好適である。また、その比表面積は、窒素吸着法で20〜200m2/g、好ましくは70〜150m2/gが好適である。さらに、DBP吸油量が、50〜150ml/100g、好ましくは、80〜130ml/100gのものが好適である。
【0013】
これらのカーボンブラックを、他の粉体と混合して用いる場合、該他の粉体としては、水に不溶性のものであれば特に制限されるものではなく、得られる造粒体の目的等を勘案して適宜採択すれば良い。例えば、窒化アルミニウム粉末を製造する時にはアルミナと混合して用いられ、窒化珪素を製造する時にはシリカと混合して用いられる。
【0014】
特に、本発明の造粒方法は、上記アルミナとカーボンブラックとを混合して造粒し、アルミナ還元窒化法により窒化アルミニウム粉末を製造する際の原料を製造する場合に、適用するのが最も好適である。ここで、アルミナは、αアルミナ、γアルミナ等の公知のものが何等制限なく使用できる。通常、αアルミナが使用される。また、その純度は99.0重量%以上、好ましくは99.5重量%以上で、平均粒子径5μm以下、好ましくは3μm以下のものが好適である。さらに、その比表面積は、窒素吸着法で1〜30m2/g、好ましくは5〜15m2/gのものが好適である。
【0015】
本発明において、カーボンブラックを他の粉体と混合して造粒する際、原料混合粉体中に含まれるカーボンブラックは、造粒が可能な限り如何なる配合比で配合されても良い。好適には他の粉体100重量部に対し、カーボンブラックを35.0〜150重量部、さらに好ましくは40〜70重量部配合させるのが良い。その場合、予め実施するカーボンブラックと他の粉体の混合方法としては、これらを均一に混合することが可能な任意の方法であれば特に限定されない。例えば、湿式のボールミル混合、乾式のボールミル混合、ミキサー式混合などが挙げられる。
【0016】
本発明では、上記カーボンブラックを含む粉体を、水をバインダーとして転動造粒または噴霧造粒する。そうして、本発明は、かかる造粒に際し、媒介にHLBが12.0〜20.0の界面活性剤を存在させる点に最大の特徴を有する。それにより、上記水は、カーボンブラックと均一に混合され、その結果、造粒される造粒体は、良好な粒度のものとなる。
【0017】
本発明において用いられる界面活性剤は、HLBが12.0〜20.0であり、水溶性で、且つ疎水性粉体の表面となじむことが可能な公知のものが何等制限なく使用される。こうした界面活性剤としては、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤のいずれであっても良い。具体的には、例えば陰イオン界面活性剤では、脂肪酸塩、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、リン酸エステル塩などがあげられ、陽イオン界面活性剤では、第4級アンモニウム塩などがあげられ、両性界面活性剤では、アルキルベタイン、アルキルアミドベタインなどがあげられ、非イオン界面活性剤では、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンスチレン化フェノールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミノエーテル、ポリエチレングルコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリプロピレングリコール、グリセリン脂肪酸エステル、ペンタエリストール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキソエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミドなどが挙げられ、こうした中から上記HLBを有するものを選定して用いればよい。このうち非イオン界面活性剤、特にポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキソエチレンソルビタン脂肪酸エステルを用いるのが好ましい。
【0018】
本発明において界面活性剤は、特に制限されるものではないが、粒度分布の良好さの効果を勘案すると、水100重量部に対し、0.01〜25.0重量部、好ましくは0.1〜5.0重量部配合させるのが好適である。
【0019】
なお、本発明では、造粒性を向上させるため、さらに、水溶性高分子系バインダーを配合させても良い。こうした水溶性高分子系バインダーとしては、例えばポリビニールアルコール、アルギン酸塩、砂糖、セルローズエーテル、デキストリン、でんぷん、糖密、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。こうした水溶性高分子系バインダーは、使用する水100重量部に対し、0〜15重量部、好ましくは0〜5重量部配合させるのが好適である。
【0020】
次に、本発明において、転動造粒及び噴霧造粒は、公知の運転条件を何等制限なく採用して実施できる。
【0021】
転動造粒の場合、造粒機の形式としては、皿型の転動式造粒機、ドラム型の転動造粒機等の公知のものが適宜使用できる。造粒は、得られる造粒体の平均粒子径が0.1〜20mmとなるように実施するのが好ましい。水は、運転条件や対象とする原料粉体の種類により異なり、これらの条件を勘案して適宜設定すれば良い。アルミナとカーボンブラックとを造粒する場合、一般には、該原料混合粉体100重量部に対し10〜100重量部が好適である。特に、アルミナとカーボンブラックの混合粉体中に含まれるカーボンブラックの重量分率とそのカーボンブラックのDBP吸油量の値(ml/100g)の積の0.8〜2倍になる値の重量部、好ましくは該値の0.8〜1.5倍になる値の重量部の範囲で配合させるのが良好である。
【0022】
転動造粒機への前記各成分の供給は、如何なる方法により行っても良いが、通常は、各々の成分を水に分散或いは溶解させた後に、この液を造粒機の皿、もしくは、ドラムに供給して実施するのが一般的である。アルミナとカーボンブラックとを造粒する場合、該混合粉体、及び界面活性剤さらには必要に応じて水溶性高分子系バインダーを分散或いは溶解させた水を予め、ミキサー等で予備混合させた物を造粒機の皿、もしくは、ドラムに投入する。投入後、造粒機の皿、もしくは、ドラムを回転させ、核を生成させる。核生成後、造粒機の皿、もしくは、ドラムにアルミナとカーボンブラックの混合粉体、及び界面活性剤さらには必要に応じて水溶性高分子系バインダーを分散或いは溶解させた水を供給する方法により実施するのが好適である。
【0023】
一方、噴霧造粒の場合、造粒機の形式としては、加圧型ノズル、回転円盤型噴霧機等の噴霧装置や向流型や並流型の乾燥機構などを備えた公知のものが適宜使用できる。造粒は、得られる造粒体の平均粒子径が0.01〜0.2mmとなるように実施するのが好ましい。水は、運転条件や対象とする原料粉体の種類により異なり、これらの条件を勘案して適宜設定すれば良い。アルミナとカーボンブラックとを造粒する場合、アルミナとカーボンブラックの混合粉体100重量部に対し50〜300重量部が好適である。噴霧造粒機への前記各成分の供給は、如何なる方法により行っても良いが、通常は、原料粉体、及び界面活性剤さらには必要に応じて水溶性高分子系バインダーを分散或いは溶解させた水を混合し、一般に泥しょうと呼ばれる粘ちょうなスラリーとした後、噴霧造粒機に供給するのが好適である。
【0024】
本発明において、以上により得られる造粒体は、これが所望される如何なる用途に使用されても良い。アルミナとカーボンブラックとの造粒体の場合、通常、アルミナ還元窒化法による窒化アルミニウム粉末の製造に使用されるのが一般的である。その場合、良好に窒化アルミニウム粉末を製造することが可能になる。
【0025】
【発明の効果】
本発明によれば、カーボンブラックを含む粉体を転動造粒または粉霧造粒するに際し、界面活性剤の作用により、該カーボンブラックと水とのなじみが良くなり、粉体中に均一に水が分散するようになる。その結果、狭い良好な粒度分布で効率的に造粒体を製造することが可能になる。また、造粒機の皿やドラム内に、水の分散が不均一で水分過多となった原料粉体が付着することも抑制され、好適である。特に、本発明によれば、アルミナとカーボンブラックとの造粒体を効率的に製造することが可能になり、本発明は、窒化アルミニウム粉末の製造原料の前処理方法として、産業上極めて有用である。
【0026】
【実施例】
以下に本発明の実施例を示すが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
【0027】
実施例1
平均粒子径2.5μmのαアルミナと平均粒子径0.02μmのカーボンブラック(ファーネスブラック;25℃での水に対する湿潤熱が300erg/cm2以下)を重量比で2:1で乾式のボールミルで混合し混合粉体を得た。一方、HLBが14.5でありポリオキシエチレンアルキルエーテルの界面活性剤「アクチノールF−12」(商品名;松本油脂(株)製)を水100重量部に対して1重量部溶解させた界面活性剤水溶液を用意した。これらを、混合粉体供給量100±5g/分、界面活性剤水溶液供給量39±1g/分で、ドラム型転動造粒機「GRC50型」(商品名;新東工業(株)製)に供給し、ドラム回転数28rpm、解砕用チョッパーの回転数750rpmで造粒した。
【0028】
180分後造粒を停止したところ、造粒機のドラム内には、粉体はほとんど付着していなかった。また、得られた球状の造粒体の平均粒子径は2.8mmであり、その粒度分布は、直径2mm未満18%、2mm以上4mm未満75%、4mm以上7%であった。
【0029】
比較例1
実施例1において、界面活性剤水溶液に変えて水のみを用いる以外は、実施例1同様にして造粒体を製造した。
【0030】
造粒機のドラム内には、水の分散が不均一となり水分量過多となった粉体が、多量に付着していた。また、一定した造粒体得られず、平均粒子径0.2mm、1mm以下98%の造粒体と、平均粒子径1.2mm、1mm以下30%の造粒体が約15分間隔で交互に得られた。
【0031】
比較例2
実施例1において、界面活性剤水溶液に変えて水のみを使用し、かつ、混合粉体供給量100±5g/分、界面活性剤水溶液供給量50±1g/分で供給する以外は、実施例1同様にして造粒体を製造した。
【0032】
造粒機のドラム内は、水分過多となりドラム内壁に多量に付着した。その結果、ドラム内のスクレーパーに付着物が引っかかり、ドラムの回転を妨げるようになり、運転が困難となった。
【0033】
実施例2
実施例1において、界面活性剤水溶液にポリビニルアルコールを水100重量部に対して2重量部配合させた以外は、実施例1同様にして造粒体を製造した。
【0034】
造粒機のドラム内には、粉体はほとんど付着していなかった。また、得られた球状の造粒体の平均粒子径は3.0mmであり、その粒度分布は、直径2mm未満5%、2mm以上4mm未満90%、4mm以上5%であった。
【0035】
比較例3
実施例2において、界面活性剤水溶液に変えてポリビニルアルコールのみを溶解させた水を用いる以外は、実施例2同様にして造粒体を製造した。
【0036】
造粒機のドラム内には、水の分散が不均一となり水分量過多となった粉体が、多量に付着していた。また、一定した造粒体得られず、平均粒子径0.2mm、1mm以下92%の造粒体と、平均粒子径2.2mm、1mm以下18%の造粒体が約15分間隔で交互に得られた。
【0037】
実施例3
実施例2において、解砕用チョッパーの回転数を0rpmとした以外は、実施例1同様にして造粒体を製造した。
【0038】
造粒機のドラム内には、粉体はほとんど付着していなかった。また、得られた球状の造粒体の平均粒子径は8.8mmであり、その粒度分布は、直径2mm未満2%、2mm以上4mm未満0%、4mm以上6mm未満0%、6mm以上8mm未満0%、8mm以上10mm未満98%、10mm以上0%であった。
【0039】
比較例4
実施例3において、界面活性剤水溶液に変えてポリビニルアルコールのみを溶解させた水を用いる以外は、実施例3同様にして造粒体を製造した。
【0040】
造粒機のドラム内には、水の分散が不均一となり水分量過多となった粉体が、多量に付着していた。また、造粒体は、水分が偏析したため、大きく成長した造粒体と未造粒の粉体が混在するものとなった。造粒体の粒度分布は、平均粒子径7.8mm、2mm未満36%、2mm以上10mm未満17%、10mm以上47%であった。
【0041】
実施例4
実施例2において、界面活性剤水溶液の濃度を水100重量部に対して3重量部とした以外は、実施例1同様にして造粒体を製造した。
【0042】
造粒機のドラム内には、粉体はほとんど付着していなかった。また、得られた球状の造粒体の平均粒子径は2.9mmであり、その粒度分布は、直径2mm未満8%、2mm以上4mm未満89%、4mm以上3%であった。
【0043】
実施例5
実施例2において、界面活性剤水溶液の濃度を水100重量部に対して0.5重量部とした以外は、実施例1同様にして造粒体を製造した。
【0044】
造粒機のドラム内には、粉体はほとんど付着していなかった。また、得られた球状の造粒体の平均粒子径は2.8mmであり、その粒度分布は、直径2mm未満14%、2mm以上4mm未満82%、4mm以上4%であった。
【0045】
実施例6
実施例2において、使用する界面活性剤をHLBが19.2でありポリオキシエチレンアルキルエーテルの界面活性剤、ポリオキシエチレン(23)ラウリエウエーテルに変えた以外は、実施例1同様にして造粒体を製造した。
【0046】
造粒機のドラム内には、粉体はほとんど付着していなかった。また、得られた球状の造粒体の平均粒子径は3.0mmであり、その粒度分布は、直径2mm未満7%、2mm以上4mm未満88%、4mm以上5%であった。
【0047】
実施例7
実施例2において、使用する界面活性剤をHLBが14.5でありポリオキソエチレンソルビタン脂肪酸エステルの界面活性剤「シルバンT−20」(商品名;松本油脂(株)製)に変えた以外は、実施例1同様にして造粒体を製造した。
【0048】
造粒機のドラム内には、粉体はほとんど付着していなかった。また、得られた球状の造粒体の平均粒子径は3.0mmであり、その粒度分布は、直径2mm未満6%、2mm以上4mm未満89%、4mm以上5%であった。
【0049】
実施例8
実施例2において、アルミナとカーボンブラックの混合比を1:0.65に変えた以外は、実施例1同様にして造粒体を製造した。
【0050】
造粒機のドラム内には、粉体はほとんど付着していなかった。また、得られた球状の造粒体の平均粒子径は2.6mmであり、その粒度分布は、直径2mm未満23%、2mm以上4mm未満73%、4mm以上4%であった。
【0051】
実施例9
実施例2において用いたアルミナとカーボンブラックの混合粉体100重量部に、実施例2で用いたポリビルアルコールを配合した界面活性剤水溶液150重量部を配合してスラリーを製造した。得られたスラリーを垂直降下並流型噴霧造粒機で造粒した。
【0052】
得られた造粒体の平均粒子径は0.07mmであり、その粒度分布は0.04mm未満11%、0.04mm以上0.06mm未満14%、0.06mm以上0.08mm未満59%、0.08mm以上0.1未満11%、0、1mm以上7%であった。
【0053】
比較例5
実施例9において、界面活性剤水溶液に変えてポリビニルアルコールのみを溶解させた水を用いる以外は、実施例9同様にしてスラリーを製造した。しかし、水中でカーボンブラック同士が凝集して、アルミナとカーボンブラックとの分離が起こり、噴霧造粒は実施できなかった。
【0054】
実施例10
実施例1において、界面活性剤水溶液の供給量を48±1g/分で供給する以外は、実施例1同様にして造粒体を製造した。
【0055】
造粒機のドラム内には、粉体はほとんど付着していなかった。また、得られた球状の造粒体の平均粒子径は3.1mmであり、その粒度分布は、直径2mm未満13%、2mm以上4mm未満71%、4mm以上16%であった。
Claims (1)
- カーボンブラックを含む粉体を、水及びHLBが12.0〜20.0の界面活性剤の存在下で、転動造粒または噴霧造粒することを特徴とするカーボンブラックを含む造粒体の製造方法。
Priority Applications (1)
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- 1996-04-08 JP JP08551296A patent/JP3722548B2/ja not_active Expired - Lifetime
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