JP7382145B2 - ポリオレフィン系樹脂粒子およびその利用 - Google Patents

ポリオレフィン系樹脂粒子およびその利用 Download PDF

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Description

本発明は、ポリオレフィン系樹脂粒子およびその利用に関する。
ポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体(以下、単に「成形体」とも称する。)は、物流資材(例えば、緩衝包装材、通い箱、トラック輸送用緩衝材など)、断熱材、土木建築部材、自動車部材(例えば、ツールボックス、フロアー芯材など)などの用途に広く使われている。
ポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体は、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子(以下、単に「発泡粒子」とも称する。)を型内発泡成形することにより、得ることができる。ポリオレフィン系樹脂発泡粒子は、ポリオレフィン系樹脂を含むポリオレフィン系樹脂粒子(以下、単に「樹脂粒子」とも称する。)に発泡剤を含浸させた後、当該ポリオレフィン系樹脂粒子を発泡することにより、得ることができる。
従来、様々なポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子およびポリオレフィン系樹脂粒子が開発されている。
特許文献1には、石油樹脂および/またはテルペン系樹脂を含有するエチレン-プロピレンランダム共重合体からなるポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子が開示されている。
特許文献2には、特定の要件を有するポリプロピレン系樹脂を基材樹脂としてなることを特徴とするポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子が開示されている。
特許文献3には、特定の条件を満たす直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂を基材樹脂とするポリエチレン系樹脂粒子を発泡させて得られるポリエチレン系樹脂発泡粒子が開示されている。
特許文献4には、ポリプロピレン系樹脂、脂肪酸アミド化合物、並びに、石油樹脂および/またはテルペン系樹脂、を含んでなるポリプロピレン系樹脂組成物を基材樹脂とするポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子が開示されている。
特開2012-177135号公報 WO2010/087111公報 WO2013/031745公報 特開2008-274025号公報
しかしながら、上述のような従来技術は、寸法安定性に優れた成形体を提供する、という観点からは、十分なものでなく、さらなる改善の余地があった。
本発明の一実施形態は、上記問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、寸法安定性に優れた成形体を提供できる発泡粒子を提供し得る、新規のポリオレフィン系樹脂粒子を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、樹脂粒子の平均L/D比と発泡粒子の平均L/D比とから算出される、L12/D12収縮率が特定の範囲内である樹脂粒子とすることにより、寸法安定性に優れた成形体を提供できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明の一実施形態は、以下の構成を含むものである。
〔1〕基材樹脂としてポリオレフィン系樹脂を含み、一粒当たりの重量が0.5mg/粒以上5.0mg/粒以下であり、下記式(1)で求められるL12/D12収縮率が70%以下である、ポリオレフィン系樹脂粒子:
12/D12収縮率=100×(1-(ポリオレフィン系樹脂発泡粒子の平均L/D比)/(上記ポリオレフィン系樹脂粒子の平均L/D比))・・・式(1);
ここで、上記ポリオレフィン系樹脂発泡粒子は、上記ポリオレフィン系樹脂粒子を発泡してなり、発泡倍率が15倍以上である。
〔2〕上記ポリオレフィン系樹脂粒子の平均L/D比は1~3である、〔1〕に記載のポリオレフィン系樹脂粒子。
〔3〕〔1〕または〔2〕に記載のポリオレフィン系樹脂粒子を発泡してなる、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子。
〔4〕上記ポリオレフィン系樹脂発泡粒子の平均L/D比は0.8以上1.5未満である、〔3〕に記載のポリオレフィン系樹脂発泡粒子。
〔5〕発泡倍率は15倍以上25倍以下である、〔3〕または〔4〕に記載のポリオレフィン系樹脂発泡粒子。
〔6〕〔3〕~〔5〕の何れか1つに記載のポリオレフィン系樹脂発泡粒子を型内発泡成形してなる、ポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体。
〔7〕ポリオレフィン系樹脂粒子の製造方法であり、下記式(2)で求められるL45/D45収縮率が70%以下となるように調整する工程を含み、上記ポリオレフィン系樹脂粒子は、一粒当たりの重量が0.5mg/粒以上5.0mg/粒以下である、ポリオレフィン系樹脂粒子の製造方法:
45/D45収縮率=100×(1-(ポリオレフィン系樹脂発泡粒子の平均L/D比)/(上記ポリオレフィン系樹脂粒子の平均L/D比))・・・式(2);
ここで、上記ポリオレフィン系樹脂発泡粒子は、上記ポリオレフィン系樹脂粒子を発泡してなり、発泡倍率が15倍以上である。
〔8〕容器内にてポリオレフィン系樹脂粒子、分散媒および発泡剤を混合し、分散液を調製する調製工程と、上記分散液を容器内圧よりも低い圧力域に放出し、発泡倍率が15倍以上であるポリオレフィン系樹脂発泡粒子を得る放出工程とを有し、下記式(3)で求められるL67/D67収縮率が70%以下である、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子の製造方法:
67/D67収縮率=100×(1-(上記ポリオレフィン系樹脂発泡粒子の平均L/D比)/(上記ポリオレフィン系樹脂粒子の平均L/D比))・・・式(3)。
本発明の一実施形態によれば、寸法安定性に優れた成形体を提供できる発泡粒子を提供し得る、ポリオレフィン系樹脂粒子を提供できる、という効果を奏する。
(a)は、本発明の一実施形態に係る円柱状のポリオレフィン系樹脂粒子を一方向から見た図であり、(b)は、本発明の一実施形態に係る略球状のポリオレフィン系樹脂粒子を一方向から見た図であり、(c)は、(b)のA-A’線矢視断面図である。 (a)は、本発明の一実施形態に係る円柱状のポリオレフィン系樹脂発泡粒子を一方向から見た図であり、(b)は、(a)のA-A’線矢視断面図であり、(c)は、本発明の一実施形態に係る略球状のポリオレフィン系樹脂発泡粒子を一方向から見た図であり、(d)は、(c)のB-B’線矢視断面図である。 本発明の一実施形態に係るポリオレフィン系樹脂発泡粒子に対して、10℃/分の昇温速度にて40℃から220℃まで昇温する示差走査熱量測定(Differential Scanning Calorimetry;DSC)を行うことにより得られるDSC曲線の一例である。横軸は温度、縦軸は熱量を表す。
本発明の一実施形態について以下に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、以下に説明する各構成に限定されるものではなく、請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能である。また、異なる実施形態または実施例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態または実施例についても、本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。なお、本明細書中に記載された学術文献および特許文献の全てが、本明細書中において参考文献として援用される。
また、本明細書において特記しない限り、数値範囲を表す「A~B」は、「A以上(Aを含みかつAより大きい)B以下(Bを含みかつBより小さい)」を意図する。
また、本明細書において特記しない限り、構成単位として、X単量体に由来する構成単位と、X単量体に由来する構成単位と、・・・およびX単量体(nは2以上の整数)とを含む共重合体を、X/X/・・・/X共重合体とも称する。X/X/・・・/X共重合体としては、明示されている場合を除き、重合様式は特に限定されず、ランダム共重合体であってもよく、ブロック共重合体であってもよく、グラフト共重合体であってもよい。また、本明細書において特記しない限り、構成単位として、X単量体に由来する構成単位と、X単量体に由来する構成単位と、・・・およびX単量体(nは2以上の整数)とを含むエラストマーを、X/X/・・・/Xゴムとも称する。
〔1.本発明の一実施形態の技術的思想〕
特許文献1~4には、脂肪酸アミド化合物、石油樹脂およびテルペン系樹脂などの添加剤、または特殊なポリオレフィン系樹脂(ポリプロピレン系樹脂もしくはポリエチレン系樹脂など)を含む樹脂粒子を使用することにより、寸法安定性に優れた成形体を提供できる発泡粒子を提供する技術が開示されている。このように、寸法安定性に優れた成形体を提供し得る発泡粒子の提供を目的とした、従来の当業者の着眼点は、特定の添加剤および特定の樹脂の使用という、樹脂粒子の組成(成分)の改良であった。
本発明者は、従来の当業者の着眼点とは異なる観点に基づき、上記課題を達成することを目的とした。すなわち、本発明の一実施形態に係る目的は、ポリオレフィン系樹脂の樹脂組成として特別のものを使用せずに、寸法安定性に優れた成形体を提供できる発泡粒子を提供し得る、新規のポリオレフィン系樹脂粒子を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、物理的性質であるL/D収縮率が特定の範囲内である樹脂粒子とすることにより、寸法安定性に優れた成形体を提供できることを見出し、本発明を完成するに至った。
〔2.ポリオレフィン系樹脂粒子〕
本発明の一実施形態に係るポリオレフィン系樹脂粒子は、基材樹脂としてポリオレフィン系樹脂を含み、一粒当たりの重量が0.5mg/粒以上5.0mg/粒以下であり、上記式(1)で求められるL12/D12収縮率が70%以下である。本明細書において、「本発明の一実施形態に係るポリオレフィン系樹脂粒子」を、「本樹脂粒子」とも称する。
本樹脂粒子は、上記構成を有するため、ポリオレフィン系樹脂の樹脂組成として特別のものを使用せずに、寸法安定性に優れた成形体を提供できる発泡粒子を提供できる。本明細書において、寸法安定性とは、金型から離型5秒後の成形体収縮率と乾燥後の成形体収縮率との差である収縮率変化量によって評価される性質である。収縮率変化量の算出方法については、実施例にて詳述する。また、本樹脂粒子は、上記構成を有するため、当該樹脂粒子を発泡してなる発泡粒子を用いて得られる成形体の乾燥時間を短縮することができる。すなわち、本樹脂粒子は、生産性に優れた成形体を提供できる発泡粒子を提供できる。なお、本発明の一実施形態では、特別の構成を有するポリオレフィン系樹脂を含め、様々なポリオレフィン系樹脂を使用できる。
(2-1.ポリオレフィン系樹脂)
本樹脂粒子において、「基材樹脂」とは、樹脂粒子に含まれる樹脂100重量%中、50重量%以上を占める樹脂を意図する。本明細書において、「樹脂粒子に含まれる樹脂」とは、樹脂粒子に含まれるポリオレフィン系樹脂、並びに、樹脂粒子に含まれ得るポリオレフィン系樹脂以外の熱可塑性樹脂およびエラストマー、を意図する。本樹脂粒子は、当該樹脂粒子に含まれる樹脂100重量%中、ポリオレフィン系樹脂を50重量%以上含み、好ましくは60重量%以上含み、より好ましくは70重量%以上含み、さらに好ましくは80重量%以上含み、特に好ましくは90重量%以上含む。
ポリオレフィン系樹脂としては、オレフィンを単量体として合成される高分子化合物であれば特に限定されないが、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等が挙げられる。これらポリオレフィン系樹脂は、1種類のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
ポリエチレン系樹脂としては、構成単位としてエチレン単量体に由来する構成単位を、全構成単位100重量%中、50重量%以上含有する樹脂が好ましい。ポリエチレン系樹脂としては、例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、スチレン改質ポリエチレン系樹脂、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/1-ブテン共重合体、エチレン/1-ブテン/プロピレン共重合体、エチレン/ヘキセン共重合体、エチレン/4-メチル-1-ペンテン共重合体等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて使用しても良い。
ポリプロピレン系樹脂としては、例えば、ポリプロピレン単独重合体、エチレン/プロピレンランダム共重合体、1-ブテン/プロピレンランダム共重合体、エチレン/1-ブテン/プロピレンランダム共重合体、エチレン/プロピレンブロック共重合体、1-ブテン/プロピレンブロック共重合体、プロピレン/塩素化ビニル共重合体、プロピレン/無水マレイン酸共重合体等が挙げられる。これらは1種のみを使用しても良いし、2種以上を組み合わせて使用しても良い。
エチレン/プロピレン共重合体など、共重合体が、構成単位として、エチレン単量体に由来する構成単位(エチレン単位とも称する。)とプロピレン単量体に由来する構成単位(プロピレン単位とも称する。)とを含む場合について説明する。この場合、プロピレン単位よりもエチレン単位を多く含む共重合体はポリエチレン系樹脂と称され、エチレン単位よりもプロピレン単位を多く含む共重合体はポリプロピレン系樹脂と称される。
本ポリオレフィン系樹脂は、本発明の効果を阻害しない範囲において、ポリオレフィン系樹脂以外の熱可塑性樹脂成分および/またはエラストマー成分を含有させることができる。ポリオレフィン系樹脂以外の熱可塑性樹脂としては、例えば、酢酸ビニル系樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、スチレン系樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。これら熱可塑性樹脂は1種のみを使用しても良いし、2種以上を組み合わせて使用しても良い。ポリオレフィン系樹脂以外のエラストマーとしては、エチレン/プロピレンゴム、エチレン/プロピレン/ブタジエンゴム等が挙げられる。これらエラストマーは1種のみを使用しても良いし、2種以上を組み合わせて使用しても良い。
(2-2.樹脂粒子添加剤)
本樹脂粒子は、ポリオレフィン系樹脂以外に、必要に応じて各種添加剤を含んでいてもよい。
本明細書において、ポリオレフィン系樹脂粒子に含まれる添加剤、換言すればポリオレフィン系樹脂粒子に練り込まれる添加剤、を「樹脂粒子添加剤」とも称する。上記「樹脂粒子添加剤」は、樹脂粒子における、樹脂(ポリオレフィン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂以外の熱可塑性樹脂およびエラストマー)以外の成分ともいえる。
本樹脂粒子に含まれ得る樹脂粒子添加剤としては、例えば、親水性化合物、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、難燃剤、帯電防止剤、金属不活性剤、カーボンブラック、顔料、染料、核剤、気泡調整剤等を挙げることができる。
これら樹脂粒子添加剤の量は、全ての樹脂粒子添加剤の合計量で、樹脂粒子に含まれる樹脂100重量部あたり25重量部以下が好ましく、10重量部以下がより好ましく、5重量部以下がさらに好ましい。樹脂粒子添加剤の合計量が、樹脂粒子に含まれる樹脂100重量部あたり25重量部以下である場合、(a)得られる樹脂粒子を用いる発泡粒子の製造工程において、分散液中のポリオレフィン系樹脂粒子の分散性が悪化する虞がなく、(b)得られる発泡粒子の平均気泡径が細かくなりすぎることがなく、(c)当該発泡粒子は成形工程において良好な成形体を提供でき、かつ(d)得られる成形体は機械的強度が低下しない、という利点を有する。
本樹脂粒子は、優れた寸法安定性を有する成形体を得るために、特許文献1~4に記載されているような、脂肪酸アミド化合物、石油樹脂およびテルペン系樹脂などの樹脂粒子添加剤、並びに、特殊なポリオレフィン系樹脂をさらに含んでいてもよい。本樹脂粒子が、これら脂肪酸アミド化合物、石油樹脂およびテルペン系樹脂などの樹脂粒子添加剤、並びに、特殊なポリオレフィン系樹脂をさらに含む場合、当該樹脂粒子は、寸法安定性により優れた成形体を提供し得る発泡粒子を提供できる。
(2-3.一粒あたりの重量)
本樹脂粒子の一粒あたりの重量(粒重量とも称する。)は、0.5mg/粒以上5.0mg/粒以下が好ましく、0.8mg/粒以上4.0mg/粒以下がより好ましい。ポリオレフィン系樹脂粒子の一粒あたりの重量が、(a)0.5mg/粒以上である場合、樹脂粒子のハンドリング性およびカッティング性が低下する虞がなく、(b)5mg/粒以下である場合、当該樹脂粒子から得られる発泡粒子を用いる型内発泡成形において、当該発泡粒子の金型への充填性が低下する虞がない。
(2-5.樹脂粒子の形状)
本樹脂粒子の形状としては、特に限定されない。本樹脂粒子の形状としては、円柱状(円筒状とも称する。)、楕円状、略球状、球状、直方体状および立方体状などが挙げられる。円柱状の粒子の断面形状は、特に限定されず、楕円状、略円状および円状などが挙げられる。
(2-4.平均L/D比)
本樹脂粒子の平均L/D比は、1~3であることが好ましく、1以上3未満であることがより好ましく、1.2~2.5であることがさらに好ましく、1.2~2.0であることが特に好ましい。平均L/D比が1以上である場合、金型への充填性に優れる発泡粒子を提供できるという利点を有する。平均L/D比が3以下である場合、(a)樹脂粒子の生産が容易であるため、生産性に優れるという利点、および(b)寸法安定性および生産性に優れる成形体を提供し得る発泡粒子を提供できるという利点を有する。
平均L/D比とは、ランダムに選択されたポリオレフィン系樹脂粒子10粒のL/D比から算出される平均値である。
およびDについて、図1を参照して説明する。図1の(a)は、本発明の一実施形態に係る円柱状のポリオレフィン系樹脂粒子を一方向から見た図であり、(b)は、本発明の一実施形態に係る略球状のポリオレフィン系樹脂粒子を一方向から見た図であり、(c)は、(b)のA-A’線矢視断面図である。なお、図1の(b)におけるA-A’線は、L方向の中央を通過している。
図1の(a)および(b)に示すように、Lは、ポリオレフィン系樹脂粒子の最長部の長さである。図1の(a)に示すように、Lはポリオレフィン系樹脂粒子の長手方向の、最長部の長さであるともいえる。ポリオレフィン系樹脂粒子が、後述するように、押出機等から押出されて製造される場合、Lはポリオレフィン系樹脂粒子の押出方向の、最長部の長さであるともいえる。
図1の(a)および(c)に示すように、Dは、ポリオレフィン系樹脂粒子の最大径部分のL方向と垂直な断面における、最大径Dmaxと最小径Dminとの平均値であり、下記式(4)にて計算される値である:
=(Dmax+Dmin)/2 ・・・・・式(4)。
図1の(a)に示すように、ポリオレフィン系樹脂粒子が円柱状である場合、ポリオレフィン系樹脂粒子の最大径部分は、ポリオレフィン系樹脂粒子の端部であり得る。図1の(c)に示すように、ポリオレフィン系樹脂粒子が略球状である場合、ポリオレフィン系樹脂粒子の最大径部分は、ポリオレフィン系樹脂粒子のL方向の中央であり得る。
図1の(c)に示すように、図1の(b)および(c)に図示している略球状のポリオレフィン系樹脂粒子の、最大径部分のL方向と垂直な断面の形状は円形である。そのため、図1の(b)および(c)に図示している略球状のポリオレフィン系樹脂粒子では、DmaxとDminとは同じ値である。
平均L/D比は、樹脂粒子の製造における樹脂粒子の引取速度および細断速度を適宜変更することにより、調整できる。樹脂粒子の引き取り速度および細断速度については、下記〔3.ポリオレフィン系樹脂粒子の製造方法〕にて詳述する。
本樹脂粒子において、L方向に垂直な断面形状は、円、楕円等の凹部のない閉じた曲線であり得る。
(2-6.L12/D12収縮率)
本樹脂粒子は、上記式(1)で求められるL12/D12収縮率が70%以下であり、60%以下であることが好ましく、55%以下であることがより好ましく、40%以下であることがさらに好ましく、20%以下であることが特に好ましい。上記L12/D12収縮率が70%以下である場合、得られる樹脂粒子は、寸法安定性に優れた成形体を提供し得る発泡粒子を提供できる。
12/D12収縮率の下限としては特に限定されるものではないが、0%以上であることが好ましく、5%以上であることがより好ましく、10%以上であることがさらに好ましく、15%以上であることが特に好ましい。L12/D12収縮率が0%以上である場合、金型への充填性に優れる発泡粒子を提供できるという利点を有する。
平均L/D比を特定するためのポリオレフィン系樹脂発泡粒子について説明する。式(1)において、平均L/D比を特定するためのポリオレフィン系樹脂発泡粒子は、式(1)において平均L/D比を特定しているポリオレフィン系樹脂粒子を発泡してなり、発泡倍率が20倍以上である。平均L/D比を特定しているポリオレフィン系樹脂粒子の発泡方法としては、例えば、容器内にてポリオレフィン系樹脂粒子、分散媒および発泡剤を混合し、分散液を調製する工程と、容器内温度を所望の発泡温度まで昇温し、容器内圧力を所望の発泡圧力まで昇圧する工程と、上記分散液を容器内圧よりも低い圧力域に放出する放出することにより、発泡倍率が15倍以上の発泡粒子を得る工程とを有する方法が挙げられるが、これに限定されない。上記発泡倍率は例えば20倍である。上記分散媒は例えば水であり、上記発泡剤は例えば二酸化炭素である。上記発泡温度は例えば153℃であり、上記発泡圧力は例えば3MPa・Gである。本明細書において、圧力の単位「Pa・G」に付随された「G」は、当該圧力がゲージ圧で表されていることを示している。
平均L/D比とは、上述のようにして得られたポリオレフィン系樹脂発泡粒子から、ランダムに選択されたポリオレフィン系樹脂発泡粒子10粒のL/D比から算出される平均値である。
およびDについて、図2を参照して説明する。図2の(a)は、本発明の一実施形態に係る円柱状のポリオレフィン系樹脂発泡粒子を一方向から見た図であり、(b)は、(a)のA-A’線矢視断面図である。図2の(c)は、本発明の一実施形態に係る略球状のポリオレフィン系樹脂発泡粒子を一方向から見た図であり、(d)は、(c)のB-B’線矢視断面図である。なお、図2の(a)におけるA-A’線、および図2の(c)におけるB-B’線は、それぞれL方向の中央を通過している。
図2の(a)および(c)に示すように、Lは、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子の最長部の長さである。図2の(a)に示すように、Lはポリオレフィン系樹脂発泡粒子の長手方向の、最長部の長さであるともいえる。
図2の(a)および(d)に示すように、Dは、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子の最大径部分のL方向と垂直な断面における、最大径Dmaxと最小径Dminとの平均値であり、下記式(5)にて計算される値である:
=(Dmax+Dmin)/2 ・・・・・式(5)。
図2の(a)に示すように、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子が円柱状である場合、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子の最大径部分は、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子の端部であり得る。図2の(d)に示すように、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子が略球状である場合、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子の最大径部分は、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子のL方向の中央であり得る。
図2の(d)に示すように、図2の(c)および(d)に図示している略球状のポリオレフィン系樹脂発泡粒子の、最大径部分のL方向と垂直な断面の形状は円形である。そのため、図2の(c)および(d)に図示している略球状のポリオレフィン系樹脂発泡粒子では、DmaxとDminとは同じ値である。
12/D12収縮率は、樹脂粒子の製造における、樹脂温度、ダイス1つあたりの面積、吐出量、樹脂線速、ダイスから冷却媒体までの距離、冷却媒体の温度、冷却時間、引取速度、延伸度、緩和時間および平均L/D比などを適宜変更することにより、調整できる。樹脂温度、ダイス1つあたりの面積、吐出量、樹脂線速、ダイスから冷却媒体までの距離、冷却媒体の温度、冷却時間、延伸度および緩和時間については、下記〔3.ポリオレフィン系樹脂粒子の製造方法〕にて詳述する。
(2-5.樹脂粒子の製造方法)
本樹脂粒子を得るための製造方法は、特に限定されない。本樹脂粒子は、後述する〔3.ポリオレフィン系樹脂粒子の製造方法〕に記載のポリオレフィン系樹脂粒子の製造方法によって製造されることが好ましい。
〔3.ポリオレフィン系樹脂粒子の製造方法〕
本発明の一実施形態に係るポリオレフィン系樹脂粒子の製造方法は、ポリオレフィン系樹脂粒子の製造方法であり、上記式(2)で求められるL45/D45収縮率が70%以下となるように調整する工程を含み、上記ポリオレフィン系樹脂粒子は、一粒当たりの重量が0.5mg/粒以上5.0mg/粒以下である。
本明細書において、「本発明の一実施形態に係るポリオレフィン系樹脂粒子の製造方法」を、「本樹脂粒子の製造方法」とも称する。
本樹脂粒子の製造方法は、上記構成を有するため、ポリオレフィン系樹脂の樹脂組成として特別のものを使用せずに、寸法安定性に優れた成形体を提供できる発泡粒子を提供し得る、ポリオレフィン系樹脂粒子を得ることができる。また、本樹脂粒子の製造方法は、上記構成を有するため、ポリオレフィン系樹脂の樹脂組成として特別のものを使用せずに、生産性に優れた成形体を提供できる発泡粒子を提供し得る、ポリオレフィン系樹脂粒子を得ることができる。
本樹脂粒子の製造方法は、上記〔2.ポリオレフィン系樹脂粒子〕の項に記載の本樹脂粒子を製造するために、好適に使用され得る。本樹脂粒子の製造方法におけるポリオレフィン系樹脂粒子の態様は、好ましい態様を含み、上記〔2.ポリオレフィン系樹脂粒子〕の項にて説明したポリオレフィン系樹脂粒子の態様と同じであってもよい。
本樹脂粒子の製造方法は、公知のポリオレフィン系樹脂粒子の製造方法に加えて、さらに上記式(2)で求められるL45/D45収縮率が70%以下となるように調整する工程を含む製造方法であってもよい。本明細書において、「上記式(2)で求められるL45/D45収縮率が70%以下となるように調整する工程」を、「L45/D45収縮率調整工程」とも称する。
本樹脂粒子の製造方法は、例えば、(A1)ポリオレフィン系樹脂、並びに必要に応じて、他の樹脂および樹脂粒子添加剤を含むポリオレフィン系樹脂組成物を調製する工程と、(A2)当該ポリオレフィン系樹脂組成物を所望の形状に成形するする工程と、をさらに有していてもよい。
本樹脂粒子の製造方法は、例えば、(B1)ポリオレフィン系樹脂、並びに必要に応じて、他の樹脂および樹脂粒子添加剤を含むブレンド物を溶融混練して溶融混練物であるポリオレフィン系樹脂組成物を調製する工程と、(B2)溶融混練されたポリオレフィン系樹脂組成物を冷却する工程と、(B3)冷却されたポリオレフィン系樹脂組成物を円柱状、楕円状、球状、立方体状、直方体状、筒状(ストロー状)等のような所望の形状に成形する工程と、をさらに有していてもよい。このように、ブレンド物を溶融混練することにより、より均一なポリオレフィン系樹脂粒子を得ることができる。
上記(B1)において、ブレンド物を溶融混練するための装置(溶融混練装置)としては、押出機、ニーダー、バンバリミキサー、およびロール等が挙げられる。
上記(B2)において、溶融混練されたポリオレフィン系樹脂組成物を冷却するための装置(冷却装置)としては、冷却媒体として水を備える水槽および水路等が挙げられる。上記(B2)において、溶融混練されたポリオレフィン系樹脂組成物の冷却は、ポリオレフィン系樹脂組成物を室温に放置することのみによる、いわゆる自然冷却であってもよい。
本樹脂粒子の製造方法は、例えば、(C1)ポリオレフィン系樹脂、並びに必要に応じて、他の樹脂および樹脂粒子添加剤をブレンドしてブレンド物を調製する工程と、(C2)当該ブレンド物を押出機に投入して溶融混練して溶融混練物であるポリオレフィン系樹脂組成物を調製する工程と、(C3)溶融混練されたポリオレフィン系樹脂組成物を押出機が備えるダイスより押出す工程と、(C4)押出されたポリオレフィン系樹脂組成物を水槽中に通して、冷却することによってポリオレフィン系樹脂組成物を固化させる工程と、(C5)引取機を用いて固化させたポリオレフィン系樹脂組成物を引取る工程と、(C6)カッター等を用いて引取られたポリオレフィン系樹脂組成物を円柱状、楕円状、球状、立方体状、直方体状等のような所望の形状に細断する工程と、を有していてもよい。上記(C3)にて、溶融混練されたポリオレフィン系樹脂組成物を押出機が備えるダイスより直接水槽中に押出し、直後に粒子形状に細断し、冷却し、固化しても良い。
上記(C1)の工程において、他の樹脂および/または樹脂粒子添加剤を使用する場合、ポリオレフィン系樹脂と他の樹脂および/または樹脂粒子添加剤とをブレンドする前に、これら他の樹脂および/または樹脂粒子添加剤を含む混合物(樹脂組成物)を造粒していてもよい。すなわち、予め、(i)他の樹脂および/または樹脂粒子添加剤をブレンドしてブレンド物を調製し、(ii)当該ブレンド物を押出機に投入して溶融混練して樹脂組成物を調製し、(iii)樹脂組成物を押出機が備えるダイスより押出し、(iv)押出された樹脂組成物を冷却した後、または冷却するとともに、細断することで樹脂組成物を所望の粒子形状としてもよい。上記(C2)の工程として、ブレンド物の代わりに、このように造粒された他の樹脂および/または樹脂粒子添加剤の粒子とポリオレフィン系樹脂とを押出機に投入し、これらを溶融混練して溶融混練物であるポリオレフィン系樹脂組成物を調製する工程とすることもできる。上記(C1)の工程において、他の樹脂および/または樹脂粒子添加剤を使用する場合、他の樹脂および/または樹脂粒子添加剤を押出機の途中から添加してもよい。すなわち、上記(C1)および(C2)の工程として、ポリオレフィン系樹脂のみを押出機に投入した後、他の樹脂および/または樹脂粒子添加剤を押出機の途中から供給し、押出機内でそれらを混合し、溶融混練してポリオレフィン系樹脂組成物を調製する工程とし、続く(C3)以降の工程を行うこともできる。
必要に応じて用いられる樹脂粒子添加剤は、マスターバッチ化されてもよい。つまり予め、その他の樹脂に樹脂粒子添加剤を高濃度で含有させたマスターバッチ樹脂が調製されていてもよい。この場合、樹脂粒子添加剤として、当該マスターバッチが添加されうる。マスターバッチ樹脂を調製するときに用いられる樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂が好ましく、相溶性がよいという観点から基材樹脂のポリオレフィン系樹脂と同じ種類のポリオレフィン系樹脂を用いてマスターバッチ化することが最も好ましい。
45/D45収縮率、平均L/D比および平均L/D比の態様は、好ましい態様を含み、上記〔2.ポリオレフィン系樹脂粒子〕の項にて説明した、L12/D12収縮率、平均L/D比および平均L/D比の態様と同じであってもよい。すなわち、L、D、LおよびDは、LをLに、DをDに、LをLに、DをDに、それぞれ置き換えて説明され得る。
45/D45収縮率調整工程としては、樹脂粒子の製造方法における、様々な条件を調整する工程が挙げられる。上記様々な条件としては、例えば、樹脂温度、ダイス1つあたりの面積、吐出量、樹脂線速、ダイスから冷却媒体までの距離、冷却媒体の温度、冷却時間、引取速度、延伸度、緩和時間および平均L/D比などが挙げられる。本樹脂粒子の製造方法は、上記式(2)で求められるL45/D45収縮率が70%以下となるように、樹脂温度、ダイス1つあたりの面積、吐出量、樹脂線速、ダイスから冷却媒体までの距離、冷却媒体の温度、冷却時間、引取速度、延伸度、緩和時間および平均L/D比からなる群から選択される、1つ以上を調整する工程を含む製造方法、ともいえる。これらの諸条件のなかでも、特に、緩和時間を適切に調整することが好ましい。後述するように、緩和時間はダイスから冷却媒体までの距離および引取速度に依存するため、冷却媒体までの距離および引取速度を適切に調製することも好ましい態様である。
樹脂温度とは、ポリオレフィン系樹脂またはポリオレフィン系樹脂を含むポリオレフィン系樹脂組成物を溶融混練するときの温度であり、溶融混練温度および加熱温度とも称される。押出機を用いてポリオレフィン系樹脂粒子を製造する場合には、溶融混練物がダイスから押出される直前の温度ともいえる。
樹脂温度は、特に限定されないが、ポリオレフィン系樹脂の融点を[Tm(℃)]としたとき、Tm+40℃以上Tm+110℃以下であってもよい。なおここでいうポリオレフィン系樹脂の融点とは、示差走査熱量計を用いて行う示差走査熱量測定(Differential Scanning Calorimetry;DSC)の結果得られた値とする。具体的な操作手順は以下の通りである:(1)ポリオレフィン系樹脂4~6mgを10℃/分の昇温速度で40℃から220℃まで昇温して融解させた後;(2)10℃/分の降温速度で220℃から40℃まで降温して結晶化させた後;(3)さらに10℃/分の昇温速度で40℃から220℃まで昇温する。2回目の昇温時(すなわち(3)のとき)に得られるDSC曲線のピーク(融解ピーク)の温度をポリオレフィン系樹脂の融点として求めることができる。
ポリオレフィン系樹脂を含むポリオレフィン系樹脂粒子を用いて製造されたポリオレフィン系樹脂発泡粒子において、当該ポリオレフィン系樹脂粒子の構造は変化するが、ポリオレフィン系樹脂粒子の組成は変化しない。また、ポリオレフィン系樹脂粒子を用いて製造されたポリオレフィン系樹脂発泡粒子を用いて製造されたポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体において、当該ポリオレフィン系樹脂発泡粒子の構造は変化するが、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子の組成は変化しない。したがって、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子またはポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体を解析して得られた融点の値は、それらの原料であるポリオレフィン系樹脂粒子に含まれるポリオレフィン系樹脂の融点の値であるとみなすことができる。
本明細書において、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子またはポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体の融点は、ポリオレフィン系樹脂に代えて、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子またはポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体をそれぞれ使用する以外は、ポリオレフィン系樹脂の融点と同様の方法(DSC)で測定して得られた値とする。
ダイス1つあたりの面積とは、押出機を用いてポリオレフィン系樹脂粒子を製造する場合における、当該押出機が備えるダイスの1つあたりの断面積を意図する。ダイス1つあたりの面積は、ダイスの断面形状、およびダイスの断面径などを変更することで調整され得る。ダイス1つあたりの面積は、特に限定されないが、0.5mm~8mmであってもよい。
吐出量とは、押出機を用いてポリオレフィン系樹脂粒子を製造する場合における、当該押出機から単位時間あたりに押出されるポリオレフィン系樹脂組成物の量を意図する。
樹脂線速とは、押出機を用いてポリオレフィン系樹脂粒子を製造する場合における、当該押出機のダイス1つあたりから単位時間あたりに押出されるポリオレフィン系樹脂組成物の押出方向の長さを意図する。本明細書において、樹脂線速は、下記の式(6)にて求められる値とする:
樹脂線速=吐出量/(ポリオレフィン系樹脂組成物の密度×ダイス総面積)・・・式(6)。
ここで、ダイス総面積とは、押出機に備えられたダイスの面積の和であり、1つあたりのダイスの面積にダイスの個数(総数)を乗じて、求めることができる。
樹脂線速は、特に限定されないが、10m/分~50m/分、20m/分~40m/分であってもよい。上述のように、吐出量およびダイス総面積を変更することにより、樹脂線速を調整できる。
ダイスから冷却媒体までの距離とは、押出機を用いてポリオレフィン系樹脂粒子を製造する場合における、押出機のダイスの断面端部から冷却媒体までの距離を意図する。冷却媒体として水を備える水槽を冷却装置として使用する場合、ダイスから冷却媒体までの距離とは、ダイスの断面端部から、水槽の水面までの距離ともいえる。ダイスから冷却媒体までの距離は、特に限定されないが、10mm~700mm、100mm~500mmであってもよい。
冷却媒体の温度とは、冷却媒体として水を備える水槽を冷却装置として使用する場合、水温ともいえる。冷却媒体の温度は、特に限定されないが、Tm-150℃以上Tm-90℃以下であってもよい。
冷却時間とは、冷却装置が備える冷却媒体中にポリオレフィン系樹脂組成物が存在する時間を意図する。ポリオレフィン系樹脂組成物が、引取および切断のために、冷却装置から気相中に排出される場合、冷却時間は、冷却装置から気相中に排出されたポリオレフィン系樹脂組成物の表面温度に影響を与え得る。冷却装置から気相中に排出されたポリオレフィン系樹脂組成物の表面温度は、特に限定されないが、Tm-60℃以下であってもよい。
引取速度とは、引取機を用いてポリオレフィン系樹脂粒子を製造する場合における、当該引取機の引取の速度を意図する。引取機は、例えば、ダイスから押出されたポリオレフィン系樹脂組成物を引取るために使用され得る。引取速度は、樹脂線速と同じであってもよく、樹脂線速よりも速くてもよい。引取速度が樹脂線速よりも速い場合、ダイスから押出されたポリオレフィン系樹脂組成物は、延伸されるともいえる。すなわち、本樹脂粒子の製造方法において、ポリオレフィン系樹脂組成物は、延伸されてもよい。
延伸度は、本明細書において、下記の式(7)にて求められる値とする:
延伸度=引取速度-樹脂線速 ・・・式(7)。
延伸度は、特に限定されないが、30m/分以下、25m/分以下、20m/分以下、または15m/分以下であってもよい。
緩和時間とは、押出機および引取機を用いてポリオレフィン系樹脂粒子を製造する場合において、ポリオレフィン系樹脂組成物が、押出機のダイスから押出されてから冷却媒体と接触するまでの時間を意図する。本明細書において、緩和時間は、下記の式(8)にて求められる値とする:
緩和時間=ダイスから冷却媒体までの距離/引取速度 ・・・式(8)。
緩和時間は、特に限定されないが、0.01秒~3秒、0.01秒~2秒、0.01秒~1秒または0.01秒~0.5秒であってもよい。
平均L/D比は、引取速度および細断速度を適宜変更することにより調整できる。細断速度とは、引取機などで引取られたポリオレフィン系樹脂組成物を、細断装置により細断するときの細断の速度を意図する。カッターなどの刃を備える細断装置を使用する場合、細断速度は刃の回転速度ともいえる。引取速度が速く、細断速度が遅い場合には、Lの大きな、すなわち長いポリオレフィン系樹脂粒子が得られ、平均L/D比は大きくなる。引取速度が遅く、細断速度が速い場合には、Lの小さな、すなわち短いポリオレフィン系樹脂粒子が得られ、平均L/D比は小さくなる。
本発明の一実施形態に係るポリオレフィン系樹脂粒子の製造方法の好ましい態様としては、例えば、以下のような態様が挙げられる:
ポリオレフィン系樹脂を含むブレンド物を、押出機中にて加熱して溶融し、かつ混練してポリオレフィン系樹脂組成物を調製する調製工程と、
得られたポリオレフィン系樹脂組成物を押出機が備える1つ以上のダイスから押出す押出工程と、
押出されたポリオレフィン系樹脂組成物を、冷却媒体を備える冷却装置を用いて冷却することにより固化する冷却工程と、
引取機を用いて固化されたポリオレフィン系樹脂組成物を気相中に引取る引取工程と、
細断装置を用いて引取られたポリオレフィン系樹脂組成物を細断して、ポリオレフィン系樹脂粒子を得る細断工程と、を含み、
上記調製工程における加熱温度は、ポリオレフィン系樹脂の融点をTmとするとき、Tm+40℃~Tm+110℃であり、
上記押出工程におけるダイス1つあたりの面積は、0.5mm~8mmであり、
上記冷却媒体の温度は、Tm-150℃以上Tm-90℃以下であり、
上記引取工程における、気相中の樹脂組成物の表面温度は、Tm-60℃以下であり、
上記ポリオレフィン系樹脂粒子の平均L/D比は、1~3であり、
下記式(9)から求められる延伸度は、30m/分以下であり;
上記延伸度=引取速度-樹脂線速 ・・・式(9)、
ここで、上記引取速度は、上記引取工程における、上記引取機による上記ポリオレフィン系樹脂組成物の引取速度であり、
上記樹脂線速は、下記式(10)から求められる値であり;
上記樹脂線速=吐出量/(上記ポリオレフィン系樹脂組成物の密度×ダイス総面積)・・・式(10)、
ここで、上記吐出量は、上記押出工程において、上記押出機から単位時間あたりに押出される上記ポリオレフィン系樹脂組成物の量であり、
上記ダイス総面積は、上記押出機に備えられたダイスの面積の和であり、ダイス1つあたりの面積に、上記押出機が備えるダイスの総数を乗じて求められる値であり;
下記式(11)から求められる緩和時間は、0.01秒~3秒であり、;
上記緩和時間=上記ダイスから上記冷却媒体までの距離/上記引取速度 ・・・式(11)。
〔4.ポリオレフィン系樹脂発泡粒子〕
本発明の一実施形態に係るポリオレフィン系樹脂発泡粒子は、上記〔2.ポリオレフィン系樹脂粒子〕の項に記載のポリオレフィン系樹脂粒子を発泡してなる発泡粒子であることが好ましい。本明細書において、「本発明の一実施形態に係るポリオレフィン系樹脂発泡粒子」を、「本発泡粒子」とも称する。
本発泡粒子は、上記構成を有すため、寸法安定性に優れた成形体を提供できる。また、本発泡粒子は、上記構成を有すため、生産性に優れた成形体を提供できる。
本発泡粒子は、上記〔3.ポリオレフィン系樹脂粒子の製造方法〕の項に記載の本樹脂粒子の製造方法によって製造された樹脂粒子を発泡してなる発泡粒子であることが好ましい。
(4-1.平均L/D比)
本発泡粒子の平均L/D比は、0.8以上1.5未満であることが好ましく、0.8~1.2であることがより好ましく、0.9~1.2であることがさらに好ましく、0.9~1.1であることがよりさらに好ましく、1.0であることが特に好ましい。上記平均L/D比が1に近いほど、発泡粒子を金型に充填するときの充填性が良好となる。
本発泡粒子における、L、Dおよび平均L/D比の説明は、それぞれ、上記(2-6.L12/D12収縮率)の項に記載したL、Dおよび平均L/D比の説明を適宜援用できる。
(4-2.平均d/D比)
本発泡粒子の平均d/D比は、0.8~1.2であることが好ましく、0.9~1.1であることがより好ましく、0.95~1.05であることがさらに好ましく、1であることが特に好ましい。平均d/D比が1に近いほど、発泡粒子の凹凸が少なくなるため、発泡粒子を金型に充填するときの充填性が良好となる。
平均d/D比とは、ランダムに選択されたポリオレフィン系樹脂発泡粒子10粒のd/D比から算出される平均値である。
について、図2を参照して説明する。図2の(b)および(d)に示すように、dは、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子のL方向中央のL方向と垂直な断面における、最大径dmaxと最小径dminとの平均値であり、下記式(12)にて計算される値である:
=(dmax+dmin)/2 ・・・・・式(12)。
図2の(d)に示すように、ポリオレフィン系樹脂粒子が略球状である場合、ポリオレフィン系樹脂粒子のL方向中央は、当該ポリオレフィン系樹脂粒子の最大径部分でもあり得るため、dとDとは等しい値となり得る。また、上述したように、DmaxおよびDminは同じ値である。そのため、図2の(d)に示すように、ポリオレフィン系樹脂粒子が略球状であり、かつ最大径部分のL方向と垂直な断面の形状が円形である場合、Dmax、Dmin、dmaxおよびdminは全て同じ値となる。
平均d/D比は、発泡粒子の製造における発泡剤添加後から分散液を放出するまでの時間を適宜変更することにより、調整できる。発泡粒子の製造方法については、後に詳述する。
(4-3.発泡倍率)
本発泡粒子の発泡倍率は、15倍以上25倍以下であることが好ましく、17倍以上22倍以下であることがより好ましく、18倍以上21倍以下であることがさらに好ましく、19倍以上20倍以下であることが特に好ましい。本発泡粒子の発泡倍率が、(a)15倍以上である場合、当該発泡粒子を使用して軽量な成形体を提供でき、(b)25倍以下である場合、強度を有した成形体を提供できる。
(4-4.発泡粒子の表面の付着成分)
本発泡粒子の製造において、分散剤および/または分散助剤等が使用される場合、当該分散剤および/または分散助剤が表面に付着している発泡粒子が得られ得る。発泡粒子の表面に付着している物質を、発泡粒子表面の付着成分とも称する。発泡粒子の付着成分の種類および量としては、特に限定されるものではない。発泡粒子の製造において使用された物質に依存して、様々な物質が付着成分となり得る。本発泡粒子は、例えば、発泡粒子の製造において使用された分散剤が表面に付着している発泡粒子であってもよい。
(4-5.DSC曲線)
ポリオレフィン系樹脂発泡粒子に対してDSCを行うことにより、DSC曲線を得ることができる。具体的には、示差走査熱量計を用いて、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子5~6mgを10℃/分の昇温速度にて40℃から220℃まで昇温することにより、DSC曲線を得ることができる。
図3は、本発明の一実施形態に係るポリオレフィン系樹脂発泡粒子に対し、10℃/分の昇温速度にて40℃から220℃まで昇温するDSCを行うことにより得られるDSC曲線の一例である。図3において、横軸は温度、縦軸は熱量を表す。なお、縦軸は、上に向かうと発熱を示し、下に向かうと吸熱を示す。図3に示されるDSC曲線は、1回目昇温時のDSC曲線ともいえる。図3にて示されるDSC曲線には、2つのピークが存在する。これら2つのピークは融解ピークであり、吸熱ピークである。
本発明の一実施形態に係るポリオレフィン系樹脂発泡粒子は、当該ポリオレフィン系樹脂発泡粒子に対してDSCを行う結果得られるDSC曲線において、図3に示すように、2つの融解ピークを有することが好ましい。このような2つの融解ピークを有するポリオレフィン系樹脂発泡粒子は公知の方法で製造できる。
図3をさらに詳しく説明する。図3において、2つの融解ピークが存在する。低温側のピークを低温側融解ピークと称し、当該ピークのピーク温度を低温側ピーク温度と称する。高温側のピークを高温側融解ピークと称し、当該ピークのピーク温度を高温側ピーク温度と称する。図3に示される、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子の1回目昇温時のDSC曲線における各点について説明する。点Aは、温度100℃での吸熱量を表す。点Bは、高温側融解が終了する温度での吸熱量を表す。点Bは、高温側融解ピークから高温側に向かう線と高温側のベースライン(融解終了ベースラインでもある)との交点、ともいえる。点Cは、低温側融解ピークと高温側融解ピークとの2つの融解ピークの間の吸熱量が最も小さくなる点を表す。点Dは、点CからY軸に平行な直線を線分ABへ向けて引いたとき、当該直線と線分ABとが交わる点を表す。低温側融解ピークと線分ADと線分CDとで囲まれる範囲に基づく熱量を、低温側融解熱量(Ql)と称する。高温側融解ピークと線分BDと線分CDとで囲まれる範囲に基づく熱量を、高温側融解熱量(Qh)と称する。低温側融解熱量(Ql)と高温側融解熱量(Qh)との和は、融解ピーク全体の熱量である。
(4-6.DSC比)
高温側融解熱量(Qh)の融解ピーク全体の熱量に対する比率を、DSC比または高温熱量比率と称する。DSC比は、下記式(13)で表される。
DSC比(%)=(Qh/(Ql+Qh))×100 ・・・式(13)。
本発明の一実施形態に係るポリオレフィン系樹脂発泡粒子は、DSC比が、10%以上50%以下であることが好ましく、15%以上45%以下であることがより好ましい。DSC比が当該範囲内にある場合、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子を用いる型内発泡成形において、幅広い成形加工条件を選択できるという利点を有する。なお、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子を用いて製造された成形体において、当該ポリオレフィン系樹脂発泡粒子の構造は変化するが、その組成は変化しない。従って、ポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体のDSC比の値は、当該成形体の原料であるポリオレフィン系樹脂発泡粒子のDSC比と同じであるとみなすことができる。ポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体のDSC比は、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子と同様のDSCによって得られるDSC曲線(具体的には、1回目昇温時のDSC曲線)から求めることができる。
(4-7.充填率)
本発泡粒子は、発泡粒子を任意の容器に充填するときに、発泡粒子間の空隙が小さいことが好ましい。換言すれば、本発泡粒子は、充填率が大きいことが好ましい。充填率が大きい場合、発泡粒子を用いて製造される成形体は、成形後の乾燥時間が短くなるという利点を有する。すなわち、発泡粒子の充填率が大きいほど、生産性に優れる成形体を提供できるといえる。発泡粒子の充填率は、特に限定されないが、40%以上が好ましく、45%以上がより好ましく、50%以上がさらに好ましく、60%以上が特に好ましい。充填率の算出方法は、実施例にて詳述する。
(4-8.発泡粒子の製造方法)
本発泡粒子を得るための製造方法は、特に限定されない。本発泡粒子は、後述する〔5.ポリオレフィン系樹脂発泡粒子の製造方法〕に記載のポリオレフィン系樹脂発泡粒子の製造方法によって製造されることが好ましい。
〔5.ポリオレフィン系樹脂発泡粒子の製造方法〕
本発明の一実施形態に係るポリオレフィン系樹脂発泡粒子の製造方法は、容器内にてポリオレフィン系樹脂粒子、分散媒および発泡剤を混合し、分散液を調製する調製工程と、上記分散液を容器内圧よりも低い圧力域に放出し、発泡倍率が15倍以上であるポリオレフィン系樹脂発泡粒子を得る放出工程とを有し、上記式(3)で求められるL67/D67収縮率が70%以下である。本明細書において、「本発明の一実施形態に係るポリオレフィン系樹脂発泡粒子の製造方法」を、「本発泡粒子の製造方法」とも称する。
本発泡粒子の製造方法は、上記構成を有するため、ポリオレフィン系樹脂の樹脂組成として特別のものを使用せずに、寸法安定性に優れた成形体を提供できる、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子を得ることができる。また、本発泡粒子の製造方法は、上記構成を有するため、ポリオレフィン系樹脂の樹脂組成として特別のものを使用せずに、生産性に優れた成形体を提供できる、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子を得ることができる。
本発泡粒子の製造方法は、上記〔4.ポリオレフィン系樹脂発泡粒子〕の項に記載の本発泡粒子を製造するために、好適に使用され得る。本樹脂粒子の製造方法におけるポリオレフィン系樹脂粒子の態様は、好ましい態様を含み、上記〔2.ポリオレフィン系樹脂粒子〕の項に記載のポリオレフィン系樹脂粒子の態様と同じであってもよい。本樹脂粒子の製造方法におけるポリオレフィン系樹脂発泡粒子の態様は、好ましい態様を含み、上記〔4.ポリオレフィン系樹脂発泡粒子〕の項に記載のポリオレフィン系樹脂発泡粒子の態様と同じであってもよい。
(5-1.L67/D67収縮率)
本発泡粒子の製造方法における、L67/D67収縮率、平均L/D比および平均L/D比の態様は、好ましい態様を含み、上述したL12/D12収縮率の態様と同じであってもよい。すなわち、L、D、LおよびDは、LをLに、DをDに、LをLに、DをDに、それぞれ置き換えて説明され得る。
(5-2.容器)
容器は特に限定されない。容器は、発泡粒子製造時における発泡温度および発泡圧力に耐えられるものであることが好ましく、耐圧容器であることがより好ましい。容器としては、例えば、オートクレーブ型の耐圧容器があげられる。発泡温度および発泡圧力については、後に詳述する。
(5-3.分散媒)
分散媒は特に限定されない。分散媒は、水系分散媒であることが好ましく、分散媒として水のみを用いることが好ましい。本発泡粒子の製造方法では、分散媒として、メタノール、エタノール、エチレングリコール、グリセリン等を水に添加した分散媒も使用できる。
分散媒の使用量は、ポリオレフィン系樹脂粒子100重量部に対して、100重量部以上が好ましく、130重量部以上がより好ましい。分散媒の使用量が、ポリオレフィン系樹脂粒子100重量部に対して、100重量部以上である場合、分散媒の使用量が増えるほど、分散液中でのポリオレフィン系樹脂粒子の分散性は良好となる。
本発泡粒子の製造方法において、ポリオレフィン系樹脂粒子に親水性化合物を含有させ、かつ分散媒が水を含む場合、分散媒中の水を発泡剤として作用させることができる。その結果、得られる発泡粒子の発泡倍率を向上させることができる。
(5-4.発泡剤)
発泡剤としては、脂肪族炭化水素、ハロゲン化炭化水素および無機系ガス等が挙げられる。脂肪族炭化水素としては、プロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン、イソペンタン等が挙げられる。ハロゲン化炭化水素としては、モノクロルメタン、ジクロロメタン、ジクロロジフルオロエタン等が挙げられる。無機系ガスとしては、空気、窒素、二酸化炭素等が挙げられる。例えば分散媒中に含まれる水を発泡剤として用いることも可能である。これら発泡剤は、1種類のみを用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。本発泡粒子の製造方法では、環境へ悪影響を与えることが無いことから、発泡剤としては無機系ガスおよび/または水が好ましい。発泡剤は、空気および/または炭酸ガスであることが好ましく、炭酸ガスであることがさらに好ましい。
発泡剤の使用量は、使用するポリオレフィン系樹脂の種類、発泡剤の種類、目的とする発泡倍率等により異なり、一概には規定できない。発泡剤の使用量は、例えば、ポリオレフィン系樹脂粒子100重量部に対して、2重量部以上60重量部以下が好ましい。
(5-5.分散剤)
本発泡粒子の製造方法では、分散剤を使用してもよい。本発泡粒子の製造方法の調製工程において分散剤を使用する場合、(a)分散液中におけるポリオレフィン樹脂粒子同士の合着を防止でき、および/または、(b)分散液放出後の、ポリオレフィン樹脂粒子同士の合着を防止できる。
分散剤としては、第三リン酸カルシウム、第三リン酸マグネシウム、ピロリン酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、ケイ酸塩等の無機系分散剤が挙げられるが、特にこれらに限定されない。ケイ酸塩としては、カオリン、タルク、クレー等の粘土鉱物が挙げられる。これら分散剤は、1種のみを使用しても良いし、2種以上を組み合わせて使用しても良い。
分散剤の使用量は、特に限定されず、分散剤の種類に依存して適宜変更され得る。分散剤の使用量は、例えば、ポリオレフィン系樹脂粒子100重量部に対して、0.01重量部以上3.00重量部以下が好ましい。分散剤の使用量が、ポリオレフィン系樹脂粒子100重量部に対して、(a)0.01重量部以上である場合、分散剤の使用量が増加するほど、発泡粒子の製造において、ポリオレフィン系樹脂粒子同士が合着する虞が少なくなり、(b)3.00重量部以下である場合、分散剤の使用量が減少するほど、得られる発泡粒子の表面に残存する分散剤の量は少なくなり、その結果、得られる発泡粒子を用いて製造された成形体の融着性は良好となる傾向にある。
(5-6.分散助剤)
本発泡粒子の製造方法では、分散助剤を使用してもよい。本発泡粒子の製造方法の調製工程において分散助剤を使用する場合、(a)分散液中におけるポリオレフィン樹脂粒子同士の合着を防止でき、および/または、(b)分散液放出後の、ポリオレフィン樹脂粒子同士の合着を防止できる。
分散助剤は、分散剤と共に使用されることが好ましい。本発泡粒子の製造方法の調製工程において分散剤および分散助剤を使用する場合、(a)分散液中におけるポリオレフィン樹脂粒子同士の合着をより防止でき、および/または、(b)分散液放出後の、ポリオレフィン樹脂粒子同士の合着をより防止できる。
分散助剤としては、陰イオン界面活性剤が挙げられるが、特にこれらに限定されない。陰イオン界面活性剤としては、(a)カルボン酸塩型、(b)アルキルスルホン酸塩、n-パラフィンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、スルホコハク酸塩等のスルホン酸塩型、(c)硫酸化油、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩等の硫酸エステル型、(c)アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンリン酸塩、およびアルキルアリルエーテル硫酸塩等のリン酸エステル型の界面活性剤を挙げることができる。これら分散助剤は、1種のみを用いても良く、2種以上を組み合わせて使用しても良い。
分散助剤の使用量は、特に限定されず、分散助剤の種類に依存して適宜変更され得る。分散助剤の使用量は、例えば、ポリオレフィン系樹脂粒子100重量部に対して、0.001重量部以上0.100重量部以下が好ましく、0.001重量部以上0.050重量部以下が好ましく、0.002重量部以上0.040重量部以下がより好ましい。分散助剤の使用量が、ポリオレフィン系樹脂粒子100重量部に対して、(a)0.001重量部以上である場合、分散助剤の使用量が増加するほど、発泡粒子の製造において、ポリオレフィン系樹脂粒子同士が合着する虞が少なくなり、(b)0.100重量部以下である場合、分散助剤の使用量が減少するほど、得られる発泡粒子の表面に残存する分散剤の量は少なくなり、その結果、得られる発泡粒子を用いて製造された成形体の融着性は良好となる。
(5-7.調製工程)
調製工程は、容器内にポリオレフィン系樹脂粒子、分散媒および発泡剤、並びに任意で分散剤および分散助剤等を添加し、これらを混合することにより、実施され得る。容器内に、ポリオレフィン系樹脂粒子、分散媒および発泡剤、並びに任意で分散剤および分散助剤等を添加する順序は特に限定されない。混合の様式としては特に限定されないが、例えば容器に備えられた攪拌翼等を使用して攪拌する方法が挙げられる。
(5-8.放出工程)
放出工程としては、例えば、予め容器内圧を大気圧より高い圧力まで高めておき、大気圧下に分散液を放出して、発泡倍率が15倍以上であるポリオレフィン系樹脂発泡粒子を得ることにより、実施されてもよい。容器内圧よりも低い圧力としては大気圧であることが好ましい。
(5-9.加熱工程および加圧工程)
分散液を容器内圧よりも低い圧力域に放出するときの、容器内の温度および圧力を、それぞれ、発泡温度および発泡圧力とも称する。本発泡粒子の製造方法は、さらに、容器内の温度を発泡温度まで昇温(加熱)する加熱工程、および/または、容器内の圧力を発泡圧力まで昇圧(加圧)する加圧工程を有していてもよい。
(5-10.発泡温度)
発泡温度は、用いるポリオレフィン系樹脂の種類、ポリオレフィン系樹脂に練り込む(使用する)樹脂粒子添加剤の種類および/または量、並びに発泡剤の種類および/または量等により異なり、一概には規定できない。発泡温度は、ポリオレフィン系樹脂粒子の融点を[Tm(℃)]としたとき、Tm-30(℃)以上Tm+10(℃)以下が好ましい。
本明細書において、ポリオレフィン系樹脂粒子の融点Tmは、ポリオレフィン系樹脂に代えて、ポリオレフィン系樹脂粒子を使用する以外は、ポリオレフィン系樹脂の融点Tmと同様の方法(DSC)で測定して得られた値とする。
本発明の一実施形態において、ポリオレフィン系樹脂粒子の融点Tmは、ポリオレフィン系樹脂粒子の製造に用いるポリオレフィン系樹脂の融点Tmと同じであり得る。
(5-11.発泡圧力)
発泡圧力は、所望するポリオレフィン系樹脂発泡粒子の発泡倍率により異なり、一概に規定できない。発泡圧力は、0.50MPa・G以上6.0MPa・G以下が好ましく、1.0MPa・G以上4.5MPa・G以下がより好ましい。発泡圧力が、(a)0.50MPa・G以上である場合、発泡倍率が非常に低くなってしまう虞がなく、(b)6.0MPa・G以下である場合、得られる発泡粒子の平均気泡径が微細化する虞がなく、成形性が悪化する虞がない。
ポリオレフィン系樹脂粒子を含んだ分散液を容器内から、容器内圧よりも低い圧力域に放出するとき、放出量(流量)の調整、得られる発泡粒子の倍率バラツキを低減させる等の目的で、分散液を2~10mmφの開口オリフィスに通して放出することもできる。「容器内圧よりも低い圧力域」を、低圧雰囲気ともいう。本発泡粒子の製造方法では、発泡倍率を高める目的で、容器内の分散液を低圧雰囲気に放出するとき、上記低圧雰囲気の温度を調整しても良い。
容器内で調製された分散液は、攪拌下、発泡温度まで昇温されるとともに、発泡圧力まで加圧され、その後、発泡温度および発泡圧力にて、一定時間保持されてもよい。上記一定時間とは、通常5~180分間であり、好ましくは10~60分間である。発泡温度および発泡圧力にて、一定時間保持された分散液は、その後、容器下部に設けられたバルブを開放して低圧雰囲気下(通常は大気圧下)に放出され、これによりポリオレフィン系樹脂発泡粒子を製造できる。
本発泡粒子の製造方法の好ましい態様としては、例えば以下のような態様が挙げられる:(D1)攪拌翼を備えた容器内に、ポリオレフィン系樹脂粒子、分散媒および発泡剤、並びに任意で分散剤および分散助剤等を添加し、これら原料を混合して分散液を調製する;(D2)攪拌翼を使用して分散液を攪拌することにより、分散液中のポリオレフィン系樹脂粒子を容器内で分散させる;(D3)攪拌後、または攪拌と共に、容器内の温度および圧力を、それぞれ発泡温度(少なくともポリオレフィン系樹脂粒子の軟化点温度以上)および発泡圧力に、昇温および昇圧する;(D4)その後必要に応じて、容器内を発泡温度および発泡圧力で一定時間保持する;(D5)その後、容器の内圧よりも低い圧力域(例えば大気圧下)に容器中の分散液を放出して、ポリオレフィン系樹脂粒子を発泡させることにより、発泡倍率が15倍以上であるポリオレフィン系樹脂発泡粒子を得る。
また、以下のような態様も好ましい態様である。すなわち、(E1)攪拌翼を備えた容器内に、ポリオレフィン系樹脂粒子および分散媒、並びに任意で分散剤および分散助剤等を仕込み、(E2)その後、攪拌翼を使用して得られた混合液を攪拌しながら、(E3)として、以下(E3a)~(E3c)の何れかを行う態様である:
(E3a)必要に応じて容器内を真空引きし、0.3MPa・G以上2.5MPa・G以下で発泡剤を導入し、分散液を調製する。その後、ポリオレフィン系樹脂の軟化温度以上の温度まで容器内の温度を昇温する。昇温することによって、容器内の圧力が約1.0MPa・G以上5.0MPa・G以下まで上昇する。必要に応じて、発泡温度付近にて、さらに発泡剤を追加することで容器内の圧力を所望の発泡圧力に調整し、さらに容器内の温度を所望の発泡温度となるよう温度調整した後、容器内の温度および圧力を、発泡温度および発泡圧力にて一定時間保持し、次いで、容器の内圧よりも低い圧力域に分散液を放出することにより、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子を得る;
(E3b)必要に応じて容器内を真空引きし、ポリオレフィン系樹脂の発泡温度付近まで容器内の温度を昇温しながら、容器内の圧力が所望の発泡圧力になるよう適宜発泡剤を導入し、分散液を調製する。その後、容器内の温度を上記発泡温度付近で一定時間保持し、次いで、容器の内圧よりも低い圧力域に分散液を放出してポリオレフィン系樹脂発泡粒子を得る;または
(E3c)発泡温度付近まで容器内の温度を昇温してから、容器内の圧力が所望の発泡圧力になるよう発泡剤を導入し、分散液を調製する。その後、容器内の温度を発泡温度付近で一定時間保持し、次いで、容器の内圧よりも低い圧力域に分散液を放出してポリオレフィン系樹脂発泡粒子を得る。
なお、分散液を、容器内の圧力よりも低圧域に放出する前に、発泡剤として用いた物質を容器内へ圧入することにより、容器内の内圧を高め、発泡時(放出時)の圧力開放速度を調節(制御)することもできる。また、容器内の圧力よりも低圧域に放出する間にも、発泡剤として用いた物質を容器内に導入して、発泡時(放出時)の圧力を調節(制御)することもできる。これらのように、発泡時(放出時)の圧力を調節することにより、発泡倍率の調整を行うこともできる。
上述したようにポリオレフィン系樹脂粒子からポリオレフィン系樹脂発泡粒子を製造する工程を「一段発泡工程」と呼び、得られたポリオレフィン系樹脂発泡粒子を「一段発泡粒子」と呼ぶ。本発泡粒子の製造方法は、一段発泡工程において、発泡倍率が少なくとも15倍以上である発泡粒子を得るものである。すなわち、本発明の一実施形態において、一段発泡粒子の発泡倍率は、15倍以上である。
発泡倍率の高いポリオレフィン系樹脂発泡粒子を得る為には、一段発泡工程において発泡剤の使用量を多量にするという方法(以下、方法1とする)がある。さらに、方法1以外の方法として、一段発泡工程で比較的低倍率(発泡倍率15倍~35倍程度)のポリオレフィン系樹脂発泡粒子(一段発泡粒子)を得た後、再度発泡させることで発泡倍率を高くする方法(以下、方法2とする)、も採用可能である。本明細書において、発泡倍率とは、発泡前のポリオレフィン系樹脂(a)の密度、並びにポリオレフィン系樹脂発泡粒子の重量およびポリオレフィン系樹脂発泡粒子を水没(またはエタノール中へ沈没)させて得られる体積、から算出できる真倍率である。
上記方法2としては、例えば、次の(i)~(iii)を含む方法があげられる。(i)一段発泡工程において発泡倍率15倍~35倍の一段発泡粒子を製造し、(ii)当該一段発泡粒子を耐圧容器内に入れ、窒素、空気、二酸化炭素等で0.1MPa・G以上0.6MPa・G以下で加圧処理することにより一段発泡粒子内の圧力(以下、「内圧」と称す場合がある)を常圧よりも高くしておいた上で、(iii)一段発泡粒子を水蒸気等で加熱してさらに発泡させる方法である。方法2のように、一段発泡粒子の発泡倍率を高める工程を「二段発泡工程」と呼び、方法2の方法によって得られたポリオレフィン系樹脂発泡粒子を「二段発泡粒子」と呼ぶ。
〔6.ポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体〕
本発明の一実施形態に係るポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体は、上記〔4.ポリオレフィン系樹脂発泡粒子〕の項に記載のポリオレフィン系樹脂発泡粒子を型内発泡成形してなる成形体であることが好ましい。本明細書において、「本発明の一実施形態に係るポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体」を、「本成形体」とも称する。
本成形体は、上記構成を有すため、寸法安定性に優れるという利点を有する。また、本成形体は、上記構成を有するため、生産性に優れるという利点を有する。
本成形体は、上記〔3.ポリオレフィン系樹脂発泡粒子の製造方法〕の項に記載の本発泡粒子の製造方法によって製造された発泡粒子を型内発泡成形してなる成形体であることが好ましい。
(6-1.収縮率変化量)
本成形体の寸法安定性は、収縮率変化量によって評価され得る。収縮率変化量の算出方法は、下記実施例にて詳述する。成形体の収縮率変化量が小さいほど、当該成形体は寸法安定性に優れるといえる。成形体の収縮率変化量は、0.80未満が好ましく、0.60以下がより好ましく、0.40以下がより好ましく、0.40未満がさらに好ましく、0.20以下が特に好ましい。
(6-2.成形体の製造方法)
本成形体の製造方法(型内発泡成形法)としては、例えば、以下の(A)~(C)の方法が挙げられる:
(A)(i)発泡粒子に対して無機ガスを加圧処理して発泡粒子内に無機ガスを含浸させることにより所定の内圧を発泡粒子に付与する、(ii)その後、当該発泡粒子を金型に充填する、(iii)次に、水蒸気を用いて金型および発泡粒子を加熱することにより、発泡粒子同士を加熱融着させる、方法;
(B)(i)発泡粒子をガス圧力で圧縮して金型に充填する、(ii)次に、充填された発泡粒子の回復力を利用するとともに、水蒸気を用いて金型および発泡粒子を加熱することにより、発泡粒子同士を加熱融着させる、方法;
(C)(i)特に前処理することなく発泡粒子を金型に充填する、(ii)次に、水蒸気を用いて金型および発泡粒子を加熱することにより、発泡粒子同士を加熱融着させる、方法。
本成形体の嵩密度に特に制限はない。本成形体の嵩密度は、15g/L以上350g/L以下が好ましく、20g/L以上300g/L以下がより好ましい。
以下、実施例および比較例をあげて、本発明の一実施形態をさらに具体的に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
実施例および比較例において、使用した物質は、以下のとおりである。
<ポリオレフィン系樹脂>
ポリプロピレン系樹脂であるエチレン-プロピレンランダム共重合体(メルトフローレート(MFR)=8g/L)を使用した。
<樹脂粒子添加剤>
ポリエチレングリコール
タルク
<分散剤>
第三リン酸カルシウム[太平化学産業(株)製]
<分散助剤>
アルキルスルホン酸ナトリウム(n-パラフィンスルホン酸ソーダ)[花王(株)製、ラテムルPS]
実施例および比較例における評価は、次の方法により行なった。
<ポリオレフィン系樹脂の融点Tm測定>
ポリオレフィン系樹脂の融点Tmの測定は、示差走査熱量計DSC[METTLER TOLEDO N.V.社製、DSC822e型]を用いて測定した。具体的には以下の通りである:(1)測定するサンプル5~6mgを、を10℃/分の昇温速度で40℃から220℃まで昇温して融解させた後;(2)10℃/分の降温速度で220℃から40℃まで降温して結晶化させた後;(3)さらに10℃/分の昇温速度で40℃から220℃まで昇温する。2回目の昇温時(すなわち(3)のとき)に得られるDSC曲線のピーク(融解ピーク)の温度を、ポリオレフィン系樹脂の融点Tmとした。
<ポリオレフィン系樹脂粒子の融点Tm測定>
ポリオレフィン系樹脂粒子の融点Tmの測定は、示差走査熱量計DSC[METTLER TOLEDO N.V.社製、DSC822e型]を用いて測定した。具体的には、ポリオレフィン系樹脂に代えてポリオレフィン系樹脂粒子を使用する以外は、上述した<ポリオレフィン系樹脂の融点Tm測定>に記載の方法と同様の方法にてDSCを行い、得られるDSC曲線のピーク(融解ピーク)の温度を、ポリオレフィン系樹脂粒子の融点Tmとした。
<DSC比の測定>
DSC比[={Qh/(Ql+Qh)}×100(%)]の測定は、示差走査熱量計[METTLER TOLEDO N.V.社製、DSC822e型]を用いて行なった。具体的には、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子5~6mgを10℃/分の昇温速度で40℃から220℃まで昇温する際に得られる、1回目昇温時のDSC曲線(図3参照)から、当該DSC比を算出した。
図3の詳細は上述した通りである。上述した通り、得られたDSC曲線に基づいて、低温側融解熱量(Ql)と高温側融解熱量(Qh)とを求めた。求められたQlおよびQhと上記式(13)とから、DSC比を算出した。
<ポリオレフィン系樹脂発泡粒子の発泡倍率の測定>
まず、ポリオレフィン系樹脂粒子の密度を以下のように求めた。得られたポリオレフィン系樹脂粒子を3g以上、10g以下の範囲で秤量して、60℃で6時間乾燥した。その後、乾燥後の発泡粒子を23℃、湿度50%の室内で24時間以上静置した。次いで、当該ポリオレフィン系樹脂粒子の重量w(g)を測定した。その後、当該ポリオレフィン系樹脂粒子をメスシリンダー中に入っているエタノール中に沈め、メスシリンダーの液面位置の上昇分に基づきポリオレフィン系樹脂粒子の体積v(cm)を測定した(水没法)。そして、上記重量w(g)および体積v(cm)からポリオレフィン系樹脂粒子の密度ρr(=w/v)を求めた。
次に、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子の密度を以下のように求めた。得られたポリオレフィン系樹脂発泡粒子を3g以上、10g以下の範囲で秤量して、60℃で6時間乾燥した。その後、乾燥後の発泡粒子を23℃、湿度50%の室内で24時間以上静置した。次いで、当該ポリオレフィン系樹脂発泡粒子の重量w(g)を測定した。その後、当該ポリオレフィン系樹脂発泡粒子をメスシリンダー中に入っているエタノール中に沈め、メスシリンダーの液面位置の上昇分に基づきポリオレフィン系樹脂発泡粒子の体積v(cm)を測定した(水没法)。そして、上記重量w(g)および体積v(cm)からポリオレフィン系樹脂発泡粒子の密度ρb(=w/v)を求めた。
ポリオレフィン系樹脂発泡粒子の密度ρbと、発泡前のポリオレフィン系樹脂粒子の密度ρrとの比(ρr/ρb)を発泡倍率(=ρr/ρb)とした。
<充填率の算出>
以下の式に基づき金型への発泡粒子の充填率を求めた。発泡粒子の体積としては、上述した方法で得られるポリオレフィン系樹脂発泡粒子の体積v(cm)を使用した。
充填率(%)=発泡粒子の体積v(cm)/金型の容積(cm)×100
<乾燥時間の計測>
金型から離型後の成形体を、75℃の乾燥器内へ投入した。成形体の水分が蒸発し、成形体の重量変化がなくなった時点を、乾燥終了とした。乾燥器内へ投入した時点から、成形体の重量変化がなくなった時点までの時間を乾燥時間とした。得られた乾燥時間について、以下の基準で評価した。
◎(非常に優れる):乾燥時間が6時間未満である。
○(優れる) :乾燥時間が6時間以上12時間以下である。
×(劣る) :乾燥時間が12時間より長い。
<収縮率変化量の算出>
離型5秒後の成形体および乾燥後の成形体について、成形体の「X面」の最長部の長さを測定し、これを成形体寸法とした。成形体のX面の最長部の長さとは、成形体のX面が有する辺のうち、最も長い辺の長さをいう。
成形体の「X面」について説明する。成形体は、下記の様に金型を用いて型内発泡成形されて得られる。金型は、少なくとも2つの型(例えば凸型および凹型)からなり、少なくとも何れか1つの型は移動型である。移動型の移動により、成形空間が形成される。また、移動型の移動により、得られた成形体を取り出すことができる。ここで、移動型の移動方向を成形体の厚み方向と称する。成形体のX面とは、成形体の厚み方向に垂直な面をいう。
次に、成形体のX面の最長部に対応する、金型の部分の長さを計測し、これを金型寸法とした。次に、下記の式に基づき、離型5秒後の成形体および乾燥後の成形体について、それぞれ、成形体収縮率を算出した:
成形体収縮率(%)=100×(1-成形体寸法/金型寸法)。
次に、下記の式に基づき、収縮率変化量を算出した:
収縮率変化量(%)=離型5秒後の成形体の成形体収縮率(%)-乾燥後の成形体の成形体収縮率(%)
<実用性>
以下の基準で実用性を評価した。
◎(実用性に非常に優れる):収縮率変化量が0.40未満であり、乾燥時間の評価が○または◎である。
○(実用性に優れる) :収縮率変化量が0.40以上0.80未満であり、乾燥時間の評価が○または◎である。
△(実用性は良好である) :収縮率変化量が0.80未満であり、乾燥時間の評価が×である。
×(実用性に劣る) :収縮率変化量が0.80以上である。
以下に実施例および比較例における、ポリオレフィン系樹脂粒子、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子およびポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体の製造方法を説明する。
[ポリオレフィン系樹脂粒子の製造方法]
2軸押出機、冷却装置、引取機および切断装置を使用して、ポリオレフィン系樹脂粒子を製造した。冷却装置としては、冷却媒体が水である水槽を使用した。具体的には、以下の通りである。ポリオレフィン系樹脂100重量部、ポリエチレングリコール0.5重量部およびタルク0.05重量部をドライブレンドした。ドライブレンドして得られた混合物を、2軸押出機を用いて、表1に示す樹脂温度(℃)にて溶融混練し、溶融混練物であるポリオレフィン系樹脂組成物を調製した。その後、溶融混練されたポリオレフィン系樹脂組成物を、2軸押出機が備えるダイスからストランド状に押出した。ここで、2軸押出機に備えられたダイス総数(個)およびダイス径(ダイス1つあたりの直径)は、表1に示す通りとした。また、ポリオレフィン系樹脂組成物の、ダイスからの吐出量(kg/hr)は、表1に示す通りとした。ダイスの断面形状は円形であり、従って、ダイス1つあたりの面積(mm)は、上記ダイス径から求めることができる。
次に、得られたストランド(ポリオレフィン系樹脂組成物)を、水槽に供して水冷し、固化した。ここで、ダイスから冷却媒体までの距離および冷却媒体の温度は、表1に示す通りとした。
次に、引取機を用いて、表1に示す引取速度(m/分)にて、固化されたストランドを水槽から引取った。水槽から引取られたストランドの表面温度、すなわち、冷却装置から気相中に排出されたポリオレフィン系樹脂組成物の表面温度を測定し、結果を表1に示した。
次に、引取られたストランドは、切断装置を用いて、切断し、ポリオレフィン系樹脂粒子を得た。得られたポリオレフィン系樹脂粒子について、1粒当たりの重量、平均L/D比および容器への充填率を測定し、結果を表1に示した。
樹脂線速、延伸度および緩和時間を、上述した式(6)、式(7)および式(8)に基づき算出し、結果を表1に示した。なお、ポリオレフィン系樹脂粒子の密度は、0.7~0.8g/cmであった。
[ポリオレフィン系樹脂発泡粒子の製造方法]
0.3mのオートクレーブに、ポリオレフィン系樹脂粒子を100重量部、分散媒として水200重量部、分散剤として第三リン酸カルシウムおよび分散助剤としてアルキルスルホン酸ナトリウムを仕込み、容器を密閉した。その後、発泡剤として炭酸ガス5重量部を、容器内に仕込み、仕込んだ原料を攪拌して、分散液を調製した。次に、容器内を153℃(発泡温度)まで昇温し、容器内を3.0MPa・G(発泡圧力)まで、昇圧した。その後、20分間、上記発泡温度および発泡圧力にて、容器内の温度および圧力を維持した。次に、オートクレーブの一端を開放して、容器内の分散液をφ3.2mmのオリフィス板を通して、非密閉系(大気圧下)の筒状容器に放出することにより、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子を得た。得られたポリオレフィン系樹脂発泡粒子のDSC比、発泡倍率および平均L/D比を測定し、表1に結果を示した。平均L/D比および平均L/D比から、L12/D12収縮率およびd/Dを算出し、結果を表1に示した。なお、平均L/D比は、平均L/D比ともいえる。また、L12/D12収縮率は、L45/D45収縮率およびL67/D67収縮率ともいえる。
[ポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体の製造方法]
得られたポリオレフィン系樹脂発泡粒子を、pH=1の塩酸水溶液、続いて、水で各30秒間洗浄し、75℃で20時間乾燥した。その後、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子を室温にて1日以上養生した後、後述の方法により、ポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体の製造に使用した。
ポリオレフィン系樹脂発泡粒子を耐圧容器内に投入し、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子に加圧空気を含浸させ、発泡粒子内圧が0.10MPa・Gとなるように調整した。内圧が付与された発泡粒子を、400mm×300mm×50mmの金型内に充填した。ここで、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子の金型への充填率を算出し、その結果を表1に示した。
その後、金型および発泡粒子を0.3MPa・Gの水蒸気にて加熱し、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子同士を融着させ、ポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体を得た。得られたポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体を金型から離型後、75℃にて20時間乾燥させ、さらに23℃にて5時間以上養生した。ここで、ポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体の金型から離型5秒後の収縮率および乾燥後の収縮率を算出し、収縮率変化量を求めた。また、ポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体の乾燥時間を計測した。それらの結果を表1に示した。
Figure 0007382145000001
表1から、実施例1~7である、本発明の一実施形態に係るポリオレフィン系樹脂粒子から得られる発泡粒子は、寸法安定性に優れ、かつ、実用性に非常に優れるか、実用性に優れるか、または実用性が良好である成形体を提供できることが分かる。比較例1および2である、本発明の範囲外のポリオレフィン系樹脂粒子から得られる発泡粒子は、寸法安定性に劣り、かつ、実用性に劣る成形体を提供することが分かる。
本発明の一実施形態は、寸法安定性に優れた成形体を提供できる発泡粒子を提供し得る、ポリオレフィン系樹脂粒子を提供できる。本発明の一実施形態に係るポリオレフィン系樹脂粒子から得られる発泡粒子を用いて型内発泡成形によって得られる成形体は、緩衝包装材、物流資材、断熱材、土木建築部材、自動車部材など様々な用途に好適に用いることが可能である。

Claims (6)

  1. 基材樹脂としてポリオレフィン系樹脂を含み、
    一粒当たりの重量が0.5mg/粒以上5.0mg/粒以下であり、
    下記式(1)で求められるL12/D12収縮率が20%以下であり、
    平均L /D 比は1~3である、
    ポリオレフィン系樹脂粒子:
    12/D12収縮率=100×(1-(ポリオレフィン系樹脂発泡粒子の平均L/D比)/(上記ポリオレフィン系樹脂粒子の平均L/D比))・・・式(1);
    ここで、上記ポリオレフィン系樹脂発泡粒子は、上記ポリオレフィン系樹脂粒子を発泡してなり、発泡倍率が15倍以上25倍以下である。
  2. 請求項1に記載のポリオレフィン系樹脂粒子を発泡してなる、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子。
  3. 上記ポリオレフィン系樹脂発泡粒子の平均L/D比は0.8以上1.5未満である、請求項に記載のポリオレフィン系樹脂発泡粒子。
  4. 発泡倍率は15倍以上25倍以下である、請求項またはに記載のポリオレフィン系樹脂発泡粒子。
  5. 請求項の何れか1項に記載のポリオレフィン系樹脂発泡粒子を型内発泡成形してなる、ポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体。
  6. ポリオレフィン系樹脂粒子の製造方法であり、
    ポリオレフィン系樹脂を含むブレンド物を、押出機中にて加熱して溶融し、かつ混練してポリオレフィン系樹脂組成物を調製する調製工程と、
    得られたポリオレフィン系樹脂組成物を押出機が備える1つ以上のダイスから押出す押出工程と、
    押出されたポリオレフィン系樹脂組成物を、冷却媒体を備える冷却装置を用いて冷却することにより固化する冷却工程と、
    引取機を用いて固化されたポリオレフィン系樹脂組成物を気相中に引取る引取工程と、
    細断装置を用いて引取られたポリオレフィン系樹脂組成物を細断して、ポリオレフィン系樹脂粒子を得る細断工程と、
    下記式(2)で求められるL45/D45収縮率が20%以下となるように調整する 45 /D 45 収縮率調整工程と、を含み、
    前記L 45 /D 45 収縮率調整工程は、
    下記式(9)から求められる延伸度を、30m/分以下に調整する工程、および
    下記式(11)から求められる緩和時間を、0.01秒~3秒に調整する工程、を含み;
    上記延伸度=引取速度-樹脂線速 ・・・式(9)、
    ここで、上記引取速度は、上記引取工程における、上記引取機による上記ポリオレフィン系樹脂組成物の引取速度であり、
    上記樹脂線速は、下記式(10)から求められる値であり、
    上記樹脂線速=吐出量/(上記ポリオレフィン系樹脂組成物の密度×ダイス総面積)・・・式(10)、
    ここで、上記吐出量は、上記押出工程において、上記押出機から単位時間あたりに押出される上記ポリオレフィン系樹脂組成物の量であり、
    上記ダイス総面積は、上記押出機に備えられたダイスの面積の和であり、ダイス1つあたりの面積に、上記押出機が備えるダイスの総数を乗じて求められる値であり、
    上記緩和時間=上記ダイスから上記冷却媒体までの距離/上記引取速度 ・・・式(11);
    上記ポリオレフィン系樹脂粒子は、一粒当たりの重量が0.5mg/粒以上5.0mg/粒以下であり、
    上記押出工程におけるダイス1つあたりの面積は、0.5mm ~8mm であり、
    上記ポリオレフィン系樹脂粒子の平均L /D 比は1~3である、
    ポリオレフィン系樹脂粒子の製造方法:
    45/D45収縮率=100×(1-(ポリオレフィン系樹脂発泡粒子の平均L/D比)/(上記ポリオレフィン系樹脂粒子の平均L/D比))・・・式(2);
    ここで、上記ポリオレフィン系樹脂発泡粒子は、上記ポリオレフィン系樹脂粒子を発泡してなり、発泡倍率が15倍以上25倍以下である。
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