JP3531555B2 - 給湯機能付風呂釜装置 - Google Patents

給湯機能付風呂釜装置

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JP3531555B2 JP30501999A JP30501999A JP3531555B2 JP 3531555 B2 JP3531555 B2 JP 3531555B2 JP 30501999 A JP30501999 A JP 30501999A JP 30501999 A JP30501999 A JP 30501999A JP 3531555 B2 JP3531555 B2 JP 3531555B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は給湯機能付風呂釜装
置に関し、詳しくは循環加熱式の風呂釜を浴槽に隣接し
て設置し、浴槽の残水量の検出は、浴槽水を循環加熱さ
せると共にその際の熱量収支を演算するという熱量収支
演算動作によって行うようにした給湯機能付風呂釜装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】図4、図5に従来の装置の例を示す。1
は浴槽、2は風呂釜で、該風呂釜2は浴槽1に隣接され
て設置される。浴槽1と風呂釜2とは、接続戻路3aと
接続往路3bと水室3cとからなる接続管部3で接続さ
れており、風呂釜2側の循環ポンプ4によって浴槽水を
風呂用熱交換器5に循環させて加熱を行うようにしてい
る。そして風呂の自動運転が行われる際には、先ず浴槽
1内に残水が有るか否かが判定される。この判定は、循
環ポンプ4を駆動させることで、浴槽水が風呂釜2に循
環するか否かで行う。この循環判定は、浴槽1内の水位
が接続管部3より上のレベルLまで有る場合は、風呂釜
2への循環が行われるので、残水有りと判定される。そ
して循環判定によって残水無しと判定された場合には、
浴槽1が空であるとして湯張りが行われた後、焚き上げ
運転に入る。一方、残水有りと判定された場合には、次
のステップとして浴槽1の残水量の検出がなされる。こ
の浴槽残水量の検出は、浴槽水を循環加熱させると共
に、その際の熱量収支を演算するという熱量収支演算動
作によって行う。即ち、浴槽1の残水量を検出するの
に、浴槽水を循環加熱させて適当な温度に上昇させるこ
とで、その間に要した熱量と上昇温度とから浴槽水量を
演算するようにしている。浴槽1の残水量が検出される
と、浴槽1の設定湯量までの差量が注湯され、焚き上げ
運転に入る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが上記従来の風
呂釜2を浴槽1に隣接して設置する給湯機能付風呂釜装
置においては、浴槽1内には風呂釜2に循環できるだけ
の残水が実際には無いにもかかわらず、即ち本来的には
残水無しと判定されるべきであるにもかかわらず、残水
有りと誤判定され、その結果、熱量収支演算動作に入っ
てしまい、演算結果がおかしくなるなどして、湯張りを
行わないまま終了する等の問題が、例えば接続戻路を逆
勾配接続した施工不良等に起因して発生していた。図4
に上記誤判定する場合の一例を示す。施工不良等により
接続戻路3aに水が溜まるような状態になると、実際に
は浴槽1に残水が無いにもかかわず、前記接続戻路3a
に残留している水が風呂釜2に循環し、再び水室3cを
通って接続戻路3aに戻ることを繰り返すことで、循環
判定で残水有りと誤判定されてしまうことがある。この
場合には、本来予定されない熱量収支演算動作に入って
しまい、しかもごく短時間で高温状態にまで加熱され
る。その結果として、残水が無いにもかかわらず、結局
のところ湯張りを行うことなく終了してしまうことが生
じる。また図5に示すように、浴槽1内には接続戻路3
aだけを満たす程度の残水しかない場合であっても、接
続戻路3aに残留している水と合わせられることで何と
か循環が行われてしまい、循環判定で残水有りと判定さ
れてしまうことがある。そしてその結果、本来予定され
ない熱量収支演算動作に入ってしまう。この場合には、
接続往路3bが満たされるだけの水位が無いため、風呂
釜2へ循環されて加熱された温水は接続往路3bから真
下の接続戻路3aの近くに落下して、再び短絡的に接続
戻路3aに入って循環し、残水の一部だけが循環して短
時間で高温にまで加熱されることになる。その結果、熱
量収支演算によっては正確な残水量が演算されず、残水
が無いにもかかわらず湯張りを行うことなく終了してし
まうことが生じる。
【0004】そこで本発明は上記従来の装置の不都合を
解消し、施工不良等に起因して、浴槽内に残水が無いに
もかかわらず、循環判定において残水が有ると誤判断さ
れた場合であっても、熱量収支演算動作により浴槽の残
水量を演算する際に前記残水が無いとおぼしき場合を確
実に検出し、浴槽内の残水量を正しく判断することで、
適切な湯張りがなされるようにすることができる給湯機
能付風呂釜装置の提供を課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するた
め、本発明の給湯機能付風呂釜装置は、循環加熱式の風
呂釜を浴槽に隣接して設置すると共に浴槽から隣接する
風呂釜への循環は接続往路と接続戻路と水室とからなる
接続管部を介して行われるように構成し、浴槽の残水量
の検出は、浴槽水の循環判定により浴槽水が風呂釜へ循
環できる状態であると判定された場合には、浴槽残水量
検出用の循環加熱運転を行うことでその熱量収支を演算
して行うようにした給湯機能付風呂釜装置であって、浴
槽水の循環ができるにもかかわらず前記熱量収支演算動
作によって得られた浴槽残水量が基準量未満の場合に
は、一定量の注湯を行った後、再度熱量収支演算動作を
行って浴槽の残水量検出を繰り返すようにしたことを第
1の特徴としている。また本発明の給湯機能付風呂釜装
置は、循環加熱式の風呂釜を浴槽に隣接して設置すると
共に浴槽から隣接する風呂釜への循環は接続往路と接続
戻路と水室とからなる接続管部を介して行われるように
構成し、浴槽の残水量の検出は、浴槽水の循環判定によ
り浴槽水が風呂釜へ循環できる状態であると判定された
場合には、浴槽残水量検出用の循環加熱運転を行うこと
でその熱量収支を演算して行うようにした給湯機能付風
呂釜装置であって、浴槽水の循環ができるにもかかわら
前記熱量収支演算動作において一定の基準時間未満の
短時間で一定の基準上昇温度以上の上昇がなされた場合
には、一定量の注湯を行った後、再度熱量収支演算動作
を行って浴槽の残水量検出を繰り返すようにしたことを
第2の特徴としている。また本発明の給湯機能付風呂釜
装置は、上記第1又は第2の特徴に加えて、再度の熱量
収支演算動作を行おうとした際に、一定量の注湯を行う
とその注湯の積算量が浴槽の設定水量を超える場合に
は、設定水量になる水量だけを注湯した後、焚き上げ運
転に移行するようにしたことを第3の特徴としている。
また本発明の給湯機能付風呂釜装置は、上記第1〜3の
何れかに記載の特徴に加えて、再度の熱量収支演算動作
を行うための一定量の注湯は、設定浴槽温度よりも一定
温度以上低い温度の温水で行うことを第4の特徴として
いる。
【0006】上記第1の特徴においては、浴槽残水が実
際には風呂釜に循環できるような量を有さないにもかか
わらず浴槽水の循環が表面上行われた場合には、残水有
りと誤判定されて次の熱量収支演算動作に入ってしま
い、浴槽残水量が演算されることになる。ところが、実
際には浴槽内に循環できるような残水量が無い場合に
は、熱量収支演算によって演算される浴槽残水量の値は
正確な値とは言えないものの、ある程度の相関をもっ
て、かなり小さな値となって演算されることになる。よ
って予め定めた基準量未満のかなり小さな残水量の値が
演算された場合には、更に一定量の注湯を行った後熱量
収支演算動作を行う。前記一定量の注湯で実際の残水量
が風呂釜に循環できるような残水量になれば、熱量収支
演算による残水量の値も基準量以上の大きな値となる。
その基準量以上の残水量が演算される時はその演算残水
量の値は正しい値であると推定し得るので、その値に基
づいて浴槽の設定水量までの水量差を演算して、給湯す
ることが可能となる。よって以上より、例え循環判定の
際に誤判定がなされた場合であっても、最終的に適切な
湯張りが可能となる。なお上記において、基準量は、浴
槽内の湯が風呂釜へ循環できる最低水位に相当する量と
して予め定めておくことができる。また一定量の注湯と
いう場合の一定量とは、その注湯によって浴槽内の残水
量が前記基準量以上となるような湯量とすることができ
る。第1の特徴によれば、浴槽内に残水が無いにもかか
わらず、循環判定において残水が有ると判断されたよう
なことがあっても、熱量収支演算動作により浴槽の残水
量を演算する際に前記残水が無いとおぼしき場合を確実
に検出することができ、これによって熱量収支演算動作
を繰り返すことで、最終的には正確な残水量を検出し
て、適切な湯張りを行うことができる。
【0007】上記第2の特徴によれば、浴槽残水が実際
には風呂釜に循環できるような量を有さないにもかかわ
らず、浴槽水の循環が表面上行われた場合には、残水有
りと誤判定されて次の熱量収支演算動作に入ってしま
い、浴槽残水量が演算されることになる。ところが、実
際には浴槽内に循環できるような残水量が無い場合に
は、熱量収支演算動作が行われる際に、実際には非常に
少ない水量が循環加熱されることになるから、非常に短
時間で水温が大きく上昇される結果となる。よって予め
定めた基準時間に満たない短時間で基準上昇温度以上の
温度上昇がなされた場合には、更に一定量の注湯を行っ
た後熱量収支演算動作を行う。前記一定量の注湯で実際
の残水量が風呂釜に循環できるような残水量になれば、
熱量収支演算動作においても、前記のごとき短時間での
大きな温度上昇がなされなくなるので、そのときの熱量
収支演算動作によって得られる演算残水量に基づいて浴
槽の設定水量までの水量差を演算して、給湯することが
可能となる。よって以上より、例え循環判定の際に誤判
定がなされた場合であっても、最終的に適切な湯張りが
可能となる。なお上記において、基準時間及び基準上昇
温度については、予め実験により適当な時間及び上昇温
度を定めておくことになる。また一定量の注湯について
は、その注湯によって浴槽内の残水量が前記基準量以上
となるような湯量とすることができる。第2の特徴によ
れば、浴槽内に残水が無いにもかかわらず、循環判定に
おいて残水が有ると判断されたようなことがあっても、
熱量収支演算動作における温度上昇時間と上昇の程度を
監視することで浴槽に残水が無いとおぼしき場合を確実
に検出することができ、これによって熱量収支演算動作
を繰り返すことで、最終的には正確な残水量を検出し
て、適切な湯張りを行うことができる。
【0008】また上記本発明の第3の特徴によれば、上
記第1又は第2の特徴による作用に加えて、再度の熱量
収支演算動作を行おうとした際に、一定量の注湯を行う
とその注湯の積算量が浴槽の設定水量を超える場合に
は、設定水量になる水量だけを注湯した後、焚き上げ運
転に移行するようにしたので、熱量収支演算動作を繰り
返すことで、浴槽水量が浴槽の設定水量を超えてしまう
ような事態が生じるのを予防することができる。
【0009】また上記本発明の第4の特徴によれば、上
記第1〜3の何れかの特徴による作用に加えて、再度の
熱量収支演算動作を行うための一定量の注湯は、設定浴
槽温度よりも一定温度以上低い温度の温水で行うように
することで、熱量収支演算動作の際に少なくとも浴槽水
をある程度以上は温度上昇させることができ、熱量収支
演算での信用度を上げることができ、より正確な浴槽残
水量の値を演算することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しながら説明する。図1は本発明の一実施形態を
示す給湯機能付風呂釜装置の全体構成図、図2はコント
ローラによる風呂自動運転の制御例を示すフローチャー
ト、図3はコントローラによる他の風呂自動運転の制御
例を示すフローチャートである。
【0011】図1において、給湯機能付風呂釜装置は、
給湯用バーナ11を備えた給湯用燃焼缶体部10と風呂
用バーナ21を備えた風呂釜20とを備え、またそれら
各バーナ11、21に必要な燃料ガス供給路30を備え
ている。前記給湯用燃焼缶体部10には瞬間加熱式の給
湯用熱交換器12と送風器13が設けられ、該給湯用熱
交換器12に対しては外部から入水管40が接続され、
また給湯用熱交換器12からは更に出湯管50が延設さ
れて、給湯に供されるようになされている。前記風呂釜
20には瞬間加熱式の風呂用熱交換器22と送風器23
が設けられ、該風呂用熱交換器22に対して浴槽70か
らの循環路80が接続されている。符号90は装置のコ
ントローラで、100はリモコンである。
【0012】前記給湯用燃焼缶体部10には、給湯用バ
ーナ11、給湯用熱交換器12、送風器13の他に点火
器14等が設けられており、給湯運転時には給湯用バー
ナ11の燃焼によって前記入水管40からの水が給湯用
熱交換器12で熱交換加熱され、出湯管50に出湯され
る。給湯用燃焼缶体部10の給湯用バーナ11には、1
乃至複数個の能力切替用電磁弁11a、11b、11c
が設けられ、必要に応じて弁11a、11b、11cの
開閉状態を組み合わせることで、燃焼能力を切り替える
ことができるようになされている。給湯用バーナ11の
全体としての燃焼能力は、風呂用バーナ21の燃焼能力
よりもかなり大きくしており、大能力から小能力までの
要求に対応できるようになされている。
【0013】前記風呂釜20には、同様に風呂用バーナ
21、風呂用熱交換器22、送風器23の他に点火器2
4等が設けられており、循環加熱運転時には風呂用バー
ナ21の燃焼によって前記浴槽70から循環路80を通
って循環される浴槽水が風呂用熱交換器22で熱交換加
熱されて、浴槽70に戻されるようになされている。前
記風呂用バーナ21には開閉用電磁弁21aが設けら
れ、浴槽水の循環加熱運転時に開かれるようになされて
いる。
【0014】前記燃料ガス供給路30には、その途中に
元ガス電磁弁31とガス比例弁32とが設けられてい
る。ガス比例弁32は、その下流から給湯用バーナ11
及び風呂用バーナ21に至るまでの燃料ガス供給路30
の2次圧を調整するための調整弁である。
【0015】前記入水管40には水量センサ41、入水
温度センサ42等が設けられている。また前記入水管4
0からはバイパス管43が出湯管50に接続されてい
る。前記出湯管50には出湯温度センサ51、過流出防
止流量調節弁52等が設けられている。前記出湯管50
の途中からは、風呂自動給湯管60が分岐されて循環路
80に接続されている。該風呂自動給湯管60には、流
量センサ61と、注湯電磁弁62と、逆止弁63が設け
られている。注湯電磁弁62が開放されると、出湯管5
0からの温水が風呂自動給湯管60を通って循環路80
に入り、後述する風呂戻路81と風呂往路82とを通っ
て、両搬送で浴槽70に導入される。浴槽70へ自動給
湯される温水量は流量センサ61で検出される。
【0016】前記浴槽70には、接続往路71bと接続
戻路71aと水室71cとからなる接続管部71が設け
られている。この接続管部71により浴槽70に隣接し
て配置される風呂釜20側の循環路80に接続される。
前記循環路80は風呂戻路81と風呂往路82とからな
り、循環ポンプ83によって風呂釜20の風呂用熱交換
器22への循環がなされる。循環が開始されると、水流
スイッチ84が最低作動水量以上を検出することで風呂
用バーナ21による燃焼が開始される。浴槽水の温度は
浴槽温度センサ85によって検出される。
【0017】前記コントローラ90は装置全体の制御を
行うもので、リモコン100からの指令を受け、また装
置各部のセンサ類からの情報を得て、上記給湯用バーナ
11、風呂用バーナ21、ガス比例弁32、送風器1
3、23、循環ポンプ83等の装置各部に対して必要な
動作を指令する。
【0018】図2を参照して、前記コントローラ90に
よる風呂自動運転の制御例を説明する。今、リモコン1
00において風呂自動運転のスイッチがオンすると、コ
ントローラ90は、風呂自動給湯管60の注湯電磁弁6
2を開放して、設定浴槽温度よりも一定温度以上低い温
度の温水、例えば7℃低い温度の温水を10リットル落
とし込ませる(ステップS1)。次にコントローラ90
は、循環ポンプ83を一定時間駆動して(ステップS
2)、循環路80の水流スイッチ84がオンするか否か
の循環判定を行う(ステップS3)。なお上記ステップ
S1で、7℃低い温度の温水を落とし込ませる場合にお
いて、給湯用熱交換器12から出湯管50への出湯温度
(出湯温度センサ51で検出)を設定浴槽温度に対して
5℃以上低くすることができない場合には、注水に切り
替えるようにする。
【0019】前記循環判定(ステップS3)において、
ノーの場合、即ち浴槽水の循環が無い場合には、コント
ローラ90は浴槽70に循環できるだけの量の残水が無
いと判定し、循環ポンプ83を一旦オフして(ステップ
S4)、更に設定浴槽水量よりも前記ステップS1の1
0リットルだけ少ない量の温水を、例えば38℃等予め
定めた一定の注湯温度或いは使用者が設定した注湯温度
で、落とし込みを行う(ステップS5)。この場合、流
量センサ61が上記所定の流量を検出した時点で注湯電
磁弁62が閉止されることになる。ステップS5で所定
量の温水の落とし込みが終わると、自動焚き上げ運転に
移行する(ステップS6)。運転は循環ポンプ83を駆
動し、水流スイッチ84がオンすると風呂用バーナ21
を燃焼させて、風呂用熱交換器22にて循環してくる浴
槽水を加熱することで行い、浴槽温度センサ85が設定
浴槽温度になった時点で自動焚き上げ運転を終了させ、
自動焚き上げ運転の完了を知らせる(ステップS7)。
そして次に自動保温運転に入り(ステップS8)、一定
時間毎に浴槽温度をチェックしながら浴槽温度が低下す
ると循環加熱を行う等の動作を行い、一定の保温時間の
経過をもって(ステップS9)、保温運転を終了する
(ステップS10)。
【0020】前記循環判定(ステップS3)において、
イエスの場合、即ち浴槽水の循環が有る場合には、コン
トローラ90は浴槽70に循環できるだけの量の残水が
有ると一応判定し、循環ポンプ83を一旦オフした(ス
テップS11)後、浴槽残水量を検出するための熱量収
支演算動作に入って、先ず浴槽残水の循環加熱運転を行
う(ステップS12)。この循環加熱運転は、循環ポン
プ83を駆動させることで水流スイッチ84がオンする
と、風呂用バーナ21を燃焼させて、浴槽温度センサ8
5が検出する浴槽温度が、例えば設定浴槽温度−0.5
℃以上となった時点で循環加熱運転を停止し(ステップ
S13)、その際の熱量収支演算を行って浴槽残水量の
演算を行う(ステップS14)。前記熱量収支演算によ
る浴槽残水量の演算は、要した風呂用バーナ21の燃焼
による熱量と浴槽残水の上昇温度とから浴槽残水量を演
算することができる。
【0021】前記浴槽残水量が演算されると、コントロ
ーラ90はその演算された浴槽演算残水量が予め定めた
基準量以上であるか否かを判定する(ステップS1
5)。基準量は予め実験により適当な値を決めることに
なるが、例えば浴槽70内の湯が風呂釜20へ循環でき
る最低水位に相当する量を基準量として定めることがで
きる。
【0022】前記ステップS15でイエスの場合には、
コントローラ90は設定浴槽水量から残水量を差し引い
た量を浴槽70に注湯させた(ステップS18)後、ス
テップS6の自動焚き上げ運転へ進ませる。この場合、
前記設定浴槽水量から残水量を差し引く場合に、前記演
算された浴槽残水量が既に浴槽に注湯がなされた注湯積
算量よりも小さい値となっている場合には(ステップS
16)、演算浴槽残水量を前記注湯積算量として(ステ
ップS17)注湯を行う。
【0023】一方、ステップS15でノーの場合には、
上記の循環判定では浴槽残水量が風呂釜20に循環でき
るだけの量が有ると一応推定されたものの、熱量収支演
算による浴槽残水量の値においては前記推定を翻すよう
な値が出たわけであるから、前記推定が疑わしいとし
て、一定量の注湯を行った(ステップS20)後、再度
ステップS12に戻って、循環加熱運転からの熱量収支
演算動作を行い、演算される浴槽残水量が基準量以上に
なるまで、注湯(ステップS20)と熱量収支演算動作
を繰り返す。この場合、前記一定量の注湯は、その一定
量を前記ステップS1の10リットルに加えることで浴
槽水の風呂釜20側への循環が可能となるような水量、
例えば70リットルとして予め定めておくことができる
(ステップS20)。勿論、それより少ない一定の水量
を定めることもできる。なおこの一定量の注湯は、上記
ステップS1の場合と同様に、設定浴槽温度よりも一定
温度以上低い温度の温水、例えば7℃低い温度の温水を
70リットル落とし込ませる。そしてその場合におい
て、給湯用熱交換器12から出湯管50への出湯温度を
設定浴槽温度に対して5℃以上低くすることができない
場合には、注水に切り替えるようにする。また上記一定
量の注湯を行う場合において、既に浴槽70に注湯した
積算量と今回の注湯量とを足した量が設定浴槽水量を超
える場合(ステップS19でノー)には、上記一定量を
注湯することなくステップS21に進んで、設定浴槽水
量からこれまでの注湯の積算量を差し引いた水量の温水
を注湯して、ステップS6に進むようにする。この場合
の注湯(ステップS21)は上記ステップS5やS18
の場合と同様に、例えば38℃等予め定めた一定の注湯
温度或いは使用者が設定した注湯温度で落とし込みを行
う。
【0024】図3を参照して、コントローラ90による
風呂自動運転の他の制御例を説明する。今、リモコン1
00において風呂自動運転のスイッチがオンすると、コ
ントローラ90は、風呂自動給湯管60の注湯電磁弁6
2を開放して、設定浴槽温度よりも一定温度以上低い温
度の温水、例えば7℃低い温度の温水を10リットル落
とし込ませる(ステップS1)。以降ステップS2〜S
10までは上記図2で説明した制御と同じであるので省
略する。ステップS3の循環判定においてイエスの場
合、即ち水流スイッチ84がオンした場合には、コント
ローラ90は浴槽70に循環できるだけの量の残水が有
ると一応判定し、循環ポンプ83を一旦オフした(ステ
ップS41)後、浴槽残水量を検出するための熱量収支
演算動作に入り、先ず浴槽残水の循環加熱運転を行う
(ステップS42)。そして浴槽温度センサ85が検出
する浴槽温度が、例えば設定浴槽温度−0.5℃以上と
なった時点で循環加熱運転を停止し(ステップS4
3)、その際の熱量収支演算を行って浴槽残水量の演算
を行う(ステップS44)。ステップS42〜S44ま
では既述した図2のステップS12〜S14と同じ内容
である。
【0025】コントローラ90は、残水量を演算した
後、前記ステップS42の循環加熱運転でステップS4
3の条件に合う温度まで浴槽水を加熱させるのに要した
温度上昇が基準温度以上、例えば5℃以上あったか否か
を判定(ステップS45)し、ノーの場合はステップS
6に進み、自動焚き上げ運転に入る。一方、ステップS
45でイエスの場合には、更に前記循環加熱運転におい
てステップS43の条件に合う温度まで上昇させるのに
要した循環加熱時間が基準時間以上、例えば3分以上で
あったか否かを判定する(ステップS46)。ステップ
S46でイエスの場合には、ステップS47〜S49に
進んで、設定浴槽水量と残水量との差を注湯し、ステッ
プS6に進む。ステップS47〜S49は既述した図2
のステップS16〜S18と同じ内容である。
【0026】自動運転を行う際において、循環判定で浴
槽70内に風呂釜20に循環できるだけの残水が有ると
された場合、その残水は大抵は前の浴槽使用時の残り湯
であるので、その残り湯の温度は設定浴槽温度よりもか
なり冷たく、また残水量も設定浴槽水量よりもかなり低
いと考えられる。よってそのような浴槽残水を設定浴槽
温度−0.5℃にまで加熱するには、ある基準上昇温度
以上の温度上昇と基準時間以上の加熱時間が必要とな
る。従って予め実験によって、通常の浴槽残水を設定浴
槽温度近くまで循環加熱する場合の上昇温度及び要する
時間と、それ以外の設定浴槽温度に近い温水が既に注湯
されている場合や浴槽に残水が無い場合における循環加
熱による上昇温度及び要する時間とを比較し、通常の浴
槽残水をそれ以外の場合とを区別するするための基準上
昇温度と基準加熱時間とを決定し、これをコントローラ
90に記憶させておくことで、通常の残水の場合とそれ
以外の場合とを区別することができる。本実施形態で
は、基準上昇温度を5℃とし、基準加熱時間を3分とし
ている。設定浴槽温度に近い温度まで循環加熱した際
に、その時の上昇温度が5℃未満である場合(ステップ
S43でノー)には、既に設定浴槽温度の温水で注湯が
なされている場合や既に浴槽が何らかによって焚き上げ
やれている場合と考えられ、通常の残水状態ではない。
この場合にはステップS6に進むこととしている。
【0027】前記ステップS45でイエスであっても、
続くステップS46でノーの場合、即ち、ステップS4
2で循環加熱運転を行って、ステップS43で設定浴槽
温度−0.5℃まで加熱した際の温度上昇が基準温度
(5℃)以上で且つ加熱に要した時間が基準時間(3
分)未満の場合には、少ない水量が循環加熱されて大き
く温度上昇したと推定できることから、先にした循環判
定が疑わしい状況となる。従ってこの場合には、コント
ローラ90は、一定量(70リットル)の注湯を行った
(ステップS51)後、再度ステップS42に戻って、
循環加熱運転からの熱量収支演算動作を行い、演算され
る浴槽残水量が基準以上になるまで、注湯(ステップS
51)と熱量収支演算動作を繰り返す。また上記一定量
(70リットル)の注湯を行う場合において、既に浴槽
に注湯した積算量と今回の注湯量とを足した量が設定浴
槽水量を超える場合(ステップS50でノー)には、上
記一定量を注湯することなくステップS52に進んで、
設定浴槽水量からこれまでの注湯の積算量を差し引いた
水量の温水を注湯して、ステップS6に進むようにす
る。ステップS50〜S52は上記図2のステップS1
9〜S21で説明したのと同じ内容である。
【0028】
【発明の効果】本発明は以上の構成、作用からなり、請
求項1に記載の給湯機能付風呂釜装置によれば、循環加
熱式の風呂釜を浴槽に隣接して設置すると共に浴槽から
隣接する風呂釜への循環は接続往路と接続戻路と水室と
からなる接続管部を介して行われるように構成し、浴槽
の残水量の検出は、浴槽水の循環判定により浴槽水が風
呂釜へ循環できる状態であると判定された場合には、浴
槽残水量検出用の循環加熱運転を行うことでその熱量収
支を演算して行うようにした給湯機能付風呂釜装置であ
って、浴槽水の循環ができるにもかかわらず前記熱量収
支演算動作によって得られた浴槽残水量が基準量未満の
場合には、一定量の注湯を行った後、再度熱量収支演算
動作を行って浴槽の残水量検出を繰り返すようにしたの
で、浴槽内に残水が無いにもかかわらず、循環判定にお
いて残水が有ると判断されたようなことがあっても、熱
量収支演算動作により浴槽の残水量を演算する際に前記
残水が無いとおぼしき場合を確実に検出することがで
き、これによって熱量収支演算動作を繰り返すことで、
最終的には正確な残水量を検出して、適切な湯張りを行
うことができる。また請求項2に記載の給湯機能付風呂
釜装置によれば、循環加熱式の風呂釜を浴槽に隣接して
設置すると共に浴槽から隣接する風呂釜への循環は接続
往路と接続戻路と水室とからなる接続管部を介して行わ
れるように構成し、浴槽の残水量の検出は、浴槽水の循
環判定により浴槽水が風呂釜へ循環できる状態であると
判定された場合には、浴槽残水量検出用の循環加熱運転
を行うことでその熱量収支を演算して行うようにした給
湯機能付風呂釜装置であって、浴槽水の循環ができる
もかかわらず前記熱量収支演算動作において一定の基準
時間未満の短時間で一定の基準上昇温度以上の上昇がな
された場合には、一定量の注湯を行った後、再度熱量収
支演算動作を行って浴槽の残水量検出を繰り返すように
したので、浴槽内に残水が無いにもかかわらず、循環判
定において残水が有ると判断されたようなことがあって
も、熱量収支演算動作における温度上昇時間と上昇の程
度を監視することで浴槽に残水が無いとおぼしき場合を
確実に検出することができ、これによって熱量収支演算
動作を繰り返すことで、最終的には正確な残水量を検出
して、適切な湯張りを行うことができる。また請求項3
に記載の給湯機能付風呂釜装置によれば、請求項1又は
2に記載の構成による効果に加えて、再度の熱量収支演
算動作を行おうとした際に、一定量の注湯を行うとその
注湯の積算量が浴槽の設定水量を超える場合には、設定
水量になる水量だけを注湯した後、焚き上げ運転に移行
するようにしたので、熱量収支演算動作を繰り返すこと
で、浴槽水量が浴槽の設定水量を超えてしまうような事
態を確実に予防することができる。また請求項4に記載
の給湯機能付風呂釜装置によれば、請求項1〜3の何れ
かに記載の構成による効果に加えて、再度の熱量収支演
算動作を行うために行う一定量の注湯は、設定浴槽温度
よりも一定温度以上低い温度の温水で行うこととしたの
で、熱量収支演算動作の際に少なくとも浴槽水をある程
度以上は温度上昇させることができ、これにより熱量収
支演算での信用度を上げて、より正確な浴槽残水量の値
を演算することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す給湯機能付風呂釜装
置の全体構成図である。
【図2】コントローラによる風呂自動運転の制御例を示
すフローチャートである。
【図3】コントローラによる他の風呂自動運転の制御例
を示すフローチャートである。
【図4】従来装置の循環判定時における問題点を説明す
る一例である。
【図5】従来装置の循環判定時における問題点を説明す
る他の例である。
【符号の説明】
10 給湯用燃焼缶体部 11 給湯用バーナ 12 給湯用熱交換器 20 風呂釜 21 風呂用バーナ 22 風呂用熱交換器 30 燃料ガス供給路 40 入水管 50 出湯管 60 風呂自動給湯管 61 流量センサ 62 注湯電磁弁 70 浴槽 71 接続管部 71a 接続戻路 71b 接続往路 80 循環路 81 風呂戻路 82 風呂往路 83 循環ポンプ 84 水流スイッチ 85 浴槽温度センサ 90 コントローラ 100 リモコン

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 循環加熱式の風呂釜を浴槽に隣接して設
    すると共に浴槽から隣接する風呂釜への循環は接続往
    路と接続戻路と水室とからなる接続管部を介して行われ
    るように構成し、浴槽の残水量の検出は、浴槽水の循環
    判定により浴槽水が風呂釜へ循環できる状態であると判
    定された場合には、浴槽残水量検出用の循環加熱運転を
    行うことでその熱量収支を演算して行うようにした給湯
    機能付風呂釜装置であって、浴槽水の循環ができるにも
    かかわらず前記熱量収支演算動作によって得られた浴槽
    残水量が基準量未満の場合には、一定量の注湯を行った
    後、再度熱量収支演算動作を行って浴槽の残水量検出を
    繰り返すようにしたことを特徴とする給湯機能付風呂釜
    装置。
  2. 【請求項2】 循環加熱式の風呂釜を浴槽に隣接して設
    すると共に浴槽から隣接する風呂釜への循環は接続往
    路と接続戻路と水室とからなる接続管部を介して行われ
    るように構成し、浴槽の残水量の検出は、浴槽水の循環
    判定により浴槽水が風呂釜へ循環できる状態であると判
    定された場合には、浴槽残水量検出用の循環加熱運転を
    行うことでその熱量収支を演算して行うようにした給湯
    機能付風呂釜装置であって、浴槽水の循環ができるにも
    かかわらず前記熱量収支演算動作において一定の基準時
    間未満の短時間で一定の基準上昇温度以上の上昇がなさ
    れた場合には、一定量の注湯を行った後、再度熱量収支
    演算動作を行って浴槽の残水量検出を繰り返すようにし
    たことを特徴とする給湯機能付風呂釜装置。
  3. 【請求項3】 再度の熱量収支演算動作を行おうとした
    際に、一定量の注湯を行うとその注湯の積算量が浴槽の
    設定水量を超える場合には、設定水量になる水量だけを
    注湯した後、焚き上げ運転に移行するようにしたことを
    特徴とする請求項1又は2に記載の給湯機能付風呂釜装
    置。
  4. 【請求項4】 再度の熱量収支演算動作を行うための一
    定量の注湯は、設定浴槽温度よりも一定温度以上低い温
    度の温水で行うことを特徴とする請求項1〜3の何れか
    に記載の給湯機能付風呂釜装置。
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