JP3523489B2 - ポンプ制御方式 - Google Patents

ポンプ制御方式

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、複数台のポンプ
運転システム、特に運転台数増減時における圧力変動を
抑制ないしは防止し得るポンプ制御方式に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、複数台のポンプを用いる自動給
水システムは公知であるが、このようなシステムでは、
ポンプ運転台数の増減時に圧力変動を起こすことが多い
ことが指摘されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】例として1台のポンプ
を追加運転する場合、追加ポンプへの回転数指令信号と
して、従来は、運転中のポンプ回転数指令信号と同じも
のを与えるようにしている。この場合、ポンプを追加運
転する場合に運転中のポンプと追加ポンプが、同じ能力
を持つことになる回転数指令信号で運転されるので、短
時間ではあるが圧力変動を引き起こすというわけであ
る。なお、このような現象は、1台減少の場合について
も同様である。したがって、この発明の課題は運転台数
増減時の圧力変動を抑制ないしは防止し、安定な制御を
可能とすることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】 このような課題を解決
するため、請求項1の発明では、可変速駆動装置を介し
てそれぞれ駆動される複数台の可変速ポンプの運転台数
を制御して給水を行なうポンプ制御方式において、ポン
プの吐出側の圧力信号と流量信号とを入力とし、圧力制
御のための回転数指令信号を出力する調節計と、ポンプ
一次側圧力信号,複数台の可変速ポンプ回転数計測信
号,前記調節計からの回転数指令信号および運転台数指
令を入力されて増減時の単位時間当たりの回転数指令を
ポンプ特性式より演算して出力する演算回路とを複数台
の可変速ポンプに対して共通に設け、前記演算回路から
の回転数指令信号と前記調節計からの回転数指令信号と
を切換えて可変速駆動装置に与える切換装置を前記複数
台のポンプの可変速駆動装置に対して個別に設け、運転
台数を増減するときは、増減対象となる可変速ポンプの
可変速駆動装置には前記演算回路からの回転数指令信号
を与えて増減時の回転数を制御し、かつ、増加時の制御
は回転数が増減対象以外の運転中の可変速ポンプの回転
数以上となるまで行ない、増減対象以外の運転中の可変
速ポンプの可変速駆動装置には前記調節計からの回転数
指令信号を与えて圧力制御を継続するように前記切換装
置をそれぞれ切換えるようにしている。
【0005】 上記請求項1の発明では、前記圧力制御
は、吐出圧力一定制御または推定末端圧一定制御とする
ことができ(請求項2の発明)、または、運転台数を減
少させるときは、減少の対象となるポンプの回転数が所
定値以下又はポンプに連動する吐出電動弁が全閉になっ
たとき停止させることができる(請求項の発明)。
【0006】
【発明の実施の形態】図1はこの発明の第1の実施の形
態を示す構成図である。同図において、1はポンプ、2
は吐出電動弁、3はポンプ井、4は切換回路、5は可変
速駆動装置、6は演算回路、7は水位計、8は調節計、
9は圧力計、10は流量計、11は吐出電動弁駆動装置
である。可変速駆動装置5によって可変速駆動されるポ
ンプ1(以下、可変速ポンプともいう)には、吐出電動
弁2が連動されている。可変速ポンプ1はここでは、水
を供給するポンプ井3に対して複数台(N台)設けら
れ、調節計8を介して得られるアナログ信号である、圧
力制御のための回転数指令信号によって運転され、接点
信号としての台数指令によって運転台数等が決定され
る。
【0007】ここで、1台目運転時には、演算回路6で
ポンプ井水位(ポンプ一次側圧力)信号Hおよび切換え
目標時間T1などから、次の(1)式にもとづき単位時
間当たりの回転数指令信号を求め、これを切換回路4の
切換端子を介して可変速駆動装置5に入力し、対応する
ポンプを最低回転数から目標回転数へと上昇させる。そ
して、ポンプ回転数が調節計8からの出力である、圧力
制御(吐出圧力一定制御、または推定末端圧一定制御)
のための回転数指令値以上になったとき、切換回路4を
切換端子側から常時側へと切換え、圧力制御による回転
数指令信号(調節計8の出力)にもとづき運転するよう
にする。 回転数指令信号={NsT1+(A−K1H)T’}/T1 …(1) A :ポンプ並列運転曲線より求まる定数 K1:ポンプ並列運転曲線より求まる係数 H :ポンプ一次側圧力(ポンプ井水位等) T1:切換え目標時間 Ns:最低回転数 T’:切換え経過時間
【0008】次に、運転台数を1台追加する場合につい
て説明する。演算回路6の接点信号出力にもとづき追加
するポンプの切換回路4を切換端子側にするとともに、
運転中のポンプ回転数N01を読み込み、ポンプ井水位
信号Hおよび切換え目標時間T2から、次の(2)式に
もとづき単位時間当たりの回転数指令信号を求め、これ
を切換回路4の切換端子を介して対応する可変速駆動装
置5に入力する。 回転数指令信号={NsT1+(N01−B−K2H)T’}/T2…(2) N01:運転中のポンプ回転数 B :ポンプ並列運転曲線より求まる定数 K2 :ポンプ並列運転曲線より求まる係数 H :ポンプ一次側圧力(ポンプ井水位等) T2 :切換え目標時間 Ns :最低回転数 T’ :切換え経過時間
【0009】この場合、運転中のポンプ回転数は、追加
ポンプの回転数上昇に伴って必然的に下降する。そし
て、追加ポンプの回転数が運転中のポンプ回転数以上に
なったとき、演算回路6の接点信号出力によって切換回
路4を切換端子側から常時側に切換え、圧力制御による
回転数指令信号(調節計8の出力)にもとづき運転する
ようにする。
【0010】図2に1台から2台に運転台数を追加する
具体例を示す。同図のQA を2台目運転流量とすると、
1台当たりQA /2の分担となる。したがって、運転中
のポンプ回転数は、NL →NL ’,NM →NM ’,NH
→NH ’となり、追加ポンプの回転数は、最低回転数→
L ’,NM ’,NH ’とする。また、NL ,NM ,N
H およびNL ’,NM ’,NH ’よりポンプ井水位Hと
回転数との関係を求める。以上の関係を演算式に表わ
し、切換時間(T2)を考慮した場合が上記(2)式と
いうわけである。この考え方は2→3台…N→N+1の
ときも同様に適用することができる。
【0011】次に、運転台数を1台減少する場合につい
て説明する。この場合は、演算回路6の接点信号出力に
もとづき停止させるポンプの切換回路4を切換端子側に
するとともに、そのポンプ回転数N02を読み込み、ポ
ンプ井水位信号Hおよび切換え目標時間T3から、次の
(3)式にもとづき単位時間当たりの回転数指令信号を
求め、これを切換回路4の切換端子を介して対応する可
変速駆動装置5に入力し、停止させるポンプを回転数N
02から目標回転数以下となるように下降させる。その
際、吐出電動弁2を連動させ、吐出電動弁全閉(また
は、ポンプ回転数一定値以下)にてポンプを停止させ
る。 回転数指令信号={N02T3−(N02−C+K3Ha )T’}/T3 …(3) N02:停止させるポンプ回転数 C :ポンプ並列運転曲線より求まる定数 K3 :ポンプ並列運転曲線より求まる係数 H :ポンプ一次側圧力(ポンプ井水位等) a :ポンプ並列運転曲線より求まる定数 T3 :切換え目標時間 T’ :切換え経過時間
【0012】図3に2台から1台に運転台数を減少する
具体例を示す。同図に示すQB を1台停止流量とする
と、各ポンプはそのときの圧力(全揚程)で、1台当た
りQB /2の分担となる。停止させるポンプはそのとき
の回転数より、締切り運転(流量が零)になった後に停
止すれば良い。すなわち、停止させるポンプの回転数
は、1NL →NL ’,NM →NM ’,NH →NH ’と
し、運転継続するポンプの回転数は、停止させるポンプ
を補足する運転、つまりQB側に運転される。また、N
L ,NM ,NH およびNL ’,NM ’,NH ’よりポン
プ井水位Hと回転数との関係を求める。以上の関係を演
算式に表わし、切換時間(T3)を考慮した場合が上記
(3)式というわけである。この考え方は3→2台…N
+1→Nのときも同様に適用することができる。
【0013】なお、この発明はポンプ1台目の運転のみ
ならず、運転台数増減時、または現場および手動モード
並びにポンプ故障時の追加運転時、さらには、制御渋滞
時にも上記と同様にして適用することができる。
【0014】
【発明の効果】この発明によれば、複数台のポンプを可
変速駆動する場合の運転台数増減時にも、演算により最
適な量を求めて制御するようにしたので、圧力変動が生
じることがなく、安定した制御が可能となる利点がもた
らされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態を示す概要図である。
【図2】図1における運転台数増加時の動作説明図であ
る。
【図3】図1における運転台数減少時の動作説明図であ
る。
【符号の説明】
1…可変速ポンプ、2…吐出電動弁、3…ポンプ井、
4…切換回路、5…可変速駆動装置、6…演算回路、7
…水位計、8…調節計、 9…圧力計、10…流量計、
11…吐出電動弁駆動装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−145486(JP,A) 実開 昭61−42604(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F04B 49/06 F04C 29/10 F04D 15/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可変速駆動装置を介してそれぞれ駆動さ
    れる複数台の可変速ポンプの運転台数を制御して給水を
    行なうポンプ制御方式において、 ポンプの吐出側の圧力信号と流量信号とを入力とし、圧
    力制御のための回転数指令信号を出力する調節計と、ポ
    ンプ一次側圧力信号,複数台の可変速ポンプ回転数計測
    信号,前記調節計からの回転数指令信号および運転台数
    指令を入力されて増減時の単位時間当たりの回転数指令
    をポンプ特性式より演算して出力する演算回路とを複数
    台の可変速ポンプに対して共通に設け、 前記演算回路からの回転数指令信号と前記調節計からの
    回転数指令信号とを切換えて可変速駆動装置に与える切
    換装置を前記複数台のポンプの可変速駆動装置に対して
    個別に設け、 運転台数を増減するときは、増減対象となる可変速ポン
    プの可変速駆動装置には前記演算回路からの回転数指令
    信号を与えて増減時の回転数を制御し、かつ、増加時の
    制御は回転数が増減対象以外の運転中の可変速ポンプの
    回転数以上となるまで行ない、増減対象以外の運転中の
    可変速ポンプの可変速駆動装置には前記調節計からの回
    転数指令信号を与えて圧力制御を継続するように前記切
    換装置をそれぞれ切換えることを特徴とするポンプ制御
    方式。
  2. 【請求項2】 前記圧力制御は、吐出圧力一定制御また
    は推定末端圧一定制御とすることを特徴とする請求項1
    に記載のポンプ制御方式。
  3. 【請求項3】 運転台数を減少させるときは、減少の対
    象となるポンプの回転数が所定値以下又はポンプに連動
    する吐出電動弁が全閉になったとき停止させることを特
    徴とする請求項1に記載のポンプ制御方式。
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