JPH0244468Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (1) 考案の目的 （産業上の利用分野） 本考案は電気コネクタレセプタクルの技術分野
において利用され、特にプリント回路基板に係止
するための係止片を備えたものについての係止構
造に関する。

（従来の技術） 従来、この種の電気コネクタレセプタクルをプ
リント回路基板に係止するものとしては、実開昭
第59−31783号あるいは実開昭第59−110982号に
開示されているものが知られており、コネクタレ
セプタクルの基板への取付面の側にスリ割を有す
る仮止め用の突起を設け、該突起を回路基板の取
付孔に嵌挿して基板に仮止めし、その状態で上記
コネクタの各接触子と回路基板の回路導体とを半
田付けして電気的に接続がなされる。しかしこの
ような従来の突起には次のような問題点がある。

基板に仮止めした突起は、絶縁ハウジングと
一体に合成樹脂で成形されているため各接触子
を半田付けする際に、半田の熱で変形してバネ
性がなくなり、コネクタレセプタクルの基板へ
の係止力が弱まつて、半田付け時にコネクタレ
セプタクルが基板より浮き出たり、外れたりす
るという不具合が生じる。

実開昭第59−31738号のものにあつては、突
起の方向によつて仮止めの面が定まつてしまう
ので、仮止めの面が異なるものについてはその
方向に突起を有する絶縁ハウジングを別途用意
せねばならない。

実開昭第59−110982号のものでは、上記の
問題は解消されるが、二方向に突起（仮止め用
支持柱）を設けねばならないので、それだけ成
形金型が複雑になる。さらに上記突起はコネク
タレセプタクルの側面におけるその突出量は比
較的大きいために、該コネクタレセプタクルを
複数個近接して配置したり、あるいは他の部品
を密に配する際に支障をきたす。

（考案が解決しようとする問題点） 本考案は、上記従来のコネクタレセプタクルが
有していた問題点を解決せんとするもので、コネ
クタの側面に金属板より成形された係止片を選択
的に取付けることにより、半田の熱に耐えてばね
性が劣化せず、またコネクタの基板への取付方向
が異なつても共通の絶縁ハウジングとすることが
でき、さらには係止片を取付けるために絶縁ハウ
ジング側面の突部の突出量が少なくてすむ電気コ
ネクタレセプタクルを提供する。

(2) 考案の構成 （問題点を解決するための手段及びその作用） 本考案は、上述の問題点を解決するために、以
下のごとく構成される。

電気コネクタレセプタクルは基板と係止するた
めの係止片を備えている。

コネクタの絶縁ハウジングには、係止片を保持
するために、両側面に突部を有している。

該突部には係止片を受け入れるための貫通した
係止片保持孔が設けられている。該係止片保持孔
は絶縁ハウジングの側面上に設けられるならば、
係止片を該側面に当てながら挿入できるので好都
合である。そして該係止保持孔は、係止片の挿入
方向を選択できるように、同一面で直交する二方
向にスリツト状に設けられている。

係止片は金属片より成形されており、頭部と一
対の脚からなる脚部とを有している。

頭部は、脚部が上記係止片保持孔に貫挿された
際、該係止片保持孔の入口で進入が阻止されるよ
うに、例えば段部を有する形状・寸法となつてい
る。

脚部は、頭部から延出する一対の脚を有してい
る。脚の長さは、脚部が上記係止片保持孔に貫挿
された後基板の係止孔に嵌挿されるに十分なもの
に設定されている。該脚部は係止片保持孔内にあ
つて開脚方向にばね性を有している。また脚部に
は、該脚部が係止片保持孔に貫挿されて頭部が該
係止片保持孔の入口に当接した際、適宜箇所、例
えば係止片保持孔の出口等にてばね力で係止して
抜け防止を図る突起等が設けられるならばより好
ましい。

なお、係止片の頭部と脚部とは同一平面で平板
状に形成されており、単純な打抜きプレスで製造
でき、曲げ加工等を要せず安価なものとなる。

このような本考案の電気コネクタレセプタクル
の組立て及び使用はきわめて簡単である。すなわ
ち、係止片をその脚部を圧して両脚の幅を狭めな
がらハウジングの係止片保持孔に挿入する。脚部
が貫挿されると頭部が係止片保持孔の入口に当接
する。このとき脚部は開脚方向のばね力で上記係
止片保持孔内にしつかりと保持されている。

こうした組立ての後に、上記係止片保持孔の出
口より突出する係止片の先端部を基板の係止孔に
嵌挿して使用する。

（実施例） 以下添付図面に基づいて本考案の実施例を説明
する。

第１図は本考案の第一実施例の電気コネクタレ
セプタクルを示している。

本実施例の電気コネクタレセプタクル１は、プ
ラスチツク材料にて成形された直方体状の絶縁ハ
ウジング１０と該絶縁ハウジング１０内に配設さ
れる複数の接触子１５とを備えている。

絶縁ハウジング１０は、その前面に開口し相手
プラグを受け入れる結合空所１１を有し、またそ
の両側面１２，１２のほぼ中央には後述する係止
片２の固定部を該絶縁ハウジング１０に固定する
ための突部１３を備えている。

各接触子１５は、ばね性のある単一の導電性金
属ワイヤまたはストリツプにて形成され、絶縁ハ
ウジング１０の結合空所１１内で、その一端側は
相手プラグの挿入方向に傾斜して曲げられ、そし
て他端側は屈曲した後絶縁ハウジング１０の下面
より結線部１６として突出している。

絶縁ハウジング１０の突部１３には係止片を受
け入れるための貫通した係止片保持孔１４が設け
られている。該係止片保持孔１４は絶縁ハウジン
グの側面１２面上で、ほぼ直交する二方向に形成
されている。そして係止片保持孔１４の断面形状
は、下述する平板状の係止片の脚部に合わせてス
リツト状になつており、その寸法は該脚部を圧し
て縮幅するように定められている。

係止片２は、ばね性の金属シート材でプレス等
によつて打抜き成形されて作られ、頭部２１と一
対の脚からなる脚部２２とを有している。頭部２
１は、脚部２２を上記係止片保持孔１４に挿入し
た際、その入口で進入が阻止される形状寸法に作
られている。これは、例えば図示のごとく頭部２
１を上記係止片保持孔１４の入口の幅より広くし
たり、あるいは幅は特に広くせずに端部を板厚方
向に屈曲することもできる。脚部２２は頭部２１
から下方に延出する一対の脚から成つている。該
脚部２２の長さは、当然のことながら、上記頭部
２１が係止片保持孔１４の入口に係止した際、先
端がプリント基板３に嵌挿されるに十分なもので
なくてはならない。また、上記脚部２２の先端部
には、プリント基板３と係止する係止用突部２５
が形成されている。

さらに絶縁ハウジング１０の下面側位置には、
プリント基板３が配され、該プリント基板３には
係止片２の脚部２２を挿入して係止するための係
止穴３１と、絶縁ハウジング１０の背面より突出
している接触子１５の結線部１６を挿入するため
の結線孔３２が設けられている。

このように構成された電気コネクタレセプタク
ルのプリント基板への係止は、次の要領で行われ
る。

先ず、第１図に示されるように係止片２をそ
の脚部２２が所定の方向に向くように設定した
状態で、絶縁ハウジング１０の突部１３の係止
片保持孔１４内に脚部２２を圧して縮幅させな
がら挿入する。そして頭部２１を下方に押しつ
づける。すると脚部２２は完全に上記係止片保
持孔１４を貫通し、頭部２１は該係止片保持孔
１４の入口にて係止される。脚部２２は開脚方
向にばね力を生ずるので、係止片２は該位置で
完全に保持される。

次に絶縁ハウジング１０の下方位置にプリン
ト基板３を用意し、接触子１５の結線部１６を
プリント基板の結線孔３２に挿入すると共に係
止片２の脚部２２をプリント基板の係止穴３１
に挿入する。かくして電気コネクタレセプタク
ル１はプリント基板３に仮止めされる。

そして最後にプリント基板３の裏面をフラツ
クス液に浸漬後半田液浴槽に浸漬して接触子の
プリント基板への半田付けが完了する。

なお、本実施例では突部１３は絶縁ハウジング
１０の側面１２のほぼ中央位置に設けられている
が、本考案はこれに限定されず、例えば第２図に
示されるように突部１３Ａをハウジング１０Ａの
側面１２Ａに位置せしめてもよい。こうすること
により係止片は短くてすみ、経済性、強度の面で
向上が図れる。

(3) 考案の効果 以上のような本考案によるならば、次のような
効果を得ることができる。

係止片は金属板で作られるために、接触子の
半田付けの降半田の温度の影響を受けず、仮止
めの保持力は所定値を維持し良好な半田付けが
できる。

絶縁ハウジングの突部に係止片を所望の方向
に取り付けることにより、コネクタレセプタク
ルの基板への取付け方向を選択できるので、基
板への取付け方向に拘らず絶縁ハウジングは一
種ですむ。

絶縁ハウジングの突部は簡単な形状でよいた
めに、絶縁ハウジング成形のための金型のコス
トを低減することができる。

絶縁ハウジングの突部の突出量は少なくてす
むために、コネクタレセプタクル同士あるいは
他の部品を近接して配置することができ、装置
の小型化に貢献する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例である電気コネクタ
レセプタクルの分解状態における斜視図、第２図
は第１図のものの突部の位置についての変形例を
示す斜視図である。 １……電気コネクタレセプタクル、１０……絶
縁ハウジング、１２……絶縁ハウジングの側面、
１３……突部、１４……係止片保持孔、２……係
止片、２１……頭部、２２……脚部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 基板と係止するための係止片を備える電気コネ
   クタレセプタクルにおいて、 コネクタの絶縁ハウジングは両側面に突部を有
   し、該突部には係止片を受入れるための二つの係
   止片保持孔が同一面内で直交する二方向にスリツ
   ト状に設けられ、 係止片は金属板より成形されて、上記突部に設
   けられた係止片保持孔の入口で進入が阻止される
   頭部と、該頭部より延出して上記係止片保持孔を
   貫通後先端部が基板の係止孔に嵌挿される一対の
   脚からなる脚部とを備え、該脚部は上記係止片保
   持孔内にあつて開脚方向にばね性を有し、 上記頭部と脚部は同一平面で平板状に形成され
   ている、 ことを特徴とする電気コネクタレセプタクルの基
   板係止構造。