JP6446894B2 - ガス警報器、その制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ヒータによってセンサ素子を加熱した状態で当該センサ素子の抵抗値を測定することで、都市ガスなどのガス漏れを検知するガス警報器に関する。
ガス器具やガス配管からの都市ガス等のガス漏れを検知し、音声やブザーなどで警報を発し、ガス使用者にガス漏れを知らせるガス警報器が知られている。
ガス警報器は、ガスセンサなどのガス検知素子により検知対象ガスを検出し、検知対象ガスのガス濃度が所定値(閾値)を超えたら、警報音や警報表示により警報を行うようになっている。
ガス警報器においては、都市ガスやLPガスなどの検知対象ガスを検知するためにガスセンサが用いられている。ガスセンサは、例えばヒータ抵抗とセンサ抵抗を有する。センサ抵抗は、検知対象ガスとの反応によりその抵抗値が変化する。ヒータ抵抗によって加熱された状態のセンサ抵抗の抵抗値を測定することで、ガス検知を行っている。例えば、ガスセンサのヒータ抵抗に電圧を印加してその温度をたとえば400℃などの所定温度に加熱した状態にして、上記センサ抵抗の抵抗値(実際にはこの抵抗値を示す電圧等)の変化を測定することにより、ガス検知を行っている。
ガスセンサのヒータ抵抗の温度を所定温度にする駆動方法には、直流電圧を印加する方法やパルス的に電圧を印加する方法があるが、特に電池で駆動する電池式ガス警報器では、消費電力を低減するために所定の駆動周期でヒータをパルス通電する方法が行われている。
また、コードレス化による取付性向上や機器小型化などの理由から、電池駆動によるガス警報器が望まれているが、検知対象ガスを検出するにあたりガスセンサのヒータ温度を400℃程度にしなければならず大きな電力が必要となっている。このため、ガス警報器の有効期限である5年間を電池で駆動できるように省電力でセンサ駆動を行うことが課題となっている。
電池式ガス警報器は、電池交換することなく、5年以上動作可能とすることが必要となる。この為、センサ駆動周期をある程度長くする必要がある。
また、特許文献1,2,3,4,5,6等に開示されている従来技術がある。
特許文献1の発明のガス検知装置は、支持基板上に、検出対象ガスとの接触により電気抵抗値が変化するガス検知層、及びガス検知層を加熱するヒータ層を形成したセンサ素子を有する。そして、ヒータ層への通電駆動を断続的に行って、ガス検知層の温度を低温状態と高温状態との間で変化させ、ガス検知層の温度が高温状態に変化したときのガス検知層の電気抵抗値に基づいて、検出対象ガスを検出する。
ガス検知層に隣接して設けられる絶縁層(SiO2など)などが経年劣化により絶縁破壊・絶縁不良を起こし、ヒータ層からガス検知層への熱伝導が良好に行われないなど、ガス検知層等からなるセンサ素子に異常を発生させることがある。特許文献1の発明は、この様な問題を解決するものである。
また、特許文献2の発明は、一つのパルス通電により加熱される一つのセンサ素子(ガス検知層)の電気抵抗値を用いて、検出対象ガスおよび湿度の検出を行い、装置構成の簡略化、消費電力の低減を図りつつ、より正確な湿度を検出できるようにするものである。すなわち、ヒータ層への通電を停止してから再度通電が開始されるまでのヒータ層通電停止時のガス検知層の電気的特性を用いて、検出対象ガスが含まれる被検出ガスの湿度を検出する。
また、特許文献3の発明は、半導体基板の空洞に薄膜ヒータをメタンの燃焼触媒で被覆した検知片と薄膜ヒータを補償用材料で被覆した補償片とを設け、これら検知片と補償片とを組み込んだブリッジ回路の出力によりメタンを検出する装置において、半導体基板の空洞にヒータ薄膜を設けた接触燃焼式メタンセンサに対して、ヒータ抵抗のドリフトを補正するものである。
また、特許文献4の発明は、間欠的にオン/オフ駆動又はハイ/ロー駆動されるヒータRHにより加熱されるセンサ素子RSを有する半導体式ガスセンサ21を用いて、単一種又は複数種のガスの濃度を検出するガス検出装置において、センサ素子RSが断線状態にある場合にはそれを確実に検出できるようにする。また、特許文献4には、加熱素子RHにハイ/ローの2段階の電圧が印加され、ローの期間中に、不完全燃焼検出用のCOガスの検出のために加熱素子RHが80℃程度に加熱され、また、ハイの期間中に、ガス漏れ検出用のメタンガスの検出のために加熱素子RHが400℃程度に加熱されること等が開示されている。
また、特許文献5の発明は、ヒータに直列に電流検出抵抗Rdを接続した構成とし、この電流検出抵抗Rdの両端電圧と抵抗値とに基づきヒータ電流を算出し、算出されたヒータ電流の変化に基づきガスセンサの異常を判定する。このガスセンサの異常は、ヒータの断線もしくはヒータの劣化等の異常である。
また、特許文献5には、パルス駆動方式で、1つのガスセンサを低温域(例えば、100℃)と高温域(例えば、400℃)とに周期的に交互に駆動させることにより、低温域で一酸化炭素ガス濃度を検出し、高温域でメタンガス濃度を検出することが開示されている。
また、特許文献6の発明は、電池式の一酸化炭素ガス警報器において、ガスセンサが高温高湿中に置かれる期間が増加するに従ってCO警報濃度が上昇する問題、すなわち高湿中でガスセンサの感度が劣化してしまう問題を、解決するものである。
特許文献6には、その図4に示す試験結果から、CO警報濃度が劣化したガスセンサは、ヒートアップを行ったときのセンサ抵抗(エアー中の抵抗)が大きく、両者の間に正の相関関係があることがわかる旨が開示されている。そして、これより、特許文献6の発明では、ガスセンサを定期的にヒートクリーニングし、ヒートアップ時におけるセンサ抵抗値を検出し、センサ抵抗値が初期センサ抵抗値の3〜5倍に変化した場合に、ガスセンサの感度が劣化したと判定する。
特開2009−210343号公報 特開2009−210342号公報 特開2012−63141号公報 特開2005−201681号公報 特開2001−235441号公報 特開2001−194330号公報
ここで、ガスセンサの異常に関しては、上記従来のセンサ素子の断線や絶縁層の雑縁破壊・絶縁不良以外にも、例えば“鈍化”が生じる場合がある。この“鈍化”は、ガスセンサの感度(=空気中のセンサ抵抗値/ガス中の抵抗値)が低下するものであり、ガスセンサが“鈍化”した場合、警報レベルのガス濃度になってもこれを検知できない。“鈍化”について、図16を参照して説明する。
図16は、センサ抵抗値−ガス濃度の関係図である。
ガスはCO(一酸化炭素)、H2(水素)、メタンについて、それぞれ、そのガス濃度の変化に応じたセンサ抵抗値の変化を示す。CO(一酸化炭素)、H2(水素)については、それぞれ一点鎖線で示す。一方、メタンに関しては、正常なガスセンサ(正常品)に関する特性は実線で示し、上記“鈍化”状態となっているガスセンサ(感度低下品)に関する特性は点線で示している。
図上一点鎖線で示すように、CO(一酸化炭素)、H2(水素)に関しては、ガス濃度が増加してもセンサ抵抗値は殆ど変化しない。一方、図上、実線や点線で示すように、メタンに関しては、センサが正常であっても“鈍化”であっても、ガス濃度が大きくなっていくとセンサ抵抗値は小さくなっていくという相関関係が見られる。しかし、任意のセンサ抵抗値に対応するガス濃度は、“感度低下品”は正常品よりも非常に大きくなる。
ここで、例えばメタンのガス濃度が4000ppmを越えたらガス漏れ警報を発すべきものとした場合、図示の正常品の特性に基づいて4000ppmに対応する図示のセンサ抵抗値Pを、ガス漏れ判定の為の閾値に設定することになる。つまり、センサ抵抗値がP未満となったら、ガス漏れ発生と判定することになる。しかし、センサが“鈍化”している場合、図示の例ではセンサ抵抗値がP未満となったときにはメタンのガス濃度は10000ppmを越えており(20000ppm程度)、警報発生の報知が大幅に遅れることになる。
上記“鈍化”状態となったセンサは、元の正常な状態に戻ることはなく、よって交換等を行う必要がある。この為、センサが“鈍化”となったことを判別して、その旨を報知する機能が、ガス警報器に備えられることが要望されている。
しかしながら、上記特許文献1,2,3,4,5の従来技術では、ガスセンサが“鈍化”状態となっていることを検出することについては、何等考えられていない。
本発明の課題は、センサ素子と該センサ素子を加熱する為のヒータとを有するガスセンサを有するガス警報器に関して、センサ素子の感度低下状態である鈍化を検出することができるガス警報器、その制御装置等を提供することである。
本発明のガス警報器は、メタンガスの濃度に応じて抵抗値が変化するセンサ素子と該センサ素子を加熱する為のヒータと、メタンガスのみを透過させるように前記センサ素子を覆った触媒層とを有するガスセンサと、前記ヒータを加熱制御して前記センサ素子の抵抗値を測定する制御部とを有するガス警報器であって、前記制御部は、定周期で、前記ヒータで第3の所定温度に加熱したときの前記センサ素子の抵抗値に基づいて、ガス漏れの有無を判定するガス漏れ判定手段と、任意のときに前記ヒータで、前記第3の所定温度よりも低い第2の所定温度に加熱したときの前記センサ素子の抵抗値を、低温時抵抗値として取得する低温時抵抗値取得手段と、少なくとも前記低温時抵抗値を用いて、前記センサ素子の感度低下状態である鈍化であるか否かを判定する鈍化判定手段と、を有し、前記第2の所定温度は、前記第2の所定温度に加熱したときの前記センサ素子の抵抗値が、前記センサ素子が正常な場合と前記感度低下状態になっている場合とで異なるように設定される
本発明のガス警報器、その制御装置等によれば、センサ素子と該センサ素子を加熱する為のヒータとを有するガスセンサを有するガス警報器に関して、センサ素子の感度低下状態である鈍化を検出することができる。
本例のガス警報器の構成図である。 センサ抵抗値の温度特性を示す図である。 センサの構造を示す断面図である。 制御回路部のセンサ診断処理のフローチャート図である。 (a)〜(c)は、ヒータ駆動方法の具体例を示す図である。 実験結果データの一例を示す図(その1)である。 実験結果データの一例を示す図(その2)である。 実験結果データの一例を示す図(その3)である。 実験結果データの一例を示す図(その4)である。 実験結果データの一例を示す図(その5)である。 実験結果データの一例を示す図(その6)である。 実験結果データの一例を示す図(その7)である。 実験結果データの一例を示す図(その8)である。 実験結果データの一例を示す図(その9)である。 機能ブロック図である。 センサ抵抗値−ガス濃度の関係図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本例のガス警報器の構成図である。
図示のガス警報器10は、ガス器具やガス配管から漏れた都市ガスなどの可燃性ガスを検知して警報を発するガス漏れ警報器であって、特に電池を電源とする電池式ガス警報器である。
図示の例のガス警報器10は、ガスセンサ11、制御回路部12、警報部13、電池部15、昇圧回路部16、定電圧回路部17等を有し、更に負荷抵抗R、シャント抵抗R2、トランジスタスイッチSW1、トランジスタスイッチSW2等から成る図示の回路を有している。尚、以下、トランジスタスイッチSW1,トランジスタスイッチSW2は、省略して、スイッチSW1、スイッチSW2と記すものとする。また、更に図示の調整信号入力部18や周囲温度検出部14等もあるが、これらについては特に説明しない。
尚、上記ガス警報器10の構成自体は、従来と同じであってよい。例えば、参考文献(特開2012-164094号公報)に記載の構成と同じであってよい。従来と異なるのは、制御回路部12の処理内容であり、これについては後に図4等のフローチャート図を参照して説明する。
検知対象ガスを検出するガスセンサ11は、ガス濃度を検出するためのセンサ抵抗11aと、これを加熱するためのヒータ抵抗11bとを備える。既に従来で説明したように、センサ抵抗11aは周囲のメタンガス等の濃度に応じた抵抗値となるものであり、上記所定の駆動周期で行うガス漏れ検出処理の際には、ヒータ抵抗11bを例えば400℃等に加熱して、この状態でセンサ抵抗11aの抵抗値(抵抗値に相当する電圧値等)を測定することになる。尚、検知対象ガスは、基本的に都市ガス(メタンガス)である。他のガスであってもよいが、検知対象ガスの種類に応じたガスセンサを用いることになる。
電池部15は、本例では3ボルトの電源を供給し、昇圧回路部16で3.3(V)に昇圧されて、図1に示す回路全体に電力を供給する。すなわち、電池部15からの電力は、ガスセンサ11内のヒータ抵抗11bとセンサ抵抗11a、負荷抵抗R、シャント抵抗R2、スイッチSW1、SW2等からなるガス検出手段であるセンサ系回路に供給する。また、制御回路部12にも電池部15から電力供給している。
ここで、上記センサ系回路は、センサ抵抗11aと負荷抵抗RとスイッチSW2とが直列に接続された回路(第一の直列回路)と、スイッチSW1と定電圧回路部17とヒータ抵抗11bとシャント抵抗R2とが直列に接続された回路(第二の直列回路)から成る。これら各直列回路に対して上記3.3(V)の電圧が印加される。
第一の直列回路に関しては、スイッチSW2がONのときには、3.3(V)がセンサ抵抗11aの抵抗値と負荷抵抗Rの抵抗値とに応じて分圧された電圧V1が、制御回路部12の図示の入力端子AD3に入力されることになる。負荷抵抗Rの抵抗値は任意でよいが固定であり、センサ抵抗11aの抵抗値が変化すると、電圧値V1が変化することになる。つまり、電圧値V1はセンサ抵抗11aの抵抗値を示すものである。
尚、上記の通り、センサ抵抗11aの抵抗値は、周囲のメタンガスの濃度に応じて変化するが、後述するように、ヒータ抵抗11bの駆動時の温度等によっても変化する。この抵抗値変化に応じて、入力端子AD3の入力電圧値が変化することになる。詳しくは後述する。
また、第二の直列回路に関しては、スイッチSW1がONの状態で、上記定電圧回路部17によって任意の電圧が、ヒータ抵抗11b等に印加されることになる。尚、制御回路部12の出力端子OUT2から上記定電圧回路部17に制御信号が出力されて、上記定電圧回路部17の出力電圧が任意に制御される。定電圧回路部17の出力電圧が変化することで、ヒータ抵抗11bの駆動時の温度が変化する。従来では、ヒータ抵抗11bの駆動時温度が400℃程度になるように、定電圧回路部17の出力電圧が制御されていた。本手法では、定電圧回路部17の出力電圧を低くすることで、ヒータ抵抗11bの駆動時温度が通常よりも低くなるように(例えば250℃程度で)ヒータ駆動制御する場合がある。詳しくは後述する。
制御回路部12は、ガス警報器10全体の動作を制御するマイコン(CPU等)であり、不図示の内蔵メモリに予め記憶されているプログラムを実行することにより、既存のガス漏れ検知処理や、後述する図4に示すフローチャートの“鈍化”判定処理等を実行する。
制御回路部12は、出力端子OUT1、OUT2、OUT3,入力端子AD1,AD2,AD3等を有している。出力端子OUT1はスイッチSW1のベースに接続しており、出力端子OUT1からの出力信号によってスイッチSW1をON/OFF制御する。出力端子OUT3はスイッチSW2のベースに接続しており、出力端子OUT3からの出力信号によってスイッチSW2をON/OFF制御する。尚、出力端子OUT2については既に説明してある。
また、入力端子AD3についても既に説明してある。入力端子AD1には定電圧回路部17の出力電圧が入力され、入力端子AD2にはヒータ抵抗11b−シャント抵抗R2間の電圧が入力される。つまり、入力端子AD1、AD2に入力される電圧の差が、ヒータ抵抗11bに印加される電圧を意味することになる。上記のように定電圧回路部17の出力電圧を制御することで、ヒータ抵抗11bに印加される電圧が制御されることになり、以ってヒータ抵抗11bの駆動時の温度が制御される。
尚、これら入力端子AD1,AD2,AD3は、入力端子だけでなく、入力端子に入力されるアナログ信号(電圧値V1等)をディジタル値に変換する機能(ADコンバータ)も含まれているものとする。よって、制御回路部12は、例えば、入力端子AD3を介して、電圧値V1のディジタル値を取得することになる。
また、特に説明しないが、制御回路部12は、既存の機能により、上記取得した電圧値V1を、センサ抵抗11aの抵抗値に換算することや、メタンガス濃度に換算すること等が、行えるものである。
警報部13は、警報音出力部13a、警報表示部13b、外部警報出力部13cを備える。警報音出力部13aは、警報音等の音を発する部分であり、例えばスピーカやブザーなどで構成される。警報音出力部13aは、制御回路部12からの制御に基づいて、音声メッセージや電子音でガス漏れ状態を報知する。警報表示部13bは、LED(発光ダイオード)等で構成されており、警報時にはLEDを点滅や点灯させて警報状態をLEDで表示させてガス漏れ状態を報知する。外部警報出力部13cは、警報時にはガスメータや集中監視盤等の外部機器へ警報信号の出力を行う。
制御回路部12は、センサ駆動時には、出力端子OUT1、OUT3からの出力によってスイッチSW1およびスイッチSW2をオンすることで、ガスセンサ11(そのヒータ抵抗11b、センサ抵抗11a)、負荷抵抗R等からなる上記センサ系回路に電力供給させて動作させる。
制御回路部12は、基本的には従来の既存のガス漏れ検知の為の定期的な動作を繰り返し実行している。すなわち、センサ駆動周期Ta、センサ駆動時間Tbでガスセンサ11を駆動することで、定周期Ta毎のガス検知を行う。一例として例えば、センサ駆動周期Ta=45秒、センサ駆動時間Tb=100ms(ミリ秒)で、ガスセンサ11を駆動するものとする。具体的には制御回路部12の内部タイマ(不図示)による制御に基づいてセンサ駆動周期Ta毎に以下の動作を実行する。
上記センサ駆動周期Taによるセンサ駆動タイミングになる毎に、制御回路部12は、出力端子OUT1、OUT3からの出力によってスイッチSW1とスイッチSW2をオンすることで、上記第一の直列回路と第二の直列回路とに所定の電圧を印加する。ヒータ抵抗11bは定電圧回路部17の出力電圧を制御することで例えば400℃等に加熱させる。制御回路部12は、上記センサ駆動タイミングから100ms経過したときに(つまり、センサ駆動時間Tbの最後に)、AD3端子からガスセンサ出力電圧V1を読み込みする。勿論、その直後にセンサ駆動は終了する。
このように制御回路部12は、入力端子AD3を介してガスセンサ11のセンサ出力(電圧値V1;センサ抵抗11aの抵抗値に相当)を検出し、例えばセンサ出力が所定のガス濃度(警報基準濃度)に対応する閾値を超えたか否かを判定することにより、ガス漏れ検出を行う。尚、制御回路部12は、出力電圧V1をガス濃度やセンサ抵抗値に換算してそれに応じた閾値と比較する処理を行なっても良い。これも既存の機能であり特に説明しないものとする。
本手法では更に、定期的に(例えば1日1回)、“鈍化”(ガスセンサ11の感度低下)の判定を行うものであり、その為のセンサ駆動制御を行う。これについて、以下、説明する。
まず、本出願人は、実験結果等に基づいて、上記センサ抵抗11aの抵抗値(電圧V1)と、ヒータ抵抗11bの温度とに、図2に示すような対応関係があることを見つけ出した。
図2に示すグラフは、通常の空気中すなわち周囲にメタンガスが無い環境における、ガス警報器10のセンサ抵抗11aの抵抗値(センサ抵抗値;縦軸)と、ヒータ抵抗11bの温度(横軸)との関係を示す。
横軸に関して、図示のHighは上記400℃等であり、図示のLowは例えば200℃や250℃等である。換言すれば、Highは上記既存のガス漏れ検知の際のヒータ抵抗11bの温度である。一方、Lowは、少なくともHigh(400℃)よりは低い温度であり、後述する実験結果に基づき例えば150℃〜300℃の温度範囲内の任意の温度であってよく、ここでは250℃程度等とする。
図2において、正常品のガス警報器10の特性を一点鎖線で示し、“鈍化”状態となったガス警報器10(鈍化品)の特性を点線で示す。尚、正常品に関しては、参考のため、定常特性(ゆっくり温度を上昇/下降させて測定したもの)を実線で示すが、これについては特に説明しない。尚、点線や一点鎖線で示す特性は、既存のパルス駆動(45秒周期で100msや200ms程度の間、400℃となるように駆動)を行って、温度が室温から400℃まで上昇するまでの温度とセンサ抵抗値とを測定したものである。
正常品の場合、一点鎖線で示すように、ヒータ抵抗11bの温度を室温から上昇させていくと、室温からLow(250℃)までの間は、温度が上昇するに従ってセンサ抵抗値は低下していく。一方、点線で示すように、鈍化品の場合も室温からLow(250℃)までの間は、温度が上昇するに従ってセンサ抵抗値は低下していく。しかし、図示のように、正常品に比べて低下率が低い。この為、図示のように、ヒータ抵抗11bの温度がLowのときには、鈍化品のセンサ抵抗値は、正常品のセンサ抵抗値よりも非常に大きくなっている(2倍以上と考えられる)。
尚、上記のように室温からLow(250℃)までの温度領域でセンサ抵抗値の低下が生じる理由は、温度上昇に伴う「酸素脱離」が生じるためである。ここで、センサ抵抗11aは例えば図3に示すSnO薄膜24として構成されるものであり、SnO薄膜24から「酸素脱離」が起こることでSnO薄膜24の抵抗値が低下する。尚、図16に示すようにメタンガス濃度に応じてセンサ抵抗値が低下する理由も、メタンガスによってSnO薄膜24から「酸素脱離」が起こるからである。
ここで、図3には、ガスセンサ11の構造を示す断面図を示す。尚、図示の構造は、例えば上記特許文献1の図1や特許文献2の図1に示されている構造と略同様と見做してもよい。
図3の例では、ガスセンサ11は、その外周部又は両端部がSi基板21により支持されたダイアフラム構造の支持基板22上に、薄膜ヒータ23、SnO薄膜(酸化スズ薄膜)24、触媒層25等が順次積層されて成る構造を有している。薄膜ヒータ23が上記ヒータ抵抗11bに相当し、SnO薄膜24が上記センサ抵抗11aに相当する。触媒層25は、メタンガスのみを透過させ、それ以外のガス(CO(一酸化炭素)、H2(水素)等)は燃焼除去する。つまり、例えば上記特許文献1等に記載のように、検出対象ガス(メタンガス)に対して妨害ガスともなる還元性ガスを酸化除去できる、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、ロジウム(Rh)等を、上記触媒層25として用いるが、この例に限らない。
上記ヒータ抵抗11bの温度がLowを超えて更に上昇していくと、正常品の場合には図示の一点鎖線で示すように、今度は温度上昇に応じてセンサ抵抗値が増加していく。但し、ある温度(図示のQ1)になったら、そこから先は(つまり、温度Q1からHighまでの温度領域では)図示のように、温度上昇に応じてセンサ抵抗値が低下していく。
尚、上記Lowと温度Q1の間の温度領域でセンサ抵抗値が増加していく理由は、SnO薄膜に「酸素吸着」(負電荷吸着)が生じる為であり、上記「酸素脱離」とは逆であり、よってセンサ抵抗値が増加していく。この「酸素吸着」は温度Q1で完了し、そこから先では半導体(SnO)の特性により温度上昇に応じてセンサ抵抗値が低下していくものと考えられる。尚、負電荷吸着とは、SnO薄膜にO2が吸着する際にSnO薄膜から電子を奪ってイオン(O2−)の形で付くことであり、これによってSnO薄膜の抵抗値が増加する。上記「酸素脱離」は、この逆の現象により、SnO薄膜の抵抗値が減少することになる。
一方、鈍化品の場合、図示の点線で示すように、上記Lowと温度Q1の間の温度領域ではセンサ抵抗値は殆ど変化しないか、温度上昇に応じて多少低下する特性となる。温度Q1からHighまでの温度領域では、鈍化品の場合も正常品と略同様の特性となる。そして、Highのときには、鈍化品のセンサ抵抗値は、正常品と殆ど変わらない。
本手法では、例えば図2に示すようなセンサ抵抗値の温度特性に基づいて、各ガス警報器10毎に自機が“鈍化”状態になっていないかを判定する。
すなわち、上記のように、ヒータ駆動温度がHigh(400℃)のときのセンサ抵抗値は、鈍化品であっても正常品と殆んど変わらないが、ヒータ駆動温度がLow(250℃)のときのセンサ抵抗値は、鈍化品は正常品よりも非常に大きくなる。よって、このようなセンサ抵抗値の温度特性を利用して、鈍化品であるか正常品であるかを判定することができる。
この判定方法として、例えば、図2に示すように、ヒータ抵抗11bの温度がLow(250℃程度)のときのセンサ抵抗値が、正常品と鈍化品とで違いが大きいことに着目して、これを利用することが考えられる。すなわち、ヒータ抵抗11bの温度がLow(250℃程度)となるようにヒータ抵抗11bを駆動して、センサ抵抗値を測定して、このセンサ抵抗値が所定の閾値以上の場合には“鈍化”であると判定することが考えられる。閾値は例えば図示のRref等とする。しかしながら、特性自体は図2に示すようになるとしても、センサ抵抗値は製品によってバラツクため、この方法では正確な判定結果が得られない製品も生じる可能性がある。
上記バラツキは、例えばセンサ抵抗値が全体的に高い製品や、全体的に低い製品があることを意味しており、つまり、製品によっては、全体的にセンサ抵抗値が高めになるために正常品であってもLowヒータ駆動時のセンサ抵抗値が閾値Rrefを越えるものが存在し得る。
これに対して、Lowヒータ駆動時のセンサ抵抗値とHighヒータ駆動時のセンサ抵抗値との比は、上記バラツキに影響されにくい。つまり、例えばセンサ抵抗値が全体的に高い製品の場合、Lowヒータ駆動時のセンサ抵抗値が高めになるがHighヒータ駆動時のセンサ抵抗値も高めとなる。
これより、本例では、上記Lowヒータ駆動時とHighヒータ駆動時のセンサ抵抗値の比を用いて、“鈍化”の判定を行うものとする。すなわち、例えば、ヒータ抵抗11bの温度がLow(250℃程度)となるようにヒータ抵抗11bを駆動して、センサ抵抗値を測定して、このセンサ抵抗値をLow時センサ抵抗値とする。また、ヒータ抵抗11bの温度がHigh(400℃程度)となるようにヒータ抵抗11bを駆動して、センサ抵抗値を測定して、このセンサ抵抗値をHigh時センサ抵抗値とする。そして、Low時センサ抵抗値とHigh時センサ抵抗値との比(例えば、Low時センサ抵抗値/High時センサ抵抗値)を算出して、この比が、予め設定される所定の閾値を越えた場合には“鈍化”と判定する。
尚、その逆に、上記“比”を「High時センサ抵抗値/Low時センサ抵抗値」として、この比が、予め設定される所定の第二の閾値未満となった場合に“鈍化”と判定するようにしてもよい。但し、ここでは、上記“比”を「Low時センサ抵抗値/High時センサ抵抗値」とするものとして説明する。
図2の例では、上記“比”は、正常品の場合は1程度となり、鈍化品の場合は2以上になると見做せるので、上記所定の閾値を2程度とすることが考えられるが、この例に限らない。
図4は、制御回路部12のセンサ診断処理のフローチャート図である。ここでは、センサ診断処理は、上記“鈍化”を判定する処理である。
センサ診断処理は、所定のセンサ診断開始タイミングとなる毎に(ステップS11,YES)実行される。尚、センサ診断開始タイミングは、例えば一日1回所定時間(例えば0時)等とするが、この例に限らない。
上記ステップS11がYESでセンサ診断が開始されると、まず、現状がセンサ診断を行うのに適正環境にあるか否かを判定する(ステップS12)。例えば図2に示す特性は、周囲にメタンガスが無い環境における特性であるので、周囲にメタンガスが無い環境を適正環境としてもよいが、この例に限らない。例えば更に室温が0℃〜40℃の範囲内であれば適正環境としてもよい。尚、メタンガスを検知しても、その濃度が所定の閾値を越えない限りは、警報を発しないで、ガス検知処理を続行する。よって、この様な状況のときにガス検知処理を中断してセンサ診断処理を行うことは、望ましいことではない。
現状が適正環境ではない場合には(ステップS12、NO)、そのまま本処理を終了する。つまり、センサ診断処理を行わない。
一方、適正環境であるならば(ステップS12,YES)、まず、ステップS13〜S19の制御を行って必要なデータを取得して、取得データに基づいてステップS20の“鈍化”判定を行う。尚、ステップS13〜S19におけるセンサ駆動方法は、後述する図5(a)に示す駆動方法に応じたものであるが、この例に限らない。センサ駆動方法は、後述する図5(b)や図5(c)に示す例に応じたものであってもよいし、これら以外の方法であってもよい。
ステップS13〜S19の制御では、まず、ヒータ抵抗11bのHigh(400℃)駆動を開始して(ステップS13)、駆動開始から所定時間(100ms)経過したら(ステップS14,YES)、そのときの電圧V1を取得することでセンサ抵抗11aの抵抗値を得る(ステップS15)。尚、これらステップS13,S14,S15の処理は、既存のガス漏れ検知処理の際のセンサ抵抗値取得処理と同じであると見做してよい。但し、この例に限らない。
続いて、ヒータ抵抗11bのLow(250℃)駆動を開始して(ステップS16)、駆動開始から所定時間(例えば10秒)経過したら(ステップS17,YES)、そのときの電圧V1を取得することでセンサ抵抗11aの抵抗値を得る(ステップS18)。そして、ヒータ抵抗11bの駆動を停止する(ステップS19)。尚、ステップS13〜S19の間、常に、スイッチSW2をON状態とする。但し、この例に限らない。
ステップS15で得たセンサ抵抗値をHighセンサ抵抗値、ステップS18で得たセンサ抵抗値をLowセンサ抵抗値と記すものとし、これらの比(Low/High抵抗比:「LOWセンサ抵抗値/Highセンサ抵抗値」)を求めて、このLow/High抵抗比が所定の閾値を越えているか否かを判定する。すなわち、“「LOWセンサ抵抗値/Highセンサ抵抗値」>閾値”であるか否かを判定する(ステップS20)。尚、この閾値は例えば‘4’等とするが、この例に限らない。
“Low/High抵抗比(LOWセンサ抵抗値/Highセンサ抵抗値)≦閾値”である場合には(ステップS20,NO)、センサ11は鈍化していないことになるので(正常品であると見做すので)、そのまま本処理を終了し、既存の定周期のガス漏れ検知処理に戻る。
一方、“「LOWセンサ抵抗値/Highセンサ抵抗値」>閾値”である場合には(ステップS20,YES)、センサ11は鈍化していると見做して(鈍化品であると見做して)(ステップS21)、その旨を警報部13によりランプ表示や音声等によって報知する(ステップS22)。
これによって、ガス警報器10の修理や交換が行われることで、警報レベルのガス漏れがあってもこれを検知できないという事態が生じることを回避できる。
ここで、図4に示す処理は、制御回路部12のセンサ診断処理の一例であるが、この例に限らない。ここでは、図4に示す処理を、制御回路部12のセンサ診断処理の第1の具体例と言うものとする。そして、以下に、制御回路部12のセンサ診断処理の第2の具体例、第3の具体例について説明する。但し、第2の具体例、第3の具体例については、特にフローチャート図は示さずに、図4を利用して説明するものとする。すなわち、図4において、第1の具体例とは異なる点について、説明するものとする。
まず、第2の具体例について説明する。
第2の具体例による制御回路部12のセンサ診断処理は、基本的に、図4の処理と殆ど同じであり、唯一異なる点は、ステップS20の処理である。すなわち、ステップS20の処理の代わりに、以下に説明する処理を実行する。
まず、ステップS20と同様に、上記Low/High抵抗比(LOWセンサ抵抗値/Highセンサ抵抗値)を求める。そして、このようにその都度実測により求める現在のLow/High抵抗比と、予め記憶されていた基準比とに基づいて、鈍化であるか否かを判定する。
ここで、上記基準比について説明する。第2の具体例では、予め上記Low/High抵抗比(LOWセンサ抵抗値/Highセンサ抵抗値)を求めて、これを上記基準比として記憶しておく。“予め”とは、例えば、ガス警報器10の出荷時や設置時等であるが、本説明では主に出荷時を例にして説明するものとする。
鈍化とは、基本的に、経年劣化の一種と見做せる。つまり、上記基準比とは、各ガス警報器10毎に正常な状態であると見做せる場合に実測により求めた上記Low/High抵抗比であると見做してよい。
その為に、ガス警報器10は、例えば所定の操作に応じて例えば基準設定モードになるように構成しておき、この基準設定モードにおいて上記基準比を自動的に求めて記憶しておくようにしてもよい。上記の通り、特にガス警報器10の出荷時等に、作業員等が上記所定の操作を行って、基準設定モードにする。これによって、制御回路部12は、基準設定モードの処理を実行する。この基準設定モードの処理については、特に図示しないで、図4を利用して説明するものとする。
基準設定モードでは、まず、図4に示すステップS13〜S19の処理を実行する。これによって、上記出荷時等における上記LOWセンサ抵抗値とHighセンサ抵抗値を実測する。その後、ステップS20、S21,S22の代わりに、これら実測値を用いて現在のLow/High抵抗比(LOWセンサ抵抗値/Highセンサ抵抗値)を求めて、これを上記基準比としてメモリ等に記憶する処理を実行する。
そして、ガス警報器10の制御回路部12は、上記のようにセンサ診断処理において当該予め記憶されていた基準比を用いて、鈍化判定を行う。
この鈍化判定方法は、例えば変化率を用いるものとする。すなわち、基準比に対する上記現在のLow/High抵抗比の変化率を用いる。この変化率は、仮に、基準比をα、現在のLow/High抵抗比をβとした場合、例えば
変化率γ=β/α
によって求める。
そして、上記算出した変化率γと、予め例えば作業員等によって任意に設定されて記憶されている第3閾値とを用いて、鈍化であるか否かを判定する。ここで、図2に示す特性により、鈍化品は正常品に比べてLOWセンサ抵抗値が大きい。本例では上記の通り出荷時等には正常品であったものと見做せるので、その後に任意のときに鈍化品となっている場合、上記基準比αと、現在のLow/High抵抗比βとの関係は、少なくともβ>αとなっており、よって上記変化率γ(=β/α)は、少なくとも1より大きいはずである。これより、上記第3閾値は、少なくとも1より大きい任意の値を設定することになる。そして、上記変化率γ(=β/α)が、この第3閾値を越えた場合には(γ>第3閾値)、鈍化と判定する。
尚、ここでは、上記第1の具体例における上記ステップS20の判定処理に用いる閾値は、第2閾値と呼ぶものとする。
上述したように、第2の具体例では、センサ抵抗値のLow/High抵抗比を用いて、出荷時の値に対する現在値の変化率に基づいて、鈍化を判定する。
次に、以下、第3の具体例について説明する。
上述した第1の具体例、第2の具体例では、LOWセンサ抵抗値とHighセンサ抵抗値を用いたが、第3の具体例ではHighセンサ抵抗値は用いない。
これより、図4を用いて説明するならば、第3の具体例では、ステップS13、S14、S15の処理は実行しない。第3の具体例では、ステップS16〜S19の処理を実行して現在のLOWセンサ抵抗値を実測により取得した後、ステップS20の判定処理の代わりに、以下の判定処理を実行する。
すなわち、第3の具体例による制御回路部12のセンサ診断処理では、その都度実測により求める現在のLOWセンサ抵抗値と、予め記憶されていた基準値とに基づいて、鈍化であるか否かを判定する。
ここで、上記基準値について説明する。第3の具体例では、各ガス警報器10毎に予め上記LOWセンサ抵抗値を実測して、これを上記基準値として記憶しておく。“予め”とは、例えば、ガス警報器10の出荷時や設置時等であるが、ここでは主に出荷時を例にして説明するものとする。
上述した基準比の場合と同様に、上記基準値とは、正常な状態であると見做せる場合に実測により求めた上記LOWセンサ抵抗値であると見做してよい。
その為に、ガス警報器10は、例えば所定の操作に応じて例えば基準設定モードになるように構成しておき、この基準設定モードにおいて上記基準値を自動的に求めて記憶しておくようにしてもよい。上記の通り、特にガス警報器10の出荷時等に、作業員等が上記所定の操作を行って、基準設定モードにする。これによって、制御回路部12は、基準設定モードの処理を実行する。この基準設定モードの処理については、特に図示しないで、図4を利用して説明するものとする。
基準設定モードでは、まず、図4に示すステップS16〜S19の処理を実行する。これによって、上記出荷時等における上記LOWセンサ抵抗値を実測する。そして、当該実測したLOWセンサ抵抗値を、上記基準値としてメモリ等に記憶する処理を実行する。
そして、ガス警報器10の制御回路部12は、上記のようにセンサ診断処理において当該予め記憶されていた基準値を用いて、鈍化判定を行う。
この鈍化判定方法は、例えば変化率を用いるものとする。すなわち、基準値に対する上記現在のLOWセンサ抵抗値の変化率を用いる。この変化率は、仮に、基準値をa、現在のLOWセンサ抵抗値をbとした場合、例えば
変化率c=b/a
によって求める。
そして、上記算出した変化率cと、予め例えば作業員等によって任意に設定されて記憶されている第1閾値とを用いて、鈍化であるか否かを判定する。ここで、図2に示す特性により、鈍化品は正常品に比べてLOWセンサ抵抗値が大きい。本例では上記の通り出荷時等には正常品であったものと見做せるので、その後に任意のときに鈍化品となっている場合、上記基準値aと、現在のLOWセンサ抵抗値bとの関係は、少なくともb>aとなっており、よって上記変化率c(=b/a)は、少なくとも1より大きいはずである。これより、上記第1閾値は、少なくとも1より大きい任意の値を設定することになる。そして、上記変化率c(=b/a)が、この第1閾値を越えた場合には、鈍化と判定する。
上述したように、第3の具体例では、LOWセンサ抵抗値を用いて、出荷時の値に対する現在値の変化率に基づいて、鈍化を判定する。
図5(a)〜(c)に、ヒータ抵抗11bの駆動方法の具体例を示す。
図5(a)に関しては、既に述べたように図4の処理例に示すヒータ駆動方法である。すなわち、まず、High(400℃)ヒータ駆動を100ms行って、このヒータ駆動の最後のタイミングでセンサ抵抗値の取得を行う。続いて、Low(250℃など)ヒータ駆動を40秒間行って、このヒータ駆動の最後のタイミングでセンサ抵抗値の取得を行う。尚、図5(a)に示すようなヒータ駆動方法を、High−Lowヒータ駆動方法と呼ぶものとする。また、尚、Highヒータ駆動は高温ヒータ駆動または通常ヒータ駆動と言い、Lowヒータ駆動を低温ヒータ駆動等と言っても構わない。
尚、スイッチSW2をON制御するのは、センサ抵抗値の取得時のみとしてもよいし、ヒータ駆動を行っている間としてもよい。
図5(b)に示す例では、Highヒータ駆動を100ms行って、このヒータ駆動の最後のタイミングでセンサ抵抗値の取得を行う。その後、一旦、ヒータ駆動を止めて、所定時間経過したら、今度は、Lowヒータ駆動を所定時間行って、このヒータ駆動の最後のタイミングでセンサ抵抗値の取得を行う。尚、図5(b)に示すようなヒータ駆動方法を、High−OFF−Lowヒータ駆動方法と呼ぶものとする。
図5(c)に示す例では、まず、Lowヒータ駆動を所定時間行って、このヒータ駆動の最後のタイミングでセンサ抵抗値の取得を行う。続いて、Highヒータ駆動を100ms行って、このヒータ駆動の最後のタイミングでセンサ抵抗値の取得を行う。
図6〜図11には、実験結果データの一例を示す。
図6〜図9には、上記「LOWセンサ抵抗値/Highセンサ抵抗値」である図示の“Low/High抵抗比”と警報濃度(ppm)との関係を示す。警報濃度とは、実験対象のガス警報器が警報を発するメタンガス濃度である。実際には、所定のメタンガス濃度でのセンサ抵抗値を計測し、図16の関係から計算で算出している。上述したように、鈍化品は正常品よりも警報濃度が高くなる。例えば正常品であればメタンガス濃度が4000(ppm)で警報を発するのに対して、鈍化品の場合、極端な例では計算上10万(ppm)以上の場合もあった。実験対象の多数のガス警報器は、鈍化品もあれば正常品もある。
また、“Low/High抵抗比”は、周囲にメタンガスが無い正常な環境において、上記LOWセンサ抵抗値と、上記Highセンサ抵抗値を、各ガス警報器毎に計測して、この計測結果に基づいて算出したものである。
実験対象の各ガス警報器毎に、まず正常な空気中において上記“Low/High抵抗比”を求める。これは、実験対象の各ガス警報器のヒータ抵抗11bの駆動温度を適宜変えながら行った。今回は、ヒータ抵抗11bの駆動温度を、20℃、50℃、100℃、150℃、200℃、250℃、300℃として、これら各温度毎に、上記“Low/High抵抗比”を測定した。
更に、センサ駆動方法を、上記High−Lowヒータ駆動方法とHigh−OFF−Lowヒータ駆動方法の二種類とし、これら各駆動方法毎に、上記のようにヒータ抵抗11bの駆動温度を適宜変えながら、上記“Low/High抵抗比”を測定した。
続いて、実験対象の各ガス警報器毎に、メタンガスがある環境において所定のメタンガス濃度でのセンサ抵抗値を計測し、図16の関係から警報を発するメタンガス濃度を算出し、上記警報濃度とした。勿論、この際には、既存のガス漏れ検知動作を行わせることになる。よって、ヒータ抵抗11bの駆動温度は400℃等とする。
上記測定結果を用いて、図6〜図9に示すグラフを作成できる。
図6、図7は、センサ駆動方法が上記High−Lowヒータ駆動の場合の実験結果を示す。図6にはヒータ抵抗11bのLow駆動温度が20℃、50℃、100℃のそれぞれの実験結果を示す。図7は、ヒータ抵抗11bのLow駆動温度が150℃、200℃、250℃、300℃のそれぞれの実験結果を示す。
また、図8、図9には、センサ駆動方法が上記High−OFF−Lowヒータ駆動の場合の実験結果を示す。図8にはヒータ抵抗11bのLow駆動温度が20℃、50℃、100℃のそれぞれの実験結果を示す。図9は、ヒータ抵抗11bのLow駆動温度が150℃、200℃、250℃、300℃のそれぞれの実験結果を示す。
図6、図8に示すように、センサ駆動方法がHigh−Lowヒータ駆動とHigh−OFF−Lowヒータ駆動のどちらであっても、ヒータ抵抗11bのLow駆動温度が20℃、50℃、100℃の場合には何れにおいても、“Low/High抵抗比”と警報濃度とに相関関係は見られない。
一方、ヒータ抵抗11bのLow駆動温度が200℃や250℃の場合には、センサ駆動方法がどちらであっても、“Low/High抵抗比”と警報濃度とに明確な相関関係が見られる。すなわち、“Low/High抵抗比”が大きくなるほど警報濃度も大きくなるという相関関係が見られる。また、ヒータ抵抗11bの駆動温度が150℃や300℃の場合にも、この様な相関関係が見られる。
例えば、この様な実験結果により、上述したように、ヒータ抵抗11bのLow駆動温度は、例えば150℃以上で300℃以下の温度範囲内の任意の温度とするものである。上記の通り、この温度範囲内であれば、“Low/High抵抗比”と警報濃度とに相関関係が見られるので、“Low/High抵抗比”によって警報濃度を推定でき、それによって「鈍化」異常の有無の判定を行えるものと考えられるからである。
上記の通り、警報濃度は、鈍化品は正常品よりもかなり高くなる。例えば、正常品の警報濃度が4000(ppm)であり、且つ、鈍化品の警報濃度は10000(ppm)以上となるとした場合、例えば警報濃度=9000(ppm)に対応する“Low/High抵抗比”を、上記実験結果から求めて、これを上記ステップS20の判定処理に用いる閾値とすること等も考えられる。例えば仮に実際の製品を、High−Lowヒータ駆動で且つLow駆動温度を250℃とするとした場合、上記High−Lowヒータ駆動で且つLow駆動温度=250℃の場合の実験結果データを用いて、例えば警報濃度=9000(ppm)に対応する“Low/High抵抗比”を求めて、これを上記閾値とすることになる。
尚、上述し説明では、150℃以上で300℃以下の温度範囲のなかで代表として250℃程度を例にして説明したが、勿論、この例に限るものではない。
次に、以下、図10、図11に示す実験結果について説明する。
図10、図11は、ヒータ抵抗11bの駆動時間(パルス印加時間)とセンサ抵抗(Ω)との関係を示す図である。図10はHigh−OFF−Lowヒータ駆動の場合、図11はHigh−Lowヒータ駆動の場合を示す。以下、まず、図10について説明する。
図10(a)、(b)は感度低下品(鈍化品)、図10(c)、(d)は正常品の特性を示す。また、図10(b)は全体の波形、図10(a)は図10(b)の一部の拡大図である。つまり、図10(a)は図10(b)におけるHighヒータ駆動時とその直後のoff時の一部の時間帯の波形を示している。同様に、図10(d)は全体の波形、図10(c)は図10(d)の一部の拡大図である。つまり、図10(c)は図10(d)におけるHighヒータ駆動時とその直後のoff時の一部の時間帯の波形を示している。これは、図11についても同様であり、図11(b)、(d)は全体波形、図11(a)、(c)はその一部の拡大図である。
また、図10(b)、(d)において、開始から最初の200(ms)の間にhighヒータ駆動が行われ、その直後から30000(ms)までの間、つまり開始から30秒経過時点までの間はヒータ駆動せずにOFF状態としている。そして、開始から30秒経過時点から40秒経過時点までの間(10秒間)、Lowヒータ駆動を行っている。Lowヒータ駆動時におけるヒータ抵抗11bの温度は、上述した7種類、すなわち20℃、50℃、100℃、150℃、200℃、250℃、300℃としている。つまり、正常品、鈍化品それぞれについて、ヒータ温度を変えながら7回測定を行っている。
ここで、図10(a)、(c)に示すように、本例ではHighヒータ駆動時のパルス印加時間は200(ms)としている。この点は、図10だけでなく図11も同じである。
図10(a)、(c)に示すように、Highヒータ駆動時の波形は安定しており、特に駆動時間が100(ms)〜200(ms)の領域ではどのタイミングでサンプリングしても問題ないことが分かる。
また、図10(b)、(d)に示すように、Lowヒータ駆動時の波形は、駆動開始からある程度の時間経過しないと、安定的にならない。また、鈍化品の場合、図10(b)に示すように、温度が250℃や300℃の場合の波形が安定的であり、また温度が200℃の場合も波形は比較的安定的である。
図11(b)、(d)の場合は、開始から最初の200(ms)の間にhighヒータ駆動が行われ、その直後から最後まで(つまり、40秒間)、Lowヒータ駆動を行っている。図11(a)、(c)に示すように、highヒータ駆動に関しては図10の場合と略同様である。一方、Lowヒータ駆動に関しては、図11(b)、(d)に示すように、特に温度が250℃や300℃の場合の波形が安定的であり。温度が200℃の場合も比較的安定的である。また、特に図11(d)に示すように、開始から10秒(10000ms)経過時点では、特に温度が250℃や300℃の場合の波形が、下降がほぼ終了して安定状態に移行している。
上述した実験結果から、Lowヒータ駆動時のヒータ抵抗11bの温度(ヒータ温度)は、例えば200〜300℃の温度範囲内の任意の温度とすることが望ましいと考えられるが、上記の通り、150℃等まで範囲拡大しても構わない。勿論、これは一例であり、また実験対象のガス警報器10次第では別の結果が得られるかもしれない。よって、本手法の適用対象のガス警報器10について同様の実験を行って、実験結果に基づいて適宜、適切と思われるヒータ温度を決定すればよい。
また、Highヒータ駆動時のヒータ温度は、本例では既存のガス漏れ検知の際のヒータ駆動温度である400℃としたが、この例に限らず、センサ抵抗値に関して正常品と鈍化品とで殆ど差が見られない温度であれば何でも良い。
また、Low駆動時のヒータ温度も、本例では150℃〜300℃の温度範囲内の任意の温度としたが、この例に限らず、センサ抵抗11aが正常な場合と鈍化状態の場合とでセンサ抵抗値が明らかに異なるようになる温度であれば、何でも良い。
また、上述した実験結果から、highヒータ駆動に関しては既存の駆動時間(100msや200ms程度)であって構わないが、Lowヒータ駆動に関しては波形が安定するまである程度の時間が掛かるので、比較的長時間(例えば10秒程度)駆動することが望ましいことが分かる。
尚、上記の処理例では、取得した電圧V1をセンサ抵抗値に換算することを前提とするが、この例に限るものではなく、例えば電圧V1をそのまま用いてもよい。但し、この場合でも、結局、電圧V1はセンサ抵抗値に相当するのであるから、実質的に、センサ抵抗値を用いるものと見做してよい。
ここで、図12には、上述した第1の具体例、第2の具体例、第3の具体例についての、上記警報濃度との相関グラフを示す。
図上左側に示す第1の具体例に係わる相関グラフは、上記図6〜図9に示す相関グラフと同様、“Low/High抵抗比”と警報濃度との相関関係を示すものである。
これに対して、図上中央に示す第2の具体例に係わる相関グラフは、上記“基準比に対する現在のLow/High抵抗比の変化率γ”(Low/High抵抗比変化率)と、警報濃度との相関関係を示すものである。
また、図上右側に示す第3の具体例に係わる相関グラフは、上記“基準値に対する現在のLOWセンサ抵抗値の変化率c”(Low抵抗値変化率)と、警報濃度との相関関係を示すものである。
尚、これら3種類の相関関係データは、同一の条件下(Highヒータ駆動温度;430℃、Lowヒータ駆動温度;250℃)で、測定されたものである。
これら3種類の相関グラフを参照すれば明らかなように、第3の具体例は、第1、第2の具体例と比較して、相関関係が強く、バラツキが小さいことが分かる。尚、何れも正の相関関係である。これは数値によっても裏付けられている。すなわち、図上下側に示すように、図上左側に示す第1の具体例に係わる相関グラフに関しては、相関係数=‘0.8800’、標準誤差=‘1014.3’である。図上中央に示す第2の具体例に係わる相関グラフに関しては、相関係数=‘0.8841’、標準誤差=‘997.9’である。図上右側に示す第3の具体例に係わる相関グラフに関しては、相関係数=‘0.9693’、標準誤差=‘525.0’である。
この様に、第3の具体例に係わる“基準値に対する現在のLOWセンサ抵抗値の変化率c”が、警報濃度との相関が最も強く、バラツキが小さいものであることが分かる。また、第1の具体例と第2の具体例とを比較すると、両者はほぼ同じであるが、第2の具体例の方がやや相関が強いものと言える。
上記のことから、第3の具体例の手法を用いる場合、すなわち“基準値に対する現在のLOWセンサ抵抗値の変化率c”を用いて、鈍化判定を行う場合に、最も判定精度が高くなると考えられる。
また、上記制御回路部12のセンサ診断処理について、第1の具体例、第2の具体例、第3の具体例の何れにおいても、温湿度の影響を考慮した補正を行うようにしてもよい。例えば第1の具体例に関しては、上記図4の処理において、温湿度の影響を考慮した補正を行うようにしてもよい。これに関して、図13、図14を参照して説明する。
まず、図13には、上記第1〜第3の具体例に係わる上記比/変化率と、周囲温度(気温)との関係を示す。すなわち、図上左側には、“Low/High抵抗比”と周囲温度(気温)との関係を示す。図示の例では、ガス警報器10の周囲温度(気温)が−10℃、20℃、50℃である場合について、これら各気温における“Low/High抵抗比”の実測データを示している。但し、これは、後述するように、“Low/High抵抗比”と温湿度との関係を示すものと見做すこともできる。つまり、温度だけでなく湿度の影響も含めて、“Low/High抵抗比”との関係を示すものと言ってもよい。
同様に、図上中央には、“基準比に対する現在のLow/High抵抗比の変化率γ”と、周囲温度(気温)との関係を示す。図上右側には、“基準値に対する現在のLOWセンサ抵抗値の変化率c”と、周囲温度(気温)との関係を示す。これらも、温湿度との関係を示すものと見做しても構わない。
ここで、上記3つのグラフの何れにおいても、横軸は周囲温度(気温)となっているが、上記のようにこれには湿度による影響も含まれていると見做してよい。すなわち、各グラフの縦軸のデータ(例えばLow/High抵抗比)は、上記各周囲温度毎に、それぞれ相互に異なる湿度で測定している。すなわち、気温20℃の場合に絶対湿度10.8(g/m)としており、気温50℃の場合に絶対湿度50.52(g/m)とし、気温−8.51℃(≒−10℃)の場合に絶対湿度1.297(g/m)としている。
すなわち、上記各気温−10℃、20℃、50℃は、各季節を想定しており、各季節に関して想定した湿度を上記絶対湿度としている。つまり、例えば、−10℃は冬を想定し、50℃は夏を想定している。日本の特に太平洋側地域では、冬は低湿度、夏は高温多湿である。これより、上記のように、気温−10℃に対しては絶対湿度1.297(g/m)(低湿度)、気温50℃に対しては絶対湿度50.52(g/m)(高湿度)を想定している。尚、気温20℃は、春や秋を想定している。
尚、実際のガス警報器は、0〜40℃で判定を行っているが、上記のように−10〜50℃の範囲としているのは、余裕(マージン)をみているからである。
このように、図13に示す各グラフは、横軸は気温のみであるが、実質的に湿度の影響も含まれている。よって、上記のように、例えば図上左側に示すグラフは、“Low/High抵抗比”と温湿度との関係を示すものと言うこともできる。そして、このような関係に基づいて、上記のように、上記制御回路部12のセンサ診断処理において、温湿度の影響を考慮した補正を行うようにしてもよい。但し、本例では、この補正は、上記図13の関係グラフではなく、図14に示す関係グラフに基づいて行う。
すなわち、図14に示すように、センサ抵抗値は温湿度によって変動するものであり、それによって図13に示すように“Low/High抵抗比”等も温湿度によって変動するものとなる。
図14において、図上左側には上記Highセンサ抵抗値と周囲温度(気温)との関係を示し、図上右側には上記Lowセンサ抵抗値と周囲温度(気温)との関係を示す。
ここで、両グラフとも、横軸は周囲温度(気温)となっており、これは上記図13と同じである。すなわち、周囲温度(気温)が−10℃、20℃、50℃の環境化で且つ各気温毎に上記のように絶対湿度が異なる環境下で、上記センサ抵抗値の測定を行っている。これより、図上左側のグラフは上記Highセンサ抵抗値と温湿度との関係を示し、図上右側のグラフは上記Lowセンサ抵抗値と温湿度との関係を示すものと言うこともできる。
そして、ガス警報器10は、運用中に上記鈍化判定を行う際に、図14に示す関係に基づいて作成された補正係数を用いて、上記Lowセンサ抵抗値やHighセンサ抵抗値の補正を行う。この補正係数は、例えば開発者等が任意に作成して、ガス警報器10内に記憶させる。この補正係数は、上記各グラフ毎に応じて作成する。つまり、Highセンサ抵抗値に対応する補正係数と、Lowセンサ抵抗値に対応する補正係数とを、それぞれ、開発者等が任意に作成する。更に、図示のように、各グラフにおいて、周囲温度範囲に応じて特性が異なる。すなわち、両グラフとも、周囲温度がー10℃〜20℃の温度範囲と、20℃〜50℃の温度範囲とでは、特性が異なる。
これより、この例では、図示のように、Highセンサ抵抗値に対応して各温度範囲に応じた2種類の補正係数が作成される。同様に、Lowセンサ抵抗値に対応して各温度範囲に応じた2種類の補正係数が作成される。
図示の具体例では、Highセンサ抵抗値に関して周囲温度範囲‘ー10℃〜20℃’に対応する補正係数式は、“1/a”{a=−0.1206P+3.4125(P;計測した周囲温度)}となっている。この補正係数式に、計測した周囲温度Pの値を代入することで、補正係数が求められる。
同様に、図示のように、Highセンサ抵抗値に関して周囲温度範囲‘20℃〜50℃’に対応する補正係数式は、{“1/b”(b=−0.0099P+1.1988(P;計測した周囲温度))となっている。この補正係数式に、計測した周囲温度Pの値を代入することで、補正係数が求められる。
図示のように、Lowセンサ抵抗値に関して周囲温度範囲‘ー10℃〜20℃’に対応する補正係数は、“1/c”{c=−0.7206P+15.412(P;計測した周囲温度)}となっている。この補正係数式に、計測した周囲温度Pの値を代入することで、補正係数が求められる。
同様に、図示のように、Lowセンサ抵抗値に関して周囲温度範囲‘20℃〜50℃’に対応する補正係数は、{“1/d”(d=−0.0034P+0.9324(P;計測した周囲温度))となっている。この補正係数式に、計測した周囲温度Pの値を代入することで、補正係数が求められる。
尚、上記補正係数式“1/a”、“1/b”、“1/c”、“1/d”は、何れも、気温20℃のときのセンサ抵抗値を基準としており、従ってP=20℃である場合には補正係数≒1が算出されることになる。
そして、本例では、上記4種類の補正係数式“1/a”、“1/b”、“1/c”、“1/d”を、予めガス警報器10の制御回路部12内の不図示のメモリ等に記憶しておく。そして、ガス警報器10を設置後に運用中に、上記センサ診断処理の際に、そのときの周囲温度に応じた補正係数式を用いて、センサ抵抗値の補正を行う。これについて、以下、説明する。
ここで、まず、例えば図1に示すように、ガス警報器10には、周囲温度検出部14が設けられているが、湿度計は設けられていない。
そして、例えば、上記第1の具体例の場合、上記図4の処理において、少なくともステップS20の処理を行う前に、補正を行う。その為に、少なくともステップS20の処理を行う前に、まず、周囲温度検出部14が検出した現在の周囲温度(気温)を取得する処理を行う。そして、ステップS15で取得したHighセンサ抵抗値と、ステップS18で取得したLowセンサ抵抗値を、それぞれ、上記現在の周囲温度に応じた補正係数式を用いて、補正する。
すなわち、まず、上記各周囲温度範囲のなかで、上記現在の周囲温度が該当する周囲温度範囲を判別する。そして、この該当周囲温度範囲に対応するLowセンサ抵抗値、Highセンサ抵抗値それぞれの補正係数式を判別して、これら各補正係数式に上記現在の周囲温度を代入することで、Low、Highそれぞれに応じた補正係数を求める。これらを、Low補正係数、High補正係数と呼ぶものとする。
そして、これらLow補正係数、High補正係数を用いて、ステップS15で取得したHighセンサ抵抗値と、ステップS18で取得したLowセンサ抵抗値を、それぞれ補正する。これは、本例では、各センサ抵抗値に補正係数を乗じることで補正値を算出するが、この例に限らない。本例の場合、下記の各補正式によって、各センサ抵抗値を補正値を算出する。
Highセンサ抵抗値(補正値)=Highセンサ抵抗値(実測値)×High補正係数
Lowセンサ抵抗値(補正値)=Lowセンサ抵抗値(実測値)×Low補正係数
そして、例えば、ステップS20の判定処理は、これら補正値を用いて行う。
つまり、この例ではステップS20の処理は、“「LOWセンサ抵抗値(補正値)/Highセンサ抵抗値(補正値)」>閾値”であるか否かを判定する処理となる。但し、これは一例であり、この例に限らない。
具体例として、例えば上記現在の周囲温度が仮に30℃であったとした場合、これは周囲温度範囲‘20℃〜50℃’の範囲内であるので、Highセンサ抵抗値に関しては上記補正係数式“1/b”を選択し、Lowセンサ抵抗値に関しては上記補正係数式“1/d”を選択することになる。そして、仮に、ステップS15で取得したHighセンサ抵抗値をR1、ステップS18で取得したLowセンサ抵抗値をR2とした場合、それぞれ、以下の式により補正値を算出することになる。
Highセンサ抵抗値(補正値)=R1×(1/b)(但し、bは、P=30により算出する)
Lowセンサ抵抗値(補正値)=R2×(1/d)(但し、dは、P=30により算出する)
これより、この例では、ステップS20の判定処理は、実質的に“「{R2×(1/d)}/{R1×(1/b)}」>閾値”であるか否かを判定する処理となる。
上記のことは、本例の補正処理を上記第1の具体例に適用した場合について説明したものであるが、本例の補正処理を上記第2の具体例に適用した場合も、ほぼ同様となる。違いとしては、第2の具体例の場合、上記のように、ステップS20の処理の代わりに、上述した「変化率γ(=β/α)>閾値」であるか否かを判定する処理を行うので、これに応じた処理を行うことになる。すなわち、第2の具体例の場合、少なくとも上記「変化率γ(=β/α)>閾値」の判定処理を実行する前に、上記第1の具体例と同様に上述したHighセンサ抵抗値(補正値)、Lowセンサ抵抗値(補正値)を算出する。これより、
β=LOWセンサ抵抗値(補正値)/Highセンサ抵抗値(補正値)
によって上記現在のLow/High抵抗比βを算出する。つまり、本例ではβ算出の際に補正値を用いるようにする。尚、α算出の際にも同様にして補正値を用いるようにしてもよい。そして、これらα、βを用いた上記変化率γ(=β/α)を算出する。
第2の具体例の場合には、例えばこの様に補正を行ったうえで変化率γを算出し、この変化率γを用いて鈍化判定を行うことになる。
また、本例の補正処理を上記第3の具体例に適用した場合には、上記の通り、Highセンサ抵抗値は用いないので、Lowセンサ抵抗値の補正のみを行う。すなわち、Lowセンサ抵抗値に関する補正係数式を決定して気温に応じた補正係数を算出し、この補正係数を上記ステップS18で取得したLowセンサ抵抗値に乗じることで、当該Lowセンサ抵抗値を補正する。
そして、このLowセンサ抵抗値(補正値)を、上述した“現在のLOWセンサ抵抗値b”として、上記変化率c=b/aを求める。尚、上記基準値aを算出する際にも、例えば出荷時に測定したLowセンサ抵抗値を、出荷時の周囲温度に応じた補正係数によって補正した補正値を、用いるようにしてもよい。
図15は、機能ブロック図である。
図示のガス警報器は、センサ素子31aと該センサ素子31aを加熱する為のヒータ31bとを有するガスセンサ31と、ヒータ31bを加熱制御してセンサ素子31aの抵抗値を測定する制御部32とを有する。
尚、センサ素子31aが上記センサ抵抗11aに相当し、ヒータ31bが上記ヒータ抵抗11bに相当し、制御部32は制御回路部12に相当すると見做してもよいが、この例に限らない。また、図1に示すガスセンサ11を駆動する為のスイッチSW1、SW2などから成るセンサ回路は、図15では省略して示しているか、あるいはガスセンサ31または制御部32に含まれているものとする。
制御部32は、高温時抵抗値取得部41、低温時抵抗値取得部42、鈍化判定部43、基準値記憶部44、基準比記憶部45、気温計測部46、ガス漏れ判定部47等の各種処理機能部を有する。尚、制御部32はCPU、メモリ等を有しており、メモリには予め所定のプログラムが記憶されている。CPUがこのプログラムを実行することにより、上記各種処理機能部が実現される。
制御部32は、任意のときに、上記各機能部41,42,43,44,45,46,47のうちの何れか1つ以上の機能によって、“鈍化”の判定を行う。制御部32は、必ずしも上記各機能部41,42,43,44,45,46,47の全てを有するものではない。但し、制御部32は、少なくとも低温時抵抗値取得部42と鈍化判定部43とガス漏れ判定部47は有する。
低温時抵抗値取得部42は、ヒータ31bで第2の所定温度に加熱したときのセンサ素子31aの抵抗値を、低温時抵抗値として取得する。
ここで、上記第2の所定温度は、例えば、該第2の所定温度に加熱したときのセンサ素子31aの抵抗値が、該センサ素子31aが正常な場合と上記感度低下状態となっている場合とで明らかに異なるようになる温度とする。例えば、上記第2の所定温度は、150℃〜300℃の温度範囲内の任意の温度とする。
鈍化判定部43は、少なくとも低温時抵抗値を用いて、「センサ素子31aの感度低下状態である“鈍化”」であるか否かを判定する。
上記鈍化判定部43による鈍化判定方法は、様々な手法があってよく、例えば以下に説明する各種手法を提案する。
第1の手法では、上記高温時抵抗値取得部41や基準比記憶部45等は、必要なく、低温時抵抗値取得部42や基準値記憶部44等を用いる。基準値記憶部44は、予め計測された上記低温時抵抗値を、基準値として記憶する。例えば、ガス警報器の出荷時等に、低温時抵抗値取得部42によって計測した上記低温時抵抗値を、基準値としてメモリ等に記憶しておく。そして、上記鈍化判定部43は、この基準値と、上記低温時抵抗値取得部42で取得した、現在の低温時抵抗値とに基づいて、鈍化の判定を行う。これは、例えば、基準値に対する上記低温時抵抗値の変化率によって、鈍化の判定を行う。この変化率は、例えば、“低温時抵抗値/基準値”であるが、この例に限らない。この例の場合、例えば、この変化率が、所定の第1閾値を越えた場合に、鈍化であると判定する。
また、上記第1の手法において、上記気温計測部46による計測結果を用いた補正を行うようにしてもよい。すなわち、上記気温計測部46は、周囲温度(気温)を計測するものである。そして、上記鈍化判定部43は、上記低温時抵抗値取得部42で計測した現在の低温時抵抗値に対して、上記気温計測部46で計測した気温に応じた補正係数を用いた補正を行って低温時抵抗値(補正値)を求めたうえで、この低温時抵抗値(補正値)と上記基準値を用いた鈍化判定を行うようにしてもよい。この例の場合、上記変化率を例えば“低温時抵抗値(補正値)/基準値”として、この変化率を用いた鈍化判定を行う。
尚、この例の場合、上記出荷時等に、上記計測された低温時抵抗値に対して上記補正を行って上記低温時抵抗値(補正値)を求めて、この低温時抵抗値(補正値)を基準値として記憶するようにしてもよい。
上記第1の手法に限らず、以下の第2の手法や第3の手法等であってもよい。
第2の手法では、上記高温時抵抗値取得部41と低温時抵抗値取得部42等を用いる。
高温時抵抗値取得部41は、ヒータ31bで上記第2の所定温度より高い第1の所定温度に加熱したときのセンサ素子31aの抵抗値を、高温時抵抗値として取得する。
第2の手法では、低温時抵抗値取得部42による上記低温時抵抗値の取得も行う。
そして、第2の手法では、鈍化判定部43は、高温時抵抗値と低温時抵抗値との比に基づいて、鈍化判定を行う。例えば、高温時抵抗値と低温時抵抗値との比(例えば上記「LOWセンサ抵抗値/Highセンサ抵抗値」)が、所定の第2閾値を越えた場合に、センサ素子31aの感度低下状態である鈍化と判定する。
また、第2の手法においても、上記気温計測部46による計測結果を用いた補正を行うようにしてもよい。すなわち、鈍化判定部43は、例えば、上記計測した低温時抵抗値と高温時抵抗値とに対して、それぞれ、該気温計測部46で計測した気温に応じた各補正係数を用いた補正を行う。そして、これら補正値、すなわち、高温時抵抗値(補正値)と低温時抵抗値(補正値)との比に基づいて、鈍化判定を行うようにしてもよい。
第3の手法では、上記高温時抵抗値取得部41と低温時抵抗値取得部42等と、上記基準比記憶部45等を用いる。
第3の手法でも、上記第2の手法と同様に、低温時抵抗値取得部42による上記低温時抵抗値の取得と、高温時抵抗値取得部41による上記高温時抵抗値の取得を行って、これらの比(現在のLow/High抵抗比;例えば上記「LOWセンサ抵抗値/Highセンサ抵抗値」等)を求める処理を行う。
ここで、第3の手法では、予め例えば出荷時等に、上記各取得部41,42によって上記低温時抵抗値と高温時抵抗値とを取得して、これらの比((例えば上記「LOWセンサ抵抗値/Highセンサ抵抗値」)を求めて、これを基準比としてメモリに記憶しておく処理を行っている。
そして、上記鈍化判定部43は、この基準比に対する上記現在のLow/Hig抵抗h比の変化率(例えば、「現在のLow/High抵抗比/基準比」)に基づいて、鈍化判定を行う。
尚、第3の手法においても、上記気温計測部46による計測結果を用いた補正を行うようにしてもよい。これについては、上記第2の手法と略同様にして、上記高温時抵抗値(補正値)と低温時抵抗値(補正値)との比を求めて、この比を上記現在のLow/High抵抗比として、上記鈍化判定の処理を行う。また、上記基準比を求める際にも、この補正を行うようにしてもよい。
尚、上記補正係数を求める為の式については、一例を図14に示して上記のように説明してあるが、この例に限らない。
また、上記ガス漏れ判定部44は、定周期で、ヒータ31bで第3の所定温度に加熱したときのセンサ素子31aの抵抗値に基づいて、ガス漏れの有無を判定する既存機能である。そして、上記第1の所定温度は、例えば上記第3の所定温度と略同一としても構わない。
また、例えば、上記第2の所定温度によるヒータ駆動時間は、上記第1の所定温度によるヒータ駆動時間(例えば100ms)と比較して長時間(例えば10秒)とする。そして、各ヒータ駆動時間の最後のタイミングで上記センサ素子31aの抵抗値を計測する。
また、例えば、上記高温時抵抗値取得部41によって上記高温時抵抗値の取得を行った後、ヒータ駆動を所定時間中止し、その後に上記第2の所定温度によるヒータ駆動を開始するようにしてもよい。つまり、上記High−OFF−Lowヒータ駆動で、鈍化判定に係るヒータ駆動を行ってもよい。
尚、上記図12、図13、図14の実験データは、全て、一旦、ヒータ抵抗11bの温度がHigh(400℃程度)となるようにヒータ抵抗11bを駆動した後に、ヒータ抵抗11bの温度がLow(250℃程度)となるようにヒータ抵抗11bを駆動して、Low時センサ抵抗値を測定している。
10 ガス警報器
11 ガスセンサ
11a センサ抵抗
11b ヒータ抵抗
12 制御回路部
13 警報部
13a 警報音出力部
13b 警報表示部
13c 外部警報出力部
15 電池部
16 昇圧回路部
17 定電圧回路部
R 負荷抵抗
R2 シャント抵抗
SW1 トランジスタスイッチ
SW2 トランジスタスイッチ
21 Si基板
22 支持基板
23 薄膜ヒータ
24 SnO薄膜(酸化スズ薄膜)
25 触媒層
31 ガスセンサ
31a センサ素子
31b ヒータ
32 制御部
41 高温時抵抗値取得部
42 低温時抵抗値取得部
43 鈍化判定部
44 ガス漏れ判定部

Claims (20)

  1. メタンガスの濃度に応じて抵抗値が変化するセンサ素子と該センサ素子を加熱する為のヒータと、メタンガスのみを透過させるように前記センサ素子を覆った触媒層とを有するガスセンサと、
    前記ヒータを加熱制御して前記センサ素子の抵抗値を測定する制御部と
    を有するガス警報器であって、
    前記制御部は、
    定周期で、前記ヒータで第3の所定温度に加熱したときの前記センサ素子の抵抗値に基づいて、ガス漏れの有無を判定するガス漏れ判定手段と、
    任意のときに前記ヒータで、前記第3の所定温度よりも低い第2の所定温度に加熱したときの前記センサ素子の抵抗値を、低温時抵抗値として取得する低温時抵抗値取得手段と、
    少なくとも前記低温時抵抗値を用いて、前記センサ素子の感度低下状態である鈍化であるか否かを判定する鈍化判定手段と、
    を有し、
    前記第2の所定温度は、前記第2の所定温度に加熱したときの前記センサ素子の抵抗値が、前記センサ素子が正常な場合と前記感度低下状態になっている場合とで異なるように設定される、ことを特徴とするガス警報器。
  2. 予め計測された前記低温時抵抗値を、基準値として記憶する基準値記憶手段を更に有し、
    前記鈍化判定手段は、該基準値と、前記低温時抵抗値取得手段で取得した前記低温時抵抗値とに基づいて、前記鈍化の判定を行うことを特徴とする請求項1記載のガス警報器。
  3. 前記鈍化判定手段は、前記基準値に対する前記低温時抵抗値の変化率によって、前記鈍化の判定を行うことを特徴とする請求項2記載のガス警報器。
  4. 前記ヒータで前記第2の所定温度より高い第1の所定温度に加熱したときの前記センサ素子の抵抗値を、高温時抵抗値として取得する高温時抵抗値取得手段を更に有し、
    前記鈍化判定手段は、前記低温時抵抗値と前記高温時抵抗値とに基づいて、前記鈍化の判定を行うことを特徴とする請求項1記載のガス警報器。
  5. 前記鈍化判定手段は、前記低温時抵抗値と前記高温時抵抗値との比に基づいて、前記鈍化の判定を行うことを特徴とする請求項4記載のガス警報器。
  6. 予め計測された前記低温時抵抗値と前記高温時抵抗値との比を基準比として記憶する基準比記憶手段を更に有し
    前記鈍化判定手段は、前記取得された前記低温時抵抗値と前記高温時抵抗値との比を求め、前記基準比に対する該比の変化率によって、前記鈍化の判定を行うことを特徴とする請求項4記載のガス警報器。
  7. 前記基準値記憶手段には、前記ガス警報器の出荷時に計測された前記低温時抵抗値が前記基準値として記憶されていることを特徴とする請求項2または3記載のガス警報器。
  8. 前記基準比記憶手段には、前記ガス警報器の出荷時に計測された前記低温時抵抗値と前記高温時抵抗値との比が、前記基準比として記憶されていることを特徴とする請求項6記載のガス警報器。
  9. 気温を計測する気温計測手段を更に有し、
    前記鈍化判定手段は、前記計測した低温時抵抗値に対して該気温計測手段で計測した気温に応じた補正係数を用いた補正を行ったうえで、前記基準値を用いた鈍化判定を行うことを特徴とする請求項2または3記載のガス警報器。
  10. 気温を計測する気温計測手段を更に有し、
    前記鈍化判定手段は、前記計測した前記低温時抵抗値と前記高温時抵抗値とに対して、それぞれ、該気温計測手段で計測した気温に応じた補正係数を用いた補正を行ったうえで求めた前記比に基づいて前記鈍化判定を行うことを特徴とする請求項5記載のガス警報器。
  11. 気温を計測する気温計測手段を更に有し、
    前記鈍化判定手段は、前記計測した低温時抵抗値と前記高温時抵抗値とに対して、それぞれ、該気温計測手段で計測した気温に応じた補正係数を用いた補正を行ったうえで求めた前記比に基づいて、前記変化率を求めて、該変化率によって前記鈍化の判定を行うことを特徴とする請求項6記載のガス警報器。
  12. 前記補正係数を求めるための式が、予め所定の複数の気温と、各気温に応じて決められた所定の各湿度とによる所定の条件下で測定された前記低温時抵抗値または/及び前記高温時抵抗値に基づいて、決定されて記憶されていることを特徴とする請求項9〜11の何れかに記載のガス警報器。
  13. 前記鈍化判定手段は、前記基準値に対する前記低温時抵抗値の変化率が、所定の第1閾値を越えた場合に、前記鈍化であると判定することを特徴とする請求項3記載のガス警報器。
  14. 前記鈍化判定手段は、前記低温時抵抗値と前記高温時抵抗値との比が、所定の第2閾値を越えた場合に、前記鈍化であると判定することを特徴とする請求項5記載のガス警報器。
  15. 前記鈍化判定手段は、前記基準比に対する前記比の変化率が、所定の第3閾値を越えた場合に、前記鈍化であると判定することを特徴とする請求項6記載のガス警報器。
  16. 前記第2の所定温度は、150℃〜300℃の温度範囲内の任意の温度であることを特徴とする請求項1〜15の何れかに記載のガス警報器。
  17. 記第1の所定温度は、前記第3の所定温度と略同一とすることを特徴とする請求項4、5、6、8の何れかに記載のガス警報器。
  18. 前記第2の所定温度によるヒータ駆動時間は、前記第1の所定温度によるヒータ駆動時間と比較して長時間とし、各ヒータ駆動時間の波形が安定したタイミングで前記センサ素子の抵抗値を計測することを特徴とする請求項4、5、6、8の何れかに記載のガス警報器。
  19. 前記高温時抵抗値取得手段によって前記高温時抵抗値の取得を行った後、ヒータ駆動を所定時間中止し、その後に前記第2の所定温度によるヒータ駆動を開始することを特徴とする請求項4、5、6、8の何れかに記載のガス警報器。
  20. メタンガスの濃度に応じて抵抗値が変化するセンサ素子と該センサ素子を加熱する為のヒータと、メタンガスのみを透過させるように前記センサ素子を覆った触媒層とを有するガスセンサと、
    前記ヒータを加熱制御して前記センサ素子の抵抗値を測定する制御装置と
    を有するガス警報器における該制御装置であって、
    定周期で、前記ヒータで第3の所定温度に加熱したときの前記センサ素子の抵抗値に基づいて、ガス漏れの有無を判定するガス漏れ判定手段と、
    任意のときに前記ヒータで、前記第3の所定温度よりも低い第2の所定温度に加熱したときの前記センサ素子の抵抗値を、低温時抵抗値として取得する低温時抵抗値取得手段と、
    少なくとも前記低温時抵抗値を用いて、前記センサ素子の感度低下状態である鈍化であるか否かを判定する鈍化判定手段と、
    を有し、
    前記第2の所定温度は、前記第2の所定温度に加熱したときの前記センサ素子の抵抗値が、前記センサ素子が正常な場合と前記感度低下状態になっている場合とで異なるように設定される、ことを特徴とするガス警報器の制御装置。
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