JP2018179842A - ガス検知装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】台所や厨房など湿度の高い環境で用いられるガス検知装置に関して、耐湿性に優れるとともに、感度の点でも優れたガス検知装置を提供する。【解決手段】基板上に、ヒータ部位、ガス検知部位及び触媒部位を有してなる薄膜型のガスセンサを備え、ヒータ部位に通電してガス検知部位及び触媒部位を加熱するとともに検知対象ガスを検知するガス検知装置に、触媒部位が、遷移金属酸化物を主成分とする担体に白金を主成分とする触媒金属を担持して構成されるガスセンサを採用する。【選択図】図3

Description

本発明は、ヒータ部位、検知対象ガスとの接触により特性が変化するガス検知部位、及び当該ガス検知部位の少なくとも一部を覆う触媒部位を有してなるガスセンサを備え、
前記ヒータ部位に通電して前記ガス検知部位及び前記触媒部位を加熱するとともに前記検知対象ガスを検知するガス検知装置に関する。
このようなガス検知装置が特許文献1、特許文献2に開示されている。
以下、これら文献に記載のガス検出装置を一例として説明する。
ガス検知装置は、ガスセンサと、このガスセンサを加熱駆動するための加熱制御部と、ガス検知部位の特性の変化を検出するためのガス検出部とを備えて構成さており、加熱制御部によってヒータ部位による加熱を制御することにより、ガス検知部位及びその表面側に設けられた触媒部位を、検知対象ガスの種類に応じた適切な温度に加熱してガスの検知を行う。
検知対象ガスには、メタン(CH4)、プロパン(C38)等の可燃性ガス、一酸化炭素(CO)や水素(H2)等の還元性ガスが含まれる。
ガス検知に際しては、加熱制御部がヒータ部位にパルス通電を行い、ガス検知部位及び触媒部位を加熱する。本明細書の図4(a)(b)(c)に、この加熱形態を加熱駆動信号で示した。図4(a)(b)は、検知対象ガスが可燃性ガスである場合の加熱駆動信号を示す図であり、図4(c)は、検知対象ガスが可燃性ガス及び還元性ガスである場合を示したものである。
図4(a)からも判明するように、ヒータ部位への通電は、通電を実行するガス検知工程Tsと、このガス検知工程Tsに続いて行う加熱休止工程Trとからなり、所定のガス検知周期Rtで、ガス検知が繰り返される。
検知対象ガスの検知は、概ね、これらの図面に黒丸で示したように通電停止の直前で行うこととされている。
可燃性ガスの検知に際しては、図4(a)(b)で示すように高温加熱(High)とされ、検知に際して妨害ガスとなる雑ガスを触媒部位で燃焼除去する。代表的な妨害ガスは、水素(H2)、エタノール(COH)、一酸化炭素(CO)であり、このような機能から触媒部位は、酸化触媒層とも呼ばれている。高温加熱状態で、触媒部位を通過してガス検知部位に到達する難燃性の可燃性ガス(代表的にはメタン)を検知することができる。
図4(c)で示す加熱駆動形態は、高温加熱(High)に引き続いて、低温加熱(Low)を行う形態であり、低温加熱(Low)の通電停止の直前に、還元性ガス(代表的には一酸化炭素)の検知を行う。
さて、図4(a)に示すように、ガス検知工程Tsは所定のガス検知周期Rtで繰り返されるが、ガス検知工程Ts間の加熱休止工程Trにおいては、ヒータ部位への通電は停止(off)される。
ガスセンサが、被加熱部の熱容量が小さく、加熱応答性も高いパルス加熱駆動可能なガスセンサである場合、ガス検知工程Tsでの通電は、その通電時間を0.05秒〜0.5秒程度とする形態であり、このパルス通電が、加熱休止工程Trを介して20秒〜60秒程度のガス検知周期で繰り返されることによって省電力な駆動を実現することができる。即ち、この例では、ガス検知工程Tsにおける加熱がパルス加熱とされ、当該パルス加熱を、加熱休止工程Trを挟んで所定のガス検知周期Rtで繰り返す。
このような場合、加熱休止工程Trの時間が圧倒的に長く、ガスセンサは極短時間加熱されるだけである。
このようなガスセンサにあっては、その熱容量が低い等の理由から、ガス検出のための加熱駆動は、所謂、パルス加熱でよく、電源として電池を使用できる省電力のガス検知装置となっている。
特許文献1には、ガス検知装置の予防保全を行う技術が紹介され、特許文献2には、ガス感知層による吸湿を抑制して高い感度を維持する薄膜ガスセンサが紹介されている。
これまで紹介してきた背景技術で使用した文言との対応を、(特許文献1の文言、特許文献2の文言)で示しておくと、ガス検知部位は(感知層57、ガス感知層5)となり、触媒部位は(選択燃焼層58、ガス選択燃焼層5d)となる。
これらの特許文献に開示の技術からも判明するように、この種のガス検知装置に備えられるガスセンサにあっては、触媒部位として、アルミナ(Al23)担体にパラジウム(Pd)又は白金(Pt)を触媒金属として担持させた焼結材が用いられてきた。
さらに、特許文献2では湿度によるガスセンサの経年劣化が解決課題とされているが、同明細書の図1に示されるような吸湿抑制駆動を採ることが提案されている。
特開2013−190232号公報 特開2007−24509号公報
さて、本発明の発明者らは、台所や厨房など湿度の高い環境で用いられてきたガス検知装置のガスセンサを調べたところ、メタン感度が低下しているものがあることを見出した。
特許文献2に開示の技術は、このような湿度の高い環境下でガス検知装置が使用される場合に採用することが可能な一対策を提案するものであるが、加熱休止工程において吸湿抑制駆動を行う必要があり、省電力なガス検知装置を得るという目的にそぐわない。
さらに、検知対象ガスに対するセンサ感度を考えると、その感度ができるだけ高いことが好ましいが、今般行った発明者らの検討により、従来型のアルミナ担体のガスセンサに関して改善の余地があることが判明した。
本発明は上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、台所や厨房など湿度の高い環境で用いられるガス検知装置に関して、耐湿性に優れるとともに、感度の点でも優れたガス検知装置を提供することにある。
さらに、このようなガス検知装置に使用することができるガスセンサを得ることにある。
本発明の第1の特徴構成は、ヒータ部位、検知対象ガスとの接触により特性が変化するガス検知部位、及び当該ガス検知部位の少なくとも一部を覆う触媒部位を有してなるガスセンサを備え、
前記ヒータ部位に通電して前記ガス検知部位及び前記触媒部位を加熱するとともに前記検知対象ガスを検知するガス検知装置であって、
前記触媒部位が、遷移金属酸化物を主成分とする担体に、白金を主成分とする触媒金属を担持して構成される点にある。
発明者らは鋭意検討の末、従来のガス検知装置における経時的な感度変動の主要な原因が、触媒部位の担体の主成分であるアルミナへの水分吸着・蓄積にあることを突き止めた。アルミナ担体は水との相互作用が強く、短期的に水酸基(OH基)が吸着し化学吸着水が増えるだけでなく、加熱時に飛ばしきれない水分子(物理吸着水)が蓄積し、徐々に物理吸着水がアルミナと反応して水和物を形成しアルミナが変質するようになる。
その結果、還元性ガスその他の妨害ガスを燃焼する触媒部位としての機能、およびガス検知機能が変化する。また水分の吸着・蓄積により、アルミナが変質し表面に担持されたパラジウム等の触媒金属の分散状態を悪化させ、触媒金属の表面積が減少し、同様に触媒部位としての機能が劣化し、回復しなくなる(不可逆的変化)。
さらには、検知対象ガスを検知するのに必要な温度まで温度が上昇しなくなる。これらの要因により、上述した検知対象ガスに対する感度が経時的に変化するものと推測される。
このような、「触媒の担体と水との相互作用がメタンの経時的な感度変動へ影響を及ぼしている」という知見は、従来の知見には無く、全く新規の知見である。
これらの新しい知見に基づいて発明者らは、触媒部位の担体の材質について検討し、遷移金属酸化物を担体の主成分として選定した。
一般的には、遷移金属酸化物の代表例である酸化ジルコニウムは、その比表面積がアルミナに比べて小さいことから、触媒部位の担体として、これまで積極的に用いられる物質ではなかった。アルミナの比表面積が約120m2/gであるのに対して、酸化ジルコニウムは約30m2/gであり、約4倍の差がある。従来は、表面積が大きいほど気体と相互作用する面積も大きいため、触媒部位の担体として用いた場合、アルミナの方が触媒部位としての性能が高く、酸化ジルコニウムの方が性能が低いと考えられてきた。
しかし発明者らは、このような従来認識に抗って、担体として酸化ジルコニウムおよび酸化チタニウムをアルミナに対して用いて、空気中の水分による影響を調べる実験(後述する〔高湿暴露実験〕)を行い、アルミナに比べて酸化ジルコニウムおよび酸化チタニウムの方が、高湿中でも感度変動しにくいことを確認できた。また、アルミナに比べて酸化ジルコニウムおよび酸化チタニウムの方が、高湿環境下においても感度低下を抑制できることを確かめた。これらは、酸化ジルコニウムおよび酸化チタニウムと水との相互作用が小さいことによるものと考えられ、その効果は、同様に水との相互作用の小さい遷移金属酸化物においても同様である。そして遷移金属酸化物を触媒部位の担体として用いる本発明を完成した。
さらに、センサ感度の点に関して述べると、発明者らの今般の検討により、同一の触媒金属を採用する場合にあっても、触媒部位の担体をアルミナから遷移金属酸化物に代えるだけでも感度は向上し、触媒組成を最適化することでさらに感度が向上することが判明した。また、担体を酸化ジルコニウムとする場合、触媒金属としては白金が高い感度を示した。
従って、本構成によれば、ヒータ部位、ガス検知部位、触媒部位を備えて構成されるガスセンサを使用してガス検知を行うガス検知装置として、例えば、台所や厨房など湿度の高い環境で用いられるガス検知装置に関して、耐湿性に優れるとともに、感度を高く保つことができるガス検知装置を得ることができた。
このガス検知装置で使用するガスセンサは、以下の構成となる。
ヒータ部位、検知対象ガスとの接触により特性が変化するガス検知部位、及び当該ガス検知部位の少なくとも一部を覆う触媒部位を有して構成され、
前記触媒部位が、遷移金属酸化物を主成分とする担体に、白金を主成分とする触媒金属を担持している。
従って、本発明の第2の特徴構成に記載するように、担体の主成分とする前記遷移金属酸化物としては、酸化ジルコニウムまたは酸化チタニウムのいずれか一方又はそれらの両方を採用することができる。
本発明の第3の特徴構成は、前記触媒部位において、前記担体としての遷移金属酸化物に0.3質量%以上、9質量%以下の白金を前記触媒金属として担持して構成される点にある。
本構成によれば、担体を遷移金属酸化物とすることにより耐湿性を得ることができたとともに、後に〔メタン感度実験〕で説明するように、触媒金属として白金を採用することにより、アルミナを担体とする場合に比べて、高感度なガス検知装置を得ることができる。ここで、白金の担持濃度は、0.3質量%未満では充分な選択酸化能を得ることができず、9質量%より高くすると、酸化能が高くなりすぎ、メタンまでも触媒で燃焼してしまう。
本発明の第4の特徴構成は、前記主成分とする白金の他に、前記触媒金属として、パラジウムとイリジウムとの一方又はそれらの両方が含まれている点にある。
本構成によれば、白金との組み合わせにおいて、パラジウムやイリジウムを混ぜて複合物として同じく選択酸化性を得ることができ、良好な感度のガス検知装置を得ることができた。
本発明の第5の特徴構成は、前記ヒータ部位に通電して前記ガス検知部位及び前記触媒部位を加熱するとともに前記検知対象ガスを検知するガス検知工程と、前記ガス検知部位及び前記触媒部位の温度を前記ガス検知工程における両部位の温度より低い状態とする非検知工程とを繰り返して、前記検知対象ガスを検知する点にある。
本構成において、ガス検知装置はガス検知工程と非検知工程を繰り返すが、非検知工程においてガス検知部位及び触媒部位の温度をガス検知工程における両部位の温度より低い状態とすることで、例えば、ガス検知を行える温度には至らないまでも、水の影響を低減することができる温度にガス検知部位及び触媒部位を管理できる。
このような非検知工程は、例えば、加熱休止(通電停止)、加熱(通電)を任意の形態で組み合わせて実現できる。ここで、両部位の温度を本発明が目的とする水の影響を受けにくい状態に管理すると、今般発明者が新たに見出した水和物の生成を有効に阻止できる。よって、電力消費を抑えた状態で、高い感度を長寿命に維持できる。
この動作は先に説明した吸湿抑制駆動に似た動作となるが、本発明においては、触媒部位を構成する担体が遷移金属酸化物を主成分とするため、同文献に開示される吸湿抑制駆動より、その加熱程度を低下させ、あるいは加熱頻度を低下させることが可能となる。結果、実用性に富んだガス検知装置を実現できる。
本発明の第6の特徴構成は、前記ヒータ部位に通電して前記ガス検知部位及び前記触媒部位を加熱するとともに前記検知対象ガスを検知するガス検知工程と、前記ガス検知部位及び前記触媒部位を前記ガス検知工程における両部位の温度より低い温度とする通電を行う小加熱工程とを繰り返して、前記検知対象ガスを検知する点にある。
ガス検知工程の間に、小加熱工程を挟むことで、ガス検知が可能な温度までガス検知部位及び触媒部位を加熱することなく、常温より加熱された加熱状態(例えば50℃程度)とすることで、本発明が課題とする水の触媒部位への影響を低減できる。
また、その加熱量を小さくすることで、電力消費も低く抑えることができる。
本発明の第7の特徴構成は、前記ヒータ部位に通電して前記ガス検知部位及び前記触媒部位を加熱するとともに前記検知対象ガスを検知するガス検知工程と、前記ヒータ部位への通電を停止する加熱休止工程とを繰り返して、前記検知対象ガスを検知する点にある。
この構成を採用することにより、不要なタイミングでガスセンサを加熱することなく、より省電力でガス検知を行える。
ここで、水が触媒部位に及ぼす影響は、ガス検知工程においては起こり難いと理解される。この工程においては、ガス検知部位及び触媒部位は充分に加熱されており、水が触媒部位に付着することは少ないと理解できるためである。
これに対して、加熱休止工程においては、ヒータ部位への通電が停止され、各部位は、その温度が急速に常温まで低下する。従って、例えば、パルス加熱を行って周期的にガス検知を行うガス検知装置では、ガスセンサは瞬間的に加熱されるだけで、通常は水の影響を大きく受ける環境(特に温湿度環境)下に置かれる。結果、経時的に先に説明した問題が発生し易いものと考えられる。このことは、先に紹介した特許文献2においても吸着抑制駆動を行っている工程が、本発明の加熱休止工程であることからも是認できる。
しかしながら、本発明にあっては、触媒部位の担体主成分を遷移金属酸化物とし、触媒金属の主成分を白金とすることで、水の影響を受けることなく高感度はガス検知を行える。
本発明の第8の特徴構成は、前記ガス検知工程における加熱時間が前記加熱休止工程の加熱停止時間より短い点にある。
この構成を採用することにより、加熱時間が短く、消費電力を抑制しながら高感度なガス検知を行える。
本発明の第9の特徴構成は、少なくとも前記ガス検知工程における加熱が、加熱時間を0.05秒〜0.5秒とするパルス加熱であり、当該パルス加熱を、前記加熱休止工程を介して20秒〜60秒のガス検知周期で繰り返す基本加熱形態を少なくとも実行する点にある。
なお、基本加熱形態とは、検知遅れ対策、誤報抑制、故障診断、性能向上目的のための定期的または不定期に上記の加熱条件から外れる場合を除く通常時での加熱方法を言う。
この構成により、さらに消費電力を抑制した、ガス検知を行える。
本発明の構成では、例えば、電池駆動によるメタン検知を行う場合にあっても、ガス検知装置に求められる所定の期間にわたって、良好にガス検知を行える。
本発明の第10の特徴構成は、前記検知対象ガスの検知に際して前記ガス検知部位および前記触媒部位をメタン検知用の温度に加熱する高温加熱工程を含む点にある。
本構成によれば、検知対象ガスの一種として都市ガス(天然ガス)漏えい検知に非常に重要なメタンの検知を耐湿性高く、さらに、高感度で行える。
ガス検知装置の概要を示す図 高湿暴露実験でのメタン感度の経時変化を示すグラフ 様々な触媒金属を使用したガス検知装置の感度を示す比較図 加熱駆動の形態を示す説明図 ガスセンサの別実施形態を示す図 ガスセンサの別実施形態を示す図
本実施形態に係るガス検知装置100を図1に基づいて説明する。
ガス検知装置100は、センサ素子20(ガスセンサの一例)、加熱制御部12、及びガス検出部13を有して構成されている。
ガス検知装置100は、電池15が装着された状態で、その電池15から電力を得て検知対象ガスを検知する。
センサ素子20はダイアフラム構造を有する、所謂、省電力ガスセンサである。図1からも明らかなように、センサ素子20は、ダイアフラム構造の支持層5の上に、ヒータ層6(ヒータ部位の一例)、ガス検知層10(ガス検知部位の一例)及び触媒層11(触媒部位の一例)を備えて構成される。従って、触媒層11が周囲環境にさらされる構造とされ、検知対象ガスは、この触媒層11を通過してガス検知層10に到達する。到達した検知対象ガスは、当該層10に接触して、その特性を変化させる。ここで、特性とは具体的には抵抗値あるいは電圧値を挙げることができる。
ガス検知装置100は、加熱制御部12によりヒータ層6への通電を行うことにより、ガス検知層10を検知対象ガスの種類に応じた適切な温度に加熱して、この温度を保持した状態でガス検知層10の特性の変化に基づいて検知対象ガスを検知する。
触媒層11は、メタン検知を行う際にはヒータ層6により300℃以上に高温加熱(図4(a)(b)(c)に示すHigh)されて、一酸化炭素や水素等の還元性ガスその他の妨害ガスを燃焼させ、活性の低いメタンを透過・拡散させてガス検知層10へ到達させる。これにより、メタンの検知精度が高められる。
因みに、一酸化炭素検知を行うに際には、ヒータ層6により50℃〜250℃に低温加熱(図4(c)に示すLow)し、水素等の還元性ガスその他の雑ガスを燃焼させる。一酸化炭素の一部は燃焼させるが、大部分は透過・拡散させてガス検知層10へ到達できる。なお、この低温域では、活性の低いメタン等はガス検知層10にて検知されない。
換言すれば触媒層11は、検知対象ガス以外の水素ガス、アルコールガスなどの妨害ガス(非検知対象ガス)を適切な温度に加熱することで燃焼させてガス検知層10に到達しないようにし、ガス検知装置100にガス選択性を持たせる機能を有する。さらに、ガス検知層10の表面に酸素を供給することにより、感度を向上する役割をも果たしている。
(センサ素子)
センサ素子20は、支持層5の端部がシリコン基板1に支持された、ダイアフラム構造をとる。支持層5は、熱酸化膜2と、窒化シリコン(Si34)膜3と、酸化シリコン(SiO2)膜4とが順に積層されて形成されている。そして支持層5の上にヒータ層6が形成され、ヒータ層6の全体を覆って絶縁層7が形成され、絶縁層7の上に一対の接合層8が形成され、接合層8の上に電極層(電極の一例)9が形成されている。ヒータ層6は通電により発熱してガス検知層10及び触媒層11を加熱する。センサ素子20は、各層が比較的厚いバルク構造をとってもよく、ヒータ層6は、電極層を兼用してもよい。また、支持構造として、所謂、ブリッジ構造が採用できる。
絶縁層7の上の、一対の電極層9の間に、ガス検知層10が形成されている。ガス検知層10は、金属酸化物を主成分とする半導体の層である。本実施形態では、ガス検知層10として酸化スズ(SnO2)を主成分とする混合物を用いる。ガス検知層10は、検知対象ガスとの接触により電気抵抗値が変化する。ガス検知層10は、厚さが0.2〜1.6μm程度の薄膜としてもよいし、1.6μmを越える厚さを有する膜(厚膜)としてもよい。
ガス検知層10の上に、ガス検知層10を覆う形態にて、触媒層11が形成されている。触媒層11は、金属酸化物を主成分とする担体に、触媒金属を担持させて構成される。この触媒層11の形成は、触媒金属を担持した金属酸化物を、バインダーを介して互いに結合させて形成する。
触媒金属としては、検知対象ガスの検知に際して誤検知を引き起こし得る妨害ガス(アルコールや水素等の還元性ガスその他)を、酸化除去できる触媒となる金属を用いる。触媒金属としてパラジウム、白金、イリジウム(Ir)、が使用可能であるが、本実施形態では、パラジウム、白金、イリジウム、のうち少なくとも一つを含むものとした。
触媒金属を担持する担体としては、従来はアルミナが主として用いられてきた。本実施形態では、アルミナに比べて表面に水酸基を生じにくく、触媒層11への空気中の水分の吸着・蓄積を抑制しうる材料として、酸化ジルコニウムを用いる。
担体を結合させるバインダーとしては、金属酸化物の微粉末、例えば酸化ジルコニウム、シリカ微粉末、シリカゾル、マグネシア等を用いることができる。バインダーとしての微量の使用であれば、触媒層11の機能を阻害しない範囲で、アルミナ微粉末またはアルミナゾルを用いることも可能である。
触媒層11 は、金属酸化触媒を担持した酸化ジルコニウム粉末(粒度は1〜10μm程度とした)、バインダーおよび有機溶剤を混合調製した印刷ペーストをスクリーン印刷で印刷し、室温で乾燥後、500℃で1時間焼き付けして形成している。触媒層11 の大きさは、ガス検知層10を十分に覆えるようにする。このようにスクリーン印刷により厚みを薄くしている。このようにして形成される酸化ジルコニウム焼結体の比表面積は、約30m2/g程度であった。
上述した触媒金属、担体としての金属酸化物、バインダーはいずれも、1種類を単独で使用してもよいし、2種以上を併用することもできる。
触媒層11に含有される触媒金属の量は、触媒金属と担体の合計質量に対して0.3〜9質量%とするのが好適である。触媒金属として2種以上の金属を用いる場合は、触媒金属の合計質量を、触媒金属と担体の合計質量に対して0.3〜9質量%とするのが好適である。
なお、メタン検知のみを実施する場合には、白金の質量は、0.3質量%以上、6質量%以下とするのが好適である。
(加熱制御部)
メタンを検知するガス検知装置100を例に説明する。これまでも説明してきたように、その検知での加熱駆動信号を図4(a)(b)に示している。
加熱制御部12は、ヒータ層6に通電する通電動作(この通電動作を行うタイミングが本発明におけるガス検知工程Tsとなる)と、ヒータ層6に通電しない非通電動作(この非通電動作を行うタイミングが本発明における加熱休止工程Trとなる)とを行うように構成されている。この通電動作(ガス検知工程Ts)は、ガス検知周期Rtで繰り返される。即ち、パルス加熱をガス検知周期Rtで繰り返して行っている。
また加熱制御部12は、ヒータ層6の温度を変動させるよう構成されており、ヒータ層6の温度を設定された任意の温度へ加熱することが可能なように構成されている。
具体的には加熱制御部12は、電池15電源から電源供給を受け、センサ素子20のヒータ層6に通電して、センサ素子20を加熱する。加熱する温度、すなわちガス検知層10および触媒層11の到達温度は、例えばヒータ層6に印加する電圧を変更することにより、制御される。
(ガス検出部)
ガス検出部13は、ガス検知工程Tsの適切なタイミングでガス検知層10の特性の変化を測定して検知対象ガスを検知する。本実施形態ではガス検出部13は、一対の電極層9の間の電気抵抗値(特性の一例)を測定することにより、ガス検知層10の抵抗値を測定して、その変化から検知対象ガスの濃度を検知する。
(検知対象ガスの検知)
以上の様に構成されたガス検知装置100にてメタン、プロパン等の可燃性ガス(検知対象ガス)を検知する場合を説明する。
加熱制御部12によりヒータ層6に通電して、0.05秒〜0.5秒の間、ガス検知層10および触媒層11をメタン検知用の300℃〜500℃に加熱する。この間(具合的には、図4(a)(b)に黒丸で示す通電停止の直前)にガス検出部13がガス検知層10の抵抗値を測定して、その値からメタン、プロパン等の可燃性ガスの濃度を検知する。その後、ヒータ層6への通電を停止する。従って、これまで説明してきたガス検知工程Tsは高温加熱工程となる。
この間、高温になった触媒層11では、触媒金属の燃焼触媒作用により、一酸化炭素や水素等の還元性ガスその他の雑ガスが燃焼する。そして不活性なメタン、プロパン等の可燃性ガスは、触媒層11を透過・拡散して、ガス検知層10へ到達し、ガス検知層10の金属酸化物(酸化スズ)と反応し、抵抗値を変化させる。
以上の様にして、ガス検知装置100で可燃性ガスが検知される。
そして、このガス検知工程Tsは、20秒〜60秒のガス検知周期Rtで繰り返すこととなるが、ガス検知工程Tsの後は、先にも示したように通電は停止offされる(加熱休止工程Tr)。
〔高湿暴露実験〕
担体材料の種類によるセンサ感度の経時的な変動への影響を調べるため、担体の種類のみを変えたサンプルを作成し、センサ感度(メタン感度)の経時的な変化を測定した。
測定対象は以下の3サンプルである。
(高温暴露実験例1)
担体としての酸化ジルコニウム(ZrO2)に5質量%の白金(Pt)および2質量%のイリジウム(Ir)を担持させたサンプル。
(高温暴露実験例2)
担体としての酸化チタニウム(TiO2)に5質量%の白金(Pt)をおよび2質量%のイリジウム(Ir)担持させたサンプル。
(高温暴露実験例3)
担体としてのアルミナ(Al23)に5質量%の白金(Pt)および2質量%のイリジウム(Ir)を担持させたサンプル。
図2に、50℃ 60%RH暴露試験を行ったサンプルのメタン感度(400℃加熱時の3000ppmのメタンガス中での抵抗値RCh4を400℃加熱時のAir中の抵抗値Rairで除したものRCh4/Rair)の経時変化を示した。なお、メタン感度の測定は、20℃ 65%RH清浄空気中にて行った。
ガス検知は、これまで説明してきたパルス加熱をガス検知周期Rtで繰り返して行っている(後述するメタン感度実験において同じ)。
図2に示される通り、担体が酸化ジルコニウム或いは酸化チタニウムである、高湿暴露実験例1、2では、メタン感度が経時的に変化しない。これに対して、高湿暴露実験例3(担体がアルミナ)では、メタン感度が経時的に低下している。
発明者らは、この要因が下記によるものであることと推定している。
触媒層11における水との相互作用は、以下の3段階からなる。
(1)短期的にOH基が吸着し化学吸着水が増える、
(2)加熱時に飛ばし切れない水分子(物理吸着水)が蓄積する、
(3)吸着水がバルク(担体)と反応して水和物を形成する、
の3段階である。
加熱休止工程を含まない場合は、(1)→(3)のステップで進み、加熱休止工程を含む場合は、(2)→(3)のステップで進む。従って、水との相互作用が強いSiO2,Al23を担体とする場合、加熱休止工程を含まない場合は、高湿中で(1)が生じやすく、本実施形態が対象とするように加熱休止工程を含む場合には、高湿中で(2)が生じやすくなり、経時的に(3)へと移行して、検知対象ガスの感度を変化させてしまう。
この点、水との相互作用がほとんどない酸化ジルコニウム或いは酸化チタニウムを担体とした場合、加熱休止工程を含まない場合は、高湿中であっても(1)が生じにくく、加熱休止工程を含む場合には、高湿中でも(2)は少ない。このため、経時的に水和物が形成されることに至らず感度変動は生じない。また、ガス感度が湿度に依存することもない。
〔メタン感度実験〕
担体の種類と触媒金属の種類・量の違いによるメタン感度を比較するため、主に触媒金属の種類・量を変更した19サンプルを作成し、通常環境下でのメタン感度を測定した。メタン感度は、環境条件を除いて、先に〔高湿暴露実験〕で説明したと同様である。即ち、メタン感度は、400℃加熱時の3000ppmのメタンガス中での抵抗値RCh4を400℃加熱時のAir中の抵抗値Rairで除したものRCh4/Rairとしている。
先に高湿暴露実験で使用した高温暴露実例1、2はサンプル16、サンプル18である。
測定対象とした各サンプルに関して以下に整理する。
1.担体の種類
サンプル 1〜17 酸化ジルコニウム
18 酸化チタニウム
19 アルミナ
2.触媒金属
検討対象とした触媒金属はパラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、の3種類とした。
以下に示す表1、2、3、4に、サンプル1〜19における触媒金属の担持量(質量%)を示した。記載のない欄は、触媒金属が担持されていないことを示す。
Figure 2018179842
Figure 2018179842
Figure 2018179842
Figure 2018179842
さらに、図3に、各サンプルのメタン感度を示した。
同図上段にサンプル番号を、同図下段に金属酸化触媒の種類と濃度(質量%)を示した。
結果、従来技術に相当するサンプル19(アルミナ担体・7質量%パラジウム)に対して、担体のみを酸化ジルコニウムに変更したサンプル17のメタン感度は上昇した。
両サンプルにおいて、サンプル17のほうが、別途行った高湿暴露実験においても感度が変化しない好ましい結果であった。
さらに、比較対象とした酸化ジルコニウムを担体とするサンプル(1〜17)は、全サンプルにおいてサンプル19よりメタンに対して高感度であった。
また、比較対象とした酸化チタニウムを担体とするサンプル18は、サンプル19よりメタンに対して高感度であった。
先に説明した高温暴露実験例3(アルミナ担体・5質量%白金、2質量%イリジウム)と比較すると、サンプル1から18は、この高温暴露実験例3以上のメタン感度を示した。
検討対象としたサンプル中、特に高いメタン感度を示したのは、酸化ジルコニウムを担体とし、触媒金属が白金のみからなるサンプル(8及び13)であった。
結果、担体としての酸化ジルコニウムに対して触媒金属として白金のみを使用する組み合わせが、ガスセンサとして、特に好ましいことが判明した。
また、サンプル8とサンプル13を比較すると白金濃度が高いサンプル13の方がメタン感度が高くなっており、白金濃度が高いほどメタン感度が高くなっている。一方で、サンプル15とサンプル16を比較すると、同じイリジウム濃度に対して、白金濃度が高いほどメタン感度が低下している。以上のことから、白金濃度は、ある程度の濃度までは濃度が高いほどメタン感度が高くなるが、ある濃度を超えると逆にメタン感度が低くなり、メタン高感度を得るために適切な濃度範囲が存在することがわかる。なお、ある濃度を超えてメタン感度が低下するのは、白金の酸化活性が高まり触媒層においてメタンまでも燃焼酸化してしまうためと考えられる。以上のことから、白金の濃度は、0.3質量%以上9質量%以下、望ましくは、0.3質量%以上6質量%以下が好適であると考えられる。
〔別実施形態〕
(1)上記の実験では、可燃性ガスの一例として、メタンに関する実験例で、本発明の意義に関して述べたが、これまでも説明してきたように、プロパン等の低炭素数の炭化水素ガスの検知は、本発明に係るガス検知装置で検知可能である。
(2)上記の実験では、触媒金属を担持する担体を酸化ジルコニウム及び酸化チタニウムから構成する例について示したが、先に段落〔0016〕で説明したように、遷移金属酸化物は水との相互作用が小さいため、触媒金属を担持する担体としては遷移金属酸化物を採用することができる。
(3)担体を遷移金属酸化物から構成する場合に、上記の実験では、酸化ジルコニウム或いは酸化チタニウムのみから構成する例について示したが、触媒部位の担体が遷移金属酸化物を主成分として構成されていればよい。ここで、主成分とは50質量%以上(複数の遷移金属酸化物より構成される場合はその合計質量が50質量%以上)を意味する。
さらに、触媒金属に関しては、本発明にあっては、白金を主成分とし、担体との合計質量に対する質量%を触媒濃度として0.3〜9質量%とするのが好適である。
ここで、白金を主成分とするとは、前記範囲内で白金が担持され、他の金属酸化触媒(パラジウム、イリジウムから選択される一種以上)を含む場合は、その量が、白金の量より少ないことを意味する。
(4)これまでの説明では、図4(a)(b)に示す加熱駆動信号で、メタンを検知する場合を主に説明したが、図4(c)に示すように、メタン検知の後に一酸化炭素検知を伴ってもよいし、メタンと一酸化炭素を交互に検知しても良い。一酸化炭素の検知には、ガス検知層10および触媒層11を50℃〜250℃に加熱する。この間(具合的には、図4(c)に黒丸で示す通電停止の直前)にガス検出部13がガス検知層10の抵抗値を測定して、その値から一酸化炭素の濃度を検知することとできる。
図4(c)においては、メタン検知に引き続いて、連続して一酸化炭素の検知を行っているが、両検知間にヒータ部位への通電を停止する加熱休止工程を介在させてもよい。
(5)上記した実施の形態では、ガス検知工程Tsにおけるヒータ部位への通電が、その通電時間を0.05秒〜0.5秒とするパルス通電であり、当該パルス通電を、加熱休止工程Trを介して20秒〜60秒のガス検知周期Rtで繰り返す場合に関して説明した。
この通電形態は、所謂、パルス加熱を所定のガス検知周期Rtで繰り返す形態であり、先にも説明したように、通常時に基本とする通電形態の一例である。
従って、この基本通電形態を実行しながら、例えばメタンを検知した可能性がある場合に、パルス通電(パルス加熱)の周期であるガス検知周期を、例えば、5秒〜10秒周期とする等、任意の短周期とすることもできる。
一方、ガス検知工程における加熱時間と加熱休止工程の加熱停止時間との関係に関しては、先にも示したように、前者が後者より短いことが省電力性において好ましい。
(6)上記した実施の形態では、ガス検知工程Tsにおけるヒータ部位への通電が、その通電時間を0.05秒〜0.5秒とするパルス通電である例を示したが、パルス通電時間としては、ガス検知周期Rtが20秒〜60秒とされる場合に、その通電時間を5秒以下としてもよい。
(7)さらに、これまでに示した実施形態においては、ガス検知工程Tsの後に、加熱を休止する加熱休止工程Trを実行する例を示した。
しかしながら、本発明の趣旨からは、前記加熱休止工程Trに相当する時間帯に、ヒータ部位に通電して、ガス検知部位及び触媒部位が、加熱されているほうが耐湿性に関しては好ましい。
そこで、前記ヒータ部位に通電してガス検知部位及び触媒部位を加熱するとともに検知対象ガスを検知するガス検知工程の間に、このガス検知工程でガス検知部位及び触媒部位が到達する温度未満の温度(例えば、メタン検知のみを行う場合は、100℃未満で常温以上の温度、一酸化炭素検知を伴う場合は、その一酸化炭素検知温度より低い温度で、100℃未満の常温以上の温度(一酸化炭素検知を100℃で行う場合、温度50℃程度の温度))に加熱しておく小加熱工程を実行してもよい。
即ち、ガス検知を行うガス検知工程Tsの後に、ガス検知を行わない非検知工程を実行する構成において、この非検知工程を加熱休止工程Trとしたり、小加熱工程とすることもできるが、この非検知工程において、加熱休止(通電停止)、加熱(通電)を任意の形態で組み合わせて、この非検知工程においてガス検知部位及び触媒部位の温度をガス検知工程における両部位の温度より低い状態とすることとしてもよい。この場合、両部位の温度を水の影響を受けにくい温度に維持すると、水和物の生成を阻害できる。ここでの加熱休止(通電停止)、加熱(通電)の組合せには、組み合わせのタイミングの選択、更には通電量の大小の選択の何れか一方以上が当然含まれる。経時的に温度が変化するものとしてもよい。
さらに、この非検知工程における温度管理は如何なる手段によるものとしてよく、例えば、ヒータ部位への通電とは異なる手段によるものであっても良い。
(8)さて、上述の実施形態では、ガス検知装置100の構造は、図1に示されるいわゆる基板型であるが、他の構造も可能である。例えば、ヒータ層6を覆う絶縁層7を設けることなく、ヒータ層6が電極層9を兼ねる構造も可能である。
また、例えば図5に示すように、電極とヒータ部位とを兼ねる電極線21のコイル22の周囲に、酸化物半導体からなるガス検知部位23を形成し、その周囲に触媒層(触媒部位)24、25を形成する構造も可能である。ここでは、触媒層を2層としているが、単層としてもよい。2層とする場合は、層間で触媒金属の割合を変えることができる。この場合、白金を主成分とするとは、少なくとも1層において白金の量が上述の量の範囲内で、他の触媒金属量より多いことを意味する。
また図6に示すように、電極とヒータ部位とを兼ねる電極線31のコイル32の中心に、別の電極33を配置して、コイル32の周囲に、酸化物半導体からなるガス検知部位34を形成し、その周囲に触媒層35を形成する構造も可能である。
なお、ガス検知装置100は、ヒータ部位、検知対象ガスとの接触により特性が変化するガス検知部位、及び当該ガス検知部位の少なくとも一部を覆う触媒部位を有してなるガスセンサを備え、ヒータ部位に通電してガス検知部位及び触媒部位を加熱するとともに検知対象ガスを検知するガス検知装置であればよく、これまで説明してきた実施形態に限定されない。
(9)さらに、このような遷移金属酸化物を主成分とする担体に、白金を主成分とする触媒金属が担持された触媒部分は、ガス検知部位に対して、少なくともその一部を覆って設けられていればよい。このような触媒部位を設けることにより、妨害ガスの選択燃焼を行うことが可能と考えられるためである。
5 支持層(基板)
6 ヒータ層(ヒータ部位)
9 電極層(電極)
10 ガス検知層(ガス検知部位)
11 触媒層(触媒部位)
12 加熱制御部
13 ガス検出部
15 電池(電源)
20 センサ素子(ガスセンサ)
100 ガス検知装置

Claims (11)

  1. ヒータ部位、検知対象ガスとの接触により特性が変化するガス検知部位、及び当該ガス検知部位の少なくとも一部を覆って設けられる触媒部位と、を有してなるガスセンサを備え、
    前記ヒータ部位に通電して前記ガス検知部位及び前記触媒部位を加熱するとともに前記検知対象ガスを検知するガス検知装置であって、
    前記触媒部位が、遷移金属酸化物を主成分とする担体に、白金を主成分とする触媒金属を担持して構成されるガス検知装置。
  2. 前記遷移金属酸化物が酸化ジルコニウムまたは酸化チタニウムのいずれか一方又はそれらの両方である請求項1記載のガス検知装置。
  3. 前記触媒部位において、前記担体に0.3質量%以上、9質量%以下の白金を前記触媒金属として担持して構成される請求項1又は2記載のガス検知装置。
  4. 前記主成分とする白金の他に、前記触媒金属として、パラジウムとイリジウムとの一方又はそれらの両方が含まれている請求項1又は2記載のガス検知装置。
  5. 前記ヒータ部位に通電して前記ガス検知部位及び前記触媒部位を加熱するとともに前記検知対象ガスを検知するガス検知工程と、前記ガス検知部位及び前記触媒部位の温度を前記ガス検知工程における両部位の温度より低い状態とする非検知工程とを繰り返して、前記検知対象ガスを検知する請求項1〜4の何れか一項記載のガス検知装置。
  6. 前記ヒータ部位に通電して前記ガス検知部位及び前記触媒部位を加熱するとともに前記検知対象ガスを検知するガス検知工程と、前記ガス検知部位及び前記触媒部位を前記ガス検知工程における両部位の温度より低い温度とする通電を行う小加熱工程とを繰り返して、前記検知対象ガスを検知する請求項1〜5の何れか一項記載のガス検知装置。
  7. 前記ヒータ部位に通電して前記ガス検知部位及び前記触媒部位を加熱するとともに前記検知対象ガスを検知するガス検知工程と、前記ヒータ部位への通電を停止する加熱休止工程とを繰り返して、前記検知対象ガスを検知する請求項1〜5の何れか一項記載のガス検知装置。
  8. 前記ガス検知工程における加熱時間が前記加熱休止工程の加熱停止時間より短い請求項7記載のガス検知装置。
  9. 少なくとも前記ガス検知工程における加熱が、加熱時間を0.05秒〜0.5秒とするパルス加熱であり、当該パルス加熱を、前記加熱休止工程を介して20秒〜60秒のガス検知周期で繰り返す基本加熱形態を少なくとも実行する請求項7又は8記載のガス検知装置。
  10. 前記検知対象ガスの検知に際して前記ガス検知部位および前記触媒部位をメタン検知用の温度に加熱する高温加熱工程を含む請求項1〜9の何れか一項記載のガス検知装置。
  11. 請求項1〜10の何れか一項に記載のガス検知装置で使用するガスセンサであって、
    ヒータ部位、検知対象ガスとの接触により特性が変化するガス検知部位、及び当該ガス検知部位の少なくとも一部を覆う触媒部位を有して構成され、
    前記触媒部位が、遷移金属酸化物を主成分とする担体に、白金を主成分とする触媒金属を担持してなるガスセンサ。
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