JP4165783B2 - Co2センサとその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の利用分野】
この発明は、室温付近で動作可能な固体電解質CO2センサとその製造方法とに関する。
【0002】
【従来技術】
固体電解質CO2センサとしては、Naイオン導電体を用いたもの等が良く知られているが、これらは400℃程度に加熱する必要がある。このためセンサの消費電力が大きく、用途に制限が生じる。なお特開平6−160343号は、PbSnF4を室温で動作する酸素センサとして用いることを提案しているが、CO2センサへの応用や、その場合の補助相の構成は検討していない。
【0003】
【発明の課題】
この発明の課題は、室温付近で動作可能なCO2センサとその製造方法を提供することにある(請求項1〜4)。
【0004】
【発明の構成】
この発明は、PbSnF4からなるフッ素イオン導電体の第1の面に第1の電極を形成し、第2の面に金属炭酸塩を含む補助相と第2の電極とを設けたCO2センサにある。第1の電極や第2の電極の材料としては、Au,Pt、Rh,Pdやこれらの合金等の貴金属や、LaNiO3,SrTiO3等の酸化物電極等を用いる。補助相は炭酸塩を含む物で有れば良く、例えばアルカリ金属の炭酸塩、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム等のアルカリ土類金属の炭酸塩、炭酸銀、塩基性炭酸銅や炭酸銅(Cu2CO3)、炭酸ニッケル等の遷移金属元素の炭酸塩、あるいは炭酸鉛等の典型元素の金属炭酸塩等を用いる。補助相と第2の電極は混合物として形成しても良く、あるいは補助相上に第2の電極を形成しても良い。
好ましくは、前記第1電極と第2電極とがそれぞれ貴金属からなり、前記補助相が金属炭酸塩と金属酸化物との混合物からなる。
最も好ましくは、補助相は金属炭酸塩、特にアルカリ金属炭酸塩、と酸化銅の混合物からなる。また好ましくは、第1や第2の電極中に金網を埋設し、この金網にリードを取り付ける。
【0005】
この発明のCO2センサの製造方法では、PbSnF4の粉体を板状体にプレス等で成型し、該板状体の第1の面に貴金属電極の第1のペーストを塗布する。そして前記板状体の第2の面に貴金属の第2のペーストと金属炭酸塩の混合物を塗布し、もしくは前記第2の面に金属炭酸塩層をプレス成型等で形成した後、該金属炭酸塩相上に貴金属の第2のペーストを塗布する。そして前記第1のペーストを焼成せずに第1の電極に、前記第2のペーストを焼成せずに第2の電極にする、CO2センサの製造方法にある。ここに焼成せずにとは、塗布後のペーストの最高熱経験温度が200℃以下、好ましくは150℃以下であることを意味する。ここでの金属炭酸塩とは金属炭酸塩を含む物質、例えば金属炭酸塩自体や、金属炭酸塩と金属酸化物との混合物を意味する。
【0006】
【発明の作用と効果】
発明者は、PbSnF4をフッ素イオン導電性の固体電解質とし、金属炭酸塩を含む補助相を設けて、補助相側に検出極を、反対面に参照極を設けると、室温付近で動作するCO2センサが得られることを見出した。ここで補助相をアルカリ金属等の金属の炭酸塩と酸化銅との混合物とすると、室温でも動作するCO2センサとなることを見出した。
【0007】
固体電解質のPbSnF4は耐熱性の低い物質であり、電極材料は例えばペーストとして塗布し、焼成せずに、例えば乾燥のみで電極とする。
【0008】
【実施例】
図1〜図3に実施例を示す。少量のHF水溶液を加えたSnF2の水溶液に、水が60Vol%でメタノールが40Vol%の混合溶媒にPb(NO3)2を溶かした溶液を滴下し、PbSnF4を沈殿させた。この沈殿を濾過し、冷水で洗浄し、室温で例えば72時間減圧下に乾燥させて、PbSnF4の粉体を得た。得られたPbSnF4の粉体をセンサ1個当たり4g用いて、20MPaで5分間1軸に加圧成型し、ついで1分間静水圧で150MPaに加圧し、直径20mm厚さ2mmのディスク状にプレス成型した。
【0009】
このようにして得たPbSnF4のディスクを用いたCO2センサ2を図1に示す。4はPbSnF4のディスクで、周知のようにフッ素イオン導電性の固体電解質である。6はAuペースト等の貴金属からなる参照極、8はAuペースト等の貴金属からなる検出極で、10は金属炭酸塩を含む補助相であり、12,12は参照極6と検出極8中に埋設したAu金網で、金以外にも任意の金網を用いることができ、このAu金網12,12に一対の金リード14,14を固定する。このようにAu金網12を電極6,8中に埋設するのは、金リード14の電極6,8への取付強度を改善すると共に電極の集電作用を高めるためである。
【0010】
補助相10の形成方法には2通りの方法を用いたが、CO2の検出特性はいずれも同等であった。第1の方法では、検出極8の材料と補助相10の材料とを予め混合したものを用い、例えば補助相10に用いる金属炭酸塩と金属酸化物の混合物や金属炭酸塩に、金ペースト等の貴金属のペーストを混合して、ディスク4の表面に塗布する。またディスク4の他の表面には、同様に金ペーストを塗布し、乾燥させて参照極6とする。金ペーストに代えてプラチナペーストやロジウムペーストその他の貴金属ペースト等を用いても良く、ガラスフリットを含まず、有機溶媒と接着剤とに貴金属粉末を分散させたペースト等を用いる。検出極8と補助相10とを一体にしたものを、一体型と呼ぶことにする。
【0011】
補助相10の形成の第2の方法では、金属炭酸塩と金属酸化物の混合物、あるいは単味の金属炭酸塩等からなる補助相材料をディスク4の上部に重ねて再度プレス成型を行い、補助相10を形成する。そしてこの補助相10の上部に検出極8の元となる金等の貴金属ペーストを塗布し、乾燥して検出極8とする。同様に、ディスク4の他面に金等の貴金属ペーストを塗布し、乾燥して参照極6とする。補助相10と検出極8とを分離したものを、分離型と呼ぶ。
【0012】
一体型の場合も分離型の場合も、PbSnF4ディスク4の耐熱温度が低いので、電極6,8の形成に用いたペーストは例えば50℃あるいは80℃等の乾燥に止めて、焼成は行わないようにする。そしてこのような乾燥により、ペースト中の有機溶媒のみを除去して電極6,8とする。
【0013】
得られたCO2センサ2を流通系に配置し、25℃あるいは50℃でCO2濃度を変えた際の起電力の変化を測定した。図2,図3は、補助相10としてNa2CO3とCuOとの重量比で1:1の混合物を用いた際の結果を示し、補助相10と検出極8(金ペースト)とを混合した一体型である。またここでLi2CO3やAg2CO3あるいはPbCO3等の他の金属炭酸塩とCuOとの混合物を用いても良い。図2の測定温度は25℃で、CO2センサ2はCO2濃度の増加により起電力が減少し、補助相10として金属炭酸塩とCuOとの混合物を用いると、室温で動作するCO2センサが得られる。室温動作のCO2センサが得られる条件は、現在までのところ、補助相10にCuOと金属炭酸塩の混合物を用いることであり、金属炭酸塩とCuOとの混合比を1:1としても、金属炭酸塩が95でCuOが5としても、同様に動作したので、広い組成範囲に渡って室温で動作する。
【0014】
図3にNa2CO3とCuOとを1:1に混合した一体型CO2センサでの、1200ppmのCO2に対する感度と、1200ppmのイソブタン及び100ppmのCOに対する感度とを示す。感度はいずれもCO2が0ppmの状態からの起電力の変化で示す。図から明らかなように、1200ppmのCO2への感度は同じ濃度のイソブタンへの感度や100ppmのCOへの感度よりも十分に大きく、実用上CO2のみに感応するセンサが得られた。
【0015】
CO2センサ2が室温で動作する条件は、補助相10にCuOを混合することであった。表1に補助相10の組成を種々に変化させた場合の、25℃でのCO2感度を示す。CuOを補助相10に加えない場合、室温でCO2感度を得ることはできなかった。
【0016】
【表1】
【0017】
これに対して、50℃でのCO2感度を表2に示す。補助相10に単味のPbCO3やAg2CO3を用いると、25℃ではCO2感度が実際上得られなかったが、50℃ではCO2感度が得られた。これらのことから、50℃駆動であれば、補助相10は単なる金属炭酸塩でも良いことが明らかである。
【0018】
【表2】
【0019】
補助相10にCuOを混合すると、25℃でもCO2感度が得られる理由を検討する。図2の起電力のCO2濃度依存性にネルンストの式を適用すると、反応電子数は0.7となる。即ち室温では補助相10と周囲の雰囲気との間で平衡が成立していない。このことから、CuOは補助相10と周囲の雰囲気との間のCO2の移動に対する一種の触媒として作用しているものと思われる。次に表1に示したように、金属酸化物としてCuO以外に、SnO2やRuO2,La2O3,CoO,CrO3等を用いたが、このうちで室温でのCO2感度を発生させたものはCuOのみであった。多数の金属酸化物の中で、CuOのみが有効な理由は不明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例のCO2センサの断面図
【図2】 実施例のCO2センサの、25℃での、CO2濃度と起電力との関係を示す特性図
【図3】 実施例のCO2センサの、25℃での、CO2とイソブタン並びにCOへの感度の比較を示す特性図
【符号の説明】
2 CO2センサ
4 PbSnF4ディスク
6 参照極
8 検出極
10 補助相
12 Au金網
14 金リード
Claims (4)
- PbSnF4からなるフッ素イオン導電体の第1の面に第1の電極を形成し、第2の面に金属炭酸塩を含む補助相と第2の電極とを設けたCO2センサ。
- 前記第1電極と第2電極とがそれぞれ貴金属からなり、前記補助相が金属炭酸塩と金属酸化物との混合物からなることを特徴とする、請求項1のCO2センサ。
- 前記補助相が、金属炭酸塩と酸化銅の混合物からなることを特徴とする、請求項2のCO2センサ。
- PbSnF4の粉体を板状体に成型し、該板状体の第1の面に貴金属電極の第1のペーストを塗布し、第2の面に貴金属の第2のペーストと金属炭酸塩の混合物を塗布、もしくは前記第2の面に金属炭酸塩層を形成した後、該金属炭酸塩相上に貴金属の第2のペーストを塗布し、前記第1のペーストを焼成せずに第1の電極に、前記第2のペーストを焼成せずに第2の電極にする、CO2センサの製造方法。
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