JP3540884B2 - 膜構造材の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は巨大建築物の屋根材等に使用されるガラス繊維等を構成材料とする繊維布を基材とする膜構造材の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、体育館、競技場及び多目的ホール等の巨大建築物の屋根材として、例えばガラス繊維(ガラスクロス)等からなる繊維布を基材としこれをフッ素樹脂層で被覆してなる膜構造材が使用されている。この膜構造材は、不燃で機械的強度が高く、しかも、軽量かつ柔軟性に富むという利点を有しており、建築材料としての規模を拡大してきた。
【0003】
しかし、この膜構造材は大気中のばい煙、ほこり、細砂等の物質が膜表面に付着して外観が汚れるという問題を抱えている。この原因として、フッ素樹脂非粘着性を有し、離型性に優れるが、有機物をバインダーとするゴミ等の付着を防止できず、かつ撥水性を有するために水洗い効率が悪いということにある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このため前記膜構造材の表面を清浄化するための種々のクリーニング方法も検討されてきたが、膜構造材が大面積で、高所といった場所に配置されることが多いものであることから、クリーニングには大がかりな人件費と材料が必要であるばかりでなく危険性を伴うため、クリーニングを必要としない、すなわち、表面汚染が生じにくい膜構造材の開発が強く要望されている。
【0005】
本発明は前記課題に鑑みてなされたものであり、表面汚染が生じにくい膜構造材の製造方法を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の膜構造材の製造方法は、ガラス繊維、金属繊維、及び鉱物繊維から選ばれる少くとも1つを構成材料とする繊維布とフッ素樹脂とを主材とし、少なくとも一方の最外表面層に光触媒酸化チタン微粒子を含むフッ素樹脂層を配置した膜構造材の製造方法であって、前記最外表面層は、前記光触媒酸化チタン微粒子とポリテトラフルオロエチレン粉を含有する液状物の塗膜で被覆し、この塗膜を前記ポリテトラフルオロエチレンの融点以上の温度で焼成し、前記光触媒酸化チタン微粒子を露出させて形成したことを特徴とする。このような構成にしたことにより膜構造材表面が汚染しにくくなり、かつ、膜構造材表面に微量の汚れが生じたとしても光触媒酸化チタン微粒子の光分解触媒反応によって微量の汚れは分解または洗浄される。
【0007】
本発明の別の製造方法は、ガラス繊維、金属繊維、及び鉱物繊維から選ばれる少なくとも1つを構成材料とする繊維布の表面をガラスビーズとフッ素樹脂粉を含有する第1の液状物の塗膜で被覆し、この塗膜を前記フッ素樹脂粉の融点以上の温度で焼成してガラスビーズが分散したフッ素樹脂層を形成し、さらに少なくとも一方の最外表面層に光触媒酸化チタン微粒子を含むフッ素樹脂層を配置した膜構造材の製造方法であって、前記最外表面層は、前記光触媒酸化チタン微粒子とポリテトラフルオロエチレン粉を含有する液状物の塗膜で被覆し、この塗膜を前記ポリテトラフルオロエチレンの融点以上の温度で焼成し、前記光触媒酸化チタン微粒子を露出させて形成したことを特徴とする
【0008】
本発明の製造方法においては、光触媒酸化チタン微粒子を含むフッ素樹脂層が非多孔性であるのが好ましい。このような構成にしたことにより、膜構造材表面の耐汚染性が一層向上し、しかも、膜構造材の強度も向上する。ここで、「非多孔性」とは、層内に孔が実質的に存在せず(孔が存在したとしても層全体での気孔率が1%以下の極微量)、層を構成する材料(光触媒酸化チタン微粒子、フッ素樹脂)が緻密に詰まった状態であって、ばい煙、ほこり、細砂等の空気中の浮遊物と層表面との接触面積をできる限り小さくした状態である。
【0009】
また本発明の製造方法においては、光触媒酸化チタン微粒子を含むフッ素樹脂層の前記光触媒酸化チタン微粒子が層表面から露出している。このような構成にすることにより、層表面にて光触媒酸化チタン微粒子の光分解触媒反応が積極的に起こり、汚れの分解または洗浄が効率良く行われる。
【0010】
また本発明の別の製造方法においては、光触媒酸化チタン微粒子を含むフッ素樹脂層の下にガラスビーズを含有するフッ素樹脂層が形成されている。このような構成にしたことにより、膜構造材の光透過性を向上させることができる。
【0011】
本発明の膜構造材の製造方法は、耐表面汚染性に優れた膜構造材を合理的に製造することができる。また、光触媒酸化チタン微粒子を露出させたフッ素樹脂層を非多孔性の樹脂層に形成することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の膜構造材はガラス繊維、金属繊維、及び鉱物繊維から選ばれる少なくとも1つを構成材料とする繊維布を基材とするが、この繊維布としては市販されているものを使用することができる。金属繊維の具体例としてはステンレス、チタン合金等の繊維を挙げることができ、鉱物繊維の具体例としてはアスベストを挙げることができる。取り扱いが容易である点及び軽量である点等から、ガラス繊維からなる繊維布(ガラスクロス)を用いるのが一般的である。
【0013】
膜構造材の強度及び耐水性を向上させる観点からは、繊維布の繊維間に撥水性物質を(含浸)充填するのが好ましい。この撥水性物質としては、シリコーンオイル、シリコーン樹脂、ステアリン酸等の飽和炭化水素部分のある化合物、フッ素樹脂等を挙げることができ、このうちシリコーンオイルまたはシリコーン樹脂を用いるのが好ましい。市販されているガラス繊維布(ガラスクロス)は、通常コーンスターチ等のサイジング剤が付着しており、このサイジング剤が撥水性物質の含浸を疎外するため、繊維布の繊維間に撥水性物質を(含浸)充填させるに先立ち、ガラス繊維布を約350℃以上の温度に曝してサイジング剤を揮散除去するのが好ましい。
【0014】
光触媒酸化チタン微粒子を露出させたフッ素樹脂層に使用される光触媒酸化チタン微粒子としては、アナターゼ型、ルチル型、含水型等の各種光触媒酸化チタン微粒子を挙げることができるが、光活性の点からアナターゼ型光触媒酸化チタン微粒子を使用するのが好ましい。また、光触媒酸化チタン微粒子の平均粒子径は0.007〜0.5μmの範囲にあるのが好ましい。これは、光触媒酸化チタン微粒子の平均粒子径が0.007μmより小さくなると、微粒子をフッ素樹脂層表面に充分に露出させることが困難になる傾向を示し、0.5μmより大きくなると比表面積が小さくなることにより光触媒効果が減少する傾向を示すためでる。また、フッ素樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ポリビニルフルオライド(PVF)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(PETFE)等があるが、本発明では最外表面層にPTFEを使用する。光触媒酸化チタン微粒子を露出させたフッ素樹脂層の形成は、例えば撥水性樹脂層表面に光触媒酸化チタン微粒子とフッ素樹脂粉を含有する液状物(エマルジョン、ディスパージョン)の塗膜を形成し、この塗膜をフッ素樹脂粉の融点以上の温度で加熱して焼成することにより行われる。光触媒酸化チタン微粒子とフッ素樹脂の配合量は、光触媒酸化チタン微粒子の層表面への露出や下層の撥水性樹脂層への密着性の点から、重量比(光触媒酸化チタン微粒子:フッ素樹脂)で一般に1:9〜6:4、好ましくは3:7〜5:5にするのがよい。この範囲を越えて光触媒酸化チタン微粒子の配合量が多くなると下層の撥水性樹脂層への密着性が低下する傾向を示し、少なくなると光触媒酸化チタン微粒子を層表面に充分に露出させることが困難になる傾向を示す。
【0015】
図1は本発明の好適な実施形態を示す膜構造材の断面図であり、図において、1は基材としてのガラス繊維布、2はシリコーン樹脂層、3はPTFE層、4はガラスビーズを含有するPTFE層、5は光触媒酸化チタン微粒子を露出させたフッ素樹脂層である。以下、この膜構造材の構成及び製造工程を詳しく説明する。
【0016】
ガラス繊維布1は加熱処理によりサイジング剤が揮散除去されたもので、通常厚みが0.3〜0.8mmであり、この表面にシリコーン樹脂層2が薄層状に形成されている。シリコーン樹脂の量が少な過ぎると膜構造材の柔軟性が低下する傾向となり、多すぎるとPTFE層3との密着性が低下する傾向となるため、シリコーン樹脂の付着量は1〜10g/m2、好ましくは4〜6g/m2である。このシリコーン樹脂層2は、例えばガラス繊維布1をシリコーン樹脂を含有するエマルジョン中に浸漬して引き上げ、これを加熱することにより、シリコーン樹脂がガラス繊維布に含浸すると同時に、ガラス繊維布の表面に薄層状に付着することにより形成される。
【0017】
PTFE層3は通常その付着量が約100〜500g/m2であり、これは例えばシリコーン樹脂層2表面にPTFE粉末(粒径0.1〜0.4μm)を30〜60重量%含有するディスパージョンを塗布し、得られた塗膜を乾燥、焼成する工程を繰り返し行うことにより形成される。
【0018】
ガラスビーズを含有するPTFE層4は膜構造材の光透過性を向上させるため層で、通常その付着量が約100〜500g/m2である。これは例えばPTFE層3表面に前記したPTFE粉末(粒径0.1〜0.4μm)を30〜60重量%含有するディスパージョンに更にガラスビーズを混合分散したものを塗布し、得られた塗膜を乾燥、焼成する工程を繰り返し行うことにより形成される。ここで、ガラスビーズは中空または中身の詰まったもののいずれでもよく、その粒径は通常1〜100μmであり、また、配合量はPTFEの固形分に対して1〜10重量%、好ましくは3〜5重量%である。
【0019】
光触媒酸化チタン微粒子を露出させたフッ素樹脂層5は、通常その付着量が約1〜50g/m2、好ましくは10〜30g/m2であり、これはガラスビーズを含むPTFE層4表面に、前記したPTFE粉末(粒径0.1〜0.4μm)を30〜60重量%含有するディスパージョンに更に光触媒酸化チタン微粒子を混合分散したものを塗布し、得られた塗膜を乾燥、焼成する工程を繰り返し行うことにより形成される。ここで焼成温度をPTFEの融点(327℃)よりも高い温度にすると、PTFE粉末及び光触媒酸化チタン微粒子の各粉(粒子)間の空隙が充分に埋め尽くされるようにPTFE粉末が溶融する過程を経て塗膜が焼成されることとなり、得られる層は孔が殆どなく、樹脂成分と光触媒酸化チタン微粒子が緻密に詰まったものとなる。
【0020】
このような構成の膜構造材は、表面に太陽光が当たると光触媒酸化チタンの光分解触媒反応による強い酸化力によって、表面に付着した有機物からなる汚染物質が分解され脱色されるだけでなく、有機物を含むバインダーを失った無機物からなる汚染物質が容易に洗い流されるため、半永久的にきれいな外観が保たれる。また、図1では膜構造材の両側の表面層を光触媒酸化チタン微粒子を露出させたフッ素樹脂層にしたが、膜構造材の片側の表面の耐汚染性だけを向上させる場合には、片側の表面層だけを光触媒酸化チタン微粒子を露出させたフッ素樹脂層にしてもよい。
【0021】
【実施例】
(実施例1)
厚み0.5mmのガラス繊維布(米国ケミカルファブリック社製、商品名ガラスクロス#153)を370℃にて150秒間加熱し、サイジング剤及び異物の除去をした。この繊維布をシリコーン樹脂濃度3重量%のエマルジョン(ダウコーニング社製、商品名ET−4327)中に浸漬して引き上げ、290℃で150秒間加熱し、該繊維布にシリコーン樹脂を含浸させるとともにその表面にシリコーン樹脂層を形成した。なお、この時、シリコーン樹脂の繊維布に対する付着量は5g/m2にした。
【0022】
次に、PTFE粉末濃度40重量%のディスパージョン(三井デュポンフロロケミカル社製、商品名TE−3313J)をシリコーン樹脂層上に塗布し、370℃で3時間加熱した。更に、ディスパージョンの塗布及び加熱をもう一度繰り返し、PTFEの付着量350g/m2のPTFE層を形成した。
【0023】
その後、PTFE粉末100重量部に対してガラスビーズ(球径10〜15μm)3重量部を含むディスパージョン(三井デュポンフロロケミカル社製、商品名TE−3481J)をPTFE層上に塗布し、370℃で3分間加熱した。この塗布及び加熱を更に2回繰り返し、付着量390g/m2のガラスビーズを含むPTFE層を形成した。
【0024】
次に、PTFE粉末及びアナターゼ型光触媒酸化チタン微粒子を含むディスパージョンをガラスビーズを含むPTFE層上に塗布し、370℃で3分間加熱した。この塗布及び加熱をもう一度繰り返し、表面に付着量20g/m2の光触媒酸化チタン微粒子を含むPTFE層をもつ目的の膜構造材を得た。
【0025】
上記酸化チタンを含むPTFE層形成用のディスパージョンはPTFE粉末濃度60重量%のディスパージョン(三井デュポンフロロケミカル社製、商品名TE−3313J)100重量部中にアナターゼ型光触媒酸化チタン微粒子(石原産業社製、商品名ST−41)40重量部及び蒸留水40重量部を攪拌しながら分散せしめ、さらに全重量に対して1重量%のシリコーン系界面活性剤(日本ユニカー社製、商品名L−77)を攪拌しながら加えることによって調整した。なお、この光触媒酸化チタン微粒子を含むPTFE層の光触媒酸化チタン微粒子とPTFE粉末との重量比(光触媒酸化チタン微粒子:PTFE粉末)は4:6であった。
【0026】
このようにして得られた膜構造材の最外層の表面を走査式電子顕微鏡で観察すると、光触媒酸化チタン微粒子が表面に露出した孔のない緻密な膜構造をしており、この膜構造を屋外にて3か月暴露試験を行ったところ、表面には汚染が認めらず、島津製作所製の分光分析装置UV−240を用いて光波長555nmにおける表面の反射率を測定したところ88%で良好であった。
【0027】
(実施例2)
光触媒酸化チタン微粒子の配合量を6.7重量部とした以外は実施例1と同様にして膜構造材を得た。なお、この光触媒酸化チタン微粒子を含むPTFE層の光触媒酸化チタン微粒子とPTFE粉末との重量比(光触媒酸化チタン微粒子:PTFE粉末)は1:9であった。このようにして得られた膜構造材を屋外にて3か月暴露試験を行ったところ、表面には汚染がやや認められたが、表面の反射率は75%で良好であった。
【0028】
(実施例3)
光触媒酸化チタン微粒子の配合量を90重量部とした以外は実施例1と同様にして膜構造材を得た。なお、この光触媒酸化チタン微粒子を含むPTFE層の光触媒酸化チタン微粒子とPTFE粉末との重量比(光触媒酸化チタン微粒子:PTFE粉末)は6:4であった。このようにして得られた膜構造材は酸化チタン微粒子が少し脱落しやすい表面であったが、屋外にて3か月暴露試験を行ったところ、表面には汚染が認めらず、表面の反射率は87%で良好であった。
【0029】
(実施例4)
光触媒酸化チタン微粒子の配合量を3.2重量部とした以外は実施例1と同様にして膜構造材を得た。なお、この光触媒酸化チタン微粒子を含むPTFE層の光触媒酸化チタン微粒子とPTFE粉末との重量比(光触媒酸化チタン微粒子:PTFE粉末)は0.5:9.5であった。このようにして得られた膜構造材を屋外にて3か月暴露試験を行ったところ、表面には汚染が認めらたが、表面の反射率は50%であった。
【0030】
(実施例5)
光触媒酸化チタン微粒子の配合量を140重量部とした以外は実施例1と同様にして膜構造材を得た。なお、この光触媒酸化チタン微粒子を含むPTFE層の光触媒酸化チタン微粒子とPTFE粉末との重量比(光触媒酸化チタン微粒子:PTFE粉末)は7:3であった。このようにして得られた膜構造材は酸化チタン微粒子がかなり脱落しやすい表面であったが、屋外にて3か月暴露試験を行ったところ、表面には汚染が認めらず、表面の反射率は88%で良好であった。
【0031】
(比較例1)
実施例1の光触媒酸化チタン微粒子を含むPTFE層の代わりにFEP層を設けた以外は実施例と同様に膜構造材を得た。
FEP層はガラスビーズを含むPTFE上にFEP粉末濃度40重量%のディスパージョン(三井デュポンフロロケミカル社製、商品名TE−9503J)を塗布し、350℃で2分間加熱し、この塗布及び加熱をもう一度繰り返して、FEPの付着量50g/m2となるようにして設けた。
このようにして得られた膜構造材を屋外にて3か月暴露試験を行ったところ、表面には汚染が顕著に認められ、表面の反射率は45%であった。
これらの結果を以下の表1に示す。なお、表中の密着性は光触媒酸化チタン微粒子を含むPTFE層のガラスビーズを含むPTFE層への密着性である。
【0032】
【表1】
Figure 0003540884
【0033】
本実施例及び比較例により、膜構造材の最外層に光触媒酸化チタン微粒子を露出させたフッ素樹脂層を形成することにより、膜構造材表面の耐汚染性を大きく向上させることを確認できた。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の製造方法で得られた膜構造材は、柔軟性、耐候性及び機械的強度に優れるだけでなく、耐表面汚染性に優れ、長期間きれいな外観を保つことができる。また、本発明の膜構造材の製造方法によれば、ガラス繊維、金属繊維、及び鉱物繊維から選ばれる少くとも1つを構成材料とする繊維布の表面を光触媒酸化チタン微粒子とポリテトラフルオロエチレン粉を含有する液状物の塗膜で被覆し、この塗膜を前記ポリテトラフルオロエチレンの融点以上の温度で焼成して光触媒酸化チタン微粒子を含むポリテトラフルオロエチレン層を形成することにより、優れた諸特性を有する膜構造材を合理的に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な実施形態を示す膜構造材の概念断面図である。
【符号の説明】
1 ガラス繊維布
2 シリコーン樹脂層
3 PTFE層
4 ガラスビーズを含むPTFE層
5 光触媒酸化チタン微粒子を含むPTFE層

Claims (6)

  1. ガラス繊維、金属繊維、及び鉱物繊維から選ばれる少くとも1つを構成材料とする繊維布とフッ素樹脂とを主材とし、少なくとも一方の最外表面層に光触媒酸化チタン微粒子を含むフッ素樹脂層を配置した膜構造材の製造方法であって、
    前記最外表面層は、前記光触媒酸化チタン微粒子とポリテトラフルオロエチレン粉を含有する液状物の塗膜で被覆し、この塗膜を前記ポリテトラフルオロエチレンの融点以上の温度で焼成し、前記光触媒酸化チタン微粒子を露出させて形成したことを特徴とする膜構造材の製造方法。
  2. ガラス繊維、金属繊維、及び鉱物繊維から選ばれる少なくとも1つを構成材料とする繊維布の表面をガラスビーズとフッ素樹脂粉を含有する第1の液状物の塗膜で被覆し、この塗膜を前記フッ素樹脂粉の融点以上の温度で焼成してガラスビーズが分散したフッ素樹脂層を形成し、さらに少なくとも一方の最外表面層に光触媒酸化チタン微粒子を含むフッ素樹脂層を配置した膜構造材の製造方法であって、
    前記最外表面層は、前記光触媒酸化チタン微粒子とポリテトラフルオロエチレン粉を含有する液状物の塗膜で被覆し、この塗膜を前記ポリテトラフルオロエチレンの融点以上の温度で焼成し、前記光触媒酸化チタン微粒子を露出させて形成したことを特徴とする膜構造材の製造方法。
  3. 前記光触媒酸化チタン微粒子を含むポリテトラフルオロエチレン層が非多孔性である請求項1又は2に記載の膜構造材の製造方法
  4. 前記最外表面層における光触媒酸化チタン微粒子とポリテトラフルオロエチレンとの配合比(重量比)が光触媒酸化チタン微粒子:ポリテトラフルオロエチレンで1:9〜6:4の範囲にある請求項1又は2に記載の膜構造材の製造方法
  5. 前記光触媒酸化チタン微粒子の粒径が0.007〜0.5μmである請求項1又は2に記載の膜構造材の製造方法
  6. 前記光触媒酸化チタン微粒子がアナターゼ型酸化チタン微粒子である請求項1又は2に記載の膜構造材の製造方法
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