JP3523060B2 - 検出器及びセンサの制御方法 - Google Patents
検出器及びセンサの制御方法Info
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Description
センサと、該センサ及びヒータへの通電を制御する制御
回路からなる検出器及びヒータを備えるセンサの制御方
法に関し、特に、炭酸ガス、NOX 、SOX 等を測定す
るための副電極構造のセンサを備える検出器及び該セン
サの制御方法に関するものである
る際には、副電極構造の固体電解質型センサが用いられ
る。係る副電極構造のセンサは、イオン伝導体を挟んで
2個の電極を設け、一方の電極上に副電極を配設したセ
ンサ素子と、該センサ素子をイオン伝導可能な400°
C〜600°Cまで加熱するためのヒータとからなる。
造のセンサは、継続してガス濃度を測定している限り性
能が安定しているが、間欠的に使用すると特性が変化し
易く、また、寿命が短いという問題点があった。
対的に湿度の高い雰囲気下で該センサによるガス濃度の
検出及び検出の停止を繰り返した際に特に劣化が短期間
で発生することが分かった。このため、本発明者は、劣
化の原因がセンサ素子に加わる熱衝撃にあることを突き
止めた。即ち、センサは、測定休止中のヒータへの通電
停止時に、多孔質の副電極に水分を吸着する。そして、
動作を開始させるためにヒータへ電圧を印加した際に、
センサは、形状が小さく熱容量も小さいため短時間でイ
オン伝導可能な高温に達する。この温度の急上昇中に、
副電極の内部は100°C以上に加熱されているのに対
して、内部に吸着されていた水分が表面から蒸発し、水
分の蒸発する際に熱が奪われ表面が冷却され、内部と表
面との間に大きな温度差が生じ、衝撃を受けているもの
と考えられる。
なされたものであり、その目的とするところは、長期に
渡って安定して使用することができる検出器及びセンサ
の制御方法を提供することにある。
達成するため、ヒータを備える副電極構造のセンサと、
該センサ及びヒータへの通電を制御する制御回路を備え
た検出器において、前記制御回路が、前記ヒータへの通
電開始時に、センサを低温で加熱した後、定常使用温度
になるよう加熱する加熱手段を備えることを技術的特徴
とする。
構造のセンサと、該センサ及びヒータへの通電を制御す
る制御回路を備えた検出器において、前記制御回路が、
前記ヒータへの通電開始時に、センサを低温で加熱した
後、定常使用温度になるよう制御するヒータ制御回路を
備えることを技術的特徴とする。
2において、前記低温が100°C以下であることを技
術的特徴とする。
において、前記センサが炭酸ガスセンサであることを技
術的特徴とする。
め、ヒータを備える副電極構造のセンサと、該センサ及
びヒータへの通電を制御する制御回路を備えた検出器の
制御方法において、前記ヒータへの通電開始時に、セン
サを低温で加熱した後、定常使用温度になるように制御
することを技術的特徴とする。
求項5において、前記低温が100°C以下であること
を技術的特徴とする。
において、前記センサが炭酸ガスセンサであることを技
術的特徴とする。
め、ヒータを備える副電極構造のセンサと、該センサ及
びヒータへの通電を制御する制御回路からなる検出器に
おいて、前記制御回路が、前記ヒータへの通電開始時
に、センサの定常使用温度まで徐々に加熱することで、
該センサ中に含まれる水分を揮発させた後に、定常使用
温度になるように加熱する加熱手段を備えることを技術
的特徴とする。
では、ヒータへの通電開始時に、低温で加熱した後、定
常使用温度になるように制御するため、副電極構造のセ
ンサを長期に渡って安定して使用することが可能にな
る。
ヒータへの通電開始時に、低温で加熱した後、定常使用
温度になるように加熱するため、副電極構造のセンサを
長期に渡って安定して使用することが可能になる。
始時に、100°C以下の低温で加熱した後、定常使用
温度になるように制御することで、副電極構造のセンサ
に含まれる水分を熱衝撃を与えることなく揮発させるた
め、センサを長期に渡って安定して使用することが可能
になる。
制御方法では、副電極構造の炭酸ガスセンサを低温で加
熱した後、定常使用温度まで加熱することで、炭酸ガス
センサに吸収された水分を熱衝撃を与えることなく揮発
させるため、長期に渡って安定して使用することが可能
になる。
始時に、センサの定常使用温度まで徐々に加熱すること
で、該センサ中に含まれる水分を揮発させた後に、定常
使用温度になるように制御し、副電極に吸収された水分
を熱衝撃を与えることなく揮発させるため、長期に渡っ
て安定して使用することが可能になる。
る検出器及びセンサの制御方法について図を参照して説
明する。図1は第1実施態様の炭酸ガス濃度を検出する
ための検出器10の構成を示している。該検出器10
は、ビル空調施設、或いは、ビニールハウス等に配設さ
れ、比較的湿度の高い雰囲気中の炭酸ガス濃度を間欠的
に測定する。該検出器10は、副電極構造の固体電解質
型センサ20と、センサ20を保持するセンサ台座40
と、該センサ20を制御する制御回路50とから構成さ
れている。
体(イオン伝導体)の両面に配設された参照電極と検知
電極との間に炭酸ガス濃度に応じた電位を発生し、該電
位が図中に示す参照端子34c及び検知端子32cに現
れる。また、該センサ20の背面には、図示しないヒー
タが配設され、固体電解質の活性温度である400〜6
00°Cまでセンサ20を加熱する。
からなり、金属製の電極端子用ピン42、44と、ヒー
タ用ピン46、48が挿通されている。該電極端子用ピ
ン42、44は、引き出し線42a、44aを介してセ
ンサ20の参照端子34c及び検知端子32cへ接続さ
れている。また、ヒータ用ピン46、48は、引き出し
線46a、48aを介して上記センサ20背面のヒータ
(図示せず)へ接続されている。
4を介して印加されるセンサ20の参照端子34c−検
知端子32c間の電位から炭酸ガス濃度を検出する。
6、48を介してセンサ20のヒータへ通電し、センサ
20の温度を制御する。ここで、制御回路50は、上述
したように間欠的に炭酸ガス濃度の検出を行っている。
後で細述するように、センサ20による測定の休止後、
測定を再開する際には、60秒間、100°C以下の低
温でセンサ20を加熱し、センサの固体電解質体に吸着
された水分を揮発させた後、固定電解質体を活性化させ
る定常使用温度(550°C)まで加熱し、濃度測定の
休止までセンサを該定常使用温度に保つ。
2(A)及び図2(B)を参照して説明する。図2
(A)は、図1中のセンサを拡大して示す斜視図であ
り、図2(B)は、図2(A)のB−B断面図である。
ルミナ基板22の裏面に配設されたヒータ38と、アル
ミナ基板22の上面に配設された参照電極34aと、該
参照電極34の上面に配設されたイオン伝導体(固体電
解質体)24と、該イオン伝導体24の上面に配設され
た検知電極32aと、該検知電極32a上に配設された
炭酸塩(副電極)26と、上記イオン伝導体24の周囲
に配設され、該イオン伝導体24を封止するアルミナ系
無機耐熱塗料28と、上記参照電極34aと参照端子3
4cとを接続するリード線34bと、上記検知電極32
aと検知端子32cとを接続するリード線32bとから
なる。
を参照して説明する。Na2 CO3 、ZrO2 、SiO
2 、NH4 H2 PO4 を所定の割合でエタノール中ボー
ルミルを用いて混合する。混合物を乾燥してから170
°Cで4時間、900°Cで4時間、1250°Cで4
時間、熱処理を行いNa2 Zr2 SiP2 O12を得る。
この微粒子を10Kg/cm2 の圧力でプレス形成した
後、1000°Cで焼成し、図3の(a)に示す3mm×
3mm×0.5mmのイオン伝導体ペレット24αを作成す
る。
トに、サーメットを10%wt混合した白金ペーストに
てヒータを印刷した後、1300°Cで焼成し、図3の
(b)に示す10mm×5mm×0.3mmのアルミナ基板2
2を作成する。この(b)は、図2(A)に示すアルミ
ナ基板22の裏面側を示していることに注意されたい。
面側に、参照電極34a、リード線34b及び参照電極
34cとなる白金ペースト34αをスクリーン印刷す
る。該白金ペーストは、サーメットを10%wt混合し
てなる。そして、白金ペースト34αの参照電極となる
部位に、(a)に示すイオン伝導体ペレット24αを裏
面側に白金ペーストをスクリーン印刷してから載置す
る。
側壁に、図2(B)にて示したようにアルミナ系無機耐
熱塗料28を塗布し、イオン伝導体24の封止を行って
から、上記白金ペースト34αの焼き付けのため900
°Cで焼成し、該イオン伝導体ペレット24αをイオン
伝導体24にする。
面に検知電極32aとなる金ペースト32αをメッシュ
状にスクリーン印刷し、同時にリード線32b及び検知
端子32cとなる金ペースト34βを印刷してから、8
50°Cで金ペースト32α、32βを焼成し、検知電
極32a、リード線32b及び検知端子32cを形成す
る。
上に、炭酸塩(炭酸ナトリウムNa2 CO3 )26αを
スクリーン印刷し、650°Cで焼き付けることで、図
2(A)に示すセンサ20を完成する。
0の電極端子用ピン42、44とセンサ20の参照端子
34c及び検知端子32cとを引き出し線42a、44
aにて接続し、ヒータ用ピン46、48とセンサ20背
面のヒータ38の端子38a、38b(図3の(b)参
照)を引き出し線46a、48aにて接続することで、
センサ台座40にセンサ20を固定する。
動作について説明する。炭酸塩(炭酸ナトリウムNa2
CO3 )から成る副電極26は多孔質に構成されてお
り、メッシュ状の検知電極32bを介してナトリウムイ
オン伝導体(固体電解質)であるイオン伝導体24に載
置されている。ここで、該炭酸塩26中のナトリウムが
外部雰囲気中の炭酸ガス濃度に応じて、イオン伝導体2
4中にイオン伝導する。この反応は、下記の通りであ
り、このイオン伝導により、該検知電極32a及び参照
電極34a間に電位差を発生させる。
・O2+2e-
図4を参照して説明する。制御回路50は、商用交流電
圧を受ける電源52と、電源52からの電圧を低電位、
高電位、中電位に降圧するトランス54と、該トランス
54の低電位端子54a及び高電位端子54bから電位
を受け、ヒータ38へ印加する電位を該低電位と高電位
とを切り替えるヒータ制御回路60と、該トランス54
の中電位端子54cから電力の供給を受け、上記センサ
20の検知電極32a−参照電極34aの電圧に基づき
炭酸ガス濃度を算出して、算出した値(センサ出力)を
出力するセンサ制御回路70とから構成されている。該
ヒータ制御回路60は、低電位から高電位へ切り替える
リレー64と、リレー64の切り替えをヒータ38への
通電開始から60秒後に行わしめるタイマ62とからな
る。
タ38の温度制御について、図5(A)のグラフを参照
して更に詳細に説明する。図5(A)のグラフは、横軸
にヒータへの通電開始からの経過時間を示し、縦軸にセ
ンサ20の温度を示している。該ヒータ制御回路60
は、センサ20による測定の休止後、測定を再開する際
に、60秒間、上記トランス54の低電位端子54aか
らの低電位をヒータ38側へ通電することで、100°
C以下の低温でセンサ20を加熱し、センサ20の副電
極26に吸着された水分を徐々に揮発させる。この多孔
質の副電極26の気孔から水分を発散させた後、即ち、
60秒経過後に、ヒータ制御回路60は、上記トランス
54の高電位端子54bからの高電位をヒータ38側へ
通電することで、約550°Cの高温(センサの定常使
用温度)まてセンサ20を加熱し、濃度測定の休止まで
センサを該定常使用温度に保つ。
は、測定を再開する際にヒータにてセンサを550°C
程度まで急激に加熱し、該副電極に熱衝撃を加えてい
た。即ち、休止後動作を再開させるためにヒータに電圧
を印加した際に、センサは、形状が小さく熱容量も小さ
いため短時間で高温に達する。この温度の急上昇中に、
休止中に副電極の内部へ吸着されていた水分が表面から
蒸発し、水分の蒸発により表面は熱が奪われ冷却される
のに対して、副電極の内部は100°C以上に加熱さ
れ、該副電極で生じる温度差により衝撃を受け、特性が
変化し炭酸ガス濃度の検出精度が低下すると共に、寿命
が短く成っていた。
では、ヒータ38側へ通電を開始する際に、100°C
以下の低温でセンサ20を加熱し、センサ20の副電極
26に吸着された水分を徐々に揮発させ、副電極26の
気孔から水分を発散させた後に、約550°Cの高温
(センサの定常使用温度)までセンサ20を加熱する。
即ち、副電極26に熱衝撃を与え、気孔を破壊すること
がないため、炭酸ガス濃度の検出精度が劣化し難いと共
に、寿命を長くすることができる。
について、図6を参照して説明する。ここでは、第1実
施形態の検出器10と、従来技術の検出器、即ち、セン
サは第1実施形態と同様であるが、センサへの加熱を急
激に行う従来技術の検出器を用いて試験を行った。この
試験では、40°Cの飽和水蒸気下で、間欠的に測定、
即ち、センサを加熱して炭酸ガス濃度の測定を行った
後、ヒータへの通電を停止して冷却するサイクルを繰り
返した。
ル数を、縦軸に検知電極−参照電極間の起電力を取って
ある。グラフ中のIは、第1実施形態の検出器10によ
る測定結果を示している。ここでは、1000回の加熱
−冷却を繰り返しても、検知電極−参照電極間の起電力
は340〜320mVの範囲にあり、性能が安定している
と共に、長い寿命を有している。
測定結果を示している。ここでは、数10回加熱−冷却
を繰り返した際に、測定が行い得なくなった。また、6
回加熱−冷却を繰り返した後に、急激に検知電極−参照
電極間の起電力が低下し、性能が劣化することが判明し
た。
出器について説明する。なお、この第2実施形態の検出
器の機械的構成は、図1を参照して上述した第1実施形
態と同様であるため説明を省略する。
150の構成を示している。第2実施形態の制御回路1
50は、ヒータ制御回路160の構成を除き、図4を参
照して上述した第1実施形態と同様である。第1実施形
態のヒータ制御回路60は、センサ20を低温で所定期
間加熱した後、高温まで加熱していた。これに対して、
第2実施形態のヒータ制御回路160では、電圧センサ
回路164が、ヒータ38に印加する電位を徐々に高
め、緩やかにセンサ20の温度を高めて行く。
回路160によるセンサ20の温度制御を示している。
該ヒータ制御回路160は、90秒かけてセンサの温度
を室温(約20°C)から約550°Cの高温まで徐々
に加熱することで、第1実施形態の検出器10と同様に
センサ20の副電極26に吸着された水分を徐々に揮発
させ、副電極26の気孔から水分を発散させた後に、高
温(センサの定常使用温度)までセンサ20の温度を高
めて行く。即ち、第2実施形態の検出器は、副電極26
に熱衝撃を与え、気孔を破壊することがないため、炭酸
ガス濃度の検出精度が劣化し難いと共に、長寿命を有す
る。
本発明の構成を副電極を有する炭酸ガスセンサに適用し
た例を挙げたが、本発明は、多孔質の部材を備えるセン
サを用いる種々の検出器及びセンサの制御方法に適用し
得ることは言うまでもない。
サの制御方法によれば、ヒータへ通電を開始する際に、
低温でセンサを加熱し、センサに吸着された水分を徐々
に揮発させ、センサの気孔から水分を発散させた後に、
高温(センサの定常使用温度)までセンサを加熱する。
即ち、センサに熱衝撃を与え、気孔を破壊することがな
いため、検出精度が劣化し難いと共に、長寿命を有す
る。
す斜視図である。
(B)は、図2(A)に示すセンサのB−B断面図であ
る。
示すブロック図である。
度制御を示すグラフであり、図5(B)は、第2実施形
態の検出器による温度制御を示すグラフである。
である。
示すブロック図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 ヒータを備える副電極構造のセンサと、
該センサ及びヒータへの通電を制御する制御回路を備え
た検出器において、 前記制御回路が、前記ヒータへの通電開始時に、センサ
を低温で加熱した後、定常使用温度になるよう加熱する
加熱手段を備えることを特徴とする検出器。 - 【請求項2】 ヒータを備える副電極構造のセンサと、
該センサ及びヒータへの通電を制御する制御回路を備え
た検出器において、 前記制御回路が、前記ヒータへの通電開始時に、センサ
を低温で加熱した後、定常使用温度になるよう制御する
ヒータ制御回路を備えることを特徴とする検出器。 - 【請求項3】 前記低温が100°C以下であることを
特徴とする請求項1又は2の検出器。 - 【請求項4】 前記センサが炭酸ガスセンサであること
を特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の検出
器。 - 【請求項5】 ヒータを備える副電極構造のセンサと、
該センサ及びヒータへの通電を制御する制御回路を備え
た検出器の制御方法において、 前記ヒータへの通電開始時に、センサを低温で加熱した
後、定常使用温度になるように制御することを特徴とす
るセンサの制御方法。 - 【請求項6】 前記低温が100°C以下であることを
特徴とする請求項5のセンサの制御方法。 - 【請求項7】 前記センサが炭酸ガスセンサであること
を特徴とする請求項5又は請求項6に記載のセンサの制
御方法 - 【請求項8】 ヒータを備える副電極構造のセンサと、
該センサ及びヒータへの通電を制御する制御回路からな
る検出器において、 前記制御回路が、前記ヒータへの通電開始時に、センサ
の定常使用温度まで徐々に加熱することで、該センサ中
に含まれる水分を揮発させた後に、定常使用温度になる
ように加熱する加熱手段を備えることを特徴とする検出
器。
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JP12420998A JP3523060B2 (ja) | 1998-04-17 | 1998-04-17 | 検出器及びセンサの制御方法 |
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