JP4035099B2 - ガス検出方法及びその装置 - Google Patents

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Description

本発明は、吸着燃焼式マイクロガスセンサを用いた湿度による誤判定を防ぐガス検出方法及びその装置に関する。
従来から、ガス検出装置は、金属酸化物半導体ガスセンサや接触燃焼式ガスセンサ等のガスセンサからの出力信号と、各種ガスの検出条件(波形パターン等)とを比較して、各種ガスの検出を行っている。
例えば、特許文献1に示すガス検出装置は、図12に示すように、金属酸化物半導体を用いたガスセンサ2、そのヒータ4、ガス検出用の金属酸化物半導体6、負荷抵抗RL、ヒータ4の制御用スイッチングトランジスタT1、電池電源8、マイクロコンピュータ10を備えて構成される。そして、マイクロコンピュータ10は、A/Dコンバータ12、ヒータ4の制御回路14、標準プロファイル16と測定プロファイル18用のメモリ等を含む。
当該ガス検出装置は、ガスセンサの温度を滑らかに変化させ、温度変化に対するセンサ信号のプロファイルを得る。得られたプロファイルを標準プロファイルと比較し、最小2乗法誤差により、最も近接した2枚の標準プロファイルを得て、内文法により、ガス種と濃度を決定する。標準プロファイルは、ユーザにより追加修正できるようにしている。ユーザによる校正が困難な場合は、ファジーなデータを標準プロファイルに割り当て、ファジーな学習を行う。
一方、本出願人は、特許文献2において、接触燃焼式ガスセンサに対して、所定の間隔で間欠的に駆動パルスを与え、測定開始以前のセンサ出力から得た基準データと、測定開始後のセンサ出力から得た実測データとの差分データを微分して有極性ガスの有無を検出する手法を開示する。
特開平5−312748号公報 特願2003−38512号
上記特許文献1は、温度や湿度等の環境変化による標準プロファイルの経時変動に対し、ユーザによる標準プロファイルの追加を認め、学習させる手法を開示する。しかしながら、環境変化に対し、ユーザが標準プロファイルを追加することは煩雑である。また、複数の標準プロファイルを記憶しておかなければならないため、記憶容量が大きいメモリが必要となる。
これに対し、上記特許文献2は、測定開始前にセンサ出力から得た基準データと、実測データとの差分データを判定データとして使用することにより、環境変化を学習させて予めメモリに登録しておく必要はない。しかしながら、基準データの取得時と実測データの取得時との短期間に環境変化が起きる場合もある。その場合、当該環境変化による判定データの波形パターンの変化により、誤検出する可能性がある。特に、湿度変動により、有極性ガス検出の場合と類似した波形パターンが現れる場合がある。
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、吸着燃焼式マイクロガスセンサを用い、実測データから基準データを減算した判定データを基に有極性ガス検知を行う際に、湿度による誤判定を防止することができるガス検出方法及びその装置を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために、請求項1記載の発明は、有極性ガスの吸着により駆動パルスのパルスオン直後にピーク波形を出力し、その後低下し、所定のレベルで安定した波形をパルスオン期間終了まで出力する吸着燃焼式ガスセンサを用いて前記有極性ガスを検出するガス検出方法であって、測定開始以前に得られたセンサ出力に基づいて、検出すべきガスの影響のない、前記パルスオン期間のセンサ出力データである基準データを取込む基準データ取込工程と、測定開始以降のパルスオン期間に得られたセンサ出力を、実測データとして取込む実測データ取込工程と、前記実測データから前記基準データを減算して判定データを算出する判定データ算出工程と、前記パルスオン期間中の前記所定のレベルで安定した波形の出力部分に相当する、前記判定データ中の接触燃焼領域の電圧レベルを観測して、前記有極性ガスの検出か湿度変動かを判定する判定工程と、を含み、前記判定工程は、前記接触燃焼領域の電圧レベルが、所定の電圧レベルを超えた場合に、前記有極性ガスの検出と判定することを特徴としている。
請求項1記載の発明は、吸着燃焼式ガスセンサからのセンサ出力から基準データ、及び実測データを取り込み、基準データから実測データを減算した判定データの接触燃焼領域を観測する。接触燃焼領域の電圧レベルが、所定の電圧レベル(例えば、0.2V)を超えるとき、有極性ガスの検出と判定する。所定の電圧レベル(例えば、0.2V)以下のとき、基準データの取り込みと実測データの取り込みとの間の湿度変動と判定する。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記判定データ算出工程により算出された判定データにフィルタリング処理を施し、ノイズを除去するフィルタリング工程、をさらに含み、前記判定工程は、前記フィルタリング工程によりフィルタリング処理された判定データ中の前記接触燃焼領域を観測することを特徴としている。
請求項2記載の発明は、判定データの接触燃焼領域を観測する前に、フィルタリング処理する。フィルタリング処理は、例えば、前後の複数のデータを含めた平均値を算出する移動平均処理を行う。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、前記判定工程は、前記駆動パルスのパルスオン期間の終了点直前の電圧レベルを観測することを特徴としている。
請求項3記載の発明は、判定データの接触燃焼領域を観測する際、パルスオン期間(例えば200ms)の終了点直前(例えば190ms)を観測する。
請求項4記載の発明は、有極性ガスの吸着により駆動パルスのパルスオン直後にピーク波形を出力し、その後低下し、所定のレベルで安定した波形をパルスオン期間終了まで出力する吸着燃焼式ガスセンサ40を用いて前記有極性ガスを検出するガス検出装置であって、測定開始以前に得られたセンサ出力に基づいて、検出すべきガスの影響のない、前記パルスオン期間のセンサ出力データである基準データを取込む基準データ生成手段30,13,14,12と、測定開始以降のパルスオン期間に得られたセンサ出力を、実測データとして取込む実測データ生成手段30,13,14,12と、前記実測データから前記基準データを減算して判定データを算出する判定データ算出手段14と、前記パルスオン期間中の前記所定のレベルで安定した波形の出力部分に相当する、前記判定データ中の接触燃焼領域の電圧レベルを観測して、前記判定データ中の接触燃焼領域の電圧レベルを観測して、前記有極性ガスの検出か湿度変動かを判定する判定手段15と、を含み、前記判定手段15は、前記接触燃焼領域の電圧レベルが、所定の電圧レベルを超えた場合に、前記有極性ガスの検出と判定することを特徴としている。
請求項4記載の発明は、吸着燃焼式ガスセンサからのセンサ出力から基準データ、及び実測データを取り込み、基準データから実測データを減算した判定データの接触燃焼領域を観測する。接触燃焼領域の電圧レベルが、所定の電圧レベル(例えば、0.2V)を超えるとき、有極性ガスの検出と判定する。所定の電圧レベル(例えば、0.2V)以下のとき、基準データの取り込みと実測データの取り込みとの間の湿度変動と判定する。
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明において、前記判定データ算出手段14は、前記判定データにフィルタリング処理を施してノイズを除去し、前記判定手段15は、前記判定データ算出手段14によりフィルタリング処理された判定データ中の前記接触燃焼領域を観測することを特徴としている。
請求項5記載の発明は、判定データの接触燃焼領域を観測する前に、フィルタリング処理する。フィルタリング処理は、例えば、前後の複数のデータを含めた平均値を算出する移動平均処理を行う。
請求項6記載の発明は、請求項4または5記載の発明において、前記判定手段15は、前記駆動パルスのパルスオン期間の終了点直前の電圧レベルを観測することを特徴としている。
請求項6記載の発明は、判定データの接触燃焼領域を観測する際、パルスオン期間(例えば200ms)の終了点直前(例えば190ms)を観測する。
請求項1記載の発明によれば、実測データから基準データを減算することにより、駆動パルスのオン直後のガスの有無には関係ない急激なセンサ出力変化分が実測データから除去されて、ガスによる急激なセンサ出力変化分を示す判定データを算出することができるが、判定データにおいて、有極性ガスの検出波形と湿度変動により生じる波形とが類似していることから誤検出してしまう可能性がある。そこで、判定データの接触燃焼領域の電圧レベルを観察することにより、有極性ガスの検出か湿度変動かを判定することができ、誤検出を防止することができる。また、簡単な処理で判定することができ、予め湿度変動に対応したデータ群を蓄積しておく必要がない。
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、判定データをフィルタリングした後に接触燃焼領域を観察することにより、突発的な外乱等によるノイズが除去され、より正確に有極性ガスの検出か湿度変動かを判定することができる。
請求項3記載の発明によれば、請求項1または2記載の発明の効果に加えて、判定データのパルスオン期間の終了点直前の電圧レベルを観測することにより、接触燃焼領域の内、湿度変動により生じる波形が低下しきった時点で判定することができ、より正確に有極性ガスの検出か湿度変動かを判定することができる。
請求項4記載の発明によれば、実測データから基準データを減算することにより、駆動パルスのオン直後のガスの有無には関係ない急激なセンサ出力変化分が実測データから除去されて、ガスによる急激なセンサ出力変化分を示す判定データを算出することができるが、判定データにおいて、有極性ガスの検出波形と湿度変動により生じる波形とが類似していることから誤検出してしまう可能性がある。そこで、判定データの接触燃焼部の電圧レベルを観察することにより、有極性ガスの検出か湿度変動かを判定することができ、誤検出を防止することができる。また、簡単な処理で判定することができ、予め湿度変動に対応したデータ群を蓄積しておく必要がない。
請求項5記載の発明によれば、請求項4記載の発明の効果に加えて、判定データをフィルタリングした後に接触燃焼領域を観察することにより、突発的な外乱等によるノイズが除去され、より正確に有極性ガスの検出か湿度変動かを判定することができる。
請求項6記載の発明によれば、請求項4または5記載の発明の効果に加えて、判定データのパルスオン期間の終了点直前の電圧レベルを観測することにより、接触燃焼領域の内、湿度変動により生じる波形が低下しきった時点で判定することができ、より正確に有極性ガスの検出か湿度変動かを判定することができる。
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態におけるガス検出装置の基本構成を示すブロック図である。図1に示すように、当該ガス検出装置は、吸着燃焼式ガスセンサ40、吸着燃焼式ガスセンサ40とともにブリッジ回路を構成する抵抗R1,Rv,R2、コントローラ(MPU)10、駆動電源20、前置増幅部(プリアンプ)30、及び出力部50を備える。
コントローラ10は、センサ駆動制御部11、記憶部12、A/D変換部13、演算部14及び接触燃焼領域判定部15を含む。図示しないがコントローラ10は、動作電源を生成するレギュレータ、システムクロックを生成するタイマ部等も有している。
センサ駆動制御部11は、吸着燃焼式ガスセンサ40に対して駆動電源20を通電制御して、駆動パルスを所定周期で吸着燃焼式ガスセンサ40に与える。駆動パルスは、例えば、10sのパルスOFF期間と200msの通電期間Dとから構成され、これが繰り返される。
記憶部12は、フラッシュメモリ等のEEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)や小型の磁気ディスク等により構成され、少なくとも有極性ガスの検出条件(波形パターン等)を記憶している。また、本実施形態におけるガス検出装置が無極性ガスの検出も行う場合、記憶部12は、無極性ガスの検出条件(波形パターン等)も記憶する。これらの検出条件は、予め実験等により求められたものである。また、記憶部12は、最初のセンサ出力を基本データとして一時記憶したり、各種ディジタル信号処理のワークエリアとしても利用される。
A/D変換部13は、前置増幅部30により増幅されたセンサ出力をディジタル信号に変換し、演算部14に出力する。A/D変換部13は、コントローラ10の外部にコンパレータ等により構成してもよい。
演算部14は、A/D変換されたセンサ出力に対して、各種のディジタル信号処理を行う。また、ブリッジ回路の調整用抵抗Rvの抵抗値を調整する。接触燃焼領域判定部15は、演算部14におけるフィルタリング処理によりノイズが除去されたセンサ出力の接触燃焼領域を観測し、単なる湿度変動ではなく、所定の有極性ガスが検出されたか否かを判断する。
駆動電源20は、既成の電池等が用いられ、センサ駆動制御部11にパルス生成用の電源を供給する。前置増幅部30は、吸着燃焼式ガスセンサ40からのセンサ出力を所定の利得で増幅し、コントローラ10に出力する。
出力部50は、接触燃焼領域判定部15からのガス検出結果を受けてその旨を出力する。出力部50は、例えば、ガス検出結果のひとつとして、有極性ガスの種類を直接表示出力するLCD(Liquid Crystal Display)または有機EL(Electroluminescence)ディスプレイ、及びその駆動回路であってもよいし、有極性ガスの種類を色分表示したり点滅するLED(Light Emitting Diode)及びその駆動回路等であってもよい。また、ブザー等の可聴信号にてガス検出結果を報知するようにしてもよい。
吸着燃焼式ガスセンサ40は、基本的に、感応素子部Rs及び補償素子部Rrから構成されている。感応素子部Rsは、(白金)Ptヒータ42及びPd/Al23触媒層43を含み、補償素子部Rrは、(白金)Ptヒータ44及び(アルミナ)Al23層45を含む。
図2は、本発明において用いられる吸着燃焼式ガスセンサの平面図、及びAA´線断面図である。図2(A)及び図2(B)に示すように、吸着燃焼式ガスセンサ40は、(シリコン)Siウエハ41の上に、(酸化)SiO2膜48c、(窒化)SiN膜48b、及び(酸化ハフニウム)HfO2膜48aからなる絶縁薄膜が生膜され、その上に、感応素子部Rsとして(白金)Ptヒータ42及びPd/Al23触媒層43、補償素子部Rrとして(白金)Ptヒータ44及び(アルミナ)Al23層45が形成されている。
また、異方性エッチングして凹部46及び47を形成して、それぞれ薄膜ダイヤフラムDs及びDrを形成することにより、熱容量を小さくしている。このような構成にすることにより、高速反応可能でかつ測定精度が向上した吸着燃焼式ガスセンサが得られる。また、熱容量が小さくなるので、消費電力が低減される。
Ptヒータ42、44は、固定抵抗R1、R2及び可変抵抗Rvと共にブリッジ回路を構成している。そして、このブリッジ回路のPtヒータ44及び固定抵抗R1の接続点、並びにPtヒータ42及び固定抵抗R2の接続点には、コントローラ10を介して駆動パルスが所定のインターバルで間欠的に供給される。また、Ptヒータ42及び44の接続点の電圧が、センサ出力となる。
このような吸着燃焼式ガスセンサ40を使用するに際しては、まず、検出動作開始前に、センサ出力が中間電位になるように可変抵抗Rvを調整する。この状態において、COガス等が感応素子部Rsに触れると触媒作用により、この素子の表面で酸化されて反応熱が発生する。この反応熱により、Ptヒータ42の抵抗値が上昇し、この抵抗値の上昇によりブリッジ回路の平衡が崩れ、上記センサ出力が生成される。この場合、Ptヒータ44は、周囲温度の変動によるPtヒータ42の抵抗値の変動を相殺し、反応熱に起因するPtヒータ42の抵抗値の変動成分のみを取り出せるように補償する。
以上に説明した吸着燃焼式ガスセンサは、シリコン基板上に薄膜ダイアフラムを形成した熱容量の小さいガスセンサである。このセンサの特性は、パルス駆動をした場合、イソブタン、メタン、水素、CO等の無極性または低有極性ガスに対しては従来の接触燃焼式ガスセンサと同様のセンサ出力を示すが、エタノール等の極性の大きいガスに対しては吸着作用があるため、パルスONしてから数〜数十msにピークを持つ波形が得られるというものである。図3は、当該ガスセンサの無極性ガス及び有極性ガスに対する出力波形を示す図である。図3(B)に示すように有極性ガスのセンサ出力は、パルスオン期間中のガスの吸着燃焼に対応する波形領域である吸着燃焼領域に波形のピークが現れる。この点、湿度変動が生じた場合も、数〜数十msにピークを持つ波形が現れる。したがって、有極性ガスの有無に誤判定が生じる可能性がある。
以下、本発明の実施形態におけるガス検出装置の動作(ガス検出方法)について説明する。図4は、当該ガス検出装置の動作を説明するためのフローチャートである。まず、センサ駆動制御部11は、吸着燃焼式ガスセンサ40を駆動させるためのパルス信号(ONtime:200msec,OFFtime:10sec)を出力する。パルス信号は、10.2sec間隔で常時出力される状態である。
吸着燃焼式ガスセンサ40は、上記パルス信号が入力されると、最初のセンサ信号を出力し、前置増幅部30は、当該センサ信号を増幅してコントローラ10に出力する。コントローラ10は、当該センサ信号を基準データ(基準波形)として、記憶部12に一時記憶する(ステップS1)。図5は、基準波形を示す図である。0.0s〜0.2sまでがパルスオン区間である。
コントローラ10は、次に取り込むセンサ信号より測定を開始する。コントローラ10の演算部14は、取り込まれたセンサ信号と、記憶部12に記憶されている基準データとの差分データを生成し、判定データとする(ステップS2)。図6は、判定データの生成過程を示す概略図である。図6に示すように判定データ(波形)は、ガスセンサ出力データ(波形)から基準データ(波形)を減算して求められる。ガスセンサ出力データから基準データを減算することにより、パルスオン直後のガスの有無には関係ない急激なセンサ出力変化分が除去されて、ガスによる急激なセンサ出力変化分を示す判定データを生成することができる。また、判定データのパルスオフ区間の電位は0V付近となる。
次に、演算部14は、ノイズ除去のため、上記判定データをフィルタリング処理する(ステップS3)。フィルタリング処理は、移動平均手法を用いた。計算式を下記式(1)に示す。
y[n]=1/20・(x[n−10]+x[n−9]+…+x[n]+x[n+1]+…+x[n+9])…(1)
ここで、x[n]は、移動平均を行う前のデータ、y[n]は、移動平均を行った後のデータである。20個のデータを加算し、それを20で除算した平均値を出力したものであり、ローパスフィルタ処理である。
次に、接触燃焼領域判定部15は、有極性ガスの有無を判定するため、フィルタリング処理された判定データの190ms地点を観測する(ステップS4)。観測の結果、下記式(2)に示すように、0.2Vを超える出力を観測した場合(ステップS4/YES)、ガス有りと判断し、0.2V以下の出力を観測した場合(ステップS4/NO)、ガス無しと判断する。
Y[190ms]>0.2 :ガス有り
Y[190ms]≦0.2 :ガス無し…(2)
ステップS4において、ガス有りと判定した場合(ステップS4/YES)、その旨の警報が、LCDやLED点滅等により出力部50から出力される(ステップS5)。勿論、これにブザー音等の可聴信号を付加してもよいし、可聴信号のみで有極性ガスが検出された旨を出力するようにしてもよい。また、ガス無しと判定した場合(ステップS4/NO)、ステップS2に遷移し、センサ出力の観測を続ける(ステップS2〜S4)。
以下、本実施形態の具体例として、ガスセンサ出力データからエタノール検出か湿度変動かを判断する例を説明する。図7は、エタノール1000ppm時の出力特性を示す図である。図8は、相対湿度特性を示す図である。相対湿度とは、ある温度における湿り空気の容積単位の絶対湿度と同温度における飽和絶対湿度との比を、パーセンテージで表わしたものである。また、湿り空気の水蒸気圧と飽和水蒸気圧との比によっても、近似的に示すことができる。図8は、相対湿度35.6%,45.0%,58.0%,及び67.8%の場合のガスセンサ出力の波形を示している。相対湿度が高いほど、パルスオン直後に電圧が低下することが分かる。
演算部14は、図7に示すガスセンサ出力(エタノール出力)から、エタノール測定前の図5に示した基準データを減算して判定データを生成する。図9は、エタノール出力の判定波形を示す図である。図10は、湿度出力の判定波形を示す図である。図10の例は、パルスオンによる最初のガスセンサ出力により取得した基準データが相対湿度67.8%の状態のデータであり、次のガスセンサ出力を取得したときに、ガスは検出されていないが、相対湿度が35.6%,45.0%,または58.0%に変動した場合の判定データを示している。
即ち、最初と2回目以降とのガスセンサ出力の間に湿度変動もガス検出もない場合、同じ波形を減算することになり、判定データは0V付近となる。したがって、誤判定が起きることはない。しかしながら、最初と2回目以降とのセンサ出力の間に湿度変動が起きた場合、これによりパルスオン直後の電圧低下の程度が異なることになり、特に湿度が低下した場合、有極性ガスを検出した場合と類似した波形パターンの判定データが算出されてしまう。
ここで図8を参照すると、湿度が異なる場合でもパルスオン期間の立ち上がり期間後は略同様の波形パターンを描く。したがって、最初と2回目以降とのガスセンサ出力の間に湿度変動が起きた場合でも、判定データの立ち上がり期間後の部分は、減算されて0V付近となる。一方、図9を参照するとエタノールを検出した場合、パルスオン期間中は電圧が0Vまで下がらない。
よって、接触燃焼領域判定部15は、パルスオン期間の終了点間際の電圧を観測することにより、パルスオン期間の直後の電圧変動が、有極性ガスの検出か湿度変動かを判断することができる。図9と図10とを比較すると、図10では、接触燃焼領域に出力がでていないことが分かる。図11は、湿度変動により算出された判定データ及び有極性ガスを検出した場合の判定データの概略図である。図11(A)は、湿度変動により算出された判定データ、図11(B)は、有極性ガスを検出した場合の判定データを示している。前者の判定データには接触燃焼領域に出力がなく、後者の判定データには接触燃焼領域に出力がある。このように、湿度変動による波形の判別は、接触燃焼領域を観測することで、判別が可能であることが判明した。
なお、本発明の実施形態におけるガス検出装置により有極性ガスまたは無極性ガスを検出し、ガスの種類を特定する処理の詳細は、本出願人が先に出願した特願2003−38512号(上記特許文献2)に既に記載した。
なお、上述した実施形態は、本発明の好適な実施形態の一例を示したものであり、本発明はそれに限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施が可能である。
例えば、上記実施形態においては、上記各センサ出力のオン時間、オンオフ間隔等を上記実施形態に例示した値に限定するものではなく、各値は、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更することが可能である。
本発明の実施形態におけるガス検出装置の基本構成を示すブロック図である。 吸着燃焼式ガスセンサの平面図、及びAA´線断面図である。 吸着燃焼式ガスセンサの無極性ガス及び有極性ガスに対する出力波形を示す図である。 本発明の実施形態におけるガス検出装置の動作(ガス検出方法)について説明するためのフローチャートである。 基準データを示す図である。 判定データの生成過程を示す概略図である。 エタノール1000ppm時の出力特性を示す図である。 相対湿度特性を示す図である。 エタノール出力の判定波形を示す図である。 湿度出力の判定波形を示す図である。 湿度変動により算出された判定データ及び有極性ガスを検出した場合の判定データの概略図である。 従来技術におけるガス検出システムの構成を示すブロック図である。
符号の説明
10 コントローラ(MPU)
20 駆動電源
30 前置増幅部(プリアンプ)
40 吸着燃焼式センサ
42,44 Ptヒータ
43 Pd/Al23触媒層
45 Al23
50 出力部
Rs 感応素子部
Rr 補償素子部

Claims (6)

  1. 有極性ガスの吸着により駆動パルスのパルスオン直後にピーク波形を出力し、その後低下し、所定のレベルで安定した波形をパルスオン期間終了まで出力する吸着燃焼式ガスセンサを用いて前記有極性ガスを検出するガス検出方法であって、
    測定開始以前に得られたセンサ出力に基づいて、検出すべきガスの影響のない、前記パルスオン期間のセンサ出力データである基準データを取込む基準データ取込工程と、
    測定開始以降のパルスオン期間に得られたセンサ出力を、実測データとして取込む実測データ取込工程と、
    前記実測データから前記基準データを減算して判定データを算出する判定データ算出工程と、
    前記パルスオン期間中の前記所定のレベルで安定した波形の出力部分に相当する、前記判定データ中の接触燃焼領域の電圧レベルを観測して、前記有極性ガスの検出か湿度変動かを判定する判定工程と、を含み、
    前記判定工程は、前記接触燃焼領域の電圧レベルが、所定の電圧レベルを超えた場合に、前記有極性ガスの検出と判定することを特徴とするガス検出方法。
  2. 前記判定データ算出工程により算出された判定データにフィルタリング処理を施し、ノイズを除去するフィルタリング工程、をさらに含み、
    前記判定工程は、前記フィルタリング工程によりフィルタリング処理された判定データ中の前記接触燃焼領域を観測することを特徴とする請求項1記載の有極性ガス検出方法。
  3. 前記判定工程は、前記駆動パルスのパルスオン期間の終了点直前の電圧レベルを観測することを特徴とする請求項1または2記載のガス検出方法。
  4. 有極性ガスの吸着により駆動パルスのパルスオン直後にピーク波形を出力し、その後低下し、所定のレベルで安定した波形をパルスオン期間終了まで出力する吸着燃焼式ガスセンサを用いて前記有極性ガスを検出するガス検出装置であって、
    測定開始以前に得られたセンサ出力に基づいて、検出すべきガスの影響のない、前記パルスオン期間のセンサ出力データである基準データを取込む基準データ生成手段と、
    測定開始以降のパルスオン期間に得られたセンサ出力を、実測データとして取込む実測データ生成手段と、
    前記実測データから前記基準データを減算して判定データを算出する判定データ算出手段と、
    前記パルスオン期間中の前記所定のレベルで安定した波形の出力部分に相当する、前記判定データ中の接触燃焼領域の電圧レベルを観測して、前記判定データ中の接触燃焼領域の電圧レベルを観測して、前記有極性ガスの検出か湿度変動かを判定する判定手段と、を含み、
    前記判定手段は、前記接触燃焼領域の電圧レベルが、所定の電圧レベルを超えた場合に、前記有極性ガスの検出と判定することを特徴とするガス検出装置。
  5. 前記判定データ算出手段は、前記判定データにフィルタリング処理を施してノイズを除去し、
    前記判定手段は、前記判定データ算出手段によりフィルタリング処理された判定データ中の前記接触燃焼領域を観測することを特徴とする請求項4記載の有極性ガス検出装置。
  6. 前記判定手段は、前記駆動パルスのパルスオン期間の終了点直前の電圧レベルを観測することを特徴とする請求項4または5記載のガス検出装置。
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