JPH07165971A - 抗菌性ビーズ発泡成形体 - Google Patents
抗菌性ビーズ発泡成形体Info
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- JPH07165971A JPH07165971A JP31495993A JP31495993A JPH07165971A JP H07165971 A JPH07165971 A JP H07165971A JP 31495993 A JP31495993 A JP 31495993A JP 31495993 A JP31495993 A JP 31495993A JP H07165971 A JPH07165971 A JP H07165971A
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- antibacterial
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- Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 抗菌性を有する銀イオン2を吸着した非晶質
リン酸カルシウム粒子1からなる抗菌性粒子7を含む抗
菌性ビーズ発泡成形体。 【効果】 非晶質リン酸カルシウム粒子1を用いること
によって、銀イオン2の溶出を回避できて、高い安全性
および抗菌性を半永久的に維持できる。
リン酸カルシウム粒子1からなる抗菌性粒子7を含む抗
菌性ビーズ発泡成形体。 【効果】 非晶質リン酸カルシウム粒子1を用いること
によって、銀イオン2の溶出を回避できて、高い安全性
および抗菌性を半永久的に維持できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、雑菌やカビ等の発生を
抑制できる抗菌性ビーズ発泡成形体に関するものであ
る。
抑制できる抗菌性ビーズ発泡成形体に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、生鮮食品等の鮮度保持材、ド
リップを生じ易い魚箱、浴槽のマット等の雑菌やカビ等
が発生し易いものに、抗菌性を有する発泡成形体を用い
ることは広く知られている。
リップを生じ易い魚箱、浴槽のマット等の雑菌やカビ等
が発生し易いものに、抗菌性を有する発泡成形体を用い
ることは広く知られている。
【0003】例えば、特開平4-142340号公報には、銀、
銅および亜鉛などの抗菌性金属をリン酸カルシウム、炭
酸カルシウム、珪酸カルシウムおよびハイドロキシアパ
タイトなどの抗菌性カルシウム系セラミックスの焼成物
を含有した抗菌および防カビ性を有する高分子発泡体が
開示されている。
銅および亜鉛などの抗菌性金属をリン酸カルシウム、炭
酸カルシウム、珪酸カルシウムおよびハイドロキシアパ
タイトなどの抗菌性カルシウム系セラミックスの焼成物
を含有した抗菌および防カビ性を有する高分子発泡体が
開示されている。
【0004】このような高分子発泡体では、抗菌性カル
シウム系セラミックスを高温で焼成することにより、抗
菌性カルシウム系セラミックスからの抗菌性金属イオン
の溶出が抑制されている。
シウム系セラミックスを高温で焼成することにより、抗
菌性カルシウム系セラミックスからの抗菌性金属イオン
の溶出が抑制されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
抗菌および防カビ性を有する高分子発泡体では、発泡性
樹脂との混練に際して、上記発泡性樹脂が黄色などの色
に変色または着色するという問題を生じている。
抗菌および防カビ性を有する高分子発泡体では、発泡性
樹脂との混練に際して、上記発泡性樹脂が黄色などの色
に変色または着色するという問題を生じている。
【0006】さらに、高温での焼成により抗菌性金属が
金属として担持されるため抗菌力が低下し、特に黄色ブ
ドウ状球菌などへの抗菌効果は低くなりがちである。よ
って、充分な抗菌効果を出すために樹脂への抗菌性金属
の添加量を増加させることが考えられるが、その場合、
コストアップを招来するという問題を生じている。
金属として担持されるため抗菌力が低下し、特に黄色ブ
ドウ状球菌などへの抗菌効果は低くなりがちである。よ
って、充分な抗菌効果を出すために樹脂への抗菌性金属
の添加量を増加させることが考えられるが、その場合、
コストアップを招来するという問題を生じている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載の抗菌性ビーズ発泡成形体は、
以上の課題を解決するために、抗菌性金属イオンを吸着
した非晶質リン酸カルシウム粒子からなる抗菌性粒子が
含有されていることを特徴としている。
本発明の請求項1記載の抗菌性ビーズ発泡成形体は、
以上の課題を解決するために、抗菌性金属イオンを吸着
した非晶質リン酸カルシウム粒子からなる抗菌性粒子が
含有されていることを特徴としている。
【0008】本発明の請求項2記載の抗菌性ビーズ発泡
成形体は、以上の課題を解決するために、抗菌性金属イ
オンと、非晶質リン酸カルシウム粒子を含むスラリーと
を混合し、造粒化した抗菌性粒子が含有されていること
を特徴としている。
成形体は、以上の課題を解決するために、抗菌性金属イ
オンと、非晶質リン酸カルシウム粒子を含むスラリーと
を混合し、造粒化した抗菌性粒子が含有されていること
を特徴としている。
【0009】上記抗菌性ビーズ発泡成形体は、抗菌性粒
子を含有する発泡性ビーズ樹脂を予備発泡して予備発泡
粒子を得た後、上記予備発泡粒子を金型に充填し、加熱
して上記予備発泡粒子を発泡・融着させて得られる。
子を含有する発泡性ビーズ樹脂を予備発泡して予備発泡
粒子を得た後、上記予備発泡粒子を金型に充填し、加熱
して上記予備発泡粒子を発泡・融着させて得られる。
【0010】上記発泡性ビーズ樹脂は、抗菌性粒子、発
泡性樹脂、発泡剤および核剤から主としてなり、前記発
泡性樹脂の総重量に対して、抗菌性粒子を0.01〜10重量
%、発泡剤を5〜15重量%および核剤を 0.1〜5重量%
の範囲内にて混合したものである。
泡性樹脂、発泡剤および核剤から主としてなり、前記発
泡性樹脂の総重量に対して、抗菌性粒子を0.01〜10重量
%、発泡剤を5〜15重量%および核剤を 0.1〜5重量%
の範囲内にて混合したものである。
【0011】上記抗菌性粒子は、非晶質リン酸カルシウ
ムに吸着担持された抗菌性金属または抗菌性金属イオン
により、菌やカビ等の微生物の増殖を抑制するものであ
り、非晶質リン酸カルシウム粒子(Amorphous Calcium
Phosphate :以下、ACPと略す)を含むスラリーと、
抗菌性金属イオンとが混合されて得られるものである。
なお、上記抗菌性粒子は、ACP粒子を含むスラリー
と、抗菌性金属イオンとが混合され、造粒化されたもの
であってもよい。
ムに吸着担持された抗菌性金属または抗菌性金属イオン
により、菌やカビ等の微生物の増殖を抑制するものであ
り、非晶質リン酸カルシウム粒子(Amorphous Calcium
Phosphate :以下、ACPと略す)を含むスラリーと、
抗菌性金属イオンとが混合されて得られるものである。
なお、上記抗菌性粒子は、ACP粒子を含むスラリー
と、抗菌性金属イオンとが混合され、造粒化されたもの
であってもよい。
【0012】上記ACP粒子を含むスラリーは、攪拌下
の水酸化カルシウム懸濁液に、中性あるいは弱アルカリ
性の水溶性高分子分散剤、例えばトリアクリル酸アンモ
ニウム塩を 0.1〜10重量%添加し、好ましくは 0.1〜3
重量%添加して混合溶液を得た後、攪拌下の上記混合溶
液をリン酸水溶液の滴下によってpH10〜5に調整する
ことにより、粒径約0.1μm以下のACP粒子を含むも
のである。
の水酸化カルシウム懸濁液に、中性あるいは弱アルカリ
性の水溶性高分子分散剤、例えばトリアクリル酸アンモ
ニウム塩を 0.1〜10重量%添加し、好ましくは 0.1〜3
重量%添加して混合溶液を得た後、攪拌下の上記混合溶
液をリン酸水溶液の滴下によってpH10〜5に調整する
ことにより、粒径約0.1μm以下のACP粒子を含むも
のである。
【0013】このような粒径約0.1μm以下のACP粒
子を、それらの凝集を回避して得るためには、前記水溶
性高分子分散剤の添加が必要である。
子を、それらの凝集を回避して得るためには、前記水溶
性高分子分散剤の添加が必要である。
【0014】上記スラリー中に、50重量%以下となるよ
うに抗菌性金属粉末、抗菌性金属化合物、あるいはそれ
らの水溶液を混合した混合物から抗菌性粒子を得る。ま
た、造粒した抗菌性粒子を得る場合は、上記混合物を噴
霧乾燥造粒法などにより造粒して抗菌性粒子を得る。
うに抗菌性金属粉末、抗菌性金属化合物、あるいはそれ
らの水溶液を混合した混合物から抗菌性粒子を得る。ま
た、造粒した抗菌性粒子を得る場合は、上記混合物を噴
霧乾燥造粒法などにより造粒して抗菌性粒子を得る。
【0015】上記ACP粒子は、粉末X線回折法によ
り、そのパターンからリン酸カルシウム〔Ca3(PO4)2 ・
nH2O〕であり、また、そのパターンがブロードであるこ
とから、非晶質なリン酸カルシウムであることが確認さ
れる。その上、上記ACP粒子は、結晶水を含むことか
ら静電気的に活性な物質であると思われ、種々の菌体や
ウイルスを吸着し易くなっていると想定される。
り、そのパターンからリン酸カルシウム〔Ca3(PO4)2 ・
nH2O〕であり、また、そのパターンがブロードであるこ
とから、非晶質なリン酸カルシウムであることが確認さ
れる。その上、上記ACP粒子は、結晶水を含むことか
ら静電気的に活性な物質であると思われ、種々の菌体や
ウイルスを吸着し易くなっていると想定される。
【0016】また、得られた抗菌性粒子が大きな比表面
積をそなえるために、スラリーのACP粒子は、その粒
径が 0.1μm以下であることが、また、加える抗菌性金
属粉末および抗菌性金属化合物粉末の粒径は溶解性の点
から20μm以下であることが望ましい。その上、スラリ
ーと加える抗菌性金属粉末、抗菌性金属化合物粉末ある
いは抗菌性金属水溶液とは室温中で混合することが望ま
しい。
積をそなえるために、スラリーのACP粒子は、その粒
径が 0.1μm以下であることが、また、加える抗菌性金
属粉末および抗菌性金属化合物粉末の粒径は溶解性の点
から20μm以下であることが望ましい。その上、スラリ
ーと加える抗菌性金属粉末、抗菌性金属化合物粉末ある
いは抗菌性金属水溶液とは室温中で混合することが望ま
しい。
【0017】一方、スラリーにおけるACP粒子が90重
量%以上となると、スラリーの粘度が高くなるので、造
粒に不適となる。なお、スラリーにおけるACP粒子の
含量を1〜90重量%の範囲で変えることにより、造粒し
た際に所望の平均粒径を有する抗菌性粒子を得ることが
できる。
量%以上となると、スラリーの粘度が高くなるので、造
粒に不適となる。なお、スラリーにおけるACP粒子の
含量を1〜90重量%の範囲で変えることにより、造粒し
た際に所望の平均粒径を有する抗菌性粒子を得ることが
できる。
【0018】また、造粒法としては、得られる粒子が、
多孔質、かつ、粒径 200μm以下の略球状で、かつ、比
表面積を10m2/g以上にできるものであれば、特に限定さ
れるものではないが、例えば噴霧乾燥造粒法を用いるこ
とができ、他にフリーズドライ後に粉砕してなる造粒
法、また、高速攪拌型造粒法を用いてもよい。
多孔質、かつ、粒径 200μm以下の略球状で、かつ、比
表面積を10m2/g以上にできるものであれば、特に限定さ
れるものではないが、例えば噴霧乾燥造粒法を用いるこ
とができ、他にフリーズドライ後に粉砕してなる造粒
法、また、高速攪拌型造粒法を用いてもよい。
【0019】抗菌性金属としては、金、銀、亜鉛、銅、
錫、鉛、砒素、白金、鉄、アンチモン、ニッケル、アル
ミニウム、バリウム、カドミウム、マンガンから少なく
とも一種の金属、またはそれらの混合物、あるいはそれ
らの金属化合物、およびそれらの水溶液を用いることが
できる。
錫、鉛、砒素、白金、鉄、アンチモン、ニッケル、アル
ミニウム、バリウム、カドミウム、マンガンから少なく
とも一種の金属、またはそれらの混合物、あるいはそれ
らの金属化合物、およびそれらの水溶液を用いることが
できる。
【0020】次に、上記抗菌性粒子を有する抗菌性ビー
ズ発泡成形体について詳細に説明すると、前記ビーズ発
泡成形体を構成する樹脂素材としては、スチレンまたは
メチルスチレンの単独重合体、およびスチレン−無水マ
レイン酸、スチレン−アクリロニトリル、スチレン−メ
チルアクリレート共重合体等のポリスチレン系樹脂、エ
チレンまたはプロピレンの単独重合体、およびエチレン
−プロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリ
オレフィン系樹脂、このポリオレフィン系樹脂にスチレ
ン系単量体を重合して得られたスチレン改質樹脂、ポリ
メチルメタクリレート系樹脂、その他の発泡ビーズ成形
可能な樹脂を用いることができる。
ズ発泡成形体について詳細に説明すると、前記ビーズ発
泡成形体を構成する樹脂素材としては、スチレンまたは
メチルスチレンの単独重合体、およびスチレン−無水マ
レイン酸、スチレン−アクリロニトリル、スチレン−メ
チルアクリレート共重合体等のポリスチレン系樹脂、エ
チレンまたはプロピレンの単独重合体、およびエチレン
−プロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリ
オレフィン系樹脂、このポリオレフィン系樹脂にスチレ
ン系単量体を重合して得られたスチレン改質樹脂、ポリ
メチルメタクリレート系樹脂、その他の発泡ビーズ成形
可能な樹脂を用いることができる。
【0021】上記樹脂素材に抗菌性粒子を配合する方法
としては、直接ロール、バンバリー、ニーダー、押出機
等の混練機で溶融混練する方法、また、あらかじめヘン
シェル型ミキサー等で樹脂の粉体と混合した後、前述の
混練機等で溶融混練する方法、あるいは、抗菌性粒子を
高濃度に含有する樹脂によるマスターバッチペレットを
作り、さらに、そのマスターバッチペレットを樹脂との
混練により希釈する方法など、公知の方法を使うことが
できる。
としては、直接ロール、バンバリー、ニーダー、押出機
等の混練機で溶融混練する方法、また、あらかじめヘン
シェル型ミキサー等で樹脂の粉体と混合した後、前述の
混練機等で溶融混練する方法、あるいは、抗菌性粒子を
高濃度に含有する樹脂によるマスターバッチペレットを
作り、さらに、そのマスターバッチペレットを樹脂との
混練により希釈する方法など、公知の方法を使うことが
できる。
【0022】抗菌性粒子のマスターバッチペレット化
は、上記で分かるように、発泡性樹脂の総重量に対して
抗菌性粒子のパウダーを5〜20重量%、必要に応じて分
散剤を0.05〜 0.1重量%を添加して混練すれば可能であ
る。
は、上記で分かるように、発泡性樹脂の総重量に対して
抗菌性粒子のパウダーを5〜20重量%、必要に応じて分
散剤を0.05〜 0.1重量%を添加して混練すれば可能であ
る。
【0023】次に、上記抗菌性粒子を有する抗菌性ビー
ズ発泡成形体の製造方法について述べると、上記の方法
によりあらかじめ抗菌性粒子 0.1〜30重量部を含有する
樹脂ペレットとしたペレット 100重量部と、発泡剤とし
て例えばペンタン20〜30重量部と、分散剤として例えば
パウダー状の第三リン酸カルシウム2重量部と、分散助
剤として例えばn−パラフィンスルフォン酸ソーダ0.05
重量部と、溶剤および可塑剤としての水 300重量部とを
共に耐圧容器内に仕込み、1時間かけて95〜 110℃まで
加熱して発泡剤を含浸したビーズ状の発泡性樹脂粒子が
得られる。
ズ発泡成形体の製造方法について述べると、上記の方法
によりあらかじめ抗菌性粒子 0.1〜30重量部を含有する
樹脂ペレットとしたペレット 100重量部と、発泡剤とし
て例えばペンタン20〜30重量部と、分散剤として例えば
パウダー状の第三リン酸カルシウム2重量部と、分散助
剤として例えばn−パラフィンスルフォン酸ソーダ0.05
重量部と、溶剤および可塑剤としての水 300重量部とを
共に耐圧容器内に仕込み、1時間かけて95〜 110℃まで
加熱して発泡剤を含浸したビーズ状の発泡性樹脂粒子が
得られる。
【0024】次に、上記発泡性樹脂粒子を蒸気等によっ
て加熱することにより予備発泡させて、抗菌性を有する
予備発泡粒子を得る。続いて、得られた予備発泡粒子を
40℃で24時間熟成した後、成形型の窩内に充填し、蒸気
等の加熱媒体により加熱膨張させて融着することにより
抗菌性ビーズ発泡成形体が得られる。
て加熱することにより予備発泡させて、抗菌性を有する
予備発泡粒子を得る。続いて、得られた予備発泡粒子を
40℃で24時間熟成した後、成形型の窩内に充填し、蒸気
等の加熱媒体により加熱膨張させて融着することにより
抗菌性ビーズ発泡成形体が得られる。
【0025】
【実施例】本発明の一実施例について図1に基づいて説
明すれば、以下の通りである。抗菌性ビーズ発泡成形体
は、抗菌性金属イオンを吸着した非晶質リン酸カルシウ
ム粒子からなる抗菌性粒子が含有されているものであ
る。最初に、非晶質リン酸カルシウム(Amorphous Calc
ium Phosphate :以下、ACPと略す)粒子を含むスラ
リーの製造方法について説明すると、攪拌下の水酸化カ
ルシウム懸濁液に、水溶性高分子分散剤としてのトリア
クリル酸アンモニウム塩を 0.5重量%添加して混合溶液
を得た後、攪拌下の上記混合溶液をリン酸水溶液の滴下
によってpH10に調整することにより、粒径約0.1μm
以下のACP粒子を含むスラリーを得た。
明すれば、以下の通りである。抗菌性ビーズ発泡成形体
は、抗菌性金属イオンを吸着した非晶質リン酸カルシウ
ム粒子からなる抗菌性粒子が含有されているものであ
る。最初に、非晶質リン酸カルシウム(Amorphous Calc
ium Phosphate :以下、ACPと略す)粒子を含むスラ
リーの製造方法について説明すると、攪拌下の水酸化カ
ルシウム懸濁液に、水溶性高分子分散剤としてのトリア
クリル酸アンモニウム塩を 0.5重量%添加して混合溶液
を得た後、攪拌下の上記混合溶液をリン酸水溶液の滴下
によってpH10に調整することにより、粒径約0.1μm
以下のACP粒子を含むスラリーを得た。
【0026】上記スラリーをイオン交換水により希釈し
て、ACPの濃度が20重量%となるように調製したAC
Pスラリーを得た。そのACPスラリーに、イオン交換
水に溶解した無水硝酸銀を 0.1〜10.0 mol%濃度となる
ように混合し、攪拌モータで1時間攪拌して混合物スラ
リーを得た。なお、上記 mol%を、重量%の表示に変換
する場合は、換算係数1.07をかけて換算した。
て、ACPの濃度が20重量%となるように調製したAC
Pスラリーを得た。そのACPスラリーに、イオン交換
水に溶解した無水硝酸銀を 0.1〜10.0 mol%濃度となる
ように混合し、攪拌モータで1時間攪拌して混合物スラ
リーを得た。なお、上記 mol%を、重量%の表示に変換
する場合は、換算係数1.07をかけて換算した。
【0027】上記混合物スラリーは、前記の高分子分散
剤の添加によってACP粒子の凝集を回避しながら、A
CP粒子におけるイオン交換可能な金属イオンが、銀イ
オンに置換されて、銀イオンを各含有量にて吸着し、粒
径約0.1μm以下となるACP粒子を含むものである。
剤の添加によってACP粒子の凝集を回避しながら、A
CP粒子におけるイオン交換可能な金属イオンが、銀イ
オンに置換されて、銀イオンを各含有量にて吸着し、粒
径約0.1μm以下となるACP粒子を含むものである。
【0028】図1に示すように、ACP粒子1および銀
イオン2を含む上記混合物スラリー3を、定量ポンプ4
によりスプレードライヤー(大川原化工機社製 L−8 )
5に供給する。スプレードライヤー5のアトマイザー6
を高速回転させて、上記混合物スラリー3を、スプレー
ドライヤー5内の乾燥用の熱空気流中に噴霧することに
より、噴霧造粒法により造粒乾燥した。
イオン2を含む上記混合物スラリー3を、定量ポンプ4
によりスプレードライヤー(大川原化工機社製 L−8 )
5に供給する。スプレードライヤー5のアトマイザー6
を高速回転させて、上記混合物スラリー3を、スプレー
ドライヤー5内の乾燥用の熱空気流中に噴霧することに
より、噴霧造粒法により造粒乾燥した。
【0029】造粒乾燥により得られた銀イオン含有AC
P微粉体である略球状の抗菌性粒子7は、サイクロン8
によって粒径1〜100 μmのものが採取された。このと
き、サイクロン8により採取しきれない超微粉体はバグ
フィルター(図示せず)により別に採取された。
P微粉体である略球状の抗菌性粒子7は、サイクロン8
によって粒径1〜100 μmのものが採取された。このと
き、サイクロン8により採取しきれない超微粉体はバグ
フィルター(図示せず)により別に採取された。
【0030】なお、上記噴霧乾燥造粒における操作条件
は次の通りであった。定量ポンプ4による原料としての
混合物スラリー3の供給量は1〜3kg/hr であり、エア
フィルター9を介して電気ヒーター10によって加温さ
れた熱空気の温度は、熱ガス室11の入口温度が 200〜
250℃に、サイクロン8に繋がる排出孔12における出
口温度が 100℃を常に越えるように制御され、また、ア
トマイザー6の回転数は 10000〜37000rpmの範囲内に設
定された。
は次の通りであった。定量ポンプ4による原料としての
混合物スラリー3の供給量は1〜3kg/hr であり、エア
フィルター9を介して電気ヒーター10によって加温さ
れた熱空気の温度は、熱ガス室11の入口温度が 200〜
250℃に、サイクロン8に繋がる排出孔12における出
口温度が 100℃を常に越えるように制御され、また、ア
トマイザー6の回転数は 10000〜37000rpmの範囲内に設
定された。
【0031】また、上記スプレードライヤー5をよりス
ケールアップした2種のスプレードライヤー(大川原化
工機社製 FOC-20,OD-25G、FOC-25,OC-25) を用いて、ス
ラリー供給量を100kg/hrとし、他の条件は上記と同様に
抗菌性粒子を調製したところ、上記スプレードライヤー
5による抗菌性粒子7と同様の抗菌性粒子が得られた。
このようにして得られた抗菌性粒子7は真球状であっ
た。
ケールアップした2種のスプレードライヤー(大川原化
工機社製 FOC-20,OD-25G、FOC-25,OC-25) を用いて、ス
ラリー供給量を100kg/hrとし、他の条件は上記と同様に
抗菌性粒子を調製したところ、上記スプレードライヤー
5による抗菌性粒子7と同様の抗菌性粒子が得られた。
このようにして得られた抗菌性粒子7は真球状であっ
た。
【0032】ところで、従来、抗菌性カルシウム系セラ
ミックスの焼成物からなる上記抗菌性アパタイトは、焼
結後粉砕により得られたものであるため不定型となり、
樹脂組成物に混合したときに、均一な分散が困難であっ
た。しかしながら、上記抗菌性粒子7は真球状であるか
ら、例えばビーズ発泡成形用の発泡性樹脂への混練にお
いても、均一な分散が容易に可能となる。
ミックスの焼成物からなる上記抗菌性アパタイトは、焼
結後粉砕により得られたものであるため不定型となり、
樹脂組成物に混合したときに、均一な分散が困難であっ
た。しかしながら、上記抗菌性粒子7は真球状であるか
ら、例えばビーズ発泡成形用の発泡性樹脂への混練にお
いても、均一な分散が容易に可能となる。
【0033】〔実施例1〕次に、0.5mol%の銀イオンを
有する上記抗菌性粒子7を含有する抗菌性ビーズ発泡成
形体について説明すると、まず、ポリスチレン樹脂GP
−PS(MI=11.0)およびポリスチレン樹脂の総重量
に対して20重量%の上記抗菌性粒子7をタンブラーで混
合し、押出機のホッパーより投入し、 240℃に加熱して
溶融混合した。次いで、前記溶融混合物をノズルより押
し出し、水冷した後切断することにより、マスターバッ
チとしての径2mm、長さ2mmの抗菌性粒子7が混練
されたペレットを作成した。
有する上記抗菌性粒子7を含有する抗菌性ビーズ発泡成
形体について説明すると、まず、ポリスチレン樹脂GP
−PS(MI=11.0)およびポリスチレン樹脂の総重量
に対して20重量%の上記抗菌性粒子7をタンブラーで混
合し、押出機のホッパーより投入し、 240℃に加熱して
溶融混合した。次いで、前記溶融混合物をノズルより押
し出し、水冷した後切断することにより、マスターバッ
チとしての径2mm、長さ2mmの抗菌性粒子7が混練
されたペレットを作成した。
【0034】続いて、上記抗菌性粒子7を希釈するため
に、ポリスチレン樹脂GP−PS(MI=11.0)75重量
部、および20重量%の上記抗菌性粒子7を含有するマス
ターバッチペレット25重量部をタンブラーで混合し、押
出機のホッパーより投入し、240℃に加熱して溶融混合
した。
に、ポリスチレン樹脂GP−PS(MI=11.0)75重量
部、および20重量%の上記抗菌性粒子7を含有するマス
ターバッチペレット25重量部をタンブラーで混合し、押
出機のホッパーより投入し、240℃に加熱して溶融混合
した。
【0035】次いで、前記溶融混合物をノズルより押し
出し、水冷した後切断することにより、マスターバッチ
としての径1mm,長さ2mmのペレットを作成した。
上記ペレットは、熱可塑性樹脂を主原料として有し、上
記抗菌性粒子7を主原料に対して5重量%となるように
有している。
出し、水冷した後切断することにより、マスターバッチ
としての径1mm,長さ2mmのペレットを作成した。
上記ペレットは、熱可塑性樹脂を主原料として有し、上
記抗菌性粒子7を主原料に対して5重量%となるように
有している。
【0036】次に、抗菌性粒子7を5重量部含有するペ
レット 100重量部、発泡剤としてペンタン20〜30重量
部、分散剤としてパウダー状の第三リン酸カルシウム2
重量部、分散助剤としてn−パラフィンスルフォン酸ソ
ーダ0.05重量部、並びに溶剤および可塑剤としての水 3
00重量部を共に耐圧容器内に仕込み、1時間かけて95〜
110 ℃まで加熱して発泡剤を含浸したビーズ状の発泡性
樹脂粒子が得られた。
レット 100重量部、発泡剤としてペンタン20〜30重量
部、分散剤としてパウダー状の第三リン酸カルシウム2
重量部、分散助剤としてn−パラフィンスルフォン酸ソ
ーダ0.05重量部、並びに溶剤および可塑剤としての水 3
00重量部を共に耐圧容器内に仕込み、1時間かけて95〜
110 ℃まで加熱して発泡剤を含浸したビーズ状の発泡性
樹脂粒子が得られた。
【0037】次に、上記発泡性樹脂粒子を常圧下にて 1
00℃程度に蒸気等によって加熱することにより、予備発
泡させて抗菌性粒子7を有する熱可塑性樹脂からなる予
備発泡粒子を得た。続いて、得られた予備発泡粒子を40
℃で24時間熟成した後、例えば、 300mm× 400mm×30mm
のブロック金型に充填し、加熱膨張させて融着すること
により抗菌性ビーズ発泡成形体が得られた。
00℃程度に蒸気等によって加熱することにより、予備発
泡させて抗菌性粒子7を有する熱可塑性樹脂からなる予
備発泡粒子を得た。続いて、得られた予備発泡粒子を40
℃で24時間熟成した後、例えば、 300mm× 400mm×30mm
のブロック金型に充填し、加熱膨張させて融着すること
により抗菌性ビーズ発泡成形体が得られた。
【0038】〔比較例1〕次に、上記実施例1における
抗菌性樹脂7に代えて、市販品の抗菌性溶解性ガラスを
用い、他は、上記実施例1と同様にして抗菌性ビーズ発
泡成形体を作製しようとしたが、予備発泡が不良とな
り、抗菌性ビーズ発泡成形体が得られなかった。
抗菌性樹脂7に代えて、市販品の抗菌性溶解性ガラスを
用い、他は、上記実施例1と同様にして抗菌性ビーズ発
泡成形体を作製しようとしたが、予備発泡が不良とな
り、抗菌性ビーズ発泡成形体が得られなかった。
【0039】すなわち、ポリスチレン樹脂GP−PS
(MI=11.0)およびポリスチレン樹脂の総重量に対し
て20重量%の抗菌性溶解性ガラス(市販品)をタンブラ
ーで混合し、押出機のホッパーより投入し、 240℃に加
熱して溶融混合した。
(MI=11.0)およびポリスチレン樹脂の総重量に対し
て20重量%の抗菌性溶解性ガラス(市販品)をタンブラ
ーで混合し、押出機のホッパーより投入し、 240℃に加
熱して溶融混合した。
【0040】次いで、前記溶融混合物をノズルより押し
出し、水冷した後切断することにより、マスターバッチ
としての径2mm,長さ2mmの抗菌性溶解性ガラスが
混練されたペレットを作成した。
出し、水冷した後切断することにより、マスターバッチ
としての径2mm,長さ2mmの抗菌性溶解性ガラスが
混練されたペレットを作成した。
【0041】続いて、ポリスチレン樹脂GP−PS(M
I=11.0)75重量部および20重量%の抗菌性溶解ガラス
を含有するマスターバッチペレット25重量部をタンブラ
ーで混合し、押出機のホッパーより投入し、 240℃に加
熱して溶融混合した。
I=11.0)75重量部および20重量%の抗菌性溶解ガラス
を含有するマスターバッチペレット25重量部をタンブラ
ーで混合し、押出機のホッパーより投入し、 240℃に加
熱して溶融混合した。
【0042】次いで、前記溶融混合物をノズルより押し
出し、水冷した後切断することにより、マスターバッチ
としての径1mm,長さ2mmのペレットを作成した。
上記ペレットは、熱可塑性樹脂を主原料として有し、抗
菌性溶解性ガラスを5重量%有している。
出し、水冷した後切断することにより、マスターバッチ
としての径1mm,長さ2mmのペレットを作成した。
上記ペレットは、熱可塑性樹脂を主原料として有し、抗
菌性溶解性ガラスを5重量%有している。
【0043】次に、抗菌性溶解性ガラスを5重量部含有
するペレット 100重量部、発泡剤としてペンタン20〜30
重量部、分散剤としてパウダー状の第三リン酸カルシウ
ム2重量部、分散助剤としてn−パラフィンスルフォン
酸ソーダ0.05重量部、並びに溶剤および可塑剤としての
水 300重量部を共に耐圧容器内に仕込み、1時間かけて
95〜110 ℃まで加熱して発泡性樹脂粒子を得た。
するペレット 100重量部、発泡剤としてペンタン20〜30
重量部、分散剤としてパウダー状の第三リン酸カルシウ
ム2重量部、分散助剤としてn−パラフィンスルフォン
酸ソーダ0.05重量部、並びに溶剤および可塑剤としての
水 300重量部を共に耐圧容器内に仕込み、1時間かけて
95〜110 ℃まで加熱して発泡性樹脂粒子を得た。
【0044】次に、上記発泡性樹脂粒子を常圧下にて、
100℃程度に蒸気等によって加熱したとき、発泡性樹脂
粒子が可塑化しすぎたため、予備発泡が不良となった。
よって、上記の抗菌性溶解性ガラスを用いた場合、成形
不良のため、抗菌性ビーズ発泡成形体が得られなかっ
た。
100℃程度に蒸気等によって加熱したとき、発泡性樹脂
粒子が可塑化しすぎたため、予備発泡が不良となった。
よって、上記の抗菌性溶解性ガラスを用いた場合、成形
不良のため、抗菌性ビーズ発泡成形体が得られなかっ
た。
【0045】〔比較例2〕次に、上記実施例1における
抗菌性樹脂7に代えて、抗菌性アパタイト粒子(市販
品、銀イオン含有量2重量%)を用い、他は、上記実施
例1と同様にして抗菌性ビーズ発泡成形体を作製した。
抗菌性樹脂7に代えて、抗菌性アパタイト粒子(市販
品、銀イオン含有量2重量%)を用い、他は、上記実施
例1と同様にして抗菌性ビーズ発泡成形体を作製した。
【0046】すなわち、ポリスチレン樹脂GP−PS
(MI=11.0)およびポリスチレン樹脂の総重量に対し
て20重量%の上記の抗菌性アパタイト粒子をタンブラー
で混合し、押出機のホッパーより投入し、 240℃に加熱
して溶融混合した。
(MI=11.0)およびポリスチレン樹脂の総重量に対し
て20重量%の上記の抗菌性アパタイト粒子をタンブラー
で混合し、押出機のホッパーより投入し、 240℃に加熱
して溶融混合した。
【0047】次いで、前記溶融混合物をノズルより押し
出し、水冷した後切断することにより、マスターバッチ
としての径2mm,長さ2mmの抗菌性アパタイト粒子
が混練されたペレットを作成した。
出し、水冷した後切断することにより、マスターバッチ
としての径2mm,長さ2mmの抗菌性アパタイト粒子
が混練されたペレットを作成した。
【0048】続いて、ポリスチレン樹脂GP−PS(M
I=11.0)75重量部および20重量%の抗菌性アパタイト
粒子を含有するマスターバッチペレット25重量部をタン
ブラーで混合し、押出機のホッパーより投入し、 240℃
に加熱して溶融混合した。
I=11.0)75重量部および20重量%の抗菌性アパタイト
粒子を含有するマスターバッチペレット25重量部をタン
ブラーで混合し、押出機のホッパーより投入し、 240℃
に加熱して溶融混合した。
【0049】次いで、前記溶融混合物をノズルより押し
出し、水冷した後切断することにより、マスターバッチ
としての径1mm,長さ2mmのペレットを作成した。
上記ペレットは、熱可塑性樹脂を主原料として有し、前
記抗菌性アパタイト粒子を5重量%有している。
出し、水冷した後切断することにより、マスターバッチ
としての径1mm,長さ2mmのペレットを作成した。
上記ペレットは、熱可塑性樹脂を主原料として有し、前
記抗菌性アパタイト粒子を5重量%有している。
【0050】次に、上記抗菌性アパタイト粒子を5重量
部含有するペレット 100重量部、発泡剤としてペンタン
20〜30重量部、分散剤としてパウダー状の第三リン酸カ
ルシウム2重量部、分散助剤としてn−パラフィンスル
フォン酸ソーダ0.05重量部、並びに溶剤および可塑剤と
しての水 300重量部を共に耐圧容器内に仕込み、1時間
かけて95〜110 ℃まで加熱して発泡剤を含浸したビーズ
状の発泡性樹脂粒子が得られた。
部含有するペレット 100重量部、発泡剤としてペンタン
20〜30重量部、分散剤としてパウダー状の第三リン酸カ
ルシウム2重量部、分散助剤としてn−パラフィンスル
フォン酸ソーダ0.05重量部、並びに溶剤および可塑剤と
しての水 300重量部を共に耐圧容器内に仕込み、1時間
かけて95〜110 ℃まで加熱して発泡剤を含浸したビーズ
状の発泡性樹脂粒子が得られた。
【0051】次に、上記発泡性樹脂粒子を常圧下にて、
100℃程度に蒸気等によって加熱することにより、予備
発泡させて抗菌性アパタイト粒子を有する熱可塑性樹脂
からなる予備発泡粒子を得た。続いて、得られた予備発
泡粒子を40℃で24時間熟成した後、例えば、 300mm× 4
00mm×30mmのブロック金型に充填し、加熱膨張させて融
着することにより抗菌性ビーズ発泡成形体が得られた。
100℃程度に蒸気等によって加熱することにより、予備
発泡させて抗菌性アパタイト粒子を有する熱可塑性樹脂
からなる予備発泡粒子を得た。続いて、得られた予備発
泡粒子を40℃で24時間熟成した後、例えば、 300mm× 4
00mm×30mmのブロック金型に充填し、加熱膨張させて融
着することにより抗菌性ビーズ発泡成形体が得られた。
【0052】〔比較例3〕次に、上記実施例1における
抗菌性樹脂7を省いて、他は、上記実施例1と同様にし
てビーズ発泡成形体を作製した。
抗菌性樹脂7を省いて、他は、上記実施例1と同様にし
てビーズ発泡成形体を作製した。
【0053】ポリスチレン樹脂GP−PS(MI=11.
0)ペレット 100重量部、発泡剤としてペンタン20〜30
重量部、分散剤としてパウダー状の第三リン酸カルシウ
ム2重量部、分散助剤としてn−パラフィンスルフォン
酸ソーダ0.05重量部、並びに溶剤および可塑剤としての
水 300重量部を共に耐圧容器内に仕込み、1時間かけて
95〜110 ℃まで加熱して、発泡剤を含浸したビーズ状の
発泡性樹脂粒子が得られた。
0)ペレット 100重量部、発泡剤としてペンタン20〜30
重量部、分散剤としてパウダー状の第三リン酸カルシウ
ム2重量部、分散助剤としてn−パラフィンスルフォン
酸ソーダ0.05重量部、並びに溶剤および可塑剤としての
水 300重量部を共に耐圧容器内に仕込み、1時間かけて
95〜110 ℃まで加熱して、発泡剤を含浸したビーズ状の
発泡性樹脂粒子が得られた。
【0054】次に、上記発泡性樹脂粒子を常圧下にて、
100℃程度に蒸気等によって加熱することにより、予備
発泡させて熱可塑性樹脂からなる予備発泡粒子を得た。
続いて、得られた予備発泡粒子を40℃で24時間熟成した
後、例えば、 300mm× 400mm×30mmのブロック金型に充
填し、加熱膨張させて融着することにより、ポリスチレ
ンからなるビーズ発泡成形体が得られた。
100℃程度に蒸気等によって加熱することにより、予備
発泡させて熱可塑性樹脂からなる予備発泡粒子を得た。
続いて、得られた予備発泡粒子を40℃で24時間熟成した
後、例えば、 300mm× 400mm×30mmのブロック金型に充
填し、加熱膨張させて融着することにより、ポリスチレ
ンからなるビーズ発泡成形体が得られた。
【0055】このように実施例1と比較例2とで得られ
た2種の抗菌性ビーズ発泡成形体を目視にて観察したと
ころ、上記両者では共に白色原料が用いられたが、実施
例1の抗菌性ビーズ発泡成形体は白色であったのに対
し、比較例2の抗菌性ビーズ発泡成形体は黄色に変色し
ていた。
た2種の抗菌性ビーズ発泡成形体を目視にて観察したと
ころ、上記両者では共に白色原料が用いられたが、実施
例1の抗菌性ビーズ発泡成形体は白色であったのに対
し、比較例2の抗菌性ビーズ発泡成形体は黄色に変色し
ていた。
【0056】そこで、上記両者について、白色度黄色度
および黄変度を測定する色差測定(測定方法、JIS
K-7105に準拠)を行い、それらの結果を下記の表1に示
した。なお、測定に用いた装置は、積分球方式色差計
(日本電色工業社製、ND-100P)であり、測定方法は、
反射法を用い、投光パイプの径30mm、試料面積の径30mm
を用いた。
および黄変度を測定する色差測定(測定方法、JIS
K-7105に準拠)を行い、それらの結果を下記の表1に示
した。なお、測定に用いた装置は、積分球方式色差計
(日本電色工業社製、ND-100P)であり、測定方法は、
反射法を用い、投光パイプの径30mm、試料面積の径30mm
を用いた。
【0057】
【表1】
【0058】上記の表1の結果から、上記比較例2に用
いた抗菌性アパタイト粒子では、混練するときや、加熱
成形するときの加熱によって得られた抗菌性ビーズ発泡
成形体に変色や着色が生じる一方、前記実施例1に用い
た抗菌性粒子7では、混練するときや、加熱成形すると
き等の加熱によっても黄色等への変色がなく白色を維持
できることが判った。
いた抗菌性アパタイト粒子では、混練するときや、加熱
成形するときの加熱によって得られた抗菌性ビーズ発泡
成形体に変色や着色が生じる一方、前記実施例1に用い
た抗菌性粒子7では、混練するときや、加熱成形すると
き等の加熱によっても黄色等への変色がなく白色を維持
できることが判った。
【0059】したがって、上記実施例1の構成は、従来
用いられている抗菌性アパタイト粒子を用いたものと比
べて、ビーズ発泡成形体を製造するときの混練や発泡す
るときの加熱による樹脂の変色および着色の発生が回避
できるため、ビース発泡成形体に対する着色印刷等の加
工が容易となり、変色や着色に起因する汚れの付着や雑
菌の発生等といった使用者の誤認を回避できるものとな
っている。
用いられている抗菌性アパタイト粒子を用いたものと比
べて、ビーズ発泡成形体を製造するときの混練や発泡す
るときの加熱による樹脂の変色および着色の発生が回避
できるため、ビース発泡成形体に対する着色印刷等の加
工が容易となり、変色や着色に起因する汚れの付着や雑
菌の発生等といった使用者の誤認を回避できるものとな
っている。
【0060】次に、上記実施例1、比較例2および比較
例3の各ビーズ発泡成形体を用いて抗菌性の試験をそれ
ぞれ行った。
例3の各ビーズ発泡成形体を用いて抗菌性の試験をそれ
ぞれ行った。
【0061】抗菌試験方法 1)試験菌株 Escherichia coli(大腸菌) IFO 3301 Staphylococcus aureus (黄色ブドウ状球菌) IFO 12732 2)試験菌液の調製 上記各試験菌株をNutrient Broth(Difco) で37℃、18時
間、振とう培養した後、滅菌水で希釈して菌数が約105
cells/mlになるように調整した。
間、振とう培養した後、滅菌水で希釈して菌数が約105
cells/mlになるように調整した。
【0062】3)試験操作 上記実施例1、比較例2、3の各ビーズ発泡成形体を約
5cm×5cm× 0.2cmの大きさにそれぞれ切り取り、各試
験検体とした。これら試験検体を滅菌ポリエチレン袋
(約 6.5cm× 6.5cm)に入れた。この中に菌液5mlを入
れ、袋の口をヒートシールにて袋内には若干の空気が残
るように密閉した。
5cm×5cm× 0.2cmの大きさにそれぞれ切り取り、各試
験検体とした。これら試験検体を滅菌ポリエチレン袋
(約 6.5cm× 6.5cm)に入れた。この中に菌液5mlを入
れ、袋の口をヒートシールにて袋内には若干の空気が残
るように密閉した。
【0063】振とう(25℃、振幅8cm、振とう回数約15
0rpm)24時間後、袋内の液を取り出して生菌数をそれぞ
れ測定した。生菌数の測定は普通寒天培地(日水製薬
製)を用いた混釈平板培養法(36℃、2日間)により行
った。なお、対照として滅菌ポリエチレン袋に菌液のみ
を加えて同様に試験した。
0rpm)24時間後、袋内の液を取り出して生菌数をそれぞ
れ測定した。生菌数の測定は普通寒天培地(日水製薬
製)を用いた混釈平板培養法(36℃、2日間)により行
った。なお、対照として滅菌ポリエチレン袋に菌液のみ
を加えて同様に試験した。
【0064】このように試験操作した結果を表2に示し
た。また、試験後、上記実施例1および比較例2の試料
を加えた各滅菌ポリエチレン袋内の液をろ取し、そのろ
液について、高周波プラズマ発光分光分析法(SEIKO 社
製、ICP SPS-4000、検出限界0.005ppm)により銀イオン
の存在をそれぞれ分析したところ、上記各ろ液中に銀イ
オンが検出されなかった。
た。また、試験後、上記実施例1および比較例2の試料
を加えた各滅菌ポリエチレン袋内の液をろ取し、そのろ
液について、高周波プラズマ発光分光分析法(SEIKO 社
製、ICP SPS-4000、検出限界0.005ppm)により銀イオン
の存在をそれぞれ分析したところ、上記各ろ液中に銀イ
オンが検出されなかった。
【0065】このことから、上記実施例1および比較例
2の抗菌性は、銀イオンの溶出に起因するものではない
ことが判った。また、この結果から、抗菌性粒子7の菌
液への溶解に起因する銀イオン2の放出も回避されるこ
とから、上記抗菌性粒子7は菌液中等の水に溶解しない
ことが判る。
2の抗菌性は、銀イオンの溶出に起因するものではない
ことが判った。また、この結果から、抗菌性粒子7の菌
液への溶解に起因する銀イオン2の放出も回避されるこ
とから、上記抗菌性粒子7は菌液中等の水に溶解しない
ことが判る。
【0066】
【表2】
【0067】このように上記実施例1の構成は、ACP
粒子1を用いることによって、菌を吸着することができ
て抗菌性を従来より向上でき、かつ、抗菌性を有する銀
イオン2の溶出が回避され、また、抗菌性粒子7の水へ
の溶解も防止されるものである。また、銀イオン2の担
体としてのACP粒子1は、生体内物質であるから、極
めて安全性が高いものである。
粒子1を用いることによって、菌を吸着することができ
て抗菌性を従来より向上でき、かつ、抗菌性を有する銀
イオン2の溶出が回避され、また、抗菌性粒子7の水へ
の溶解も防止されるものである。また、銀イオン2の担
体としてのACP粒子1は、生体内物質であるから、極
めて安全性が高いものである。
【0068】また、上記構成は、造粒化によって、発泡
性樹脂内への均一な分散が容易であるため、混合したと
きの不均一な分散による抗菌効果の遍在化を防ぐことが
できる。このことから、より均一な抗菌性を発揮でき、
かつ、偏在化による抗菌性粒子7の凝集部分に起因する
美観の低下、上記凝集部分による汚れ等といった使用者
の誤認、かつ、上記凝集部分の物性の低下を防止でき
る。
性樹脂内への均一な分散が容易であるため、混合したと
きの不均一な分散による抗菌効果の遍在化を防ぐことが
できる。このことから、より均一な抗菌性を発揮でき、
かつ、偏在化による抗菌性粒子7の凝集部分に起因する
美観の低下、上記凝集部分による汚れ等といった使用者
の誤認、かつ、上記凝集部分の物性の低下を防止でき
る。
【0069】これらの結果、上記構成は、上記ACP粒
子1を用いることによって、高い安全性と半永久的に高
い抗菌性を維持することが可能となり、その上、軽量で
美観に優れているから、生鮮食品等の鮮度保持材、ドリ
ップを生じ易い魚箱、浴槽のマット等の雑菌やカビ等が
発生し易いものに好適に使用することが可能となる。
子1を用いることによって、高い安全性と半永久的に高
い抗菌性を維持することが可能となり、その上、軽量で
美観に優れているから、生鮮食品等の鮮度保持材、ドリ
ップを生じ易い魚箱、浴槽のマット等の雑菌やカビ等が
発生し易いものに好適に使用することが可能となる。
【0070】ところで、従来、雑菌やカビ等が発生し易
いものに使用される物として、例えば特開昭63-160657
号公報には、有機系抗菌剤としてN(フルオロジクロロ
メチルチオ)フタルイミドを含有する発泡体が開示さ
れ、特開平5-9344号公報には、他の有機系抗菌剤として
ジンク2−ピリジンチオール−1−オキサイド系の抗菌
剤をポリオレフィン系樹脂と高吸水性樹脂との混合系に
配合した樹脂組成物の発泡体が開示されている。
いものに使用される物として、例えば特開昭63-160657
号公報には、有機系抗菌剤としてN(フルオロジクロロ
メチルチオ)フタルイミドを含有する発泡体が開示さ
れ、特開平5-9344号公報には、他の有機系抗菌剤として
ジンク2−ピリジンチオール−1−オキサイド系の抗菌
剤をポリオレフィン系樹脂と高吸水性樹脂との混合系に
配合した樹脂組成物の発泡体が開示されている。
【0071】ところが、有機系抗菌剤を用いた場合に
は、一般に高温状態で揮発や劣化を起こしやすく抗菌効
果を失う恐れがあるため、樹脂との混練など加熱工程が
必要な加工には向かない。例えば、上記抗菌剤のうち、
ジンク2−ピリジンチオール−1−オキサイドの場合で
は、分解温度が 240℃であるため樹脂との混練において
分解することが容易に予想できる。
は、一般に高温状態で揮発や劣化を起こしやすく抗菌効
果を失う恐れがあるため、樹脂との混練など加熱工程が
必要な加工には向かない。例えば、上記抗菌剤のうち、
ジンク2−ピリジンチオール−1−オキサイドの場合で
は、分解温度が 240℃であるため樹脂との混練において
分解することが容易に予想できる。
【0072】それを避けるために、樹脂との混練を抗菌
剤が分解しないような低温で行うことが考えられるが、
その場合には、充分に混練するためにより多くの時間が
必要となり、生産効率を低下させる原因となる。
剤が分解しないような低温で行うことが考えられるが、
その場合には、充分に混練するためにより多くの時間が
必要となり、生産効率を低下させる原因となる。
【0073】その上、樹脂表面または内部に含有した場
合に、溶出および揮発により、その抗菌効果に持続性が
ないばかりでなく、安全性にも問題がある。最近では、
合成樹脂製品に混入された、抗菌防カビ剤として知られ
るチアベンダゾール(TBZ)が、製品として使用され
ている段階で、使い方により溶出して安全性に問題があ
ると報じられている(1993.6.30 付け、日本経済新聞夕
刊)。
合に、溶出および揮発により、その抗菌効果に持続性が
ないばかりでなく、安全性にも問題がある。最近では、
合成樹脂製品に混入された、抗菌防カビ剤として知られ
るチアベンダゾール(TBZ)が、製品として使用され
ている段階で、使い方により溶出して安全性に問題があ
ると報じられている(1993.6.30 付け、日本経済新聞夕
刊)。
【0074】しかしながら、上記実施例の構成は、AC
P粒子1を用いることによって、加熱温度1000℃程度ま
で耐えることができ、また、銀イオン2の溶出を防止で
き、その上、菌吸着能を有し、かつ、生体内物質である
ACPを用いることにより、高い安全性と半永久的に高
い抗菌性を維持することが可能となっている。
P粒子1を用いることによって、加熱温度1000℃程度ま
で耐えることができ、また、銀イオン2の溶出を防止で
き、その上、菌吸着能を有し、かつ、生体内物質である
ACPを用いることにより、高い安全性と半永久的に高
い抗菌性を維持することが可能となっている。
【0075】さらに、従来、抗菌性のゼオライトを含有
した発泡成形体が知られており、例えば、特開昭62-241
932 号公報では、殺菌作用を有する抗菌性粒子を合成樹
脂等に混合し発泡成形することにより、安全に長期間に
わたって抗菌性を有する樹脂発泡体が開示されている。
上記抗菌性粒子は、銀等の金属およびその金属塩をゼオ
ライトなどの生理的に不活性な無機担体に吸着担持させ
たものである。
した発泡成形体が知られており、例えば、特開昭62-241
932 号公報では、殺菌作用を有する抗菌性粒子を合成樹
脂等に混合し発泡成形することにより、安全に長期間に
わたって抗菌性を有する樹脂発泡体が開示されている。
上記抗菌性粒子は、銀等の金属およびその金属塩をゼオ
ライトなどの生理的に不活性な無機担体に吸着担持させ
たものである。
【0076】同様な抗菌性ゼオライトを含有した熱可塑
性樹脂発泡体としては、特開昭63-317538 号公報、特開
平1-306473号公報にそれぞれ開示されている。いずれも
抗菌性金属イオンを含有したゼオライトの耐熱性を有効
に利用し、上記ゼオライトと樹脂とを混練しても抗菌性
を有している。また、抗菌性金属を含有するゼオライト
は長期にわたって安定した抗菌効果を発揮するものであ
る。
性樹脂発泡体としては、特開昭63-317538 号公報、特開
平1-306473号公報にそれぞれ開示されている。いずれも
抗菌性金属イオンを含有したゼオライトの耐熱性を有効
に利用し、上記ゼオライトと樹脂とを混練しても抗菌性
を有している。また、抗菌性金属を含有するゼオライト
は長期にわたって安定した抗菌効果を発揮するものであ
る。
【0077】ところが、抗菌性金属イオンを含有する抗
菌性ゼオライトを抗菌剤として用いた場合、溶融した合
成樹脂に混練する際の加熱により、ゼオライト本体の相
変化などにより安定した抗菌性が得られないという問題
を有している。
菌性ゼオライトを抗菌剤として用いた場合、溶融した合
成樹脂に混練する際の加熱により、ゼオライト本体の相
変化などにより安定した抗菌性が得られないという問題
を有している。
【0078】また、ゼオライトは水分やCO2 ガス等の
極性分子を容易に吸着する性質を有するため、ゼオライ
トの含水量が多い時には樹脂混練および成形の際の加熱
により、蒸発水分による気泡が生じるために、均一な混
練が困難であり成形体の性状を損なうという問題があ
る。
極性分子を容易に吸着する性質を有するため、ゼオライ
トの含水量が多い時には樹脂混練および成形の際の加熱
により、蒸発水分による気泡が生じるために、均一な混
練が困難であり成形体の性状を損なうという問題があ
る。
【0079】それを防ぐためには、乾燥工程によりゼオ
ライトを充分脱水することが考えられるが、それには一
般に 250〜500 ℃の加熱または 150〜350 ℃の減圧加熱
脱水が必要であるため、上記の高分子発泡体の製造工程
において煩雑な工程を加えることになる。さらに脱水後
も、二次凝集を生じないよう十分に分散させる必要があ
る。
ライトを充分脱水することが考えられるが、それには一
般に 250〜500 ℃の加熱または 150〜350 ℃の減圧加熱
脱水が必要であるため、上記の高分子発泡体の製造工程
において煩雑な工程を加えることになる。さらに脱水後
も、二次凝集を生じないよう十分に分散させる必要があ
る。
【0080】さらに、ゼオライトはアルミン酸基を交換
基とするものであり、物理的に不安定で、CO2 ガスな
どを強く吸着することが認められている。一方、発泡体
は、発泡剤の添加で発生するガスにより発泡させるもの
であるから、これらのガス発生が妨害されず、均質に発
泡が行われなければならない。
基とするものであり、物理的に不安定で、CO2 ガスな
どを強く吸着することが認められている。一方、発泡体
は、発泡剤の添加で発生するガスにより発泡させるもの
であるから、これらのガス発生が妨害されず、均質に発
泡が行われなければならない。
【0081】したがって、発生ガスに作用する添加物の
使用は避けるべきである。このことから、発泡体にゼオ
ライトを使用すると、発泡剤の種類によっては、均質な
発泡体が得られにくい可能性があり、添加する抗菌性ゼ
オライトの添加量が制約される可能性がある。
使用は避けるべきである。このことから、発泡体にゼオ
ライトを使用すると、発泡剤の種類によっては、均質な
発泡体が得られにくい可能性があり、添加する抗菌性ゼ
オライトの添加量が制約される可能性がある。
【0082】しかしながら、上記実施例1の構成では、
発泡剤の添加による発生するガスの吸着能は認められな
いから、上記ゼオライトのようなガスの吸着に起因する
問題を回避できる。また、上記構成では、ACPを用い
ることによって、混練時の温度条件や発泡性樹脂の種
類、分散剤などの添加剤等に起因する変色や着色を回避
でき、変色や着色を防止するために上記温度条件等の各
要因を考慮する手間を省くことができる。
発泡剤の添加による発生するガスの吸着能は認められな
いから、上記ゼオライトのようなガスの吸着に起因する
問題を回避できる。また、上記構成では、ACPを用い
ることによって、混練時の温度条件や発泡性樹脂の種
類、分散剤などの添加剤等に起因する変色や着色を回避
でき、変色や着色を防止するために上記温度条件等の各
要因を考慮する手間を省くことができる。
【0083】さらに、有機系抗菌剤と抗菌性ゼオライト
とを含有する発泡成形体も知られており、例えば、特開
平5-32812 号公報には、防カビ剤として有機系物質であ
るメチルベンズイミダゾール−2−イルカルバメート
を、抗菌剤としては無機系物質である銀イオンおよび亜
鉛イオンが担持されたゼオライトをそれぞれ使用した防
カビ・抗菌性ポリオレフィン発泡体とその製造方法が開
示されている。ところが、上記防カビ・抗菌性ポリオレ
フィン発泡体についても、前記の有機系抗菌剤や抗菌性
ゼオライトを用いた構成と同様な欠点を有したものとな
っている。
とを含有する発泡成形体も知られており、例えば、特開
平5-32812 号公報には、防カビ剤として有機系物質であ
るメチルベンズイミダゾール−2−イルカルバメート
を、抗菌剤としては無機系物質である銀イオンおよび亜
鉛イオンが担持されたゼオライトをそれぞれ使用した防
カビ・抗菌性ポリオレフィン発泡体とその製造方法が開
示されている。ところが、上記防カビ・抗菌性ポリオレ
フィン発泡体についても、前記の有機系抗菌剤や抗菌性
ゼオライトを用いた構成と同様な欠点を有したものとな
っている。
【0084】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の抗菌性ビーズ発
泡成形体は、抗菌性金属イオンを吸着した非晶質リン酸
カルシウム粒子からなる抗菌性粒子が含有されている構
成である。
泡成形体は、抗菌性金属イオンを吸着した非晶質リン酸
カルシウム粒子からなる抗菌性粒子が含有されている構
成である。
【0085】それゆえ、上記構成は、菌吸着能を有し、
かつ、生体内物質である非晶質リン酸カルシウム粒子を
用いることによって、高い安全性と半永久的に高い抗菌
性を維持できることから、生鮮食品等の食品等の鮮度保
持材や、ドリップを生じ易い魚箱等に好適に使用するこ
とができるという効果を奏する。
かつ、生体内物質である非晶質リン酸カルシウム粒子を
用いることによって、高い安全性と半永久的に高い抗菌
性を維持できることから、生鮮食品等の食品等の鮮度保
持材や、ドリップを生じ易い魚箱等に好適に使用するこ
とができるという効果を奏する。
【0086】また、上記構成は、非晶質リン酸カルシウ
ム粒子を用いることによって、例えば樹脂との混練およ
び発泡時の加熱による抗菌性の低下や、得られた発泡成
形体の変色および着色の発生を回避できるため、得られ
た抗菌性ビーズ発泡成形体に対する着色印刷等の加工が
容易となるという効果も奏する。
ム粒子を用いることによって、例えば樹脂との混練およ
び発泡時の加熱による抗菌性の低下や、得られた発泡成
形体の変色および着色の発生を回避できるため、得られ
た抗菌性ビーズ発泡成形体に対する着色印刷等の加工が
容易となるという効果も奏する。
【0087】本発明の請求項2記載の抗菌性ビーズ発泡
成形体は、抗菌性金属イオンと、非晶質リン酸カルシウ
ム粒子を含むスラリーとを混合し、造粒化した抗菌性粒
子が含有されている構成である。
成形体は、抗菌性金属イオンと、非晶質リン酸カルシウ
ム粒子を含むスラリーとを混合し、造粒化した抗菌性粒
子が含有されている構成である。
【0088】それゆえ、上記構成は、さらに、造粒化し
た抗菌性粒子を用いることにより均一な分散が容易であ
るため、例えば、樹脂に混練したときに、不均一な分散
による抗菌効果の遍在化や、抗菌性粒子の凝集部分の美
観並びに物性の低下を防ぐことができる。
た抗菌性粒子を用いることにより均一な分散が容易であ
るため、例えば、樹脂に混練したときに、不均一な分散
による抗菌効果の遍在化や、抗菌性粒子の凝集部分の美
観並びに物性の低下を防ぐことができる。
【0089】これにより、上記構成は、さらに、凝集部
分が汚れ等の付着と使用者により誤認され易い生鮮食品
等の食品等の鮮度保持材や、ドリップを生じ易い魚箱等
に好適に使用することができるという効果を奏する。
分が汚れ等の付着と使用者により誤認され易い生鮮食品
等の食品等の鮮度保持材や、ドリップを生じ易い魚箱等
に好適に使用することができるという効果を奏する。
【図1】本発明の抗菌性ビーズ発泡成形体に用いた抗菌
性粒子の作製に用いるスプレードライヤーの概略構成図
である。
性粒子の作製に用いるスプレードライヤーの概略構成図
である。
1 ACP粒子(非晶質リン酸カルシウム粒子) 2 銀イオン(抗菌性金属イオン) 7 抗菌性粒子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 23/00 KEC 25/00 KFV 33/04 LHU // C08L 25:00
Claims (2)
- 【請求項1】抗菌性金属イオンを吸着した非晶質リン酸
カルシウム粒子からなる抗菌性粒子が含有されているこ
とを特徴とする抗菌性ビーズ発泡成形体。 - 【請求項2】抗菌性金属イオンと、非晶質リン酸カルシ
ウム粒子を含むスラリーとを混合し、造粒化した抗菌性
粒子が含有されていることを特徴とする抗菌性ビーズ発
泡成形体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31495993A JPH07165971A (ja) | 1993-12-15 | 1993-12-15 | 抗菌性ビーズ発泡成形体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31495993A JPH07165971A (ja) | 1993-12-15 | 1993-12-15 | 抗菌性ビーズ発泡成形体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07165971A true JPH07165971A (ja) | 1995-06-27 |
Family
ID=18059731
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31495993A Pending JPH07165971A (ja) | 1993-12-15 | 1993-12-15 | 抗菌性ビーズ発泡成形体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07165971A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005162970A (ja) * | 2003-12-05 | 2005-06-23 | Maruo Calcium Co Ltd | 発泡樹脂成形体 |
JP2014084338A (ja) * | 2012-10-19 | 2014-05-12 | Sekisui Plastics Co Ltd | 発泡性樹脂粒子、予備発泡粒子、発泡成形体、及び、発泡性樹脂粒子の製造方法 |
CN109021360A (zh) * | 2018-08-01 | 2018-12-18 | 福州市长乐区三互信息科技有限公司 | 一种抗菌汽车坐垫及其制备方法 |
-
1993
- 1993-12-15 JP JP31495993A patent/JPH07165971A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005162970A (ja) * | 2003-12-05 | 2005-06-23 | Maruo Calcium Co Ltd | 発泡樹脂成形体 |
JP4587198B2 (ja) * | 2003-12-05 | 2010-11-24 | 丸尾カルシウム株式会社 | 発泡樹脂成形体 |
JP2014084338A (ja) * | 2012-10-19 | 2014-05-12 | Sekisui Plastics Co Ltd | 発泡性樹脂粒子、予備発泡粒子、発泡成形体、及び、発泡性樹脂粒子の製造方法 |
CN109021360A (zh) * | 2018-08-01 | 2018-12-18 | 福州市长乐区三互信息科技有限公司 | 一种抗菌汽车坐垫及其制备方法 |
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