JP2002303598A - ガスセンサを用いたガスの検出方法 - Google Patents

ガスセンサを用いたガスの検出方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い精度でガスを同定することができるガス
センサを用いたガスの検出方法を提供することを目的と
する。 【解決手段】 基板上に感応膜と感応膜の温度を制御す
るヒータとが形成されており、ヒータを複数のヒータ検
出温度H1〜H6に変化させる間に基準ヒータ温度H0
することで、感応膜を各ヒータ検出温度H1〜H6に対応
した複数の検出温度にする間に基準ヒータ温度H0に対
応した基準感応膜温度にする。これにより、感応膜を基
準感応膜温度にすることで、感応膜を所定の状態に復帰
させることができ、所定の抵抗値変化からの変化量とし
て各検出温度における感応膜の抵抗値変化を検出するこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスの有無により
物性値が変化する感応膜を利用して雰囲気を同定するガ
スセンサを用いたガスの検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ガスセンサは特定ガス等を感知するセン
サであり、特定ガスの有無により抵抗、質量、誘電率等
の物性値が変化する感応膜が半導体基板等の基板に形成
されている。そして、ガスセンサには感応膜の物性値変
化を検出する検出手段が備えられており、感応膜の物性
値変化を検出することでガスを検出する。
【0003】一般的にガスセンサの備えるべき特徴とし
ては、高い感度、優れた選択性、速い応答速度、高い信
頼性等を挙げることができ、他には製造が容易なことや
小型であること及び消費電力が小さいこと等も挙げられ
る。
【0004】この様なガスセンサの感度や選択性は感応
膜の温度に大きく依存しているため、感応膜付近にヒー
タを設けて、例えば制御回路手段を用いて感応膜を特定
温度(300℃〜500℃)に制御している。しかしな
がら、感応膜は1種類のガスのみに感応するに留まら
ず、複数種類のガス等に感応することが知られており、
その様な感応膜では例えば1種類のガスを検出しようと
したときに選択性が低いという問題がある。
【0005】また、ガスの検出は感応膜にガス分子が吸
着したり脱離したりすることによる感応膜の物性値変化
を検出することで行っている。しかしながら、ガスの脱
吸着反応が平衡に達するのに相当の時間を必要とし、速
くても10秒、遅ければ数分ほどの時間を必要とする。
そのため、応答性が悪いという問題がある。
【0006】このうち、選択性が低いという問題に関し
て、特開平2−88958号公報では、感応膜の物性値
変化がガス種と温度に依存することを利用して、複数の
温度で物性値変化を測定することで、物性値変化の特徴
からガス種とその濃度を同定する技術が開示されてい
る。
【0007】また、応答性が悪いという問題に関して、
感応膜の物性値変化が飽和する前にこの物性値変化を測
定して物性値の変化速度を求め、この変化速度からガス
の濃度を想定しようとする技術がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、感応膜の感
度は感応膜にガス等が吸着していると低下する。そのた
め、ガスを測定する前の感応膜においてガス等の吸着量
が異なっていると、等しいガス雰囲気であっても検出さ
れる感応膜の物性値変化が異なり、あたかも異なるガス
雰囲気であると判断されてしまう。
【0009】従って、上記選択性を向上させる技術と応
答性を向上させる技術を用いたとしても、ガスを測定し
たときの感応膜の物性値変化が、ガスを測定する前の感
応膜の表面状態(初期状態)、つまり、あるガスを測定
する前の感応膜の履歴に依存してしまい、検出精度が低
下するという問題がある。
【0010】この問題に対して、特開平9−26459
1号公報に開示されている技術では、異なる温度で物性
値変化を測定し、その変化の差分(ヒステリシス)をと
ることで検出精度を上げるようにしている。
【0011】しかしながら、ガスの濃度が低いと差分が
明確に現われないことが予測され、ガスの濃度が低い場
合に検出精度が低くなってしまう。また、差分をとるた
めに温度の上げ下げを繰り返し行わなければならず、応
答速度が低くなってしまう。
【0012】本発明は、上記問題点に鑑み、高い精度で
ガスを同定することができるガスセンサを用いたガスの
検出方法を提供することを目的とする。また、高い精度
で且つ速い応答速度でガスを同定することができるガス
センサを用いたガスの検出方法を提供することを他の目
的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明では、基板(1)と、該基板
に形成されガスの脱着により物性値が変化する感応膜
(5)と、該感応膜の温度を制御するために基板に形成
されたヒータ(3)と、感応膜の物性値変化を検出する
機構を備えた検出手段(6a、6b)と、ヒータの温度
を制御するヒータ制御手段(21)と、感応膜の物性値
変化を解析する解析手段(22)とを備えたガスセンサ
を用いたガスの検出方法において、ヒータを複数の温度
(H1〜H6)に変化させて感応膜を複数の検出温度に
し、該複数の検出温度における感応膜の物性値変化を検
出することでガスの成分及び濃度の少なくとも一方を同
定する場合に、感応膜の物性値変化を検出する前に、感
応膜の温度を一旦所定の温度にすることを特徴としてい
る。
【0014】本発明では、感応膜の温度を一旦所定の温
度にすることにより感応膜を所定の状態に復帰させるこ
とができる。そのため、複数の検出温度に変化させた場
合に問題となる感応膜の履歴の影響が、検出される感応
膜の物性値変化に対して及ぶのを抑制することができ
る。従って、高い精度でガスを同定することができるガ
スセンサを用いたガスの検出方法を提供することができ
る。
【0015】また、請求項2に記載の発明では、基板
(1)と感応膜(5)とヒータ(3)と検出手段(6
a、6b)とヒータ制御手段(21)と解析手段(2
2)とを備えたガスセンサを用いたガスの検出方法にお
いて、ヒータを一定の温度(H7)に繰り返し変化させ
ることにより感応膜を繰り返し一定の検出温度にし、該
一定の検出温度における感応膜の物性値変化を検出する
ことでガスの成分及び濃度の少なくとも一方を同定する
場合に、感応膜の物性値変化を検出する前に、感応膜の
温度を一旦所定の温度にすることを特徴としている。
【0016】本発明では、請求項1の発明と同様に、繰
り返し一定の検出温度に変化させた場合に問題となる感
応膜の履歴の影響が、検出される感応膜の物性値変化に
対して及ぶのを抑制することができる。従って、請求項
1の発明と同様の効果を発揮することができる。
【0017】また、請求項3に記載の発明では、請求項
1の発明において、感応膜を複数の検出温度にする際
に、該複数の検出温度のうちの各々の検出温度にする前
の全てにおいて感応膜の温度を一旦所定の温度にするこ
とを特徴としている。
【0018】これにより、物性値変化を検出する度に物
性値変化を常に所定の基準値からの変化量として検出す
ることができ、さらに高精度にガスを検出することがで
きる。
【0019】また、請求項4に記載の発明の様に、請求
項2の発明において、感応膜を繰り返し一定の検出温度
にする際に、感応膜を検出温度にする前の全てにおいて
感応膜の温度を一旦所定の温度にすることにより、請求
項3の発明と同様の効果を発揮することができる。
【0020】また、請求項5に記載の発明の様に、請求
項1〜4の発明において、所定の温度を検出温度よりも
高くすることにより、感応膜の表面に存在するガスや水
分の脱離を促進することができ、短時間で感応膜の表面
状態を所定の初期状態にすることができる。従って、高
い精度で且つ速い応答速度でガスを同定することができ
るガスセンサを用いたガスの検出方法を提供することが
できる。
【0021】また、請求項6に記載の発明の様に、請求
項1〜4の発明において、所定の温度を、感応膜に吸着
したガスが感応膜から脱離する温度以上とすることによ
り、少なくとも感応膜の表面に吸着したガスを脱離させ
ることができる。そのため、感応膜にガスが吸着してい
ない状態を初期状態とすることができる。
【0022】また、請求項7に記載の発明では、請求項
1〜4の発明において、所定の温度を、感応膜に吸着し
た水分が感応膜から脱離する温度以上とすることによ
り、少なくとも感応膜の表面に吸着した水分を脱離させ
ることができる。そのため、感応膜に水分が吸着してい
ない状態を初期状態とすることができる。
【0023】また、請求項8に記載の発明の様に、請求
項1〜3の発明において、所定の温度を、ガスが吸着し
て感応膜が物性値変化を起こさない温度以上とすること
により、物性値変化を起こしていない感応膜の状態を初
期状態とすることができる。
【0024】また、請求項9に記載の発明の様に、請求
項1〜8の発明において、感応膜を所定の温度に所定の
時間保持することにより、感応膜からガスや水分を確実
に脱離させることができる。また、感応膜を高温にする
ことができないような材料を用いた場合にもガスや水分
を確実に脱離させることができる。
【0025】また、感応膜からガスや水分が完全に脱離
すると感応膜の物性値変化が飽和するため、請求項10
に記載の発明の様に、請求項1〜8の発明において、感
応膜を所定の温度にし、感応膜の物性値変化が飽和した
後に感応膜の温度を検出温度にすることにより、感応膜
からガスや水分が脱離したことを確認した上で感応膜を
検出温度にすることができる。
【0026】また、請求項11に記載の発明では、請求
項1〜10の発明において、感応膜を検出温度にし、該
検出温度に所定の時間保持した後に感応膜の物性値変化
を検出することを特徴としている。
【0027】これにより、感応膜に対するガスの吸着が
進行した後に感応膜の物性値変化を検出することができ
るため、高精度にガスの検出を行うことができる。
【0028】また、感応膜にガスが十分に吸着すると感
応膜の物性値変化が飽和するため、請求項12に記載の
発明の様に、請求項1〜10の発明において、感応膜を
検出温度にし、感応膜の物性値変化が飽和した後に感応
膜の物性値変化を検出することにより、感応膜にガスが
吸着したことを確認した上で感応膜を検出温度にするこ
とができる。
【0029】また、請求項13に記載の発明では、請求
項1〜10の発明において、感応膜の物性値変化の検出
を物性値変化が飽和する前に行うことを特徴としてい
る。
【0030】一般に、例えばガスの濃度に応じて感応膜
の物性値変化の時間変化が異なるため、感応膜の物性値
変化が飽和する前であってもガスを同定することができ
る。従って、本発明により短時間で検出ガスを同定する
ことができるため、高い精度で且つ速い応答速度でガス
を同定することができる。
【0031】また、請求項14に記載の発明では、請求
項1〜13の発明において、ヒータの温度をガスセンサ
の使用環境で想定される着火温度より低くすることを特
徴としている。
【0032】これにより、ガスセンサが爆発することを
防止するたの防爆構造をガスセンサに設ける必要がなく
なる。
【0033】また、請求項15に記載の発明では、請求
項1〜14の発明において、ガスセンサとして、基板に
空洞部(8)を形成することにより該空洞部に対応して
いる部位に薄肉部が形成されており、ヒータ及び感応膜
が薄肉部に形成されているものを用いることを特徴とし
ている。
【0034】この様な薄肉部が形成されてなるガスセン
サは熱容量が小さく断熱性が高いため、消費電力を小さ
くすることができ感応膜の温度変化を高応答にすること
ができる。
【0035】また、請求項16に記載の発明では、請求
項1〜15の発明において、感応膜が10nm以下の厚
みの薄膜であることを特徴としている。
【0036】このように、感応膜を薄くすることにより
ガスの感応膜の内部への拡散を防ぎ、ガスセンサの応答
性をより高めることができる。
【0037】また、請求項17に記載の発明のように、
請求項1〜16の発明において、例えば物性値変化とし
て電気抵抗の変化を検出することができる。
【0038】なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述
する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すも
のである。
【0039】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)以下、図に示す
実施形態について説明する。図1は本実施形態のガスセ
ンサの上面図であり、図2は図1におけるA−A断面を
示す概略断面図である。本実施形態のガスセンサはセン
シングエレメント100と回路手段200とから構成さ
れている。
【0040】まず、センシングエレメント100の構成
について説明する。例えばSiからなる基板1の表面上
に支持膜2が形成されている。この支持膜2はシリコン
酸化膜とシリコン窒化膜が層状に形成された複合膜であ
り、全体に引っ張り応力を持たせるように成膜されてい
る。詳しくは、シリコン酸化膜は圧縮応力を持ってお
り、シリコン窒化膜は引っ張り応力を持っているため、
シリコン酸化膜とシリコン窒化膜の膜厚を調整すること
で支持膜2全体には弱い引っ張り応力を持たせるように
している。
【0041】また、支持膜2の上には後述の感応膜5の
温度を制御するためのヒータ3が形成されている。この
ヒータ3は基板1の中央部において枠形状に配置されて
おり、枠形状の対向する2つの角部から各々基板1の端
部方向に向けて線形状のヒータ3が延設されている。こ
こで、ヒータ3は、PtやAuなどの貴金属物質やRu
2、ポリシリコン等からなるもので構成されている。
【0042】また、ヒータ3の上には電気絶縁膜4が形
成されている。この電気絶縁膜4はシリコン酸化膜とシ
リコン窒化膜を組み合わせた膜からなる。理想的には、
ヒータ3を挟んで対称になるように支持膜2と電気絶縁
膜4を構成するとよい。これは次のような理由による。
【0043】支持膜2や電気絶縁膜4は、後述のように
基板1に形成された空洞部8上に配置されて架空状態と
なっているため、ヒータ3によって支持膜2や電気絶縁
膜4が温められることにより、シリコン酸化膜とシリコ
ン窒化膜の熱膨張係数の差から支持膜2や電気絶縁膜4
が撓むことがある。しかし、支持膜2と電気絶縁膜4を
対称に形成すればこの撓みを抑制することができる。
【0044】また、電気絶縁膜4のうち線形状のヒータ
3の端部の上部には電極取り出し口4aが形成されてお
り、ヒータ3の端部が露出している。
【0045】また、電気絶縁膜4の上にガスの脱着によ
り物性値が変化する感応膜5が形成されている。この感
応膜5はセンシングエレメント100の上面から見た際
に、枠形状に配置されたヒータ3の内側に配置されるよ
うな位置に形成されている。従って、ヒータ3は感応膜
5の直下には配置されないようになっている。
【0046】感応膜5としてはSnO2やTiO2、Zn
O、In23等の酸化物半導体からなるものを用いるこ
とができる。この感応膜5はガスの有無によって例えば
電気抵抗(以下、単に抵抗という)の値等の物性値が変
化する。以下、本実施形態では物性値変化として抵抗値
変化を検出するものとして説明する。
【0047】また、感応膜5は10nm以下の厚さで成
膜すると良い。この様に感応膜5の厚みを薄くすること
により、感応膜5の内部にガスが拡散することを防いで
感応膜5の表面でガスを反応させることにより、ガスが
拡散する時間を低減して応答性を高めることができる。
また、感応膜5の抵抗値はガスが吸着して空乏層が形成
されることで変化するため、感応膜5をこの空乏層の厚
みと同程度の膜厚に設定することで大きな感度を得るこ
とができる。なお、ガスの種類によっては感応膜5に不
純物を添加してガスの感度をあげても良い。
【0048】また、感応膜5の上には感応膜5の抵抗値
変化を検出するための機構を備えた検出手段としての検
出電極6a、6bが形成されている。この検出電極6
a、6bは一対設けられており、各々の検出電極6a、
6bは櫛歯状に形成されている。そして、各々の検出電
極6a、6bの端部は基板1上まで延設されて、各々の
検出電極6a、6bの端部において検出電極用パッド部
7a、7bが形成されている。
【0049】この検出電極6a、6bとしては、Ptや
Au等の貴金属或はAl(アルミニウム)等からなるも
のを用いることができる。また、検出電極用パッド部7
a、7bとしては例えばAlやAu等を用いることがで
き、後述のように検出電極用パッド部7a、7bに形成
されるボンディングワイヤと密着強度のある材料を使用
する。
【0050】ここで、感応膜5が検出電極6a、6bよ
りも薄い場合は、この様に検出電極6a、6bは感応膜
5の上に設けると好ましい。これは、感応膜5が検出電
極6a、6bよりも薄い場合に仮に感応膜5の下に検出
電極6a、6bを設けると、検出電極6a、6bの段差
により感応膜5が破断する可能性が高いためである。
【0051】また、電極取り出し口4a上にヒータ3と
電気的に接続する様にしてヒータ用パッド部7c、7d
が形成されている。
【0052】また、検出電極6a、6bと感応膜5及び
各々のパッド部7a〜7dの上にはフィルター10が形
成されている。このフィルター10は特定のガスだけを
透過させることができ、ガスの選択性を向上させるため
に形成されている。例えば、ガスとしての水素の選択性
を向上させるためにはフィルター10として酸化膜を形
成する。
【0053】この場合、感応膜5と検出電極6a、6b
上がフィルター10としての酸化膜で覆われるため、周
辺雰囲気中の雑ガスによる感応膜5や検出電極6a、6
bの劣化を防ぐと共に、ゴミ等が感応膜5や検出電極6
a、6bに付着することも防止できる。また、後述のよ
うに基板1に空洞部8を形成する際に感応膜5や検出電
極6a、6b等をエッチング液から保護する効果もあ
る。
【0054】また、フィルター10における各々のパッ
ド部7a〜7d上は開口しており、各々のパッド部7a
〜7dが露出されている。
【0055】また、基板1のうちヒータ3の下方には基
板1の裏面まで開口した空洞部8が形成されている。つ
まり、空洞部8に対応している部位に薄肉部としての支
持膜2及び電気絶縁膜4が形成されており、ヒータ4及
び感応膜5が薄肉部に形成されている。以下、この空洞
部8上に形成された薄肉部をメンブレンといい、メンブ
レンにヒータ3及び感応膜5等が形成された部位を薄肉
検出部12という。
【0056】この様にヒータ3が空洞部8上に配置され
ているため、ヒータ3の熱が基板1を介して逃げないた
め断熱性が高い。そのため、ヒータ3の放熱を抑制して
消費電力を下げるとともに、熱容量を大幅に下げること
で高応答に感応膜5の温度を制御することができる。
【0057】例えば、メンブレンの平面サイズが一辺1
mm程度の矩形であり、メンブレンの厚さが数μm以下
であれば、感応膜5を数百度まで温度上昇させるのに、
10msec以下で行うことができる。
【0058】また、基板1の裏面のうち空洞部8の開口
部となっていない部位には、酸化膜等のマスク膜11が
形成されている。この様にしてセンシングエレメント1
00が構成されている。
【0059】また、回路手段200は、ヒータ3の温度
を制御するヒータ制御手段としてのヒータ温度制御回路
21と、感応膜5の抵抗値変化を解析する解析手段とし
ての感応膜変化解析回路22とからなる。
【0060】ヒータ温度制御回路21は、配線23によ
りヒータ用パッド部7c、7dと電気的に接続されてい
る。また、感応膜変化解析回路22は、配線24により
検出電極用パッド部7a、7bと電気的に接続されてい
る。この電気的な接続は、例えばボンディングワイヤに
より行うことができる。
【0061】また、ヒータ温度制御回路21と感応膜変
化解析回路22は結線されている。これにより、ヒータ
3の温度をヒータ温度制御回路21により所望の温度に
制御することができ、ヒータ3が所望の温度になった
時、又は所望の時間が経過した時に、感応膜変化解析回
路22によって感応膜5の抵抗値変化を信号として取り
込み解析して出力できるようになっている。
【0062】次に、この様な構成のガスセンサの製造方
法について簡単に説明する。まず、基板1を用意して支
持膜2を形成する。そして、支持膜2上にPt膜等を形
成してパターニングすることによりヒータ3を形成した
後、電気絶縁膜4を形成し、電極取り出し口4aを形成
する。次に、感応膜5を形成した後、Al膜等を形成し
てパターニングすることにより検出電極6a、6b及び
各々のパッド部7a〜7dを形成する。
【0063】続いて、電気絶縁膜4、感応膜5及び検出
電極6a、6b上にフィルター10を形成して、基板1
の裏面にマスク膜11を形成する。そして、このマスク
膜11をマスクとして、基板1をTMAH溶液等により
異方性エッチングすることにより空洞部8を形成する。
その後、各々のパッド部 7a〜7dとヒータ温度制御
回路21及び感応膜変化解析回路22をワイヤボンド等
により電気的に接続する。この様にして、本実施形態の
ガスセンサが完成する。
【0064】次に、このガスセンサを用いたガスの検出
方法について説明する。本実施形態では、複数種類のガ
ス種を同定すると共にその濃度を同定するものである。
図3は、同じ濃度の各種のガス(水素、一酸化炭素等)
雰囲気に、200℃〜450℃の異なる温度の感応膜5
を曝した場合の感応膜5の感度(具体的には感応膜の抵
抗値変化)を模式的なグラフにしたものである。
【0065】図3に示すように、感応膜5の温度によっ
て各種のガスに対する感度が変化する。従って、図3に
示す様な検出対象となる各種のガス毎に感応膜5の感度
の温度依存性を予め把握しておき、検出対象となる雰囲
気における複数の温度での感応膜5の抵抗値変化の値と
照らし合わせることで、雰囲気に含まれているガス種を
同定したりその濃度を同定したりすることができる。ま
た、所望のガス種のみのガス濃度を検出することもでき
る。
【0066】この際、本実施形態では感応膜5の抵抗値
変化を検出する前に、感応膜5の温度を一旦所定の温度
にする。上記構成のガスセンサでは、ヒータ3の温度を
変化させることで感応膜5の温度を同様に変化させるこ
とができるため、ヒータ3の温度を制御することで感応
膜5の温度を制御する。
【0067】図4に本実施形態におけるヒータ3の具体
的な温度制御の方法を示す。図4に示すように、ヒータ
3を複数の温度(以下、ヒータ検出温度という)H1
6に変化させる際に、一旦基準のヒータ温度(以下、
基準ヒータ温度という)H0にする。
【0068】これにより、感応膜5の温度は、各ヒータ
検出温度H1〜H6に対応した温度(以下、検出温度とい
う)になる際に、一旦基準ヒータ温度H0に対応した所
定の温度(以下、基準感応膜温度という)になる。そし
て、複数の各検出温度になった際の感応膜5の抵抗値変
化を検出する。
【0069】つまり、複数の各検出温度における感応膜
5の抵抗値変化を検出する前に感応膜5の温度を一旦基
準感応膜温度にしており、感応膜5を前の検出温度から
次の検出温度にする際に一旦基準感応膜温度にしてい
る。特に、本実施形態では、感応膜5を複数の各検出温
度にする際に、この複数の各検出温度のうち各々の検出
温度にする前の全てにおいて、感応膜5の温度を一旦基
準感応膜温度にしている。
【0070】この際、基準ヒータ温度H0を各ヒータ検
出温度H1〜H6の全てよりも高くすることにより、基準
感応膜温度を各検出温度の全てよりも高くしている。具
体的には、基準感応膜温度は感応膜5に吸着しているガ
スが感応膜5から脱離する温度以上、つまり、ガスが吸
着することで感応膜5が抵抗値変化を起こさない温度以
上とする。さらには、基準感応膜温度は感応膜5に吸着
している水分が感応膜5から脱離する温度以上であると
望ましい。
【0071】ただし、ヒータ3の温度はガスセンサの使
用環境で想定される着火温度よりも低くする。これはヒ
ータ3の温度が高いとガスセンサが着火源となり、火災
や爆発を生じる可能性があるためである。たとえ雰囲気
の可燃性ガスの濃度が着火濃度以下であろうと、着火濃
度まで上がった場合を想定し、最も低い着火温度以下で
のヒータ温度制御を行うことが望ましい。
【0072】この様に、ヒータ3の温度をガスセンサの
使用環境で想定される着火温度よりも低くすることによ
り、ガスセンサが爆発することを防止するための防爆構
造をガスセンサに設ける必要がない。この様な基準感応
膜温度としては例えば500℃程度以下が望ましい。ま
た、この際の感応膜の検出温度は、200℃〜450℃
程度である。
【0073】また、ヒータ3を基準ヒータ温度H0に所
定の時間保持することにより、感応膜3を基準感応膜温
度に所定の時間保持している。この所定時間は、感応膜
5の抵抗値変化が飽和(安定)するまでの時間である。
そして、抵抗値変化が飽和した後に感応膜5の温度を検
出温度に変える。ここで、基準感応膜温度において感応
膜5の抵抗値変化が飽和するまでの時間は、例えば10
sec程度である。
【0074】また、ヒータ3を各ヒータ検出温度H1
6に変化させた後、各温度で所定の時間保持すること
で、感応膜5を検出温度に所定の時間保持した後、感応
膜5の抵抗値変化を測定する。具体的には、感応膜5の
抵抗値変化が飽和(安定)した後に感応膜5の抵抗値変
化を測定する。つまり、図4におけるある1つの温度変
化を拡大して示す図である図5における時間Aで感応膜
5の抵抗値変化を測定する。ここで、検出温度において
感応膜5の抵抗値変化が飽和する時間は、例えば10se
c程度である。
【0075】このヒータ3の温度制御はヒータ温度制御
回路21により行うことができ、感応膜5の抵抗値変化
の検出は感応膜変化解析回路22により行うことができ
る。そして、図4に示すように、基準ヒータ温度H0
つまり基準感応膜温度における抵抗値変化の値(以下、
基準抵抗値変化という)R0を基準として、各ヒータ検
出温度、つまり検出温度における抵抗値変化の飽和値R
Aを測定する。その後、予め把握しておいた感応膜温度
と抵抗値変化との関係からガス種とガス濃度の少なくと
も一方を同定する。
【0076】この様に、本実施形態では感応膜5の温度
を一旦基準感応膜温度にすることにより、感応膜5を所
定の状態に復帰させることができる。そのため、複数の
検出温度に変化させた場合に問題となる感応膜5の履歴
の影響、つまり、感応膜5の温度を直接次の検出温度に
変化させた場合に感応膜5に吸着しているガスの影響
が、検出される感応膜5の抵抗値変化に対して及ぶのを
抑制することができる。従って、高い精度でガス種やガ
ス濃度を同定することができる。
【0077】特に、各検出温度にする前に毎回基準感応
膜温度にしているため、抵抗値変化を常に同じ基準抵抗
値変化R0からの変化量として検出することができ、更
に高精度にガスを検出することができる。
【0078】また、基準感応膜温度を各検出温度の全て
よりも高くしているため、感応膜5の表面に存在するガ
スや水分の脱離を促進することができ、短時間で感応膜
5を所定の状態にすることができる。これは、感応膜5
の表面に吸着しているガス等の分子が高温になることで
脱離が急速に進行することによる。従って、速い応答速
度でガスを同定することができる。
【0079】また、感応膜5の表面にガスや水分が吸着
していると感応膜5の感度が低下するため、特に本実施
形態のように、基準感応膜温度を感応膜5に吸着したガ
スや水分が感応膜5から脱離する温度以上にすると良
い。これにより、感応膜5の表面にガスや水分が吸着し
ていない状態、つまり感応膜5が抵抗値変化を起こして
いない状態を初期状態として、感応膜5の感度が低下す
ることを抑制できる。
【0080】また、感応膜5が抵抗値変化を起こしてい
ない状態を初期状態としているため、感応膜5を基準感
応膜温度にした際の抵抗値変化の測定が不要となり、検
出温度における抵抗値変化を測定するだけで良い。
【0081】また、感応膜5を基準感応膜温度に所定の
時間保持するようにしているため、感応膜5からガスや
水分を確実に脱離させることができる。この際、感応膜
5の表面からガスや水分が完全に脱離すると感応膜5の
抵抗値変化が飽和する。そのため、本実施形態の様に感
応膜5を基準感応膜温度にして感応膜5の抵抗値変化が
飽和した後に感応膜5の温度を検出温度にすることで、
感応膜5の表面からガスや水分が脱離したことを確認し
た上で感応膜5を検出温度にすることができる。従っ
て、さらに高精度に抵抗値変化を測定することができ
る。
【0082】また、感応膜5を検出温度にした際も所定
の時間経過した後、具体的には感応膜5の抵抗値変化が
飽和した後に感応膜5の物性値変化を検出している。そ
のため、感応膜5を基準感応膜温度にした時と同様に、
高精度に抵抗値変化を測定することができる。
【0083】なお、図4に示すヒータ3の温度(感応膜
5の温度)の変化サイクルは、検出対象となっているガ
スの種類や数などにより適宜決定すれば良く、図4に示
す温度変化のサイクルを繰り返しても良い。
【0084】(第2実施形態)上記第1実施形態は感応
膜5を複数の異なる検出温度にする場合について示した
が、本実施形態では感応膜5を繰り返し一定の検出温度
にする場合について説明する。以下、主として第1実施
形態と異なる部分について説明する。
【0085】例えば、検出対象のガス種が予め1種類で
ある場合は、ガスセンサはガスの濃度のみ測定するもの
として用いられる。この場合は、感応膜5を繰り返し一
定の温度にして抵抗値変化を測定することでガスの濃度
を同定することができる。
【0086】図6は、本実施形態におけるヒータ3の温
度の制御方法について示すグラフである。図6に示すよ
うに、ヒータ3を一定の温度(ヒータ検出温度)H7
繰り返し変化させる間に基準ヒータ温度H0にすること
で、感応膜5を繰り返し一定の検出温度にする間に基準
感応膜温度にする。そして、各検出温度において感応膜
5の抵抗値変化を測定する。
【0087】この際、時間T0から感応膜5の抵抗値変
化が変わったことから、この時間T0から雰囲気のガス
濃度が変化したことが分かる。また、予め抵抗値変化と
ガスの濃度との関係を把握しておくことにより、時間T
0の前後におけるガスの濃度を同定することができる。
【0088】また、本実施形態では第1実施形態と同様
の理由から、高い精度でガスを同定することができ、ま
た、速い応答速度でガスを同定することができる。
【0089】なお、その他、基準感応膜温度に保持する
ことや検出温度に保持すること、又は各検出温度におけ
る抵抗値変化の測定時点などは第1実施形態と同様であ
る。
【0090】(第3実施形態)本実施形態は上記第1及
び第2実施形態と比較して感応膜5の抵抗値変化を測定
する時点が異なるものである。感応膜5は各感応膜5の
温度においてガスの濃度によって抵抗値変化の時間変化
(変化の立ち上がり)が異なることが知られている。具
体的には感応膜5の抵抗値変化が所定の値になるまでの
時間はガスの濃度が濃い方が速い。
【0091】従って、ガスの濃度に対応する感応膜5の
抵抗値変化の時間変化を予め把握しておけば、抵抗値変
化が飽和に達する(安定化する)前にガスの濃度を同定
することができる。
【0092】但し、ガスの濃度変化が例えば5%から2
0%に変化した場合と、10%から20%に変化した場
合では、同じ20%の濃度であっても検出する際の抵抗
値変化の時間変化は異なってしまう。そこで、上記第1
及び第2の実施形態と同様に感応膜5を検出温度にする
前に一旦基準感応膜温度にすることにより、常に初期状
態の感応膜5を用いた場合の抵抗値変化の時間変化を検
出する。
【0093】従って、初期状態の感応膜5を用いた場合
のガスの濃度に応じた抵抗値変化の時間変化を予め把握
しておけば、ガスの濃度を同定することができる。
【0094】次に、この場合の具体的な抵抗値変化の検
出時点について説明する。感応膜5の抵抗値変化が飽和
する前の時点として、例えば上記図5における時間Bに
おいて抵抗値変化の時間変化、つまり抵抗値変化の傾き
を測定する。この際、時間Bは感応膜5を検出温度にし
てからの経過時間として制御すれば良く、予め同じ経過
時間における抵抗値変化を測定してデータベースとして
用意し、感応膜変化解析回路22に蓄積しておく。そし
て、このデータベースと時間Bにおける抵抗値変化の傾
きを比較してガスの濃度を同定する。
【0095】本実施形態では、感応膜5の抵抗値変化が
飽和するまで保持しなくても良いため、短時間でガスを
同定することができる。具体的には、感応膜5を基準感
応膜温度にした後感応膜5を検出温度にし、感応膜5の
抵抗値変化が飽和する前に抵抗値変化の傾きを測定した
後、すぐに基準感応膜温度にし、その後、再び感応膜5
を検出温度にすることで検出を繰り返すことができる。
従って、より速い応答速度でガスを同定することができ
る。その他、第1及び第2実施形態と同様の効果を発揮
することができる。
【0096】(他の実施形態)上記第1実施形態におい
て、異なる検出温度の各々について繰り返し抵抗値変化
を測定し、各抵抗値変化を比較することで個々の検出温
度について抵抗値変化が飽和状態になったことを確認し
ても良い。
【0097】また、図5における時間Cにおいて抵抗値
変化を測定することにより、感応膜5が完全に初期状態
になっていることを確認した後、感応膜5を検出温度に
しても良い。
【0098】また、上記第1及び第2の実施形態におい
て、図5の時間Aにおける測定のみではなく、時間Bに
おいても抵抗値変化を測定しても良い。この場合、時間
A、Bの2点での測定データが得られ、より高い精度で
ガスの同定を行うことができる。
【0099】また、上記各実施形態では、感応膜5を検
出温度にする前に毎回基準感応膜温度にする例について
示したが、必ずしも毎回基準感応膜温度にしなくても、
必要に応じて適宜、感応膜5を基準感応膜温度にすれば
良く、ガスの同定を行う場合に少なくとも一回、基準感
応膜温度にしても良い。
【0100】また、上記各実施形態では、基準感応膜温
度を全ての検出温度よりも高い温度にする場合について
示したが、必ずしも基準感応膜温度を全ての検出温度よ
りも高くしなくても良い。例えば、高温にすることがで
きないような感応膜5を用いる場合は、基準感応膜温度
を最も高い検出温度程度かそれよりも低い温度にし、多
少長い時間感応膜5を基準感応膜温度に保持することに
より、感応膜5においてガスや水分を確実に脱離させる
ようにしても良い。
【0101】また、上記各実施形態では、メンブレン型
のガスセンサを用いる例について示したが、図7に斜視
図で示すような、基板1の裏面が開口しておらず表面に
おいてのみ開口するような空洞部8が形成されており、
空洞部8の開口部上に薄肉検出部12が4つの連結部1
3によって架橋されたブリッジ型のガスセンサを用いて
も良い。なお、図7では便宜上、基板1の表面側から見
える空洞部8にハッチングを施している。
【0102】また、上記各実施形態において基板1に対
して空洞部8を必ずしも設けなくても良い。また、基板
1としては半導体基板を用いなくても絶縁基板等を用い
ても良い。
【0103】また、上記各実施形態において感応膜5の
物性値変化としては抵抗値変化を測定するものとして説
明したが、その他、誘電率の変化、静電容量値の変化、
重量の変化などを測定しても良い。
【0104】また、ガスセンサには、臭いセンサや湿度
センサも含まれるものとする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るガスセンサを上方
から見た図である。
【図2】図1におけるA−A断面の模式図である。
【図3】各種のガスにおける感応膜の感度の感応膜の温
度に対する依存性を示す図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係るヒータの温度と感
応膜の抵抗値変化との関係を示す図である。
【図5】図4における1つのヒータの温度変化と感応膜
の抵抗値変化とを拡大して示す図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係るヒータの温度と感
応膜の抵抗値変化との関係を示す図である。
【図7】ブリッジ型のガスセンサの斜視図である。
【符号の説明】
1…基板、3…ヒータ、5…感応膜、6a、6b…検出
電極(検出手段)、8…空洞部、21…ヒータ制御回路
(ヒータ制御手段)、22…感応膜変化解析回路(解析
手段)、H1〜H7…ヒータ検出温度(複数の温度、一定
の温度)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩城 隆雄 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 杉浦 真紀子 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 Fターム(参考) 2G046 AA01 AA05 AA11 BA01 BA09 BB02 BB04 BC03 BC05 BE03 BJ02 DB04 DB05 DC02 DE01 EA02 EA04 EA08 EA09 EA11 EB06 FB02 FE15 FE31 FE38 FE39 FE44 FE48

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板(1)と、該基板に形成されガスの
    脱着により物性値が変化する感応膜(5)と、該感応膜
    の温度を制御するために前記基板に形成されたヒータ
    (3)と、前記感応膜の物性値変化を検出する機構を備
    えた検出手段(6a、6b)と、前記ヒータの温度を制
    御するヒータ制御手段(21)と、前記感応膜の物性値
    変化を解析する解析手段(22)とを備えたガスセンサ
    を用いたガスの検出方法において、 前記ヒータを複数の温度(H1〜H6)に変化させて前記
    感応膜を複数の検出温度にし、該複数の検出温度におけ
    る前記感応膜の物性値変化を検出することでガスの成分
    及び濃度の少なくとも一方を同定する場合に、前記感応
    膜の物性値変化を検出する前に、前記感応膜の温度を一
    旦所定の温度にすることにより前記感応膜を所定の状態
    に復帰させることを特徴とするガスセンサを用いたガス
    の検出方法。
  2. 【請求項2】 基板(1)と、該基板に形成されガスの
    脱着により物性値が変化する感応膜(5)と、該感応膜
    の温度を制御するために前記基板に形成されたヒータ
    (3)と、前記感応膜の物性値変化を検出する機構を備
    えた検出手段(6a、6b)と、前記ヒータの温度を制
    御するヒータ制御手段(21)と、前記感応膜の物性値
    変化を解析する解析手段(22)とを備えたガスセンサ
    を用いたガスの検出方法において、 前記ヒータを一定の温度(H7)に繰り返し変化させる
    ことにより前記感応膜を繰り返し一定の検出温度にし、
    該一定の検出温度における前記感応膜の物性値変化を検
    出することでガスの成分及び濃度の少なくとも一方を同
    定する場合に、前記感応膜の物性値変化を検出する前
    に、前記感応膜の温度を一旦所定の温度にすることを特
    徴とするガスセンサを用いたガスの検出方法。
  3. 【請求項3】 前記感応膜を前記複数の検出温度にする
    際に、該複数の検出温度のうちの各々の検出温度にする
    前の全てにおいて前記感応膜の温度を一旦所定の温度に
    することを特徴とする請求項1に記載のガスセンサを用
    いたガスの検出方法。
  4. 【請求項4】 前記感応膜を繰り返し前記一定の検出温
    度にする際に、前記感応膜を前記検出温度にする前の全
    てにおいて前記感応膜の温度を一旦所定の温度にするこ
    とを特徴とする請求項2に記載のガスセンサを用いたガ
    スの検出方法。
  5. 【請求項5】 前記所定の温度を、前記検出温度よりも
    高くすることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1
    つに記載のガスセンサを用いたガスの検出方法。
  6. 【請求項6】 前記所定の温度を、前記感応膜に吸着し
    たガスが前記感応膜から脱離する温度以上とすることを
    特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載のガス
    センサを用いたガスの検出方法。
  7. 【請求項7】 前記所定の温度を、前記感応膜に吸着し
    た水分が前記感応膜から脱離する温度以上とすることを
    特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載のガス
    センサを用いたガスの検出方法。
  8. 【請求項8】 前記所定の温度を、前記ガスが吸着して
    前記感応膜が物性値変化を起こさない温度以上とするこ
    とを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載の
    ガスセンサを用いたガスの検出方法。
  9. 【請求項9】 前記感応膜を前記所定の温度に所定の時
    間保持することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか
    1つに記載のガスセンサを用いたガスの検出方法。
  10. 【請求項10】 前記感応膜を前記所定の温度にし、前
    記感応膜の物性値変化が飽和した後に前記感応膜の温度
    を前記検出温度にすることを特徴とする請求項1乃至8
    のいずれか1つに記載のガスセンサを用いたガスの検出
    方法。
  11. 【請求項11】 前記感応膜を前記検出温度にし、該検
    出温度に所定の時間保持した後に前記感応膜の物性値変
    化を検出することを特徴とする請求項1乃至10のいず
    れか1つに記載のガスセンサを用いたガスの検出方法。
  12. 【請求項12】 前記感応膜を前記検出温度にし、前記
    感応膜の物性値変化が飽和した後に前記感応膜の物性値
    変化を検出することを特徴とする請求項1乃至10のい
    ずれか1つに記載のガスセンサを用いたガスの検出方
    法。
  13. 【請求項13】 前記感応膜の物性値変化の検出を、該
    物性値変化が飽和する前に行うことを特徴とする請求項
    1乃至10のいずれか1つに記載のガスセンサを用いた
    ガスの検出方法。
  14. 【請求項14】 前記ヒータの温度を前記ガスセンサの
    使用環境で想定される着火温度より低くすることを特徴
    とする請求項1乃至13のいずれか1つに記載のガスセ
    ンサを用いたガスの検出方法。
  15. 【請求項15】 前記ガスセンサとして、前記基板に空
    洞部(8)を形成することにより該空洞部に対応してい
    る部位に薄肉部が形成されており、前記ヒータ及び前記
    感応膜が前記薄肉部に形成されているものを用いること
    を特徴とする請求項1乃至14のいずれか1つに記載の
    ガスセンサを用いたガスの検出方法。
  16. 【請求項16】 前記感応膜が10nm以下の厚みの薄
    膜であることを特徴とする請求項1乃至15のいずれか
    1つに記載のガスセンサを用いたガスの検出方法。
  17. 【請求項17】 前記物性値変化として電気抵抗の変化
    を検出することを特徴とする請求項1乃至16のいずれ
    か1つに記載のガスセンサを用いたガスの検出方法。
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