JP4138949B2 - 無架橋ポリエチレン系樹脂発泡粒子及びその成型体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は無架橋ポリエチレン系樹脂発泡粒子及びその成型体に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
無架橋低密度ポリエチレン系樹脂発泡粒子、及び該発泡粒子を用いて成型体を得る方法として、特開平6−271701に開示された方法が知られている。即ち、この方法は示差走査熱量計を使用して所定の方法で測定したDSC曲線における50℃〜〔融点−10℃〕における吸熱量が50℃〜融解終了温度までの全吸熱量の50%以上であって、且つ高温側のピーク高さの1/2における温度幅が5℃以上である無架橋低密度ポリエチレン系樹脂粒子を用いて成型体を製造する方法である。この方法によれば、無架橋低密度ポリエチレン系樹脂粒子を密閉容器内で分散媒に分散させ、発泡剤として無機ガスを含有せしめ、所定の温度・圧力下に保持した後、発泡剤を含有した樹脂粒子を該容器内よりも低圧雰囲気下に放出させて発泡させる発泡方法において、良好に発泡させることができる温度範囲が広く、低密度ポリエチレン系樹脂発泡粒子を安定して得ることができる。しかし、この方法にて得られた発泡粒子は気泡が微細化し易いという問題があった。該気泡が微細化した発泡粒子を用いて金型内に充填し加熱成型すると、得られた成型体は成型後に収縮し、更に収縮した状態からの回復が悪く、目的とする寸法精度を有する成型体を得ることが難しかった。更に、これらの問題は発泡剤として無機ガスを使用すると特に顕著に現れた。
【0003】
この発泡粒子の気泡が微細化する等の問題を解決する方法として、特開平8−113667においては、低密度ポリエチレン系樹脂の発泡粒子中に、炭素数15〜23の高級脂肪酸と、3〜7個の水酸基を有する多価アルコールとのエステルを0.2〜5.0重量%含有させることが提案されている。
上記方法によれば、無機ガス発泡剤と揮発性発泡剤の混合物を発泡剤として用いると、気泡の微細化を防いで成型が容易な高発泡倍率の発泡粒子を安定して得ることはできる。しかし、この方法は無機ガス発泡剤のみを発泡剤として用いると、発泡粒子の気泡が細かくなる傾向にあり、気泡の微細化を完全に防止するための更なる改良が求められる方法であった。
【0004】
前記気泡が微細化した発泡粒子を使用すると、該発泡粒子を金型内に充填し蒸気等で加熱して成型する際の成型可能な温度範囲が狭い上に、表面平滑性が悪い成型体しか得ることができなかった。
【0005】
本発明者等は上記問題を解決すべく鋭意研究した結果、ポリエチレン系樹脂発泡粒子(以下、「発泡粒子」と略称する。)の製造に使用する樹脂粒子を得ることを目的としてポリエチレン系樹脂原料をペレタイズする際に、該原料がペレタイズの温度条件により僅かに架橋することにより(過酸化物、放射線等により積極的に架橋構造を導入したものとは架橋の程度が異なり、得られた発泡用樹脂粒子はあくまでも無架橋の範疇のものである。)その物性が変化し、この原料物性の変化が気泡の微細化に繋がっていることを見出し本発明の完成に至った。即ち、本発明者は、該原料をペレタイズする際に、該原料のメルトインデックス(以下、「MI」と略称する。)及びメルトテンション(以下、「MT」と略称する。)が変化していることを見出し、樹脂粒子のMT、MIを調整しながら原料をペレタイズすることが気泡の微細化を防ぎ、該発泡粒子の真の密度が0.024〜0.042g/cm3 、気泡径が250μm以上の成型可能な温度範囲が広い発泡粒子を得ることに繋がることを見出し、本発明の完成に至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】
即ち本発明は、密度が0.925g/cm3以上、かつ0.940g/cm3未満のポリエチレン系樹脂粒子を発泡させて得られた、真の密度が0.024〜0.042g/cm3の発泡粒子において、該発泡粒子の190℃、2.16kgfで測定したメルトフローインデックスが0.1〜10g/10min、190℃で測定したメルトテンションの値が0.5〜2.2gであり、且つ該発泡粒子の切断面の画像上において、発泡粒子のほぼ中央を通る直線を引き、該直線が貫通している気泡の数n(個)、及び該直線と発泡粒子表面との交点から定まる発泡粒子径L(μm)に基づきL/nにより求められる該発泡粒子を構成する気泡の平均径が250〜700μmであることを特徴とする無架橋ポリエチレン系樹脂発泡粒子を要旨とするものである。
【0007】
本発明における無架橋ポリエチレン系樹脂発泡粒子は、ポリエチレン系樹脂粒子を無機ガス発泡剤を使用して発泡させて得られたものであることが好ましく、大気圧よりも高い内部圧力を有する発泡粒子を加熱媒体により加熱して発泡させて得られたものであることが好ましい。
【0008】
本発明における無架橋ポリエチレン系樹脂発泡粒子は、基材樹脂100重量部当たり、炭素数15〜23の高級脂肪酸と3〜7個の水酸基を有する多価アルコールのエステルを0.05〜5重量部含有することが好ましい。
【0009】
本発明における無架橋ポリエチレン系樹脂発泡成型体は、無架橋ポリエチレン系樹脂発泡粒子を、型内に充填して加熱し、粒子相互を融着せしめて得られた密度が0.017〜0.031g/cm3 の成型体であることが好ましい。
【0010】
本発明におけるポリエチレン系樹脂は、エチレンと炭素数4〜10のα−オレフィンとの共重合体(以下、「LLDPE」と略称する。)を主成分とするものを使用することが好ましく、上記炭素数4〜10のα−オレフィンとしては1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3,3−ジメチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、1−オクテン等が挙げられる。これらα−オレフィンのLLDPE樹脂全体における含有率は通常1〜20重量%が好ましく、特に3〜10重量%が好ましい。含有率が20重量%を越える場合は、曲げや圧縮等に対する強度低下が見られる。
【0011】
上記LLDPEの密度は0.925g/cm 3 以上、かつ0.940g/cm3 未満である。該密度が小さすぎる場合は、発泡粒子や成型体が収縮し易く、0.940g/cm3 以上の場合は、発泡可能な温度範囲がさほど広がらない。
【0012】
本発明においては、互いに密度等が異なるLLDPEどうしを混合したり、LLDPEに低密度ポリエチレン(以下、LDPEと略称する。)や高密度ポリエチレン(以下、HDPEと略称する。)を混合することもできる。
【0013】
本発明においては、上記の種々の樹脂を、ドライブレンド法、マスターバッチ法等の混合方法で混合し、該混合した樹脂を更に押出機によりペレタイズして発泡用樹脂粒子とする。
【0014】
本発明においては、炭素数15〜23の高級脂肪酸と3〜7個の水酸基を有する多価アルコールのエステルを0.05〜5.0重量%(但し、樹脂とエステルとの合計重量に対する割合であり、他の添加物は除く。)発泡用樹脂粒子に含有させることが好ましい。
【0015】
上記高級脂肪酸と多価アルコールのエステルの一方の構成成分である炭素数15〜23の高級脂肪酸としては、例えばパルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸等が挙げられる。また他方の構成成分である水酸基が3〜7個の多価アルコールとしては、例えばグリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、エリトリット、アラビット、キシリット、マンニット、ソルビット、ソルビタン等が挙げられる。
【0016】
上記高級脂肪酸と多価アルコールのエステルが、炭素数15未満の高級脂肪酸や、水酸基の数3〜7個以外の多価アルコールから構成される場合には、発泡粒子中の該エステルが表面に移行し易く、成型体表面にベタツキを生じたり、被包装物を汚染する等の問題が生じる。又、成型品に収縮やヒケが生じ易くなり、成型後に成型体の養生温度を高くしたり養生時間を長くしても満足な成型品とならない等の問題も生じる。また上記エステルを構成する高級脂肪酸の炭素数が23を超えると、水酸基数3〜7個の多価アルコールであっても、成型体の収縮が大きくなる。
【0017】
上記脂肪酸と多価アルコールとのエステルは、完全エステルよりも部分エステルの方が成型体の収縮防止効果に優れるため好ましく、特にステアリン酸モノグリセライドが好ましい。
【0018】
本発明の発泡用樹脂粒子には、必要に応じて酸化防止剤、紫外線吸収剤、塩素吸収剤等を含有させることができる。しかし、これらには気泡調節剤として気泡を微細化する作用があるので、添加量はできる限り少なくすることが望ましい。例えば、塩素吸収剤としてステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩類、ハイドロサルファイト類化合物を添加できるが、添加量は1500ppm以下、特に900ppm以下にすることが好ましい。
【0019】
上記発泡用樹脂粒子には必要に応じて無機物を含有させることができる。該無機物としては、例えば水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等の無機水酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム等の無機炭酸塩、亜硫酸カルシウム、亜硫酸マグネシウム等の無機亜硫酸塩、硫酸カルシウム、硫酸アルミニウム、硫酸マンガン、硫酸ニッケル等の無機硫酸塩、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素等の無機酸化物、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム等の無機塩化物、ホウ砂、タルク、クレー、カオリン、ゼオライト等の粘土または天然鉱物等が挙げられる。
【0020】
上記無機物は1種または2種以上混合して用いることができ、上記押出機によりペレタイズする際に添加しておけばよい。無機物は通常、粉粒体として添加され、粒径は0.1〜100μm、特に1〜15μmのものを用いることが好ましい。
【0021】
発泡用樹脂粒子中の無機物も気泡調節剤として気泡を微細化する作用があるので、添加量を1000ppm以内にすることが好ましい。添加量が1000ppmを超えると、気泡が微細化し、発泡粒子の成型性が悪くなる虞がある。
【0022】
本発明における樹脂粒子には必要に応じて着色剤を含有させることができる。着色剤としては、従来から公知の有機及び無機の顔料、染料等を用いることができるが、耐熱性、耐紫外線性及び色移行性等を考慮すると顔料を用いるのが望ましい。着色剤の含有量は、0.0005〜1重量%が好ましい。着色剤の含有量が1重量%を越えると、発泡粒子の気泡径が小さくなりすぎ、発泡粒子の成型性が悪くなる虞がある。
【0023】
発泡用樹脂粒子は直径:D=0.5〜3mm、長さ:L=0.5〜5mm、L/D=1〜3程度の粒状のものが好ましい。樹脂粒子のL/Dが1未満では発泡粒子が扁平となり、3を越えると棒状となる。これらの扁平、棒状の発泡粒子は金型内に均一に充填するのが難しいので、均一な成型体を得ることができない。粒子重量は、0.5〜10mg、特に2〜4mgが好ましい。粒子重量が0.5mg未満では発泡粒子の気泡径が細かくなり、10mgを越えると得られる成型体の表面にボイドができ、表面平滑性が悪くなる虞がある。
【0024】
本発明においては、発泡用の樹脂粒子を製造するには、所望の添加剤、例えば、LLDPE等の樹脂に脂肪酸と多価アルコールとのエステル等を添加して押出機内で溶融混練した後、押出機からストランド状に押出し、該ストランドを冷却後にカットして粒状とする方法がある。かかる際、添加剤を添加するには、マスターバッチを作製して添加することが好ましい。尚、LLDPEを主成分とする樹脂を溶融混練する押出機は、押出機内で過大に剪断されて分解、架橋等することによる樹脂の変質を防ぐ構造にすることが肝要である。該押出機としては、単軸押出機、二軸押出機等を使用することができ、単軸押出機を使用する場合は、ダルメージ、マドック等の混練装置を設けていない、スクリューの回転数が小さくても必要な製造量を確保できる、例えばフルフライトの押出機が好ましい。
【0025】
又、LLDPEを主成分とする樹脂を押出機内で溶融混練する樹脂温度は、基材樹脂の〔融点+30℃〕〜250℃が好ましい。樹脂温度が〔融点+30℃〕未満では、押出圧力が増加しすぎて必要な吐出量を維持することができず生産性が悪くなる。樹脂温度が250℃を超えると樹脂の分解・架橋等の複雑な現象が起きて樹脂の弾性が低下し高発泡倍率の発泡粒子を得ることが出来なくなる。
【0026】
上記の方法により、原料をペレタイズして発泡粒子製造用の樹脂粒子を得る際の原料のMTの増加等に繋がる原料の架橋を防ぐことができる。本発明の発泡粒子は、このようにして得られた樹脂粒子を以下に示す特定の条件下で発泡させることにより得ることができる。尚、原料樹脂のMI及びMTは、発泡させる工程においてはさほど変化しないため、目的とする発泡粒子のMI及びMTは、ペレタイズによって得られる樹脂粒子のMI及びMTを調節することによって得ることができる。
【0027】
本発明においては、上記方法で作製した発泡用樹脂粒子を密閉容器中で発泡剤とともに分散媒に分散させながら加熱し、該樹脂粒子中に発泡剤を含浸させた後、樹脂粒子が軟化する温度以上の温度にて大気圧下に放出することにより(以下、「一段発泡」という。)、発泡用樹脂粒子を発泡させて発泡粒子(以下、「一段発泡粒子」という。)を得る。
【0028】
本発明において用いられる発泡剤は、二酸化炭素、窒素、アルゴン、空気等の無機ガス発泡剤が好ましい。これらの発泡剤は単独でも、又混合して用いることもできるが、気泡径が均一な高発泡倍率の一段発泡粒子を得ることができるという点で二酸化炭素が特に好ましい。又、これらの無機ガス発泡剤にプロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、シクロブタン、シクロヘキサン、トリクロロフロロメタン、ジクロロジフロロメタン等の揮発性発泡剤を混合して用いることもできる。又、発泡剤として揮発性発泡剤を用いても良い。該発泡剤は、目的とする発泡倍率の粒子を得るために必要な量を添加する必要があり、一般的には樹脂100重量部に対して5〜20重量部である。
【0029】
本発明方法における発泡用樹脂粒子を密閉容器中で分散させるための分散媒としては、例えば水、エチレングリコール、グリセリン、メタノール、エタノール等が挙げられるが、通常は水が使用される。
【0030】
また、上記発泡用樹脂粒子に発泡剤を含浸させる工程は、該樹脂粒子を密閉容器内で分散媒に分散させる工程の前・後のいずれでもよいが、通常は該樹脂粒子を分散させる工程において同時に行う。この場合には、密閉容器中に該樹脂粒子と発泡剤及び分散媒を入れて攪拌しながら加熱、加圧する等の方法により発泡剤を樹脂粒子中に含浸させる。
【0031】
一段発泡においては、発泡用樹脂粒子と発泡剤を分散媒に分散せしめて発泡温度まで加熱するに際し、樹脂粒子の融着を防止するために融着防止剤を使用することができる。融着防止剤としては、無機系、有機系のいずれでもよいが、一般には無機系のものが好ましい。無機系の融着防止剤としては酸化アルミニウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、塩基性炭酸マグネシウム、塩基性炭酸亜鉛、炭酸カルシウム、リン酸三カルシウム、ピロリン酸マグネシウム、タルク、マイカ等が挙げられる。
【0032】
上記融着防止剤としては粒径0.001〜100μm、特に0.001〜30μmのものが好ましい。融着防止剤は、樹脂粒子100重量部に対し、通常0.01〜10重量部を添加する。
【0033】
上記無機系の融着防止剤を添加するにあたっては、乳化剤を併用することもできる。上記乳化剤としてはドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム等のアニオン系界面活性剤が好適である。乳化剤は樹脂粒子100重量部あたり通常0.001〜5重量部を添加する。
【0034】
一段発泡において、発泡剤として無機ガス発泡剤を使用する場合、発泡剤を含有する発泡用樹脂粒子と分散媒とを容器内より低圧の雰囲気下に放出して発泡せしめる発泡温度は、上記樹脂粒子の軟化温度以上の温度であって、融点付近の温度である必要があり、具体的には〔融点−10℃〕以上、〔融点+5℃〕以下の範囲である。
【0035】
本発明の一段発泡においては、発泡温度まで加熱する昇温速度は1〜10℃/分、特に2〜5℃/分であるのが好ましい。
【0036】
上記一段発泡においては、発泡用樹脂粒子と分散媒とを密閉容器内より放出する際の雰囲気圧力は容器内圧力よりも低圧であればよいが、通常は大気圧である。また、放出する際の雰囲気温度は通常は常温であるが、水蒸気等の加熱媒体により雰囲気温度を60〜110℃、好ましくは80〜100℃に加熱することにより、常温雰囲気中に放出する場合と比較して発泡倍率で1.5〜2.0倍程度高い一段発泡粒子(例えば、15倍程度のものが17倍程度のものになる。)が得られる。
【0037】
本発明の一段発泡において気泡の平均径が250μm以上の発泡粒子を得るには、前述したMTの増加等を防いだ樹脂粒子を使用することを前提として、前記エステルを添加した樹脂粒子を使用する方法や、一段発泡において樹脂粒子を密閉容器内から低圧の雰囲気下に放出する際に少なくとも1つ以上のノズルを介して低圧域へ放出する方法を採用することができる。後者の方法においては、発泡剤を含有する樹脂粒子と分散媒の混合物を密閉容器内より低圧の雰囲気下にノズルを介して低圧域へ放出発泡せしめる工程によって、混合物の放出速度を適当な範囲内で均一に増大させることにより発泡粒子の気泡径を調節することができる。具体的には、内径:D=5〜20mm、長さ:L=30〜1000mmのノズルを用いることができ、内径:D=5〜20mm、長さ:L=80〜500mmのノズルが好ましい。ノズルを使用することにより、気泡の平均径を大きくするという効果が得られる。ノズルの長さ若しくは内径は、発泡粒子の大きさによって選択し、得られる発泡粒子の中に相互に融着した発泡粒子が混入しないように考慮する必要がある。
【0038】
上記した如く、一段発泡させるだけでも発泡粒子を得ることができる。しかし、本発明の発泡粒子を得るには一段発泡粒子を再度発泡させて目的とする発泡倍率にすることが好ましい(以下、「二段発泡」という。)。二段発泡を採用すると、一段発泡だけで目的とする発泡倍率の発泡粒子を得る場合に比べ、後工程の加熱成型において使用する発泡粒子の独立気泡率を向上させること等ができる。二段発泡させることを前提とした場合、一段発泡粒子は真の密度が0.049〜0.099g/cm3 となるように発泡させることが好ましい。一段発泡粒子の真の密度が0.049g/cm3 未満、即ち発泡倍率が大き過ぎる場合は、一段発泡粒子を構成する気泡が連続気泡化し、該発泡粒子を金型内に充填して加熱成型すると、得られる成型体が収縮したものとなる虞がある。真の密度が0.099g/cm3 を超えると、即ち発泡倍率が小さ過ぎる場合は、二段発泡を行っても目的とする発泡倍率の発泡粒子を得ることが困難になる。
【0039】
真の密度は、約5000個の合計重量wgの発泡粒子をエタノールの入ったメスシリンダー中に沈め、メスシリンダーの水位上昇分より測定される該発泡粒子の体積Vcm3 を測定し、次式によって求める。
発泡粒子の真の密度(g/cm3 )=w÷V
【0040】
上記二段発泡には公知の方法を採用できるが、本発明においては、一段発泡粒子を室温にて大気圧下に放置したり、必要に応じて熱風乾燥する等して粒子内圧を大気圧とほぼ等しい圧力に安定させた後(以下、「熟成」と略称する。)、発泡粒子を加圧タンク内に入れた状態で所定の圧力の空気を導入し、一定時間放置することにより発泡粒子の内圧(以下、「粒子内圧」と略称する。)を大気圧よりも高めた後、一段発泡粒子を加圧タンクから取り出し、蒸気を使用して二段発泡させる方法が好ましい。粒子内圧は、1.5〜7.0kg/cm2 であること、特に3.5〜5.0kg/cm2 であることが好ましい。粒子内圧が1.5kg/cm2 未満では発泡倍率がそれほど増加せず、7.0kg/cm2 を超えると発泡粒子間の発泡倍率のバラツキが大きくなる虞がある。
【0041】
本発明における二段発泡により得られた粒子(以下、「二段発泡粒子」と略称する。)は、真の密度が0.024〜0.042g/cm3 であることを要する。二段発泡粒子の真の密度が0.024g/cm3 未満、即ち発泡倍率が大き過ぎる場合は、該発泡粒子を金型内に充填して加熱成型する際の成型可能な温度範囲が狭くなる。真の密度が0.042g/cm3 を超えると、即ち発泡倍率が小さい場合は、本発明で特定する発泡粒子を使用しなくても発泡粒子成型体の収縮、回復には大きな問題は発生しない。
【0042】
本発明の一段又は二段発泡粒子は、気泡の平均径が250〜700μmである。気泡の平均径が250μm未満、即ち気泡が微細な場合は、成型可能な温度範囲が狭く、得られた成型体の表面平滑性も悪くなる。気泡の平均径が大きすぎると発泡粒子成型体の外観が悪くなり好ましくない。
【0043】
気泡の平均径は、顕微鏡を使用して得られた発泡粒子の切断面の画像上において、該発泡粒子のほぼ中央を通る直線を引き、該直線が貫通している気泡の数n、及び該直線と発泡粒子表面との交点から定まる発泡粒子径L(μm)を読み取り、次式によって求める。
気泡の平均径(μm)=L÷n
【0044】
本発明における一段又は二段発泡粒子のMIは、0.1〜10g/10minの範囲が好ましく、特に1〜3g/10minの範囲が好ましい。発泡粒子のMIは、前記の方法により調整することができる。発泡粒子のMIが10g/10minを超えると、得られる発泡粒子の独立気泡率が低くなり、該発泡粒子から得られる成型体は成型後の収縮回復性が悪くなる。一方、発泡粒子のMIが0.1g/10min未満の場合は、発泡倍率が大きい発泡粒子を得ることが困難になる。
【0045】
発泡粒子のMIは、発泡粒子をヒートプレスを用いて190℃、100kg/cm2 の条件下で脱泡して測定用試料を作製し、次いで、該サンプルをJISK7210に基づき試験温度190℃、試験荷重2.16kgfの条件下で測定する。
【0046】
本発明における一段又は二段発泡粒子のMTは0.5〜2.2gである。発泡粒子のMTは、前記の方法により調整することができる。発泡粒子のMTが2.5gを超えると、発泡倍率が大きい良質の発泡粒子を得ることが困難になる。発泡粒子のMTが0.5g未満の場合は、独立気泡率の高い発泡粒子を得ることが困難になる。
【0047】
発泡粒子のMTは、MIの場合と同様に測定用試料を作製し、例えば、株式会社東洋精機製作所製のメルトテンションテスターIIを使用して、内径2.095mm、長さ8.000mmの円筒状のオリフィスを用い、試験温度190℃、押出ピストン速度10mm/minの条件下で、樹脂を紐状に押出し、この紐状物を直径45mmの張力検出用プーリーに掛けながら、直径50mmの捲取りローラを用いて500rpmにて巻き取ることにより測定した。前記測定によって得られたチャート上には、MTの値が振幅をもったグラフとして描かれ、本発明においては該グラフの振幅の安定した部分における振幅の中央値をMTとして採用した。
【0048】
本発明における一段又は二段発泡粒子は、示差走査熱量計を用いて測定した高温側ピークの吸熱量が17〜35J/gであることが、金型内に充填して加熱成型する際の発泡性及び成型後の寸法安定性の面から好ましく、特に20〜30J/gであることが好ましい。
【0049】
発泡粒子の高温側ピークの吸熱量は、発泡粒子1〜8mgを示差走査熱量計を用いて10℃/minの速度で220℃まで昇温して得たDSC曲線(図1)における高温側ピークbの面積に相当し、次のように求めることができる。まず、図1に示すようにDSC曲線上80℃の点Iと、DSC曲線上の該樹脂の融解終了温度を示す点IIとを結ぶ直線を引く。次に、固有吸熱ピークaと高温側ピークbとの谷部にあたるDSC曲線の点III を通りグラフ横軸の温度に対して垂直な直線を、点Iと点IIとを結んだ直線へ引き、その交点をIVとする。このようにして求めた点IVと点IIとを結ぶ直線、点III と点IVとを結ぶ直線及び点III と点IIを結ぶDSC曲線によって囲まれる部分(斜線部分)の面積が高温側ピークの吸熱量に相当する。
【0050】
本発明においては、上記のようにして得られた特定の発泡粒子を、必要に応じて再度熟成させた後、該発泡粒子を所定形状の型内に充填し蒸気等で加熱して発泡させると共に発泡粒子相互を互いに融着せしめることによって、密度0.017〜0.031g/cm3 の発泡成型体を得ることができる。
【0051】
発泡粒子を型内に充填して成型する方法としては、▲1▼熟成後の発泡粒子をそのまま型内に充填して成型する無加圧成型法、▲2▼発泡粒子に無機ガスを加圧圧入した後、型内に充填して成型する方法、▲3▼発泡粒子を型内に圧縮充填して成型する方法等がある。本発明においては、上記いずれの成型方法も採用することができるが、無加圧で成型できる上に製造工程が簡便な点において▲1▼の無加圧成型法が優れた方法である。
【0052】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
〔実施例1〕
ステアリン酸カルシウム700ppmが配合された密度0.925g/cm3 、MI=1.3g/10min、炭素数6のコモノマー含有量1.8mol%のLLDPEに、フェノール系酸化防止剤300ppm及び燐系酸化防止剤500ppmをマスターバッチにて添加し、直径D=50mm:L/D=28の単軸押出機で、該樹脂を樹脂温度が245℃になる条件下で溶融・混練し、φ2mmのダイからストランド状に押出して約20℃の水中で急冷した後、ペレタイザーにて切断し、重量約3mgのペレット状の樹脂粒子を作製した(以下、「発泡用樹脂粒子」と略称する。)。発泡用樹脂粒子のMIは1.3g/10min、MTは2.2gであった。
【0053】
発泡用樹脂粒子50kg、水300L、分散剤としてマイカ500g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム10g、発泡剤としてドライアイス10.5kgを、内容積400リットルのオートクレーブに入れて攪拌しながら、表1の温度まで昇温した後、該温度に約20分間保持して該樹脂粒子に発泡剤を含浸させた。その後、該温度に保持しながら該温度における平衡蒸気圧に等しい背圧を炭酸ガスを使用してかけ、該圧力を保持したまま容器の下端に設置されたストップバルブを開放し、樹脂粒子と水の混合物を直径16mm、長さ200mmのノズルを介して、蒸気を使用して95〜100℃に加熱された低圧雰囲気下へ、8分間で全量を放出するようにして樹脂粒子を発泡させ、一段発泡粒子を得た。
【0054】
上記一段発泡粒子を熟成後、加圧タンク内に保持し、空気により加圧して表2に示す内圧まで粒子内圧を高めた後、表2に示す圧力の蒸気で二段発泡させた。
【0055】
上記二段発泡粒子を熟成後、金型内に充填して表3に示す圧力の蒸気で加熱発泡させ成型を行った。更に、得られた成型体を大気圧下で約1時間放置した後、80℃に設定したオーブンを使用して大気圧下、24時間乾燥することにより熟成させて表3に示す密度の成型体を得た。
【0056】
〔実施例2〕
基材樹脂に、ステアリン酸モノグリセライドのマスターバッチをステアリン酸モノグリセライドの含有量が0.5重量%になるように添加した以外は実施例1で発泡用樹脂粒子を作製したのと同じ方法、装置、製造条件により溶融混練、急冷した後、ペレタイザーにて切断し、重量約3mgのペレット状の発泡用樹脂粒子を作製した。
【0057】
上記発泡用樹脂粒子を実施例1と同様な配合、方法、条件で発泡させて一段発泡粒子を得た。次に、該一段発泡粒子を実施例1と同様な方法で熟成し、表2に示す内圧まで加圧した後、表2に示す圧力の蒸気で二段発泡させた。更に、該二段発泡粒子を熟成後、金型内に充填して表3に示す圧力の蒸気で加熱発泡させ成型を行った後、得られた成形体を実施例1と同様に熟成させて表3に示す密度の成型体を得た。
【0058】
〔実施例3〜4〕
基材樹脂に、着色剤を40ppmの濃度になるようにマスターバッチで添加し、実施例2と同様にステアリン酸モノグリセライド及び酸化防止剤をマスターバッチで添加し、実施例2と同様に溶融混練、急冷した後、ペレタイザーにて切断し、重量約3mgのペレット状の発泡用樹脂粒子を作製した。
【0059】
上記発泡用樹脂粒子を実施例1と同様な配合、方法、条件で発泡させて一段発泡粒子を得た。次に、該一段発泡粒子を実施例1と同様な方法で熟成し、表2に示す内圧まで加圧した後、表2に示す圧力の蒸気で二段発泡させた。更に、該二段発泡粒子を熟成後、金型内に充填して表3に示す圧力の蒸気で加熱発泡させ成型を行った後、得られた成型体を実施例1と同様に熟成させて表3に示す密度の成型体を得た。
【0060】
〔比較例1〕
実施例3で得られた一段発泡粒子を実施例1と同様な方法で熟成後、表2に示す内圧まで加圧した後、表2に示す圧力の蒸気で二段発泡させた。更に、該二段発泡粒子を熟成後、金型内に充填して表4に示す圧力の蒸気で加熱発泡させ成型を行った後、得られた成型体を実施例1と同様に熟成させて表4に示す密度の成型体を得た。
【0061】
〔比較例2〕
溶融混練時の樹脂温度を従来行われていた290℃になるように押出機の運転条件を設定した以外は、実施例1にて発泡用樹脂粒子を作製した方法と同じ装置、方法、製造条件で溶融混練、急冷した後、ペレタイザーにて切断し、重量約3mgのペレット状の発泡用樹脂粒子を作製した。
【0062】
上記発泡用樹脂粒子を実施例1と同様な配合、方法、条件で発泡させて一段発泡粒子を得た。次に、該一段発泡粒子を実施例1と同様な方法で熟成、表2に示す内圧まで加圧した後、表2に示す圧力の蒸気で二段発泡させた。更に、該二段発泡粒子を熟成後、金型内に充填して表4に示す圧力の蒸気で加熱発泡させ成型を行った後、得られた成型体を実施例1と同様に熟成させて表4に示す密度の成型体を得た。
【0063】
〔比較例3〕
溶融混練時の樹脂温度が290℃になるように押出機の運転条件を設定した以外は、実施例2と同様の配合、装置、方法、条件で発泡用樹脂粒子を作製した。
【0064】
上記発泡用樹脂粒子を実施例1と同様な配合、方法、条件で発泡させて一段発泡粒子を得た。該一段発泡粒子を実施例1と同様な方法で熟成、表2に示す内圧まで加圧した後、表2に示す圧力の蒸気で二段発泡させた。次に、該二段発泡粒子を熟成後、金型内に充填して表4に示す圧力の蒸気で加熱発泡させ成型を行った後、得られた成型体を実施例1と同様に熟成させて表4に示す密度の成型体を得た。
【0065】
〔比較例4〕
一段発泡の工程においてノズルを使用しないで、発泡剤を含有した発泡用樹脂粒子と水の混合物を従来使用していたストップバルブから直接放出した以外は、実施例1と同様の配合、方法、装置で一段発泡粒子を作製した。該一段発泡粒子を実施例1と同様な方法で熟成、表2に示す内圧まで加圧した後、表2に示す圧力の蒸気で二段発泡させた。次に、該二段発泡粒子を熟成後、金型内に充填して表4に示す圧力の蒸気で加熱発泡させ成型を行った後、得られた成型体を実施例1と同様に熟成させて表4に示す密度の成型体を得た。
【0066】
実施例2〜4、比較例1、3において共通して使用するステアリン酸モノグリセライドのマスターバッチは、基材樹脂にステアリン酸モノグリセライドを5重量%添加し、147℃に加熱した加圧ニーダーを用い溶融混練した後、圧縮ロールでプレスし、次に角ペレタイザーで切断することによって作製した。
【0067】
実施例1〜4、比較例1〜4において一段発泡に使用した発泡用樹脂粒子のMT、MI、及び一段発泡によって得られた一段発泡粒子の真の密度、高温側ピークの吸熱量を表1に示す。又、二段発泡によって得られた二段発泡粒子の真の密度、気泡の平均径、MT、MI、高温側ピークの吸熱量を表2に示す。更に、実施例1〜4で得られた成形体の成型後の回復性、表面平滑性、表面固有抵抗値を表3に、比較例1〜4で得られた成形体の成型後の回復性、表面平滑性、表面固有抵抗値を表4に示す。
【0068】
尚、発泡用樹脂粒子のMI及びMTは、前記ペレタイズをした後、60℃に設定したオーブンで24時間乾燥した発泡用樹脂粒子について前記方法により測定した。
【0069】
成型体の回復性の評価は次の基準で行った。
○ : 成型体各面の中央部と端部の厚みの差が1.5%未満の場合
× : 成型体各面の中央部と端部の厚みの差が1.5%以上の場合
【0070】
表面平滑性の評価は次の基準で行った。
○ : ボイドが粒子の界面にほとんど存在しない場合
△ : ボイドが粒子の界面に部分的に存在する場合
× : ボイドが粒子の界面の大部分に存在する場合
【0071】
表面固有抵抗値は、得られた成型体から長さ100mm、幅100mm、厚さ5mmの試験片を、片方の100mm×100mmの面に成型体のスキン面をそのまま残した状態で切り出し、得られた試験片を室温23℃、湿度50%RHの恒温室内に1週間放置後、武田理研製TR8601を使用して、印加電圧500Vの条件下で該スキン面について測定した。
【0072】
成型体の密度は、得られた成型体から測定用試験片を切り出し、該試験片の外形寸法から求めた体積(cm3 )で該試験片の重量(g)を割ることによって求めた。
【0073】
【表1】
【0074】
【表2】
【0075】
【表3】
【0076】
【表4】
【0077】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の無架橋ポリエチレン系樹脂発泡粒子は、密度0.925g/cm3以上、かつ0.940g/cm3未満のポリエチレン系樹脂粒子を発泡させて得られた、真の密度が0.024〜0.042g/cm3 の発泡粒子において、該発泡粒子の190℃、2.16kgfで測定したメルトフローインデックスが0.1〜10g/10min、190℃で測定したメルトテンションの値が0.5〜2.2gであり、且つ該発泡粒子を構成する気泡の平均径が250〜700μmである為、該発泡粒子を金型に充填して蒸気を導入することにより加熱成型する際の成型可能な温度範囲が従来の発泡粒子を使用する場合と比較すると広い上に、本発明の発泡粒子を使用して得られた成型体は形状等に左右されず、収縮回復性、表面平滑性に優れている。更に、このような効果は、発泡剤として無機ガスを使用して得られた発泡粒子において特に顕著に現れる。又、特定の高級脂肪酸と多価アルコールのエステルを前記発泡粒子に添加することにより、前記成型性が更に良化し、添加量によっては帯電防止効果を有する成型体を得ることができるという効果も有する。
【0078】
【図面の簡単な説明】
【図1】ポリエチレン系樹脂発泡粒子の高温側ピークの吸熱量の測定方法を示す説明図である。
【符号の説明】
a 固有吸熱ピーク
b 高温側ピーク
I DSC曲線上80℃の点
II DSC曲線上における樹脂の融解終了温度を示す点
III 固有吸熱ピークaと高温側ピークbとの谷部にあたるDSC曲線の点
Claims (5)
- 密度が0.925g/cm3以上、かつ0.940g/cm3未満のポリエチレン系樹脂粒子を発泡させて得られた、真の密度が0.024〜0.042g/cm3の発泡粒子において、該発泡粒子の190℃、2.16kgfで測定したメルトフローインデックスが0.1〜10g/10min、190℃で測定したメルトテンションの値が0.5〜2.2gであり、且つ該発泡粒子の切断面の画像上において、発泡粒子のほぼ中央を通る直線を引き、該直線が貫通している気泡の数n(個)、及び該直線と発泡粒子表面との交点から定まる発泡粒子径L(μm)に基づきL/nにより求められる該発泡粒子を構成する気泡の平均径が250〜700μmであることを特徴とする無架橋ポリエチレン系樹脂発泡粒子。
- ポリエチレン系樹脂粒子を無機ガス発泡剤を使用して発泡させて得られたものであることを特徴とする請求項1記載の無架橋ポリエチレン系樹脂発泡粒子。
- 大気圧よりも高い内部圧力を有する発泡粒子を加熱媒体により加熱して発泡させて得られたものである請求項1又は2記載の無架橋ポリエチレン系樹脂発泡粒子。
- 基材樹脂100重量部当たり、炭素数15〜23の高級脂肪酸と3〜7個の水酸基を有する多価アルコールのエステルを0.05〜5重量部含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の無架橋ポリエチレン系樹脂発泡粒子。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の無架橋ポリエチレン系樹脂発泡粒子を、型内に充填して加熱し、粒子相互を融着せしめて得られる密度が0.017〜0.031g/cm3の無架橋ポリエチレン系樹脂発泡成型体。
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