JP3539707B2 - 現像装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンター等の画像形成装置に用いられる現像装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、現像剤担持体で担持した現像剤を潜像担持体に供給して現像に使用する現像装置において、現像によって消費された現像剤を現像剤担持体側から上記潜像担持体側に現像剤補給路を介して補給するように構成されたものが提案されている。
【0003】
例えば、特開平1−96673号公報には、トナーとキャリアの混合からなる二成分系現像剤を現像剤担持部材に担持させて潜像保持部材面に適用し潜像保持体面の潜像を現像する方式の現像装置であって、
現像剤担持部材に対する現像剤を収納させた現像剤収納部と、
該現像剤収納部に対してトナー補給開口部を介して連絡させたトナー収納部と、該トナー収納部内のトナーを前記トナー補給開口部方向へ寄せ搬送するトナー搬送部材と、
前記トナー補給開口部の現像剤収納部側の近傍に設けた現像剤滞留部とを有し、前記現像剤滞留部は現像剤収納部内の現像剤が適正範囲のトナー濃度に対応する体積量状態にあるときは現像剤が十分に入り込んで滞留して前記トナー補給開口部が該滞留現像剤で閉塞化され、現像剤が適正範囲以下のトナー濃度に対応する体積量状態に減少したときは現像剤の滞留量が減少し或いは現像剤の滞留がなくなり、トナー収納部が現像剤収納部に対し前記トナー補給開口部を介して連絡する関係レベル位置に存在することを特徴とする現像装置が記載されている。
【0004】
上記特開平1−96673号公報に記載された現像装置は、現像剤のトナー濃度が適正範囲にある時は、現像剤滞留部に対するトナー補給のためのトナー補給開口部が滞留した現像剤によって閉鎖され、トナーが補給されない。一方、現像作用によりトナーが消費されると、現像剤のトナー濃度が低下するとともに現像剤の嵩が減り、トナー補給開口部に滞留していた現像剤はなくなり、トナーが入り込んで所定のトナー濃度に復帰しようとする。これにより、トナーと磁性粒子(キャリア)からなる現像剤のトナー濃度(磁性粒子とトナーの重量比で定義される)が一定の範囲内になるようにしている。
【0005】
このような現像装置の未使用状態(製造された現像装置がユーザに届き使用するまでの間)では、現像剤とトナーはそれぞれ密封されていることが望ましい。理由は、トナー飛散による汚れの防止、ならびに、予め所定の濃度に混合した現像剤とトナーが混ざり合うのを防止するためである。
【0006】
また、先に、本出願人は、特願平9−158085号において、トナーおよび磁性粒子からなる現像剤を表面に担持するための現像剤担持体と、前記現像剤担持体の内部に配置された磁界発生部と、前記現像剤担持体担持された前記現像剤の量を規制する現像剤規制部材と、前記現像剤規制部材で進行が阻止された現像剤が滞留する現像剤滞留部を前記現像剤担持体との間に形成するための現像剤収納ケースと、トナーを収容するトナーホッパ部と、前記トナーホッパ部と前記現像剤滞留部とを結ぶトナー補給路とを備える現像装置において、未使用状態で前記トナー補給路に前記現像剤が予め密封充填されていることを特徴とする現像装置を提案した。
【0007】
図1は、特願平9−158085号で提案した現像装置の概略構成図である。この現像装置において、現像剤滞留部4にトナーホッパ10のトナー3を充分に補給するためには、トナーホッパ10から現像剤滞留部4に通じるトナー補給路11をトナー3が良好に搬送されることが望ましい。また、トナー補給路11の壁面には、内部を通過するトナー3の運動や経時的な環境の変化にも耐えうるだけの強度も必要になってくる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来、上記トナー補給路11を形成している上面5bと底面25aが幅方向の両端部のみで支持される構造が考えられていた。図12は、従来提案されていたトナー補給路11近傍の斜視図である。この図において、トナー補給路11は、現像剤収納ケースの下部を規制している面5bとトナー補給路11の底面を規制するために設けられた補給路下板25aとが所定の間隔をもって対向するように長手方向両端部Pのみで締結されている。
このため、補給路下板25aは両端部P以外で支持されていないために、特に長手方向中央部近傍Qでは撓みやすく、その結果トナー補給路11の上下の幅が長手方向又はトナー搬送方向で不均一になるトナー補給路11のゆがみが生じやすくなっている。そして、このトナー補給路11のゆがみが発生すると、現像剤担持体へのトナー補給が均一に行われなくなって、形成画像上においてトナー濃度が不安定になってしまうおそれがあった。
【0009】
また、図1に示す現像装置のように、トナーホッパ10内のトナー3を強制的にトナー補給路11側に補給するためのトナー補給部材13を設けているものにおいては、トナー補給路11に過度にトナー3が補給され、トナー補給路の内圧が高められてトナー補給路のゆがみが助長されたり、トナー補給路11内のトナーの流動性が悪くなったり、トナー補給路11を含む現像剤搬送方向下流側のトナー3の圧が上昇して現像剤担持体7を圧迫し、現像剤担持体7の回転にトルクがかかったりなどしてトナー濃度の不安定化を引き起こす原因になるおそれもあった。
【0010】
このような不具合は、図1に示す現像装置1に限らず、現像剤補給路の上面と底面の一方又は両方が幅方向の両端部のみで支持されているものであれば、生じるおそれがあると考えられる。
【0011】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その第1の目的は、現像剤補給路のゆがみの発生を防止して、形成画像上での現像剤濃度が不安定になることを防止できる現像装置を提供することである。
【0012】
また、第2の目的は、現像剤補給路に過度に現像剤が補給されることを防止して、形成画像上での現像剤濃度が不安定になることを防止できる現像装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的を達成するために、請求項1の現像装置は、現像剤を表面に担持し画像形成装置の潜像担持体と対向する領域に該現像剤を搬送する現像剤担持体と、該現像剤担持体に補給するための現像剤を収容する現像剤収容部と、該現像剤収容部と上記現像剤担持体との間の領域にあり、該現像剤担持体の幅方向に延在し、且つ、内部を現像剤が通過する現像剤補給路と、上記現像剤収容部から上記現像剤担持体側に現像剤を搬送する現像剤搬送手段とを有し、上記現像剤補給路の上部を規制する上面と底部を規制する底面の少なくとも一方が、該現像剤補給路の幅方向両端部のみで支持された板状部材で構成されている現像装置において、上記現像剤補給路の上面と底面とを締結するリブを該現像剤補給路に設け、該リブを、上記現像剤搬送方向に平行な板状部材で構成し、該リブの幅を上記現像剤収容部側から上記現像剤担持体側に近づくほど薄くなるよう形成したことを特徴とするものである。
【0014】
請求項1の現像装置においては、現像剤補給路の現像剤搬送方向に対する幅方向の両端部の間の位置でリブが上面と底面との間隔を固定的に支持し、上面と底面とを互いに近接又は離間する方向に変形しにくくする。これにより、上面や底面が経時的な環境の変化や内部を通過する現像剤の運動による外力を受けても撓みにくくし、現像剤補給路の形状が変化しないようにする。
これによって、現像剤補給路の上下の間隔が所望の間隔に維持できるようにして、この間隔が幅方向又は現像剤搬送方向で不均一になる現像剤補給路のゆがみの発生を防止し、現像剤担持体への現像剤補給が上記幅方向で均一に行われるようにする。
上記リブは、現像剤担持体側(以下、先端という)にいくほど薄く形成する。図2(b)は、先端を薄く形成したリブの平面図である。この構成によれば、リブの側方を通過する現像剤は、リブ側面に沿って斜めに進むため、リブが途切れたところからさらにリブの先端付近の空間に侵入する。
なお、リブを図2(b)のように形成しない場合の不具合について以下に説明する。図2(a)は、板状のリブ30の近傍を通過する現像剤の様子を示した平面図である。この図のように一定の幅Wのリブ30が現像剤搬送方向に平行に設けられている場合、リブ30の側面に沿って後方から前方に向かって通過する現像剤は、リブ30が途切れたところから少しづつリブの現像剤担持体側(以下、リブの前側という)の空間に向かって入り込むが、リブ30の前側付近には現像剤が存在しない空間Eができてしまう。この空間Eを含む位置で現像剤担持体に現像剤が補給されると、その空間Eに対応する現像剤担持体への現像剤補給量が空間E以外の位置からの現像剤担持体への現像剤供給量に比して少なくなってしまうおそれがある。
【0015】
請求項2の現像装置は、請求項1の現像装置において、上記現像装置が、トナー及び磁性粒子からなる現像剤を表面に担持するための現像剤担持体と、該現像剤担持体の内部に配置された磁界発生手段と、上記現像剤担持体に担持された現像剤の量を規制する現像剤規制部材と、該現像剤規制部材で進行が阻止された現像剤が滞留する現像剤滞留部を上記現像剤担持体との間に形成するための現像剤収納ケースと、前記現像剤収容部としてのトナー収容部とを備えていることを特徴とするものである。
【0016】
請求項2の現像装置においては、現像によりトナーが消費されて現像剤のトナー濃度が低下すると、現像剤補給路のトナー収容部側の開口部に滞留していた現像剤はなくなり、トナーが入り込んで所定のトナー濃度に復帰しようとする。このとき、現像剤補給路の上下の間隔がトナー搬送方向又はトナー搬送方向における幅方向で不均一にならないようにし、現像剤補給路から現像剤滞留部に取り込まれるトナーの量が上記間隔の不均一によって左右されることを未然に防止する。これによって、現像剤滞留部から現像剤担持体に補給されるトナーの量が現像剤補給路のゆがみによって不均一になることを防止する。
【0020】
請求項の現像装置は、請求項1、又は2の現像装置において、上記リブを、上記現像剤補給路の該現像剤搬送方向における中央部から該現像剤搬送方向上流側の領域に設けたことを特徴とするものである。
【0021】
請求項の現像装置においては、リブを現像剤補給路の該現像剤搬送方向における中央部から該現像剤搬送方向上流側に配置し、上記中央部から下流側の現像剤担持体近傍までの間にはリブが存在しないようにする。これによって、図2(a)に示すようにリブの先端近傍に現像剤が存在しない空間Eができても、この空間から現像剤担持体までの間に現像剤が入り込む空間が充分に形成でき、現像剤担持体に現像剤を補給する位置では、上流側にリブが存在しているか否かに拘わらず均等に現像剤を存在させる。これによって、現像剤担持体に供給される現像剤の量に差が生じないようにする。
【0022】
請求項の現像装置は、請求項1、2、又は3の現像装置において、上記現像剤補給路の現像剤搬送方向における上流側領域で、上記上面と上記底面との間隔を上記リブに近づくほど大きくしたことを特徴とするものである。
【0023】
請求項の現像装置においては、リブに近づくほど現像剤補給路の上面と底面の間隔を大きくし、現像剤が多く流れるようにする。ここで、現像剤補給路において、リブの設けられている位置には現像剤が流れないため、リブの現像剤担持体側にはリブのない位置に比して現像剤が少なくなっている。このままだとリブのある位置とない位置とで現像剤担持体に補給される現像剤量に差が出るおそれがある。現像剤搬送方向における上流側領域で、リブの近傍の現像剤補給路の上下の間隔を広くし、現像剤収容部から流れ込む現像剤の量をリブから遠い位置よりリブの近傍ほど多くする。そして、リブの近傍を流れてきた現像剤の一部がリブの前側に流れ込み、結果としてリブの前側領域では現像剤担持体の長手方向に均一に現像剤が存在するようにする。これにより、現像剤担持体に汲み上げられる現像剤量が、現像剤搬送方向上流側でリブが設けられているか否かによって差がでないようにする。また、現像剤補給路の現像剤担持体側の領域では、上記のように上面と底面との間隔を設定しない。これは、現像剤担持体に近い側の上面と底面との間隔を不均一にしてしまうことによってその影響が直接現像剤担持体に供給される現像剤の量に影響しないようにするためである。
【0024】
また、上記第2の目的を達成するために、請求項の現像装置は、請求項1、2、3、又は4の現像装置において、上記現像剤収容部内に、該現像剤収容部内の現像剤を上記現像剤補給路に送り込むための回転する羽根部材を有する現像剤補給部材と、上記リブの上記現像剤収容部側の端部を該現像剤収容部側に突き出してなる突き出し部とを有し、上記羽根部材が上記リブの突き出し部に当接する位置まで延在し、且つ、可撓性を有することを特徴とすることを特徴とするものである。
【0025】
請求項の現像装置においては、現像剤収容部内の現像剤を現像剤補給路に送り込む現像剤補給部材の羽根部材の先端が、現像剤収容部側に突き出したリブの突き出し部に当接する。羽根部材は可撓性を有しているので、リブの形状に応じて曲がりながら回転を続け、突き出し部と当接する位置を過ぎると元の形状に復帰する。羽根部材がリブの突き出し部によって曲げられている状態では、羽根部材上に乗せられる現像剤量も少なく、また、羽根部材先端から現像剤補給路の現像剤入り口までの距離が長くなるため、羽根部材が曲げられない場合に比して現像剤補給路に取り込まれる現像剤量が減少する。これによって、現像剤補給部材によって現像剤補給路に送り込まれる現像剤量が過剰になることを防ぎ、現像剤補給路内の現像剤の圧の上昇を防止し、現像剤担持体への過剰なトルクや現像剤補給路での現像剤の流動性の低下を防止する。
【0026】
ここで、突き出し部の突き出し量及び羽根部材の可撓度等は、現像剤補給路内への現像剤補給量が適切になるように選択すればよい。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をトナーと磁性粒子とからなる2成分現像剤を用いる現像装置に適用した実施形態について説明する。
【0028】
[実施形態1]
本実施形態に係る現像装置1は、図1に示す従来提案されていた現像装置と概略構成が同一なので、現像装置の全体説明は、図1を用いて行う。
この現像装置は、図1に示すように、磁性粒子2とトナー3とを有する現像剤を収納するとともに現像剤滞留部4を形成する現像剤収納ケース5と、潜像を担持する潜像担持体(例えば感光ドラム)100と対向してトナーを潜像担持体100へ供給する現像部(現像領域)6を形成するとともに現像剤滞留部4から現像剤を現像部6へ担持搬送する現像剤担持体としての現像スリーブ7と、現像スリーブ7の内側に設けられ複数の磁極N1,N2,S1,S2が固定配置された磁界発生手段としてのマグネットローラ8と、現像スリーブ7に担持されて現像部6へ搬送される現像剤の量(現像剤層の層厚)を規制する現像剤規制部材9と、現像剤収納ケース4に隣接して設けられて補給用のトナー3を収納するトナー収容部としてのトナーホッパ10と、トナーホッパ10と現像剤滞留部4とを連通するトナー補給路11とを備えている。トナー補給路11は、その上面が現像剤収納ケース5の下方に延在した面5b、その底面が補給路下板25aによって構成されている。このトナー補給路11については、本実施形態の特徴部なので後に詳述する。また、トナー補給路11は、内部に現像剤を密封するために密封シール14、15が設けられ、未使用状態では、トナーホッパ10及び現像剤貯留部4の内部のトナー及び現像剤と混合されないようになっている。
【0029】
なお、潜像担持体100の周りには、図示を省略した一次帯電装置、画像露光あるいは画像書き込み装置、転写紙へのトナー像転写装置、トナー像転写後の潜像担持体100表面をクリーニングするクリーニング装置等が配設され、周知の電子写真プロセスで転写紙上にトナー像を形成するようになっている。無論、トナー像が転写された転写紙にトナーを定着するための定着装置なども、画像形成装置内に設けられている。
(以下、余白)
【0030】
上記現像剤滞留部4は、現像剤ケース5と現像剤規制部材9とから構成している。トナーホッパ10は、現像器ケース12と現像剤収納ケース5の側壁5aとから形成している。トナーホッパ10には、補給用のトナー3を撹拌しながらトナー補給路11へ送り出すトナー補給部材13を設けている。トナー補給部材13は、軸部13aと、軸部13aに一端が固設された羽根部材13bとから構成されている。そして、トナー補給部材13は、現像スリーブ7の回動に連動させて回動させるようにしている。
【0031】
上記構成の現像装置において、各密封シール14,15が取り去られて画像形成装置の所定の位置に装着され、現像装置1の運転が開始されると、現像スリーブ7の反時計方向(矢印A方向)への回動に伴って、現像スリーブ7の表面には現像剤規制部材9によって一定の層厚に規制された現像剤が搬送され始めるとともに、トナー補給路11に充填されていた現像剤は現像剤滞留部4へ徐々に取り込まれていく。トナーホッパ10内のトナー補給部材13が時計方向(矢印B方向)へ回動駆動されてトナー3の補給動作が開始されるが、トナー補給路11は現像剤で閉鎖されているので、現像剤滞留部4ならびに現像スリーブ7へ補充用のトナー3が供給されることがない。
【0032】
そして、現像スリーブ7の回動が継続されることによって、現像スリーブ7の表面全体に均一な現像剤層が形成される。現像をまだ行なっていない初期状態で、現像剤滞留部4とトナー補給路11とをつなぐ隙間は現像剤で満たされるように、現像剤滞留部4ならびにトナー補給路11に充填する現像剤の量が調節している。隙間が現像剤で満たされている状態では、トナー撹拌部材13によって補給用のトナー3が送られてきても、現像剤収容ケース5の中は収納可能な最大限の体積(嵩)の現像剤で満たされているために、トナー3が現像剤滞留部4へ入り込むことができない。したがって、現像剤滞留部4の現像剤のトナー濃度は、現像剤が充填された時点での所定の濃度範囲内に保たれる。
【0033】
そして、時計方向(矢印C方向)へ回動される潜像担持体100上にトナー像を現像することによってトナーが消費されると、消費したトナーの分だけ現像剤滞留部4内の現像剤の体積(嵩)が減少する。この現像剤滞留部4内の現像剤の体積(嵩)の減少によって、現像剤収容ケース5の下部の隙間から補給用のトナー3が現像剤滞留部4へ入り込みトナー濃度を一定に保つ。
【0034】
次に、本実施形態の特徴部について説明する。図3は、本実施形態の現像装置におけるトナー補給路11の斜視図である。この図において、トナー補給路11の上面5bと補給路下板25aはその幅方向両端部Pで締結されているのみでなく、長手方向に等間隔に上面5bと補給路下板25aとを支持するリブ30が複数設けられている。
【0035】
トナー補給路11の上面5bと補給路下板25aが両端部のみでしか締結されていないと、各面の強度が弱く、内部を流れるトナーの圧等の外力によってトナー補給路11のゆがみが生じやすい。リブ30を設けることによって、トナー補給路11の上面5b及び補給路下板25aが外力によってゆがむことを防止でき、トナー補給路11の上下の間隔を所望の間隔に維持することができる。これによって、トナー補給路11のゆがみによってトナー濃度が不安定になることを防止できる。
【0036】
図4は、図3のD−D断面図である。このリブ30は、先端30aにいくほど幅が薄くなるような尖った形状に形成すると共に、リブ30をトナー補給路11の該トナー搬送方向における中央部Rから該トナー搬送方向上流側に配置し、上記中央部Rより下流側の領域には設けていない。
【0037】
上記のようにリブ30の先端30aを尖った形状にすることによって、図2(b)に示すように、リブ30の側方を通過するトナーはリブ30側面に沿って斜めに進むため、リブ30が途切れたところからさらにリブ30の先端付近の空間に侵入し、リブ30の先端30aから現像スリーブ7側の領域にトナーが存在しない空間をつくらない。
また、上記のようにリブ30の配置を規制することによって、万一リブ30の先端30a近傍にトナーが存在しない空間が生じても、この空間から現像スリーブ7までの間にトナーが入り込む空間を充分に形成でき、トナー補給路11の現像スリーブ7にトナーを補給する位置ではリブ30が存在している部分と存在していない部分とでトナーの量に差が生じないようにする。
【0038】
これによって、トナー搬送方向上流側にリブ30があるか否かによって現像スリーブ7に補給されるトナー量の差が生じないようにでき、形成画像上でのトナー濃度が不安定になることを防止できる。
【0039】
次に、本実施形態の現像装置の変形例を説明する。図5は、変形例にかかるトナー補給路11の上面5bと補給路下板25aとの間の上下の間隔を部分的に変化させたトナー補給路11近傍の斜視図、図6は、補給路下板25aのリブ30が設けられている面とリブ30を斜めに見た斜視図である。図5において、トナー補給路11の上下の間隔を、リブ30に近づくほ大きくし、リブ30とリブ30と間の中間部に近づくほど狭くしている。また、図6に示すように、本変形例におけるリブ30も、トナー補給路11の中央部までしか延在させず、且つ、現像スリーブ7側の先端を次第に細く形成している。そして、トナー補給路11の下流側領域即ち、リブ30が設けられていない範囲では、上下の間隔はリブ30が設けられている領域におけるリブ30の近傍と同様に一様に広く形成している。
【0040】
上記のようにトナー補給路11の上下の間隔を形成することによって、リブ30の設けられている上流側領域においては、リブ30に近づくほどトナーが多く流れ、リブ30から遠ざかるほど流れる量が少なくなっている。
ここで、トナー補給路11において、リブ30の設けられている位置にはトナーが流れないため、リブ30の現像スリーブ7側にはリブ30のない位置に比してトナーが少なくなっている。このままだとトナー搬送方向上流側にリブ30のある位置とない位置とで現像スリーブ7に補給されるトナー量に差が生じるおそれがある。
本実施形態のように、トナー搬送方向における上流側領域でトナーホッパ10から流れ込むトナーの量をリブ30から遠い位置よりリブ30の近傍ほど多くすると、リブ30の近傍を流れてきたトナーの一部がリブ30の前側に流れ込むことによって、結果としてリブ30の前側領域では現像スリーブ7の長手方向に均一にトナーが存在するようになる。
【0041】
これにより、現像スリーブ7にトナーが汲み上げられる際には、トナー搬送方向上流側でリブ30の設けられている位置と設けられていない位置との間でトナー補給量にムラができないようにすることができる。また、トナー補給路11の現像スリーブ7側の領域では、上面5bと補給路下板25aとの間隔を均一にしている。これによって、現像スリーブ7に近い側の上面5bと補給路下板25aとの間隔を不均一にしてしまうことによってその影響が直接現像スリーブ7に供給されるトナーの量に影響してしまうことを防止できる。
以上のことから、本実施形態の変形例によれば、形成画像上でのトナー濃度が不安定になることをより効果的に防止できる。
【0042】
[実施形態2]
次に、実施形態2にかかる現像装置を説明する。図7は、この実施形態2にかかる現像装置のリブ30の形状を示した平面図、図8は、同、現像装置をトナー補給部材13の軸部13aを含む平面で切断した現像装置の横断面図。図9は、同、トナー補給路11の斜視図である。
図7において、リブ30のトナーホッパ10側の端部をトナー補給路11よりもトナーホッパ10側に突き出し、リブ30の突き出し部30bを形成している。リブ30の突き出し部30bは、図8に示すように、全てのリブ30でトナーホッパ10側への突き出し幅を同じにしている。また、図9に示すように、本実施形態においては、突き出し部30bの端部は上から下まで鉛直に端部を切って形成している。
【0043】
図10は、実施形態2にかかる現像装置において、トナー撹拌部材13の羽根部材13bの状態動き示した説明図、図11は、トナー撹拌部材13の拡大斜視図である。
図10に示すように、トナー補給部材の羽根部材13b先端はリブ30の突き出し部30bに当接して曲がるほどリブ30より充分柔らかく、且つ、リブ30の突き出し部30bを通過した後は再びもとの形状に復帰するような可撓性のあるものから構成されている。また、トナーホッパ10内のトナーを撹拌できる程度の強度も備えている。このような羽根部材13bの材質としては、例えば、0.1〜0.2mm程度のポリエステルフィルムで構成することができる。このほか、羽根部材13bの材質としては、発砲ゴム、ポリウレタン等を用いることも可能である。一方、リブ30の材質としては、硬質プラスチック等を用いることができる。
なお、図10に示す現像装置は、図7で示す現像装置と異なり、トナー補給路11の底面が現像器ケース12の延在した面で兼用されている。これに関しては、本実施形態においてはどちらでもよい。そして、これ以外の構成については、図7の現像装置と同様である。
また、このトナー撹拌部材13は、図11に示すように、軸部13aの長手方向中央部までの長さの長方形の羽根部材13bを2枚用いて、その自由端が軸部13aの軸線方向に対する鉛直方向で互いに反対を向くように軸部13aに固設されている。このようにトナー撹拌部材13を形成することによって、トナー撹拌部材13にかかる負荷を軽減している。
【0044】
上記構成の現像装置において、トナー撹拌部材13が回転し、羽根部材13bの先端がリブ30の突き出し部30bに当接すると、羽根部材13bが曲がり、羽根部材13bの先端はトナー補給路11の上面5bと補給路下板25aのトナーホッパ10側端部を結ぶトナー補給路11入り口から突き出し部30bの突き出し距離分だけトナーホッパ10側に後退した位置を通過する。これによって、トナー補給路11には過剰なトナーはトナーホッパ10側に落下し、トナー補給路11側に詰め込まれることがない。そして、リブ30の突き出し部30bを通過した後は自らの可撓性によって再びもとの形状に復帰する。
【0045】
ここで、上記実施形態1及び第一の実施形態の変形例のように、リブ30の突き出し部30bが設けられていない場合、トナー補給部材13の羽根部材13bの先端がトナー補給路11の入り口に接しながら回転するため、トナー補給路11にトナーを過剰に詰め込む危険性がある。
本実施形態2においては、トナー補給路11に過剰なトナーを詰め込まないようにできるので、トナーの詰め込みすぎに起因するトナー補給路11内の現像剤の流動性の低下や、現像スリーブ7への現像剤の押し付けによる現像スリーブ7の駆動トルクの増加を防止できる。また、トナー補給路へのトナーの圧の上昇を防止できるので、トナーの圧の上昇によって生じるトナー補給路の変形を防止でき、形成画像上でトナー濃度が不安定になることを防止できる。
【0046】
【発明の効果】
請求項1の現像装置によれば、現像剤補給路のゆがみの発生を防止して、形成画像上での現像剤濃度が不安定になることを防止することができるという優れた効果がある。さらに、リブの現像剤担持体側に現像剤が存在しない空間をつくらないので、リブの先端部近傍とそうでないところとで現像剤担持体に補給される現像剤量の差が生じないようにでき、形成画像上での現像剤濃度が不安定になることを防止できるという優れた効果がある。
【0047】
請求項2の現像装置によれば、現像剤滞留部へのトナーの取り込み状態に応じて現像剤滞留部内の現像剤の嵩が変動することによりトナー濃度が自己制御される構成の現像装置において、現像剤補給路のゆがみによってトナー濃度が不均一になることを防止できるという優れた効果がある。
【0049】
請求項の現像装置によれば、現像剤補給路の現像剤担持体に現像剤が補給される位置において現像剤搬送方向上流側のリブの有無による現像剤量の変化が生じないようにでき、形成画像上での現像剤濃度が不安定になることを防止できるという優れた効果がある。
【0050】
請求項の現像装置によれば、形成画像上での現像剤濃度が不安定になることを防止できるという優れた効果がある。
【0051】
請求項の現像装置によれば、現像剤補給路に過度に現像剤が補給されることを防止して、形成画像上での現像剤濃度が不安定になることを防止できるという優れた効果がある。
また、現像剤補給路の内圧の上昇を未然に防止できるので、内圧の上昇による現像剤補給路のゆがみを防止することもできるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】特願平9−158085号で提案された現像装置の概略構成図。
【図2】(a)は、リブの近傍を通過する現像剤の様子を示した平面図。
(b)は、先端を薄く形成したリブの平面図。
【図3】実施形態1の現像装置におけるトナー補給路の斜視図。
【図4】図3におけるD−D断面図。
【図5】実施形態1の変形例にかかる上面と補給路下板との間の間隔を部分的に変化させたトナー補給路近傍の斜視図。
【図6】同、補給路下板のリブが設けられている面の斜視図。
【図7】実施形態2にかかる現像装置の平面図。
【図8】同、トナー補給部材の軸部を含む平面で切断した現像装置の横断面図。
【図9】同、トナー補給路の斜視図。
【図10】同、リブを設けた場合のトナー撹拌部材の羽根部材の状態を示した説明図。
【図11】同、トナー撹拌部材の拡大斜視図。
【図12】従来提案されていたトナー補給路近傍の斜視図。
【符号の説明】
1 現像装置
2 磁性粒子
3 トナー
4 現像剤滞留部
5 現像材収納ケース
5b 上面
7 現像スリーブ
8 磁界発生部
9 現像剤規制部材
10 トナーホッパ
11 トナー補給路
12,22 現像器ケース
13 トナー撹拌部材
13b 羽根部材
25a 補給路下板
30 リブ
30b 突き出し部
E 現像剤が存在しない空間

Claims (5)

  1. 現像剤を表面に担持し画像形成装置の潜像担持体と対向する領域に該現像剤を搬送する現像剤担持体と、
    該現像剤担持体に補給するための現像剤を収容する現像剤収容部と、
    該現像剤収容部と上記現像剤担持体との間の領域にあり、該現像剤担持体の幅方向に延在し、且つ、内部を現像剤が通過する現像剤補給路と、
    上記現像剤収容部から上記現像剤担持体側に現像剤を搬送する現像剤搬送手段とを有し、上記現像剤補給路の上部を規制する上面と底部を規制する底面の少なくとも一方が、該現像剤補給路の幅方向両端部のみで支持された板状部材で構成されている現像装置において、
    上記現像剤補給路の上面と底面とを締結するリブを該現像剤補給路に設け、該リブを、上記現像剤搬送方向に平行な板状部材で構成し、該リブの幅を上記現像剤収容部側から上記現像剤担持体側に近づくほど薄くなるよう形成したことを特徴とする現像装置。
  2. 請求項1の現像装置において、
    上記現像装置が、トナー及び磁性粒子からなる現像剤を表面に担持するための現像剤担持体と、
    該現像剤担持体の内部に配置された磁界発生手段と、
    上記現像剤担持体に担持された現像剤の量を規制する現像剤規制部材と、
    該現像剤規制部材で進行が阻止された現像剤が滞留する現像剤滞留部を上記現像剤担持体との間に形成するための現像剤収納ケースと、
    前記現像剤収容部としてのトナー収容部とを備えていることを特徴とする現像装置。
  3. 請求項1又は2の現像装置において、
    上記リブを、上記現像剤補給路の該現像剤搬送方向における中央部から該現像剤搬送方向上流側の領域に設けたことを特徴とする現像装置。
  4. 請求項1、2、又は3の現像装置において、
    上記現像剤補給路の現像剤搬送方向における上流側領域で、上記上面と上記底面との間隔を上記リブに近づくほど大きくしたことを特徴とする現像装置。
  5. 請求項1、2、3、又は4の現像装置において、
    上記現像剤収容部内に、該現像剤収容部内の現像剤を上記現像剤補給路に送り込むための回転する羽根部材を有する現像剤補給部材と、上記リブの上記現像剤収容部側の端部を該現像剤収容部側に突き出してなる突き出し部とを有し、上記羽根部材が上記リブの突き出し部に当接する位置まで延在し、且つ、可撓性を有することを特徴とする現像装置。
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