JP3539911B2 - 目覚し時計の目安レバーの軸受構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、目覚し時計におけるアラーム時刻の到来を、回動動作で目安接点の開閉を行って信号に変換する目安レバーに関するものであり、特に、その軸受構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の目安レバーは、図5に示すような軸受構造により支持されていた。この軸受構造は、下板32の内面32aから突出する凹部34aを有するリブ34と、中板36の内面36aからリブ34の凹部34a内に向かって突出するボス38とから構成されている。目安レバー40は、その端部側面から水平方向に突出する軸部40aを有し、この軸部40aをリブ34の凹部34aに収め、凹部34aから軸部40aが飛び出さないようにボス38で凹部34aの開口部分を塞いでいた。
【0003】
上記のように支持された目安レバー40は、時針車42と共に回転し、目安車44との係合によりアラーム時刻になると図中下方に移動する目安カム46の移動に伴って、軸部40aを支点として回動し、目安接点をオン状態にするものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の目安レバーの軸受構造において、目安レバー40の軸部40aとボス38との間隔の管理は、極めて重要である。この間隔が狭く、ボス38が軸部40aに接触する状態になると、目安レバー40や時針車42に負荷がかかることになり、目安レバー40がアラーム時刻になっても動かなかったり、時針車42等を停止させてしまうこともある。一方、このボス38と軸部40aの間隔を必要以上に広げると、目安カム46により目安レバー40が持ち上げられたときに、その軸部40aもリブ34の凹部34aの底部から浮き上がり、軸部40aの上下動等の無駄な動きが増え、目安接点の開閉にバラツキが生じることがあった。
【0005】
しかしながら、下板32及び中板36は、樹脂の成形品であるため、ソリや変形が発生し易く、従来の軸受構造では、軸部40aとボス38との間隔を管理して一定に保つことは難しかった。
【0006】
本発明は、上記従来技術の課題に鑑みなされたもので、下板や中板のソリや変形による影響を受けず、目安レバーの軸部と中板のボスとの間隔を一定に保ち、目安レバーを円滑に動作させる目覚し時計の目安レバーの軸受構造を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の目覚し時計の目安レバーの軸受構造は、アラーム時刻になると軸部を中心として回動する目安レバーを備えた目覚し時計において、前記目安レバーの支軸を収容する凹部を有するリブを下板に設け、前記リブの端面に当接するリブ受と前記凹部内に収められた前記目安レバーの軸部を位置決めするボスを中板に設け、前記リブと前記リブ受とが当接することにより、前記ボスと前記目安レバーの軸部との間隔を一定に保つことを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の目覚し時計の目安レバーの軸受構造においては、下板に設けたリブの端面に中板に設けたリブ受が当接し、これによって中板に設けたボスと下板のリブの凹部に収められた目安レバーの軸部との間隔を一定に保っている。上記ボスは、リブ受の中央からリブの凹部内に突出するように形成されており、リブ受とリブの端面とが当接することにより、下板の方向に移動することができない状態になる。このため、下板や中板にソリや変形が生じても、ボスがリブの凹部内に収められた目安レバーの軸部に接触して押圧することを防ぐことができる。
【0009】
【実施例】
以下、図面に基いて本発明の実施例を説明する。図1は本発明の一実施例に係る目覚し時計の目安レバーの軸受構造を示す要部断面図、図2は要部分解斜視図、図3は下板の内面側を示す平面図である。図中、2は下板であり、4は中板、6はダストカバーである。この下板2と中板4の間に後に詳述する目安レバー14が配置され、中板4の周囲に回路基板22が配置され、中板4とダストカバー6の間に減速用の輪列26等が配置されている。
【0010】
この下板2には、その内面2aから中板4の方向に突出するリブ8が設けられている。このリブ8は、図2及び図3に示すように、所定の間隔をあけて一対設けられている。また、リブ8は、その外形が略矩形の板状をなし、中板4の方向が開口する凹部8aを有している。この凹部8aは、開口する中板4側から狭まるように傾斜する斜面8bと、その下端に設けられた曲面からなる軸受部8cを有している。
【0011】
一方、中板4には、その内面4aのリブ8に対面する部分から下板2の方向に突出するリブ受10と、このリブ受10の中央から凹部8a内に向かってリブ受10よりも大きく突出するボス12が設けられている。リブ受10は、略矩形の板状をなし、その下板2に面する端面10aが、リブ8の中板4に面する端面8dに当接するように構成されている。また、ボス12は、その端部がリブ8の凹部8a内に入り込み、その先端で目安レバー14の軸部14aを凹部8a内に適正な状態で位置決めするように構成されている。
【0012】
目安レバー14は、図4の平面図に示すように、図中左方の端部側面に軸部14aを有している。この軸部14aは、上下が曲面からなり、リブ8の凹部8aに収められ、回動自在に支持される。
【0013】
この目安レバー14は、アラーム時刻になると軸部14aを支点として回動し、この動作によりアラーム信号を出力させるものである。本実施例においては、次のような構造で目安レバー14を動作させてアラーム信号を出力させている。はじめに、下板2の貫通孔2bに嵌め込まれている目安車16を外部操作して回転させ、アラーム時刻を設定する。軸方向に移動可能な状態で時針車18に係合して時針車18と共に回転する目安カム20は、設定されたアラーム時刻になると、その突起20aが目安車16の孔16aに落ち込んで軸方向に移動する。目安レバー14は、上記のような目安カム20の軸方向への移動に応じて回動するものであり、通常、目安カム20により図1中上方に押し上げられており、アラーム時刻になって目安カム20が図1中下方に落ちると下に移動する。このような目安レバー14の動作により、その端部に設けられているレバー部14bが上下する。回路基板22上に設置された目安接点24の可動接点24aは、レバー部14bに係合しており、レバー部14bが上がると固定接点24bから離れ、レバー部14bが下がると固定接点24bに接触してアラーム信号を出力するものとなっている。
【0014】
上記のようなリブ8、リブ受10及びボス12で上記目安レバー14の軸部14aを回動自在に支持すると、次のような状態になる。リブ8の凹部8a内に収められた目安レバー14の軸部14aは、適度に回動自在な状態で凹部8aの軸受部8cとボス12の軸受部12aで支えられる。ここで、中板4を図示しない支柱等の嵌合により所定の間隔をもって下板2に取り付けると、リブ受10の端面10aがリブ8の端面8dに当接する。このようにリブ受10とリブ8とが当接することにより、凹部8a内に入り込むボス12の丈が一定寸法に規制され、ボス12の先端と目安レバー14の軸部14aとの間隔も適正な一定の値になる。仮に、中板4や下板2にソリや変形が生じて、ボス12と軸部14aとの間隔が大きくなり過ぎていると、目安カム20により目安レバー14が押し上げられて、軸部14aがボス12の軸受部12aに当接するときに、軸部14aの遊びが大き過ぎて目安接点をオフ状態に保つことができず不安定になることがある。また、ボス12と軸部14aとの間隙が小さ過ぎると、ボス12が軸部14aを押さえ付けて、目安レバー14の回動動作に支障が生じたり、目安レバー14にかかる負荷で目安カム20や時針車18の動作が悪くなったり停止することがある。本実施例においては、ボス12の先端と目安レバー14の軸部14aとの間隔を適正な一定の値にすることができるため、目安接点のオフ状態を安定させ、目安レバー14の動作も円滑にすることができる。
【0015】
【発明の効果】
上記のように本発明によれば、下板に設けたリブと中板に設けたリブ受とが当接することにより、中板のボスとリブの凹部内に収められた目安レバーの軸部との間隔を下板や中板のソリや変形の影響を受けることなく、一定に保つことができ、目安レバーを円滑に動作させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る目覚し時計の目安レバーの軸受構造を示す要部断面図である。
【図2】図1に示す構造を含むムーブメントの概要を示す分解斜視図である。
【図3】図1に示す下板の内面側を示す平面図である。
【図4】図1に示す目安レバーの平面図である。
【図5】従来の目安レバーの軸受構造を示す要部断面図である。
【符号の説明】
2,32 下板
4,36 中板
6 ダストカバー
8,34 リブ
8a,34a 凹部
10 リブ受
12, 38 ボス
14,40 目安レバー
14a,40a 軸部
Claims (1)
- アラーム時刻になると軸部を中心として回動する目安レバーを備えた目覚し時計において、
前記目安レバーの支軸を収容する凹部を有するリブを下板に設け、
前記リブの端面に当接するリブ受と前記凹部内に収められた前記目安レバーの軸部を位置決めするボスを中板に設け、
前記リブと前記リブ受とが当接することにより、前記ボスと前記目安レバーの軸部との間隔を一定に保つことを特徴とする目覚し時計の目安レバーの軸受構造。
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