JP3525946B2 - ポリプロピレン系樹脂着色発泡粒子の製造方法、及びポリプロピレン系樹脂着色発泡粒子成型体 - Google Patents

ポリプロピレン系樹脂着色発泡粒子の製造方法、及びポリプロピレン系樹脂着色発泡粒子成型体

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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリプロピレン系樹脂
着色発泡粒子、及びポリプロピレン系樹脂着色発泡粒子
成型体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレン系樹脂粒子を発泡せしめ
た発泡粒子を成型用の金型内に充填した後、これらを加
熱融着させることによって得られるポリプロピレン系樹
脂発泡粒子成型体は、緩衝性、反発弾性、断熱性等に優
れ、軽量で熱変化が小さいことから、包装材、緩衝材、
断熱材、建築資材、自動車用部品等の広範な用途に供さ
れている。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】しかしながら、このようなポリプロピレン
系樹脂発泡粒子成型体は、従来、その殆どが無着色の白
色で用いられており、近年にあっては、着色されたポリ
プロピレン系樹脂発泡粒子成型体が要求されるようにな
ってきた。
【0004】ポリプロピレン系樹脂発泡粒子成型体に着
色を施す手段としては、得られた成型体に塗料を塗布す
る等してその表面を着色することが第一に考えられる
が、ポリプロピレン系樹脂に塗料を塗布した場合、塗布
した塗料は樹脂の表面から剥離し易いので、このような
手段は塗装性がきわめて悪く実用的ではない。また、ポ
リプロピレン系樹脂に着色顔料を混入させて原料樹脂自
体を着色するという手段も考えられるが、この場合には
得られる成型体に色ムラが生じないようにしなければな
らないという問題がある。
【0005】一方、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子を得
るにあたっては、例えば、トリクロロフロロメタン、ジ
クロロジフロロメタン等のハロゲン化炭化水素類や、ブ
タン、ペンタン等、揮発性の発泡剤が従来から広く用い
られているが、これらのものは、フロン類のようにオゾ
ン層の破壊といった問題を有していたり、或いは、環境
破壊という点ではそれほど問題を有さなくとも、安全性
の面や、高価で実用的でない等の問題を有するものが多
いのが現状であり、更には、上記したような揮発性発泡
剤は発泡剤量の発泡倍率に及ぼす影響が大となり発泡倍
率のコントロールが困難となるという不具合があった。
【0006】また、近年においては、上記の如き問題を
有する揮発性発泡剤の代わりに、二酸化炭素等の無機ガ
スを発泡剤として用いるようになってきているが、無機
ガスを発泡剤として用いた場合、高発泡倍率の発泡粒子
を安定して得ることが困難であるという不具合があり、
解決しなければならない多くの問題を有していた。
【0007】本発明は、このような点に鑑みてなされた
発明であって、色ムラがなく均一に着色された高発泡倍
率のポリプロピレン系樹脂着色発泡粒子、及びポリプロ
ピレン系樹脂着色発泡粒子成型体を提供することを目的
とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、 (1)カーボンブラックを1〜40重量%含有するポリ
オレフィン系樹脂と、ポリプロピレン系樹脂とを溶融混
練することによって得られるポリプロピレン系樹脂着色
粒子を密閉容器内にて無機ガス系発泡剤の存在下で分散
媒に分散せしめ、該着色粒子を基材樹脂の軟化温度以上
の温度で分散媒とともに上記密閉容器内より低圧の雰囲
気下に放出して発泡せしめることを特徴とするカーボン
ブラックの添加量が0.001〜8重量%であるポリプ
ロピレン系樹脂着色発泡粒子の製造方法、 (2)カーボンブラックを1〜40重量%含有するポリ
オレフィン系樹脂と、ポリプロピレン系樹脂とを溶融混
練することによって得られるポリプロピレン系樹脂着色
粒子を密閉容器内にて無機ガス系発泡剤の存在下で分散
媒に分散せしめ、該着色粒子を基材樹脂の軟化温度以上
の温度で分散媒とともに上記密閉容器内より低圧の雰囲
気下に放出して得られるカーボンブラックの添加量が
0.001〜8重量%であるポリプロピレン系樹脂着色
発泡粒子を金型に充填し加熱成型してなる発泡粒子成型
体であって、成型体単位体積当たりのカーボンブラック
の含有量が、1.4×10 -2 〜2.0×10 -6 g/cm
3 であり、成型体の平均気泡径aが0.1〜0.5mm
であり、1.5a以上の気泡径を有する気泡が個数基準
で全体の5%以下、0.4a〜0.9aの気泡径を有す
る気泡が個数基準で全体の70%以上存在することを特
徴とするポリプロピレン系樹脂着色発泡粒子成型体、を
要旨とするものである。
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【実施例】以下、本発明ポリプロピレン系樹脂発泡粒
子、及び本発明ポリプロピレン系樹脂発泡粒子成型体を
実施例に基づき詳細に説明する。
【0013】本発明においてポリプロピレン系樹脂着色
発泡粒子成型体は、着色されたポリプロピレン系樹脂着
色粒子を発泡せしめてなるポリプロピレン系樹脂着色発
泡粒子を、必要に応じて無機ガスにより加圧熟成して粒
子内に所定の内圧を付与した後、開閉し得るが密閉し得
ない成型用の型内に該発泡粒子をそのまま、若しくは加
圧圧縮状態で充填し、おおむね基材樹脂の融点付近の温
度の水蒸気により発泡粒子を加熱して粒子相互を融着せ
しめ、しかる後冷却することによって成型体を型通りに
成型する、所謂型内成型法によって得ることができる。
尚、特開昭63−256634号公報記載の発泡粒子の
構成を本発明に適用することにより、加圧熟成すること
なく良好な成型体を上記の如き型内成型法によって得る
ことができる。
【0014】本発明発泡粒子を形成する基材樹脂として
は、例えば、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンブ
ロック共重合体、エチレン−プロピレンランダム共重合
体、ブテン−プロピレンランダム共重合体、ブテン−プ
ロピレンブロック共重合体、エチレン−ブテン−プロピ
レンランダム共重合体等のポリプロピレン系樹脂が挙げ
られ、その中でも特に、エチレン−プロピレンランダム
共重合体、ブテン−プロピレンランダム共重合体、エチ
レン−ブテン−プロピレンランダム共重合体が好まし
く、更に、本発明において用いられるポリプロピレン系
樹脂は無架橋のものであっても架橋したものであっても
良いが、リサイクルの点からいえば無架橋のものである
のが好ましい。
【0015】成型体を得るにあたって、上記の如き基材
樹脂からポリプロピレン系樹脂着色発泡粒子を製造する
には、先ず着色顔料を含有量が1〜40重量%となる割
合でポリオレフィン系樹脂に混合し、これを加圧ニーダ
ー、バンバリーミキサー、押出機等により充分に混練し
て着色顔料の予備分散を行った着色ペレットを作成す
る。尚、着色ペレットを構成するポリオレフィン系樹脂
としては上記基材樹脂、更にポリプロピレン系樹脂の特
性を阻害しない範囲(着色ペレットと基材樹脂とを混合
したポリプロピレン系樹脂着色粒子組成の15重量%以
下)で低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、
高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等
のポリエチレン系樹脂も使用できる。
【0016】次いで、この着色ペレットを最終的に得ら
れる成型体が所望の濃度に着色されるような割合で高速
ミキサー、ヘンシェルミキサー、タンブラー等により無
着色の上記基材樹脂からなるポリプロピレン系樹脂と充
分に混合した後、押出機で溶融混練してストランド状に
押し出し、これをペレタイザーにより造粒する等して、
例えば、一粒の着色粒子の重量が0.1〜10mgであ
って、着色粒子の長さLと直径Dとの比L/Dが0.5
〜5程度となるようにポリプロピレン系樹脂着色粒子を
形成する。
【0017】尚、上記のようにしてポリプロピレン系樹
脂着色粒子を形成するにあたって、必要に応じて着色顔
料の分散剤、帯電防止剤、酸化防止剤、光安定剤、滑剤
等を任意の割合で混合することもできる。
【0018】次に、得られた着色粒子を密閉容器内にお
いて無機ガス系発泡剤の存在下で、必要に応じて内容物
を攪拌流動化させながら水等の分散媒に分散させ、基材
樹脂の軟化温度以上、具体的には基材樹脂の融点−10
℃〜融点+10℃に加熱し、この温度(発泡温度)にて
一定時間保持して、しかる後容器の一端を開放し、容器
内圧力を発泡剤の蒸気圧以上の圧力に保持しながら着色
粒子と分散媒とを同時に容器内よりも低圧の雰囲気下
(通常は大気圧下)に放出して着色粒子を発泡せしめ
(通常、嵩密度が0.01〜0.3g/cm3 となるよ
うに発泡させる。)、これによってポリプロピレン系樹
脂着色発泡粒子を製造する等すれば良い。
【0019】尚、基材樹脂の融点とは示差走査熱量計に
よってサンプル約3〜6mgを10℃/分の昇温速度で
220℃まで加熱して、その後10℃/分の降温速度で
約50℃まで冷却し、再度10℃/分の速度で220℃
まで昇温した時に得られるDSC曲線における吸熱ピー
ク(固有ピーク)の頂点の温度をいうものとする。
【0020】本発明成型体を得るためのポリプロピレン
系樹脂着色発泡粒子を製造する際に、着色顔料を1〜4
0重量%で含有する着色ペレットを使用すれば、着色顔
料と基材樹脂との分散性が向上し、着色顔料を均一に分
散させることができ、これによってより充分な着色顔料
の分散と発色を達成することができ、更に、発泡粒子の
倍率や、気泡径のバラツキが生じることがなく、発泡粒
子の倍率を向上させることができる。着色ペレット中の
着色顔料の含有量が40重量%を越える場合は、着色顔
料の基材樹脂に対する分散性が低下するため好ましくな
く、分散不良となると発泡粒子、更には最終的に得られ
る成型体の発泡倍率のバラツキや気泡径のバラツキが生
じてしまう。また、着色ペレット中の着色顔料の含有量
が1重量%未満の場合は経済面で不利となる。基本的に
は、ポリプロピレン系樹脂着色粒子中の着色顔料濃度の
10〜50倍の濃度で着色顔料を含有する着色ペレット
を使用するのが、着色顔料の分散性や経済性の面から好
ましい。
【0021】ポリプロピレン系樹脂着色粒子を発泡させ
るための無機ガス系発泡剤としては、例えば、空気、窒
素、二酸化炭素、ヘリウム、ネオン、アルゴン等を用い
ることができるが、安全性やコストの点からいえば、空
気、窒素、二酸化炭素を主成分とするものが特に好まし
い。また、発泡剤としてブタン、ペンタン等の脂肪族炭
化水素を上記無機ガスに混合してもかまわない。発泡剤
の使用量は、加熱中、又は加熱後に発泡温度で20〜6
0kgf/cm2 ・Gの圧力範囲を示すように容器内に
圧入されるか、若しくは発泡温度にて該圧力を示すよう
な量を予め加熱前に仕込んでおくことができる。尚、こ
れら発泡剤の使用量は得ようとする発泡粒子の発泡倍率
と発泡温度との関係で適宜選定される。
【0022】また、ポリプロピレン系樹脂着色粒子を分
散させるための分散媒としては、該着色粒子を溶解しな
いものであれば良く、このような分散媒としては例えば
水、エチレングリコール、グリセリン、メタノール、エ
タノール等が挙げられるが、通常は水が使用される。
【0023】更に、ポリプロピレン系樹脂着色粒子を分
散媒に分散せしめて発泡温度に加熱するにあたって、着
色粒子相互の融着を防止するために融着防止剤を用いる
こともできる。このような融着防止剤としては、水等に
溶解せず、加熱によって溶融しないものであれば無機
系、有機系を問わず使用可能であるが、一般には無機系
のものが好ましい。無機系の融着防止剤としては、カオ
リン、タルク、マイカ、酸化アルミニウム、酸化チタ
ン、水酸化アルミニウム等の粉体が好適である。また、
分散助剤としてドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウ
ム、オレイン酸ナトリウム等のアニオン系界面活性剤を
好適に使用することもできる。尚、上記融着防止剤とし
ては平均粒径0.001〜100μm、特に0.001〜3
0μmのものが好ましく、融着防止剤の添加量は樹脂粒
子100重量部に対し、通常は0.01〜2重量部が好ま
しい。また、界面活性剤は樹脂粒子100重量部当た
り、通常0.001〜1重量部添加することが好ましい。
【0024】本発明において用いられる着色顔料は、無
機系の顔料であっても、有機系の顔料であっても良く、
無機系の顔料としては、例えば、黄鉛、亜鉛黄、バリウ
ム黄等のクロム酸塩、紺青等のフェロシアン化物、カド
ミウムイエロー、カドミウムレッド等の硫化物、鉄黒、
べんがら等の酸化物、群青等のケイ酸塩、又はチャンネ
ルブラック、ローラーブラック、ディスク、ガスファー
ネスブラック、オイルファーネスブラック、サーマルブ
ラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック等を
挙げることができ、有機系の顔料としては、モノアゾ顔
料、ジスアゾ顔料、アゾレーキ、縮合アゾ顔料、キレー
トアゾ顔料等のアゾ顔料、又はフタロシアニン系、アン
トラキノン系、ペリレン系、ペリノン系、チオインジゴ
系、キナクリドン系、ジオキサジン系、イソインドリノ
ン系、キノフタロン系等の多環式顔料等を挙げることが
できるが、これらの顔料の中でも特に、カーボンブラッ
クが着色発泡粒子の発泡の核剤として作用しやすいため
好ましい。尚、本発明は着色されたポリプロピレン系樹
脂発泡粒子成型体を提供することを目的としており、一
般に、無着色のポリプロピレン系樹脂発泡粒子成型体は
白色であるので、本発明における着色顔料には白色顔料
が含まれないものとする。
【0025】上記の如き着色顔料の粒径は0.1〜10
0μmであるのが好ましく、特に0.1〜25μmであ
ることが気泡核剤として好ましく作用するため好まし
い。着色顔料の粒径が0.1μmよりも細かくなると、
着色発泡粒子の気泡径が極端に小さくなるために気泡の
膜強度が弱くなり易く、結果として成型時に破泡を生じ
てしまい好ましくない。一方、着色顔料の粒径が100
μmをより大きいと、着色顔料の粒径が着色発泡粒子の
気泡の膜厚より大きいために気泡膜が破れ易くなってし
まい好ましくない。
【0026】本発明発泡粒子に対する着色顔料の添加量
としては、0.001〜8重量%が好ましく、着色顔料
の添加量が0.001重量%未満の濃度では、着色の効
果が見られない虞がある上に低発泡倍率のものしか得ら
れない。一方、着色顔料の添加量が8重量%を超えると
原料コストが高くなる上、着色発泡粒子の気泡径が極端
に小さくなるために気泡の膜強度が弱くなり易く、結果
として成型時に破泡を生じるため好ましくない。
【0027】また、本発明では、成型体の単位体積当た
りの着色顔料が1.4×10-2〜2.0×10-6g/c
3 であれば良く、2.0×10-6g/cm3 未満で
は、着色の効果がみられないし、1.4×10-2g/c
3 を超えると原料コストが高くなる上、密度当たりの
発泡体の物性が低下する傾向にあるため好ましくない。
【0028】また、本発明では、成型体の平均気泡径a
が0.1〜0.5mmであって、1.5a以上の気泡径
を有する気泡が個数基準で全体の5%以下、0.4a〜
0.9aの気泡径を有する気泡が個数基準で全体の70
%以上存在しているのが好ましく、平均気泡径aが0.
1〜0.3mm、1.5a〜3a以上の気泡径を有する
気泡が4%以下であるのがより好ましい。成型体の気泡
径がこのような条件に従うと、成型体の色ムラがより少
なく、外観状態もより良好な成型体となるが、平均気泡
径aが0.1mm以下の場合や、気泡径が1.5a以上
の気泡が5%を超えて存在する場合には、成型体の外
観、特に色ムラがはげしくなる傾向にあり、気泡径が
0.4a〜0.9aの気泡が70%未満の場合には、全
ての気泡が細かい発泡粒子がコンタミネーションとして
混入した場合に色彩によって色ムラの発生が起こる可能
性がある。
【0029】以上説明してきたような本発明ポリプロピ
レン系樹脂着色発泡粒子、及びポリプロピレン系樹脂着
色発泡粒子成型体は、従来品と同様に、包装材、緩衝
材、断熱材、建築資材、自動車用部品等の広範な用途に
供することができる。
【0030】次に、本発明ポリプロピレン系樹脂着色発
泡粒子、及びポリプロピレン系樹脂着色発泡粒子成型体
の具体的な実施例、及びその比較例を挙げて本発明を更
に詳細に説明する。
【0031】〔実施例1〜7、比較例1〜3〕下記の基
材樹脂に表1に示す粒径のカーボンブラックを表1に示
す濃度で混合し、これをバンバリーミキサーで充分に混
練してカーボンブラックの基材樹脂への予備分散を行っ
て、着色ペレットを作成した。
【0032】〔基材樹脂〕 ・実施例1〜3、5、6、及び比較例1〜3 エチレン−プロピレンランダム共重合体(融点140
℃、エチレンコンテント4重量%、MI=8g/10m
in.) ・実施例4 エチレン−プロピレンランダム共重合体(融点146
℃、エチレンコンテント2.4重量%、MI=10g/
10min.) ・実施例7 エチレン−ブテン−プロピレンランダム共重合体(融点
149℃、エチレンコンテント0.5重量%、ブテン−
1コンテント3.2重量%、MI=13g/10mi
n.)
【0033】次いで、上記着色ペレットをタンブラー内
で無着色の基材樹脂に充分に混合した後、押出機により
ストランド状に押出し、ペレタイザーで造粒してポリプ
ロピレン系樹脂着色粒子を得た。尚、着色樹脂粒子中の
顔料濃度を表1に示す。
【0034】続いて、ポリプロピレン系樹脂着色粒子1
00重量部に対して、カオリン0.3重量部、界面活性
剤0.03重量部、及び表1に示す量の二酸化炭素を水
300重量部とともに5リットルのオートクレーブ内に
入れ、攪拌しながら表1に示す発泡温度まで昇温し、同
一の温度で15分間保持した後にオートクレーブの一端
を開放してオートクレブ内の圧力を二酸化炭素による背
圧によって保ちながら大気圧下に放出して、着色粒子を
発泡せしめて表1に示す嵩倍率のポリプロピレン系樹脂
着色発泡粒子を製造した。
【0035】次に、上記発泡粒子を空気により加圧熟成
して粒子内に2kgf/cm2 の内圧を付与した後、開
閉し得るが密閉し得ない成型用の型内に該発泡粒子を充
填し、2〜4kgf/cm2 (G)の水蒸気圧力で発泡
粒子を加熱して粒子相互を融着せしめ、しかる後冷却す
ることによって成型体を型通りに成型した。
【0036】得られた成型体の断面(縦×横:15mm
×15mm)における成型体の平均気泡径a、1.5a
以上の気泡径を有する気泡の存在する割合B、及び0.
4a〜0.9aの気泡径を有する気泡の存在する割合S
を顕微鏡にて測定した結果とともに、成型体についての
他の評価を表1に併せて示す。
【0037】
【表1】
【0038】成型体の色ムラの評価、及び成型体の成型
性の評価は、以下の基準に基づいて評価した。
【0039】〔色ムラの評価基準〕成型体の外観を観察
して評価した。 ○・・・・・色の異なる箇所が少ない。 △・・・・・色の異なる箇所がやや多い。 ×・・・・・色の異なる箇所が多い。
【0040】〔成型性の評価基準〕成型性は成型適性温
度での成型を行い、60℃で24時間養生後以下の基準
により評価した。 ○・・・・・成型体の収縮もなく良好な成型体である。 △・・・・・成型体に多少収縮がみられる。 ×・・・・・成型体の収縮、又は表面凹凸がみられる。
【0041】
【発明の効果】請求項 1 発明は、ポリプロピレン系樹脂
着色発泡粒子を製造する際に、カーボンブラックを1〜
40重量%で含有する着色ペレットを使用するので、カ
ーボンブラックと基材樹脂との分散性が向上し、カーボ
ンブラックを均一に分散させることができ、これによっ
てより充分なカーボンブラックの分散と発色を達成する
ことができ、更に、発泡粒子の倍率や、気泡径のバラツ
キが生じることがなく、発泡粒子の倍率を向上させるこ
とができるという優れた効果を奏する。更に、発泡粒子
に対するカーボンブラックの添加量は、0.001〜8
重量%であるため、得られる発泡粒子の発泡倍率の向上
が難しい無機ガス系発泡剤を使用するにもかかわらず、
発泡倍率の向上効果に優れ、しかも、得られる着色発泡
粒子の気泡径が極端に小さくなりすぎず、結果として、
気泡の膜強度が弱くなり難く、成型時に破泡を生じ難く
なるという効果を奏する。請求項2発明は、発泡粒子に
対するカーボンブラックの添加量が、0.001〜8重
量%であるため、得られる発泡粒子の発泡倍率の向上が
難しい無機ガス系発泡剤を使用するにもかかわらず、発
泡倍率の向上効果に優れ、しかも、得られる着色発泡粒
子の気泡径が極端に小さくなりすぎず、結果として、気
泡の膜強度が弱くなり難く、成型時に破泡を生じ難くな
るという効果に加えて、成型体単位体積当たりのカーボ
ンブラックの含有量が、1.4×10 -2 〜2.0×10
-6 g/cm 3 であるから、着色効果に優れる上、密度当
たりの発泡体の物性が低下しにくいという効果を有す
る。更に請求項2発明は、成型体の平均気泡径aが0.
1〜0.5mmであり、1.5a以上の気泡径を有する
気泡が個数基準で全体の5%以下、0.4a〜0.9a
の気泡径を有する気泡が個数基準で全体の70%以上存
在するため、成型体の色ムラがより少なく、外観状態も
より良好な成型体となる。
【0042】
【0043】また、発泡剤には無機ガス系のものを用い
て得ることができるので、オゾン層破壊の虞がない上
に、安全且つ低コストで着色発泡粒子を得ることができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−28239(JP,A) 特開 平1−240540(JP,A) 特開 平3−28240(JP,A) 特開 昭61−2741(JP,A) 特開 昭61−4738(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 9/16,9/228 C08L 23/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カーボンブラックを1〜40重量%含有
    するポリオレフィン系樹脂と、ポリプロピレン系樹脂と
    を溶融混練することによって得られるポリプロピレン系
    樹脂着色粒子を密閉容器内にて無機ガス系発泡剤の存在
    下で分散媒に分散せしめ、該着色粒子を基材樹脂の軟化
    温度以上の温度で分散媒とともに上記密閉容器内より低
    圧の雰囲気下に放出して発泡せしめることを特徴とする
    カーボンブラックの添加量が0.001〜8重量%であ
    るポリプロピレン系樹脂着色発泡粒子の製造方法。
  2. 【請求項2】 カーボンブラックを1〜40重量%含有
    するポリオレフィン系樹脂と、ポリプロピレン系樹脂と
    を溶融混練することによって得られるポリプロピレン系
    樹脂着色粒子を密閉容器内にて無機ガス系発泡剤の存在
    下で分散媒に分散せしめ、該着色粒子を基材樹脂の軟化
    温度以上の温度で分散媒とともに上記密閉容器内より低
    圧の雰囲気下に放出して得られるカーボンブラックの添
    加量が0.001〜8重量%であるポリプロピレン系樹
    脂着色発泡粒子を金型に充填し加熱成型してなる発泡粒
    子成型体であって、成型体単位体積当たりのカーボンブ
    ラックの含有量が、1.4×10 -2 〜2.0×10 -6
    /cm 3 であり、成型体の平均気泡径aが0.1〜0.
    5mmであり、1.5a以上の気泡径を有する気泡が個
    数基準で全体の5%以下、0.4a〜0.9aの気泡径
    を有する気泡が個数基準で全体の70%以上存在するこ
    とを特徴とするポリプロピレン系樹脂着色発泡粒子成型
    体。
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