JP3183387B2 - 炭酸ガス測定ユニットの信号ベースライン値の補正方法及び炭酸ガス測定ユニット - Google Patents

炭酸ガス測定ユニットの信号ベースライン値の補正方法及び炭酸ガス測定ユニット

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭酸ガス濃度を検
出する検出手段と、検出手段によって検出された信号値
を補正・校正して炭酸ガス濃度値に換算する補正校正手
段とを有する炭酸ガス測定ユニットに関する。このもの
は、例えば、表示ユニットに接続されて炭酸ガス濃度測
定器となり、また、警報ユニットに接続されて炭酸ガス
警報器を構成するものである。
【0002】
【従来の技術】炭酸ガス警報器は、その炭酸ガス検出手
段に固体電解質型センサ、あるいは赤外線式センサ等の
炭酸ガスセンサを有し、その検出手段から送られてきた
信号値を予め設定されている要警報濃度と比較して、そ
の値より高い場合に異常が検出されたとして光(赤ラン
プ等)あるいは音(ブザー等)等により警告を行うもの
であり、安全ないし保安、あるいは、好気性菌による廃
水処理における曝気処理制御などに広く用いられてい
る。
【0003】このような警報器では、長期間の使用の結
果、検出手段の出力のベースラインがドリフトして必要
な場合でも警告を行なわない、あるいは誤警報するおそ
れがあり、そのため定期的に補正・校正される必要があ
る。しかし、その補正・校正には手間、時間が必要であ
る。これら手間、時間等を省くため、例えば特開平7―
270315号公報などで補正・校正を自動的に行う補
正校正手段が提案された。この従来技術では2つの検出
手段を有し、それら2つの検出手段の出力のベースライ
ンのドリフトが等しいものとして補正・校正を行ってい
た。
【0004】しかしながら、複数の検出手段において、
ベースラインのドリフトの完全に等しいことは期しがた
く、そのため信頼性が低いこと、また複数の検出手段を
有するため装置のコンパクト化が困難となり、またコス
トの上昇を招くことが問題となり、簡便なベースライン
の補正方法が求められていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の問題点を解決する、1つの検出手段で簡便に行うこ
とができる炭酸ガス測定ユニットの信号ベースライン値
の補正方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するため、請求項1に記載のように、検出手段によっ
て検出される炭酸ガス濃度の信号値が基準濃度未満とな
ったとき、その信号値が基準濃度に一致するよう信号ベ
ースライン値を設定し、かつ、検出手段によって検出さ
れる炭酸ガス濃度の信号値が最も低くなる時刻、すなわ
ち最低信号時刻を調べ、その最低信号時刻から信号ベー
スライン値の補正を行う補正時刻を決定し、その補正時
刻に検出手段により検出された炭酸ガス濃度の信号値を
第2基準濃度に一致するよう信号ベースライン値を補正
する構成を有する。
【0007】
【発明の実施の形態】ここで、基準濃度とは、通常の空
気内での炭酸ガスの濃度であり、本発明においては、通
常、空気中の炭酸ガス濃度が基準濃度未満にはならない
ことを利用するものである。なお、基準濃度は通常の空
気中に存在する二酸化炭素濃度であって、化学便覧(改
訂3版)では330ppm、理科年表(平成8年度版)
では320ppmである旨記載されている。これらのよ
うな文献に記載された値のいずれか、あるいはそれらの
平均値を用いても良いが、通常の環境での観測ではこれ
ら値は通常観測されず、それらより若干高めの350p
pmを基準濃度として用いることが望ましい。このよう
に検出手段からの信号値が基準濃度未満になったとき
に、信号ベースライン値を補正してその信号値を基準濃
度に設定すること(このような補正を以下「一次補正」
と云う)により、実際に検出手段が測定する雰囲気中の
炭酸ガス濃度が要警報濃度に達した際に確実に警報を発
することができる。
【0008】なお、検出手段によって検出される炭酸ガ
ス濃度の信号値が基準濃度未満となったとき、その信号
値が基準濃度に一致するよう信号ベースライン値を設定
するだけの構成では、ベースラインが下方へのドリフト
した際の補正が可能になったが、上方へドリフトした場
合には対処できず、したがって、実際には低い二酸化炭
素濃度であるにも係わらず要警報濃度であるとして誤警
報を行う可能性がある。この問題は、本発明では次に示
すように解決することができる。すなわち、通常、人間
が出入りするような室内(化学工場等で24時間稼働し
ている場所を除く)では、夜間に二酸化炭素濃度が低下
する。このような場所で種々検討を行ったところ、昼間
人間が出入りする時間帯に高くなった二酸化炭素濃度は
夜間徐々に低下するが、最低でも400ppm程度まで
しか下がらないことが判った(図1参照)(このような
レベルの二酸化炭素濃度を本発明では「第2基準濃度」
と云う)。
【0009】そこで、この事実を応用すれば、上記一次
補正だけの場合より、さらに正確にベースラインの補正
を行うことが可能であることが判った。その補正方法と
して検出手段からの信号値のその日の最低値を予め決定
した第2基準濃度になるよう信号ベースライン値を補正
することも可能であるが、この場合、最大で50〜80
ppmの誤差が生じる可能性がある。そのため、種々検
討を行ったところ、検出手段からの信号値が最低となる
時刻(以下「最低信号時刻」と云う)は毎日ほぼ同じ時
刻である(図1参照)ものの、若干ずれがあることを利
用して、上記誤差を減少させることが可能であることが
判った。
【0010】すなわち、前日に検出手段が最低濃度を検
出した時刻の重みを1として、それ以前1日さかのぼる
毎に1/2ずつ乗する重みを付してその日の補正時刻
(本発明では「補正時刻」とは「信号ベースライン値を
補正する時刻」を指す)を決定し、この補正時刻に検出
された炭酸ガス濃度の信号値を第2基準濃度に一致する
よう信号ベースライン値を補正する(このような補正を
以下「二次補正」と云う)。この二次補正をおこなえ
ば、通常とは大幅に異なった時刻が最低信号時刻となっ
た場合にも、その影響を受けることが少ない。
【0011】なお、上記補正の際に、特異的に濃度の低
下が少ない日があった場合、信号ベースライン値が大幅
に狂うことが予想されるが、この信号ベースライン値の
狂いは、次の日の補正か、あるいは、その信号ベースラ
イン値による補正された炭酸ガス濃度値が350ppm
未満となったときに上記一次補正により補正される。こ
のような二次補正を上記一次補正と組み合わせることに
より、測定精度を長期的に安定させることが可能とな
る。なお、病院や工場等炭酸ガス濃度が一日中高く維持
される可能性のある場所に炭酸ガスセンサを設置しこの
ような二次補正を行う場合には、予め二次補正レベルを
500〜600ppmに設定することにより、誤差を少
なくすることが可能である。
【0012】このような炭酸ガス測定ユニットの信号ベ
ースライン値の補正方法を実施した炭酸ガス警報器の例
を示す。図2に炭酸ガス警報器の一例のブロック図を示
す。図中符号A1を付して示されているのは炭酸ガス濃
度を検出する検出手段である。これは、例えば固体電解
質型炭酸ガスセンサ、あるいは、赤外線式炭酸ガスセン
サ等、通常用いられる二酸化炭素センサ及びその駆動に
必要な電源や各種温度補償回路や信号増幅回路等を含
む。
【0013】一方、符号A2で示されているのは、検出
手段A1によって検出される炭酸ガス濃度の信号値が基
準濃度未満となったときその信号値が基準濃度に一致す
るよう信号ベースライン値を設定する一次補正、及び、
検出手段A1によって検出される炭酸ガス濃度の信号値
が最も低くなる時刻すなわち最低信号時刻を調べ、前日
の最低信号時刻の重みづけを1としてそれ以前1日さか
のぼる毎に1/2ずつ乗する重みづけをそれぞれの最低
信号時刻におこなってその日の補正時刻を決定しその補
正時刻に検出手段A1により検出された炭酸ガス濃度の
信号値を第2基準濃度に一致するよう信号ベースライン
値を補正する二次補正を行う補正校正手段である。測定
ユニットAはこれら検出手段A1及び補正校正手段A2
により構成されている。
【0014】この測定ユニットAの補正校正手段A2に
よって補正・校正された炭酸ガス濃度データは警報ユニ
ットBの警報判断手段B1に入力され、別途定められた
要警報濃度と比較されて、必要に応じて警報手段B2に
より警報が発せされる。なお、上記炭酸ガス測定ユニッ
トAは、警報ユニットBの代わりに、濃度表示手段を有
する表示ユニット(図示せず)に接続されれば、炭酸ガ
ス警報器ではなく炭酸ガス測定器が形成される。
【0015】以下、上記本発明に係る炭酸ガス測定ユニ
ットを用いる炭酸ガス警報器の例についてさらに詳細に
説明する。図3(a)は本発明に係る固体電解質型炭酸
ガスセンサを用いる炭酸ガス警報器の回路図である。符
号1で示されるのが検出部であり、センサ及びその付属
回路からなる。符号1aは固体電解質型炭酸ガスセンサ
のセンサ素子、符号1bは固体電解質型炭酸ガスセンサ
のヒータ部でありセンサ素子1aを測定適温に保つ。な
お、これら1a及び1bで固体電解質型炭酸ガスセンサ
が構成されている。
【0016】符号1cは上記センサのヒータ部1bに接
続された電圧印加回路である。この電圧印加回路1c
は、後述するマイクロプロセッシングユニット2の出力
ポート2oaに出力される信号の変化によりセンサのヒー
タ1bに高電圧及び低電圧の2段階の電圧を印加するも
のである。即ち、出力信号として出力ポート2oaにHi
が出力されたときは高電圧が、出力信号として出力ポー
ト2oaにLoが出力されたときは低電圧がヒータ1bに
印加される。なお、この電圧印加回路1cは具体的には
スイッチ機構と電源回路とを組み合わせて構成されてい
る。
【0017】ここで、ヒータ1cに高低2段階の電圧が
印加できるようになっているのは、次の理由による。固
体電解質型炭酸ガスセンサのセンサ素子1aは、固体電
解質膜を挟んで2つの電極が配されている構造を有し、
それぞれの電極付近の炭酸ガス濃度の違いにより生じる
起電力を測定するものである。このような固体電解質型
炭酸ガスセンサのセンサ素子は、充分なセンサ感度を得
るために、その固定電解質における炭酸イオンによる導
電性が良好な350℃〜450℃に加熱される必要があ
り、上記高低2段階の電圧のうち、低電圧はこの温度を
保持するためのものである。ところが、電源投入前の固
体電解質膜には水分等が吸着されていて、電源投入直
後、これら吸着物質が脱着するためセンサ素子出力は急
激に高くなり、ゼロ信号時の出力値である基準レベルを
越えてしまい、出力値が基準レベルに戻るまでには数時
間ないし数日間を要する。
【0018】ここでヒータ部1bに高電圧を印加して、
センサ素子を劣化しない程度の高温(470℃〜550
℃)に保つことによって、吸着物質を速やかに放出させ
る処理、即ち、いわゆるヒートアップ処理によって、こ
のセンサ出力の基準レベルへの復帰に要する時間を数分
程度へと短縮することが可能である。なお、上記ヒート
アップ処理の処理時間は、基準レベルへの復帰までに必
要となる時間を大きく左右する。このヒートアップ処理
には最適処理時間が存在し、ヒートアップ処理時間が、
最適処理時間より短くても長くても、センサ素子1aの
出力の安定までに要する時間の短縮効果が少ないことが
判った。
【0019】ここで、ヒートアップ処理の最適処理時間
(y)について、種々検討を行ったところ、ヒータ1b
による加熱開始から基準レベル(350ppm〜400
ppm)を越えるまでに必要な時間xと、そのセンサ固
有の値であるa及びbから、演算ax+bによって求め
られることが判った。
【0020】図3(a)において、センサ素子1aの出
力信号はインピーダンス変換回路1d、温度補正回路1
e及び増幅回路1fによって変換・補正及び増幅された
のち、A/Dコンバータ付きの入力ポート2iaからマイ
クロプロセッシングユニット(以下、「MPU」と云
う)2内に取り込まれ、入力ポート2ia内で出力に応じ
た数値に変換される(なお、この入力ポート2iaにより
得られた値を以下「センサ出力」と云う)。
【0021】MPU2には、上記入力ポート2iaに加え
て、要警報濃度設定スイッチ3にセットされた要警報濃
度をMPU2内に取り込むための入力ポート2ib、前述
の電圧印加回路1cの制御信号を送出するための出力ポ
ート2oa、及び警報手段であるLED報知部4を制御す
る信号を送出するための出力ポート2ob、また、制御プ
ログラム、センサ定数a及びb、基準レベル値などを格
納したROM2ro(図2(b)参照)及び、二次補正のた
めの計時データ(以下、「タイマT1」と云う)、電源
投入からの経過時間の計時データ(以下、「タイマT
2」と云う)、ヒートアップ処理のための計時データ
(以下、「タイマT3」と云う)や任意のスタート時間
からの経過時間の計時データ(以下、「タイマT4」と
云う)、あるいは、各種制御用変数x、y、Tmin1(最
低信号時刻)およびTmin2(補正時刻)、信号ベースラ
イン値Baの各種のデータなどを格納するRAM2ra
(図2(c)参照)、上記プログラムを実行するためのセ
ントラルプロセッシングユニット(以下、「CPU」と
記述する)2cpを内蔵している。
【0022】なお、上記タイマT1は0から24時間ま
での計時データであり、これは後述するように24時間
を越えると再度0から計時するようになっており、本実
施例に関する説明においてはこのタイマT1が0になっ
たときからの24時間を「1日」として扱う。すなわ
ち、電源投入から24時間後までを初日、24時間超4
8時間までを2日目と云う。
【0023】図3に符号3を付して示される要警報濃度
設定スイッチはスライドスイッチにより構成されてお
り、要警報濃度を設定するために用いる。要警報濃度と
してはこの警報装置の場合700ppm、1400pp
m、あるいは2400ppmが設定可能となっている。
MPU2の出力ポート2obにはLED報知部4が接続さ
れている。このLED報知部4には緑色の発光ダイオー
ド4g及び赤色の発光ダイオード4rがあり、出力ポー
ト2obに信号Gblが出力された際には緑色の発光ダイオ
ード4gを点滅させ、信号Gonが出力された際にはこの
緑色の発光ダイオード4gを連続点灯させ、一方、信号
Ronが出力された際には赤色の発光ダイオード4rを連
続点灯させる。
【0024】上記炭酸ガス警報器の動作を流れ図(図4
〜7)及び説明図(図8)を用いて説明する。まず、図
3に示すように、電源投入により制御プログラムがスタ
ートし、ステップS1に示されるように信号Gblが出力
ポート2oaに出力され、その結果、LED報知部4の緑
色の発光ダイオード4gが点滅し(図8参照)、この炭
酸ガス警報器に電源が投入されたことを示す。
【0025】ステップS2でタイマT1及びタイマT2
がスタートし、次いで、出力ポート2obに信号Hloが出
力され(ステップS3)、ヒータ1bに低電圧が印加さ
れてセンサ素子1aの加熱が開始される。ステップS4
でその状態が10秒間保持された後、ステップS5で信
号Hhiが出力ポート2obに出力され、電圧印加手段1c
によりヒータ1bに高電圧が印加され、ヒートアップ処
理が行われる(S5)。なお、このようにヒータ1bに
一旦低電圧が印加された後にヒートアップ処理が行われ
るのは、急激な昇温によるセンサ素子1aの劣化や損傷
を予防するためである。
【0026】ヒートアップ処理開始とともにステップS
6で、ヒートアップの最適処理時間を求めるため、タイ
マT2がスタートする。センサ出力が基準レベルL(こ
の炭酸ガス警報器では400ppm)に達した際(ステ
ップS7)にタイマT3の値(x)及びセンサ固有の値
であるa、bからヒートアップ処理の最適処理時間
(y)を求め(ステップS8及びS9)、ヒートアップ
処理時間(タイマT2の値)が最適処理時間(y)ある
いは120秒のいずれかに達するまで(ステップS10
及びステップS11)ヒートアップ処理を行う。なお、
ここでヒートアップ処理を最長でも120秒としたの
は、ヒートアップ処理を120秒を越えて行うとセンサ
素子1aが劣化するおそれがあり、その劣化防止のため
である。
【0027】ヒートアップ処理を終了すべき時間に達し
たら、信号Hloを出力ポート2obに出力し、ヒータ1b
へ印加する電圧を低電圧とする(ステップS12)。次
いで、図5に示すように、タイマT4によりセンサ出力
が安定するまでの時間として130秒経過後(ステップ
S13、ステップS14)に測定状態に入る。ここで、
センサ出力のベースラインが落ち着かず、その値が高い
ために測定状態になった瞬間に誤警報を出すおそれがあ
る。そのためこの測定状態に入った際のセンサ出力が4
00ppmより高い場合には、これが400ppmにな
るよう信号ベースライン値Baを補正した後(ステップ
S15及びステップS16)、信号Gonを出力ポート2
obに出力して(ステップS17)、LED報知部4の緑
色の発光ダイオード4gを点灯させ、この炭酸ガス警報
器が測定状態にあることを示す(図8参照)。
【0028】図6に測定開始以降の動作のフローチャー
トを示す。センサ出力を信号ベースライン値Baにより
補正した炭酸ガス濃度値(以下「補正後の濃度値」と云
う)が基準濃度(この実施例では350ppm)未満で
ある場合には、信号ベースライン値Baを変更して、補
正後の濃度値を350ppmに一致させる(ステップS
18及びステップS19)。これらステップS18及び
S19は一次補正に係わるものである。
【0029】補正後の濃度値を、要警報濃度設定スイッ
チ3に設定された要警報濃度(入力ポート2iaに入力さ
れている)と比較し(ステップS20)、要警報濃度以
上の場合には、信号Ronを出力ポート2oaからLED報
知部4に出力して、その赤色の発光ダイオード4rを点
灯させる(ステップS21)。なお、この赤色の発光ダ
イオード4rの点灯の代わりに(あるいは同時に)ブザ
ー等で要警報濃度以上の炭酸ガス濃度値となったことを
報知しても良い。またこの警報手段に別途設けた換気手
段を連動させて、警報を行うと共に検知雰囲気の換気に
よる改善を行っても良い。
【0030】なお、上記ステップS20で補正後の濃度
値が、要警報濃度未満の場合には信号Rofを出力ポート
2oaからLED報知部4に出力して(ステップS2
2)、その赤色の発光ダイオード4rが点灯している場
合には消灯させる。次いで、ステップS23〜ステップ
S33により二次補正について述べる。ステップS23
でセンサ出力がその日の最小値になったか調べ、最小値
になった場合にはその時刻をタイマT1から読み込んで
最低信号時刻Tmin1として保存する(ステップS2
4)。
【0031】次に図7に示すように、ステップS25で
は電源投入から24時間以上経過したかどうか調べ、経
過していない場合にはステップS26で上記最低信号時
刻Tmin1の値を補正時刻Tmin2へ複写したのち
ステップS18(図6参照)に戻り、上記ステップS1
8〜ステップS26を順次繰り返し、この間、必要に応
じ一次補正を行い、また、補正後の濃度値が要警報濃度
に達している場合には警報を行う。このように電源投入
から24時間(初日)はステップS18〜ステップS2
6を繰り返すが、その後(2日目以降)にはステップS
25からステップS27に進む。
【0032】すなわちタイマT1の値を調べこれが上記
Tmin2(補正時刻:2日目の場合には初日のセンサ
出力が最小値となった時刻)に一致する場合には、ステ
ップS28でそのときのセンサ出力の値を第2基準レベ
ル(本実施例では400ppm)であるとして、ベース
ライン変数Baを補正する(二次補正)。ステップS2
9でタイマT1が24時間以上の値となっていた場合に
は、1日日付が進んだとして、ステップS30でタイマ
T1の値から24時間を減じた後ステップS31で前日
の最低信号時刻Tmin1の値と前日の補正時刻Tmi
n2の値との相加平均を行い、その結果をその日の補正
時刻Tmin2として保存する。この相加平均により、
その補正時刻Tmin2は、前日の最低信号時刻の重み
づけを1として、それ以前1日さかのぼる毎に1/2ず
つ乗する重みづけをそれぞれの最低信号時刻におこなっ
てその日の補正時刻が決定される。その後、ステップS
18(図6参照)に戻り、上記ステップS18〜ステッ
プS31を順次繰り返し、一日1回二次補正を行い、ま
た、必要に応じて一次補正を行い、さらに、補正後の濃
度値が要警報濃度に達している場合には警報を行う。
【0033】このような本発明に係る炭酸ガス警報器は
上記説明からも明らかなように、検出部1は図2のブロ
ック図の炭酸ガス測定ユニットAの検知手段A1に、M
PU3は要警報濃度設定スイッチと共に炭酸ガス測定ユ
ニットAの補正構成手段A2及び警報ユニットBの警報
判断手段B1に、また、LED報知部4は警報ユニット
Bの警報手段B2に該当する。
【0034】
【発明の効果】本発明の炭酸ガス測定ユニットは、検出
手段によって検出される炭酸ガス濃度の信号値が基準濃
度未満となったとき、その信号値が基準濃度に一致する
よう信号ベースライン値を設定する構成を有するため、
炭酸ガス測定ユニットの信号ベースライン値の補正を、
1つの検出手段で、かつ、簡便に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】通常人間が出入りする室内での二酸化炭素の周
期的な変化を示す図である。
【図2】炭酸ガス警報器の一例のブロック図である。
【図3】固体電解質型炭酸ガスセンサを用いる炭酸ガス
警報器の回路図である。
【図4】実施例の炭酸ガス警報器の動作を示す流れ図で
ある。
【図5】実施例の炭酸ガス警報器の動作を示す流れ図で
ある。
【図6】実施例の炭酸ガス警報器の動作を示す流れ図で
ある。
【図7】実施例の炭酸ガス警報器の動作を示す流れ図で
ある。
【図8】実施例の炭酸ガス警報器の動作の説明図であ
る。
【符号の説明】
A1 検出手段 A2 補正校正手段 1 検出部 1a 固体電解質型炭酸ガスセンサのセンサ素子 1b 固体電解質型炭酸ガスセンサのヒータ部 1c 電圧印加回路 1d インピーダンス変換回路 1e 温度補正回路 1f 増幅回路 2 MPU 2cp CPU 2ia 入力ポート 2ib 入力ポート 2oa 出力ポート 2ob 出力ポート 2ra RAM 2ro ROM 3 要警報濃度設定スイッチ 4 LED報知部4 4g 緑色の発光ダイオード 4r 赤色の発光ダイオード Ba 信号ベースライン値
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G01N 27/26 381 G01N 27/26 381B 27/416 27/46 376 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 27/00 G01N 21/59 G01N 21/61 G01N 27/26 371 G01N 27/26 381 G01N 27/416

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検出手段によって検出される炭酸ガス濃
    度の信号値が基準濃度未満となったとき、その信号値が
    基準濃度に一致するよう信号ベースライン値を設定し、
    かつ、検出手段によって検出される炭酸ガス濃度の信号
    値が最も低くなる時刻、すなわち最低信号時刻を調べ、
    その最低信号時刻から信号ベースライン値の補正を行う
    補正時刻を決定し、その補正時刻に検出手段により検出
    された炭酸ガス濃度の信号値を第2基準濃度に一致する
    よう信号ベースライン値を補正することを特徴とする炭
    酸ガス測定ユニットの信号ベースライン値の補正方法。
  2. 【請求項2】 上記補正時刻の決定に際し、前日の最低
    信号時刻の重みづけを1として、それ以前1日さかのぼ
    る毎に1/2ずつ乗する重みづけをそれぞれの最低信号
    時刻におこなってその日の補正時刻を決定することを特
    徴とする請求項1に記載の炭酸ガス測定ユニットの信号
    ベースライン値の補正方法。
  3. 【請求項3】 炭酸ガス濃度を検出する検出手段と、検
    出手段によって検出される炭酸ガス濃度の信号値が基準
    濃度未満となったときその信号値が基準濃度に一致する
    よう信号ベースライン値を設定し、かつ、検出手段によ
    って検出される炭酸ガス濃度の信号値が最も低くなる時
    刻すなわち最低信号時刻を調べ、その最低信号時刻から
    センサ出力の補正を行う補正時刻を決定し、その補正時
    刻に検出手段により検出された炭酸ガス濃度の信号値を
    第2基準濃度に一致するよう信号ベースライン値を補正
    する補正校正手段とを有することを特徴とする炭酸ガス
    測定ユニット。
  4. 【請求項4】 上記補正時刻の決定に際し、前日の最低
    信号時刻の重みづけを1として、それ以前1日さかのぼ
    る毎に1/2ずつ乗する重みづけをそれぞれの最低信号
    時刻におこなってその日の補正時刻を決定するものであ
    ることを特徴とする請求項3に記載の炭酸ガス測定ユニ
    ット。
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