JP3524379B2 - シャント抵抗の組付け構造 - Google Patents

シャント抵抗の組付け構造

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に自動車用の電
子部品ユニットで電流検出用に使用されるシャント抵抗
の組付け構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、図5に示すような、自動車用の電
子部品ユニットに適用されるシャント抵抗の組付け構造
が知られている。この図に示すように、電子部品ユニッ
ト100は、電子部品が搭載されたプリント基板101
と、このプリント基板101に装着された電流検出用の
シャント抵抗102と、シャント抵抗102の装着され
たプリント基板101を覆う蓋ケース103とからなっ
ている。
【0003】上記シャント抵抗102は、所定の抵抗値
を有する通電材料を用いて帯状に形成され、中央部およ
び両側部が折り曲げられてM字状に形成されている。か
かるシャント抵抗102の両端部には幅方向に突出した
各一対の係止爪104が設けられているとともに、係止
爪104より先端側の部分に端子105が形成されてい
る一方、上記プリント基板101には上記各端子105
に対応した一対のスルーホール106が穿設されてい
る。
【0004】そして、各端子105がスルーホール10
6に差し込まれた状態で半田付けされることによってシ
ャント抵抗102がプリント基板101に装着された状
態になる。このシャント抵抗102の装着後に蓋ケース
103がプリント基板101に被せられて電子部品ユニ
ット100が完成する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の上記
のようなシャント抵抗102の組付け構造においては、
シャント抵抗102の装着状態を付勢力によって安定さ
せるためにシャント抵抗102をばね材で形成したり、
シャント抵抗102の先端部がスルーホール106を過
剰に突き抜けることを防止するために係止爪104を設
けたりしなければならず、その分材料コストが嵩むとい
う問題点を有している。
【0006】また、シャント抵抗102は、両端部のみ
がプリント基板101に固定されて中央部が宙に浮いた
状態になっているため、車両の走行時の振動によって中
央部分がぐらつきいて装着状態が不安定になり、ときに
は外れることもあるため、シャント抵抗102を利用し
た測定値の信頼性が低下するという問題点を有してい
る。
【0007】さらに、シャント抵抗102の電流容量を
所定のものにするために、長さ寸法の大きなものが要求
されることがあり、この場合、シャント抵抗102を、
例えば図5に示す例のようにM形状に折り曲げて各端部
をスルーホール106に装着するという面倒な作業を行
わなければならず、その分、組付け効率が低下するとと
ともに、シャント抵抗102によるプリント基板101
上の占有面積が大きくなり、これによって電子部品ユニ
ット100のコンパクト化を果たし得なくなるという問
題点を有している。
【0008】本発明は、上記のような問題点を解決する
ためになされたものであり、部品コストおよび組付けコ
ストの低減化に寄与した上で、測定値の信頼性を維持す
ることが可能なシャント抵抗の組付け構造を提供するこ
とを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
シャント抵抗の組付け構造は、電子部品ユニットに電流
検出用として装着されるシャント抵抗の組付け構造であ
って、上記電子部品ユニットは、各種の電子部品が搭載
されたプリント基板と、このプリント基板に装着される
シャント抵抗と、上記プリント基板を覆う蓋ケースとか
らなり、上記プリント基板には、上記シャント抵抗の両
端部が嵌入されるスルーホールが穿設されている一方、
上記蓋ケースには、コ字状に折り曲げられたシャント抵
抗が取り付けられ、このシャント抵抗は、蓋ケースをプ
リント基板に装着することによって各端部がそれぞれ対
応した上記スルーホールに嵌入されるように取付け位置
が設定されていることを特徴とするものである。
【0010】このシャント抵抗の組付け構造によれば、
プリント基板上に蓋ケースを被せることにより、蓋ケー
スに取り付けられたシャント抵抗の両端部がプリント基
板のスルーホールに嵌まり込み、これによってシャント
抵抗がプリント基板に装着された状態になる。このよう
に、プリント基板に蓋ケースを被せるという一操作によ
ってシャント抵抗をプリント基板に装着することが可能
であり、従来のようなシャント抵抗をプリント基板に装
着してから蓋ケースを被せる二操作方式に比べて組み付
けの作業性が向上する。
【0011】また、シャント抵抗を蓋ケースに取り付け
ることにより、プリント基板上でのシャント抵抗の占有
面積が小さくなり、これによって確保されたプリント基
板上の空間を有効利用することが可能になる。
【0012】さらに、シャント抵抗は、両端がプリント
基板に固定されるとともに、蓋ケースで保持されている
ため、装着状態が非常に安定しており、車両の振動等に
よって外れることはない。
【0013】本発明の請求項2記載のシャント抵抗の組
付け構造は、請求項1記載のシャント抵抗の組付け構造
において、上記シャント抵抗は、各端部がそれぞれ対応
した上記スルーホールに嵌入された状態で半田止めされ
ていることを特徴とするものである。
【0014】このシャント抵抗の組付け構造によれば、
シャント抵抗とプリント基板上のプリント配線との接続
状態が安定する。
【0015】本発明の請求項3記載のシャント抵抗の組
付け構造は、請求項1または2記載のシャント抵抗の組
付け構造において、上記蓋ケースには、表面側に凹設さ
れた上記シャント抵抗を圧入する嵌込み溝と、この嵌込
み溝の両端部に穿設された蓋ケース内に連通する装着孔
とが設けられていることを特徴とするものである。
【0016】このシャント抵抗の組付け構造によれば、
シャント抵抗は、嵌め込み溝に圧入されたロック状態で
蓋ケースに支持されており、従って、振動や温度変化等
によってもスルーホールから外れることはない。また、
シャント抵抗の一部が蓋ケースの外部に露出しているこ
とにより、通電時の発熱を外部に放出することが可能で
あり、プリント基板上の蓋ケースで覆われた空間の温度
上昇を抑えることが可能になる。
【0017】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係るシャント抵
抗の組付け構造の一実施形態を示す分解斜視図であり、
図2はその組立て斜視図である。また、図3は、図2の
A−A線断面図であり、図4は、図2のB−B線断面図
である。これらの図に示すように、シャント抵抗が適用
される電子部品ユニット1は、各種の電子部品が搭載さ
れた矩形状のプリント基板2と、このプリント基板2に
装着される棒状のシャント抵抗3と、このシャント抵抗
3の装着された、プリント基板を覆う下面開放で箱型の
蓋ケース4とからなる基本構成を有している。
【0018】上記プリント基板2の表面には、図略のプ
リント配線の所定の部分に接続固定された、抵抗器やコ
ンデンサ等からなる各種の電子部品21が搭載されてい
るとともに、一縁部には接続用のコネクタ22が、接続
面を外方に向けた状態で設けられている。かかるプリン
ト基板2の適所には、シャント抵抗3を差し込むための
幅方向一対のスルーホール23が設けられている。
【0019】上記シャント抵抗3は、所定の抵抗値およ
び長さ寸法を有する導電材料からなり、その両側部が下
方に向けて直角に折り曲げられて形成され、中央部分の
水平部31と、この水平部31の両側部から下方に向け
て延設された幅方向一対の垂直部32とからなってい
る。各垂直部32の下端部には、プリント基板2に接続
される端子部32aが設定されている。
【0020】上記蓋ケース4は、平面視でプリント基板
2より若干大きめの矩形状に形成され、下端の内壁面に
上記プリント基板2の周縁部が嵌め込まれる角溝41が
凹設されているとともに、上記コネクタ22に対応した
部分にコネクタ22の形状に対応した下部開口の切欠き
窓42が設けられ、蓋ケース4をプリント基板2に被せ
ることによって、図2に示すように、角溝41がプリン
ト基板2の周縁部に圧入状態で外嵌するとともに、コネ
クタ22が切欠き窓42に嵌まり込むようになってい
る。
【0021】また、上記蓋ケース4の天板43には、上
記プリント基板2の一対のスルーホール23を結ぶ直線
に対応した位置に、幅方向に横断した嵌込み溝44が凹
設され、この嵌込み溝44の各スルーホール23に対向
した位置にそれぞれシャント抵抗3の垂直部32を挿通
する装着孔45が穿設されている。これらの装着孔45
に各垂直部32を根本部分まで嵌入することによって水
平部31が嵌込み溝44に嵌まり込んだ状態でシャント
抵抗3が蓋ケース4に装着された状態になるようにして
いる。
【0022】そして、上記嵌込み溝44の溝壁には、図
3および図4に示すように、互いに対向した複数対の係
止突起46が膨設され、シャント抵抗3の水平部31を
嵌込み溝44に圧入することによって水平部31がこれ
ら複数対の係止突起46を弾性変形させながらそれらの
下部に入り込み、弾性変形した係止突起46の復元によ
って水平部31が嵌込み溝44に対して抜け止めされた
状態になるようにしている。
【0023】上記シャント抵抗3の長さ寸法は、蓋ケー
ス4の高さ寸法と略同一に寸法設定され、これによって
シャント抵抗3の装着された蓋ケース4をプリント基板
2に被せて角溝41をプリント基板2の周縁部に圧入す
ることにより、シャント抵抗3の端子部32aがスルー
ホール23に嵌入されるようになっている。そして、各
端子部32aがそれぞれ対応したスルーホール23に嵌
入された状態で、例えばフローソルダー法によって半田
付け処理を行うことにより、スルーホール23内に溶融
半田が流れ込んで端子部32aとプリント配線とが接続
され(このとき他の電子部品の端子とプリント配線との
接続も行われる)、これによって電子部品ユニット1の
組み付け処理が完了する。
【0024】以上詳述したように、本発明のシャント抵
抗3の組付け構造は、電子部品ユニット1を、各種の電
子部品が搭載されたプリント基板2と、このプリント基
板2に装着されるシャント抵抗3と、プリント基板2を
覆う蓋ケース4とから構成し、プリント基板2には、シ
ャント抵抗3の端子部32aが嵌入されるスルーホール
23を穿設する一方、蓋ケース4には、コ字状に折り曲
げられたシャント抵抗3を取り付け、蓋ケース4をプリ
ント基板2に装着することによって各端部がそれぞれ対
応したスルーホール23に嵌入されるようにシャント抵
抗3の取付け位置を設定したものである。従って、プリ
ント基板2上に蓋ケース4を被せることにより、蓋ケー
ス4に取り付けられたシャント抵抗3の端子部32aが
プリント基板2のスルーホール23に嵌まり込み、これ
によってシャント抵抗3をプリント基板2に装着された
状態にすることができる。
【0025】このように、プリント基板2に蓋ケース4
を被せるという一操作によってシャント抵抗3をプリン
ト基板2に装着することが可能であり、従来のようなシ
ャント抵抗3をプリント基板2に装着してから蓋ケース
4を被せる二操作方式に比べて抵抗組み付けの作業性を
向上させることができる。
【0026】また、シャント抵抗3を内壁面に沿わせて
蓋ケース4に取り付けることにより、プリント基板2上
でのシャント抵抗3の占有面積が小さくなり、これによ
って確保されたプリント基板2上の空間を有効利用する
ことができる。
【0027】また、蓋ケース4には、表面側に凹設され
たシャント抵抗3を圧入するための嵌込み溝44と、こ
の嵌込み溝44の両端部に穿設された蓋ケース4内に連
通する装着孔45とを設けたため、シャント抵抗3は、
嵌込み溝44に圧入された状態で蓋ケース4に支持され
ており、従って、振動や温度変化等によるスルーホール
23からの外れを確実に防止することができる。また、
シャント抵抗3の一部が蓋ケース4の外部に露出してい
ることにより、通電時の発熱を外部に放出することが可
能であり、プリント基板2上の蓋ケース4で覆われた空
間の温度上昇を抑えることができる。
【0028】そして、シャント抵抗3とプリント配線と
を、端子部32aがそれぞれ対応したスルーホール23
に嵌入された状態で半田止めすることにより、シャント
抵抗3とプリント基板2上のプリント配線との接続状態
を強固なものにすることができる。
【0029】本発明は上記の実施形態に限定されるもの
ではなく、以下の内容をも包含するものである。
【0030】(1)上記の実施形態においては、シャン
ト抵抗3は、その水平部31を蓋ケース4に凹設された
嵌込み溝44に圧入する組付け操作によって蓋ケース4
に装着されるようにしているが、本発明は、かかる組付
け操作によって蓋ケース4にシャント抵抗3を取り付け
るようにすることに限定されるものではなく、例えば、
射出成形法による蓋ケース4の製造時に予め金型内にシ
ャント抵抗3を装着した後、キャビティ内に溶融した合
成樹脂を射出する、いわゆる一体成形法によってシャン
ト抵抗3を蓋ケース4に取り付けるようにしてもよい。
【0031】(2)上記の実施形態においては、シャン
ト抵抗3は、その垂直部32が蓋ケース4の装着孔45
に差しとおされた状態で水平部31が蓋ケース4の天板
43の表面側に凹設された嵌込み溝44に圧入され、こ
れによってシャント抵抗3の端子部32aをプリント基
板2のスルーホール23に対向させるようにしている
が、こうする代わりに蓋ケース4の天板43の裏面側に
嵌込み溝を凹設し、この嵌込み溝にシャント抵抗3の水
平部31を圧入するようにしてもよい。
【0032】
【発明の効果】本発明の請求項1記載のシャント抵抗の
組付け構造によれば、電子部品ユニットを、各種の電子
部品が搭載されたプリント基板と、このプリント基板に
装着されるシャント抵抗と、プリント基板を覆う蓋ケー
スとから構成し、プリント基板には、シャント抵抗の両
端部が嵌入されるスルーホールを穿設する一方、蓋ケー
スには、コ字状に折り曲げられたシャント抵抗を取り付
け、蓋ケースをプリント基板に装着することによって各
端部がそれぞれ対応したスルーホールに嵌入されるよう
にシャント抵抗の取付け位置を設定したため、プリント
基板上に蓋ケースを被せることにより、蓋ケースに取り
付けられたシャント抵抗の両端部がプリント基板のスル
ーホールに嵌まり込み、これによってシャント抵抗をプ
リント基板に装着された状態にすることができる。
【0033】このように、プリント基板に蓋ケースを被
せるという一操作によってシャント抵抗をプリント基板
に装着することが可能であり、従来のようなシャント抵
抗をプリント基板に装着してから蓋ケースを被せる二操
作方式に比べて抵抗組み付けの作業性を向上させること
ができる。
【0034】また、シャント抵抗を蓋ケースに取り付け
ることにより、プリント基板上でのシャント抵抗の占有
面積が小さくなり、これによって確保されたプリント基
板上の空間を有効利用することができる。
【0035】さらに、シャント抵抗は、両端がプリント
基板に固定されるとともに、蓋ケースで保持されている
ため、装着状態が非常に安定しており、車両の振動等に
よるプリント基板からの外れを確実に防止することがで
きる。
【0036】本発明の請求項2記載のシャント抵抗の組
付け構造によれば、シャント抵抗は、各端部がそれぞれ
対応したスルーホールに嵌入された状態で半田止めされ
ているため、シャント抵抗とプリント基板上のプリント
配線との接続状態を強固なものにすることができる。
【0037】本発明の請求項3記載のシャント抵抗の組
付け構造によれば、蓋ケースには、表面側に凹設された
シャント抵抗を圧入する嵌込み溝と、この嵌込み溝の両
端部に穿設された蓋ケース内に連通する装着孔とを設け
たため、シャント抵抗は、嵌込み溝に圧入されたロック
状態で蓋ケースに支持されており、従って、振動や温度
変化等によるスルーホールからの外れを確実に防止する
ことができる。また、シャント抵抗の一部が蓋ケースの
外部に露出していることにより、通電時の発熱を外部に
放出することが可能であり、プリント基板上の蓋ケース
で覆われた空間の温度上昇を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るシャント抵抗の組付け構造の一実
施形態を示す分解斜視図である。
【図2】図1のシャント抵抗の組付け構造の組立て斜視
図である。
【図3】図2のA−A線断面図である。
【図4】図2のB−B線断面図である。
【図5】従来のシャント抵抗の組付け構造を例示する分
解斜視図である。
【符号の説明】
1 電子部品ユニット 2 プリント基板 21 電子部品 22 コネクタ 23 スルーホール 3 シャント抵抗 31 水平部 32 垂直部 32a 端子部 4 蓋ケース 41 角溝 42 切欠き窓 43 天板 44 嵌込み溝 45 装着孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−191059(JP,A) 実開 昭49−105836(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01C 1/01

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子部品ユニットに電流検出用として装
    着されるシャント抵抗の組付け構造であって、上記電子
    部品ユニットは、各種の電子部品が搭載されたプリント
    基板と、このプリント基板に装着されるシャント抵抗
    と、上記プリント基板を覆う蓋ケースとからなり、上記
    プリント基板には、上記シャント抵抗の両端部が嵌入さ
    れるスルーホールが穿設されている一方、上記蓋ケース
    には、コ字状に折り曲げられたシャント抵抗が取り付け
    られ、このシャント抵抗は、蓋ケースをプリント基板に
    装着することによって各端部がそれぞれ対応した上記ス
    ルーホールに嵌入されるように取付け位置が設定されて
    いることを特徴とするシャント抵抗の組付け構造。
  2. 【請求項2】 上記シャント抵抗は、各端部がそれぞれ
    対応した上記スルーホールに嵌入された状態で半田止め
    されていることを特徴とする請求項1記載のシャント抵
    抗の組付け構造。
  3. 【請求項3】 上記蓋ケースには、表面側に凹設された
    上記シャント抵抗を圧入する嵌込み溝と、この嵌込み溝
    の両端部に穿設された蓋ケース内に連通する装着孔とが
    設けられていることを特徴とする請求項1または2記載
    のシャント抵抗の組付け構造。
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