JP3844584B2 - 湯張り機能付き風呂装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、浴槽へ自動的に湯を張ることができる湯張り機能を備えた湯張り機能付き風呂装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図3には湯張り機能付き風呂装置の一例が示されている。この湯張り機能付き風呂装置(器具)は、同図に示すように、給湯熱源器である給湯熱交換器1と追い焚き熱源器である追い焚き熱交換器2を有し、上記給湯熱交換器1の入側には水供給源から水を給湯熱交換器1に導くための給水通路3が接続され、給湯熱交換器1の出側には該給湯熱交換器1から流れ出た湯水を台所やシャワー等の給湯場所に導くための給湯通路4が接続されている。
【0003】
上記追い焚き熱交換器2の一端側には往管5の一端側が接続され、往管5の他端側は循環金具27を介して浴槽6に連通接続されている。また、追い焚き熱交換器2の他端側には通路7の一端側が接続され、この通路7の他端側は循環ポンプ8の吐出口に接続されている。循環ポンプ8の吸入口には戻り管10の一端側が接続され、戻り管10の他端側は上記循環金具27を介して浴槽6に連通接続されている。上記往管5と追い焚き熱交換器2と通路7と循環ポンプ8と戻り管10によって浴槽6の湯水を循環ポンプ8の駆動により循環させるための追い焚き循環通路11が構成されている。
【0004】
上記追い焚き循環通路11の通路7と給湯通路4とを連通接続する注湯通路12が設けられており、この注湯通路12には該通路の開閉を行う電磁弁により形成された湯張り制御弁13と、水圧により浴槽6の水位を検出する水位センサ14とが介設されている。上記給湯熱交換器1から給湯通路4と注湯通路12と追い焚き循環通路11とを順に通って浴槽6に至るまでの通路によって湯張り通路が構成されている。
【0005】
また、上記給湯熱交換器1を燃焼加熱する給湯バーナ15と、追い焚き熱交換器2を燃焼加熱する追い焚きバーナ16とが設けられており、上記各バーナ15,16には燃料ガス供給源に連通された通路(図示せず)から分岐されたガス供給通路17,18がそれぞれ接続されている。燃料ガス供給源から各バーナに至るまでの通路には弁開度でもってバーナへの供給燃料ガス量を可変制御する比例弁(図示せず)が介設されている。
【0006】
なお、図3に示す20は給水通路3の通水流量を検出する水量センサを示し、21は給湯熱交換器1に流れ込む入水温度を検出する入水サーミスタを示し、22は給湯熱交換器1から流れ出た湯水の温度を検出する出湯サーミスタを示し、23は追い焚き循環通路11を循環する浴槽湯水の温度を風呂の温度として検出する風呂温度センサを示し、24は追い焚き循環通路11の循環湯水流を検出する水流スイッチを示している。
【0007】
この湯張り機能付き給湯器には給湯運転や湯張り運転や追い焚き運転等の器具運転を制御する制御装置25が設けられており、この制御装置25にはリモコン26が接続されている。上記リモコン26には給湯(湯張り)温度を設定する給湯温度設定手段や、浴槽6の水位を設定する浴槽水位設定手段や、風呂の温度を設定する風呂温度設定手段等が設けられている。
【0008】
上記制御装置25は、水量センサ20等の様々なセンサ出力の情報や、給湯設定温度等のリモコン26の情報を取り込み、これら取り込んだ情報に基づき給湯運転や湯張り運転や追い焚き運転等を次のように制御する。例えば、台所やシャワー等の給湯場所に導かれた給湯通路4の給湯栓(図示せず)が開栓され、給水通路3の通水が水量センサ20によって検出されると、給湯運転による給湯バーナ15の燃焼を開始して、給湯される湯温がリモコン26に設定されている給湯設定温度となるように給湯バーナ15の加熱熱量を上記比例弁の弁開度を制御することで(つまり、給湯バーナ15への供給燃料ガス量を制御することで)制御し、その給湯バーナ15の燃焼火炎の熱によって給湯熱交換器1の通水を加熱して湯を作り出し該湯を給湯通路4を通して所望の給湯場所に給湯する。上記給湯栓が閉栓され、水量センサ20が給水通路3の通水停止を検知すると、給湯バーナ15の燃焼を停止して、次の給湯運転に備える。
【0009】
また、湯張り運転はリモコン26に設定されている浴槽設定水位の湯を自動的に浴槽6に張る運転であり、この湯張り運転には、図4に示すような浴槽水位Pと浴槽水量Qの関係データであるP−Qデータを自動的に作成するための記憶モードの湯張り運転と、上記作成されたP−Qデータに基づいて浴槽6に自動的に湯を張る実行モードの湯張り運転とがある。
【0010】
記憶モードの湯張り運転時には、例えば、まず、湯張り制御弁13を開弁して上記同様に給湯熱交換器1により作られた湯を給湯通路4と注湯通路12と追い焚き循環通路11を順に通して浴槽6に注湯する。注湯を開始してから水量センサ20により検出された流量を積算することによって注湯開始時からの注湯量が求められ、この求めた注湯開始時からの注湯量が予め定めた図6に示すaリットル(例えば、40リットル)に達したときに湯張り制御弁13を閉弁して浴槽6への注湯を一旦停止する(図5のフローチャートのステップ102)。
【0011】
その注湯停止後に、循環ポンプ8を駆動し(ステップ103)、その循環ポンプ8の駆動による追い焚き循環通路11の循環水流を水流スイッチ24により検出しなかったか否かを判断する(ステップ104)。記憶モードの湯張り運転は浴槽6が空の状態から行うのにも拘らず上記循環水流有無判断により循環水流を検出できたときには、循環金具27の配設位置よりも上側の水位の水量が浴槽6内に入っていると判断し、その状態ではP−Qデータを作成することができないと判断してエラー信号を出力する(ステップ116)。
【0012】
また、上記循環水流有無判断により循環水流を水流スイッチ24で検出できなかったときには、循環ポンプ8の駆動を停止した後に、上記同様に、湯張り制御弁13を開弁して予め定めた図6に示すbリットル(例えば、10リットル)を浴槽6に注湯する(ステップ105)。そして、注湯停止後、循環ポンプ8を駆動し(ステップ106)、上記同様に循環水流の有無判断を水流スイッチ24を用いて行い(ステップ107)、循環水流を検出することができなかったときには浴槽水位が循環金具27の配設位置に達していないと判断し、再び、上記bリットルを浴槽6に注湯する。
【0013】
上記bリットルを注湯した後の循環水流有無判断により循環水流が水流スイッチ24により検出されたときには、浴槽水位が循環金具27の配設位置よりも上側の水位まで達したと判断し、水位センサ14により浴槽水位を検出することができるようになったと判断して、循環ポンプ8の停止後に、水位センサ14により浴槽水位を検出する(ステップ108)。その後、上記同様に、浴槽6に予め定めたcリットル(例えば、10リットル)を注湯し(ステップ109)、再び、水位センサ14により浴槽水位を検出し、このときの浴槽水位を基準水位Pshとして確定する(ステップ110)。
【0014】
そして、上記cリットルを注湯する前に検出した浴槽水位Paと、cリットルを注湯した後に検出した浴槽水位Pshと、浴槽水位が上記水位Paから水位Pshに上昇するのに要した注湯量、つまり、上記cリットルとに基づいて、浴槽6の開口面積S(S=c/(Psh−Pa))を求める(ステップ111)。
【0015】
次に、リモコン26に予め設定されている浴槽設定水位に上記検出した浴槽水位Pshを比較し、上記浴槽水位Pshが浴槽設定水位に達しているか否かを判断し(ステップ112)、浴槽水位が浴槽設定水位に達していないと判断したときには、上記基準水位Pshから浴槽設定水位に達するのに必要であると想定された注湯量を浴槽6に注湯し(ステップ113)、その注湯停止後に水位センサ14により浴槽水位を検出し(ステップ114)、その検出浴槽水位が浴槽設定水位に達しているか否かを上記同様に判断し、浴槽水位が浴槽設定水位に達したと判断したときには、注湯動作を停止し、上記求めた基準水位Pshと該基準水位Pshまでの浴槽水量(注湯量)Qshと、浴槽設定水位Pstと該浴槽設定水位Pstまでの浴槽水量Qstとに基づき、予め定めたP−Qデータ作成手法に従って図4に示すようなP−Qデータを作成し該作成されたP−Qデータを制御装置25の内蔵メモリに格納し、記憶モードの湯張り運転を終了する(ステップ115)。
【0016】
実行モードの湯張り運転を行うときには、まず、循環ポンプ8を予め定められた時間(例えば、1分間)駆動して(図7に示すフローチャートのステップ202)、その循環ポンプ8の駆動による追い焚き循環通路11の循環水流を水流スイッチ24により検出したか否かを判断する(ステップ203)。循環水流を水流スイッチ24により検出できなかったときには浴槽6に湯水がない、又は、浴槽6の水位が循環金具27の配設位置よりも低いと判断し、循環ポンプ8の停止状態で、湯張り制御弁13を開弁して予め定めたxリットル(例えば、40リットル)を浴槽6に注湯する(ステップ204)。
【0017】
そして、その注湯停止後、上記同様に、循環ポンプ8を駆動し(ステップ205)、水流スイッチ24によって循環ポンプ8の駆動による追い焚き循環通路11の循環水流の有無を判断し(ステップ206)、追い焚き循環通路11の循環水流を水流スイッチ24により検出できなかったと判断したときには、湯張り制御弁13を開弁して上記同様に給湯熱交換器1により作られた湯を予め定めたyリットル(例えば、10リットル)を浴槽6に注湯する(ステップ207)。
【0018】
さらに、上記同様に、注湯停止後に循環ポンプ8を駆動し(ステップ208)、循環ポンプ8の駆動による追い焚き循環通路11の循環水流の有無を水流スイッチ24によって判断し(ステップ209)、循環水流を検出できなかったときには、給湯熱交換器1により作られた湯を予め定めたzリットル(例えば、15リットル)だけ浴槽6に注湯する(ステップ210)。
【0019】
そして、再び、注湯停止後に循環ポンプ8を駆動し(ステップ211)、循環ポンプ8の駆動による追い焚き循環通路11の循環水流の有無を水流スイッチ24によって判断する(ステップ212)。循環水流を検出できなかったときには、湯張り運転を開始してから循環金具27の配設位置を越えるのに十分な注湯量を浴槽6に注湯したのにも拘らず、循環水流を検出できないのは異常であると判断し、エラー信号を出力する(ステップ217)。
【0020】
上記循環ポンプ8の駆動による追い焚き循環通路11の循環水流有無判断(図7のステップ203,206,209,212)の結果により、浴槽6の水位は循環金具27の配設位置よりも上側であると判断されたときに、水位センサ14により浴槽水位を検出し(ステップ213)、該検出水位がリモコン26に設定されている浴槽設定水位に達しているか否かを判断し(ステップ214)、浴槽設定水位に達していないと判断したときには、浴槽設定水位までに必要な残りの注湯量を前記作成されたP−Qデータに基づき検出し、この検出された残りの注湯量分を注湯した後に水位センサ14により浴槽水位を検出し(ステップ215)、この検出した浴槽水位が浴槽設定水位であるか否かの確認を行って(ステップ214)、検出した浴槽水位が浴槽設定水位に達したと判断したときに実行モードの湯張り運転を終了する(ステップ216)。
【0021】
追い焚き運転を行うときには、循環ポンプ8を駆動して浴槽水を追い焚き循環通路11を通して循環させ追い焚き循環通路11の循環水流が水流スイッチ24により検出された以降に、追い焚きバーナ16の燃焼を開始させ、追い焚き熱交換器2を流れる循環湯水を加熱して追い焚きを行い、風呂温度センサ23により検出される風呂温度がリモコン26に設定されている風呂設定温度に達したときに追い焚きバーナ16の燃焼を停止させ、循環ポンプ8を停止して追い焚き運転を終了する。
【0022】
なお、風呂の自動運転が備えられている場合には、上記湯張り運転が終了した後に、循環ポンプ8を駆動して浴槽湯水を追い焚き循環通路11を通して循環させ、このとき、風呂温度センサ23により検出される風呂温度がリモコン14に設定されている風呂設定温度に達していないときには、上記追い焚き運転を行って浴槽湯水温度を上記設定温度に高め、上記風呂温度センサ23のセンサ出力に基づいた風呂の温度が設定温度に達したと判断したときに、風呂の沸き上がりを示す例えば沸き上がりブザー等により風呂の沸き上がりを報知する。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記記憶モードの湯張り運転では、循環ポンプ8の駆動による追い焚き循環通路11の循環水流が水流スイッチ24により最初に検出された後に予め定めた注湯量(cリットル)を注湯し、この注湯後の浴槽水位を水位センサ14により検出し、該検出された浴槽水位を基準水位として確定していた。
【0024】
しかしながら、記憶モードの湯張り運転を行っているときに追い焚き循環通路11の循環水流が最初に水流スイッチ24により検出されたときには、浴槽6の水位は循環金具27の配設位置とほぼ同程度の水位にあり、このような水位状態では、循環ポンプ8の駆動により浴槽湯水と共に空気をも追い焚き循環通路11に引き込んで該浴槽湯水と気泡が追い焚き循環通路11内を循環してしまう場合があり、この循環ポンプ8の停止後における追い焚き循環通路11内の湯水には気泡が混在している状態となる。
【0025】
上記水流スイッチ24により循環水流が最初に検出された後の注湯の湯水の流れによって、上記追い焚き循環通路11内の湯水の気泡は浴槽6に流れ出るが、追い焚き循環通路11内の湯水の気泡を全て浴槽6に押し出すことができない場合があり、この状態で、水位センサ14により検出される浴槽水位は上記気泡に起因して浴槽6の水位と異なる場合がある。
【0026】
このように、水位センサ14により検出された水位が不正確で該水位が基準水位として確定されると、この基準水位を利用して作成されるP−Qデータは不正確なものとなり、P−Qデータの信頼性が低いものとなってしまう。
【0027】
この発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、記憶モードの湯張り運転時に、追い焚き循環通路内の湯水に気泡が無いことを検出できる制御構成を設け、追い焚き循環通路内の湯水に気泡が無いことを検知できたときの水位を基準水位として設定し、正確な浴槽水位と浴槽水量との関係データを作成できる湯張り機能付き風呂装置を提供することにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明は次のような構成をもって前記課題を解決する手段としている。すなわち、第1の発明は、循環ポンプの駆動により浴槽水を循環させるための追い焚き循環通路と、給湯熱源器により作られた湯を前記追い焚き循環通路を介して浴槽に落とし込むための湯張り通路と、前記湯張り通路に設けられて浴槽水位を検出する水位センサとを有し、浴槽水位と浴槽水量の関係データを自動的に作成するための記憶モードの湯張り運転を行うことが可能な湯張り機能付き風呂装置において、循環ポンプの駆動により追い焚き循環通路を流れる循環水流の流量を検出する循環流量検出手段と;循環ポンプの駆動により追い焚き循環通路を通して浴槽水を循環させることが可能な浴槽水循環可能水位範囲よりも僅かに低い水位まで注湯した後に、予め定めた微少な水量を湯張り通路から浴槽に落とし込む微少水量注湯動作と、注湯動作停止中に循環ポンプを駆動させ該循環ポンプの駆動による追い焚き循環通路の循環水流の流量を上記循環流量検出手段により検出する循環流量検出動作とを記憶モードの湯張り運転時に繰り返し行わせ、検出された循環流量が前回に検出された循環流量とほぼ等しくなったときには前に循環流量を検出したときの浴槽水位と、後に循環流量を検出したときの浴槽水位とのうちのどちらか一方を前記浴槽水位と浴槽水量の関係データにおける基準水位として設定する基準水位設定部と;を設けた構成をもって前記課題を解決する手段としている。
【0029】
第2の発明は、循環ポンプの駆動により浴槽水を循環させるための追い焚き循環通路と、給湯熱源器により作られた湯を前記追い焚き循環通路を介して浴槽に落とし込むための湯張り通路と、前記湯張り通路に設けられて浴槽水位を検出する水位センサとを有し、上記湯張り通路から浴槽に湯を落とし込み予め定めた浴槽設定水位まで自動的に湯を張ることが可能な湯張り機能付き風呂装置において、循環ポンプの駆動により追い焚き循環通路を流れる循環水流の流量を検出する循環流量検出手段と;循環ポンプの駆動により追い焚き循環通路を通して浴槽水を循環させることが可能な浴槽水循環可能水位範囲よりも僅かに低い水位まで注湯した後に、予め定めた微少な水量を湯張り通路から浴槽に落とし込む微少水量注湯動作と、注湯動作停止中に循環ポンプを駆動させ該循環ポンプの駆動による追い焚き循環通路の循環水流の流量を上記循環流量検出手段により検出する循環流量検出動作とを実行モードの湯張り運転時に繰り返し行わせ、検出された循環流量が前回に検出された循環流量から予め定めた許容範囲を越えてずれているときには追い焚き循環通路内に気泡が混入している虞があると判断し、上記検出された循環流量が前回に検出された循環流量とほぼ等しくなったときには追い焚循環通路内に気泡が混入していないと判断して浴槽水位の検出許可指令を発する気泡混入有無判断部と;を設けた構成をもって前記課題を解決する手段としている。
【0030】
上記構成の発明において、例えば、循環ポンプの駆動による追い焚き循環通路の循環水流の流量を検出することができる循環流量検出手段を設け、記憶モードの湯張り運転時には、浴槽水循環可能水位範囲よりも僅かに低い水位まで注湯した後に、基準水位設定部は、予め定めた微少な水量を湯張り通路から浴槽に落とし込む微少水量注湯動作と、注湯動作停止中に循環ポンプを駆動させ該循環ポンプの駆動による追い焚き循環通路の循環流量を循環流量検出手段により検出する循環流量検出動作とを繰り返し行って、検出された循環流量が前回検出された循環流量とほぼ等しくなったときには、前に循環流量を検出したときの浴槽水位と、後に循環流量を検出したときの浴槽水位とのうちのどちらか一方を基準水位として設定する。
【0031】
例えば、浴槽水循環可能水位範囲の下限領域の水位まで浴槽に湯が張られているときには、循環ポンプの駆動により浴槽湯水と空気が共に追い焚き循環通路に引き込まれ、浴槽湯水だけでなく気泡も追い焚き循環通路を循環する場合がある。このように、循環ポンプの駆動により浴槽湯水と共に気泡が追い焚き循環通路内を循環しているときには循環流量検出手段により検出される循環流量は、上記気泡に起因して、追い焚き循環通路内の循環湯水に気泡が無い状態での検出循環流量と異なる上に、上記気泡の流れ状態の変化等に起因して大幅に変動する。
【0032】
このことから、前記の如く、微少水量注湯動作と循環流量検出動作とを繰り返し行って、検出された循環流量が前回の循環流量から例えば予め定めた許容範囲を越えてずれているときには、少なくとも前回循環流量を検出したときには追い焚き循環通路内の循環湯水に気泡が混在していたと判断することが可能である。
【0033】
また、追い焚き循環通路内の循環湯水に気泡が無い状態で検出される循環流量は予め定まり殆ど変動しないことから、検出された循環流量が前回検出された循環流量とほぼ等しいときには、後に循環流量を検出したときも前回循環流量を検出したときも追い焚き循環通路内の循環湯水に気泡は入っていないと判断することが可能である。
【0034】
追い焚き循環通路内の循環湯水に気泡が無いと判断できた状態での浴槽水位を、上記の如く、基準水位とすることによって、該基準水位に基づき正確な浴槽水位と浴槽水量の関係データを作成することが可能となり、前記課題が解決される。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明に係る実施形態例を図面に基づき説明する。
【0036】
この実施形態例において特徴的なことは、図3の点線に示すように、循環ポンプ8の駆動により追い焚き循環通路11を流れる循環水流の流量を検出することができる循環流量検出手段としての循環流量センサ28を設け、該循環流量センサ28により検出される循環流量を利用して記憶モードの湯張り運転時に追い焚き循環通路11内に気泡が無いと判断できたときの浴槽水位を基準水位として設定する制御構成を備えたことである。それ以外の構成は前記図3に示す湯張り機能付き風呂装置と同様であり、その共通部分の重複説明は省略する。
【0037】
この実施形態例に示す制御装置25は、図1に示すように、湯張り制御部30と、注湯量検出部31と、データ格納部32と、基準水位設定部33とを有して構成され、上記基準水位設定部33は、微少水量注湯制御部35と、基準水位確定部36と、循環流量取り込み部37と、循環流量比較部38とを有して構成されている。
【0038】
注湯量検出部31は、水量センサ20により検出される流量を時々刻々と取り込み、後述する湯張り制御部30から発せられた注湯量検出開始指令を受け取る度にその指令を受けてからの上記水量センサ20の検出流量を積算して、上記指令を受けてからの浴槽6への注湯量を検出する。
【0039】
湯張り制御部30は、記憶モードの湯張り運転開始指令が例えばリモコン26から発せられたことを検知したときには、注湯量検出開始指令を上記注湯量検出部31に出力して湯張り開始時からの注湯量の検出を開始させ、その検出注湯量を監視しながら、循環ポンプ8の駆動により浴槽6内の湯水を追い焚き循環通路11を通して循環させることが可能な浴槽水循環可能水位範囲よりも僅かに低い水位に達することができると想定される注湯量(例えば、40リットル)の注湯を行い、この注湯停止後、循環ポンプ8を駆動させて、前記したように追い焚き循環通路11の循環水流の有無を水流スイッチ24を用いて判断し、循環水流を検出することができたときには、この状態ではP−Qデータを作成することはできないと判断してエラー信号を出力し、また、上記循環水流有無判断により循環水流を検出することができなかったときには、予め定めた微少な注湯量(例えば、10リットル)を注湯し、この注湯停止後、再び、循環ポンプ8を駆動して循環水流の有無判断を行い、循環水流を検出することができなかったときには、再度、上記微少な注湯量を注湯して循環水流有無判断を行う。この循環水流有無判断により循環水流を検出することができたときに、湯張り制御部30は、基準水位を設定させるための基準水位設定指令を基準水位設定部33の循環流量取り込み部37に出力する。
【0040】
循環流量取り込み部37は、基準水位設定指令を受け取ると、注湯動作が停止している状態で循環ポンプ8を駆動させる。この実施形態例では、上記の如く、追い焚き循環通路11の循環水流を水流スイッチ24により検出できた後に循環流量取り込み部37により循環ポンプ8が駆動されるので、循環ポンプ8の駆動により追い焚き循環通路11内に浴槽6の湯水が引き込まれ、循環流量センサ28により追い焚き循環通路11の循環水流の流量を検出することが可能となっている。循環流量取り込み部37は、上記循環ポンプ8の駆動開始時における追い焚き循環通路11の循環水流の不安定状態が解消された以降に循環流量センサ28のセンサ出力を追い焚き循環通路11の循環流量として取り込み、この循環流量を示す信号を循環流量比較部38に出力する。
【0041】
循環流量比較部38は上記循環流量取り込み部37から循環流量の情報を受け取ると、内蔵のメモリ(図示せず)に循環流量の情報が格納されているか否かを判断し、記憶モードの湯張りが開始されてから最初に循環流量が取り込まれ、上記メモリに循環流量の情報が格納されていないときには、上記循環流量取り込み部37からの循環流量を上記内蔵メモリに格納し、微少水量を浴槽6に注湯させるための微少水量注湯開始指令を微少水量注湯制御部35に出力する。
【0042】
微少水量注湯制御部35は、微少水量注湯開始指令が発せられたことを検知したときに、湯張り制御弁13を開弁し、注湯量検出部31により検出される注湯量に基づき、予め定めた微少水量(例えば、10リットル)だけを浴槽6に注湯させ、この微少水量の注湯を終了した後に、微少水量の注湯が終了したことを示す微少水量注湯終了信号を循環流量取り込み部37に出力する。
【0043】
循環流量取り込み部37は、上記微少注湯量終了信号を受け取ると、上記同様に、循環ポンプ8を駆動して追い焚き循環通路11の循環流量を循環流量センサ28から検出して該検出した循環流量の情報を循環流量比較部38に出力する。
【0044】
循環流量比較部38は再び上記循環流量取り込み部37により取り込まれた追い焚き循環通路11の循環流量を受け取ると、今回受け取った循環流量を前回取り込まれ内蔵のメモリに格納されている循環流量に比較し、今回の循環流量が前回の循環流量よりも予め定めた許容範囲(例えば、0.5リットル/min )を越えてずれているか否かを判断し、ずれていると判断したときには、少なくとも前回循環流量を取り込んだときには循環ポンプ8の駆動により浴槽湯水だけでなく空気をも追い焚き循環通路11内に引き込まれて追い焚き循環通路11内を浴槽湯水と気泡が循環している状態であったと判断し、今回受け取った循環流量を内蔵メモリに格納し、再度、循環流量比較部38は微少水量注湯制御部35に微少水量注湯指令を発する。
【0045】
また、循環流量比較部38は、上記の如く循環流量取り込み部37から受け取った循環流量を前回の循環流量に比較し、今回の循環流量が前回の循環流量よりも上記許容範囲を越えてずれていないと判断したときには、つまり、前回の循環流量と今回の循環流量とがほぼ等しくなったと判断したときには、前回循環流量を検出したときも、今回循環流量を検出したときにも、循環ポンプ8の駆動により浴槽湯水だけが追い焚き循環通路11内に引き込まれ追い焚き循環通路11内には浴槽湯水だけしか循環していない状態であると判断し、基準水位の検出指令を基準水位確定部36に出力し、また、内蔵のメモリをクリアする。
【0046】
基準水位確定部36は、上記基準水位の検出指令を受け取ると、追い焚き循環通路11内の湯水に気泡が混在していない状態であり、追い焚き循環通路11内の気泡の悪影響を受けることなく水位センサ14により正確な浴槽水位を検出することができると判断し、水位センサ14のセンサ出力を浴槽水位として検出し、この検出した水位を基準水位として確定して、データ格納部32に格納する。基準水位を確定した後に、基準水位確定部36は基準水位確定信号を湯張り制御部30に出力する。
【0047】
湯張り制御部30は、上記確定された基準水位までの浴槽水量を注湯量検出部31により検出し、この基準水位の浴槽水量を前記基準水位に対応させてデータ格納部32に格納させ、その後、湯張り制御弁13を開弁して注湯動作を再開し、前述したように、水位センサ14により検出される浴槽水位を監視しながら注湯して浴槽6の水位が浴槽設定水位に達したと判断したときに、湯張り制御弁13を閉弁して注湯動作を終了し、この浴槽設定水位までの浴槽水量を注湯量検出部31により検出し、浴槽設定水位と該浴槽設定水位までの浴槽水量と、前記データ格納部32に格納されている基準水位と該基準水位までの浴槽水量とに基づき、予め定めたP−Qデータ作成手法に基づきP−Qデータを作成し、作成されたP−Qデータをデータ格納部32に格納する。
【0048】
なお、上記基準水位と該基準水位までの浴槽水量と、浴槽設定水位と該浴槽設定水位までの浴槽水量とに基づいてP−Qデータを作成するP−Qデータ作成手法には様々な手法があり、ここでは、それら手法のうちの何れの手法を用いてP−Qデータを作成してもよく、その手法の説明は省略する。
【0049】
また、湯張り制御部30は、データ格納部32にP−Qデータが格納されている状態で湯張り開始指令が発せられると、前述したような図7のフローチャートに示すような実行モードの湯張り運転を制御する。
【0050】
この実施形態例において特徴的な制御構成は上記のように構成されており、以下に、基準水位を確定する制御動作の一例を図2のフローチャートに基づき簡単に説明する。例えば、記憶モードの湯張り運転の開始指令が発せられ、前述したような図5のフローチャートのステップ101〜107の動作を行った後に、つまり、循環ポンプ8の駆動により浴槽湯水を追い焚き循環通路11を通して循環させることが可能な浴槽水循環可能水位範囲よりも僅かに低い水位まで注湯した後に、微少な注湯量を注湯する動作と循環水流有無判断動作とを行い、水流センサ24により循環水流が最初に検出されるまで湯張り制御部30により浴槽6に注湯した後に、図2に示すステップ301で、前記ステップ107の動作に引き続いて循環ポンプ8の駆動を継続させたまま、循環流量取り込み部37が追い焚き循環通路11の循環流量を循環流量センサ28により検出して該検出循環流量を記憶させ、次に、循環ポンプ8の停止後、ステップ302で、微少水量注湯制御部35により微少水量を注湯し、注湯終了後、ステップ303で、循環ポンプ8を駆動させて水流スイッチ24により追い焚き循環通路11の循環水流の有無を判断する。
【0051】
水流スイッチ24により循環水流を検出できなかったときには前記ステップ105以降の動作を繰り返し行い、循環水流を検出することができたときには、上記同様に、ステップ304で循環流量取り込み部37が循環流量を取り込み、ステップ305で、この検出された循環流量を前回検出された循環流量に比較し、今回検出された循環流量が前回検出された流量とほぼ等しいか否かを判断し(今回の循環流量が前回の循環流量よりも許容範囲を越えてずれているか否かを判断し)、等しくないと判断されたときには、少なくとも前回循環流量を検出したときには、追い焚き循環通路11内の循環水流に気泡が混在していたと判断し、追い焚き循環通路11内の湯水の気泡に起因して水位センサ14により正確な水位を検出することはできないと判断し、今回検出された循環流量を記憶させ、前記ステップ302以降の動作を繰り返し行う。
【0052】
上記ステップ305の判断動作により、今回の循環流量が前回循環流量とほぼ等しいと判断されたときには、追い焚き循環通路11内の湯水には気泡が無いと判断し、水位センサ14により正確な浴槽水位を検出できると判断して、ステップ306で、水位センサ14により浴槽水位を検出し、該検出された浴槽水位を基準水位として確定し、基準水位の確定動作が終了する。その後、例えば、前記図5のフローチャートのステップ109以降の動作と同様な動作を前述したように行ってP−Qデータを作成し、記憶モードの湯張り運転が終了する。
【0053】
この実施形態例によれば、記憶モードの湯張り運転を行っているときに、基準水位を確定する際には、微少水量を注湯する微少水量注湯動作と、循環ポンプ8の駆動による追い焚き循環通路11の循環流量の検出動作とを繰り返して行って、検出された循環流量を前回検出された循環流量に比較し、今回の循環流量が前回の循環流量とほぼ等しいか否かを判断しており、この比較判断結果によって、追い焚き循環通路11内の湯水に気泡が混在されているか否かを判断することができる。
【0054】
それというのは、循環ポンプ8の駆動により浴槽湯水と共に気泡が追い焚き循環通路11内を循環しているときに検出される循環流量は、上記気泡に起因して、追い焚き循環通路11内に気泡が無い状態で検出される循環流量と異なり、その気泡含有状態での循環流量は、追い焚き循環通路11内に含有されている気泡の状態によって、様々な値を採る。このことから、気泡が追い焚き循環通路11内を循環しているときに検出された循環流量と、この循環流量が検出された後に微少水量が注湯され再度検出された循環流量とが、等しくなることは殆どない。
【0055】
一方、気泡が無い状態で検出された循環流量は、循環ポンプ8の能力等により予め定まる変動しない値となることから、微少水量注湯動作と、循環流量検出動作とを繰り返し行って、検出された循環流量が前回検出された循環流量と等しいときには、前回循環流量を検出したときも後に循環流量を検出したときも追い焚き循環通路11内の湯水に気泡が混在されていない状態であると判断することができる。
【0056】
上記のことから、今回の循環流量が前回の循環流量とほぼ等しいか否かを判断することによって、追い焚き循環通路11内に気泡があるか否かを判断することができる。
【0057】
この実施形態例では、上記の如く循環流量を利用して追い焚き循環通路11内の湯水に気泡が混在しているか否かを判断できる構成とし、追い焚き循環通路11内に気泡が無いと判断されたときの浴槽水位を水位センサ14により検出しているので、追い焚き循環通路11内の湯水中の気泡の悪影響を受けて正確な浴槽水位を水位センサ14により検出することができないという問題を確実に回避することができ、水位センサ14により検出された正確な浴槽水位を基準水位として確定しているので、この基準水位に基づき正確な浴槽水位と浴槽水量の関係を得ることができ、信頼性の高いP−Qデータを作成することができる。
【0058】
なお、この発明は上記実施形態例に限定されるものではなく、様々な実施の形態を採り得る。例えば、上記実施形態例では、微少水量注湯動作と、循環ポンプ8の駆動による追い焚き循環通路11の循環流量検出動作とを繰り返し行って、検出された循環流量が前回検出された循環流量とほぼ等しいときには、後に循環流量を検出したときの浴槽水位を水位センサ14により検出し、該検出水位を基準水位として確定したが、前回循環流量を検出したときの浴槽水位を基準水位として設定してもよい。この場合には、例えば、微少水量の注湯が終了する度に、循環ポンプ8が停止している状態で水位センサ14により浴槽水位を暫定基準水位として検出し、また、この暫定基準水位までの浴槽水量を注湯量検出部31により検出し、上記暫定基準水位と該暫定基準水位までの浴槽水量とをデータ格納部32等の記憶部に格納しておくようにする。
【0059】
また、上記実施形態例では、循環流量検出手段として循環流量センサ28を追い焚き循環通路11に配設したが、循環流量センサ28以外の循環流量検出手段を設けてもよい。例えば、循環ポンプ8の消費電力に基づき追い焚き循環通路11の循環流量を検出することが可能であることから、循環ポンプ8の消費電力に基づいて追い焚き循環通路11の循環流量を検出するためのデータを予め与えておき、該データと循環ポンプ8の消費電力とに基づいて追い焚き循環通路11の循環流量を検出する循環流量検出手段を循環流量センサ28の代わりに設けてもよい。
【0060】
さらに、上記実施形態例では、微少水量注湯制御部35による微少水量の注湯動作(図2に示すステップ302の動作)の後に、循環ポンプ8を駆動させ、追い焚き循環通路11の循環水流有無判断動作(ステップ303の動作)を行ってから、循環流量検出動作を行っていたが、記憶モードの湯張り運転が開始されてから循環ポンプ8の駆動による追い焚き循環通路11の循環水流を水流スイッチ24により最初に検出した後に上記微少水量注湯動作が行われることから、浴槽6の水位は循環金具27の配設位置よりも上側の水位であることは判明している上に、循環流量センサ28のセンサ出力に基づいて循環水流の有無を判断することが可能であるので、上記微少水量の注湯終了後における追い焚き循環通路11の循環水流有無判断動作(ステップ303の動作)を省略してもよい。
【0061】
さらに、上記実施形態例では、循環流量センサ28を設けると共に、水流スイッチ24を追い焚き循環通路11に設けていたが、循環流量センサ28により追い焚き循環通路11の循環水流の有無を判断することができることから、水流スイッチ24を省略してもよい。この場合、部品点数の増加を防止することができる。また、循環流量センサ28が循環水流検出機能を兼用する場合には、例えば、循環流量センサ28により循環流量が検出されたときには、追い焚き循環通路11内に循環水流があると判断してもよいし、循環流量センサ28により検出された循環流量が予め定めた作動流量以上になったときに循環水流が検出されたと判断するようにしてもよい。
【0062】
さらに、上記実施形態例では、記憶モードの湯張り運転時に、基準水位と該基準水位に対応する浴槽水量と、浴槽設定水位と該水位に対応する浴槽水量とに基づき、P−Qデータを作成していたが、基準水位を設定してから浴槽設定水位に達するまでの間の湯張り運転中に、浴槽水位を1水位以上検出すると共に、該検出浴槽水位までの浴槽水量を検出し、それら基準水位から浴槽設定水位に達するまでの間に検出した浴槽水位と浴槽水量のデータをも考慮してP−Qデータを作成してもよい。この場合には、底面から上側に向かうに従って浴槽6の開口面積が増加することが考慮されたP−Qデータを作成することができる。
【0063】
さらに、前記したように、微少水量注湯動作と循環流量検出動作とを繰り返し行って、前回検出した循環流量と後に検出した循環流量とがほぼ等しくなったときには、追い焚き循環通路内の湯水に気泡が混在されていない状態であると判断することができ、追い焚き循環通路内に気泡が無い状態で水位センサにより浴槽水位を検出することによって正確な浴槽水位を得ることができることから、このことを利用した実行モードの湯張り運転を行わせる次のような制御構成を設けることができる。
【0064】
例えば、制御装置25には、図8に示すように、湯張り運転を制御する湯張り制御部30と、注湯量検出部31と、水位取り込み部42とに加えて、気泡混入有無判断部41を設ける。上記気泡混入有無判断部41は、微少水量注湯制御部35と、循環流量取り込み部37と、循環流量比較部38とを有して構成されており、上記微少水量注湯制御部35と循環流量取り込み部37と循環流量比較部38はそれぞれ上記実施形態例に示した構成とほぼ同様な構成を有している。
【0065】
循環ポンプ8の駆動による追い焚き循環通路11内の循環水流を水流スイッチ24により検出することができて浴槽水位が前記浴槽水循環可能水位範囲内にあると判断された後に、水位センサ14により浴槽水位を検出する指令が湯張り制御部30から発せられたときには、気泡混入有無判断部41の微少水量注湯制御部35による微少水量注湯動作と、循環流量取り込み部37による循環流量取り込み動作とが上記実施形態例と同様に繰り返し行われ、循環流量比較部38による循環流量比較動作によって後に検出された循環流量が前回検出された循環流量から予め定めた許容範囲(例えば、0.5リットル/min)を越えてずれていると判断したときには、前記したように追い焚き循環通路11内の湯水に気泡が混入していると判断し、後に検出された循環流量が前回検出された循環流量から上記許容範囲を越えてずれていない、つまり、ほぼ等しいと判断したときには、前回循環流量を検出したときも、後に循環流量を検出したときにも、追い焚き循環通路11内の湯水中には気泡が混入していない状態であると判断し、この状態で水位センサ14により検出された浴槽水位は正確であると判断して、水位センサ14による浴槽水位検出許可指令を水位取り込み部42に発し、水位取り込み部42は、上記浴槽水位検出許可指令を受けて、水位センサ14により浴槽水位を検出し、この取り込んだ浴槽水位を湯張り制御部30に出力する。湯張り制御部30は、上記浴槽水位を利用して湯張り運転を継続する。
【0066】
上記のように、気泡混入有無判断部41を設けて、該気泡混入有無判断部41により追い焚き循環通路11内の湯水に気泡が混入されていないと判断した後に、水位センサ14により浴槽水位を検出することによって、追い焚き循環通路11内の湯水中の気泡に起因して不正確な浴槽水位が水位センサ14により検出されてしまうという問題を回避することができ、正確な浴槽水位を得ることができる。このことから、より一層、予め定めた浴槽設定水位に精度良く湯を張ることが可能となる。
【0067】
さらに、上記実施形態例は、図3に示す湯張り機能付き風呂装置を例にして説明したが、給湯熱源器により作られた湯を浴槽に落とし込む湯張り通路が設けられ、湯張り運転を行う機能が備えられている湯張り機能付き風呂装置であれば、図3に示す湯張り機能付き風呂装置以外の風呂装置に、この発明は適用することができる。
【0068】
例えば、図3の装置では、給湯熱交換器1と追い焚き熱交換器2が別個に設けられ、上記給湯熱交換器1と追い焚き熱交換器2にそれぞれ別個独立のバーナ15,16が設けられている二缶二水路タイプの風呂装置であったが、給湯熱交換器1と追い焚き熱交換器2が一体的に設けられ、該一体化した熱交換器1,2を共通に燃焼加熱するバーナが設けられている一缶二水路タイプの湯張り機能付き風呂装置にも、この発明は適用することができる。
【0069】
さらに、上記実施形態例では、給湯熱交換器1と給湯バーナ15が給湯熱源器として設けられていたが、例えば、電気ヒータ等の熱源器を給湯熱源器として設けてもよい。
【0070】
【発明の効果】
基準水位設定部を設けたものにあっては、該基準水位設定部により、記憶モードの湯張り運転時に、浴槽水循環可能水位範囲よりも僅かに低い水位まで湯を落とし込んだ後に、微少水量注湯動作と、循環流量検出動作とを繰り返し行い、検出された循環流量を前回検出された循環流量に比較することによって、循環ポンプの駆動による追い焚き循環通路内の循環水流に気泡が混在しているか否かを判断することができ、後に検出された循環流量と前回検出された循環流量とがほぼ等しく、前回循環流量を検出したときと、後に循環流量を検出したときとは両方とも追い焚き循環通路内に気泡が無い状態であると判断されたときに、前回循環流量を検出したときの浴槽水位と後に循環流量を検出したときの浴槽水位のどちらか一方を基準水位として設定するので、追い焚き循環通路内の湯水に気泡が含まれていない状態での浴槽水位を基準水位として設定することができ、この基準水位と該基準水位までの浴槽水量を利用して浴槽水位と浴槽水量の関係データが作成されることから、正確な浴槽水位と浴槽水量の関係データを得ることができる。
【0071】
気泡混入有無判断部を設けたものにあっては、該気泡混入有無判断部により、微少水量注湯動作と循環流量検出動作とを繰り返し行い、検出された循環流量を前回検出した循環流量に比較して、前回検出された循環流量が後に検出された循環流量から予め定めた許容範囲を越えてずれていると判断したときには追い焚き循環通路内の湯水中に気泡が混入している虞があると判断し、前回検出された循環流量が後に検出された循環流量とほぼ等しいと判断したときには追い焚き循環通路内の湯水中に気泡が混入していないと判断できるので、例えば、浴槽水位を検出することができる水位検出手段が湯張り通路に設けられている場合に、追い焚き循環通路内の湯水中に気泡が混入していないという判断結果を受けて、浴槽水位を上記浴槽水位検出手段により検出することによって、正確な浴槽水を得ることができる。追い焚き循環通路内の湯水中に気泡が混入している場合には、上記気泡に起因して水位検出手段により正確な浴槽水位を得ることができない虞があるが、上記の如く、追い焚き循環通路内の湯水中に気泡が無いと判断された後に水位検出手段により検出された浴槽水位は気泡の影響を受けずに正確であり、このようにして検出された浴槽水位に基づいて湯張り運転を行うことによって、予め定められた浴槽設定水位に精度良く湯を張ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】上記実施形態例において特徴的な制御構成を示すブロック図である。
【図2】上記実施形態例において特徴的な記憶モードの湯張り運転時における基準水位の設定動作の一例を示すフローチャートである。
【図3】湯張り機能付き風呂装置のシステム構成の一例を示すモデル図である。
【図4】浴槽水位と浴槽水量の関係データの一例を示すグラフである。
【図5】記憶モードの湯張り運転動作の一例を示すフローチャートである。
【図6】断続的に注湯動作を行ったときの浴槽水位の変化例を示す説明図である。
【図7】実行モードの湯張り運転動作の一例を示すフローチャートである。
【図8】気泡混入有無判断部が設けられた制御構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 給湯熱交換器
6 浴槽
8 循環ポンプ
11 追い焚き循環通路
12 注湯通路
28 循環流量センサ
33 基準水位設定部
41 気泡混入有無判断部
Claims (2)
- 循環ポンプの駆動により浴槽水を循環させるための追い焚き循環通路と、給湯熱源器により作られた湯を前記追い焚き循環通路を介して浴槽に落とし込むための湯張り通路と、前記湯張り通路に設けられて浴槽水位を検出する水位センサとを有し、浴槽水位と浴槽水量の関係データを自動的に作成するための記憶モードの湯張り運転を行うことが可能な湯張り機能付き風呂装置において、循環ポンプの駆動により追い焚き循環通路を流れる循環水流の流量を検出する循環流量検出手段と;循環ポンプの駆動により追い焚き循環通路を通して浴槽水を循環させることが可能な浴槽水循環可能水位範囲よりも僅かに低い水位まで注湯した後に、予め定めた微少な水量を湯張り通路から浴槽に落とし込む微少水量注湯動作と、注湯動作停止中に循環ポンプを駆動させ該循環ポンプの駆動による追い焚き循環通路の循環水流の流量を上記循環流量検出手段により検出する循環流量検出動作とを記憶モードの湯張り運転時に繰り返し行わせ、検出された循環流量が前回に検出された循環流量とほぼ等しくなったときには前に循環流量を検出したときの浴槽水位と、後に循環流量を検出したときの浴槽水位とのうちのどちらか一方を前記浴槽水位と浴槽水量の関係データにおける基準水位として設定する基準水位設定部と;を設けたことを特徴とする湯張り機能付き風呂装置。
- 循環ポンプの駆動により浴槽水を循環させるための追い焚き循環通路と、給湯熱源器により作られた湯を前記追い焚き循環通路を介して浴槽に落とし込むための湯張り通路と、前記湯張り通路に設けられて浴槽水位を検出する水位センサとを有し、上記湯張り通路から浴槽に湯を落とし込み予め定めた浴槽設定水位まで自動的に湯を張ることが可能な湯張り機能付き風呂装置において、循環ポンプの駆動により追い焚き循環通路を流れる循環水流の流量を検出する循環流量検出手段と;循環ポンプの駆動により追い焚き循環通路を通して浴槽水を循環させることが可能な浴槽水循環可能水位範囲よりも僅かに低い水位まで注湯した後に、予め定めた微少な水量を湯張り通路から浴槽に落とし込む微少水量注湯動作と、注湯動作停止中に循環ポンプを駆動させ該循環ポンプの駆動による追い焚き循環通路の循環水流の流量を上記循環流量検出手段により検出する循環流量検出動作とを実行モードの湯張り運転時に繰り返し行わせ、検出された循環流量が前回に検出された循環流量から予め定めた許容範囲を越えてずれているときには追い焚き循環通路内に気泡が混入している虞があると判断し、上記検出された循環流量が前回に検出された循環流量とほぼ等しくなったときには追い焚循環通路内に気泡が混入していないと判断して浴槽水位の検出許可指令を発する気泡混入有無判断部と;を設けたことを特徴とする湯張り機能付き風呂装置。
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