以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。なお、本実施例の説明において、これまでの説明と同一名称部分には同一符号を付し、その重複説明は省略または簡略化する。
本実施例の風呂装置は、図4に示した風呂装置と同様のシステム構成を有している。また、本実施例においては、給湯熱交換器7が給湯バーナ10の顕熱を回収するメインの熱交換器と該メインの熱交換器の上流側に設けられて給湯バーナ10の潜熱を回収する潜熱回収用熱交換器とを有しており、この潜熱回収用熱交換器側で発生したドレン(ドレン水)を回収して追い焚き循環通路25に導き、そのドレンを適宜、浴槽26の外の浴室30に排出する構成を有している。
つまり、本実施例では、図1に示されるように、追い焚き循環通路25の往管24に湯水排水手段としての切り替え弁17が設けられており、この切り替え弁17を図1(a)のように切り替えることにより、追い焚き循環通路25を通る湯水を往管24から分岐して浴室30に(つまり、浴槽26の外に)排水することができる。なお、戻り管23と往管24とが、図4では交差するように示されて図1では交差しないように示されているが、この違いは記載の仕方だけであり、この部分についてのシステム構成は実質的には同様である。
また、ドレンを追い焚き循環通路25内に導入する構成については周知であり、その詳細説明は省略するが、本実施例では前記潜熱回収用熱交換器で発生したドレンを追い焚き循環通路25に通し、切り替え弁17を図1(a)のような状態にして往管24から浴室30に排出することができ、また、切り替え弁17を図1(b)のようにすれば、従来通り追い焚き循環通路25を循環させながら追い焚きする追い焚き動作を行うことができる。
また、本実施例においては、以下に説明するように、人の入浴中に追い焚き動作が開始された時に追い焚き循環通路25の往管24内に冷たい水が貯留されていた場合には、切り替え弁17を図1(a)のようにして、その冷たい水を浴室30(浴槽26の外部)に排水し、冷たい水が浴槽26内に導入されることを防ぐ、特徴的な構成を有している。
図2に示されるように、本実施例では、制御装置31内に、湯張り制御手段32、追い焚き制御手段33、保湯制御手段34、低温水排出動作の制御手段35、燃焼制御手段36、人入浴検出手段37が設けられており、制御装置31は、リモコン装置1に設けられている自動スイッチ3と追い焚きスイッチ4に信号接続されている。
人入浴検出手段37は、浴槽26に人が入浴中であることを検出する手段であり、例えば水位センサ12により検出される検出水位に基づいて人の入浴と出浴とを判断する。例えば水位センサ12の検出水位が大きい方に変動し、その変動量が予め定められる人入浴基準判断値よりも大きいときには人が浴槽26に入浴したと判断し、その逆に、前記検出水位が小さい方に変動し、その変動量が人出浴基準判断値より大きいときには人が浴槽26から出浴したと判断する。
なお、人入浴検出手段37は、例えばこのように風呂装置に設けられる水位センサ12の検出水位に基づいて人の浴槽26への入浴や出浴を検知できるものであるが、水位センサ12の水位変動値の代わりに水位変動値の時間的変化量(単位時間当たりの水位変動量であり、時間に対する水位変動量を求めた場合の傾き)に基づいて人の浴槽26への入浴や出浴を検知してもよい。また、例えば浴槽26の近傍に人を検知するセンサを設けて、そのセンサの検出信号に基づいて、人の浴槽26への入浴と出浴とを検出することもできる。つまり、人入浴検出手段37による浴槽26への人の入浴や出浴の検出の仕方は特に限定されるものでなく、適宜設定されるものである。
本実施例において、自動スイッチ3がオンされると、自動運転開始の信号が湯張り制御手段32に加えられる。湯張り制御手段32は、燃焼制御手段36に指令を加え、燃焼制御手段36による給湯バーナ10の燃焼制御等により給湯回路側で湯が形成されるようにし、図4を用いて説明したように、注湯電磁弁13を開き、給湯回路と注湯通路14と追い焚き循環通路25を通しての浴槽26への湯張りを行う。この湯張りが完了したときに、湯張り完了信号が追い焚き制御手段33と低温水排出動作の制御手段35とに加えられる。
追い焚き制御手段33は、湯張りが完了(終了)したときと、この湯張り完了後から予め定められている保温時間に行われる保温機能の動作中において、例えば30分毎といったインターバル(設定間隔)毎に浴槽湯水の温度を戻り湯水温検出手段18の検出温度に基づいて確認し、この検出温度が風呂設定温度よりも予め定められる許容範囲を超えて低くなっているときには追い焚き動作(追い焚き機能の動作)を開始する。つまり、自動湯張り動作において、湯張り完了時の追い焚き動作と保温機能の動作中の追い焚き動作とを適宜行う。また、追い焚き制御手段33は、追い焚きスイッチ4がオンされたときにも、浴槽湯水の追い焚き制御を行う。
この追い焚き動作は、従来例と同様に、追い焚き循環ポンプ21の駆動と燃焼制御手段36による追い焚きバーナ16の燃焼制御を伴って行われるものであるが、本実施例では、追い焚き指令信号が加えられると直ぐに追い焚き開始信号を低温水排出動作の制御手段35にも加える。また、追い焚き制御手段33には、例えば自動湯張り動作において、湯張り完了時の追い焚き動作を除き、保温機能の動作中の追い焚き動作時や保温動作中に追い焚きスイッチ4がオンされたときには追い焚き動作終了時にポストポンプを行う、といった制御方法が予め定められており、その定められた制御方法に従い、適宜ポストポンプも行うようにする。
なお、追い焚き制御手段33は、低温水排出動作の制御手段35に追い焚き開始信号を加える際に、その追い焚き開始信号が、湯張り制御手段32を介して加えられた追い焚き指令信号に基づくものであるのか追い焚きスイッチ4からの追い焚き指令信号に基づくものであるのかを区別できるような識別信号も共に加えてもよい。
低温水排出動作の制御手段35は、湯張り動作後の保温機能の動作中であって人入浴検出手段37による人の入浴検出が行われている時に浴槽湯水の追い焚き動作が開始された時に、戻り湯水温検出手段18により検出される追い焚き循環通路25内の湯水温が予め定められる湯水排出基準温度(例えば風呂設定温度−5℃)より低かったときには、追い焚き循環通路25内の湯水を追い焚き循環通路25から浴室30(浴槽26の外)に排水する低温水排出動作を行うものである。
本実施例において、低温水排出動作の制御手段35は、湯張り制御手段32を介しての追い焚き指令信号に基づく追い焚き開始信号が追い焚き制御手段33から加えられると、その信号が湯張り終了直後に加えられたものであれば、湯張り終了直後の追い焚き動作であると判断し、湯張り終了後の前記保温時間内に加えられたものであれば、保温機能の動作による追い焚き動作であると判断する。
そして、保温機能の動作による追い焚き動作であると判断された時には、人入浴検出手段37によって人の入浴検知が行われているかどうかを判断し、人入浴検出手段37による人の入浴検知が確認できたときには、戻り湯水温検出手段18の検出温度を取り込む。そして、この検出温度が前記湯水排出基準温度より低かったときには、切り替え弁17を図1(a)の状態に制御し、この状態で追い焚き循環ポンプ21を駆動させ、追い焚き循環通路25内の湯水を追い焚き循環通路25から浴室30(浴槽26の外)に排水する低温水排出動作を行う。
また、低温水排出動作の制御手段35による低温水排出動作が開始されるとほぼ同時に、燃焼制御手段36が追い焚き制御手段33からの追い焚き開始信号を受けて追い焚きバーナ16の燃焼制御等を行い、戻り湯水温検出手段18により検出される検出温度が風呂設定温度になるように浴槽湯水の追い焚きを行う。なお、低温水排出動作の制御手段35による低温水排出動作が行われないときには、追い焚き制御手段33が低温水排出動作の制御手段35から低温水排出不要信号を受けて、従来通り追い焚き循環ポンプ21を駆動させ、燃焼制御手段36に指令を加えて浴槽湯水の追い焚き動作を行う。いずれの場合も、追い焚き制御手段33は追い焚き終了時に追い焚き終了信号を保湯制御手段34に加える。
低温水排出動作の制御手段35は、低温水排出動作中に、戻り湯水温検出手段18により検出される検出温度を監視し、この戻り湯水温検出手段18により検出される追い焚き循環通路25内の湯水温が予め定められる湯水排出停止基準温度(例えば風呂設定温度−2℃)以上になったときから予め定められる設定時間経過後に切り替え弁17を図1(b)の状態として、前記低温水排出動作を停止する。
保湯制御手段34は、低温水排出動作の制御手段35が浴室30への低温水排出動作を行った後に、該低温水排出動作によって排出した湯水量の湯を前記給湯回路と注湯通路14と追い焚き循環通路25とを順に通して浴槽26に補給する手段である。保湯制御手段34は、追い焚き制御手段33から追い焚き終了信号が加えられると、水位センサ12の検出信号を取り込み、その値が風呂設定水位よりも低いときには水位センサ12の検出信号が風呂設定水位となるように、例えば予め与えられている浴槽26への注湯量と浴槽水位との関係データや、流量センサ20の検出流量等に基づいて注湯量を求め、その注湯量の湯の注湯を行って保湯を行う。
本実施例は以上のように構成されており、本実施例の動作例を、図3に示すフローチャートに基づいて説明する。まず、自動スイッチ3のオンによる自動湯張り動作の湯張り終了時や保温機能の動作中や、追い焚きスイッチ4がオンされたときに追い焚き動作が開始されると、ステップS1で、追い焚き制御手段33から追い焚き開始信号が出力され、ステップS2では、低温水排出動作の制御手段35が、保温機能の動作中か否かの判断を行う。つまり、保温機能の動作による追い焚き動作時と保温機能中に追い焚きスイッチが押されたときのいずれかの時で、かつ、浴槽26に人が入浴していると判断された時に、往管24内の湯水温が湯水排出基準温度以下であったら低温水排出動作を行うが、湯張りが完了した直後の追い焚き時には、低温水排出動作は行われないようにするための判断を行う。
ステップS2で、低温水排出動作の制御手段35により保温機能の動作中であると判断された時にはステップS3に進み、保温機能の動作中でないと判断された時にはステップS20に進む。ステップS3では、低温水排出動作の制御手段35は、人入浴検出手段37の検出信号に基づき、人の入浴中か否かを確認し、人の入浴中であるときにはステップS4に進み、人の入浴中でないときにはステップS20に進む。なお、ステップS20に進んだときには、追い焚き制御手段33による従来と同様の追い焚き動作制御が行われるものであり、ステップS20で流水スイッチ22がオンとなってからの燃焼制御手段36の制御による追い焚きバーナ16の燃焼制御等が行われる(図3には図示せず)。
一方、ステップS4に進んだときには、低温水排出動作の制御手段35は、戻り湯水温検出手段18の検出温度が前記湯水排出基準温度として与えられている例えば風呂設定温度Ts−5℃より低いかどうかを判断する。そして、戻り湯水温検出手段18の検出温度が前記湯水排出基準温度より低かったときには、切り替え弁17を図1(a)の状態に制御して低温水排出動作を開始するものであり、追い焚き循環ポンプ21を駆動させて追い焚き循環通路25内の湯水を追い焚き循環通路25の往管24から浴室30(浴槽26の外)に排水する(ステップS5、ステップS6、参照)。また、低温水排出動作の制御手段35は図示されていないタイマーを内蔵しており、ステップS6では、タイマーのスタートも行う。
ステップS7では、燃焼制御手段36が流水スイッチ22のオン信号を確認し、確認できたら、ステップS8で追い焚きバーナ16への点火を行う。そして、追い焚きバーナ16の燃焼制御が行われ、追い焚き循環通路25の戻り管23側から追い焚き熱交換器15に導入される湯水は加熱される。また、ステップS1で追い焚き指令が出力されたときに戻り管23内に貯留されていた(滞留していた)水は、前記低温水排出動作の開始時からの追い焚き循環ポンプ21の駆動によって、順次、戻り湯水温検出手段18の配設位置を通り過ぎて追い焚き熱交換器15側に導入されていき、浴槽26内に滞留していた湯水が戻り管23に導入されて戻り湯水温検出手段18の配設位置に達する頃には戻り湯水温検出手段18の検出温度は湯水排出停止基準温度として与えられている例えば風呂設定温度Ts−2℃以上になる。
そこで、ステップS9では、低温水排出動作の制御手段35は、戻り湯水温検出手段18の検出温度が湯水排出停止基準温度として設定されている例えば風呂設定温度−2℃以上になったら、ステップS10で前記タイマーをストップし、ステップS11で、タイマーストップ時から予め定められる設定時間経過したことを確認した後に、ステップS12で、切り替え弁17を図1(b)の状態に制御して低温水排出動作を停止し、ステップS13に進む。
なお、ステップS11での判断に用いる設定時間は、例えば戻り湯水温検出手段18の配設位置から追い焚き熱交換器15の入側までの管路の長さと追い焚き流量とに基づいて求められる時間値、つまり、湯水が戻り湯水温検出手段18の配設位置から追い焚き熱交換器15の入側まで流れる時間に基づき、予め定めることができるものである。
つまり、一般に、追い焚き循環通路25を形成する往管24の長さと戻り管23の長さは同等の長さであることが多く、低温水排出動作の開始時に追い焚き循環通路25の往管24内にあった(滞留していた)湯水が低温水排出動作によって排出されるまでにかかる時間は、浴槽26内の湯水が浴槽26から戻り管23に導入されて追い焚き熱交換器15の入側に達するまでの時間とほぼ等しい時間となる。そして、この時間は、浴槽湯水が浴槽26の出口(戻り管23の接続部)から戻り湯水温検出手段18の配設位置まで進み、さらに戻り湯水温検出手段18の配設位置から追い焚き熱交換器15の入側に達するまでの時間である。
そのため、前記タイマーのスタートからストップまでの時間(浴槽湯水が戻り湯水温検出手段18まで達するまでに要すると考えられる時間)をt1とすると、この時間t1に、戻り湯水温検出手段18の配設位置から追い焚き熱交換器15の入側までの管路を湯水が流れるまでにかかると推定される時間(戻り湯水温検出手段18の配設位置から追い焚き熱交換器15の入側までの管路の長さと追い焚き流量とに基づいて求められる時間であり、ここではt2とする)を加えることによって、低温水排出動作の開始時に追い焚き循環通路25の往管24内にあった湯水が低温水排出動作によって排出されるまでにかかる時間が求められる。
したがって、タイマーがストップされてから(t1が経過してから)前記時間t2が経過したときに低温水排出動作を停止することにより、低温水排出動作の開始時に追い焚き循環通路25の往管24内にあった湯水が低温水排出動作によって排出されることになる。
ただし、低温水排出動作の開始時に追い焚き熱交換器15内に滞留していた湯水は、追い焚きバーナ16の燃焼によって加熱される追い焚き熱交換器15を通るときに加熱されていくものの、追い焚きバーナ16の燃焼開始から湯温が上昇するまでには遅れ時間があり、特に、追い焚き熱交換器15内の湯水が冷めていた場合には、追い焚き熱交換器15の入側に近い領域に滞留していた湯水は十分に加熱されていない状態で温度上昇が不十分なまま往管24に導入され、往管24を通ることになる。
そのため、ステップS11において判断に用いる設定時間は、戻り湯水温検出手段18の配設位置から追い焚き熱交換器15の入側までの管路の長さと追い焚き流量とに基づいて求められる前記時間t2よりも、前記遅れ時間を考慮した時間だけ長めに設定するとよい。
なお、ステップS11において判断に用いる設定時間は、このようにして設定するとは限らず、例えば30秒といった一律の値とすることもできるし、余裕を持たせてタイマーのスタートからストップまでの時間とすることもできる(この場合は、タイマーのスタートからストップまでの時間の2倍の時間が、低温水排出動作の開始時から停止までの間に経過することになる)。
ステップS13では、戻り湯水温検出手段18が風呂設定温度以上になるまで、追い焚き制御手段33や燃焼制御手段36による通常の追い焚き動作が行われ、ステップS14で追い焚き循環ポンプ21の駆動が停止され(ポンプオフ)、追い焚き動作が終了となる。
なお、前記ステップS20で追い焚きを開始した場合は、ステップS20からステップS13に進み、戻り湯水温検出手段18が風呂設定温度以上になるまで通常の追い焚き動作が行われ、ステップS14で追い焚き動作が終了となる。
ステップS14で追い焚きが終了すると、ステップS15では、保湯制御手段34が、低温水排出動作の制御手段35からの受信信号により低温水排出動作が行われたかどうかの判断を行い、低温水排出動作が行われなかったときには、そのまま終了する(同図には図示せず)。一方、低温水排出動作が行われたときには、保湯制御手段34による保湯動作が以下のように行われる。
つまり、ステップS16で、保湯制御手段34が、例えば低温水排出動作の制御手段35による低温水排出動作によって排出した湯水量の湯を注湯量(必要注湯量)として算出とし、ステップS17で、その注湯量の湯を、前記給湯回路と注湯通路14と追い焚き循環通路25とを順に通して注湯して浴槽26に湯を補給する。保湯制御手段34は、ステップS18で、前記算出量の注湯が浴槽26に行われたことを確認し、ステップS19で保湯を終了する。
なお、本発明は、前記実施例に限定されるものでなく、様々な態様を採り得る。例えば、前記実施例では、低温水排出動作の制御手段35は、保温機能の動作中であって人入浴検出手段37による人の入浴検出が行われている時に浴槽湯水の追い焚き動作が開始された時に、戻り湯水温検出手段18により検出される追い焚き循環通路25内の湯水温が湯水排出基準温度より低かったときに、低温水排出動作を行うようにしたが、例えば人入浴検出手段37を省略し、低温水排出動作の制御手段35は、保温機能の動作中に浴槽湯水の追い焚き動作が開始された時(前記保温機能の動作による追い焚き動作や保温機能の動作中に追い焚きスイッチ4が押されたとき)に、戻り湯水温検出手段18により検出される追い焚き循環通路25内の湯水温が湯水排出基準温度より低かったときに、低温水排出動作を行うようにしてもよい。
また、人入浴検出手段37を設ける構成においては、低温水排出動作の制御手段35は、保温機能の動作中であるか否かにかかわらず、人入浴検出手段37による人の入浴検出が行われている時に、戻り湯水温検出手段18により検出される追い焚き循環通路25内の湯水温が湯水排出基準温度より低かったときには、低温水排出動作を行うようにしてもよい。
さらに、前記実施例では、保湯制御手段34は、低温水排出動作によって排出した湯水量の湯を補給するようにしたが、低温水排出動作によって排出した湯水量の湯を補給する代わりに、予め定められている設定水量(例えば10リットル)の湯を補給するようにしてもよく、保湯制御手段34によっていずれの量の湯を補給するかは予め選択(決定)しておけばよい。また、保湯制御手段34は省略することもできる。
さらに、本発明の風呂装置は、前記実施例のように、追い焚き開始時に適宜、冷たい湯水を追い焚き循環通路25の往管24から切り替え弁17を介して浴室に排出する機能を有していればよく、そのシステム構成や制御構成の詳細は適宜設定されるものである。
例えば、前記実施例では、給湯熱交換器7がメインの熱交換器と潜熱回収用熱交換器とを有する構成とし、潜熱回収用熱交換器側で発生したドレンを回収して追い焚き循環通路25に導いて浴槽26の外の浴室30に排出する構成を設けたが、ドレンを追い焚き循環通路25に導いて排出する構成を設けずに、別のドレン排出通路を設けて屋外等の適宜の場所に排出するようにしてもよい。また、給湯熱交換器7は潜熱回収用熱交換器を有していない構成としてもよい。
また、前記実施例では、給湯バーナ10と追い焚きバーナ16は、ガス燃焼式のバーナを適用したが、ガス燃焼式の代わりに石油燃焼式のバーナを有していてもよい。さらに、暖房用の回路や発電装置の廃熱を利用する構成を有するもの、太陽熱利用の機能を有するもの等、様々なシステム構成のものを適用することができる。
さらに、本発明は、追い焚き循環通路25内の湯水を往管24から浴室30に排出することができるので、例えば浴槽26内の湯水を排水する際、浴槽湯水の水位が追い焚き循環金具9よりも上側の場合には、必要に応じて追い焚き循環ポンプ21を駆動させて浴槽湯水を追い焚き循環通路25に導入し、切り替え弁17を図1(a)に示したような態様として浴室30に排出することもできる。このような浴槽湯水排出動作を行えば、たとえ浴槽26の底面側の水抜き栓が小さくて浴槽26からの排水だけでは時間がかかる場合でも、浴槽湯水の追い焚き循環通路25を介しての浴室30への排水によって排水時間を短くできる。
さらに、前記実施例においては、湯水排出基準温度として1つの温度(前記例では、風呂設定温度−5℃)を与える例について述べたが、自動湯張り動作において、湯張り直後に追い焚きを行わずに例えば30分後に1回目の追い焚き動作を行うか、あるいは、湯張り直後に1回目の追い焚き動作を行うか、また、その追い焚き動作終了時にはポストポンプを行うか否か、といった動作パタンに合わせて、湯水排出基準温度を適宜の温度に設定する湯水排出基準温度可変設定手段を設けてもよい。
さらに、例えば図5に示されるような制御構成の制御装置31を設け、例えば以下に述べるようにして低温水排出動作を行うようにしてもよい。図5に示される制御装置31は、前記実施例で設けた湯張り制御手段32、追い焚き制御手段33、保湯制御手段34(図5には図示せず)、低温水排出動作の制御手段35、燃焼制御手段36(図5には図示せず)、人入浴検出手段37に加え、前動作判断手段38と、往き側通路内湯水温推定手段39と、メモリ部40とを有している。
なお、前記実施例で設けた各制御手段32〜36と人入浴検出手段37の動作において、以下に述べる以外の動作は、前記実施例と同様であるので、以下の説明において前記実施例と同様の動作についての説明および図5への図示は省略する。
前動作判断手段38は、追い焚き動作開始前の前回の動作が浴槽26への湯張り動作なのか浴槽湯水の追い焚き動作なのかと、追い焚き動作の場合は動作終了後のポストポンプの有無の判断を行うと共に、湯張り動作や追い焚き動作がいつ行われたのかを判断し、その判断結果を往き側通路内湯水温推定手段39に加える。なお、前動作判断手段38は、湯張り制御手段32からの湯張り終了信号や追い焚き制御手段33からの追い焚き開始および終了信号を受けて、追い焚き動作開始前の前回の動作が浴槽26への湯張り動作なのか浴槽湯水の追い焚き動作なのかを判断すると共に、追い焚き制御手段33が追い焚き終了時にポストポンプを行ったか否かの信号も受け取り、ポストポンプの有無の判断も行う。
メモリ部40には、追い焚き循環通路25が配設されている領域の外気温に基づく温度情報と、追い焚き動作開始前に浴槽26への湯張り動作と浴槽湯水の追い焚き動作のいずれかの動作がいつ行われたのかとポストポンプの有無とに基づいて、追い焚き循環通路25内の湯水温を推定するための湯水温推定情報が与えられて格納されている。この湯水温推定情報は、例えば図6(a)、(b)に示されるようなグラフデータとして与えることもできるし、テーブルデータや演算式等によって与えることもできる。
なお、図6(a)に示されているデータは、追い焚き動作開始の前回の動作が浴槽26への湯張り動作だった場合と、ポストポンプ有りの場合における追い焚き動作開始の前回の動作が追い焚き動作だった場合(追い焚き動作開始の前回の動作が追い焚き動作で、この追い焚き動作終了時(終了直後)にポストポンプが行われた場合)の、湯張り動作後の経過時間に対する戻り管23内の湯水温および往管24内の湯水温の変化例のデータである。互いに異なる外気温Ta、Tb、Tc(Ta>Tb>Tc)毎に、特性線aには外気温Taの時のデータ、特性線bには外気温Tbの時のデータ、特性線cには外気温Tcの時のデータがそれぞれ示されている。
一方、図6(b)に示されているデータは、ポストポンプ無しの場合における追い焚き動作開始の前回の動作が追い焚き動作だった場合(追い焚き動作開始の前回の動作が追い焚き動作で、この追い焚き動作終了時にポストポンプが行われない場合)の、湯張り動作後の経過時間に対する戻り管23内の湯水温の変化例と往管24内の湯水温の変化例をそれぞれ示すデータである。互いに異なる外気温Ta、Tb、Tc(Ta>Tb>Tc)毎に、戻り管23内の湯水温が特性線a〜cに示されており、往管24内の湯水温が特性線a’〜c’に示されている。特性線a、a’は外気温Taの時のデータ、特性線b、b’は外気温Tbの時のデータ、特性線c、c’は外気温Tcの時のデータをそれぞれ示す。
往き側通路内湯水温推定手段39は、メモリ部40に格納された湯水温推定情報(例えば図6に示されるようなデータ情報)と、前動作判断手段38による判断情報と、風呂装置の外(例えば追い焚き循環通路25の配設領域近傍)に設けられる外気温センサ41により検出される外気温に基づく温度情報と、に基づいて追い焚き循環通路25内の湯水温を推定するものである。
図6(a)、(b)に示されるように、追い焚き循環通路25が配設されている領域の外気温と、追い焚き動作開始前に浴槽26への湯張り動作と浴槽湯水の追い焚き動作のいずれかの動作がいつ行われたのか、追い焚き動作終了時にポストポンプは行われたのか否かによって、追い焚き循環通路25の戻り管23内の湯水温も往管24内の湯水温も変化する。
例えば図6(a)の特性線a〜cに示されるように、追い焚き動作開始前の前回の動作が浴槽26への湯張り動作だったときと、追い焚き動作開始前の前回の動作が追い焚き動作で追い焚き動作終了時にポストポンプが行われたときには、その後の、戻り温度(戻り湯水温検出手段18の検出温度)と往き温度(往管24内の湯水温)は互いにほぼ等しく、湯張り後の経過時間が経過するにつれて下がっていき、その低下速度は外気温が低いほど速くなる。
また、例えば図6(b)の特性線a〜cに示されるように、追い焚き動作開始前の前回の動作が浴槽湯水の追い焚き動作でポストポンプが行われなかったときでも、戻り温度(戻り湯水温検出手段18の検出温度)は、図6(a)の特性線a〜cに示した特性とほぼ同様になる。
一方、追い焚き動作時にポストポンプが行われなかった場合において、往き温度(往管24内の湯水温)は、図6(b)の特性線a’〜c’に示されるように、追い焚き動作後の経過時間が経過するにつれて下がっていき、追い焚き動作直後の往管24内の湯水温が高い分、戻り管23内の湯水温よりは高い状態が続くが、往管24内の湯水温は外気温との温度差が大きい分、その低下速度は戻り管23内の湯水温の低下速度よりも速く、戻り管23内の湯水温に近づいていく。なお、外気温が低いほど、往管24内の湯水温の低下速度も速くなる。
そこで、往き側通路内湯水温推定手段39は、このようなデータ情報と、前動作判断手段38による判断情報と、外気温に基づく温度情報とに基づいて、例えば追い焚き動作開始前に、浴槽26への湯張り動作が行われたときと追い焚き動作後にポストポンプが行われたときには、往管24内の湯水温は、戻り湯水温検出手段18の検出温度とほぼ等しいと推定する。
つまり、湯張り直後に追い焚き動作を行わずに例えば30分後に1回目の追い焚き動作を行う場合は、この1回目の追い焚き動作を行う時に低温水排出動作を行うか否かの判断が行われることになるが、その場合、前動作は湯張り動作になり、図6(a)に示されるようなデータに基づいて往管24内の湯水温の推定が行われる。また、湯張り動作直後に1回目の追い焚き動作が行われた場合は、2回目以降の追い焚き動作時に低温水排出動作を行うか否かの判断が行われるが、この場合は前動作は追い焚き動作になるものの、追い焚き動作終了時にポストポンプが行われれば,同様に、図6(a)に示されるようなデータに基づいて往管24内の湯水温の推定が行われる。
なお、一般に、戻り管23と往管24は並べて配管されることが多く、その場合、戻り管23の配設領域の外気温と往管24の配設領域の外気温とはほぼ等しいので、この場合には、外気温を検出しなくても、往管24内の湯水温は戻り湯水温検出手段18の検出温度と同じと推定できる。
一方、追い焚き動作開始前の前回の動作が浴槽湯水の追い焚き動作でポストポンプが行われなかったときには、往管24内の湯水温は、戻り湯水温検出手段18の検出温度よりも高く、その差は、外気温と前回の追い焚き動作からの経過時間とによって異なる。例えば外気温センサ41による検出温度が特性線a、a’に対応する外気温のときに、戻り湯水温検出手段18の検出温度が特性線a上の点Sの温度であったとすると、往管24内の湯水温は特性線a’上の点S’であると推定される。
往き側通路内湯水温推定手段39は、いずれの場合も、前記のようにして推定した往管24内の湯水温を低温水排出動作の制御手段35に加える。
低温水排出動作の制御手段35は、この例では、往き側通路内湯水温推定手段39から加えられる推定温度が予め定められる湯水排出用設定温度より低かったときに低温水排出動作を行う。例えば図6(b)の温度Teを湯水排出用設定温度とした場合に、推定温度がS’だった場合には、この推定温度S’が湯水排出用設定温度Teより低いので低温水排出動作を行うようにする。
以上の構成によれば、往管24内の湯水温を的確に推定し、該推定温度に基づいて低温水排出動作を行うので、例えば前回の動作が追い焚き動作でポストポンプが行われず追い焚き動作からの経過時間が少ない場合や、外気温が高めの場合で戻り管23内の湯水温との温度差が大きい場合(戻り管23内の湯水温に対して往管24内の湯水温は高めであると推定される場合)は低温水排出動作を行わなくても浴槽26内の利用者に不快感を与えずに済み、水の無駄も省ける。
なお、図5に示されるような制御構成において、外気温センサ41を省略し、例えば制御装置31にカレンダー機能を持たせ、外気温に基づく温度として季節に応じて推定される外気温を適用してもよい。このようにすると、外気温センサ41を省略できる分、コストダウンを図ることができる。
さらに、図3、図5に示した制御構成に加え、例えば図7に示されるように制御装置31内に湯水温推定情報学習手段42を設け、以下に述べるように、風呂装置に学習機能を設けて低温水排出動作の制御を行うようにしてもよい。なお、この例においても以下に説明する構成や動作以外は、前記各実施例と同様であり、その説明および図7への図示は省略または簡略化する。
この例においては、湯水温推定情報学習手段42は、試運転時や季節の変わり目等、予め定められている情報検出タイミングに浴槽湯水の追い焚きを行う際、追い焚き循環ポンプ21をオンしてからの戻り湯水温検出手段18の検出温度を時系列的に検出する。
ここで、図8を参照すると分かるように、追い焚き循環ポンプ21を駆動させると、図の矢印に示されるように湯水が流れ、まず、戻り管23のうち、屋外配置のケース27内にある管路23a内の湯水が戻り湯水温検出手段18の配設位置を通っていき、その後、追い焚き循環ポンプ21の駆動開始時にケース27と浴槽26が配設されている家屋とを接続する屋外配置の配管の管路23b内にあった湯水が、戻り湯水温検出手段18の配設位置を通る。
次に、追い焚き循環ポンプ21の駆動開始時に家屋内において例えば床下等の配管の管路23c内にあった湯水が、戻り湯水温検出手段18の配設位置を通り、その後、追い焚き循環ポンプ21の駆動開始時に、浴室30内の管路(浴槽26の裏側に配設されている管路)23d内にあった湯水が、戻り湯水温検出手段18の配設位置を通ってから浴槽26内にあった湯水が戻り湯水温検出手段18の配設位置を通る。
屋外配置の配管23bには保温材が巻かれている場合が多いので、例えば冬等のように外気温が低い場合は、管路23a〜23d内に滞留している湯水の温度は、例えば、管路23a内の湯水温<管路23b内の湯水温<管路23c内の湯水温<管路23d内の湯水温となる等、管路23a〜23d内に滞留している湯水の温度は互いに異なることが多い。
また、浴槽への湯張り動作や浴槽湯水の追い焚き動作が行われてから時間がたつと、各管路23a〜23d内に滞留している湯水の温度も浴槽湯水の温度も共に低下するが、浴槽26内の湯水の量は管路23a〜23d内に滞留している湯水の量に比べて格段に多いため、浴槽26への湯張り動作や浴槽湯水の追い焚き動作が行われてから時間がたってからの浴槽湯水温は、そのときに管路23a〜23d内に滞留している湯水の温度に比べて高めとなる。
したがって、前記のように、戻り湯水温検出手段18の検出温度を追い焚き循環ポンプ21をオンしてから時系列的に検出すると、例えば図9に示されるように、追い焚き循環ポンプ21をオンしてからの時間に応じて戻り湯水温検出手段18の検出温度は異なる。なお、図9に示されている例は模式図であり、図9において領域aは管路23a内の湯水が戻り湯水温検出手段18の配設位置を通っている時間、領域bは管路23b内の湯水が戻り湯水温検出手段18の配設位置を通っている時間、領域c、dは、それぞれ管路23c、23d内の湯水が戻り湯水温検出手段18の配設位置を通っている時の時間と推定できる。また、時間t以降は、浴槽26の湯水が戻り湯水温検出手段18の配設領域を通ると判断できる。
このような温度変化は、風呂装置27の配設場所や追い焚き循環通路25の配設場所等の条件(例えば同じ外気温でも日光が当たる場所であるか日陰であるのかといったことや、風の有無や強弱等)や、季節等によっても異なるものであり、例えば管路23bの長さが長い場合等は、管路23b内の湯水温が、その配設領域に応じて同じ管路23b内であっても異なることもある。
また、戻り管23内の湯水温と往管24内の湯水温は何れも、浴槽26への湯張り動作や追い焚き動作が行われてから時間の経過と共に低下していくが、前記の如く、一般に、戻り管23と往管24は並べて配管されることが多く、浴槽26の裏側に配設されている戻り管23の管路23d内の湯水温とケース27内にある管路23a内の湯水温との温度差は、浴室30内において浴槽26の裏側に配設されている往管24の管路24d(図8、参照)内の湯水温とケース27内にある往管24の管路24a内の湯水温との温度差に対応する。
そこで、湯水温推定情報学習手段42は、前記の如く、追い焚き循環ポンプ21を駆動開始(オン)してから戻り温検出手段18の検出温度を例えば時系列的に検出し、追い焚き循環ポンプ21の駆動開始時に各管路23a〜23d内に滞留していた湯水が順次、戻り湯水温検出手段18の配設位置を通り過ぎていって浴槽26内からの湯水が戻り湯水温検出手段18の配設位置に達するまでの時間(戻り湯水温検出手段18が浴槽湯水の温度を検出して温度が浴槽湯水の温度Yに向けて急激に上昇する直前までの時間)tと、この時間tにおける戻り湯水温検出手段18の検出温度と、追い焚き循環ポンプ21の駆動開始時における戻り湯水温検出手段18の検出温度との温度差ΔT等を検出する(例えば図9を参照)。また、このとき、湯水温推定情報学習手段42は外気温センサ41の検出温度も取り込む。
次に、湯水温推定情報学習手段42は、前記時間tと追い焚き循環ポンプ21の駆動電流とに基づいて追い焚き循環通路25の長さを推定する、あるいは、追い焚き循環ポンプ21の駆動電流に基づいて追い焚き循環通路25の長さを求めるためのポンプ能力対応配管長さ特性データと追い焚き循環ポンプ21の駆動電流とに基づいて追い焚き循環通路25の長さを推定する、といったような適宜の方法により、追い焚き循環通路25の長さを推定する。
なお、追い焚き循環通路25の長さが長いほど、追い焚き循環ポンプ21の駆動開始時から浴槽湯水が戻り湯水温検出手段18の配設位置に達するまでの前記時間tが長くなる(時間に比例)ものであるが、この関係が成り立つのは、あくまでもポンプの能力(例えば湯水循環流量が8リットル/分となるような能力)が一定である場合である。実際には、追い焚き循環通路25の長さが長いと追い焚き循環通路25を通る湯水の圧力損失が大きくなり、追い焚き循環ポンプ21の威力が小さくなって、湯水の循環流量が例えば8リットル/分から5リットル/分といったように変化するので、前記時間tから追い焚き循環通路25の長さを推定する場合には、このような循環流量変化を加味して追い焚き循環通路25の長さを推定する。
そして、追い焚き動作終了後にポストポンプを行う場合には、戻り湯水温検出手段18の検出温度に基づき、例えば、この検出温度と、前記温度差ΔT、追い焚き循環通路25の長さ、外気温等から、往管24内の湯水温を推定できるように、湯水温推定情報学習手段42は、追い焚き循環通路25の長さ(あるいは往管24の長さ)と、前記情報検出タイミング毎に取得する例えば図9に示したような時系列データや温度差ΔTの値を、例えば外気温センサ41の検出温度に対応させてメモリ部40に格納する。
そして、メモリ部40に格納されたこれらのデータと例えば図6に示したようなデータ情報とに基づき、往き側通路内湯水温推定手段39が湯張り動作や追い焚き動作後に往管24内に滞留していた湯水温(滞留湯水温)を推定することにより、往管24内の湯水温は、図5に示した制御構成により推定するよりもより一層的確に推定することができる。つまり、風呂装置27の配設場所や風呂装置27と浴槽26とを接続する往管24の配設場所、往管24の長さ、季節等の様々な要素によって、往管24内の滞留湯水温は変化するので、前動作判断手段38による判断情報と外気温センサ41の検出温度と予め与えた図6に示されるような湯水温推定情報のみに基づいて往管24内の湯水温を推定するよりも、前記要素による影響を学習して考慮することによって、より一層、的確に推定することができる。
すなわち、例えば追い焚き動作開始の前回の動作が浴槽26への湯張り動作だった場合と、追い焚き動作で追い焚き動作終了時にポストポンプが行われたときには、前記の如く、図6(a)に示されているような温度推定情報に基づいて往管24内の湯水温を推定したり、戻り管23の配設領域の外気温と往管24の配設領域の外気温はほぼ等しいと考えて、往管24内の湯水温が戻り湯水温検出手段18の検出温度と往管24内の湯水温とがほぼ等しいと推定したりすることもできるが、より正確には、図9に示したように、浴槽26の裏側に配設されている戻り管23dの滞留湯水温は戻り湯水温検出手段18の検出温度よりも前記温度ΔTだけ高いと推定され、浴槽26の裏側に配設されている往管24dの滞留湯水温も戻り湯水温検出手段18の検出温度よりも前記温度ΔTだけ高いと推定される。
同様に、管路23b,23c内の滞留湯水温も戻り湯水温検出手段18の検出温度とは異なることから、往管24内でも、その配設領域によって、管路24b,24c内の滞留湯水温も、戻り湯水温検出手段18の検出温度とは異なると考えられる。したがって、このような違いを考慮することにより、往管24内の滞留湯水温をより的確に推定することができる。
そして、例えば戻り管23のうち管路23aと管路23b内の滞留湯水だけが湯水排出用設定温度より低かった場合には、往管24のうち、管路24aと管路24b内の滞留湯水のみが湯水排出用設定温度より低いと推定することができ、これらの管路24a,24b内の滞留湯水のみを低温水排出動作によって浴槽26の外部に排出するといったこともできるし、例えば管路24bが長い場合等は管路24bのうち湯水排出用設定温度より低いと推定される領域の湯水のみを低温水排出動作によって浴槽26の外部に排出するといったこともできる。
また、同様に、例えば追い焚き動作開始の前回の動作が追い焚き動作で追い焚き動作終了時にポストポンプが行われないときに、前記の如く、図6(b)に示されているような温度推定情報と外気温と前回の追い焚き動作からの経過時間とに基づいて往管24内の湯水温を推定するよりも、これらの情報に加えて湯水温推定情報学習手段42により学習して得た情報を考慮して推定する方が、往管24内の滞留湯水温をより的確に推定することができ、前記と同様の効果を奏することができる。
なお、以上のように、往管24内の湯水温の推定は、例えば図6に示したような予め与えた設定データを図9に示したような学習データに基づいて補正する等して(考慮して)行ってもよいが、学習データを複数蓄積して往管24内の湯水温を推定するための湯水温推定情報を作成して行ってもよいし、学習データに基づく湯水温推定情報を作成するまでは設定データに基づいて行い、作成してからは作成したデータに基づいて行ってもよい。
なお、例えば追い焚き動作開始の前回の動作が追い焚き動作で追い焚き動作終了時にポストポンプが行われないときの、追い焚き動作直後の往管24内の湯水温は、例えば以下のようにして求めることができる。つまり、追い焚き動作直後の往管24内の湯水温は、前回の追い焚き動作時の追い焚きバーナ16でのインプットが10000Kcal/hで追い焚き熱交換器15で受け取る熱量(アウトプット)が8000Kcal/h、湯水循環流量が5リットル/分の時には、戻り管23内の湯水温よりも往管24n内の湯水温が25℃高くなり、湯水循環流量が8リットル/分の時には、戻り管23内の湯水温よりも往管24内の湯水温が15.6℃高くなる。
このように、追い焚き動作直後の往管24内の湯水温は、追い焚き循環通路25の配管長さや、この配管長さにも影響される追い焚き動作時の湯水循環流量(配管内流速)で左右される。
そこで、このように、前回の追い焚き動作時の追い焚きバーナ16でのインプットと追い焚き熱交換器15で受け取る熱量と湯水循環流量とに基づいて求めた追い焚き動作直後の往管24内の湯水温に基づき、図6(b)に示したようなデータを補正してもよいし、追い焚き動作直後の往管24内の湯水温毎に前回の追い焚き動作からの経過時間と往管24内の推定湯水温とのデータを与えてもよく、例えば、この追い焚き動作直後の往管24内の湯水温毎に前回の追い焚き動作からの経過時間と往管24内の推定湯水温とのデータと、追い焚き動作後の経過時間と、外気温とに基づき、さらに、湯水温推定情報学習手段42により学習して得た情報を考慮して、追い焚き動作開始時の往管24内の湯水温を推定してもよい。
なお、例えば、低温水排出動作を行わずに追い焚き動作を行った場合に、追い焚き動作開始直後には浴槽26の裏側に配設されている往管24dの滞留湯水が浴槽26内に導出されるので、例えば往管24dの滞留湯水温が高めであれば(つまり、戻り湯水温検出手段18の検出温度が低くてもΔTが大きければ)、湯水温推定情報学習手段42により学習して得た情報を考慮して往管24d内の滞留湯水の少なくとも一部を浴槽26内に導入してから往管24a〜24c内の滞留湯水を低温水排出動作によって排出すること等もできる。
また、浴槽26内に低温水が導入されたときに最も不快と感じるのは、追い焚き動作開始直後であると考えられるので、前記の如く往管24dの滞留湯水温が高めであれば、仮に往管24a〜24c内の滞留湯水の温度が多少低めであって、その湯水が追い焚き動作途中に浴槽26に導入されても、追い焚き動作開始直後から低めの温度の湯水が導入されるよりは不快に感じにくいこともある。このようなことを考慮し、例えば前記温度差ΔTが大きいときには低温水排出動作を行う基準とする湯水排出用設定温度Teを多少低めに設定することもできる。
以上説明したように、湯水温推定情報学習手段42により学習して得た情報を考慮して往管24内の湯水温を推定すると、例えばこの推定湯水温が前記湯水排出用設定温度以上であれば、戻り湯水温検出手段18の検出温度が前記湯水排出用設定温度より低くても低温水排出動作の制御手段35による低温水排出動作を行わないようにできるし、往管24内の湯水温を一様ではなく領域毎に推定して、推定温度が前記湯水排出用設定温度より低い領域の湯水のみを浴槽26の外部に排出するようにすることもでき、風呂装置の配設されている場所等に応じて個々により的確できめ細かい制御が行えるようになり、快適さと湯水の無駄の防止とをより確実に両立できる。