JP2022025887A - ガス検出装置及びその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】エアベースの補正をより適切に行うことができるガス検出装置及びその制御方法を提供する。【解決手段】ガス検出装置1は、接触燃焼式ガスセンサ31に付着した被検対象ガスが燃焼する温度まで接触燃焼式ガスセンサ31を昇温させる第1の駆動電圧を印加すると共に、接触燃焼式ガスセンサ31に付着した被検対象ガスが燃焼しない温度範囲で接触燃焼式ガスセンサ31を昇温させる第2の駆動電圧を印加し、エアベース補正部13は、第1の駆動電圧が印加されているときのセンサ部30の出力と、第2の駆動電圧が印加されているときのセンサ部30の出力とに基づいて、エアベースを補正する。【選択図】図1

Description

本発明は、ガス検出装置及びその制御方法に関する。
従来、触媒に付着した可燃性ガスの燃焼により発生した燃焼熱によって出力が変化する接触燃焼式ガスセンサが提案されている(特許文献1参照)。接触燃焼式ガスセンサは、可燃性ガスを燃焼させる触媒を発熱体上に被膜した検知素子と、可燃性ガスに対して不感となる材料を被膜した補償素子とで構成されている。検知素子及び補償素子は、2つの固定抵抗とともにブリッジ回路が組まれて使用される。可燃性ガスのない空気中においてブリッジ回路は平衡状態となる。一方、可燃性ガスを含む空気中においては、検知素子上のみで接触燃焼による温度上昇が生じて抵抗値が上昇する。これにより、ブリッジ間に電位差が生じる。このような電位差は出力として制御部に検知され、制御部において可燃性ガスの濃度が求められる。
特開2019-015688号公報
上記のような接触燃焼式ガスセンサを備えるガス検出装置において、可燃性ガスのない空気中の出力を一般にエアベースと呼んでいる。このようなエアベースは、経年変化に伴う被毒物質や水分吸着等の影響により検知素子と補償素子との平衡が崩れることに起因して変動してしまう。エアベースがマイナス方向(被検対象ガス(可燃性ガス)の濃度がマイナスとなってしまう方向)に変動した場合には明らかなエアベースの変動であると判断できるため補正することができる。しかし、エアベースがプラス方向に変動した場合には、被検対象ガスの発生に伴う出力か、エアベース変動による出力かを判断できないため、補正を行うことはできない。
本発明はこのような従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、エアベースの補正をより適切に行うことができるガス検出装置及びその制御方法を提供することにある。
本発明のガス検出装置は、触媒に付着した被検対象ガスの燃焼により発生した燃焼熱によって出力が変化する接触燃焼式ガスセンサを有したセンサ部と、前記接触燃焼式ガスセンサに対して所定間隔で駆動電圧を印加する駆動電圧印加手段と、前記駆動電圧印加手段により駆動電圧が印加されているタイミングにおいて、前記センサ部からの出力によって警報を発するかを判断する警報判断手段と、前記センサ部の出力に基づいてエアベース補正を行うエアベース補正手段と、を備え、前記駆動電圧印加手段は、前記接触燃焼式ガスセンサに付着した被検対象ガスが燃焼する温度まで前記接触燃焼式ガスセンサを昇温させる第1の駆動電圧を印加する第1の駆動電圧印加手段と、前記接触燃焼式ガスセンサに付着した被検対象ガスが燃焼しない温度範囲で前記接触燃焼式ガスセンサを昇温させる第2の駆動電圧を印加する第2の駆動電圧印加手段とを有し、前記エアベース補正手段は、前記第1の駆動電圧印加手段により第1の駆動電圧が印加されているときの前記センサ部の出力と、前記第2の駆動電圧印加手段により第2の駆動電圧が印加されているときの前記センサ部の出力とに基づいて、エアベースを補正する。
また、本発明のガス検出装置の制御方法は、触媒に付着した被検対象ガスの燃焼により発生した燃焼熱によって出力が変化する接触燃焼式ガスセンサに対して所定間隔で駆動電圧を印加する駆動電圧印加工程と、前記駆動電圧印加工程において駆動電圧が印加されているタイミングに、前記接触燃焼式ガスセンサを有したセンサ部からの出力によって警報を発するかを判断する警報判断工程と、前記センサ部の出力に基づいてエアベース補正を行うエアベース補正工程と、を備え、前記駆動電圧印加工程では、前記接触燃焼式ガスセンサに付着した被検対象ガスが燃焼する温度まで前記接触燃焼式ガスセンサを昇温させる第1の駆動電圧を印加する第1の駆動電圧印加工程と、前記接触燃焼式ガスセンサに付着した被検対象ガスが燃焼しない温度範囲で前記接触燃焼式ガスセンサを昇温させる第2の駆動電圧を印加する第2の駆動電圧印加工程とを有し、前記エアベース補正工程では、前記第1の駆動電圧印加工程において第1の駆動電圧が印加されているときの前記センサ部の出力と、前記第2の駆動電圧印加工程において第2の駆動電圧が印加されているときの前記センサ部の出力とに基づいて、エアベースを補正する。
本発明によれば、エアベースの補正をより適切に行うことができるガス検出装置及びその制御方法を提供することができる。
本発明の実施形態に係るガス検出装置を示す構成図である。 図1に示した接触燃焼式ガスセンサの詳細を示す一部構成図であり、検出素子Rsを示している。 図1に示した接触燃焼式ガスセンサの詳細を示す一部構成図であり、補償素子Rrを示している。 第1の駆動電圧と第2の駆動電圧とを示すタイミングチャートである。 制御部によるガス濃度の判定に関する記憶内容を示すグラフである。 エアベースの変動の様子を示すグラフである。 駆動電圧とセンサ出力との相関を示す第1のグラフである。 駆動電圧とセンサ出力との相関を示す第2のグラフである。 駆動電圧と、センサ出力からエアベースを差し引いた値との相関を示すグラフである。 センサ出力の一例を示すグラフである。 エアベース補正の一例を示すグラフである。 センサ出力の他の例を示すグラフである。 本実施形態に係るガス検出装置の制御方法の一例を示すフローチャートである。
以下、本発明を好適な実施形態に沿って説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、以下に示す実施形態においては、一部構成の図示や説明を省略している箇所があるが、省略された技術の詳細については、以下に説明する内容と矛盾が発生しない範囲内において、適宜公知又は周知の技術が適用されていることはいうまでもない。
図1は、本発明の実施形態に係るガス検出装置を示す構成図である。図1に示すように、ガス検出装置1は、所定濃度以上の被検出対象となる可燃性ガス(被検対象ガス)が検出された場合に警報を出力するものであって、制御部10と、センサ駆動回路(駆動電圧印加手段,第1の駆動電圧印加手段,第2の駆動電圧印加手段)20と、接触燃焼式ガスセンサ31を有したセンサ部30と、警報部40とを備えている。
制御部10は、センサ部30の駆動制御、及び、被検対象ガスの濃度算出等を行うものであって、例えばMPU(Microprocessor Unit)により構成されている。この制御部10は、信号出力部(駆動電圧印加手段)11、警報判断部(警報判断手段)12、及びエアベース補正部(エアベース補正手段)13を備えている。
信号出力部11は、センサ駆動回路20に所定間隔で駆動信号を出力するものである。具体的に信号出力部11は、第1の所定間隔で第1の駆動信号を出力する第1の信号出力部(第1の駆動電圧印加手段)11aと、第2の所定間隔で第2の駆動信号を出力する第2の信号出力部(第2の駆動電圧印加手段)11bとを備えている。第1の駆動信号と第2の駆動信号とは出力されるタイミングが異なっている。なお、後述する図4に示すように、本実施形態において第1の所定間隔は第2の所定間隔よりも短くなっているが、特にこれに限らず、第2の所定間隔の方が短くてもよいし、第1の所定間隔と第2の所定間隔とが同じであってもよい。
警報判断部12は、センサ部30から出力電圧の情報(センサ出力)を取得し、取得した出力電圧に基づいて警報を発するか否かを判断するものである。警報部40は、警報判断部12により警報を発すると判断された場合、警報を発するものである。この警報部40は、ブザーやスピーカ等の音声出力部と、LED(Light Emitting Diode)等の表示部とから構成されている。
センサ駆動回路20は、信号出力部11からの信号に応じて、センサ部30に駆動電圧を印加させるものである。具体的にセンサ駆動回路20は、例えば第1の信号出力部11aから第1の駆動信号を入力した場合、第1の駆動信号がオンとなるタイミングにおいて接触燃焼式ガスセンサ31に対して第1の駆動電圧を印加する。第1の駆動電圧が印加されると、接触燃焼式ガスセンサ31は被検対象ガスが燃焼する温度に昇温して触媒層(後述の符号31s)に付着した被検対象ガスを燃焼させることとなる。一方、センサ駆動回路20は、第2の信号出力部11bから第2の駆動信号を入力した場合、第2の駆動信号がオンとなるタイミングにおいて接触燃焼式ガスセンサ31に対して第2の駆動電圧を印加する。第2の駆動電圧が印加されると、接触燃焼式ガスセンサ31は被検対象ガスが燃焼しない温度範囲で接触燃焼式ガスセンサ31を昇温させることとなる。
センサ部30は、接触燃焼式ガスセンサ31、計装アンプ32、及びA/D変換器33等を有している。接触燃焼式ガスセンサ31は、補償素子Rr、検出素子Rs及び固定抵抗R1,R2を有し、これらによりブリッジ回路を構成している。具体的に固定抵抗R1は、一端がセンサ駆動回路20側に接続され、他端が接続点Bにつながっている。固定抵抗R2は、固定抵抗R1と直列接続され、一端が接続点Bに接続され、他端がグランド接続されている。補償素子Rrは、一端がセンサ駆動回路20側につながっており、他端が接続点Aに接続されている。検出素子Rsは、補償素子Rrと直列接続され、一端が接続点Aにつながっており、他端がグランド接続されている。
図2及び図3は、図1に示した接触燃焼式ガスセンサ31の詳細を示す一部構成図であり、図2は検出素子Rsを示し、図3は補償素子Rrを示している。図2及び図3に示すように、検出素子Rs及び補償素子Rrは、半導体製造プロセス技術を用いて製造されている。検出素子Rs及び補償素子Rrは、シリコンウェハ31a上に、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、及び酸化ハフニウム膜等からなる絶縁膜31bが形成されており、絶縁膜31b上に白金からなる抵抗体31cが形成されている。
検出素子Rsは、抵抗体31cを触媒層31sで包んで構成されている。触媒層31sは、例えばパラジウムを担持したアルミナからなるPd/Alによって構成されている。検出素子Rsの抵抗体31cは一端側が図1に示した接続点Aにつながっており、他端側がグランド接続されている。
また、補償素子Rrは、抵抗体31cをアルミナ層31rで包んで構成されている。補償素子Rrの抵抗体31cは一端側がセンサ駆動回路20に接続され、他端側が図1に示した接続点Aにつながっている。
さらに、シリコンウェハ31aは、検出素子Rs及び補償素子Rrに対応する位置に、表面から異方性エッチングによって凹部31fが形成されている。センサ部30は、これらの凹部31fによって熱容量が小さくなっている。
再度、図1を参照する。計装アンプ32は、非反転入力端子と反転入力端子に入力する電圧の差を増幅するものである。この計装アンプ32は、非反転入力端子が接続点Aにつながっており、反転入力端子が接続点Bにつながっている。このため、計装アンプ32は、接続点Aと接続点Bとの電圧差を増幅することとなる。また、計装アンプ32には、可変抵抗R3が接続されている。可変抵抗R3はオフセット調整するためのものである。A/D変換器33は、計装アンプ32から出力されたアナログの電圧を入力し、A/D変換したうえで制御部10に出力するものである。
なお、本実施形態では図2に示すように、接触燃焼式ガスセンサ31が半導体製造プロセス技術を用いて製造されているが、特にこれに限られるものではない。また、センサ部30は、計装アンプ32、A/D変換器33、及び可変抵抗R3等を有しているが、特にこれに限らず、いずれかの構成を省略して、又は他の構成を追加して形成されていてもよい。
図4は、第1の駆動電圧と第2の駆動電圧とを示すタイミングチャートである。図4に示すように、第1の駆動電圧V1は、第1の所定間隔T1で接触燃焼式ガスセンサ31に印加される。この印加タイミングにおいて、周囲に被検対象ガスが存在すると、被検対象ガスが検出素子Rsにおいて燃焼して抵抗値の変化からブリッジ回路のバランスが崩れる。特に、抵抗値の変化量は周囲に存在する被検対象ガスの濃度に依存する。よって、被検対象ガスの濃度に応じた出力がセンサ部30から得られることとなり、警報判断部12は、得られた出力に基づいて警報すべきか否かを判断することとなる。
一方、第2の駆動電圧V2は、第2の所定間隔T2で接触燃焼式ガスセンサ31に印加される。この印加タイミングにおいて、周囲に被検対象ガスが存在していたとしても、被検対象ガスが検出素子Rsにおいて燃焼しない。このため、被検対象ガスの濃度に応じた抵抗値の変化はないこととなる。よって、警報判断部12は、第2の駆動電圧V2の印加タイミングにおいて得られた出力に基づいて、警報判断しないこととなる。
図5は、制御部10によるガス濃度の判定に関する記憶内容を示すグラフである。制御部10は、図5に示すようなグラフに相当するデータを記憶している。制御部10は、第1の駆動電圧V1をセンサ部30に印加して得られた出力から後述の図7に示すエアベースを差し引く。制御部10は、差し引いた値が例えば2mVであるときに被検対象ガス(例えばメタン)の濃度を1000ppmと判断する。また、制御部10は上記差し引いた値が4mVであるときに被検対象ガスの濃度を2000ppmと判断し、上記差し引いた値が6mVであるときに被検対象ガスの濃度を3000ppmと判断する。同様に、制御部10は上記差し引いた値が8mVであるときに被検対象ガスの濃度を4000ppmと判断し、上記差し引いた値が10mVであるときに被検対象ガスの濃度を5000ppmと判断する。警報判断部12は、例えば3000ppm以上の被検対象ガスを検知した場合に、警報すべきと判断する。
図6は、エアベースの変動の様子を示すグラフである。接触燃焼式ガスセンサ31は、使用環境によって、触媒層31sの表面に吸着水やカーボン等の吸着物が堆積する。これらの吸着物は第1の駆動電圧V1を印加したときの駆動温度である約400℃に加熱しても脱離しないものがあるため、脱離しきれない吸着物が堆積することでエアベースが変動してしまう。エアベースが変動してしまうと、警報が頻繁に発せられる等の問題が生じることがあることから補正を行うことが必要である。
ここで、エアベースが図6に示すマイナス方向(被検対象ガス(可燃性ガス)の濃度がマイナスとなってしまう方向)に変動した場合には明らかなエアベースの変動であると判断できるため補正することができる。しかし、エアベースが図6に示すプラス方向に変動した場合には、被検対象ガスの発生に伴う出力か、エアベース変動による出力かを判断できないため、補正を行うことはできない。
再度図1を参照する。エアベース補正部13は、センサ部30の出力に基づいてエアベース補正を行うものである。本実施形態においてエアベース補正部13は、第1の駆動電圧V1が印加されているときのセンサ部30の出力と、第2の駆動電圧V2が印加されているときのセンサ部30の出力との双方に基づいて、エアベースを補正する。
次に、図7~図12を参照して、本実施形態に係るエアベース補正部13の詳細を説明する。
図7は、駆動電圧とセンサ出力との相関を示す第1のグラフである。図7に示すように、被検対象ガスが周囲に存在しない場合、第2の駆動電圧V2(例えば1.6V、以下同じ)が印加されたときのセンサ出力は-10mV~5mVに収まっている。また、被検対象ガスが周囲に存在しない場合、第1の駆動電圧V1(例えば2.4V、以下同じ)が印加されたときのセンサ出力は-20mV~-5mVに収まっている。特に、第1の駆動電圧V1が印加されたときのセンサ出力はエアベースとして制御部10に記憶されている。なお、図7においてそれぞれセンサ出力が異なっている理由は固体差によるものである。
図8は、駆動電圧とセンサ出力との相関を示す第2のグラフである。例えば周囲の被検対象ガスの濃度が3000ppmである場合、図7と同様に、第2の駆動電圧V2が印加されたときのセンサ出力は-10mV~5mVに収まる。これに対して、第1の駆動電圧V1が印加されたときのセンサ出力は、検出素子Rsの抵抗値が被検対象ガスの燃焼によって変動することから、-15mV~10mVの範囲に変化する。
図9は、駆動電圧と、センサ出力からエアベースを差し引いた値との相関を示すグラフである。図9に示すように、制御部10は、例えば図8に示した第1の駆動電圧V1の印加時のセンサ出力から、図7に示したエアベースを差し引く。図9に示すように、各センサによっては個体差があるものの第1の駆動電圧V1の印加時において、差し引いた値は概ね6mVとなる。一方、第2の駆動電圧V2の印加時には、差し引いた値が0mVとなっており、センサ出力がエアベースと同じとなっていることがわかる。
ここで、本実施形態において図1に示すエアベース補正部13は、第1の駆動電圧V1が印加されているときのセンサ部30の出力と、第2の駆動電圧V2が印加されているときのセンサ部30の出力との双方が被検対象ガスの濃度が高くなる方向に同程度(例えば両者の差が10%以内)変動している場合、エアベースを補正する。
図10は、センサ出力の一例を示すグラフであり、図11は、エアベース補正の一例を示すグラフである。図10に示すように、例えば第1の駆動電圧V1において約5mV高い出力が得られ、且つ、第2の駆動電圧V2においても約5mV高い出力が得られたとする(丸印参照)。ここで、第1の駆動電圧V1のセンサ出力だけで判断した場合には、エアベースの変動か周囲に被検対象ガスが存在したのか分からないが、第2の駆動電圧V2のセンサ出力についても約5mV変動していることから、エアベースの変動であると判断することができる。そこで、本実施形態に係るエアベース補正部13は、図11に示すように、予め記憶されているエアベースを例えば平行移動するようにして補正する。これにより、適切にエアベース補正を行うことができる。
また、図示を省略するが、エアベース補正部13は、第1の駆動電圧V1が印加されているときのセンサ出力、及び、第2の駆動電圧V2が印加されているときのセンサ出力の少なくとも一方が、被検対象ガスの濃度が低くなる方向に変動している場合、エアベースを補正する。
ここで、センサ出力が高くなる場合には、エアベースが変動した場合と被検対象ガスが周囲に存在する場合との2つが考えられるが、センサ出力が低くなる場合は、エアベース変動であると判断できる。よって、エアベース補正部13は、上記センサ出力の少なくとも一方が、被検対象ガスの濃度が低くなる方向に変動している場合、エアベースを補正することで、適切にエアベース補正を行うことができる。
図12は、センサ出力の他の例を示すグラフである。図12に示すように、例えば第1の駆動電圧V1においてエアベースよりも約5mV高い出力が得られ、且つ、第2の駆動電圧V2においてエアベースと同程度の出力が得られたとする。この場合、図12の破線に示すように、エアベースについては変動しておらず、周囲に被検対象ガスが存在していると判断できる。よって、エアベース補正部13は、図12に示すような場合においてエアベースを補正しないこととなる。さらに、エアベースが適切であり、第1の駆動電圧V1の印加時に高い出力が得られていることから、警報判断部12は、第1の駆動電圧V1が印加されているときのセンサ出力に基づいて、警報を発するかを判断することとなる。
次に、本実施形態に係るガス検出装置1の制御方法を説明する。図13は、本実施形態に係るガス検出装置1の制御方法の一例を示すフローチャートである。なお、図13に示す処理はガス検出装置1の電源がオフされるまで、繰り返し実行される。
図13に示すように、ガス検出装置1の制御部10は、まず、第2の駆動電圧V2の印加タイミングであるか、すなわち第2の所定間隔T2のタイミングであるかを判断する(S1)。現在が第2の駆動電圧V2の印加タイミングである場合(S1:YES)、第2の信号出力部11bは、第2の駆動信号を出力する(S2)。これにより、センサ部30から出力が得られ、制御部10は、センサ出力を記憶する(S3)。次いで、エアベース補正部13は、ステップS3において得られたセンサ出力が前回のセンサ出力に対して低下しているかを判断する(S4)。
センサ出力が低下していない場合(S4:NO)、処理はステップS1に移行する。一方、センサ出力が低下した場合(S4:YES)、エアベース補正部13は、エアベースを補正する(S5)。その後、処理はステップS1に移行する。
ところで、現在が第2の駆動電圧V2の印加タイミングでない場合(S1:NO)、制御部10は、第1の駆動電圧V1の印加タイミングであるか、すなわち第1の所定間隔T1のタイミングであるかを判断する(S6)。現在が第1の駆動電圧V1の印加タイミングでない場合(S6:NO)、処理はステップS1に移行する。
現在が第1の駆動電圧V1の印加タイミングである場合(S6:YES)、第1の信号出力部11aは、第1の駆動信号を出力する(S7)。これにより、センサ部30から出力が得られる。
次に、エアベース補正部13は、ステップS7の第1の駆動信号の出力時に得られたセンサ出力と、ステップS3において記憶されたセンサ出力とが同程度上昇しているか否かを判断する(S8)。センサ出力が同程度上昇している場合(S8:YES)、エアベース補正部13は、エアベースを補正する(S5)。その後、処理はステップS1に移行する。
センサ出力が同程度上昇していない場合(S8:NO)、警報判断部12は、ステップS7の第1の駆動信号の出力時に得られたセンサ出力に基づいて、ガス濃度を判断する(S9)。次に、警報判断部12は、ステップS9において判断されたガス濃度が所定濃度以上であるかを判断する(S10)。
判断されたガス濃度が所定濃度以上である場合(S10:YES)、警報部40は警報を行う(S11)。その後、図13に示す処理は終了する。一方、判断されたガス濃度が所定濃度以上でない場合(S10:NO)、警報が行われることなく、図13に示す処理は終了する。
このようにして、本実施形態に係るガス検出装置1及びその制御方法によれば、第1の駆動電圧V1が印加されているときの出力と、第2の駆動電圧V2が印加されているときの出力とに基づいて、エアベースを補正するため、第2の駆動電圧V2が印加されているときの被検対象ガスが燃焼しない場合の出力を得ることができ、これを比較対象とすることで第1の駆動電圧V1が印加されているときの出力が、周囲に被検対象ガスが存在する場合の出力であるか、そうでない場合の出力であるかを判断することができ、これにより、エアベースの補正をより適切に行うことができる。
また、第1の駆動電圧V1が印加されているときの出力と、第2の駆動電圧V2が印加されているときの出力との双方が被検対象ガスの濃度が高くなる方向に同程度変動している場合、エアベースを補正する。このため、第1の駆動電圧V1が印加されているときの出力が変動しているものの、第2の駆動電圧V2が印加されているときの出力も同じように変動しているため、第1の駆動電圧V1が印加されているときの出力は、周囲に被検対象ガスがないときの出力であると判断できる。よって、適切にエアベース補正を行うことができる。
また、第1の駆動電圧V1が印加されているときの出力、及び、第2の駆動電圧V2が印加されているときの出力の少なくとも一方が、被検対象ガスの濃度が低くなる方向に変動している場合、エアベースを補正するため、周囲に被検対象ガスが存在しないときよりも更に濃度が低くなる方向に変動するときには、あり得ない出力であることから、エアベース補正を行うことで適切にエアベース補正を行うことができる。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更を加えてもよい。
例えば、本実施形態では、図2及び図3を参照して検出素子Rsと補償素子Rrとを説明したが、これに限らず、検出素子Rsと補償素子Rrとの構成は図2及び図3に示す構成に限られるものではない。また、接触燃焼式ガスセンサ31のブリッジの組み方は図1に示すものに限らず、例えば検出素子Rsと固定抵抗R1とが直列接続されると共に、補償素子Rrと固定抵抗R2とが直列接続される構成であってもよい。
1 :ガス検出装置
11 :信号出力部(駆動電圧印加手段)
11a :第1の信号出力部(第1の駆動電圧印加手段)
11b :第2の信号出力部(第2の駆動電圧印加手段)
12 :警報判断部(警報判断手段)
13 :エアベース補正部(エアベース補正手段)
20 :センサ駆動回路(駆動電圧印加手段,第1の駆動電圧印加手段,第2の駆動電圧印加手段)
30 :センサ部
31 :接触燃焼式ガスセンサ
32 :計装アンプ
33 :A/D変換器
40 :警報部
Rr :補償素子
Rs :検出素子
T1 :第1の所定間隔
T2 :第2の所定間隔
V1 :第1の駆動電圧
V2 :第2の駆動電圧

Claims (4)

  1. 触媒に付着した被検対象ガスの燃焼により発生した燃焼熱によって出力が変化する接触燃焼式ガスセンサを有したセンサ部と、
    前記接触燃焼式ガスセンサに対して所定間隔で駆動電圧を印加する駆動電圧印加手段と、
    前記駆動電圧印加手段により駆動電圧が印加されているタイミングにおいて、前記センサ部からの出力によって警報を発するかを判断する警報判断手段と、
    前記センサ部の出力に基づいてエアベース補正を行うエアベース補正手段と、を備え、
    前記駆動電圧印加手段は、前記接触燃焼式ガスセンサに付着した被検対象ガスが燃焼する温度まで前記接触燃焼式ガスセンサを昇温させる第1の駆動電圧を印加する第1の駆動電圧印加手段と、前記接触燃焼式ガスセンサに付着した被検対象ガスが燃焼しない温度範囲で前記接触燃焼式ガスセンサを昇温させる第2の駆動電圧を印加する第2の駆動電圧印加手段とを有し、
    前記エアベース補正手段は、前記第1の駆動電圧印加手段により第1の駆動電圧が印加されているときの前記センサ部の出力と、前記第2の駆動電圧印加手段により第2の駆動電圧が印加されているときの前記センサ部の出力とに基づいて、エアベースを補正する
    ことを特徴とするガス検出装置。
  2. 前記エアベース補正手段は、前記第1の駆動電圧印加手段により第1の駆動電圧が印加されているときの前記センサ部の出力と、前記第2の駆動電圧印加手段により第2の駆動電圧が印加されているときの前記センサ部の出力との双方が被検対象ガスの濃度が高くなる方向に同程度変動している場合、エアベースを補正する
    ことを特徴とする請求項1に記載のガス検出装置。
  3. 前記エアベース補正手段は、前記第1の駆動電圧印加手段により第1の駆動電圧が印加されているときの前記センサ部の出力、及び、前記第2の駆動電圧印加手段により第2の駆動電圧が印加されているときの前記センサ部の出力の少なくとも一方が、被検対象ガスの濃度が低くなる方向に変動している場合、エアベースを補正する
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載のガス検出装置。
  4. 触媒に付着した被検対象ガスの燃焼により発生した燃焼熱によって出力が変化する接触燃焼式ガスセンサに対して所定間隔で駆動電圧を印加する駆動電圧印加工程と、
    前記駆動電圧印加工程において駆動電圧が印加されているタイミングに、前記接触燃焼式ガスセンサを有したセンサ部からの出力によって警報を発するかを判断する警報判断工程と、
    前記センサ部の出力に基づいてエアベース補正を行うエアベース補正工程と、を備え、
    前記駆動電圧印加工程では、前記接触燃焼式ガスセンサに付着した被検対象ガスが燃焼する温度まで前記接触燃焼式ガスセンサを昇温させる第1の駆動電圧を印加する第1の駆動電圧印加工程と、前記接触燃焼式ガスセンサに付着した被検対象ガスが燃焼しない温度範囲で前記接触燃焼式ガスセンサを昇温させる第2の駆動電圧を印加する第2の駆動電圧印加工程とを有し、
    前記エアベース補正工程では、前記第1の駆動電圧印加工程において第1の駆動電圧が印加されているときの前記センサ部の出力と、前記第2の駆動電圧印加工程において第2の駆動電圧が印加されているときの前記センサ部の出力とに基づいて、エアベースを補正する
    ことを特徴とするガス検出装置の制御方法。
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