JP3529413B2 - 安息香酸誘導体の亜鉛塩の水和物を含有する感熱記録材料 - Google Patents
安息香酸誘導体の亜鉛塩の水和物を含有する感熱記録材料Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、安息香酸誘導体の亜鉛
塩の水和物を電子受容性化合物として含有する感熱記録
材料に関する。 【0002】 【従来の技術】従来より、電子供与性発色性化合物と電
子受容性化合物(顕色剤)との呈色反応を利用した感熱
記録材料はよく知られている(例えば、特公昭43−4
160号公報、特公昭45−14039号公報)。感熱
記録材料は、比較的安価であり、また、記録機器がコン
パクトで且つメンテナンスフリーであるという利点があ
るため、ファクシミリ、記録計、プリンターの分野にお
いて幅広く利用されている。また最近では、感熱記録材
料の利用分野はさらに広がり多様化しており、より過酷
な環境下での用途(例えば、ラベル、プリペイドカード
等)へと広がっている。 【0003】従来、電子受容性化合物としては、フェノ
ール性化合物が広く利用されており、例えば、2,2−
ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン〔”ビスフ
ェノ−ルA”〕、4−ヒドロキシ安息香酸エステル類
(特開昭56−144193号公報、特公平1−306
40号公報)等を電子受容性化合物として使用する感熱
記録材料が知られている。しかしながら、ビスフェノー
ルAや4−ヒドロキシ安息香酸ベンジルエステルなどを
電子受容性化合物として使用した感熱記録材料は、例え
ば、過酷な環境下(例えば、油、溶剤、可塑剤等との接
触下あるいは高温多湿の環境下)において、その未発色
部が著しく汚染(地汚れ)されたり、また発色画像が褪
色したりする等の欠点がある。 【0004】発色画像の保存安定性を改良する方法とし
て、例えば、電子受容性化合物あるいは発色画像安定剤
として、幾つかの種類の安息香酸誘導体の亜鉛塩を含有
する感熱記録材料が提案されている。例えば、2−ベン
ゾイル安息香酸の亜鉛塩を含有する感熱記録材料(特公
平2−26874号公報、特公平2−39995号公
報)あるいはテレフテル酸アルデヒドの亜鉛塩を含有す
る感熱記録材料(特開平4−363291号公報)が知
られている。しかしながら、これらの公報には安息香酸
誘導体の亜鉛塩の製造方法および該亜鉛塩の性質につい
ては、具体的に開示されていない。本発明者らが検討し
たところ、安息香酸誘導体の亜鉛塩の無水物、例えば、
2−ベンゾイル安息香酸の亜鉛塩の無水物を、例えば、
電子受容性化合物として用いた感熱記録材料は、未発色
部の保存安定性(例えば、耐熱性)に難点があり実用上
充分な性能を有しているとは言い難い。現在では、上述
したような問題点を克服した保存安定性に優れた感熱記
録材料が強く求められている。 【0005】さらに、2−ベンゾイル安息香酸の亜鉛塩
の無水物および4−ホルミル安息香酸の亜鉛塩の無水物
は、嵩密度が低いため、例えば、感熱記録材料用の電子
受容性化合物あるいは高分子材料用の添加剤として使用
するに際して、計量時または輸送時等に空気中へ飛散す
るなど、取り扱い上の作業性に問題があった。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上述
の問題点を解決した、感熱記録材料用の電子受容性化合
物として安息香酸誘導体の亜鉛塩の水和物を含有する感
熱記録材料を提供することである。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の要
望にこたえるべく鋭意検討した結果、本発明に到達し
た。すなわち、本発明は、電子供与性発色性化合物と電
子受容性化合物を含有する感熱記録材料において、電子
受容性化合物として2−ベンゾイル安息香酸の亜鉛塩の
水和物を含有する感熱記録材料である。 【0008】 【0009】 【0010】 【0011】 【0012】 【0013】 【0014】 【0015】本発明で使用する2−ベンゾイル安息香酸
の亜鉛塩の水和物は、2−ベンゾイル安息香酸から、例
えば、複分解法などにより製造される。 【0016】すなわち、例えば、2−ベンゾイル安息香
酸のアルカリ金属塩、アミン塩、アンモニウム塩などの
水可溶性の塩と、水可溶性の亜鉛化合物を、水の存在下
で作用させ、水難溶性あるいは水不溶性の安息香酸誘導
体の亜鉛塩の水和物として製造することができる。 【0017】この2−ベンゾイル安息香酸の水可溶性の
塩は、通常、2−ベンゾイル安息香酸1当量に対して、
0.8〜1.2当量、好ましくは、1.0〜1.1当量
のアルカリ金属化合物(例えば、水酸化リチウム、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナ
トリウム、炭酸水素ナトリウム)、あるいはアミン化合
物(例えば、メチルアミン、エチルアミン、ジメチルア
ミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチル
アミン、エタノールアミン、イソプロパノールアミン、
トリエタノールアミン、2−ジメチルアミノエタノー
ル、モルホリン、アンモニア)を水の存在下で作用させ
ることにより製造することができる。 【0018】この際、水以外にも、水可溶性の有機溶
媒、例えば、メタノール、イソプロパノール、メチルセ
ロソルブ、エチレングリコール等のアルコール系溶媒、
テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、
アセトン等のケトン系溶媒、ジメチルホルムアミド、ジ
メチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジ
メチルスルホキシド、スルホラン等の非プロトン性極性
溶媒などを共存させてもよい。 【0019】水可溶性の亜鉛化合物としては、例えば、
硫酸亜鉛、塩化亜鉛、臭化亜鉛、酢酸亜鉛、硝酸亜鉛が
挙げられる。これらの亜鉛化合物の使用量は、2−ベン
ゾイル安息香酸の水可溶性の塩1当量に対して、0.8
〜1.5当量、好ましくは、1.0〜1.2当量であ
る。 【0020】2−ベンゾイル安息香酸のアルカリ金属塩
などの水可溶性の塩に対して、水の存在下、亜鉛化合物
を作用させる方法としては、特に限定されるものではな
いが、例えば、2−ベンゾイル安息香酸のアルカリ金属
塩などの水溶液に、亜鉛化合物を加える方法でもよく、
あるいは亜鉛化合物の水溶液に対して、2−ベンゾイル
安息香酸のアルカリ金属塩の水溶液を加える方法でもよ
い。この際、所望に応じて加熱を行ってもよく、また水
以外の有機溶媒を共存させてもよい。複分解の後、析出
した亜鉛塩の水和物を公知の方法(例えば、濾過)によ
り取り出し、乾燥させることにより、2−ベンゾイル安
息香酸の亜鉛塩の水和物を得ることができる。 【0021】2−ベンゾイル安息香酸の亜鉛塩の水和物
は、大気圧下、室温付近の環境下では安定であり、その
状態は変化するものではない。しかし、過酷な条件下、
例えば、約100℃以上の条件下では、2−ベンゾイル
安息香酸の亜鉛塩の水和物は、徐々に水和水を失い、無
水物へと変換することがあるので、乾燥を行う際には、
水が失われない程度の条件(例えば、室温〜90℃程度
の温度)下で実施する。 【0022】 【0023】 【0024】2−ベンゾイル安息香酸亜鉛塩の水和物
は、2−ベンゾイル安息香酸1分子に対して、水1分子
を含有する(以下、2−ベンゾイル安息香酸亜鉛塩の二
水和物と称する)。この2−ベンゾイル安息香酸亜鉛塩
の二水和物は、Cu−Kα線の粉末X線回折法におい
て、回折角(2θ)6.2°および9.0°に強いピー
クを示すX線回折図を示す。 【0025】 【0026】上述したように、2−ベンゾイル安息香酸
の亜鉛塩には、無水物と水和物が存在するが、2−ベン
ゾイル安息香酸の亜鉛塩の無水物を水の存在下で熱処理
することにより、2−ベンゾイル安息香酸の亜鉛塩の水
和物を製造することができる。 【0027】2−ベンゾイル安息香酸の亜鉛塩の無水物
は、水に難溶性あるいは不溶性であり、該亜鉛塩の無水
物は、水媒体中に実質的には溶解せずに分散しており、
熱処理の方法としては、該亜鉛塩の無水物を含有する水
媒体を、室温以上の温度、好ましくは、50〜100℃
に加熱し、撹拌する方法を適用できる。熱処理する時間
は温度にも依存するが、約30分以上行うことにより、
大部分の無水物を水和物へと変換することができる。無
水物が水和物へ変換したかどうかは、例えば、X線回折
法などの公知の分析手段により判断することができるの
で、熱処理の時間は、これらの分析手段により決定する
ことができる。長時間の熱処理は、悪影響を与えるもの
ではないが、長時間を費やすこと自体、作業効率、生産
効率等の低下をもたらすだけであり、通常は、30分〜
20時間、より好ましくは、1時間〜15時間の熱処理
時間で充分である。 【0028】本発明の2−ベンゾイル安息香酸の亜鉛塩
の水和物の製造方法は、水の存在下で、2−ベンゾイル
安息香酸の亜鉛塩の無水物を、熱処理することを特徴と
するものであるが、水以外にも、水に可溶性の有機溶
媒、例えば、メタノール、イソプロパノール、メチルセ
ロソルブ、エチレングリコール等のアルコール系溶媒、
テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、
アセトン等のケトン系の溶媒、ジメチルホルムアミド、
ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、
ジメチルスルホキシド、スルホラン等の非プロトン性極
性溶媒などを共存させてもよい。水に可溶性の有機溶媒
の割合が多いと、製造される2−ベンゾイル安息香酸の
亜鉛塩の水和物の回収率が低下するために、全水媒体
中、水に可溶性の有機溶媒の量は、60重量%以下であ
ることが好ましく、40重量%以下であることがより好
ましい。 【0029】また、撹拌装置に関しては、特に制約する
ものではないが、2−ベンゾイル安息香酸の亜鉛塩の無
水物または生成する水和物が、水媒体中に分散された状
態を維持するために必要な撹拌能力を有する装置を使用
することが好ましい。 【0030】水媒体の使用量は、多量に使用することは
本発明の効果を妨げるものではないが、必要以上に多量
に使用すること自体、大きな装置、容器を必要とし、生
産効率の低下をもたらすことは明らかであり、通常は、
2−ベンゾイル安息香酸の亜鉛塩の無水物に対して、
0.5〜100倍(容量/重量)の水媒体中で熱処理す
ることが好ましく、より好ましくは、1〜50倍(容量
/重量)である。 【0031】本発明の方法により製造される2−ベンゾ
イル安息香酸の亜鉛塩の水和物は、特殊な装置を使用せ
ずとも公知の手段、装置により、反応系から容易に濾
過、単離することができる。濾過後は、無水物に変化し
ない条件下で乾燥し、公知の手段、方法により分散処理
し、あるいは乾燥工程を経ずとも、濾過後、直接分散処
理することにより、感熱記録材料用の電子受容性化合物
の分散液を調製することができる。 【0032】本発明の感熱記録材料においては、通常、
電子供与性発色性化合物100重量部に対し、電子受容
性化合物50〜700重量部、好ましくは、100〜5
00重量部使用するのが望ましい。 【0033】本発明に使用する無色ないし淡色の電子供
与性発色性化合物としては、トリアリールメタン系化合
物、ジアリールメタン系化合物、ローダミン−ラクタム
系化合物、フルオラン系化合物、インドリルフタリド系
化合物、ジビニルフタリド系化合物、ピリジン系化合
物、スピロ系化合物、フルオレン系化合物、チアジン系
化合物などが挙げられる。 【0034】これらの化合物のいくつかの具体例を挙げ
ると、トリアリールメタン系化合物としては、3,3−
ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルア
ミノフタリド〔”クリスタルバイオレットラクト
ン”〕、3,3−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)
フタリド、3−(4−ジメチルアミノフェニル)−3−
(4−ジエチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノ
フタリド、3,3−ビス(9−エチルカルバゾール−3
−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジ
メチルアミノフェニル)−3−(1−メチルピロール−
3−イル)−6−ジメチルアミノフタリドなどがある。 【0035】ジアリールメタン系化合物としては、4,
4−ビス−ジメチルアミノベンズヒドリンベンジルエー
テル、N−ハロフェニル−ロイコオーラミン、N−2,
4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミンなどがあ
る。 【0036】ローダミン−ラクタム系化合物としては、
ローダミン−B−アニリノラクタム、ローダミン−(4
−ニトロアニリノ)ラクタム、ローダミン−B−(2−
クロロアニリノ)ラクタムなどがある。 【0037】フルオラン系化合物としては、3,6−ジ
メトキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メトキ
シフルオラン、3−ジメチルアミノ−7−メトキシフル
オラン、3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン、
3−N−シクロヘキシル−N−n−ブチルアミノ−7−
メチルフルオラン、3−N−エチル−N−イソペンチル
アミノ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−
7−メトキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ク
ロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7
−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6,7−ジ
メチルフルオラン、3,6−ビス(ジフェニルアミノ)
フルオラン、 【0038】3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミ
ノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−7−ジベン
ジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ジ−
n−ヘキシルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−
7−n−オクチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミ
ノ−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−イ
ソペンチルアミノ−7−アニリノフルオラン、 【0039】3−ジエチルアミノ−7−(2’−クロロ
フェニルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7
−(3’−クロロフェニルアミノ)フルオラン、3−ジ
エチルアミノ−7−(2’,3’−ジクロロフェニルア
ミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(3’−
トリフルオロメチルフェニルアミノ)フルオラン、3−
ジ−n−ブチルアミノ−7−(2’−クロロフェニルア
ミノ)フルオラン、 【0040】3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−ア
ニリノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−ク
ロロ−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−
6−メトキシ−7−アニリノフルオラン、3−ジ−n−
ブチルアミノ−6−エトキシ−7−アニリノフルオラ
ン、 【0041】3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリ
ノフルオラン、3−モルホリノ−6−メチル−7−アニ
リノフルオラン、3−ジメチルアミノ−6−メチル−7
−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチ
ル−7−アニリノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミ
ノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ−n
−ペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラ
ン、3−ジ−n−オクチルアミノ−6−メチル−7−ア
ニリノフルオラン、3−N−n−プロピル−N−メチル
アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N
−n−ブチル−N−メチルアミノ−6−メチル−7−ア
ニリノフルオラン、3−N−n−ブチル−N−エチルア
ミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−
イソブチル−N−メチルアミノ−6−メチル−7−アニ
リノフルオラン、3−N−イソブチル−N−エチルアミ
ノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−n
−ペンチル−N−エチルアミノ−6−メチル−7−アニ
リノフルオラン、3−N−イソペンチル−N−エチルア
ミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−
n−ヘキシル−N−エチルアミノ−6−メチル−7−ア
ニリノフルオラン、3−N−n−オクチル−N−エチル
アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、 【0042】3−N−シクロペンチル−N−エチルアミ
ノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−シ
クロヘキシル−N−メチルアミノ−6−メチル−7−ア
ニリノフルオラン、3−N−シクロヘキシル−N−n−
プロピルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラ
ン、3−N−シクロヘキシル−N−n−ブチルアミノ−
6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−シクロ
ヘキシル−N−n−ヘキシルアミノ−6−メチル−7−
アニリノフルオラン、3−N−シクロヘキシル−N−n
−オクチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラ
ン、 【0043】3−N−(2’−メトキシエチル)−N−
イソブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラ
ン、3−N−(2’−エトキシエチル)−N−エチルア
ミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−
(3’−メトキシプロピル)−N−メチルアミノ−6−
メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−(3’−メ
トキシプロピル)−N−エチルアミノ−6−メチル−7
−アニリノフルオラン、3−N−(3’−エトキシプロ
ピル)−N−メチルアミノ−6−メチル−7−アニリノ
フルオラン、3−N−(3’−エトキシプロピル)−N
−エチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラ
ン、3−N−(2’−テトラヒドロフルフリル)−N−
エチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−N−(4’−メチルフェニル)−N−エチルアミノ
−6−メチル−7−アニリノフルオラン、 【0044】3−ジエチルアミノ−6−エチル−7−ア
ニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−
7−(3’−メチルフェニルアミノ)フルオラン、3−
ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2’,6’−ジメ
チルフェニルアミノ)フルオラン、3−ジ−n−ブチル
アミノ−6−メチル−7−(2’,6’−ジメチルフェ
ニルアミノ)フルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−
7−(2’,6’−ジメチルフェニルアミノ)フルオラ
ン、2,2−ビス〔4’−(3−N−シクロヘキシル−
N−メチルアミノ−6−メチルフルオラン)−7−イル
アミノフェニル〕プロパン、3−〔4’−(4−フェニ
ルアミノフェニル)アミノフェニル〕アミノ−6−メチ
ル−7−クロロフルオランなどがある。 【0045】インドリルフタリド系化合物としては、
3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イ
ル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス
(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−6−ジメ
チルアミノフタリド、3,3−ビス(2−フェニルイン
ドール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、
3,3−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3
−イル)フタリド、3,3−ビス(1−オクチル−2−
メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(4−ジ
メチルアミノフェニル)−3−(1,2−ジメチルイン
ドール−3−イル)フタリド、3−(4−ジメチルアミ
ノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3−イ
ル)フタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミ
ノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドー
ル−3−イル)フタリド、3−(2−エトキシ−4−ジ
ブチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチ
ルインドール−3−イル)フタリド、3−(2−エトキ
シ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−オクチ
ル−2−メチルインドール−3−イル)フタリドなどが
ある。 【0046】ジビニルフタリド系化合物としては、3,
3−ビス[2,2−ビス(4−ジメチルアミノフェニ
ル)エテニル]−4,5,6,7−テトラクロロフタリ
ド、3,3−ビス[2,2−ビス(4−ピロリジノフェ
ニル)エテニル]−4,5,6,7−テトラブロモフタ
リド、3,3−ビス[2−(4−メトキシフェニル)−
2−(4−ジメチルアミノフェニル)エテニル]−4,
5,6,7−テトラクロロフタリド、3,3−ビス[2
−(4−メトキシフェニル)−2−(4−ピロリジノフ
ェニル)エテニル]−4,5,6,7−テトラクロロフ
タリドなどがある。 【0047】ピリジン系化合物としては、3−(2−エ
トキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エ
チル−2−メチルインドール−3−イル)−4または7
−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルア
ミノフェニル)−3−(1−エチル−2−フェニルイン
ドール−3−イル)−4または7−アザフタリド、3−
(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−
(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−
4または7−アザフタリド、3−(2−ヘキシルオキシ
−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−
2−メチルインドール−3−イル)−4または7−アザ
フタリド、3−(2−n−ブトキシ−4−ジエチルアミ
ノフェニル)−3−(1−エチル−2−フェニルインド
ール−3−イル)−4または7−アザフタリド、3−
(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−
(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4
または7−アザフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−
2−メチルフェニル)−3−(1−n−オクチル−2−
メチルインドール−3−イル)−4または7−アザフタ
リド、3,3−ビス(4−ジエチルアミノ−2−メトキ
シフェニル)−4または7−アザフタリド、3,3−ビ
ス(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4
または7−アザフタリドなどがある。 【0048】スピロ系化合物としては、3−メチル−ス
ピロ−ジナフトピラン、3−エチル−スピロ−ジナフト
ピラン、3−フェニル−スピロ−ジナフトピラン、3−
ベンジル−スピロ−ジナフトピラン、3−メチル−ナフ
ト−(3−メトキシベンゾ)スピロピラン、3−プロピ
ル−スピロ−ジベンゾピランなどがある。 【0049】フルオレン系化合物としては、3,6−ビ
ス(ジメチルアミノ)フルオレン−9−スピロ−3’−
(6’−ジメチルアミノ)フタリド、3−ジエチルアミ
ノ−6−(N−アリル−N−メチルアミノ)フルオレン
−9−スピロ−3’−(6’−ジメチルアミノ)フタリ
ド、3,6−ビス(ジメチルアミノ)−スピロ[フルオ
レン−9,6’−6’H−クロメノ(4,3−b)イン
ドール]、3,6−ビス(ジメチルアミノ)−3’−メ
チル−スピロ[フルオレン−9,6’−6’H−クロメ
ノ(4,3−b)インドール]、3,6−ビス(ジエチ
ルアミノ)−3’−メチル−スピロ[フルオレン−9,
6’−6’H−クロメノ(4,3−b)インドール]な
どがある。 【0050】チアジン系化合物としては、ベンゾイルロ
イコメチレンブルー、4−ニトロベンゾイルロイコメチ
レレンブルーなどがある。 【0051】電子供与性発色性化合物としては、特に、
黒色発色するフルオラン系化合物が好ましく、中でも、
ジ−n−ブチルアミノ−7−(2’−クロロフェニルア
ミノ)フルオラン、3−ジメチルアミノ−6−メチル−
7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メ
チル−7−アニリノフルオラン、3−ジ−n−ブチルア
ミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ−
n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオ
ラン、3−N−n−プロピル−N−メチルアミノ−6−
メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−n−ブチル
−N−メチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオ
ラン、3−N−イソブチル−N−メチルアミノ−6−メ
チル−7−アニリノフルオラン、3−N−イソブチル−
N−エチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラ
ン、3−N−イソペンチル−N−エチルアミノ−6−メ
チル−7−アニリノフルオラン、3−N−(2’−メト
キシエチル)−N−イソブチルアミノ−6−メチル−7
−アニリノフルオラン、3−N−(3’−エトキシプロ
ピル)−N−エチルアミノ−6−メチル−7−アニリノ
フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−
(3’−メチルフェニルアミノ)フルオランは、未発色
時の光安定性に優れており特に好ましい電子供与性発色
性化合物である。 【0052】これらの電子供与性発色性化合物は単独、
あるいは複数併用してもよい。 【0053】本発明の感熱記録材料は、電子受容性化合
物として2−ベンゾイル安息香酸の亜鉛塩の水和物を含
有するものであるが、本発明の所望の効果を損なわない
範囲で他の電子受容性化合物を併用することも可能であ
る。 【0054】この場合、全電子受容性化合物中に占める
2−ベンゾイル安息香酸の亜鉛塩の水和物の割合は、通
常、10重量%以上、好ましくは20重量%以上、より
好ましくは30重量%以上に調整するのが望ましい。 【0055】2−ベンゾイル安息香酸の亜鉛塩の水和物
以外の電子受容性化合物としてはフェノール誘導体、有
機酸あるいはその金属塩、錯体、尿素誘導体などの有機
電子受容性化合物あるいは酸性白土などの無機電子受容
性化合物が挙げられる。 【0056】これらの化合物のいくつかの具体例を挙げ
ると、4−tert−ブチルフェノール、4−tert−オクチ
ルフェノール、4−フェニルフェノール、1−ナフトー
ル、2−ナフトール、ハイドロキノン、レゾルシノー
ル、4−tert−オクチルカテコール、2,2’−ジヒド
ロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニル
エーテル、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)
プロパン〔”ビスフェノールA”〕、1,1−ビス
(4’−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2
−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−メチルフェニル)プ
ロパン、1,3−ビス(4’−ヒドロキシクミル)ベン
ゼン、1,4−ビス(4’−ヒドロキシクミル)ベンゼ
ン、1,3,5−トリス(4’−ヒドロキシクミル)ベ
ンゼン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)酢
酸エチルエステル、4,4−(4’−ヒドロキシフェニ
ル)ペンタン酸−n−ブチルエステル、4−ヒドロキシ
安息香酸ベンジルエステル、4−ヒドロキシ安息香酸フ
ェネチルエステル、2,4−ジヒドロキシ安息香酸フェ
ノキシエチルエステル、4−ヒドロキシフタル酸ジメチ
ルエステル、没食子酸−n−プロピルエステル、没食子
酸−n−オクチルエステル、没食子酸−n−ドデシルエ
ステル、没食子酸−n−オクタデシルエステル、ハイド
ロキノンモノベンジルエーテル、ビス(3−メチル−4
−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(2−メチル
−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(3−フ
ェニル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス
(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)スル
フィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシ
ド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフォン、ビス
(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルフォン、
4−ヒドロキシ−4’−メチルジフェニルスルフォン、
4−ヒドロキシ−4’−tert−ブチルジフェニルスルフ
ォン、4−ヒドロキシ−4’−クロロジフェニルスルフ
ォン、4−ヒドロキシ−4’−メトキシジフェニルスル
フォン、4−ヒドロキシ−4’−n−プロポキシジフェ
ニルスルフォン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキ
シジフェニルスルフォン、4−ヒドロキシ−4’−n−
ブトキシジフェニルスルフォン、4−ヒドロキシ−4’
−ベンジルオキシジフェニルスルフォン、3,4−ジヒ
ドロキシ−4’−メチルジフェニルスルフォン、2,
4’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、2−メトキ
シ−4’−ヒドロキシジフェニルスルフォン、2−エト
キシ−2’−ヒドロキシジフェニルスルフォン、4−ヒ
ドロキシ−3−メチル−4’−n−プロポキシジフェニ
ルスルフォン、ビス(2−ヒドロキシ−5−tert−ブチ
ルフェニル)スルフォン、ビス(2−ヒドロキシ−5−
クロロフェニル)スルフォン、ビス[4−(3’−ヒド
ロキシフェニルオキシ)フェニル]スルフォン、4−ヒ
ドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾ
フェノン、1,7−ビス(4’−ヒドロキシフェニルチ
オ)−3,5−ジオキサヘプタン、1,5−ビス(4’
−ヒドロキシフェニルチオ)−3−オキサペンタンなど
のフェノール誘導体、 【0057】サリチル酸、3−イソプロピルサリチル
酸、3−シクロヘキシルサリチル酸、3,5−ジ−tert
−ブチルサリチル酸、3,5−ジ−α−メチルベンジル
サリチル酸、3−メチル−5−α−メチルベンジルサリ
チル酸、4−[2’−(4−メトキシフェニルオキシ)
エチルオキシ]サリチル酸、4−[3’−(4−メチル
フェニルスルホニル)プロピルオキシ]サリチル酸、4
−[3’−(4−メトキシフェニルスルホニル)プロピ
ルオキシ]サリチル酸、5−{4’−[2−(4−メト
キシフェニルオキシ)エチルオキシ]クミル}サリチル
酸、1−ナフトエ酸、2−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ
−3−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸、
6−アセトキシ−2−ナフトエ酸、フタル酸モノベンジ
ルエステル、フタル酸モノフェニルエステルなどの有機
酸あるいはこれらの金属塩(たとえば、ニッケル、亜
鉛、アルミニウム、カルシウム等の金属塩)、チオシア
ン酸亜鉛アンチピリン錯体、モリブデン酸アセチルアセ
トン錯体などの錯体、N,N’−ジフェニルチオ尿素、
N,N’−ジ(3−トリフルオロメチルフェニル)チオ
尿素、1,4−ジ(3’−クロロフェニル)−3−チオ
セミカルバジドなどの尿素誘導体などの有機電子受容性
化合物、酸性白土、アタパルガイト、コロイダルシリ
カ、珪酸アルミニウム、活性白土、塩化アルミニウム、
塩化亜鉛、臭化亜鉛などの無機電子受容性化合物を好ま
しい化合物として挙げることができる。これらの中で
も、特に、フェノール誘導体は好ましい電子受容性化合
物である。これらの電子受容性化合物は、単独あるいは
複数併用してもよい。 【0058】本発明の感熱記録材料は、以下述べるよう
に、公知の感熱記録材料を製造するための各種公知の処
方(熱可融性化合物の添加など)がさらに付与される。 【0059】本発明の感熱記録材料において、所望によ
り熱可融性化合物(融点約70〜150℃、より好まし
くは、融点約80〜130℃の化合物)を本発明の感熱
記録材料にさらに添加することは、高速記録に対応した
感熱記録材料を得るためには好ましいことである。 【0060】この場合、通常、電子供与性発色性化合物
100重量部に対し、熱可融性化合物10〜700重量
部、好ましくは、20〜500重量部使用するのが望ま
しい。 【0061】かかる熱可融性化合物の具体例としては、
例えば、カプロン酸アミド、カプリン酸アミド、パルミ
チン酸アミド、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミ
ド、エルシン酸アミド、リノ−ル酸アミド、リノレン酸
アミド、ステアリン酸メチレンビスアミド、ステアリル
尿素、ステアリン酸アニリド、N−エチルカルバゾー
ル、4−メトキシジフェニルアミンなどの含窒素化合
物、 【0062】4−ベンジルオキシ安息香酸ベンジルエス
テル、2−ナフトエ酸フェニルエステル、1−ヒドロキ
シ−2−ナフトエ酸フェニルエステル、シュウ酸ジベン
ジルエステル、シュウ酸ジ(4−メチルベンジル)エス
テル、シュウ酸ジ(4−クロロベンジル)エステル、グ
ルタル酸ジフェナシルエステル、ジ(4−メチルフェニ
ル)カーボネート、テレフタル酸ジメチルエステル、テ
レフタル酸ジ−n−ブチルエステル、テレフタル酸ジベ
ンジルエステル、イソフタル酸ジ−n−ブチルエステ
ル、イソフタル酸ビス(4−ベンジルオキシカルボニル
フェニル)エステル、ビス[2−(ベンゾイルオキシ)
エチル]スルフィドなどのエステル化合物、 【0063】4−ベンジルビフェニル、m−ターフェニ
ル、フルオレン、フルオランテン、2,6−ジイソプロ
ピルナフタレン、3−ベンジルアセナフテンなどの炭化
水素化合物、 【0064】2−ベンジルオキシナフタレン、2−
(4’−メチルベンジルオキシ)ナフタレン、1,4−
ジエトキシナフタレン、 【0065】1,2−ジフェノキシエタン、1,2−ビ
ス(3’−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ビス
(4’−メチルフェノキシ)エタン、1−フェノキシ−
2−(4’−エチルフェノキシ)エタン、1−(4’−
メトキシフェノキシ)−2−フェノキシエタン、1−
(4’−メトキシフェノキシ)−2−(3’−メチルフ
ェノキシ)エタン、1−(4’−メトキシフェノキシ)
−2−(2’−メチルフェノキシ)エタン、1−(4’
−メトキシフェノキシ)−2−フェノキシプロパン、1
−フェノキシ−2−(4’−メトキシフェノキシ)プロ
パン、1,2−ビス(4’−メトキシフェノキシ)プロ
パン、1,3−ビス(4’−メトキシフェノキシ)プロ
パン、1−(4’−メトキシフェノキシ)−2−(2’
−クロロフェノキシ)エタン、1,4−ジフェノキシブ
タン、ビス[2−(4’−メトキシフェノキシ)エチ
ル]エーテル、 【0066】4−(4’−メチルフェノキシ)ビフェニ
ル、1,2−ジフェノキシベンゼン、1,4−ジフェノ
キシベンゼン、1,4−ビスベンジルオキシベンゼン、
1,4−ビス(2’−クロロベンジルオキシ)ベンゼ
ン、1,4−ビス(2’−クロロフェノキシ)ベンゼ
ン、1,4−ビス(4’−メチルフェノキシ)ベンゼ
ン、1,4−ビス(3’−メチルフェノキシメチル)ベ
ンゼン、4−(4’−クロロベンジルオキシ)エトキシ
ベンゼン、4,4’−ビス(フェノキシ)ジフェニルエ
ーテル、1,4−ビス(4’−ベンジルフェノキシ)ベ
ンゼン、1,4−ビス[(4’−メチルフェニルオキ
シ)メトキシメチル]ベンゼン、 【0067】4−(4’−メトキシベンジルチオ)アニ
ソール、1−フェノキシ−2−(4’−メトキシフェニ
ルチオ)エタン、1,2−ビス(4’−メトキシフェニ
ルチオ)エタン、1−(4’−メチルフェノキシ)−2
−(4’−メトキシフェニルチオ)エタン、ベンジル−
4−メチルチオフェニルエーテル、4,4’−ビス(フ
ェノキシ)ジフェニルチオエーテル、4,4’−ジ−n
−ブトキシジフェニルスルフォンなどのエ−テル化合物
あるいは含硫黄化合物、 【0068】1,4−ジ(グリシジルオキシ)ベンゼ
ン、1,4−ジグリシジルテレフタレート、4−グリシ
ジルオキシ−4’−イソプロピルオキシジフェニルスル
フォン、4−[(2,3−エポキシ−2−メチル)プロ
ピルオキシ]フェニル−4’−(ベンジルオキシ)フェ
ニルスルフォン、4−[(2,3−エポキシ)プロピル
オキシ]フェニル−4’−(4−メチルベンジルオキ
シ)ジフェニルスルフォンなどのエポキシ基を有する化
合物などを挙げることができる。これらの熱可融性化合
物は、単独あるいは複数併用してもよい。 【0069】本発明の感熱記録材料を製造するには、特
殊な方法によらなくとも公知の方法により製造すること
ができる。 【0070】一般的には、電子供与性発色性化合物、2
−ベンゾイル安息香酸の亜鉛塩の水和物などは、各々水
溶性バインダー中で、ボールミル、サンドミル、横型サ
ンドミル、アトライタ、コロイダルミルなどの手段によ
り分散、通常、3μm以下、好ましくは、2μm以下の
粒径にまで粉砕分散し、混合し、感熱記録層用の塗液を
調製することができる。 【0071】かかる水溶性バインダーとしては、具体的
には、たとえば、ポリビニールアルコール、スルフォン
化ポリビニールアルコール、ヒドロキシエチルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルセルロース、エピクロルヒドリ
ン変性ポリアミド、エチレン−無水マレイン酸共重合
体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、イソブチレン
−無水マレイン酸共重合体、ポリアクリル酸、ポリアク
リルアミド、メチロール変成ポリアクリルアミド、デン
プン誘導体、カゼイン、ゼラチン、メチルセルロース、
カルボキシメチルセルロース、アラビアゴム、カルボキ
シル基変性ポリビニールアルコールなどを例示すること
ができる。 【0072】更に必要に応じて、本発明の感熱記録材料
の記録層中には、顔料、水不溶性バインダー、金属石
鹸、ワックス、界面活性剤、紫外線吸収剤、ヒンダード
フェノール、消泡剤などを添加する。 【0073】顔料としては、炭酸亜鉛、炭酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、
酸化チタン、タルク、ロウ石、カオリン、ケイソウ土、
水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、アルミナ、
シリカ、非晶質シリカ、尿素−ホルマリン充填剤、ポリ
エチレン粒子、セルロース充填剤などが用いられる。 【0074】水不溶性バインダーとしては、合成ゴムラ
テックスあるいは合成樹脂エマルジョンが一般的であ
り、スチレン−ブタジエンゴムラテックス、アクリロニ
トリル−ブタジエンラテックス、アクリル酸メチル−ブ
タジエンゴムラテックス、酢酸ビニルエマルジョンなど
が知られており、必要に応じて使用される。 【0075】金属石鹸としては、高級脂肪酸金属塩が用
いられ、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、
ステアリン酸アルミニウム、オレイン酸亜鉛などが用い
られる。 【0076】ワックスとしては、パラフィンワックス、
マイクロクリスタリンワックス、カルボキシ変性パラフ
ィンワックス、カルナウバワックス、ポリエチレンワッ
クス、ポリスチレンワックス、キャンデリラワックス、
モンタンワックス、高級脂肪酸エステルなどが挙げられ
る。 【0077】界面活性剤としては、スルホコハク酸系の
アルカリ金属塩〔例えば、ジ(n−ヘキシル)スルホコ
ハク酸、ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸等の
ナトリウム塩〕、ドデシルベンゼンスルフォン酸のナト
リウム塩、ラウリルアルコール硫酸エステルのナトリウ
ム塩、フッ素含有の界面活性剤などが挙げられる。 【0078】紫外線吸収剤としては、桂皮酸誘導体、ベ
ンゾフェノン誘導体、ベンゾトリアゾリルフェノール誘
導体などが挙げられる。 【0079】ヒンダードフェノールとしては、フェノー
ル性水酸基のオルト位の少なくとも1つが分枝アルキル
基で置換されたフェノール誘導体が好ましく、1,1,
3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−
ブチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メ
チル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)
ブタン、1,1,3−トリス(2−エチル−4−ヒドロ
キシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,1,3
−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−
4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)プロパ
ン、2,2’−メチレン−ビス(6−tert−ブチル−4
−メチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス(6
−tert−ブチル−4−エチルフェノ−ル)、1,3,5
−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert
−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,
3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−
2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸、1,3,
5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2−
メチル−6−エチルベンジル)イソシアヌル酸、ビス
(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェ
ニル)スルフィドなどが挙げられる。 【0080】本発明の感熱記録材料において、記録層の
形成方法に関しては特に限定されるものではなく、従来
より公知の技術に従って形成することができる。 【0081】例えば感熱記録層用の塗液を、支持体上に
エアーナイフコーター、ブレードコーター、バーコータ
ー、グラビアコーター、カーテンコーター、ワイヤーバ
ーなどの適当な塗布装置で塗布、乾燥して記録層を形成
することができる。 【0082】また、塗液の塗布量に関しても特に限定さ
れるものではなく、一般に乾燥重量で1.5〜12g/
m2、好ましくは、2.5〜10g/m2の範囲で調整さ
れる。 【0083】支持体としては紙、プラスチックシート、
合成紙、あるいはこれらを組み合わせた複合シートが用
いられる。 【0084】なお、必要に応じて感熱記録層の表面およ
び/あるいは裏面に保護層(オーバーコート層)を設け
たり、支持体と感熱記録層の間に単層あるいは複数層の
顔料(例えば、カオリン)あるいは合成樹脂(例えば、
プラスチック球状粒子、プラスチック球状中空粒子)な
どからなる下塗り層(アンダーコート層)を設けるこ
と、感熱記録層と下塗り層との間、あるいは感熱記録層
と保護層との間に顔料、バインダーなどからなる中間層
を設けることも勿論可能であり、さらには支持体の裏側
面に粘着加工を施すなど感熱記録材料の製造方法におけ
る各種の公知技術を付与しえる。 【0085】 【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。 【0086】実施例1 (2−ベンゾイル安息香酸の亜
鉛塩の水和物の製造) 2−ベンゾイル安息香酸50.5gのメタノール懸濁溶
液(100ml)に対して、炭酸水素ナトリウム18.
8gを溶解させた水溶液200mlを室温で15分要し
て滴下した後、室温でさらに2時間撹拌した。該2−ベ
ンゾイル安息香酸ナトリウム塩の溶液に、硫酸亜鉛七水
和物32.1gを溶解させた水溶液100mlを、室温
で30分を要して滴下した。滴下後、1時間撹拌を行っ
た後、析出している固体を濾過、水洗後、50℃で24
時間乾燥を行い、無色の2−ベンゾイル安息香酸の亜鉛
塩の二水和物50.1gを得た。 融点 155〜160℃(decomp.) この亜鉛塩の水和物のCu−kα線による粉末X線回折
図を図1に示した。 【0087】 【0088】実施例2 (2−ベンゾイル安息香酸の亜
鉛塩の無水物から2−ベンゾイル安息香酸の亜鉛塩の水
和物の製造) 2−ベンゾイル安息香酸の亜鉛塩の無水物25.5g
を、水溶液(200ml)中に分散させ、この亜鉛塩の
分散液を80℃に加温し、80℃で4時間撹拌処理し
た。室温に冷却後、結晶を濾過し、水洗後、50℃で2
4時間乾燥を行い、2−ベンゾイル安息香酸の亜鉛塩の
二水和物25.5gを得た。 融点 155〜160℃(decomp.) この亜鉛塩の水和物のCu−kα線による粉末X線回折
を測定したところ、実施例1で製造した亜鉛塩の水和物
の粉末X線回折図と同一の回折パターンを示した。 【0089】参考例1 (2−ベンゾイル安息香酸の亜
鉛塩の無水物の製造) 実施例1で製造した2−ベンゾイル安息香酸の亜鉛塩の
水和物を、110℃で2時間放置した。該固体のカール
フィッシャー分析法により水分測定を行った結果、無水
物であることが確認された。 融点 >300℃ 【0090】 【0091】上記の実施例1および2で製造した2−ベ
ンゾイル安息香酸の亜鉛塩の水和物は、参考例1で製造
した2−ベンゾイル安息香酸の亜鉛塩の無水物と比較し
て、嵩密度が高いため、該亜鉛塩の水和物を、例えば、
感熱記録材料の電子受容性化合物として使用する際し
て、計量時または輸送時等において空気中へ飛散するこ
とがなく、取扱い上の作業性が良好であった。 〔感熱記録紙の作製〕 【0092】 【表1】 【0093】 【表2】 【0094】 【表3】 【0095】上記A液、B液およびC液をそれぞれサン
ドグラインディングミルで平均粒子径1.5μmに分散
し、分散液を得た。 【0096】実施例3〜5 A液100g、B液250g、C液250gの分散液と
30%パラフィンワックス23gを混合して、これを上
質紙に乾燥塗布量が5.0g/m2となるように塗布、
乾燥し、感熱記録紙を作製した。 【0097】なお、各実施例に使用したA液中の電子供
与性発色性化合物を第1表に示した。電子受容性化合物
としては、2−ベンゾイル安息香酸亜鉛塩の二水和物を
使用した。 【0098】 【表4】 【0099】比較例1 A液中の電子供与性発色性化合物としては、3−ジ−n
−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン
を使用し、B液中の電子受容性化合物として参考例1で
製造した2−ベンゾイル安息香酸の亜鉛塩の無水物を使
用して、A液100g、B液250g、C液250gの
分散液と30%パラフィンワックス23gを混合して、
これを上質紙に乾燥塗布量が5.0g/m2となるよう
に塗布、乾燥し、感熱記録紙を作製した。 【0100】 【0101】〔感熱記録紙の評価法〕 (未発色部の保存安定性試験)実施例および比較例で作
製した各感熱記録紙の塗布直後の白色度を色差計(Σ−
80、日本電色製)を用いて測定した。さらに、各感熱
記録紙について、その未発色部の耐熱性を調べた。 【0102】なお、耐熱性試験としては、各感熱記録紙
を60℃で24時間保存した後の、各感熱記録紙の未発
色部の白色度を色差計を用いて調べた。数値が大きい
程、白色度が高く、未発色部の耐熱性に優れていること
を示している。評価結果を第2表に示した。 【0103】 【表5】 【0104】第2表から明らかなように、本発明の2−
ベンゾイル安息香酸の亜鉛塩の水和物を電子受容性化合
物として用いた感熱記録材料は、2−ベンゾイル安息香
酸の亜鉛塩の無水物を電子受容性化合物として用いた感
熱記録材料と比較して、未発色部の耐熱性に優れてい
る。 【0105】 【発明の効果】本発明の2−ベンゾイル安息香酸の亜鉛
塩の水和物は、該亜鉛塩の無水物と比較して、嵩密度が
高いため、該亜鉛塩の水和物を、例えば、感熱記録材料
の電子受容性化合物として使用する際して、計量時また
は輸送時等において空気中へ飛散することがなく、取扱
い上の作業性が良好である。 【0106】また、本発明の2−ベンゾイル安息香酸の
亜鉛塩の水和物を電子受容性化合物として用いた感熱記
録材料は、該亜鉛塩の無水物を電子受容性化合物として
用いた感熱記録材料と比較して、未発色部の保存安定性
(耐熱性など)に優れている。
塩の水和物を電子受容性化合物として含有する感熱記録
材料に関する。 【0002】 【従来の技術】従来より、電子供与性発色性化合物と電
子受容性化合物(顕色剤)との呈色反応を利用した感熱
記録材料はよく知られている(例えば、特公昭43−4
160号公報、特公昭45−14039号公報)。感熱
記録材料は、比較的安価であり、また、記録機器がコン
パクトで且つメンテナンスフリーであるという利点があ
るため、ファクシミリ、記録計、プリンターの分野にお
いて幅広く利用されている。また最近では、感熱記録材
料の利用分野はさらに広がり多様化しており、より過酷
な環境下での用途(例えば、ラベル、プリペイドカード
等)へと広がっている。 【0003】従来、電子受容性化合物としては、フェノ
ール性化合物が広く利用されており、例えば、2,2−
ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン〔”ビスフ
ェノ−ルA”〕、4−ヒドロキシ安息香酸エステル類
(特開昭56−144193号公報、特公平1−306
40号公報)等を電子受容性化合物として使用する感熱
記録材料が知られている。しかしながら、ビスフェノー
ルAや4−ヒドロキシ安息香酸ベンジルエステルなどを
電子受容性化合物として使用した感熱記録材料は、例え
ば、過酷な環境下(例えば、油、溶剤、可塑剤等との接
触下あるいは高温多湿の環境下)において、その未発色
部が著しく汚染(地汚れ)されたり、また発色画像が褪
色したりする等の欠点がある。 【0004】発色画像の保存安定性を改良する方法とし
て、例えば、電子受容性化合物あるいは発色画像安定剤
として、幾つかの種類の安息香酸誘導体の亜鉛塩を含有
する感熱記録材料が提案されている。例えば、2−ベン
ゾイル安息香酸の亜鉛塩を含有する感熱記録材料(特公
平2−26874号公報、特公平2−39995号公
報)あるいはテレフテル酸アルデヒドの亜鉛塩を含有す
る感熱記録材料(特開平4−363291号公報)が知
られている。しかしながら、これらの公報には安息香酸
誘導体の亜鉛塩の製造方法および該亜鉛塩の性質につい
ては、具体的に開示されていない。本発明者らが検討し
たところ、安息香酸誘導体の亜鉛塩の無水物、例えば、
2−ベンゾイル安息香酸の亜鉛塩の無水物を、例えば、
電子受容性化合物として用いた感熱記録材料は、未発色
部の保存安定性(例えば、耐熱性)に難点があり実用上
充分な性能を有しているとは言い難い。現在では、上述
したような問題点を克服した保存安定性に優れた感熱記
録材料が強く求められている。 【0005】さらに、2−ベンゾイル安息香酸の亜鉛塩
の無水物および4−ホルミル安息香酸の亜鉛塩の無水物
は、嵩密度が低いため、例えば、感熱記録材料用の電子
受容性化合物あるいは高分子材料用の添加剤として使用
するに際して、計量時または輸送時等に空気中へ飛散す
るなど、取り扱い上の作業性に問題があった。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上述
の問題点を解決した、感熱記録材料用の電子受容性化合
物として安息香酸誘導体の亜鉛塩の水和物を含有する感
熱記録材料を提供することである。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の要
望にこたえるべく鋭意検討した結果、本発明に到達し
た。すなわち、本発明は、電子供与性発色性化合物と電
子受容性化合物を含有する感熱記録材料において、電子
受容性化合物として2−ベンゾイル安息香酸の亜鉛塩の
水和物を含有する感熱記録材料である。 【0008】 【0009】 【0010】 【0011】 【0012】 【0013】 【0014】 【0015】本発明で使用する2−ベンゾイル安息香酸
の亜鉛塩の水和物は、2−ベンゾイル安息香酸から、例
えば、複分解法などにより製造される。 【0016】すなわち、例えば、2−ベンゾイル安息香
酸のアルカリ金属塩、アミン塩、アンモニウム塩などの
水可溶性の塩と、水可溶性の亜鉛化合物を、水の存在下
で作用させ、水難溶性あるいは水不溶性の安息香酸誘導
体の亜鉛塩の水和物として製造することができる。 【0017】この2−ベンゾイル安息香酸の水可溶性の
塩は、通常、2−ベンゾイル安息香酸1当量に対して、
0.8〜1.2当量、好ましくは、1.0〜1.1当量
のアルカリ金属化合物(例えば、水酸化リチウム、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナ
トリウム、炭酸水素ナトリウム)、あるいはアミン化合
物(例えば、メチルアミン、エチルアミン、ジメチルア
ミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチル
アミン、エタノールアミン、イソプロパノールアミン、
トリエタノールアミン、2−ジメチルアミノエタノー
ル、モルホリン、アンモニア)を水の存在下で作用させ
ることにより製造することができる。 【0018】この際、水以外にも、水可溶性の有機溶
媒、例えば、メタノール、イソプロパノール、メチルセ
ロソルブ、エチレングリコール等のアルコール系溶媒、
テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、
アセトン等のケトン系溶媒、ジメチルホルムアミド、ジ
メチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジ
メチルスルホキシド、スルホラン等の非プロトン性極性
溶媒などを共存させてもよい。 【0019】水可溶性の亜鉛化合物としては、例えば、
硫酸亜鉛、塩化亜鉛、臭化亜鉛、酢酸亜鉛、硝酸亜鉛が
挙げられる。これらの亜鉛化合物の使用量は、2−ベン
ゾイル安息香酸の水可溶性の塩1当量に対して、0.8
〜1.5当量、好ましくは、1.0〜1.2当量であ
る。 【0020】2−ベンゾイル安息香酸のアルカリ金属塩
などの水可溶性の塩に対して、水の存在下、亜鉛化合物
を作用させる方法としては、特に限定されるものではな
いが、例えば、2−ベンゾイル安息香酸のアルカリ金属
塩などの水溶液に、亜鉛化合物を加える方法でもよく、
あるいは亜鉛化合物の水溶液に対して、2−ベンゾイル
安息香酸のアルカリ金属塩の水溶液を加える方法でもよ
い。この際、所望に応じて加熱を行ってもよく、また水
以外の有機溶媒を共存させてもよい。複分解の後、析出
した亜鉛塩の水和物を公知の方法(例えば、濾過)によ
り取り出し、乾燥させることにより、2−ベンゾイル安
息香酸の亜鉛塩の水和物を得ることができる。 【0021】2−ベンゾイル安息香酸の亜鉛塩の水和物
は、大気圧下、室温付近の環境下では安定であり、その
状態は変化するものではない。しかし、過酷な条件下、
例えば、約100℃以上の条件下では、2−ベンゾイル
安息香酸の亜鉛塩の水和物は、徐々に水和水を失い、無
水物へと変換することがあるので、乾燥を行う際には、
水が失われない程度の条件(例えば、室温〜90℃程度
の温度)下で実施する。 【0022】 【0023】 【0024】2−ベンゾイル安息香酸亜鉛塩の水和物
は、2−ベンゾイル安息香酸1分子に対して、水1分子
を含有する(以下、2−ベンゾイル安息香酸亜鉛塩の二
水和物と称する)。この2−ベンゾイル安息香酸亜鉛塩
の二水和物は、Cu−Kα線の粉末X線回折法におい
て、回折角(2θ)6.2°および9.0°に強いピー
クを示すX線回折図を示す。 【0025】 【0026】上述したように、2−ベンゾイル安息香酸
の亜鉛塩には、無水物と水和物が存在するが、2−ベン
ゾイル安息香酸の亜鉛塩の無水物を水の存在下で熱処理
することにより、2−ベンゾイル安息香酸の亜鉛塩の水
和物を製造することができる。 【0027】2−ベンゾイル安息香酸の亜鉛塩の無水物
は、水に難溶性あるいは不溶性であり、該亜鉛塩の無水
物は、水媒体中に実質的には溶解せずに分散しており、
熱処理の方法としては、該亜鉛塩の無水物を含有する水
媒体を、室温以上の温度、好ましくは、50〜100℃
に加熱し、撹拌する方法を適用できる。熱処理する時間
は温度にも依存するが、約30分以上行うことにより、
大部分の無水物を水和物へと変換することができる。無
水物が水和物へ変換したかどうかは、例えば、X線回折
法などの公知の分析手段により判断することができるの
で、熱処理の時間は、これらの分析手段により決定する
ことができる。長時間の熱処理は、悪影響を与えるもの
ではないが、長時間を費やすこと自体、作業効率、生産
効率等の低下をもたらすだけであり、通常は、30分〜
20時間、より好ましくは、1時間〜15時間の熱処理
時間で充分である。 【0028】本発明の2−ベンゾイル安息香酸の亜鉛塩
の水和物の製造方法は、水の存在下で、2−ベンゾイル
安息香酸の亜鉛塩の無水物を、熱処理することを特徴と
するものであるが、水以外にも、水に可溶性の有機溶
媒、例えば、メタノール、イソプロパノール、メチルセ
ロソルブ、エチレングリコール等のアルコール系溶媒、
テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、
アセトン等のケトン系の溶媒、ジメチルホルムアミド、
ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、
ジメチルスルホキシド、スルホラン等の非プロトン性極
性溶媒などを共存させてもよい。水に可溶性の有機溶媒
の割合が多いと、製造される2−ベンゾイル安息香酸の
亜鉛塩の水和物の回収率が低下するために、全水媒体
中、水に可溶性の有機溶媒の量は、60重量%以下であ
ることが好ましく、40重量%以下であることがより好
ましい。 【0029】また、撹拌装置に関しては、特に制約する
ものではないが、2−ベンゾイル安息香酸の亜鉛塩の無
水物または生成する水和物が、水媒体中に分散された状
態を維持するために必要な撹拌能力を有する装置を使用
することが好ましい。 【0030】水媒体の使用量は、多量に使用することは
本発明の効果を妨げるものではないが、必要以上に多量
に使用すること自体、大きな装置、容器を必要とし、生
産効率の低下をもたらすことは明らかであり、通常は、
2−ベンゾイル安息香酸の亜鉛塩の無水物に対して、
0.5〜100倍(容量/重量)の水媒体中で熱処理す
ることが好ましく、より好ましくは、1〜50倍(容量
/重量)である。 【0031】本発明の方法により製造される2−ベンゾ
イル安息香酸の亜鉛塩の水和物は、特殊な装置を使用せ
ずとも公知の手段、装置により、反応系から容易に濾
過、単離することができる。濾過後は、無水物に変化し
ない条件下で乾燥し、公知の手段、方法により分散処理
し、あるいは乾燥工程を経ずとも、濾過後、直接分散処
理することにより、感熱記録材料用の電子受容性化合物
の分散液を調製することができる。 【0032】本発明の感熱記録材料においては、通常、
電子供与性発色性化合物100重量部に対し、電子受容
性化合物50〜700重量部、好ましくは、100〜5
00重量部使用するのが望ましい。 【0033】本発明に使用する無色ないし淡色の電子供
与性発色性化合物としては、トリアリールメタン系化合
物、ジアリールメタン系化合物、ローダミン−ラクタム
系化合物、フルオラン系化合物、インドリルフタリド系
化合物、ジビニルフタリド系化合物、ピリジン系化合
物、スピロ系化合物、フルオレン系化合物、チアジン系
化合物などが挙げられる。 【0034】これらの化合物のいくつかの具体例を挙げ
ると、トリアリールメタン系化合物としては、3,3−
ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルア
ミノフタリド〔”クリスタルバイオレットラクト
ン”〕、3,3−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)
フタリド、3−(4−ジメチルアミノフェニル)−3−
(4−ジエチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノ
フタリド、3,3−ビス(9−エチルカルバゾール−3
−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジ
メチルアミノフェニル)−3−(1−メチルピロール−
3−イル)−6−ジメチルアミノフタリドなどがある。 【0035】ジアリールメタン系化合物としては、4,
4−ビス−ジメチルアミノベンズヒドリンベンジルエー
テル、N−ハロフェニル−ロイコオーラミン、N−2,
4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミンなどがあ
る。 【0036】ローダミン−ラクタム系化合物としては、
ローダミン−B−アニリノラクタム、ローダミン−(4
−ニトロアニリノ)ラクタム、ローダミン−B−(2−
クロロアニリノ)ラクタムなどがある。 【0037】フルオラン系化合物としては、3,6−ジ
メトキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メトキ
シフルオラン、3−ジメチルアミノ−7−メトキシフル
オラン、3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン、
3−N−シクロヘキシル−N−n−ブチルアミノ−7−
メチルフルオラン、3−N−エチル−N−イソペンチル
アミノ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−
7−メトキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ク
ロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7
−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6,7−ジ
メチルフルオラン、3,6−ビス(ジフェニルアミノ)
フルオラン、 【0038】3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミ
ノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−7−ジベン
ジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ジ−
n−ヘキシルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−
7−n−オクチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミ
ノ−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−イ
ソペンチルアミノ−7−アニリノフルオラン、 【0039】3−ジエチルアミノ−7−(2’−クロロ
フェニルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7
−(3’−クロロフェニルアミノ)フルオラン、3−ジ
エチルアミノ−7−(2’,3’−ジクロロフェニルア
ミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(3’−
トリフルオロメチルフェニルアミノ)フルオラン、3−
ジ−n−ブチルアミノ−7−(2’−クロロフェニルア
ミノ)フルオラン、 【0040】3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−ア
ニリノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−ク
ロロ−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−
6−メトキシ−7−アニリノフルオラン、3−ジ−n−
ブチルアミノ−6−エトキシ−7−アニリノフルオラ
ン、 【0041】3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリ
ノフルオラン、3−モルホリノ−6−メチル−7−アニ
リノフルオラン、3−ジメチルアミノ−6−メチル−7
−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチ
ル−7−アニリノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミ
ノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ−n
−ペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラ
ン、3−ジ−n−オクチルアミノ−6−メチル−7−ア
ニリノフルオラン、3−N−n−プロピル−N−メチル
アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N
−n−ブチル−N−メチルアミノ−6−メチル−7−ア
ニリノフルオラン、3−N−n−ブチル−N−エチルア
ミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−
イソブチル−N−メチルアミノ−6−メチル−7−アニ
リノフルオラン、3−N−イソブチル−N−エチルアミ
ノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−n
−ペンチル−N−エチルアミノ−6−メチル−7−アニ
リノフルオラン、3−N−イソペンチル−N−エチルア
ミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−
n−ヘキシル−N−エチルアミノ−6−メチル−7−ア
ニリノフルオラン、3−N−n−オクチル−N−エチル
アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、 【0042】3−N−シクロペンチル−N−エチルアミ
ノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−シ
クロヘキシル−N−メチルアミノ−6−メチル−7−ア
ニリノフルオラン、3−N−シクロヘキシル−N−n−
プロピルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラ
ン、3−N−シクロヘキシル−N−n−ブチルアミノ−
6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−シクロ
ヘキシル−N−n−ヘキシルアミノ−6−メチル−7−
アニリノフルオラン、3−N−シクロヘキシル−N−n
−オクチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラ
ン、 【0043】3−N−(2’−メトキシエチル)−N−
イソブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラ
ン、3−N−(2’−エトキシエチル)−N−エチルア
ミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−
(3’−メトキシプロピル)−N−メチルアミノ−6−
メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−(3’−メ
トキシプロピル)−N−エチルアミノ−6−メチル−7
−アニリノフルオラン、3−N−(3’−エトキシプロ
ピル)−N−メチルアミノ−6−メチル−7−アニリノ
フルオラン、3−N−(3’−エトキシプロピル)−N
−エチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラ
ン、3−N−(2’−テトラヒドロフルフリル)−N−
エチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−N−(4’−メチルフェニル)−N−エチルアミノ
−6−メチル−7−アニリノフルオラン、 【0044】3−ジエチルアミノ−6−エチル−7−ア
ニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−
7−(3’−メチルフェニルアミノ)フルオラン、3−
ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2’,6’−ジメ
チルフェニルアミノ)フルオラン、3−ジ−n−ブチル
アミノ−6−メチル−7−(2’,6’−ジメチルフェ
ニルアミノ)フルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−
7−(2’,6’−ジメチルフェニルアミノ)フルオラ
ン、2,2−ビス〔4’−(3−N−シクロヘキシル−
N−メチルアミノ−6−メチルフルオラン)−7−イル
アミノフェニル〕プロパン、3−〔4’−(4−フェニ
ルアミノフェニル)アミノフェニル〕アミノ−6−メチ
ル−7−クロロフルオランなどがある。 【0045】インドリルフタリド系化合物としては、
3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イ
ル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス
(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−6−ジメ
チルアミノフタリド、3,3−ビス(2−フェニルイン
ドール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、
3,3−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3
−イル)フタリド、3,3−ビス(1−オクチル−2−
メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(4−ジ
メチルアミノフェニル)−3−(1,2−ジメチルイン
ドール−3−イル)フタリド、3−(4−ジメチルアミ
ノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3−イ
ル)フタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミ
ノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドー
ル−3−イル)フタリド、3−(2−エトキシ−4−ジ
ブチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチ
ルインドール−3−イル)フタリド、3−(2−エトキ
シ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−オクチ
ル−2−メチルインドール−3−イル)フタリドなどが
ある。 【0046】ジビニルフタリド系化合物としては、3,
3−ビス[2,2−ビス(4−ジメチルアミノフェニ
ル)エテニル]−4,5,6,7−テトラクロロフタリ
ド、3,3−ビス[2,2−ビス(4−ピロリジノフェ
ニル)エテニル]−4,5,6,7−テトラブロモフタ
リド、3,3−ビス[2−(4−メトキシフェニル)−
2−(4−ジメチルアミノフェニル)エテニル]−4,
5,6,7−テトラクロロフタリド、3,3−ビス[2
−(4−メトキシフェニル)−2−(4−ピロリジノフ
ェニル)エテニル]−4,5,6,7−テトラクロロフ
タリドなどがある。 【0047】ピリジン系化合物としては、3−(2−エ
トキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エ
チル−2−メチルインドール−3−イル)−4または7
−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルア
ミノフェニル)−3−(1−エチル−2−フェニルイン
ドール−3−イル)−4または7−アザフタリド、3−
(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−
(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−
4または7−アザフタリド、3−(2−ヘキシルオキシ
−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−
2−メチルインドール−3−イル)−4または7−アザ
フタリド、3−(2−n−ブトキシ−4−ジエチルアミ
ノフェニル)−3−(1−エチル−2−フェニルインド
ール−3−イル)−4または7−アザフタリド、3−
(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−
(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4
または7−アザフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−
2−メチルフェニル)−3−(1−n−オクチル−2−
メチルインドール−3−イル)−4または7−アザフタ
リド、3,3−ビス(4−ジエチルアミノ−2−メトキ
シフェニル)−4または7−アザフタリド、3,3−ビ
ス(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4
または7−アザフタリドなどがある。 【0048】スピロ系化合物としては、3−メチル−ス
ピロ−ジナフトピラン、3−エチル−スピロ−ジナフト
ピラン、3−フェニル−スピロ−ジナフトピラン、3−
ベンジル−スピロ−ジナフトピラン、3−メチル−ナフ
ト−(3−メトキシベンゾ)スピロピラン、3−プロピ
ル−スピロ−ジベンゾピランなどがある。 【0049】フルオレン系化合物としては、3,6−ビ
ス(ジメチルアミノ)フルオレン−9−スピロ−3’−
(6’−ジメチルアミノ)フタリド、3−ジエチルアミ
ノ−6−(N−アリル−N−メチルアミノ)フルオレン
−9−スピロ−3’−(6’−ジメチルアミノ)フタリ
ド、3,6−ビス(ジメチルアミノ)−スピロ[フルオ
レン−9,6’−6’H−クロメノ(4,3−b)イン
ドール]、3,6−ビス(ジメチルアミノ)−3’−メ
チル−スピロ[フルオレン−9,6’−6’H−クロメ
ノ(4,3−b)インドール]、3,6−ビス(ジエチ
ルアミノ)−3’−メチル−スピロ[フルオレン−9,
6’−6’H−クロメノ(4,3−b)インドール]な
どがある。 【0050】チアジン系化合物としては、ベンゾイルロ
イコメチレンブルー、4−ニトロベンゾイルロイコメチ
レレンブルーなどがある。 【0051】電子供与性発色性化合物としては、特に、
黒色発色するフルオラン系化合物が好ましく、中でも、
ジ−n−ブチルアミノ−7−(2’−クロロフェニルア
ミノ)フルオラン、3−ジメチルアミノ−6−メチル−
7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メ
チル−7−アニリノフルオラン、3−ジ−n−ブチルア
ミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ−
n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオ
ラン、3−N−n−プロピル−N−メチルアミノ−6−
メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−n−ブチル
−N−メチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオ
ラン、3−N−イソブチル−N−メチルアミノ−6−メ
チル−7−アニリノフルオラン、3−N−イソブチル−
N−エチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラ
ン、3−N−イソペンチル−N−エチルアミノ−6−メ
チル−7−アニリノフルオラン、3−N−(2’−メト
キシエチル)−N−イソブチルアミノ−6−メチル−7
−アニリノフルオラン、3−N−(3’−エトキシプロ
ピル)−N−エチルアミノ−6−メチル−7−アニリノ
フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−
(3’−メチルフェニルアミノ)フルオランは、未発色
時の光安定性に優れており特に好ましい電子供与性発色
性化合物である。 【0052】これらの電子供与性発色性化合物は単独、
あるいは複数併用してもよい。 【0053】本発明の感熱記録材料は、電子受容性化合
物として2−ベンゾイル安息香酸の亜鉛塩の水和物を含
有するものであるが、本発明の所望の効果を損なわない
範囲で他の電子受容性化合物を併用することも可能であ
る。 【0054】この場合、全電子受容性化合物中に占める
2−ベンゾイル安息香酸の亜鉛塩の水和物の割合は、通
常、10重量%以上、好ましくは20重量%以上、より
好ましくは30重量%以上に調整するのが望ましい。 【0055】2−ベンゾイル安息香酸の亜鉛塩の水和物
以外の電子受容性化合物としてはフェノール誘導体、有
機酸あるいはその金属塩、錯体、尿素誘導体などの有機
電子受容性化合物あるいは酸性白土などの無機電子受容
性化合物が挙げられる。 【0056】これらの化合物のいくつかの具体例を挙げ
ると、4−tert−ブチルフェノール、4−tert−オクチ
ルフェノール、4−フェニルフェノール、1−ナフトー
ル、2−ナフトール、ハイドロキノン、レゾルシノー
ル、4−tert−オクチルカテコール、2,2’−ジヒド
ロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニル
エーテル、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)
プロパン〔”ビスフェノールA”〕、1,1−ビス
(4’−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2
−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−メチルフェニル)プ
ロパン、1,3−ビス(4’−ヒドロキシクミル)ベン
ゼン、1,4−ビス(4’−ヒドロキシクミル)ベンゼ
ン、1,3,5−トリス(4’−ヒドロキシクミル)ベ
ンゼン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)酢
酸エチルエステル、4,4−(4’−ヒドロキシフェニ
ル)ペンタン酸−n−ブチルエステル、4−ヒドロキシ
安息香酸ベンジルエステル、4−ヒドロキシ安息香酸フ
ェネチルエステル、2,4−ジヒドロキシ安息香酸フェ
ノキシエチルエステル、4−ヒドロキシフタル酸ジメチ
ルエステル、没食子酸−n−プロピルエステル、没食子
酸−n−オクチルエステル、没食子酸−n−ドデシルエ
ステル、没食子酸−n−オクタデシルエステル、ハイド
ロキノンモノベンジルエーテル、ビス(3−メチル−4
−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(2−メチル
−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(3−フ
ェニル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス
(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)スル
フィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシ
ド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフォン、ビス
(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルフォン、
4−ヒドロキシ−4’−メチルジフェニルスルフォン、
4−ヒドロキシ−4’−tert−ブチルジフェニルスルフ
ォン、4−ヒドロキシ−4’−クロロジフェニルスルフ
ォン、4−ヒドロキシ−4’−メトキシジフェニルスル
フォン、4−ヒドロキシ−4’−n−プロポキシジフェ
ニルスルフォン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキ
シジフェニルスルフォン、4−ヒドロキシ−4’−n−
ブトキシジフェニルスルフォン、4−ヒドロキシ−4’
−ベンジルオキシジフェニルスルフォン、3,4−ジヒ
ドロキシ−4’−メチルジフェニルスルフォン、2,
4’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、2−メトキ
シ−4’−ヒドロキシジフェニルスルフォン、2−エト
キシ−2’−ヒドロキシジフェニルスルフォン、4−ヒ
ドロキシ−3−メチル−4’−n−プロポキシジフェニ
ルスルフォン、ビス(2−ヒドロキシ−5−tert−ブチ
ルフェニル)スルフォン、ビス(2−ヒドロキシ−5−
クロロフェニル)スルフォン、ビス[4−(3’−ヒド
ロキシフェニルオキシ)フェニル]スルフォン、4−ヒ
ドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾ
フェノン、1,7−ビス(4’−ヒドロキシフェニルチ
オ)−3,5−ジオキサヘプタン、1,5−ビス(4’
−ヒドロキシフェニルチオ)−3−オキサペンタンなど
のフェノール誘導体、 【0057】サリチル酸、3−イソプロピルサリチル
酸、3−シクロヘキシルサリチル酸、3,5−ジ−tert
−ブチルサリチル酸、3,5−ジ−α−メチルベンジル
サリチル酸、3−メチル−5−α−メチルベンジルサリ
チル酸、4−[2’−(4−メトキシフェニルオキシ)
エチルオキシ]サリチル酸、4−[3’−(4−メチル
フェニルスルホニル)プロピルオキシ]サリチル酸、4
−[3’−(4−メトキシフェニルスルホニル)プロピ
ルオキシ]サリチル酸、5−{4’−[2−(4−メト
キシフェニルオキシ)エチルオキシ]クミル}サリチル
酸、1−ナフトエ酸、2−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ
−3−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸、
6−アセトキシ−2−ナフトエ酸、フタル酸モノベンジ
ルエステル、フタル酸モノフェニルエステルなどの有機
酸あるいはこれらの金属塩(たとえば、ニッケル、亜
鉛、アルミニウム、カルシウム等の金属塩)、チオシア
ン酸亜鉛アンチピリン錯体、モリブデン酸アセチルアセ
トン錯体などの錯体、N,N’−ジフェニルチオ尿素、
N,N’−ジ(3−トリフルオロメチルフェニル)チオ
尿素、1,4−ジ(3’−クロロフェニル)−3−チオ
セミカルバジドなどの尿素誘導体などの有機電子受容性
化合物、酸性白土、アタパルガイト、コロイダルシリ
カ、珪酸アルミニウム、活性白土、塩化アルミニウム、
塩化亜鉛、臭化亜鉛などの無機電子受容性化合物を好ま
しい化合物として挙げることができる。これらの中で
も、特に、フェノール誘導体は好ましい電子受容性化合
物である。これらの電子受容性化合物は、単独あるいは
複数併用してもよい。 【0058】本発明の感熱記録材料は、以下述べるよう
に、公知の感熱記録材料を製造するための各種公知の処
方(熱可融性化合物の添加など)がさらに付与される。 【0059】本発明の感熱記録材料において、所望によ
り熱可融性化合物(融点約70〜150℃、より好まし
くは、融点約80〜130℃の化合物)を本発明の感熱
記録材料にさらに添加することは、高速記録に対応した
感熱記録材料を得るためには好ましいことである。 【0060】この場合、通常、電子供与性発色性化合物
100重量部に対し、熱可融性化合物10〜700重量
部、好ましくは、20〜500重量部使用するのが望ま
しい。 【0061】かかる熱可融性化合物の具体例としては、
例えば、カプロン酸アミド、カプリン酸アミド、パルミ
チン酸アミド、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミ
ド、エルシン酸アミド、リノ−ル酸アミド、リノレン酸
アミド、ステアリン酸メチレンビスアミド、ステアリル
尿素、ステアリン酸アニリド、N−エチルカルバゾー
ル、4−メトキシジフェニルアミンなどの含窒素化合
物、 【0062】4−ベンジルオキシ安息香酸ベンジルエス
テル、2−ナフトエ酸フェニルエステル、1−ヒドロキ
シ−2−ナフトエ酸フェニルエステル、シュウ酸ジベン
ジルエステル、シュウ酸ジ(4−メチルベンジル)エス
テル、シュウ酸ジ(4−クロロベンジル)エステル、グ
ルタル酸ジフェナシルエステル、ジ(4−メチルフェニ
ル)カーボネート、テレフタル酸ジメチルエステル、テ
レフタル酸ジ−n−ブチルエステル、テレフタル酸ジベ
ンジルエステル、イソフタル酸ジ−n−ブチルエステ
ル、イソフタル酸ビス(4−ベンジルオキシカルボニル
フェニル)エステル、ビス[2−(ベンゾイルオキシ)
エチル]スルフィドなどのエステル化合物、 【0063】4−ベンジルビフェニル、m−ターフェニ
ル、フルオレン、フルオランテン、2,6−ジイソプロ
ピルナフタレン、3−ベンジルアセナフテンなどの炭化
水素化合物、 【0064】2−ベンジルオキシナフタレン、2−
(4’−メチルベンジルオキシ)ナフタレン、1,4−
ジエトキシナフタレン、 【0065】1,2−ジフェノキシエタン、1,2−ビ
ス(3’−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ビス
(4’−メチルフェノキシ)エタン、1−フェノキシ−
2−(4’−エチルフェノキシ)エタン、1−(4’−
メトキシフェノキシ)−2−フェノキシエタン、1−
(4’−メトキシフェノキシ)−2−(3’−メチルフ
ェノキシ)エタン、1−(4’−メトキシフェノキシ)
−2−(2’−メチルフェノキシ)エタン、1−(4’
−メトキシフェノキシ)−2−フェノキシプロパン、1
−フェノキシ−2−(4’−メトキシフェノキシ)プロ
パン、1,2−ビス(4’−メトキシフェノキシ)プロ
パン、1,3−ビス(4’−メトキシフェノキシ)プロ
パン、1−(4’−メトキシフェノキシ)−2−(2’
−クロロフェノキシ)エタン、1,4−ジフェノキシブ
タン、ビス[2−(4’−メトキシフェノキシ)エチ
ル]エーテル、 【0066】4−(4’−メチルフェノキシ)ビフェニ
ル、1,2−ジフェノキシベンゼン、1,4−ジフェノ
キシベンゼン、1,4−ビスベンジルオキシベンゼン、
1,4−ビス(2’−クロロベンジルオキシ)ベンゼ
ン、1,4−ビス(2’−クロロフェノキシ)ベンゼ
ン、1,4−ビス(4’−メチルフェノキシ)ベンゼ
ン、1,4−ビス(3’−メチルフェノキシメチル)ベ
ンゼン、4−(4’−クロロベンジルオキシ)エトキシ
ベンゼン、4,4’−ビス(フェノキシ)ジフェニルエ
ーテル、1,4−ビス(4’−ベンジルフェノキシ)ベ
ンゼン、1,4−ビス[(4’−メチルフェニルオキ
シ)メトキシメチル]ベンゼン、 【0067】4−(4’−メトキシベンジルチオ)アニ
ソール、1−フェノキシ−2−(4’−メトキシフェニ
ルチオ)エタン、1,2−ビス(4’−メトキシフェニ
ルチオ)エタン、1−(4’−メチルフェノキシ)−2
−(4’−メトキシフェニルチオ)エタン、ベンジル−
4−メチルチオフェニルエーテル、4,4’−ビス(フ
ェノキシ)ジフェニルチオエーテル、4,4’−ジ−n
−ブトキシジフェニルスルフォンなどのエ−テル化合物
あるいは含硫黄化合物、 【0068】1,4−ジ(グリシジルオキシ)ベンゼ
ン、1,4−ジグリシジルテレフタレート、4−グリシ
ジルオキシ−4’−イソプロピルオキシジフェニルスル
フォン、4−[(2,3−エポキシ−2−メチル)プロ
ピルオキシ]フェニル−4’−(ベンジルオキシ)フェ
ニルスルフォン、4−[(2,3−エポキシ)プロピル
オキシ]フェニル−4’−(4−メチルベンジルオキ
シ)ジフェニルスルフォンなどのエポキシ基を有する化
合物などを挙げることができる。これらの熱可融性化合
物は、単独あるいは複数併用してもよい。 【0069】本発明の感熱記録材料を製造するには、特
殊な方法によらなくとも公知の方法により製造すること
ができる。 【0070】一般的には、電子供与性発色性化合物、2
−ベンゾイル安息香酸の亜鉛塩の水和物などは、各々水
溶性バインダー中で、ボールミル、サンドミル、横型サ
ンドミル、アトライタ、コロイダルミルなどの手段によ
り分散、通常、3μm以下、好ましくは、2μm以下の
粒径にまで粉砕分散し、混合し、感熱記録層用の塗液を
調製することができる。 【0071】かかる水溶性バインダーとしては、具体的
には、たとえば、ポリビニールアルコール、スルフォン
化ポリビニールアルコール、ヒドロキシエチルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルセルロース、エピクロルヒドリ
ン変性ポリアミド、エチレン−無水マレイン酸共重合
体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、イソブチレン
−無水マレイン酸共重合体、ポリアクリル酸、ポリアク
リルアミド、メチロール変成ポリアクリルアミド、デン
プン誘導体、カゼイン、ゼラチン、メチルセルロース、
カルボキシメチルセルロース、アラビアゴム、カルボキ
シル基変性ポリビニールアルコールなどを例示すること
ができる。 【0072】更に必要に応じて、本発明の感熱記録材料
の記録層中には、顔料、水不溶性バインダー、金属石
鹸、ワックス、界面活性剤、紫外線吸収剤、ヒンダード
フェノール、消泡剤などを添加する。 【0073】顔料としては、炭酸亜鉛、炭酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、
酸化チタン、タルク、ロウ石、カオリン、ケイソウ土、
水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、アルミナ、
シリカ、非晶質シリカ、尿素−ホルマリン充填剤、ポリ
エチレン粒子、セルロース充填剤などが用いられる。 【0074】水不溶性バインダーとしては、合成ゴムラ
テックスあるいは合成樹脂エマルジョンが一般的であ
り、スチレン−ブタジエンゴムラテックス、アクリロニ
トリル−ブタジエンラテックス、アクリル酸メチル−ブ
タジエンゴムラテックス、酢酸ビニルエマルジョンなど
が知られており、必要に応じて使用される。 【0075】金属石鹸としては、高級脂肪酸金属塩が用
いられ、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、
ステアリン酸アルミニウム、オレイン酸亜鉛などが用い
られる。 【0076】ワックスとしては、パラフィンワックス、
マイクロクリスタリンワックス、カルボキシ変性パラフ
ィンワックス、カルナウバワックス、ポリエチレンワッ
クス、ポリスチレンワックス、キャンデリラワックス、
モンタンワックス、高級脂肪酸エステルなどが挙げられ
る。 【0077】界面活性剤としては、スルホコハク酸系の
アルカリ金属塩〔例えば、ジ(n−ヘキシル)スルホコ
ハク酸、ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸等の
ナトリウム塩〕、ドデシルベンゼンスルフォン酸のナト
リウム塩、ラウリルアルコール硫酸エステルのナトリウ
ム塩、フッ素含有の界面活性剤などが挙げられる。 【0078】紫外線吸収剤としては、桂皮酸誘導体、ベ
ンゾフェノン誘導体、ベンゾトリアゾリルフェノール誘
導体などが挙げられる。 【0079】ヒンダードフェノールとしては、フェノー
ル性水酸基のオルト位の少なくとも1つが分枝アルキル
基で置換されたフェノール誘導体が好ましく、1,1,
3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−
ブチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メ
チル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)
ブタン、1,1,3−トリス(2−エチル−4−ヒドロ
キシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,1,3
−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−
4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)プロパ
ン、2,2’−メチレン−ビス(6−tert−ブチル−4
−メチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス(6
−tert−ブチル−4−エチルフェノ−ル)、1,3,5
−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert
−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,
3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−
2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸、1,3,
5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2−
メチル−6−エチルベンジル)イソシアヌル酸、ビス
(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェ
ニル)スルフィドなどが挙げられる。 【0080】本発明の感熱記録材料において、記録層の
形成方法に関しては特に限定されるものではなく、従来
より公知の技術に従って形成することができる。 【0081】例えば感熱記録層用の塗液を、支持体上に
エアーナイフコーター、ブレードコーター、バーコータ
ー、グラビアコーター、カーテンコーター、ワイヤーバ
ーなどの適当な塗布装置で塗布、乾燥して記録層を形成
することができる。 【0082】また、塗液の塗布量に関しても特に限定さ
れるものではなく、一般に乾燥重量で1.5〜12g/
m2、好ましくは、2.5〜10g/m2の範囲で調整さ
れる。 【0083】支持体としては紙、プラスチックシート、
合成紙、あるいはこれらを組み合わせた複合シートが用
いられる。 【0084】なお、必要に応じて感熱記録層の表面およ
び/あるいは裏面に保護層(オーバーコート層)を設け
たり、支持体と感熱記録層の間に単層あるいは複数層の
顔料(例えば、カオリン)あるいは合成樹脂(例えば、
プラスチック球状粒子、プラスチック球状中空粒子)な
どからなる下塗り層(アンダーコート層)を設けるこ
と、感熱記録層と下塗り層との間、あるいは感熱記録層
と保護層との間に顔料、バインダーなどからなる中間層
を設けることも勿論可能であり、さらには支持体の裏側
面に粘着加工を施すなど感熱記録材料の製造方法におけ
る各種の公知技術を付与しえる。 【0085】 【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。 【0086】実施例1 (2−ベンゾイル安息香酸の亜
鉛塩の水和物の製造) 2−ベンゾイル安息香酸50.5gのメタノール懸濁溶
液(100ml)に対して、炭酸水素ナトリウム18.
8gを溶解させた水溶液200mlを室温で15分要し
て滴下した後、室温でさらに2時間撹拌した。該2−ベ
ンゾイル安息香酸ナトリウム塩の溶液に、硫酸亜鉛七水
和物32.1gを溶解させた水溶液100mlを、室温
で30分を要して滴下した。滴下後、1時間撹拌を行っ
た後、析出している固体を濾過、水洗後、50℃で24
時間乾燥を行い、無色の2−ベンゾイル安息香酸の亜鉛
塩の二水和物50.1gを得た。 融点 155〜160℃(decomp.) この亜鉛塩の水和物のCu−kα線による粉末X線回折
図を図1に示した。 【0087】 【0088】実施例2 (2−ベンゾイル安息香酸の亜
鉛塩の無水物から2−ベンゾイル安息香酸の亜鉛塩の水
和物の製造) 2−ベンゾイル安息香酸の亜鉛塩の無水物25.5g
を、水溶液(200ml)中に分散させ、この亜鉛塩の
分散液を80℃に加温し、80℃で4時間撹拌処理し
た。室温に冷却後、結晶を濾過し、水洗後、50℃で2
4時間乾燥を行い、2−ベンゾイル安息香酸の亜鉛塩の
二水和物25.5gを得た。 融点 155〜160℃(decomp.) この亜鉛塩の水和物のCu−kα線による粉末X線回折
を測定したところ、実施例1で製造した亜鉛塩の水和物
の粉末X線回折図と同一の回折パターンを示した。 【0089】参考例1 (2−ベンゾイル安息香酸の亜
鉛塩の無水物の製造) 実施例1で製造した2−ベンゾイル安息香酸の亜鉛塩の
水和物を、110℃で2時間放置した。該固体のカール
フィッシャー分析法により水分測定を行った結果、無水
物であることが確認された。 融点 >300℃ 【0090】 【0091】上記の実施例1および2で製造した2−ベ
ンゾイル安息香酸の亜鉛塩の水和物は、参考例1で製造
した2−ベンゾイル安息香酸の亜鉛塩の無水物と比較し
て、嵩密度が高いため、該亜鉛塩の水和物を、例えば、
感熱記録材料の電子受容性化合物として使用する際し
て、計量時または輸送時等において空気中へ飛散するこ
とがなく、取扱い上の作業性が良好であった。 〔感熱記録紙の作製〕 【0092】 【表1】 【0093】 【表2】 【0094】 【表3】 【0095】上記A液、B液およびC液をそれぞれサン
ドグラインディングミルで平均粒子径1.5μmに分散
し、分散液を得た。 【0096】実施例3〜5 A液100g、B液250g、C液250gの分散液と
30%パラフィンワックス23gを混合して、これを上
質紙に乾燥塗布量が5.0g/m2となるように塗布、
乾燥し、感熱記録紙を作製した。 【0097】なお、各実施例に使用したA液中の電子供
与性発色性化合物を第1表に示した。電子受容性化合物
としては、2−ベンゾイル安息香酸亜鉛塩の二水和物を
使用した。 【0098】 【表4】 【0099】比較例1 A液中の電子供与性発色性化合物としては、3−ジ−n
−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン
を使用し、B液中の電子受容性化合物として参考例1で
製造した2−ベンゾイル安息香酸の亜鉛塩の無水物を使
用して、A液100g、B液250g、C液250gの
分散液と30%パラフィンワックス23gを混合して、
これを上質紙に乾燥塗布量が5.0g/m2となるよう
に塗布、乾燥し、感熱記録紙を作製した。 【0100】 【0101】〔感熱記録紙の評価法〕 (未発色部の保存安定性試験)実施例および比較例で作
製した各感熱記録紙の塗布直後の白色度を色差計(Σ−
80、日本電色製)を用いて測定した。さらに、各感熱
記録紙について、その未発色部の耐熱性を調べた。 【0102】なお、耐熱性試験としては、各感熱記録紙
を60℃で24時間保存した後の、各感熱記録紙の未発
色部の白色度を色差計を用いて調べた。数値が大きい
程、白色度が高く、未発色部の耐熱性に優れていること
を示している。評価結果を第2表に示した。 【0103】 【表5】 【0104】第2表から明らかなように、本発明の2−
ベンゾイル安息香酸の亜鉛塩の水和物を電子受容性化合
物として用いた感熱記録材料は、2−ベンゾイル安息香
酸の亜鉛塩の無水物を電子受容性化合物として用いた感
熱記録材料と比較して、未発色部の耐熱性に優れてい
る。 【0105】 【発明の効果】本発明の2−ベンゾイル安息香酸の亜鉛
塩の水和物は、該亜鉛塩の無水物と比較して、嵩密度が
高いため、該亜鉛塩の水和物を、例えば、感熱記録材料
の電子受容性化合物として使用する際して、計量時また
は輸送時等において空気中へ飛散することがなく、取扱
い上の作業性が良好である。 【0106】また、本発明の2−ベンゾイル安息香酸の
亜鉛塩の水和物を電子受容性化合物として用いた感熱記
録材料は、該亜鉛塩の無水物を電子受容性化合物として
用いた感熱記録材料と比較して、未発色部の保存安定性
(耐熱性など)に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】2−ベンゾイル安息香酸の亜鉛塩の水和物のX
線回折図を示す。
線回折図を示す。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 中塚 正勝
神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三
井東圧化学株式会社内
(56)参考文献 特開 昭57−41990(JP,A)
特開 平2−39995(JP,A)
特開 平4−363291(JP,A)
特開 平5−116460(JP,A)
特開 平7−68936(JP,A)
特開 昭63−156747(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
B41M 5/00
C07C 65/00
C07C 51/00
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 電子供与性発色性化合物と電子受容性化
合物を含有する感熱記録材料において、電子受容性化合
物として2−ベンゾイル安息香酸の亜鉛塩の水和物を含
有する感熱記録材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31020693A JP3529413B2 (ja) | 1993-12-10 | 1993-12-10 | 安息香酸誘導体の亜鉛塩の水和物を含有する感熱記録材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31020693A JP3529413B2 (ja) | 1993-12-10 | 1993-12-10 | 安息香酸誘導体の亜鉛塩の水和物を含有する感熱記録材料 |
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JPH07165666A JPH07165666A (ja) | 1995-06-27 |
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ID=18002470
Family Applications (1)
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---|---|
JP (1) | JP3529413B2 (ja) |
-
1993
- 1993-12-10 JP JP31020693A patent/JP3529413B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07165666A (ja) | 1995-06-27 |
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