JP4758791B2 - ガス濃度測定装置及びガス濃度測定方法 - Google Patents

ガス濃度測定装置及びガス濃度測定方法 Download PDF

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本発明は、ガス濃度測定装置及びガス濃度測定方法に関し、より詳細には、吸着した被検ガスに感応して接触燃焼式ガスセンサが出力したセンサ出力に基づいて前記被検ガスの濃度を測定するガス濃度測定装置及びガス濃度測定方法に関するものである。
ガス漏れ警報器は、測定環境への燃料ガス、可燃ガスの漏出を検出し、警報を行うものであり、家庭用、業務用を問わず厨房や居室などで広く用いられている。このようなガス漏れ警報器としては、検出方法の違いにより、接触燃焼式ガスセンサ、および、酸化錫(SnO2)を主剤とする半導体式素子を備えた半導体式ガス漏れ警報器に大別される。
このような警報器では、長期間の使用の結果、接触燃焼式ガスセンサ等の検出手段の出力のエアベース(ベースライン)がドリフトして必要な場合でも警告を行わない、或いは誤警報する畏れがあり、そのため定期的に補正・校正する必要があった。しかしながら、その補正・校正には手間、時間が必要であったことから、その手間、時間を省くために、従来から各種方法が提案されてきた。
例えば、間欠駆動するガス警報器等においては、ガスセンサの経時劣化、環境変化、又は電気回路を起因とするエアベースの変動に対応するため、エアベースを定期的に(例えば数時間毎に)取得し、前回の結果と比較しながらエアベースの補正操作を行い、ガスを検出したときの精度を補償している(特許文献1参照)。
また、エアベースを取得するための基準ガスは、容器から供給された高純度空気又はセンサ前段に配置された活性炭やゼオライト等の吸着材を通して得られた清浄空気が用いられる。濃度の計測は、基準ガスをガスセンサへ導入してエアベースを取得した後、ガスラインを切り換えて被検ガスを導入する(特許文献2参照)。
特許第3183387号公報 特開2005−180996号公報
しかしながら、エアベース校正用のガス容器や吸着材を用いる場合は、それらを定期的に交換する必要があったため、その交換にコストがかかってしまうという問題があった。また、可搬型や携帯型の検知器及び小型の分析器にとって、容器、吸着材及び複数の流路を必要とするために装置を大型化させたり、切り換え操作などの複雑なシステム構成になってしまうという問題があった。
よって本発明は、上述した問題点に鑑み、エアベースの取得をより低コストで簡単かつ精度良く行うことができるガス濃度測定装置及びガス濃度測定方法を提供することを課題としている。
上記課題を解決するため本発明によりなされた請求項1記載のガス濃度測定装置は、図1の基本構成図に示すように、吸着した被検ガスに感応してセンサ出力を出力する接触燃焼式ガスセンサ40と、前記接触燃焼式ガスセンサ40のセンサ出力に基づいて前記被検ガスの濃度を測定する濃度算出手段11aと、を有するガス濃度測定装置において、前記被検ガスが前記接触燃焼式ガスセンサ40に吸着するように前記接触燃焼式ガスセンサ40の通電を停止した後に、該吸着した被検ガスを燃焼する燃焼温度となるように前記接触燃焼式ガスセンサ40に通電する制御を行う燃焼用制御手段11bと、前記燃焼温度から周囲温度まで低下するように前記接触燃焼式ガスセンサ40の通電を停止した後に、前記被検ガスが吸着していない状態の前記接触燃焼式ガスセンサ40に通電する制御を行うエアベース用制御手段11cと、を有するとともに、前記濃度算出手段11aが、前記燃焼用制御手段11bによる通電に応じた前記接触燃焼式ガスセンサ40の燃焼時センサ出力と前記エアベース用制御手段11cによる通電に応じた前記接触燃焼式ガスセンサ40のエアベース時センサ出力とに基づいて前記被検ガスの濃度を算出するようにしたことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、図1の基本構成図に示すように、請求項1に記載のガス濃度測定装置において、前記濃度算出手段11aが、連続する前記燃焼時センサ出力及び前記エアベース時センサ出力に基づいて前記被検ガスの濃度を算出するようにしたことを特徴とする。
上記課題を解決するため本発明によりなされた請求項3記載のガス検知方法は、吸着した被検ガスに感応したセンサ出力を出力する接触燃焼式ガスセンサを用いて前記被検ガスの濃度を測定するガス濃度測定方法であって、前記被検ガスが前記接触燃焼式ガスセンサ40に吸着するように前記接触燃焼式ガスセンサ40の通電を停止した後に、該吸着した被検ガスを燃焼する燃焼温度となるように前記接触燃焼式ガスセンサ40の通電を行う燃焼用工程と、前記接触燃焼式ガスセンサ40が前記燃焼温度から周囲温度まで低下するように前記接触燃焼式ガスセンサ40の通電を停止した後に、前記被検ガスが吸着していない状態の前記接触燃焼式ガスセンサ40に通電を行うエアベース用工程と、前記燃焼用工程の通電に応じた前記接触燃焼式ガスセンサ40の燃焼時センサ出力と前記エアベース用工程の通電に応じた前記接触燃焼式ガスセンサ40のエアベース時センサ出力とに基づいて前記被検ガスの濃度を測定するガス濃度測定工程と、を有することを特徴とする。
以上説明したように請求項1、3に記載した本発明によれば、周囲温度まで低下するように通電を停止して、被検ガスを吸着させた後に燃焼温度まで加熱するように通電して接触燃焼式ガスセンサに燃焼時センサ出力を出力させるとともに、燃焼温度から周囲温度まで低下するように通電を停止した後に被検ガスが吸着していない状態で燃焼温度まで加熱するように通電して接触燃焼式ガスセンサにエアベース時センサ出力を出力させ、燃焼時センサ出力とエアベース時センサ出力とに基づいて被検ガスを検知するようにしたことから、接触燃焼式ガスセンサの通電を制御するだけでエアベース時センサ出力を容易に取得することができる。よって、従来のようにエアベースを取得するための吸着材や校正用のガス容器等が必要なくなるので、ガス濃度測定装置の検知精度を向上することができるとともに、構成を簡単化してコストダウンに貢献することができる。また、濃度を測定する直前にエアベース時センサ出力を取得することができることから、経時変化、環境変化等によるエアベース変動に容易に対応することができるため、従来のようにセンサ出力に対して補正を行う必要がなくなる。特に、揮発性有機化合物(VOC)などの吸着性のガスに対して有効であり、センサ表面上へ被検ガス分子がほとんど吸着しないように吸着期間を短くしたときのエアベース時の出力と被検ガス分子が十分吸着するだけの吸着期間を長くしたときの出力を比べることでガス濃度をより正確に測定できる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、連続する燃焼時センサ出力とエアベース時センサ出力とに基づいて被検ガスの濃度を測定するようにしたことから、測定時に対応したエアベース時センサ出力に基づいて被検ガスの濃度を測定することができるため、測定精度を向上させることができる。
以下、本発明に係るガス濃度測定装置の一実施の形態を、図2〜図7の図面を参照して説明する。
ガス濃度測定装置1は、図2に示すように、マイクロプロセッサ(MPU)10と、駆動電源20と、出力部30と、ガスセンサ部40と、を有している。MPU10には、駆動電源20、出力部30及びガスセンサ部40が接続されている。
MPU10は、予め定めたプログラムに従って各種の処理や制御などを行う中央演算処理装置(CPU)11、CPU11のためのプログラム等を格納した読み出し専用のメモリであるROM12、各種のデータを格納するとともにCPU11の処理作業に必要なエリアを有する読み出し書き込み自在のメモリであるRAM13等を有して構成している。
CPU11は、ROM12に記憶されている駆動制御プログラム等を実行することで、ガスセンサ部40の駆動制御を行う。つまり、CPU11は、駆動制御プログラムを実行することで請求項中の燃焼用制御手段、エアベース用制御手段、及び濃度算出手段等の各種手段として機能することになる。
駆動電源20は、既成の商用電源、電池等が用いられ、ガス濃度測定装置1のMPU10,ガスセンサ部40等の各部の動作に必要な電力を生成してガス濃度測定装置1の各部を動作させる。
出力部30は、MPU10からの指示に応じてガス濃度、ガス種等の各種データを出力する。出力部30は、例えば、ガス濃度等を表示する場合はLCD(液晶ディスプレイ)、ガスの種類を色分け、点滅等で表示する場合はLED及び駆動回路が用いられる。また、可聴信号にてガス検知結果を出力する場合はブザー、スピーカー及び出力回路等が用いられる。
ガスセンサ部40は、吸着した被検ガスに感応したセンサ出力を出力する接触燃焼式ガスセンサ41と、該接触燃焼式ガスセンサ41を駆動する駆動部42と、センサ出力部43と、を有している。
接触燃焼式ガスセンサ41は、CPU11からの駆動信号が供給されて間欠的に駆動する。接触燃焼式ガスセンサ41は、図2及び図3に示すように、感応素子部Rsおよび補償素子部Rrから構成されている。
感応素子部Rsは、白金(Pt)ヒータ412および白金族、たとえばパラジウム(Pd)を担持したアルミナ(Al23)からなるPd/Al23触媒層413を含み、補償素子部Rrは、白金(Pt)ヒータ414およびアルミナ(Al23)層415を含む。詳しくは、図3(A)に示すように、この接触燃焼式ガスセンサ41は、シリコン(Si)ウエハ411の上に、酸化シリコン(SiO2)膜、窒化シリコン(SiN)膜および酸化ハフニウム(HfO2)膜等からなる絶縁薄膜418が成膜され、その上に、感応素子部Rsとして白金(Pt)ヒータ412およびPd/Al23触媒層413、補償素子部Rrとして白金(Pt)ヒータ414およびアルミナ(Al23)層415が形成されている。また、図3(B)に示すように、異方性エッチングして凹部416及び417を形成して、それぞれ薄膜ダイアフラムDs及びDrを形成することにより熱容量を小さくしている。
このように感応素子部Rsおよび補償素子部Rrはともに白金ヒータ412,414上に触媒層を構成し、感応素子部Rs側の触媒には被検ガスが吸着し、補償素子部Rr側には吸着しない構造となっている。そして、ヒータ温度が上昇すると、感応素子部Rs側に吸着したガスが燃焼し、補償素子部Rr側よりもヒータ温度が高温になる。そして、白金ヒータ412,414の抵抗値は温度に対して一定に増加するため、前記の燃焼による温度差は白金ヒータ412,414の抵抗値の差として検出可能となっている。
駆動部42は、白金(Pt)ヒータ412および414とともにブリッジ回路を構成する固定抵抗R1およびR2と、トランジスタQ1と、を有している。ブリッジ回路において、白金(Pt)ヒータ412および抵抗R2の接続点には、トランジスタQ1のコレクタが接続され、そのベースが固定抵抗Rbを介してMPU10のCPU11に接続され、そのエミッタが接地されている。また、白金(Pt)ヒータ414および抵抗R1の接続点には、駆動電源20が接続されている。
このように構成された駆動部42において、MPU10が生成した駆動パルスは、固定抵抗Rbを介してトランジスタQ1のベースへ入力される。そして、トランジスタQ1はベースに0Vが入力されるとOFF状態になり、例えば約0.6V以上の入力でON状態になる。従って、ブリッジ回路には駆動パルスに連動して電源電圧が印加されることになる。
センサ出力部43は、アンプ431と、A/D変換器432と、を有している。アンプ431は、ブリッジ回路における中間電圧V−,V+の差を増幅している。アンプ431の出力は、A/D変換器432の入力に接続している。A/D変換器432は、その出力がMPU10に接続されており、A/D変換した結果をMPU10へ出力する。
また、ブリッジ回路を構成する各抵抗には微小なばらつきが存在し、0ガス(ガスが存在しない状態)中でRr:Rs=R1:R2が成立しない場合があり、このようにブリッジ回路が不平衡になると、中間電圧V−,V+の間に電位差が発生する。この電位差は固定抵抗R1,R2を微調整することでも0にすることはできるが、微小なばらつきを調整することは困難であるため、アンプ431に可変抵抗R3からオフセット電圧を入力して調整することが可能な構成となっている。
このように構成されたガスセンサ部40では、ブリッジ回路に電圧Vbが印加され、0ガス時の中間電圧V−,V+はともにVb/2となっている。ここで、感応素子部Rsにガスが吸着した場合、駆動パルスによりセンサ温度が上昇すると、吸着ガスが燃焼し、感応素子部Rs側のヒータ温度がより高温になり、中間電位V+はVb/2より大きくなる。一方、固定抵抗R1,R2の中間電位V−は常にVb/2となる。よって、中間電位V+、V−の間に電位差が発生し、吸着したガスによる燃焼が大きければ、その電位差も大きくなる。
以上のようにガス濃度の変化に伴い感応素子部Rsへのガス吸着量が変化することで、中間電位V+、V−の電位差にガス濃度に依存した変化を得ることができる。そして、この変化をアンプ431で必要なだけ増幅してA/D変換した結果をセンサ出力としてMPU10に出力している。
次に、上述したCPU11が実行するガス濃度測定処理の一例を、図4のフローチャートを参照して以下に説明する。そして、ガス濃度測定処理プログラムはROM12に予め記憶されている。
ステップS1において、感応素子部Rsに吸着したガスを取り除くために、所定時間だけトランジスタQ1をON状態に切り替えることで、感応素子部Rs及び補償素子部Rrに通電が行われ、その後ステップS2に進む。この結果、給電によって感応素子部Rsに吸着したガスは燃焼される。なお、所定時間は、感応素子部Rsに吸着したガスを取り除くのに十分な時間が任意に設定される。
ステップS2において、ガス吸着時間b(例えば3秒間など)に亘ってトランジスタQ1をOFF状態に切り替えることで、感応素子部Rs及び補償素子部Rrに通電が停止された状態で感応素子部Rsにガスを吸着させ、その後ステップS3に進む。この結果、感応素子部Rsにガスが吸着される。なお、ガス吸着時間bは、ガス分子がセンサ表面上に検出可能な量となるまで吸着が進行するのに十分な時間となっている。通常、1〜60秒ほどであり、被検ガス種や濃度によって異なるものである。
ステップS3において、燃焼時間B(例えば0.4秒など)に亘ってトランジスタQ1をON状態に切り替えることで、感応素子部Rs及び補償素子部Rrに通電が行われ、その後ステップS4に進む。この結果、給電によって感応素子部Rsに吸着したガスが燃焼される。
ステップS4において、燃焼時間Bの通電中に所定のサンプリングレートでA/D変換器432が出力したセンサ出力を燃焼時センサ出力(Vg)として取り込んでRAM13に時系列的に記憶され、その後ステップS5に進む。
ステップS5において、放熱時間a(例えば0.1秒など)に亘ってトランジスタQ1をOFF状態に切り替えることで、感応素子部Rs及び補償素子部Rrに通電が停止されて、その後ステップS6に進む。この結果、感応素子部Rs及び補償素子部Rrは加熱温度から周囲温度に戻される。しかしながら、放熱時間aはガス吸着時間bよりも短い時間に設定されているため、ガスは感応素子部Rsにほとんど吸着されない。
また、放熱時間aは、感応素子部Rsの表面に吸着したガスを燃焼させるために燃焼温度まで加熱された感応素子部Rsが放熱して室温まで戻るのに十分な時間、且つ、ガス吸着がほとんど進行しない時間となっている。通常、0.01〜0.5秒であり、被検ガス種によって異なるものである。
ステップS6において、エアベース時間A(例えば0.4秒など)に亘ってトランジスタQ1をON状態に切り替えることで、感応素子部Rs及び補償素子部Rrに通電が行われ、その後ステップS7に進む。この結果、給電によってほとんどガスが吸着していない状態の感応素子部Rsが燃焼される。
ステップS7において、エアベース時間Aの通電中に所定のサンプリングレートでA/D変換器432が出力したセンサ出力をエアベース時センサ出力(Va)として取り込んでRAM13に時系列的に記憶され、その後ステップS8に進む。
ステップS8において、RAM13の燃焼時センサ出力(Vg)からエアベース時センサ出力(Va)を減算し(Vg−Va)、該減算結果(波形面積)とROM12に予め記憶されたガス濃度の対応マップまたは換算式とに基づいてガス濃度を算出して必要に応じてRAM13に記憶し、該ガス濃度を示すガス濃度情報を出力部30に出力し、その後ステップS2に戻り、一連の処理が繰り返される。また、出力部30は、入力されたガス濃度情報を出力する。
このように本最良の形態では、ガス濃度測定処理において、ステップS2〜S3が請求項中の燃焼用制御手段、ステップS5〜S6が請求項中のエアベース用制御手段、ステップS8が濃度算出手段にそれぞれ相当している。
次に、上述した構成による本発明に係るガス濃度測定装置1の動作(作用)の一例を、図5に示す通電パターンを参照して以下に説明する。
まず、図5において、感応素子部Rsに吸着したガスを取り除くために、感応素子部Rsの燃焼温度となる印加電圧Eで感応素子部Rs及び補償素子部Rrに対する通電が燃焼時間B0に亘って行われる。
感応素子部Rsに吸着したガスが燃焼されると、ガス吸着時間b1に亘って感応素子部Rs及び補償素子部Rrに対す通電が停止される。そして、ガス吸着時間b1内において感応素子部Rsにガスが吸着されると、燃焼時間B1に亘って感応素子部Rs及び補償素子部Rrに対して通電が行われ、感応素子部Rsに吸着したガスが燃焼される。そして、この燃焼に応じて接触燃焼式ガスセンサ41が出力した燃焼時センサ出力(Vg)が取得される(燃焼時制御工程Ps)。
放熱時間a1に亘って感応素子部Rs及び補償素子部Rrに対する通電を停止されると、感応素子部Rs及び補償素子部Rr加熱温度から周囲温度に戻される。そして、エアベース時間A1に亘って感応素子部Rs及び補償素子部Rrに対して通電が行われ、ガスが吸着していない状態の感応素子部Rsが燃焼される。そして、この燃焼に応じて接触燃焼式ガスセンサ41が出力したエアベース時センサ出力(Va)が取得される(エアベース時制御工程Pa)。
燃焼時センサ出力(Vg)からエアベース時センサ出力(Va)を減算し(Vg−Va)、該減算結果(波形面積)とROM12に予め記憶されたガス濃度の対応マップまたは換算式とに基づいてガス濃度を算出し、該ガス濃度を出力部30から出力する(ガス濃度測定工程)。
これらの燃焼時制御工程Psとエアベース時制御工程Paが濃度測定制御工程Pを構成している。該濃度測定制御工程Pは、ガス濃度測定装置1の測定期間中は繰り返される。
よって、ガス濃度測定装置1は、濃度測定制御工程Pとガス濃度測定工程とを有している。つまり、燃焼時制御工程Psとエアベース時制御工程Paとガス濃度測定工程とを有している。
また、上述した構成のガス濃度測定装置1において、ガス吸着時間b1を変更した場合のトルエン濃度に対するセンサ出力差(Vg−Va)である応答強度を測定したところ、図6に示す結果が得られた。
吸着時間b1を短くすると応答強度が小さくなり、吸着時間b1を長くすると応答強度(Vg−Va)が大きくなるが、一定値で飽和することになる。つまり、応答強度(Vg−Va)が飽和する吸着時間b1を飽和吸着時間とすると、該飽和吸着時間以上の応答と、できるだけ短い吸着時間b1の応答を比較することで、より精度を向上させることができる。
以上説明したように本発明のガス濃度測定装置1によれば、通電を停止して被検ガスを吸着させた後に燃焼温度まで加熱するように通電して接触燃焼式ガスセンサ41に燃焼時センサ出力Vgを出力させるとともに、燃焼温度から周囲温度まで低下するように通電を停止した後に被検ガスが吸着していない状態で通電して接触燃焼式ガスセンサ41にエアベース時センサ出力Vaを出力させ、燃焼時センサ出力Vgとエアベース時センサ出力Vaとに基づいて被検ガスを検知するようにしたことから、接触燃焼式ガスセンサ41の通電を制御するだけでエアベース時センサ出力Vaを容易に取得することができる。
よって、従来のようにエアベースを取得するための吸着材や校正用のガス容器等が必要なくなるので、ガス濃度測定装置の検知精度を向上することができるとともに、構成を簡単化してコストダウンに貢献することができる。また、濃度を測定する直前にエアベース時センサ出力を取得することができることから、経時変化、環境変化等によるエアベース変動に容易に対応することができるため、従来のようにセンサ出力に対して補正を行う必要がなくなる。
また、連続する燃焼時センサ出力Vgとエアベース時センサ出力Vaとに基づいて被検ガスの濃度を測定するようにしたことから、測定時に対応したエアベース時センサ出力Vaに基づいて被検ガスの濃度を測定することができるため、測定精度を向上させることができる。
なお、上述した本最良の形態では、図2に示すガスセンサ部40を図7に示すような構成とすることもできる。なお、図2で説明したものと同一あるいは相当する部分には同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
図7において、MPU10が生成する駆動パルス波、図示しないD/A変換器でアナログ電圧に変換され、固定抵抗R6を介して誤差アンプ431の+入力端子に入力される。また、ブリッジ回路の電圧Vbは固定抵抗R5と固定抵抗R7に分圧されて誤差アンプ431の−入力端子へ入力される。誤差アンプ431はこの2つの入力に発生する差が0になるように動作する。
例えば、+入力端子よりも−入力端子の電圧が低い場合、誤差アンプ431の出力電圧が上昇し、固定抵抗R4を介してトランジスタQ1のベースに入力される。これによりトランジスタQ1のコレクタとエミッタ間に流れる電流が増え、ブリッジ回路の電圧Vbが上昇する。結果として誤差アンプ431の−入力端子の電圧が上昇し、D/Aより出力された電圧により制御される。また、逆に+入力端子の電圧よりも−入力端子の電圧が高い場合、誤差アンプ431の出力電圧が減少することで、トランジスタQ1のコレクタとエミッタ間に流れる電流が減少し、ブリッジ回路の電圧Vbが低下する。結果として誤差アンプ431の−入力端子に入力される電圧が低下し、D/Aより出力された電圧により制御される。このようにブリッジ回路の電圧VbをD/A変換器から出力される電圧により自由に設定が可能な構成とすることができる。
上述した図2に示すガスセンサ部40の構成では、通電OFF時の感応素子部Rsのセンサ温度は室温まで低下する。しかし、室温が変化した場合にはセンサ温度が低下するために要する時間に変化が生じ、感応素子部Rsへ吸着するガスの量に誤差が生じてしまう。そこで、図7に示すブリッジ回路の電圧Vbを制御することにより、例えば通電OFF時のセンサ温度を室温とせず、使用される室温度範囲よりも高い温度に設定することができる。また、温度センサ等により別途検出した室温に合わせて可変とすることもできる。
また、上述した本最良の形態では、 ガス濃度測定装置1が燃焼時制御工程Psの次にエアベース時制御工程Paを実行する場合について説明したが、エアベース時制御工程Paの次に燃焼時制御工程Psを実行するような実施形態とすることもできる。
本発明に係るガス濃度測定装置の基本構成を示す構成図である。 本発明に係るガス濃度測定装置の概略構成を示す構成図である。 図2中の接触燃焼式ガスセンサの構成例を示し、(A)は平面図、(B)は(A)中のX−Xを通る矢印方向の断面図である。 図2中のCPUが実行する本発明に係るガス濃度測定処理の一例を示すフローチャートである。 本発明に係るガス濃度測定装置の通電例を説明するための図である。 センサ出力差と吸着時間との関係を示すグラフである。 図2中のガスセンサ部の他の実施例を示す構成図である。
符号の説明
1 ガス濃度測定装置
11a 濃度算出手段(CPU)
11b 燃焼用制御手段(CPU)
11c エアベース用制御手段(CPU)
40 ガスセンサ部
41 接触燃焼式ガスセンサ

Claims (3)

  1. 吸着した被検ガスに感応してセンサ出力を出力する接触燃焼式ガスセンサと、前記接触燃焼式ガスセンサのセンサ出力に基づいて前記被検ガスの濃度を測定する濃度算出手段と、を有するガス濃度測定装置において、
    前記被検ガスが前記接触燃焼式ガスセンサに吸着するように前記接触燃焼式ガスセンサの通電を停止した後に、該吸着した被検ガスを燃焼する燃焼温度となるように前記接触燃焼式ガスセンサに通電する制御を行う燃焼用制御手段と、
    前記燃焼温度から周囲温度まで低下するように前記接触燃焼式ガスセンサの通電を停止した後に、前記被検ガスが吸着していない状態の前記接触燃焼式ガスセンサに通電する制御を行うエアベース用制御手段と、を有するとともに、
    前記濃度算出手段が、前記燃焼用制御手段による通電に応じた前記接触燃焼式ガスセンサの燃焼時センサ出力と前記エアベース用制御手段による通電に応じた前記接触燃焼式ガスセンサのエアベース時センサ出力とに基づいて前記被検ガスの濃度を算出するようにしたことを特徴とするガス濃度測定装置。
  2. 前記濃度算出手段が、連続する前記燃焼時センサ出力及び前記エアベース時センサ出力に基づいて前記被検ガスの濃度を算出するようにしたことを特徴とするガス濃度測定装置。
  3. 吸着した被検ガスに感応したセンサ出力を出力する接触燃焼式ガスセンサを用いて前記被検ガスの濃度を測定するガス濃度測定方法であって、
    前記被検ガスが前記接触燃焼式ガスセンサに吸着するように前記接触燃焼式ガスセンサの通電を停止した後に、該吸着した被検ガスを燃焼する燃焼温度となるように前記接触燃焼式ガスセンサの通電を行う燃焼用工程と、
    前記接触燃焼式ガスセンサが前記燃焼温度から周囲温度まで低下するように前記接触燃焼式ガスセンサの通電を停止した後に、前記被検ガスが吸着していない状態の前記接触燃焼式ガスセンサに通電を行うエアベース用工程と、
    前記燃焼用工程の通電に応じた前記接触燃焼式ガスセンサの燃焼時センサ出力と前記エアベース用工程の通電に応じた前記接触燃焼式ガスセンサのエアベース時センサ出力とに基づいて前記被検ガスの濃度を測定するガス濃度測定工程と、
    を有することを特徴とするガス濃度測定方法。
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