JP3540811B2 - 調光器 - Google Patents

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  • Circuit Arrangement For Electric Light Sources In General (AREA)
  • Rotary Switch, Piano Key Switch, And Lever Switch (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、照明負荷の発光レベルを調節することができる調光器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、照明負荷への供給電力を制御して照明負荷の発光レベルを調節するようにした調光器が提供されている。この種の調光器では、所望の調光レベルが得られるように操作する調光操作手段が設けられている。調光操作手段は、調光レベルの増加と減少とを指示できるように構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した構成の調光器では、停電などが発生した場合に停電以前の調光レベルを記憶する手段を備えていなかったから、停電から復旧したときには、あらかじめ設定された初期状態に設定されるようになっていた。その結果、停電から復旧したときに、停電前の調光レベルに設定しようとすれば、調光操作手段を操作する必要があり使い勝手が悪いという問題があった。
【0004】
本発明は上記問題点の解決を目的とするものであり、停電などによる給電の停止状態からの復旧時に、給電停止前の調光レベルで復旧できるようにした調光器を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の構成は、
照明負荷への供給電力を制御する電力制御手段と、照明負荷の調光レベルを電力制御手段に対して指示する調光レベル設定手段と、調光レベル設定手段に所望の調光レベルを入力する調光操作手段と、照明負荷のオン・オフを指示するオン・オフスイッチと、調光レベル設定手段で設定した調光レベルを調光操作手段の操作終了毎に記憶する記憶手段と、調光操作手段とオン・オフスイッチとを備えた子器を接続できる端子とを1つのケースに備え、調光操作手段は、調光レベルを増大させるアップスイッチと、調光レベルを減少させるダウンスイッチとからなり、アップスイッチ、ダウンスイッチ、オン・オフスイッチは、それぞれ操作子がケースの外面に突出する押釦スイッチと、平板状に形成され裏面が押釦スイッチの操作子に当接するとともに操作子の進退方向に揺動するようにケースの外面に枢着されたハンドルとにより構成され、記憶手段は書換可能な不揮発性のメモリよりなり、調光レベル設定手段は、通電開始直後には記憶手段に格納されている調光レベルに基づいて電力制御手段に調光レベルを指示するのである。
【0006】
(作用)
請求項1の構成によれば、調光レベル設定手段で設定した調光レベルを調光操作手段の操作終了毎に記憶する書換可能な不揮発性のメモリよりなる記憶手段を設け、調光レベル設定手段では、通電開始直後には記憶手段に格納されている調光レベルに基づいて電力制御手段に調光レベルを指示するようにしているので、停電などで給電が停止しても、その時点で記憶手段への書込処理などを行うことなくそれまでの調光レベルを記憶手段に保持しておくことができ、給電が再開されたときには、記憶手段に格納された給電停止前の調光レベルで照明負荷を点灯させることができるのであって、調光レベルの復旧に手間がかからないのである。
【0007】
また、調光操作手段として、調光レベルを増大させるアップスイッチと、調光レベルを減少させるダウンスイッチとを設け、アップスイッチ、ダウンスイッチ、オン・オフスイッチを、それぞれ押釦スイッチと、押釦スイッチの操作子を操作できるようにケースの外面に枢着したハンドルとにより構成しているので、調光レベルの増大、減少を独立したハンドルで操作できるとともに、照明負荷をオン・オフさせるハンドルが調光レベルを調節するハンドルとは別個に設けられていることによって、操作の意味がわかりやすくなって使い勝手が向上するのである。
【0008】
しかも、調光操作手段とオン・オフスイッチとを備えた子器を接続できる端子を設けているので、子器を増設するだけで、多箇所から照明負荷を操作できるのである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本実施例では調光器が、第1図に示す親器1であるものとし、親器1には、白熱電球よりなる照明負荷Lが接続されるとともに、2線よりなる信号線1を介して子器2が接続されて調光システムが構成され、親器1と子器2とのいずれかの操作部を操作することによって、照明負荷Lのオン・オフおよび調光がなされるようにしてある。すなわち、子器2が親器1である調光器に対する外部操作器として機能するのである。
【0010】
親器1は、第2図のような構成を有している。すなわち、親器1の外部に接続される照明負荷Lに対してノイズフィルタNFを介して直列接続される電力制御手段としてのトライアックQを備え、照明負荷LとトライアックQとの直列回路が、商用電源ACの両端に接続される。このトライアックQのゲートに調光信号を与えて位相制御することにより、照明負荷Lへの供給電力が調節されて調光がなされる。調光信号は、マイクロプロセッサを備えた集積回路である制御回路11で作成され、フォトカプラPCでアイソレーションを行うように構成されたドライブ回路12を介してトライアックQのゲートに入力される。すなわち、制御回路11が調光レベル設定手段として機能するのである。
【0011】
制御回路11は、商用電源ACのゼロクロス点で発生するゼロクロス信号によって商用電源ACと同期するように動作する。ゼロクロス信号は、商用電源ACをブリッジ整流回路BRで全波整流し、ゼロクロス検出回路13を通すことによって得られる。また、制御回路11では、外付された水晶振動子Xにより内部の基準クロック信号が得られるようになっている。
【0012】
ブリッジ整流回路BRの出力は、ゼロクロス信号に同期したスイッチング信号によってオン・オフ制御されるスイッチ回路14に入力される。スイッチング信号は、第3図(b)のように、ゼロクロス信号(第3図(a))の立ち下がりから所定期間T1は“L"になり、この期間T1にはスイッチ回路14はオンになる。その後、次のゼロクロス信号の立ち下がりまでスイッチ回路14はオフになる。また、トライアックQに対して調光信号を発生できる範囲は、スイッチ回路14がオフになってから次のゼロクロス信号が立ち上がる前の所定期間T2に設定されている。第3図(c)に調光信号の一例を示す。スイッチ回路14の出力は、親器用電源回路15と子器用電源回路16とによりそれぞれ安定化される。すなわち、スイッチ回路14がオンの期間にのみ、親器用電源回路15と子器用電源回路16とに給電するようにし、トライアックQをオンにできる期間とずれるようにしているのである。
【0013】
親器用電源回路15は、高電圧電源部15aと、高電圧電源部15aの出力電圧をさらに降圧する低電圧電源部15bとで構成される。低電圧電源部15bは、制御回路11および後述する記憶回路17や判別回路20に給電する。また、低電圧電源部15bの出力は、電源投入時に制御回路11へのリセット信号を発生するリセット回路18にも入力される。
【0014】
ところで、制御回路11には、それぞれ押釦スイッチであるオン・オフスイッチSW1、アップスイッチSW2、ダウンスイッチSW3が接続されている。アップスイッチSW2およびダウンスイッチSW3は、調光操作手段となる。制御回路11は、オン・オフスイッチSW1がオンにされる(すなわち、押される)たびに、トライアックQを導通可能状態と非導通状態とに交互に切り換えるようにドライブ回路12に対して調光信号を発生する。また、制御回路11からは導通可能状態と非導通状態とを示すオン・オフ信号が出力されて表示灯駆動回路19に入力されており、導通可能状態が選択されると赤色の発光ダイオードよりなるオン表示灯LD1が点灯し、非導通状態が選択されると緑色の発光ダイオードよりなるオフ表示灯LD2が点灯するようになっている。
【0015】
さらに、導通可能状態が選択されているときには、アップスイッチSW2とダウンスイッチSW3とにより選択された導通角でトライアックQがオンになるように調光信号を発生する。すなわち、制御回路11では、アップスイッチSW2をオンにすれば、照明負荷Lへの供給電力を増加させるようにトライアックQの導通角を所定量だけ大きくし(つまり、トライアックQがオンになってから次のゼロクロス点までの時間を長くし)、ダウンスイッチSW3をオンにすれば、照明負荷Lへの供給電力を減少させるようにトライアックQの導通角を所定量だけ小さくする。また、制御回路11では、アップスイッチSW2やダウンスイッチSW3を所定時間(たとえば、200m秒)以上連続してオンにし続けると連続的に導通角を変化させるようになっている。制御回路11には、EEPROMよりなる記憶手段としての記憶回路17が接続されており、オン・オフスイッチSW1、アップスイッチSW2、ダウンスイッチSW3のいずれかがオンにされた後オフにされた時点で、制御回路11に設定されているオン・オフの状態と導通角とが記憶回路17に書き込まれるようになっている。なお、記憶回路17にはデータをシリアルに伝送するものを用いている。記憶回路17に書き込まれたデータは、電源がオフになってからも保持され、次に電源がオンになったときにはこのデータが利用されるようになっている。ここにおいて、記憶回路17としては、書換可能な不揮発性のメモリであれば、EEPROM以外のものを用いてもよい。
【0016】
制御回路11について以上の動作をまとめると第4図のようになる。すなわち、電源がオンになるとリセット回路18からのリセット信号によって初期化される。初期化の際には記憶回路17に書き込まれているデータが読み出され、制御回路11におけるオン・オフ状態や導通角の初期値として利用される。したがって、施工直後には工場出荷時に設定されたデータが用いられ、停電復帰時には停電前のデータを用いることができるのである。初期化後、ゼロクロス検出回路13からゼロクロス信号を受けると、ゼロクロス信号の立ち下がりからスイッチ回路14を所定時間だけオンにする。次に、オン・オフスイッチSW1、アップスイッチSW2、ダウンスイッチSW3の入力状態を検出して、導通角の変更があれば変更を行う。また、表示灯駆動回路19にオン・オフ信号を出力してオン・オフの状態を表示灯LD1,LD2によって表示する。さらに、オン・オフの状態や導通角に変更があった場合には、記憶回路17へのデータの書き込みを行う。これらの処理が完了した後、スイッチ回路14をオフにし、設定された導通角に基づいて調光信号を出力する。上述した処理のうち初期化を除く処理はゼロクロス信号が出力されるたびに繰り返される。
【0017】
ところで、上述したように親器1には信号線lを介して子器2が接続可能であって、子器2を操作することによっても照明負荷Lのオン・オフの制御や導通角の制御ができるようにしてある。信号線lの2線間には子器用電源回路16の出力電圧が印加されており、子器2からは、信号線lの2線間を短絡して線間電圧を0Vにする状態、信号線lの2線間を開放して線間電圧を子器用電源回路16の出力電圧にする状態、信号線lの線間電圧を子器用電源回路16の出力電圧よりは低い高低2種のいずれかから選択する状態の4状態が指定できるようになっている。また、子器用電源回路16はブレークオーバー電圧の異なる2個のツェナーダイオードZD1,ZD2を備え、制御回路11からのオン・オフ信号に呼応して、照明負荷Lのオン時にはツェナーダイオードZD1を用い、オフ時にはツェナーダイオードZD2を用いるようにしている。子器用電源回路16の出力電圧は、照明負荷Lのオン時にはオフ時よりも低くなるようにしてある。
【0018】
信号線lの線間電圧は親器1の判定回路20で検出され、上記4状態に基づいて、オン・オフスイッチSW1、アップスイッチSW2、ダウンスイッチSW3のいずれかを操作した状態に相当する信号を発生させる。すなわち、判定回路20は、信号線lの線間電圧を検出する4個のコンパレータCM1〜CM4を備え、各コンパレータCM1〜CM4は、高電圧電源部15aの出力電圧を抵抗R1〜R5の直列回路によって分圧して得た互いに異なる基準電圧と、信号線lの線間電圧を抵抗R6,R7の直列回路によって分圧して得た電圧との大小関係に応じて出力レベルを“H"と“L"とのいずれかに設定する。各コンパレータCM1〜CM4の基準電圧をそれぞれV1〜V4とすれば、V1>V2>V3>V4となるように設定されている。子器用電源回路16の出力電圧は、照明負荷Lのオン時、オフ時にかかわらず、コンパレータCM1の基準電圧V1よりも高く設定してある。また、高低2種の電圧のうち高側電圧は基準電圧V1,V2の間、低側電圧は基準電圧V2,V3の間に設定される。
【0019】
しかるに、信号線lの線間が開放されていると、コンパレータCM2の出力レベルのみが“H"になり、他のコンパレータCM1,CM3,CM4の出力レベルは“L"になる。このとき、すべてのノット回路NOT1〜NOT3の出力レベルは“H"になり、オン・オフスイッチSW1、アップスイッチSW2、ダウンスイッチSW3のいずれも操作していない状態と同じになる。ここで、照明負荷Lはオフであるものとする。
【0020】
この状態において信号線lを短絡すると、信号線lが短絡されている期間は線間電圧が0Vになるから、コンパレータCM2の出力レベルは“L"、他のコンパレータCM1,CM3,CM4の出力レベルは“H"になる。このとき、ノット回路NOT3の出力レベルのみが“L"になる。すなわち、オン・オフスイッチSW1をオンにした状態と同じになるのであって、照明負荷Lはオンになる。また、照明負荷Lがオンになるのに伴って子器用電源回路16の出力電圧が低くなる。
【0021】
この状態で、信号線lの線間電圧を高側電圧にすれば、コンパレータCM1,CM2の出力レベルがともに“H"になるから、ノット回路NOT1の出力レベルが“L"になり、アップスイッチSW2をオンにした状態と同じになる。また、信号線lの線間電圧を低側電圧にすれば、コンパレータCM2,CM3の出力レベルがともに“L"になるから、ノア回路NORの出力レベルが“H"になり、ノット回路NOT2の出力レベルが“L"になる。すなわち、ダウンスイッチSW3をオンにした状態と同じになる。
【0022】
以上のようにして、子器2によって信号線lの線間電圧を操作することによって、親器1の制御回路11を制御することができるのである。
【0023】
ところで、子器2は第5図のように構成されている。すなわち、信号線lの2線の間には2線間の短絡と開放とを選択するオン・オフスイッチSW11が挿入さる。また、親器2に設けた子器用電源回路16の出力電圧を信号線lを介して受けるとともに、線間電圧の変化に基づいて照明負荷Lのオン・オフの状態を検出して表示灯LD11,LD21を点滅させる表示灯駆動回路21が設けられている。さらに、ブレークオーバ電圧の異なる一対のツェナーダイオードZD3,ZD4がそれぞれ調光操作手段であるアップスイッチSW21とダウンスイッチSW31とに直列接続され、表示灯駆動回路21において照明負荷Lのオン時に導通するスイッチ素子Sを介して、両直列回路が信号線lの2線間に挿入されている。したがって、照明負荷Lのオン時には、アップスイッチSW21とダウンスイッチSW31とのいずれかをオンにすれば、信号線lの線間電圧を高低2種のいずれかに設定することができるのである。
【0024】
ところで、親器1は、第6図ないし第9図に示すように、合成樹脂等により形成された上面開口するボディ30と、ボディ30の開口面を覆うダイキャストよりなるカバー40とを備え、ボディ30の四隅を通してカバー40に螺合する組立ねじ31によってボディ30とカバー40とが結合されてケースが形成されている。
【0025】
ボディ30の下部内にはいわゆる速結端子構造の端子33が納装されており(第7図参照)、第9図に示すように、ボディ30の背面に穿孔された電線挿通孔34を通して挿入される信号線lや照明負荷Lからの電線を基板32aに実装した回路に接続できるようになっている。また、トライアックQはカバー40に固定され、カバー40が放熱板として機能するようになっている。
【0026】
カバー40は取付枠としても機能する形状に形成されている。すなわち、カバー40は、JIS等で配線器具用に規格化されている3個用の取付枠を横に2個連結した形状に形成されており、壁面等に埋め込まれるスイッチボックス等に対してボックスねじを用いて固定できるように、ボックスねじ挿入用の取付孔41を備え、また、カバー40の前面の周部を覆う化粧プレートを固定するためのプレートねじが螺合するプレート用ねじ孔42が形成されている。さらに、壁パネルなどをカバー40との間に挟持する引掛金具の一端部を支持するための引掛金具用孔43も形成されている。
【0027】
ボディ30には上述した回路や押釦スイッチよりなるオン・オフスイッチSW1、アップスイッチSW2、ダウンスイッチSW3が実装された基板32aが納装される。オン・オフスイッチSW1、アップスイッチSW2、ダウンスイッチSW3が実装された基板32aは、カバー40の裏面に突設されたボス44に螺合する固定ねじ45を用いてカバー40の裏面から所定距離だけ離間して固定される。オン・オフスイッチSW1、アップスイッチSW2、ダウンスイッチSW3の各操作子はカバー40に形成された3個の挿通孔46を通してそれぞれカバー40の上面側に突出する。ここに、カバー40において、オン・オフスイッチSW1は、取付枠1個分に相当する一方の側半部に対応して配設され、アップスイッチSW2とダウンスイッチSW3とは他方の側半部に対応して配設される。カバー40においてオン・オフスイッチSW1に対応する一方の側半部には、各表示灯LD1,LD2に対応する表示窓471,472が形成されている。また、カバー40の上面には、オン・オフスイッチSW1、アップスイッチSW2、ダウンスイッチSW3の操作子をそれぞれ独立して押圧することができるようにハンドル501〜503が配設される。
【0028】
オン・オフスイッチSW1に対応するハンドル501は、第8図に示すように、カバー40のほぼ半分を覆う大きさに形成され、アップスイッチSW2とダウンスイッチSW3とに対応するハンドル502,503は、カバー40の残りの半分を上下に半分ずつ覆う程度の大きさに形成される。各ハンドル50(以下の説明において、各ハンドル501〜503に共通な構成を説明する場合には、ハンドル50とする)の裏面の一方の側部には、第10図に示すように、フック脚51が一対ずつ突設され(第10図の紙面に直交する方向に一対設けられる)、フック脚51がカバー40に設けた係合孔52に係着されることによって、ハンドル50がカバー40に対して揺動自在に枢着される。各ハンドル50の他方の側部には復帰ばね53が固着される。ハンドル501には一対の復帰ばね53が固着され、他のハンドル502,503には復帰ばね53が1個ずつ固着される。復帰ばね53は、第6図に示すように、略コ形に形成されたステンレスの板ばねであって、中央片に対してハンドル50の背面に突設された固定脚54が挿入され、固定脚54の先端部が熱で潰されることによってハンドル50に固定される。ここに、固定脚54の先端部を熱で潰さずに、固定脚54を復帰ばね53に圧入して固定するものでもよい。また、両脚片の先端部がカバー40の表面に弾接することによってハンドル50の一方の側部(枢着部とは反対の側部)がカバー40から浮き上がるようにしている。ここにおいて、ハンドル50のカバー40からの浮き上がり量が一定になるように、復帰ばね53の中央片の中央部には、カバー40に設けた引掛孔55に係合する引掛片56が突設されている。このように、カバー40の引掛孔55に復帰ばね53の引掛片56が係合することによって、ハンドル50のストロークが規制されるのである。オン・オフスイッチSW1に対応するハンドル501におけるカバー40への枢着部側の側部には、表示窓471,472に対応する位置で表示灯LD1,LD2の点滅を確認できるように透光カバー57が凹凸結合のような通常の構成で係着されている。このように、透光カバー57がハンドル501の枢着部附近に設けられていることにより、ハンドル501が揺動しても表示灯LD1,LD2と透光カバー57との距離がほとんど変わらないのであり、表示灯LD1,LD2の点滅状態の確認が妨げられないのである。ハンドル501には、照明負荷Lの名前を記入して照明負荷Lとの対応関係を確認できるようにするためのネームプレート58およびネームプレート58を覆うネームカバー59とが設けられ、ネームカバー59は凹凸結合のような通常の構成により、ハンドル501の前面に着脱可能に結合される。ハンドル50をカバー40に取着する際には、カバー40の上面の要所に突設された位置決め突起48に、ハンドル50の裏面の要所を当接させるようにすれば、カバー40に対するハンドル50の相対位置が決定されるようになっている。この構成によって、自動組立などの際にハンドル50の位置決めが容易になるのである。
【0029】
一方、子器2は、第11図ないし第15図に示すように構成される。子器2では、合成樹脂等により形成された前面開口するボディ30aと、ボディ30aの開口面を覆うダイキャストよりなるカバー40aとを、ボディ30aを通してカバー40aに螺合する組立ねじ31によって結合した点については、親器1と同様であるが、カバー40aが、JIS等で配線器具用に規格化されている配線器具3個用の取付枠の1個分の大きさとなるように寸法が設定されている点で親器1とは相異している。
【0030】
子器3ではカバー40aの寸法が親器1よりも小さいから、第13図に示すように、カバー40aを上下にほぼ3等分するようにして3個のハンドル50a1〜50a3が設けられる。各ハンドル50a1〜50a3のカバー40aに対する取付方は、親器1と同様であり、復帰ばね53によってハンドル50a1〜50a3に復帰力が与えられるようになっている。他の構成について、親器1と同一の番号を付した部分は親器1と同様の機能を有するものであるから説明を省略する。
【0031】
【発明の効果】
上述のように、請求項1の構成によれば、調光レベル設定手段で設定した調光レベルを調光操作手段の操作終了毎に記憶する書換可能な不揮発性のメモリよりなる記憶手段を設け、調光レベル設定手段では、通電開始直後には記憶手段に格納されている調光レベルに基づいて電力制御手段に調光レベルを指示するようにしているので、停電などで給電が停止しても、その時点で記憶手段への書込処理などを行うことなくそれまでの調光レベルを記憶手段に保持しておくことができ、給電が再開されたときには、記憶手段に格納された給電停止前の調光レベルで照明負荷を点灯させることができるのであって、調光レベルの復旧に手間がかからないという利点を有する。
【0032】
また、調光操作手段として、調光レベルを増大させるアップスイッチと、調光レベルを減少させるダウンスイッチとを設け、アップスイッチ、ダウンスイッチ、オン・オフスイッチを、それぞれ押釦スイッチと、押釦スイッチの操作子を操作できるようにケースの外面に枢着したハンドルとにより構成しているので、調光レベルの増大、減少を独立したハンドルで操作できるとともに、照明負荷をオン・オフさせるハンドルが調光レベルを調節するハンドルとは別個に設けられていることによって、操作の意味がわかりやすくなって使い勝手が向上するという効果を奏するのである。
【0033】
しかも、調光操作手段とオン・オフスイッチとを備えた子器を接続できる端子を設けているので、子器を増設するだけで、多箇所から照明負荷を操作できるという利点がある。
[図面の簡単な説明]
【図1】本発明の全体構成を示す概略構成図である。
【図2】同上に用いる親器の回路図である。
【図3】同上の動作説明図である。
【図4】同上の動作説明図である。
【図5】同上に用いる子器の回路図である。
【図6】同上に用いる親器の分解斜視図である。
【図7】同上に用いる親器の一部切欠側面図である。
【図8】同上に用いる親器の正面図である。
【図9】同上に用いる親器の背面図である。
【図10】同上に用いるハンドルの断面図である。
【図11】同上に用いる子器の分離斜視図である。
【図12】同上に用いる子器の横断面図である。
【図13】同上に用いる子器の正面図である。
【図14】同上に用いる子器の一部切欠側面図である。
【図15】同上に用いる子器の背面図である。
【符合の説明】
1 親器
2 子器
11 制御回路
17 記憶回路
30 ボディ
33 端子
40 カバー
501〜503 ハンドル
51 フック脚
53 復帰ばね
L 照明負荷
Q トライアック
SW1,SW11 オン・オフスイッチ
SW2,SW21 アップスイッチ
SW3,SW31 ダウンスイッチ

Claims (1)

  1. 照明負荷への供給電力を制御する電力制御手段と、照明負荷の調光レベルを電力制御手段に対して指示する調光レベル設定手段と、調光レベル設定手段に所望の調光レベルを入力する調光操作手段と、照明負荷のオン・オフを指示するオン・オフスイッチと、調光レベル設定手段で設定した調光レベルを調光操作手段の操作終了毎に記憶する記憶手段と、調光操作手段とオン・オフスイッチとを備えた子器を接続できる端子とを1つのケースに備え、調光操作手段は、調光レベルを増大させるアップスイッチと、調光レベルを減少させるダウンスイッチとからなり、アップスイッチ、ダウンスイッチ、オン・オフスイッチは、それぞれ操作子がケースの外面に突出する押釦スイッチと、平板状に形成され裏面が押釦スイッチの操作子に当接するとともに操作子の進退方向に揺動するようにケースの外面に枢着されたハンドルとにより構成され、記憶手段は書換可能な不揮発性のメモリよりなり、調光レベル設定手段は、通電開始直後には記憶手段に格納されている調光レベルに基づいて電力制御手段に調光レベルを指示することを特徴とする調光器。
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