JP2000275202A - ガス検出装置 - Google Patents

ガス検出装置

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JP2000275202A
JP2000275202A JP11082001A JP8200199A JP2000275202A JP 2000275202 A JP2000275202 A JP 2000275202A JP 11082001 A JP11082001 A JP 11082001A JP 8200199 A JP8200199 A JP 8200199A JP 2000275202 A JP2000275202 A JP 2000275202A
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JP11082001A
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Taro Kuroda
太郎 黒田
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Daikin Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コストと消費電力の低減を図ることができる
と共に、温度・湿度の変化による影響と経年変化による
影響を補償して長期間にわたって安定した出力特性を得
ることができるガス検出装置を提供すること。 【解決手段】 ガス検出装置1は、酸化物半導体から成
り、その表面のガス吸着量に応じて抵抗値が変化する感
ガス素子4と、感ガス素子4を加熱するヒータ5と、ヒ
ータ5を制御して感ガス素子4の温度を制御すると共
に、感ガス素子4の抵抗値を検出して検出対象ガスの濃
度の増減を判定する判定手段3とを備える。判定手段3
は、感ガス素子4の検出状態が異なる2つの検出タイミ
ングで感ガス素子4の抵抗値を検出し、2つの検出抵抗
値を比較して判定を行う。2つの検出タイミングとして
は、感ガス素子4の温度が異なる2点や、感ガス素子4
の温度変化直後からの経過時間が異なる2点などを選択
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、酸化物半導体か
ら成る感ガス素子を用いてガスの濃度の増減を判定する
ガス検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の家屋は省エネルギ等の観点から気
密性が高くなっているため、空調システムにおける空気
の質の検知、即ち汚染ガス(臭気)の検出が重要な課題
となってきている。そして、ガス検出装置では、光学
式、接触燃焼式、定電位電解式、半導体式など、様々な
方式のガスセンサが用いられている。
【0003】しかし、光学式ガスセンサは、高価で、か
つ、メンテナンスが大変であるという問題がある。ま
た、接触燃焼式ガスセンサは、数百ppm以上の高濃度
のガスしか検出できないという問題がある。さらに、定
電位電解式ガスセンサは、低濃度のガスも検出できる
が、電解液が経時的に変化するため、電解液の校正を定
期的に行わなければならず、メンテナンスが大変である
という問題がある。
【0004】これに対して、半導体式ガスセンサは、低
価格で寿命が長く、かつ、メンテナンスも容易で、さら
には比較的低濃度のガスまで検出できるという利点があ
るため、多くのガス検出装置に採用されつつある。この
半導体式ガスセンサは、酸化スズなどの酸化物半導体か
ら成る感ガス素子を備え、この感ガス素子の電気抵抗値
の変化によってガス濃度を検出する。しかしながら、半
導体式ガスセンサ(感ガス素子)は、温度・湿度の影響
を受け易く、また測定雰囲気中に存在する特定の検出対
象ガス以外のガス(干渉ガス)の影響も受け易く、さら
に長期間にわたって安定した特性が得られにくいという
欠点を有している。
【0005】そこで、上記欠点を補うものとして、複数
個の感ガス素子を使用したガスセンサが特開平10−1
23083号公報に開示されている。このガスセンサ
は、同一基板上に、感ガス特性が相互に等しく、かつ温
湿度依存性も相互に等しい複数個(例えば、2個)の感
ガス素子を設けると共に、感ガス素子を覆うようにガス
の選択的透過手段(選択的なガス透過機能を有する触媒
層、活性炭などのガス吸着手段、ガスを化学反応によっ
て除去する化学物質が充填されたフィルタ層など)を設
け、各感ガス素子が反応するガスが相互に異なるように
構成されている。そして、感ガス素子からの各出力を用
いることによって、温度・湿度の影響を受けることな
く、低濃度の検出対象ガスを検出することができると共
に、経時変化による影響も補償され、長期間にわたって
安定した出力特性を得ることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したガスセンサ
は、複数個の感ガス素子を使用するため、単一の感ガス
素子を使用するガスセンサと比較して、コスト及び消費
電力が共に増大するという問題がある。
【0007】この発明は上記従来の欠点を解決するため
になされたものであって、その目的は、コストと消費電
力の低減を図ることができると共に、温度・湿度の変化
による影響と経年変化による影響を補償して長期間にわ
たって安定した出力特性を得ることができるガス検出装
置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで請求項1のガス検
出装置は、酸化物半導体から成り、その表面のガス吸着
量に応じて抵抗値が変化する感ガス素子4と、この感ガ
ス素子4を加熱するヒータ5と、このヒータ5を制御し
て上記感ガス素子4の温度を制御すると共に、上記感ガ
ス素子4の抵抗値を検出して検出対象ガスの濃度の増減
を判定する判定手段3とを備えるガス検出装置におい
て、上記判定手段3は、上記感ガス素子4の検出状態が
異なる2つの検出タイミングで上記感ガス素子4の抵抗
値をそれぞれ検出し、2つの検出抵抗値を比較して判定
を行うことを特徴としている。
【0009】ここで、「感ガス素子4の検出状態」と
は、感ガス素子4の温度と、感ガス素子4の表面への酸
素イオンやガス成分などのガス吸着量とを意味する。ま
た、「感ガス素子4の抵抗値」とは、文字通りの抵抗値
のみに限らず、ガス濃度の変化に連動して変化するもの
(例えば、感ガス素子4の両端電圧)も含むものとす
る。
【0010】上記請求項1のガス検出装置では、感ガス
素子4の検出状態が異なる2つの検出タイミングで当該
感ガス素子4の抵抗値を検出する。ここで、2つの検出
状態は、検出状態間で検出対象ガスに対するガス感度
(ガスの検出しやすさ)は異なるが、検出対象ガス以外
のガス(干渉ガス)に対するガス感度はほぼ等しいもの
を選択する。そのため、当然に異なる抵抗値が検出され
る訳であるが、この抵抗値は、検出対象ガスの濃度だけ
でなく、干渉ガスの濃度の影響も受けている。しかし、
上記のように2つの検出状態での干渉ガスに対するガス
感度はほぼ等しいため、2つの抵抗値が受けた干渉ガス
の影響はほぼ同程度である。従って、2つの抵抗値を比
較すれば、干渉ガスの影響を除去できることになり、検
出対象ガスの影響のみを受けた検出値を出力することが
できる。これによって、干渉ガスの影響を受けることな
く、検出対象ガスの濃度の増減を判定することができ
る。
【0011】また請求項2のガス検出装置は、上記判定
手段3は、2つの検出タイミングとして、上記感ガス素
子4の検出状態が定常状態であるときを選択することを
特徴としている。
【0012】さらに請求項3のガス検出装置は、上記判
定手段3は、2つの検出タイミングとして、上記感ガス
素子4の検出状態が過渡状態であるときを選択すること
を特徴としている。
【0013】請求項4のガス検出装置は、上記判定手段
3は、2つの検出タイミングとして、上記感ガス素子4
の検出状態が定常状態であるときと過渡状態であるとき
を選択することを特徴としている。
【0014】ここで、「定常状態」とは、感ガス素子4
の温度が一定になってから時間が充分経過し、感ガス素
子4の表面でのガス吸着量が安定している状態をいう
が、完全にガス吸着量が安定している状態だけでなく、
変化が非常に小さくガス吸着量がほぼ安定している状態
も含めるものとする。また、「過渡状態」とは、感ガス
素子4の温度が変化している状態、あるいは感ガス素子
4の温度が一定になってからの経過時間が短く、雰囲気
のガス状態が変化していない場合であっても、感ガス素
子4の表面でのガス吸着量が変化しつづけている状態を
いう。但し、上記の「変化が非常に小さくガス吸着量が
ほぼ安定してる状態」は、厳密には過渡状態であるけれ
ども、本発明では変化が比較的大きい状態を「過渡状
態」として捉えることとしているので、変化が非常に小
さい状態は「定常状態」に含めるものとする。
【0015】上記請求項2のガス検出装置では、2つの
検出タイミングとして感ガス素子4の検出状態が定常状
態であるときが選択されるが、その一例としては感ガス
素子4の温度が異なる2つの検出タイミングが該当す
る。これは、高温の感ガス素子4に反応しやすいガス
と、低温の感ガス素子4に反応しやすいガスとがあり、
感ガス素子4は温度変化に伴ってガス感度も変化するこ
とが知られているからである。尚、温度変化直後は、感
ガス素子4の表面のガス吸着量が安定していないため、
ガス吸着量が平衡状態に到達した後のタイミングを選択
する必要がある。
【0016】また上記請求項3のガス検出装置では、2
つの検出タイミングとして感ガス素子4の検出状態が過
渡状態であるときが選択されるが、その一例としては、
感ガス素子4の温度変化直後から感ガス素子4の表面の
ガス吸着量が平衡状態に到達するまでの期間内におい
て、温度変化直後からの経過時間が異なる2つの検出タ
イミングが該当する。これは、感ガス素子4の温度が例
えば高温から低温に変化する場合、高温側で検出しやす
いガスのガス感度は温度変化直後からの時間経過と共に
高感度から低感度に変化する一方で、低温側で検出しや
すいガスのガス感度は温度変化直後からの時間経過と共
に低感度から高感度に変化することが知られているから
である。このような現象が起こるのは、感ガス素子4の
温度が変化する場合には、大気中の還元性ガス(検出対
象ガス)と感ガス素子表面の吸着酸素との反応速度が変
化するためガス感度が変化するが、このとき感ガス素子
4の表面のガス吸着量が平衡状態に到達するまでに一定
時間を必要とするからである。
【0017】尚、感ガス素子4の温度が低温から高温に
変化する場合は、上記の現象とは逆に、高温側で検出し
やすいガスのガス感度は温度変化直後からの時間経過と
共に低感度から高感度に変化する一方で、低温側で検出
しやすいガスのガス感度は温度変化直後からの時間経過
と共に高感度から低感度に変化する。
【0018】さらに上記請求項4のガス検出装置では、
2つの検出タイミングとして感ガス素子4の検出状態が
定常状態であるときと過渡状態であるときが選択される
が、その一例としては感ガス素子4の温度が一定である
ときと変化しているときの2つの検出タイミングが該当
する。
【0019】このように検出タイミングとして選択する
2つの検出状態の組合わせは、検出対象ガスの種類に応
じて最適なものを適宜選択すればよい。また、検出状態
の組合わせを変更することによって、1個の感ガス素子
4であっても数多くの検出特性を実現することができ、
検出可能なガスの種類を大幅に増やすことができる。
【0020】請求項5のガス検出装置は、上記判定手段
3は、上記感ガス素子4の水蒸気感度がほぼ等しくなる
ような2つの検出タイミングを選択することを特徴とし
ている。
【0021】上記請求項5のガス検出装置では、上記感
ガス素子4の水蒸気感度がほぼ等しい2つの検出状態で
抵抗値を検出して比較するので、水蒸気、即ち絶対湿度
(温度・相対湿度)の変化の影響を除去した形で、検出
値を出力できる。これによって、水蒸気(絶対湿度)の
変化の影響を受けることなく、検出対象ガスの濃度の増
減を判定することができる。
【0022】請求項6のガス検出装置は、上記判定手段
3は、検出した2つの抵抗値の比を求め、求めた比に基
づいて判定を行うことを特徴としている。
【0023】上記請求項6のガス検出装置では、ガス雰
囲気下において第1の検出状態(タイミング)での抵抗
値Rs1(ガス)と第2の検出状態での抵抗値Rs2
(ガス)との比Rx(ガス)が求められる。ここで、第
1の検出状態におけるガス雰囲気下での抵抗値Rs1
(ガス)と清浄雰囲気下での抵抗値Rs1(清浄)との
出力比をSx1とし、第2の検出状態におけるガス雰囲
気下での抵抗値Rs2(ガス)と清浄雰囲気下での抵抗
値Rs2(清浄)との出力比をSx2とすると、上記R
x(ガス)は、 Rx(ガス)=Rs1(ガス)/Rs2(ガス) =Sx1/Sx2×Rs1(清浄)/Rs2(清浄) =Sx1/Sx2×α と変形できる。ここで、α=Rs1(清浄)/Rs2
(清浄)は検出状態(タイミング)に依存する定数であ
るため、検出状態が異なっても出力比Sxが変化しない
ガスについてのRxの変化は相殺され、検出状態が異な
ると出力比Sxも変化するガスについての変化のみをR
x(ガス)の値として取り出すことができる。これによ
って、干渉ガスの影響を受けることなく、検出対象ガス
の濃度の増減を判定することができる。
【0024】また、感ガス素子4単体の抵抗値の経年変
化は大きいが、上記定数αは同一の感ガス素子4の抵抗
値の比であるので経年変化は小さい。そのため、比Rx
(ガス)は、抵抗値の経年変化による影響をほとんど受
けることがなく、ガス濃度変化に対応した値として出力
させることができる。従って、長期間にわたって安定し
た出力特性を得ることができる。
【0025】請求項7のガス検出装置は、上記判定手段
3は、検出対象ガスの濃度と抵抗値の比との相関関係を
予め記憶しており、求めた検出抵抗値の比と上記相関関
係とに基づいてガス濃度を求めることを特徴としてい
る。
【0026】上記請求項7のガス検出装置では、検出抵
抗値の比Rx(ガス)と予め記憶している相関関係とに
基づいて検出対象ガスの濃度が求められる。従って、ガ
ス濃度の増減だけでなく、ガス濃度の絶対値、即ち雰囲
気中のガスの絶対量を検出することができ、ガス検出装
置の性能の向上を図ることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】次に、この発明のガス検出装置の
具体的な実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に
説明する。
【0028】図1は、本発明の一実施の形態であるガス
検出装置1の概略的な構成を示すブロック図である。ガ
ス検出装置1は、半導体式のガスセンサ2が設置された
雰囲気中の検出対象ガスの濃度又は濃度の増減を判定出
力として出力するものであり、ガスセンサ2と判定手段
3とで構成される。
【0029】ガスセンサ2は様々な形態を有するが、基
本的には感ガス素子4と感ガス素子4を加熱するための
ヒータ5とによって構成されており、その構成の一例を
図2に示す。ガスセンサ2は、図2に示すように、セラ
ミックスやアルミナ製の絶縁基板6の一方の表面に感ガ
ス素子4が上部電極7及び下部電極8に挟まれる形で固
定されている。さらに、感ガス素子4の外側には、粉塵
等から素子を保護するために、例えば多孔質セラミック
スからなる保護膜9が形成されている。また、絶縁基板
6の他方側の表面には、感ガス素子4を加熱するための
ヒータ5が配置されており、感ガス素子4への通電開始
後速やかに所定の温度まで加熱する。ヒータ5は、判定
手段3によって制御される。
【0030】感ガス素子4は、検出対象ガスに鋭敏に反
応する酸化スズ(SnO2 )や酸化鉄(Fe2 3 )等
を基材とする酸化物半導体により構成されており、水素
(H 2 )や一酸化炭素(CO)、アルコール等の還元性
ガスに反応する。感ガス素子4は、例えば、清浄な大気
中では酸化物半導体の表面に酸素が吸着し、酸素の電子
親和力によって酸化物半導体中の自由電子の流れが妨げ
られ、電気抵抗が増大する。従って、感ガス素子の電気
抵抗値が大きいということは雰囲気が清浄であることを
示し、また電気抵抗値が増大する方向に変化していると
いうことは雰囲気が清浄になりつつあることを示してい
る。一方、検出対象ガスとして還元性ガスであるH2
COに感ガス素子4が曝されると、酸化物半導体の表面
では上記のガスと吸着酸素との酸化反応が起こり、酸化
物半導体の表面に吸着していた酸素が減少するため、電
子が動きやすくなり、電気抵抗が減少する。従って、感
ガス素子4の電気抵抗値が小さいということは雰囲気が
汚れていることを示し、また電気抵抗値が減少する方向
に変化しているということは雰囲気が汚れつつあること
を示している。
【0031】図3は、感ガス素子4の抵抗値を測定する
ための測定回路を示す回路図である。感ガス素子4の抵
抗値Rsは、負荷抵抗Raの両端電圧Voutに基づい
て次式によって算出される。 Rs=Ra×(Vc−Vout)/Vout
【0032】ここで、Vcは、ガスセンサ2に印加され
る回路電圧である。尚、図3において、Rhはヒータ5
の抵抗値であり、Vhはヒータ5に印加されるヒータ電
圧である。
【0033】ガスセンサ2の出力電圧であるVout
は、判定手段3に与えられる。判定手段3は、出力電圧
Voutから上記数式に従って感ガス素子4の抵抗値R
sを求め、さらに、この抵抗値Rsに基づいてガス濃度
及びその増減を求める。
【0034】上記ガス検出装置1は、感ガス素子4の検
出状態が異なる2つの検出タイミングで感ガス素子4の
抵抗値をそれぞれ検出し、2つの検出抵抗値を比較して
検出対象ガスの濃度の増減又は濃度自体を判定すること
を特徴としている。以下に、具体的な判定手順を説明す
る。
【0035】まず、感ガス素子4の温度が異なる2つの
検出タイミングで抵抗値を検出して比較する場合を説明
する。これは、2つの検出タイミングとして感ガス素子
4の検出状態が共に定常状態であるときを選択した場合
に相当する(請求項2)。一般に、感ガス素子4の温度
が異なると、感ガス素子4に反応するガスの種類も異な
ることが知られている。即ち、高温の感ガス素子4に反
応しやすいガスと、低温の感ガス素子4に反応しやすい
ガスとがあり、感ガス素子4は温度変化に伴ってガス感
度も変化することが知られている。従って、雰囲気中の
検出対象ガスの濃度が一定であっても、異なる温度で測
定すれば異なる抵抗値が得られることになる。
【0036】(検出タイミングの選択方法)図4は、感
ガス素子4のガス感度の温度依存性の一例を示すグラフ
である。尚、温度依存性は感ガス素子4の仕様、即ち、
感ガス素子4の基材、形状、表面処理方法、触媒の種
類、担持方法等によって異なるものである。グラフにお
いて、横軸に感ガス素子4の温度(℃)をとり、縦軸に
ガス感度として清浄雰囲気下での抵抗値Rs(空気)と
ガス濃度が100ppmの雰囲気下での抵抗値Rs(ガ
ス100ppm)との比Sxをとっている。また、実線
L1はCO(一酸化炭素)のガス感度Sx(CO100
ppm)を、破線L2はエタンのガス感度Sx(エタン
100ppm)を、点線L3はメタンのガス感度Sx
(メタン100ppm)を、破線L4a及び実線L4b
は水蒸気のガス感度Sx(水蒸気)を、それぞれ示して
いる。
【0037】ここで、200℃と500℃でガス感度を
比較すると、500℃から200℃に変化した際に、上
記3種類のガスに対するガス感度Sxはいずれも上昇し
ていることがわかる(ガス感度Sxは数値が小さいほど
高感度である)。従って、200℃と500℃でそれぞ
れ抵抗値を検出した場合、抵抗値が各ガスから受ける影
響は温度によって異なるため、2つの抵抗値を比較した
としても、検出対象ガス以外の干渉ガスの影響を取り除
くことはできない。
【0038】一方、300℃と500℃でガス感度を比
較すると、500℃から300℃に変化した際に、CO
とエタンに対するガス感度は共に上昇しているが(L
1、L2参照)、メタンに対するガス感度はほぼ等しい
ことがわかる(L3参照)。従って、300℃と500
℃でそれぞれ抵抗値を検出した場合、抵抗値がメタンか
ら受ける影響はどちらの温度でもほぼ等しいため、2つ
の抵抗値を比較すれば、メタンの影響を取り除くことが
できることになる。即ち、感ガス素子4の温度を500
℃と300℃に周期的に切り換えるパルス駆動方式でガ
スセンサ2を制御すればよい。尚、パルス駆動方式につ
いては、例えば特許第2791473号公報、特開平9
−138209号公報に記載されている。
【0039】このように2つの温度としては、2つの温
度間で検出対象ガスに対するガス感度は異なるが、他の
ガス(干渉ガス)に対するガス感度はほぼ等しいものを
選択すればよい。従って、図4のグラフに示す特性を持
つ感ガス素子4においては、CO又はエタンを検出対象
ガスとして、メタンを干渉ガスとした場合は、300℃
と500℃で抵抗値を検出して比較すればメタンの影響
を取り除くことができる。尚、上記のように温度依存性
は感ガス素子4の仕様によって異なるため、異なる仕様
の感ガス素子4の場合は、別の温度を選択する必要があ
る。また、COを検出対象ガスとして、エタンを干渉ガ
スとした場合は、300℃と500℃という条件では、
エタンの影響を取り除くことができないため、他の温度
条件、あるいは温度以外の他の検出状態を選択する必要
がある。
【0040】また、図4において、水蒸気に対する感度
が破線L4aに示すように変化する場合は、ほとんど温
度変化の影響を受けていないことがわかる。従って、3
00℃と500℃で抵抗値を検出して比較すれば水蒸気
の影響、即ち絶対湿度(温度・相対湿度)の変化による
影響を取り除くことができる。また、水蒸気に対する感
度が実線L4bに示すように変化する場合は、350℃
以上では温度変化の影響をほとんど受けていないので、
350℃以上の2つの温度で抵抗値を検出すればよい。
このように、水蒸気を含めた干渉ガスの影響を取り除け
るような2つの温度を選択すれば、検出対象ガスの濃度
変化のみを反映した出力(抵抗値)を得ることができ
る。
【0041】(センサ出力の比較方法)ガスセンサ2か
らは、上述したように300℃での抵抗値Rs(300
℃,ガス)と500℃での抵抗値Rs(500℃,ガ
ス)とが出力される。ここで、ガス濃度の判定は、清浄
雰囲気下での抵抗値を基準として行うものであるため、
300℃におけるガス雰囲気下での抵抗値Rs(300
℃,ガス)と清浄雰囲気下での抵抗値Rs(300℃,
清浄)との出力比をSx(300℃)とし、500℃に
おけるガス雰囲気下での抵抗値Rs(500℃,ガス)
と清浄雰囲気下での抵抗値Rs(500℃,清浄)との
出力比をSx(500℃)する。
【0042】最も単純な比較方法としては、出力比の引
き算を行う方法がある。即ち、Sx(300℃)−Sx
(500℃)を求めることによって、温度が変化しても
出力比Sxが変化しないガスの影響成分が相殺されるた
め、温度が変化すると出力比Sxも変化するガスの影響
のみを反映した値を得ることができる。そして、この値
に基づいて、検出対象ガスの濃度の増減を判定する。こ
れによって、干渉ガスの影響を受けることなく、精度の
高い判定を行うことができる。
【0043】別の比較方法としては、抵抗値の比をとる
方法がある。即ち、抵抗値Rs(300℃,ガス)と抵
抗値Rs(500℃,ガス)との比をRx(ガス)とす
ると、このRx(ガス)は上記出力比Sxを用いて下記
のように変形できる。 Rx(ガス)=Rs(300℃,ガス)/Rs(500℃,ガス) =Sx(300℃,ガス)/Sx(500℃,ガス) ×Rs(300℃,清浄)/Rs(500℃,清浄) =Sx(300℃,ガス)/Sx(500℃,ガス)×α
【0044】ここで、α=Rs(300℃,清浄)/R
s(500℃,清浄)は検出タイミング(温度)に依存
する定数であるため、温度が変化しても出力比Sxが変
化しないガスの影響成分が相殺され、温度が変化すると
出力比Sxも変化するガスの影響のみを反映した値を得
ることができる。そして、この値に基づいて、検出対象
ガスの濃度の増減を判定する。これによって、干渉ガス
の影響を受けることなく、精度の高い判定を行うことが
できる。
【0045】また、感ガス素子4の抵抗値の経年変化は
大きいが、上記定数αは同一の感ガス素子4の抵抗値の
比であるので経年変化は小さい。そのため、比Rx(ガ
ス)は、抵抗値の経年変化による影響をほとんど受ける
ことがなく、ガス濃度変化に対応した値として出力させ
ることができる。従って、長期間にわたって安定した出
力特性を得ることができる。これによって、ガスセンサ
2の長寿命化を図ることができる。
【0046】さらに、Rx(ガス)の値は、温度が変化
すると出力比Sxも変化するガスの濃度変化に伴って変
化する。従って、検出対象ガスの濃度と比Rx(ガス)
との相関関係を予め判定手段3に記憶させておくことに
よって、求めた比Rx(ガス)から雰囲気中の検出対象
ガスの濃度を求めることができる。但し、雰囲気中には
検出対象ガス以外のガスも含まれており、これらのガス
の影響を全て検出抵抗値から取り除いている訳ではない
ので、雰囲気中のガス濃度を検出対象ガスの濃度に換算
した形で求めたことになる。尚、上記相関関係は、数式
で記憶してもよいし、表形式で記憶してもよい。
【0047】以上のように本実施の形態によれば、温度
が異なる2つの検出タイミングで感ガス素子4の抵抗値
を検出し、検出した2つの抵抗値を比較することによっ
て干渉ガスの影響を取り除くことができるので、干渉ガ
スの影響を受けることなく、検出対象ガスの濃度の増減
を判定することができる。これによって、検出対象ガス
の濃度変化が小さい場合であっても検出可能となり、検
出精度を向上させることができる。また、感ガス素子4
は1個であるので、複数個の感ガス素子4を用いる場合
に比べて、低コストで実現することができると共に、構
成の小型化及び消費電力の低減も図ることができる。さ
らに、感ガス素子4の温度を低温と高温との間で周期的
に変化させて駆動するため、常時高温で維持して駆動す
る場合と比べて、消費電力を低減させることができる。
【0048】また、検出タイミングとして選択する2つ
の温度の組合わせは、検出対象ガスの種類に応じて最適
なものを適宜選択すればよい。また、温度の組合わせを
変更することによって、1個の感ガス素子4であっても
数多くの検出特性を実現することができ、検出可能なガ
スの種類を大幅に増やすことができる。これによって、
ガス検出装置1の性能向上を図ることができる。
【0049】さらに、絶対湿度(水蒸気)の変化の影響
を受けることなく、検出対象ガスの濃度の増減を判定す
ることができるので、空調装置が据え付けられた室内の
ように温度や相対湿度が変化する雰囲気中のガス検出に
特に有効である。
【0050】また、2つの抵抗値の比に基づいて判定を
行うことによって、干渉ガスの影響と共に、経年変化に
よる抵抗値変化の影響も受けることなく、長期間にわた
って安定した出力特性を得ることができる。これによっ
て、ガス検出装置1の長寿命化を図ることができる。さ
らに、比に基づいて雰囲気中のガス濃度の絶対値を検出
できるので、検出性能の向上を図ることができる。
【0051】以上にこの発明の具体的な実施の形態につ
いて説明したが、この発明は上記形態に限定されるもの
ではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施するこ
とができる。上記実施形態においては、感ガス素子4の
検出状態が異なる2つの検出タイミングとして、感ガス
素子4の温度が異なる2つの検出タイミングを選択した
けれども、他の実施形態として、感ガス素子4の温度変
化直後から感ガス素子4の表面のガス吸着量が平衡状態
に到達するまでの期間内において、温度変化直後からの
経過時間が異なる2つの検出タイミングを選択してもよ
い。この検出タイミングは、感ガス素子4の検出状態が
共に過渡状態であるときを選択した場合に相当する(請
求項3)。
【0052】このような検出タイミングを選択できるの
は、図5のタイミングチャートに示すように、感ガス素
子4の温度が高温から低温に変化する場合、高温側で検
出しやすいメタンのガス感度(センサ出力)は温度変化
直後(時刻t2)からの時間経過と共に高感度から低感
度に変化する一方で(実線L5参照)、低温側で検出し
やすい一酸化炭素のガス感度は温度変化直後(時刻t
2)からの時間経過と共に低感度から高感度に変化する
からであり(破線L6参照)、また逆に、感ガス素子4
の温度が低温から高温に変化する場合は、高温側で検出
しやすいメタンのガス感度は温度変化直後(時刻t1)
からの時間経過と共に低感度から高感度に変化する一方
で(実線L5参照)、低温側で検出しやすい一酸化炭素
のガス感度は温度変化直後(時刻t1)からの時間経過
と共に高感度から低感度に変化するからである(破線L
6参照)。
【0053】ここで、図5のタイミングチャートは、感
ガス素子4を加熱するヒータ5にヒータ電圧としてパル
ス状の電圧を印加してガスセンサ2をパルス駆動したと
きのセンサ出力を示すものであり、パルス状電圧は高温
側として0.9V、5秒間と、低温側として0.2V、
10秒間とを1周期としている。そして、期間W1、W
3においては清浄大気中でのセンサ出力を示し、期間W
2においては一酸化炭素中又はメタン中でのセンサ出力
を示している。
【0054】そこで、図5に示す態様でガスセンサ2を
パルス駆動する場合は、感ガス素子4が低温から高温に
変化した直後(時刻t1)からの時間が短いタイミング
T1aと時間が長いタイミングT1b、又は感ガス素子
4が高温から低温に変化した直後(時刻t2)からの時
間が短いタイミングT2aと時間が長いタイミングT2
bにおいて、センサ出力を検出するようにする。そし
て、検出した2つのセンサ出力を比較することによっ
て、低温側と高温側とでガス感度が変化するガスのみを
検出できる。
【0055】この場合、感ガス素子4が過渡状態から定
常状態に到達するまでの期間におけるガス感度の変化パ
ターン(変化速度)はガスの種類によって異なるので、
感ガス素子4の温度設定を変更することなく、検出タイ
ミングを変更するだけで検出対象ガスの種類を変更する
ことができる。従って、上記の実施形態では検出対象ガ
スの種類を変更するにはヒータ5の駆動方法(電圧や印
加時間など)を変更する必要があるのに対し、本実施形
態ではヒータ5の駆動方法はそのままで検出タイミング
だけを変更すればよいので、簡単な処理で数多くのガス
の検出が可能となる。
【0056】さらに他の実施形態として、感ガス素子4
の検出状態が異なる2つの検出タイミングとして、感ガ
ス素子4の温度と、感ガス素子4の温度変化後からの経
過時間との少なくとも一方が異なる2つの検出タイミン
グを選択してもよい。検出タイミングの組合わせ例とし
ては、感ガス素子4の温度が変化している期間内の2点
を選択する場合と、感ガス素子4の温度が変化している
期間内と変化していない期間内の2点を選択する場合と
がある。
【0057】温度が変化している期間内の2点を選択す
る場合は、例えば図6(b)に示すヒータ電圧を印加し
てガスセンサ2を駆動して、感ガス素子4の温度が図6
(a)に示すように変化するときを例にとると、温度
上昇期間の2点(タイミングT11とタイミングT1
2)、温度上昇期間と最高温度時の2点(タイミング
T11又はT12とタイミングT13)、温度下降期
間の2点(タイミングT14とタイミングT15)、
温度下降期間と最高温度時の2点(タイミングT14又
はT15とタイミングT13)、温度上昇期間と温度
下降期間との2点(タイミングT11又はT12とタイ
ミングT14又はT15)などを選択することができ
る。
【0058】また、温度が変化している期間内と変化し
ていない期間の2点を選択する場合は、例えば図7
(b)に示すヒータ電圧を印加してガスセンサ2を駆動
して、感ガス素子4の温度が図7(a)に示すように変
化するときを例にとると、温度非変化期間とこの温度
非変化期間での温度よりも高温側の温度変化期間(タイ
ミングT26又はT27とタイミングT21、T22、
T24又はT25)、温度非変化期間とこの温度非変
化期間での温度よりも低温側の温度変化期間(タイミン
グT23、T28又はT29とタイミングT21、T2
2、T24又はT25)などを選択することができる。
ここで、感ガス素子4は、温度変化期間においては過渡
状態であり、温度非変化期間においては定常状態である
ので、上記、の検出タイミングは本発明の請求項4
に相当するものである。
【0059】上記のように感ガス素子4の温度変化の途
中でガスセンサ2の出力を検出することによって、出力
検出時の感ガス素子4の温度を、高温側と低温側との間
で自由に設定できる。また、感ガス素子4の温度変化に
伴うガス感度の変化は遅延時間を有するため、出力検出
時の感ガス素子4の温度が同一でも、温度の変化速度を
変更することによって、異なるセンサ特性を得ることが
できる。これによって、ガスセンサ2のセンサ特性を大
幅に変更できることになり、ガスセンサ2の性能向上を
図ることができる。
【0060】このようなガス検出装置1は、様々な製品
に適用可能である。例えば、ガスレベルを検出して空気
清浄運転を行う空調装置、ガスレベルを検出して出力す
るガスモニタ、ガスレベルを検出して警報を発するガス
警報機、空燃比を検出して燃焼状態(運転状態)を制御
する燃焼機(内燃焼機関を含む)などに適用できる。こ
の場合、雰囲気中のガスレベル(絶対量)を正確に検出
できるので、上記各製品の正確な運転・制御が可能とな
る。
【0061】また、ガス検出装置1は、雰囲気中のガス
の種類や濃度を検出するガス分析機に適用することもで
きる。ガス分析機では、センサ特性の異なる複数個のガ
スセンサを用いているので、各ガスセンサから異なる2
つの検出タイミングで検出した抵抗値をそれぞれ出力さ
せ、これらを比較することによって、様々なガスに対し
て、精度よくガスレベルを検出できる。これによって、
ガス分析機が検出対象としているガスを精度よく検出で
きるようになると共に、従来機と同程度の精度でガスを
分析する場合でも、必要なセンサ数を削減することがで
き、ガス分析機の小型化、低消費電力化、低価格化が可
能となる。さらに、ガスセンサ個々のセンサ特性の経年
変化はセンサ出力を比較することによって互いに相殺さ
れるため、ガスセンサのセンサ特性の経年変化に伴う機
器調節の手間も低減できる。
【0062】さらに、ガス検出装置1で行っている感ガ
ス素子4の検出状態が異なる2つの検出タイミングで抵
抗値を検出するという検出方法は、半導体式絶対湿度セ
ンサに適用することも可能である。つまりガスセンサの
ガス感度は、感ガス素子の基材、形状、表面処理方法、
触媒の種類・担持方法などの製造条件によって変化する
と共に温度によっても変化するため、製造条件を還元性
ガスに反応しないように調整して製造し、かつ還元性ガ
スが反応しにくい温度で使用するようにしたものが半導
体式絶対湿度センサとなるからである。従って、上述し
たように温度などの検出状態を変化させれば、感ガス素
子は還元性ガスにも反応するため、絶対湿度センサを利
用して還元性ガスを検出することができる。これによっ
て、空調装置に絶対湿度センサが備えられているような
場合には、新たに臭気センサ(ガスセンサ)を設けるこ
となく、臭気検出が可能となり、低コストで臭気検出及
び空気清浄運転などを実現できる。
【0063】
【発明の効果】以上のように請求項1のガス検出装置に
よれば、検出状態が異なる2つの検出タイミングで感ガ
ス素子の抵抗値を検出し、検出した2つの抵抗値を比較
することによって干渉ガスの影響を取り除くことができ
るので、干渉ガスの影響を受けることなく、検出対象ガ
スの濃度の増減を判定することができる。これによっ
て、検出対象ガスの濃度変化が小さい場合であっても検
出可能となり、検出精度を向上させることができる。ま
た感ガス素子は1個であるので、複数個の感ガス素子を
用いる場合に比べて、低コストで実現することができる
と共に、構成の小型化及び消費電力の低減も図ることが
できる。
【0064】さらに、検出タイミングとして選択する2
つの検出状態の組合わせは、請求項2〜請求項4のよう
に検出対象ガスの種類に応じて最適なものを適宜選択す
ればよい。また、検出状態の組合わせを変更することに
よって、1個の感ガス素子で数多くの検出特性を実現す
ることができ、検出可能なガスの種類を大幅に増やすこ
とができる。これによって、ガス検出装置の性能向上を
図ることができる。
【0065】また請求項5のガス検出装置によれば、絶
対湿度(水蒸気)の変化の影響を受けることなく、検出
対象ガスの濃度の増減を判定することができる。
【0066】さらに請求項6のガス検出装置によれば、
検出した2つの抵抗値の比を求め、この比に基づいて判
定を行うので、干渉ガスの影響と共に、経年変化による
抵抗値変化の影響も受けることなく、長期間にわたって
安定した出力特性を得ることができる。これによって、
ガス検出装置の長寿命化を図ることができる。
【0067】請求項7のガス検出装置によれば、ガス濃
度の増減だけでなく、ガス濃度の絶対値、即ち雰囲気中
のガスの絶対量を検出できるので、検出性能の向上を図
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態であるガス検出装置の概
略的構成を示すブロック図である。
【図2】上記ガス検出装置が備えるガスセンサの構造を
示す断面図である。
【図3】上記ガスセンサの等価回路図である。
【図4】上記ガスセンサの出力を検出するタイミングを
説明するためのグラフである。
【図5】上記ガスセンサの出力を検出するタイミングを
説明するためのタイミングチャートである。
【図6】上記ガスセンサの出力を検出するタイミングを
説明するためのタイミングチャートである。
【図7】上記ガスセンサの出力を検出するタイミングを
説明するためのタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 ガス検出装置 2 ガスセンサ 3 判定手段 4 感ガス素子 5 ヒータ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化物半導体から成り、その表面のガス
    吸着量に応じて抵抗値が変化する感ガス素子(4)と、
    この感ガス素子(4)を加熱するヒータ(5)と、この
    ヒータ(5)を制御して上記感ガス素子(4)の温度を
    制御すると共に、上記感ガス素子(4)の抵抗値を検出
    して検出対象ガスの濃度の増減を判定する判定手段
    (3)とを備えるガス検出装置において、上記判定手段
    (3)は、上記感ガス素子(4)の検出状態が異なる2
    つの検出タイミングで上記感ガス素子(4)の抵抗値を
    それぞれ検出し、2つの検出抵抗値を比較して判定を行
    うことを特徴とするガス検出装置。
  2. 【請求項2】 上記判定手段(3)は、2つの検出タイ
    ミングとして、上記感ガス素子(4)の検出状態が定常
    状態であるときを選択することを特徴とする請求項1の
    ガス検出装置。
  3. 【請求項3】 上記判定手段(3)は、2つの検出タイ
    ミングとして、上記感ガス素子(4)の検出状態が過渡
    状態であるときを選択することを特徴とする請求項1の
    ガス検出装置。
  4. 【請求項4】 上記判定手段(3)は、2つの検出タイ
    ミングとして、上記感ガス素子(4)の検出状態が定常
    状態であるときと過渡状態であるときを選択することを
    特徴とする請求項1のガス検出装置。
  5. 【請求項5】 上記判定手段(3)は、上記感ガス素子
    (4)の水蒸気感度がほぼ等しくなるような2つの検出
    タイミングを選択することを特徴とする請求項1〜請求
    項4のいずれかのガス検出装置。
  6. 【請求項6】 上記判定手段(3)は、検出した2つの
    抵抗値の比を求め、求めた比に基づいて判定を行うこと
    を特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかのガス検出
    装置。
  7. 【請求項7】 上記判定手段(3)は、検出対象ガスの
    濃度と抵抗値の比との相関関係を予め記憶しており、求
    めた検出抵抗値の比と上記相関関係とに基づいてガス濃
    度を求めることを特徴とする請求項6のガス検出装置。
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