JP2550165B2 - ガス検知装置 - Google Patents

ガス検知装置

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JP2550165B2 JP63266029A JP26602988A JP2550165B2 JP 2550165 B2 JP2550165 B2 JP 2550165B2 JP 63266029 A JP63266029 A JP 63266029A JP 26602988 A JP26602988 A JP 26602988A JP 2550165 B2 JP2550165 B2 JP 2550165B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、還元性ガスを検知するガス検知装置に係
り、特に、長期にわたって高信頼度、高精度のガス検知
を行なうに好適なガス検知装置に関するものである。
〔従来の技術〕
可燃性ガスのガス検知装置は、従来から種々提案され
ているが、被検知ガス以外のアルコール等の雑ガスによ
る誤動作,誤報を生じ易く、さらに、長期の動作中にガ
スセンサの固有抵抗値が低下してくるため、予め定めた
警報レベルのままでは、次第に設定時より低いガス濃度
でも警報を発するようになる。このことは見掛上、ガス
センサの感度が鋭敏になったと同等で、長期安定性,信
頼性の面で問題があった。
これらの問題点の解決策として、特公昭58−7940,特
公昭58−47663号に示されているような、雑ガス酸化用
フィルタを用いる方法や、特公昭57−53531号に開示さ
れているように、複数のガスセンサを用いることによ
り、ガスセンサの経時変化を相殺する方法が用いられて
いる。
〔発明が解決しようとする問題点〕
上記従来例を用いることで、初期特性は改善されて来
ているが、初期説定時とほぼ同一ガス濃度での警報発
令、及び他の機器制御用信号出力、さらに寿命報知等の
点については配慮がされておらず、長期にわたっての信
頼性の点で問題があった。
本発明の目的は、ガスセンサ自体の特性変化(特性劣
化)を検知し、長期にわたって初期設定時とほぼ同一の
ガス濃度で警報を発するとか、他の機器制御用信号を出
力するように、警報レベルまたは動作レベルなどの設定
を自己補正し、補正が不可能になった時にガスセンサの
寿命を知らせ、また停電等による補正データの消失を防
止する機能を備えた、高信頼度ガス検知装置を提供する
ことにある。
〔問題点を解決するための手段〕
上記の目的を達成するために、ガスセンサの経時変化
について種々検討した結果、以下に示す新現象を発見し
た。ガスセンサの性能が劣化してくると、ガスセンサの
固有抵抗値の定格動作温度動作時と、動作温度を変化さ
せた動作時との比が、変化してくることがわかった。こ
の現象について、以下に詳説する。
還元性ガスが存在しない通常の空気雰囲気中における
ガスセンサの定格動作温度(T0)時の固有抵抗値を
RT0、動作温度を定格動作温度からT1(T1<T0)に変化
させた時の固有抵抗値をRT1とし、動作温度を変化させ
た時のガスセンサの固有抵抗値の比:P=RT1/RT0(以
後、劣化判定指数と称する)を求める。長期使用により
ガスセンサの性能劣化が進行してくると、上記、ガスセ
ンサの固有抵抗値の比:劣化判定指数:Pが減少してく
る。ガスセンサ使用初期の劣化判定指数PをP0とし、使
用経過時のガスセンサの劣化判定指数PをPnとし、使用
初期からの劣化判定指数Pの変化率:Qn=Pn/P0を求める
と、この劣化判定指数Pの変化率:Qn=Pn/P0が、ガスセ
ンサの経時変化による性能劣化度合と関係し、性能劣化
が大きいガスセンサなどQn=Pn/P0の値が小さくなる。
すなわち、ガスセンサの性能劣化の度合と、ガスセン
サの空気雰囲気中における劣化判定指数Pの変化率:Pn/
P0との間に相関関係があることを新らに見い出した。
以上の新現象を利用して、前述の問題点は、1.還元性
ガス検知用感ガス部および該感ガス部を加熱するヒータ
部とを有する半導体式ガスセンサを用いたガス検知装置
で、感ガス部の動作温度を制御するヒータ制御部と、ガ
スセンサの信号検出部と、雰囲気温度検知部と、信号検
知レベルを変更することができる検知レベル制御部と、
信号レベルと所定のガスの所定のガス濃度に対応した検
知レベルを比較する比較部と、ガス漏れ表示及び(また
は)警報を行う報知部と、該ガス検知装置の情報により
ガス遮断弁等の他の機器を制御するための外部出力部
と、これらを総括制御する主制御部と、これらを駆動す
る電源部とからなり、前記主制御部としてタイマー部を
有するマイクロコンピュータを用い、前記ガスセンサの
経時劣化自己検知手段として、予め定めた経時劣化検知
条件を満す時点に到達する毎に、前記ガスセンサの動作
温度を定格動作温度:T0及びこれより低い予め定めた設
定動作温度:T1に変化させるためのヒータ制御信号をタ
イマー部から前記ヒータ制御部へ送り、前記感ガス部の
動作温度T0およびT1におけるガスセンサの抵抗値RT0
よびRT1から劣化判定指数:P=RT1/RT0を演算・記憶する
とともに、ガスセンサ使用初期からの該劣化判定指数の
変化:Qn=Pn/P0を演算すること、さらにガスセンサの経
時劣化自己補正手段として、前記劣化判定指数の変化:Q
nに見合った検知レベルを、前記検知レベル制御部で設
定すること、また、前記劣化判定指数の変化Qnによりガ
スセンサの寿命報知を行うこと、さらに、検知レベル及
び信号レベル自己補正用制御信号を保持するための不揮
発性メモリ:EEPROMまたはバッテリによるバックアップ
手段を備えたCMOSRAM等を用いて構成することにより解
決される。
前述の問題点は、2還元性ガス検知用感ガス部および
該感ガス部を加熱するヒータ部とを有する半導体式ガス
センサを用いたガス検知装置で、感ガス部の動作温度を
制御するヒータ制御部と、ガスセンサの信号検出部と、
複数の信号検知レベルを変更することができる信号レベ
ル制御部と、検出信号の基準値からの変化度合と予め定
めた空気雰囲気汚染度合に対応した複数の変更可能な信
号レベルを比較する比較部と、この比較部からの信号に
より、空気雰囲気汚染程度を表示するための表示部およ
び(または)空気雰囲気汚染を改善するための機器を制
御するための機器制御用外部出力部と、これらを総括制
御する主制御部と、これらを駆動する電源部とからな
り、前記主制御部としてタイマー部を有するマイクロコ
ンピュータを用い、前記ガスセンサの経時劣化自己検知
手段として、予め定めた経時劣化検知条件を満す時点に
到達する毎に、前記ガスセンサの動作温度を定格動作温
度:T0及びこれより低い予め定めた設定動作温度:T1に変
化させるためのヒータ制御信号をタイマー部から前記ヒ
ータ制御部へ送り、前記感ガス部の動作温度T0およびT1
におけるガスセンサの抵抗値RT0およびRT1から劣化判定
指数:P=RT1/RT0を演算,記憶するとともに、ガスセン
サ使用初期からの該劣化判定指数の変化:Qn=Pn/P0を演
算すること、さらにガスセンサの経時劣化自己補正手段
として、前記劣化判定指数の変化:Qnに見合った複数の
検知レベルを、前記検知レベル制御部で設定すること、
また、前記劣化判定指数の変化:Qnが予め定めた値に達
した場合に、表示および警報を出すガスセンサの寿命報
知手段を有し、さらに、検知レベル及び信号レベル自己
補正用制御信号を保持するための不揮発性メモリ:EEPRO
Mまたはバッテリによるバックアップ手段を備えたCMOSR
AM等を用いて構成することにより解決される。
〔作用〕
長期にわたって初期設定時とほぼ同一のガス濃度(例
えば、水素ガス:2000ppm…絶対値)で警報を発するよう
にするためには、ガスセンサがどの程度劣化したかを調
べるために、ガスセンサの動作温度を定格動作温度T0
らよれより低い動作温度T1に変化させて、各々の動作温
度におけるガスセンサの抵抗値から劣化判定指数:P=R
T1/RT0を求め、ガスセンサ使用初期における劣化判定指
数:Poとの変化:Qn=Pn/Poを演算することにより、このQ
nからガスセンサの劣化度合を知り、劣化温度に応じ
て、信号レベルを制御し、ガスセンサの特性劣化を自己
補正する。この操作を自己補正が出来なくなるまで、予
め定めた経時劣化検出条件を満す時点に到達する毎に繰
り返す。自己補正を行った結果(検知レベル)は、主制
御部に付属する不揮発性メモリ(例えばEEPROM)で記憶
される。最終的に自己補正が出来なくなると、ガスセン
サが寿命であることを表示,警報等により報知する。
また、長期にわたって初期設定時とほぼ同一の複数の
空気雰囲気汚染度合(例えば、使用環境に応じた基準値
に対する汚染度合変化量…相対値)で、空気清浄機,換
気扇,空気機器等の汚染雰囲気改善用装置に対する制御
用外部出力を出すためには、上記と同様に、ガスセンサ
の特性劣化を自己補正すると共に、最終的にはガスセン
サの寿命報知を行う。
さらに、ガスセンサの経理劣化自己検知動作中に、ガ
ス漏れ発生又は空気汚染が発生した場合も、信号レベル
を経時劣化自己検知動作時用の第2のレベルに変更して
あるため、ガスセンサの検出信号が第2のレベル以上に
なった時は、直ちにガス漏れ検知動作、もしくは空気汚
染検知動作へ戻して対処するので検知ミスを生じること
はない。
また、検知レベル,劣化判定指数:R0等は、不揮発性
メモリに記憶してあるので、停電等が生じても誤動作す
ることはない。以上の作用によってガスセンサは信頼性
が高いものとして利用できる。
〔実施例〕
実施例の説明に入るまえに、本発明に係る基本的事項
を説明する。
本発明者らは、ガスセンサの性能の経時変化について
種々検討した結果、ガスセンサに性能劣化が生じてくる
と、該ガスセンサの動作温度を定格動作温度:T0及びこ
れより低い予め定めた設定動作温度:T1に変化させ、動
作温度T0及びT1におけるガスセンサの抵抗値RT0及びRT1
から、RT1/RT0を求めると、この各動作温度に対する抵
抗値の比:P=RT1/RT0の値が、ガスセンサ使用初期に較
べて減少してくることを新たに見い出した。この現象に
ついて第3図,第4図,第5図,第6図,及び第7図に
より以下説明する。
第3図は、還元性ガス検知用感ガス部および該感ガス
部を加熱するヒータ部とを有する半導体式ガスセンサが
使用開始時から、使用により経時劣化が進行している各
時点における、ガスセンサの定格動作温度:T0及びそれ
より低い動作温度:T1における通常空気雰囲気中での抵
抗値を示した特性図である。図中、特性31は、ガスセン
サ使用初期の特性でらあり、特性32,33,34及び35は、長
期使用により性能の経時劣化が進行している場合の特性
である。T0,T1の各動作温度でのガスセンサの抵抗比の:
P=RT1/RT0は、性能の経時劣化と共に減少している。そ
こで、Pを劣化判定指数と称する。第4図は、ガスセン
サを長期に使用した時の、一定ガス濃度検知時(例え
ば、水素ガス:2000ppm)のガスセンサの抵抗値の推移を
示した特性図である。ガスセンサの経時劣化により、一
定ガス濃度検知時のガスセンサの抵抗値が、初期に較べ
て低下しているが、これはガスセンサの感度が見掛上、
鋭敏化してきていることを示している。すなわち、ガス
漏れ警報装置等のようにガスセンサの抵抗又は、該抵抗
と相関を有する出力電圧の絶対値をガス漏れ信号レベル
として使用する場合には、性能の経時劣化により、一定
のガス濃度雰囲気にもかかわらず、ガスセンサの抵抗が
減少して来ているため、雰囲気のガス濃度が次第に高く
なっているように検知し、初期には、水素ガス:2000ppm
でガス漏れ検知していたのが、性能劣化が進行すると、
1000ppm,400ppm,100ppmと低濃度でガス漏れと検知し、
誤動作を生じてくる。
第5図は、一定ガス濃度検知時のガスセンサの抵抗の
経時劣化による使用初期からの変化(相対値)と前記、
動作温度を変化させた時の劣化判定指数:P=RT1/RT0
使用初期からの変化:Qn=Pn/P0(相対値)の関係を示し
たものであるが、良い相関関係にあることを見い出し
た。
次に第6図は、上記に示したガス漏れ警報器等のよう
にガス濃度の絶対値を検知する必要がある場合とは異な
り、汚染による空気雰囲気の変化を検知できれば良い、
空気清浄機とか換気扇等に用いられるガス検知装置の検
知性能の経時劣化特性を示したものである。通常の空気
雰囲気中のガスセンサの抵抗と汚染雰囲気中(例えば水
素ガス:400pp中:6畳の部屋でタバコを10〜15本喫煙に相
当する汚染雰囲気濃度)でのガスセンサの抵抗の比:K=
AAIR/RH2を、ガスセンサの汚染検知感度とした場合の、
経時劣化による汚染検知感度の変化を示したものであ
り、経時劣化により高感度化してくる。第7図は、ガス
センサの性能劣化による上記汚染検知感度:K=AAIR/RH2
と劣化判定指数の変化:Qn=Pn/P0の関係を示した特性図
であるが、ガスセンサ使用初期の性能劣化が少ない時を
除いては、良い相関関係を示している。
ガスセンサの性能の劣化判定指数P、及び劣化判定指
数の変化:Qn=Pn/P0は、ガスセンサ定格動作温度:T
0(℃)から、これより低い動作温度:T1(℃)で変化さ
せて計測するが、この時の温度:T1(℃)は、定格動作
温度:T0(℃)の1/2以上で、7/8以下の温度であること
が望ましい。
T1<1/2T0の場合には、動作温度をT1(℃)に変えて
から、安定したガスセンサの特性(RT1)を得るまでに
時間を要し、実用的ではない。またT1>7/8T0の場合に
は、劣化判定指数:P=RT1/RT0の値が小さくなり、劣化
検知性能の制度が低下して来て望ましくない。
なお、動作温度T1が1/2T0≦T1≦7/8T0の範囲であれ
ば、上記第3図,5図,第7図に示したと同様の、良好な
センサ性能の自己劣化検知結果が得られた。
本発明は、上記に示した、新たに見い出した基本的事
項に基づいてなされたものであり、以下実施例によって
説明する。
第1図は、本発明の第1の実施例に係るガス検知装置
を示すブロック図、第2図は本発明による他の実施例に
係るガス検知装置の構成を示すブロック図、第8図は第
1図にかかるガス検知装置の具体的な回路構成の一例を
示す回路図、第13図は第2図に係るガス検知装置の具体
的な回路構成を示す回路図である。
このガス検知装置の概要を、第1図を用いて説明する
と、1は、還元性ガス検知用の感ガス部2と該感ガス部
2を加熱するヒータ部3とを有する半導体式のガスセン
サ、4は該ガスセンサ1の感ガス特性を計測するための
出力抵抗、5は前記ガスセンサ1のヒータ部3の動作温
度を制御するためのヒータ制御部、6は前記ガスセンサ
1の使用開始から一定時間経過するごとに、該ヒータ制
御部5により前記ヒータ部3の動作温度を予め定めた温
度に一定時関変化させる制御用信号を送るためのタイマ
部、7は前記ガスセンサ1の定格動作温度T0(℃)時の
固有抵抗値RT0と、動作温度T1(℃)(1/2T0≦T1≦7/8T
0)時の固有抵抗値RT1との比:P=RT1/RT0:劣化判定指数
を計測するための劣化判定指数計測部、8はガスセンサ
1の使用初期からの該劣化判定指数:Pの変化:Qn=Pn/P0
を演算し、記憶するための演算記憶部、9は該劣化判定
指数の変化:Qnに対応する該演算記憶部8の信号の程度
に応じて、還元性ガスの検知レベルを、予め定めてある
第1の検知レベルの一つに再設定するとともに、劣化判
定指数計測動作時には、予め定めた第2の検知レベルに
設定するための検知レベル制御部、10はガスセンサ1の
出力信号を検出するための信号検出部、11は前記ガスセ
ンサ1の周辺雰囲気温度を検知するための温度検知部、
12は該温度検知部11の信号により前記信号検出部10のガ
スセンサの出力信号を温度補正するための補正演算部、
13は該温度補正後の信号のレベルと、信号レベル制御部
9により新たに設定された検知レベルとを比較し、信号
レベルが検知レベルを越えたとき信号を出力する比較
部、14は該比較部13の出力信号により、還元性ガスのガ
ス漏れ及びガスセンサの寿命を表示したり、警報を発し
たりしてガス漏れを報知するためのガス漏れ報知部、15
は該比較部13の出力信号により、ガス配管の遮断弁を閉
止する等、他の機器を制御するための機器制御用外部出
力部である。
このガス検知装置を具体化した回路構成の一例を、第
8図を用いて説明する。第8図において、1は半導体式
のガスセンサ、2は感ガス部、3は該感ガス部2を加熱
するためのヒータ部、800はヒータ制御部で、本実施例
ではガスセンサ1のヒータ部3への電力供給をスイッチ
ングレギュレータを用いて行う。801〜803は抵抗、804
は受光トランジスタで発光ダイオード804′とでフォト
カプラを形成する。805はスイッチグトランジスタ806の
駆動回路であり、発光トランジスタ804のON−OFFで制御
され、トランジスタ806い所定のバイアス電流を与え
る。なお、単純な方法としてはトランジスタ806を定格
動作時には導通,温度変化時には非導通にし、抵抗807
を適当な値に選定しても良い。
900はガスセンサ1の信号検出部であり、ガス漏れ検
知及びガスセンサの性能劣化検知用信号を検出する。90
1,902は抵抗でガスセンサ1と直列に接続しており、ガ
スセンサの固有抵抗変動(インピーダンス変動)が抵抗
の両端に現われる。903はガスセンサ1の周辺雰囲気温
度を計測するための温度センサ(例えばサーミスタ)、
904,905は抵抗で温度センサ903の検知温度信号に比例し
た電圧出力信号が両端で得られる。906はマルチプレク
サ、907はA/D変換器であり、マルチプレクサ906は、ガ
スセンサ1の出力信号と雰囲気温度に遠した電圧信号と
を切り変えて、A/D変換器907に送り、A/D変換を行う。
1100は表示または警報によりガス漏れ及びガスセンサ
の寿命を報知するガス漏れ報知部である。1101及び1102
は発光ダイオード等の表示装置で、1103は警報ブザーで
ある。
1200はガス検知装置の情報により、ガス配管の遮断弁
を開止したり、該情報を外部に伝送する装置を作動した
りするための機器制御用外部出力部である。
1000は以上説明した、ヒータ制御部800、信号検出部9
00、ガス漏れ報知部1100、機器制御用外部出力部1100を
総括制御する主制御部である。これは主にマイクロコン
ピュータ(以後マイコンと記す)1001と、マイコン1001
に内蔵されたタイマ部1002と、マイコン1001の動作に必
要な定数、及び後述する当該ガス検知装置の動作手順な
どを記憶しているROM1003とマイコン動作時の演算結果
を記憶するRAM1004、及び、動作時演算したセンサ劣化
判定指数、劣化自己補正により再設定したガス漏れ検知
レベル等を記憶することができる。不揮発性メモリEEPR
OMまたは、バッテリによりバックアップされたCMOSRAM,
1005で構成される。
1300は上述した回路を駆動する電源部である。1301は
交流電源、1302,1303及び1304は電源トランス、1305及
び1306は整流用ダイオードスタック、1307,1308及び130
9は平滑用コンデンサ、1310は安定化電源回路である。
ガス漏れ検知は、ガスセンサ1のヒータ部3により感
ガス部3を定格動作温度に加熱した状態で行い、感ガス
部がガスに触れ、その固有抵抗値の低下を抵抗902の両
端の電圧変化で検知するものである。感ガス部の固有抵
抗値が低下すると、抵抗902の電圧が上昇する。一方、
ガスセンサ1の周辺雰囲気温度を、サーミスタ等からな
る温度センサ903の温度に応じた抵抗変化を抵抗905の両
端の電圧変化で検知する。ガスセンサ1及び温度センサ
903の出力電圧をマルチプレクサ906により順次切り変え
てA/D変換器907に送り、ディジタル化した後マイコン10
01に送る。マイコン1001では予め定めてあるガス漏れ検
知レベルと、ガスセンサ1の出力電圧と比較する。ガス
センサ1の出力電圧がガス漏れ検知レベルを所定時間超
えていると、ガス漏れ報知のために発光ダイオード1101
を点灯もしくは点滅させ、警報ブザ1103を鳴報する。
ガスセンサの性能劣化検知は、ガスセンサの性能劣化
の度合と、ガスセンサの空気雰囲気中における、動作温
度変化時のガスセンサの固有抵抗値の比:P=RT1/RT0:劣
化判定指数との間に相関関係があることから、前述した
ヒータ制御部800で、感ガス部2の動作温度を、定格動
作温度:T0からこれより低い動作温度:T1(1/2T0≦T1≦7
/8T0)に変化させて、その時のガスセンサの固有抵抗
値:RT0,RT1から劣化判定指数:P=RT1/RT0を計測し、ガ
スセンサの仕用初期からの劣化判定指数の変化:Qn=Pn/
P0(P0:使用初期の劣化判定指数、Pn:使用中の劣化判定
指数)を監視することで可能となる。
また、第4図でも示したように、ガスセンサは性能が
劣化するにつれて、一定ガス濃度検知時でもガスセンサ
の抵抗値が減少するため、ガス漏れ検知用の検知レベル
が一定のままでは誤動作をおこしやすくなる。
したがって、ガスセンサの性能劣化の度合を、ガスセ
ンサの動作温度変化時の劣化判定指数の変化:Qnから知
り、性能劣化の度合に応じて、主制御部1000を構成する
マイコン1001により検知レベル制御部11の検知レベルを
最適な検知レベルに再設定することにより自己補正する
とともに、不揮発性メモリ:EEPROM、またはバッテリに
パックアップされたCMOSRAM1005に保持する。このた
め、停電等で電源が切断されたとしても、停電復帰後
は、まず始めにマイコンが不揮発性メモリから、自己補
正後の検知レベル及び劣化判定指数の初期値:P0を読み
込むことで、停電等による悪影響は避けられる。
さらに、長期使用によりガスセンサの性能劣化が進行
し、検知レベルの変更による自己補正が不可能になった
場合には、ガスセンサの寿命報知のために発光ダイオー
ド1102を点灯もしくは点滅させ、警報ブザ1103を鳴報す
る。
次に、本実施例の動作を説明する。
第9図,第10図,第11図及び第12図は、本発明のガス
センサ性能劣化の自己補正、及びガスセンサの寿命検知
機能を備えた、ガス検知装置の動作を示すフローチャー
トである。第9図はガス検知装置のメインルーチンを示
し、第10図はガス漏れ検知のサブルーチンを、第11図は
ガスセンサの性能の劣化検知のサブルーチンを、第12図
はガスセンサの性能劣化を自己補正するサブルーチンを
示したものである。
以下、フローチャートの説明を行う。まず、ガス検知
装置の電源を入れると、主制御部1000のマイコン1001は
リセット、イニシャライズ等を行う(1)。ついで、ガ
ス検知レベルの設定値を読み込む(2)。この動作は、
ガスセンサを長期に使用し、後述するガスセンサの性能
劣化を自己補正したデータを、停電復帰時に不揮発性メ
モリ:EEPROM、もしくは、バッテリによってバックアッ
プされたCMOSRAM1005から読み取り、ガス検知装置の信
頼性を高めるためにある。(2)で読み込んだガス検知
レベルLnを新たにLとして設定する(3)。(4)及び
(5)は、感ガス部の温度を定格温度の保持し、ガス漏
れ検知を行う定常動作モードと、センサの性能劣化の自
己補正を行うモードの選択を行うためにあり、判定値S
は自己補正モードの周期を決めるためにある。
今、(5)でNがSよりも小さければ、ヒータ制御部
を定格動作温度:T=T0に設定し(8)、ガス漏れ検知モ
ード(9)に入り、第10図に示すガス漏れ検知を行いガ
ス漏れが生じていない場合には再び(4)に戻り、Nに
Jを加算して次へ進む。(5)で、NがSより大きくな
ると、(6)でNを0にする。ついで、(7)のガスセ
ンサの劣化検知モードのサブルーチン(第11図)に処理
を移す。劣化検知を行い、センサ劣化自己補正(第12図
のサブルーチン)処理を完了すると、再び(8)定格動
作温度設定し、ガス漏れ検知(9)動作を続行する。
この(9)ガス漏れ検知の詳細を第10図のフローチャ
ートにより説明する。まず、マルチプレクサ906により
ガスセンサ出力を選択して、A/D変換決907によってA/D
変換して、ガスセンサ出力VTを計測する(10)。つぎに
マルチプレクサ906により雰囲気温度出力を選択し、A/D
変換器907により、A/D変換して、雰囲気温度Taの計測
(11)を行い、このTaにより前記ガスセンサ出力VTを補
正(12)する。この補正したVT25とガス漏れ検知レベル
Lとを比較(13)する。VT25がL未満ならばガス漏れは
発生していないと判定し、t′を初期化(t′=0)
(21)し、ガス漏れ表示,警報等のガス漏れ報知を取り
消し(22)、機器制御用外部出力も取り消し(25)、サ
ブルーチンコールした(9)に戻り、以後定常動作を行
う。しかし、VT25がL以上ならば、ガス洩れが発生した
と判定し、ガス洩れ継続時間t′が積算され(14)、ガ
ス漏れがtM1(例えば10秒)以上継続した場合、発光ダ
イオード1101を作動させてガス漏れを表示し、警報ブザ
1103を鳴報させて、ガス漏れ報知(16)を行う。また、
ガス漏れがTM2(例えば30秒)以上継続した場合は、ガ
ス配管の遮断弁を閉止したり、外部にガス漏れを伝送す
る装置を作動したりするために、機器制御用外部出力部
に出力を出す(18)。ついで、ガス漏れ警報によってガ
ス漏れ対策がなされたか否かの判定を行う(19)。例え
ば、人が警報停止スイッチ(図示せず)を押したことを
判定すると、時間積算、t′及びNを0とし(20)、サ
ブルーチンコールした(9)に戻り、以後、定常動作を
行う。
次に、ガスセンサの劣化検知を行うモードについて説
明する。第11図(24)では、劣化判定指数Pの初期値:P
0の読み込みを行う。ついで時間積算t′を初期化する
(25)。ついで動作温度Tを定格動作温度T0に設定し
(26)、ガス漏れ検知レベルをLに設定して(27)、ガ
ス漏れ検知(28)のサブルーチンをtH1時間(例えば10
分間)行う(30)。このtH1時間の間にガス漏れ発生が
なければ、(12)の温度補正後のガスセンサ出力電圧V
T25から、センサ抵抗を演算する(31)。ついで、動作
温度を定格動作温度より低いT1に設定し(32)、ガス漏
れ検知レベルをMに設定して(33)、センサ出力計測
(34)、雰囲気温度Ta計測(35)、センサ出力の温度補
正(36)を行い、その時のセンサ出力VT25とガス漏れ検
知レベルMとを比較し(37)、VT25がM以上であれば、
ガス漏れ発生と判定し、直ちに、サブルーチンコールし
た(7)に戻り、定格動作温度設定(8)を行い、世紀
のガス漏れ検知モード(9)へ移行し、ガス漏れ検知を
行う。しかし、温度補正後のセンサ出力VT25がM未満で
あれば、センサ出力VT25からセンサ抵抗RT1を演算し(3
8)、劣化判定指数:Pn=RT1/RT0を演算し(39),(2
4)で読み込んだ劣化定指数の初期値P0が0か否かを判
定する(40)。P0が0である場合には、演算した劣化判
定指数Pを劣化判定指数の初期値P0として設定し(4
5)、サブルーチンコールした(7)に戻り、以後定常
動作を行う。(40)でP0が0でなく、値が読み込まれて
いる場合には、劣化判定指数の変化:Qn=Pn/P0を演算し
(41)、このQnと予め定めてある劣化度判定レベルK3
比較し(42)、K3以下であれば、ガスセンサが極度に劣
化し寿命であると判断し、ガスセンサの寿命報知を行う
(46)。しかし、QnがK3以下でなければ、次にセンサの
劣化度判定レベルK1(K1>k3)と比較し(43)、QnがK1
以下でない場合には、まだガスセンサの性能劣化が生じ
ていないと判断し、サブルーチンコールした(7)に戻
り、定常動作を行う。QnがK1以下の場合にはガスセンサ
の性能劣化が生じており、自己補正が必要と判断して、
センサ劣化自己補正(44)モードへ移る。
第12図、(47)では、まず劣化判定指数の変化:Qn
読み込み、ついで、劣化度判定レベルK1,K2及びK3と比
較し、それぞれの劣化の程度に応じて、ガス検知レベル
を、L2及びL3(L2>L3)に再設定し(48),(49),
(50),(51)た後、メインルーチンの(8),(9)
の定常動作に戻り、ガス漏れ検知動作を行う。
次に、本発明による第2の実施例を第2図,第13図,
第14図,第15図,及び第16図に示す。第2図は、ガス検
知装置の構成を示すブロック図、第13図は第2図に係る
ガス検知装置の具体的な回路構成の一例を示す回路図、
第14図,第15図,および第16図は、第2図に係るガス検
知装置の動作を示すフローチャートであり、それぞれ、
ガス検知装置のメインルーチン、空気汚染検知のサブル
ーチン、およびガスセンサの性能の劣化検知のサブルー
チンを示したものである。
このガス検知装置の概要を、第2図を用いて説明する
と、1は感ガス部2とヒータ部3とを有する半導体式の
ガスセンサ、4は該ガスセンサの感ガス特性を計測する
ための出力抵抗、5はヒータ部3の動作温度を制御する
ためのヒータ制御部、6は所定時間毎に制御用信号を送
るためのタイマ部、7はガスセンサ1の性能の経時劣化
を計測するための劣化判定指数計測部、8はガスセンサ
1の使用初期からの該劣化判定指の変化:Qn=Pn/P0を演
算し、記憶するための演算記憶部、9は該演算記憶部8
の信号の程度に応じて還元性ガスによる空気汚染の検知
レベルを予め定めてある第1の検知レベルの組合せの一
つに再設定するとともに、劣化判定指数計測動作時に
は、予め定めた第2の検知レベルに設定するための検知
レベル制御部、10はガスセンサ1の出力信号を検出する
ための信号検出部、16は前記タイマ部6からの信号を受
ける毎に、その時点のガスセンサ1の出力信号を基準
値:Vcとして設定するための基準値設定部、17はガスセ
ンサ1の出力信号:Viと該基準値:Vcとから空気汚染度:U
=Vi/Vcを演算するための演算部、73は該空気汚染度:U
と、検知レベル制御部9により新たに設定された複数の
検知レベルとを比較し、信号レベルが検知レベルを越え
た時信号を出力する比較部、18は該比較部13の出力信号
により、空気汚染度合及びガスセンサの寿命を表示する
ための空気汚染表示部、15は空気汚染を除去、正常化す
るための、空気正常機,換気扇,および空調機等の他の
機器を制御するための複数の制御用信号を出力するため
の機器制御用外部出力部である。
このガス検知装置の回路構成の一例を第13図を用いて
説明する。前記第1の実施例による回路構成(第8図)
と同じ回路部品は同一番号が付してある。第1の実施例
による回路構成と異なる部分についてのみ以下説明す
る。
900はガスセンサ1の信号検出部で、空気汚染及び性
能劣化に伴うガスセンサの出力信号を検出する。ガスセ
ンサの固有抵抗値の変動を抵抗902の両端の出力電圧で
計測し、A/D変換したのち、主制御部のマイコン1001に
送る。マイコン1001では、使用開始時に設定した空気雰
囲気に対応する基準値Vcとから空気汚染度:U=Vi/Vc
演算し、予め定めてある空気汚染検知レベルと比較す
る。ガスセンサ出力電圧より求めた空気汚染度Uが空気
汚染検知レベルを所定時間超えていると、空気汚染報知
のために発光ダイオード1101を点灯もしくは点滅させ、
空気汚染を除去、清浄化するための空気清浄機,換気
扇,および空調機等の他の機器を制御するために、機器
制御用外部出力部1202に複数の制御用信号を出力する。
ガスセンサの性能劣化検知方式は第1の実施例と同じ
なので省略するが、長期使用によりガスセンサの性能劣
化が進行し、空気汚染検知レベルの変更による自己補正
が不可能となった場合には、ガスセンサの寿命報知のた
めに発光ダイオード1102を点灯もしくは点滅させる。
次に第2の実施例の動作を第14図,第15図及び第16図
に示す動作フローチャートにより説明する。第14図は空
気汚染を検知するガス検知のメインルーチンを示し、ま
ずガス検知装置の電源を入れると、主制御部1000のマイ
コン1001はリセット,イニシャライズを行う(151)つ
いで、空気汚染検知レベル設定値を読み込み(152)読
み込んだ空気汚染検知レベルLnを新たに検知レベルLと
し天性呈する(153)。(154),(155)で空気汚染検
知を行う定常動作モードとガスセンサの劣化検知を行う
モードの選択を行う。判定値Sは劣化検知モードの周期
を決めるためにあり、今、(155)でNがSより小さけ
れば、ヒータ制御部により、ガスセンサの動作温度を定
格動作温度:T=T0(℃)に設定し(158)、空気汚染検
知モード(159)に入り、第15図に示す空気汚染検知を
行い、空気汚染度が検知レベル以下であれば、再び(15
4)に戻りNにJを加算して次のステップへ進む。(15
5)でNがSより大きくなると、Nを0に初期化した(1
56)後、ガスセンサの劣化検知モード(157)のサブル
ーチン(第16図)に処理を移す。劣化検知を行い、劣化
が進行していた場合には、劣化の度合に応じた劣化自己
補正(第1の実施例で示した第12図のサブルーチンと同
一のため図示せず)処理を行った後、再び(158),(1
59)の定格動作温度設定、空気汚染検知の定常動作を続
行する。
次に(159)の空気汚染検知の明細を第15図のフロー
チャートにより説明する。(160)で空気汚染検知のた
めの基準値が設定されているか否かの判断を行う。電源
投入後の使用開始時には、(151)の初期設定動作でF
=0と設定されているため、時間tを0とし(161)、
通常電気雰囲気におけるA/D変換後のガスセンサ出力Vi
を計測し(162)、Viを基準値として設定する(163)。
ついで、つぎの基準値設定までの時間積算tを開始し
(164)、空気汚染検出のためのセンサ出力Viの測定を
行い(165)、このガスセンサ出力Viと前記基準値Vc
の比:u=Vi/Vcを空気汚染度として演算し(166)、空気
汚染検知レベルLと比較する(167)。空気汚染度が小
さくてU<Lの時には、積算時間が基準値変更の時間tc
に達したか否かを判定し(168)、達していれば、基準
値更新用にF=0として、達していなければ基準値を更
新しない様にF=1として、メインルーチンの(15
9),(154)に戻る。しかし、空気汚染度Uが設定レベ
ルLより大きい場合には、この状態がt′=tM1時間
(例えば1sec)継続するか否かの判断を(171),(17
2)で行い、継続しない時は、基準値更新はしないが空
気汚染は無しとして(159),(154)の定常動作に戻
る。tM1時間(例えば1sec)以上継続した場合は、空気
汚染発生有りとして、t′,N(劣化検知モードに入るた
めの条件設定値)を0とした後、空気汚染を除去、正常
化するための空気清浄機,換気扇,空調機等を制御する
ために、機器制御用外部出力部に、空気汚染度Uの程度
に応じた複数の制御用出力を出す。
次に、ガスセンサの劣化検知を行うモードについて説
明する。第16図(176)では、劣化判定指数Pの初期値:
P0を読み込み、動作温度を定格動作温度T0に設定した
(177)後、空気汚染検知レベルをLに設定(178)、ガ
スセンサ出力:VT0を計測L(179)、空気汚染発生の有
無を判定し(180)、空気汚染発生有りと判断すると、
直ちにメインルーチンの(157)に戻り、(158),(15
9)と空気汚染検知モードを行う。(180)で空気汚染発
生がないと判断する、センサ出力VT0からセンサの固有
抵抗RT0を演算する(181)。ついで動作温度を劣化検知
用の動作温度:T1(℃)(1/2T0≦T1≦7/8T0)に設定し
た(182)後、再度、動作温度T1に対応する空気汚染検
知レベル:Mに設定し(183)、ガスセンサの出力VT1(18
4)を計測し、再度空気汚染の有無を判定し(185)、V
T1≧Mで空気汚染の可能性有りと判断すると、直ちにメ
インルーチンの(157),(158),(159)に戻り空気
汚染検知モードを行う。VT1<Mで空気汚染可能性無し
と判断すると、VT1からセンサの固有抵抗値RT1を演算し
た(186)後、劣化判定指数:P=RT1/RT0を演算し(18
7)、上記(179)で読み込んだ劣化判定指数の初期値P0
が0か否かを判定する(188)。P0が0である場合に
は、演算した劣化判定指数Pを劣化判定指数の初期値P0
として設定し(190)、メインルーチンの(157)に戻り
以後定常動作を行う。P0が0でなく、値が読み込まれて
いる場合には、劣化判定指数の変化:Qn=Pn/P0を演算し
(189)、このQnと予め定めてある劣化度判定レベルK3
と比較し(191)、K3以下であれば、ガスセンサが極度
に劣化し、寿命であると判断し、ガスセンサの寿命報知
を行う(192)。しかし、QnがK3以下でなければ、次に
劣化度判定レベルK1(K1>K3)と比較し(193)、QnがK
1以下でない場合には、性能劣化が生じていないと判断
し、メインルーチンの(157)に戻り定常動作を行う。Q
nがK1以下の場合にはガスセンサの性能劣化が生じてお
り、自己補正が必要と判断して、センサ劣化自己補正
(194)モードへ移る。自己補正モードは、前記第1の
実施例(第12図)と全く同じ動作であるので省略する。
〔発明の効果〕
本発明によれば、ガスセンサの性能劣化度合を自動的
に自己診断し、その劣化に応じて自己補正を行うことが
出来る。その補正内容は、不揮発性メモリに保持されて
いるので、停電等によっても悪影響を受けることがな
い。またさらに、ガスセンサの寿命報知が出来るので、
長期にわたり高信頼度、高精度を保持した、誤動作の生
じないガス検知装置を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は、本発明の第1の実施例及び第2の
実施例に係るガス検知装置の構成を示すブロック図、第
3図はガスセンサ使用開始時から、種々の経時時間にお
ける、ガスセンサの動作温度を変化させた時のガスセン
サの固有抵抗値との関係を示す特性図、第4図及び第6
図は、第1の実施例及び第2の実施例に係るガスセンサ
の性能の経時劣化を示す特性図、第5図及び第7図は、
第1及び第2の実施例に係るガスセンサの性能劣化と劣
化判定指数の関係を示す特性図、第8図及び第13図は、
第1及び第2の実施例に係るガス検知装置の具体的な回
路構成の一例を示す回路図、第9図,10図,11図,及び12
図は第1の実施例に係るガス検知装置の動作の概要を示
すフローチャート、第14図,15図,16図は第2の実施例に
係るガス検知装置の動作の概要を示すフローチャートで
ある。 1……ガスセンサ 2……感ガス部 3……ヒータ部 5,800……ヒータ制御部 6,1002……タイマ部 7……劣化判定指数計測部 8……演算記憶部 9……検知レベル制御部 10……信号検出部 11……温度検知部 12……補正演算部 13……比較部 14……ガス漏れ報知部 15……機器制御用外部出力部 16……基準値設定部 17……演算部 18……空気汚染表示部。

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】還元性ガス検知用感ガス部および該感ガス
    部を加熱するヒータ部とを有する半導体式ガスセンサを
    用いたガス検知装置において、少なくとも、前記感ガス
    部の動作温度を制御するヒータ制御部と、前記ガスセン
    サの信号検出部と、雰囲気温度検知部と、検知レベルを
    変更することができる検知レベル制御部と、前記信号検
    出部の検出信号レベルと前記検知レベルとを比較する比
    較部と、該比較部からの信号によりガス漏れ表示及び警
    報を行う報知部と、該ガス検知装置の情報により他の機
    器を制御するための機器制御用外部出力部と、これを総
    括制御する主制御部と、これらを駆動する電源部とから
    なり、前記ガスセンサの経時劣化自己検知手段として、
    予め定めた経時劣化検知条件を満す時点に到達する毎
    に、前記ガスセンサの動作温度を定格動作温度:T0及び
    これより低い予め定めた設定動作温度:T1に変化させ、
    動作温度T0及びT1におけるガスセンサの抵抗値RT0、お
    よびRT1から劣化判定指数:P=RT1/RT0を演算・記憶する
    とともに、ガスセンサ使用初期からの該劣化判定指数の
    変化:Qn=Pn/P0を演算すること、さらに前記ガスセンサ
    の経時劣化自己補正手段として、前記劣化判定指数の変
    化:Qnに見合った検知レベルを前記検知レベル制御部で
    設定すること、又は、前記劣化判定指数の変化:Qnによ
    りガスセンサの性能劣化自己補正ならびに寿命表示、お
    よび警報を行うことを特徴とするガス検知装置。
  2. 【請求項2】還元性ガス検知用感ガス部および該感ガス
    部を加熱するヒータ部とを有する半導体式ガスセンサを
    用いたガス検知装置において、少なくとも、前記感ガス
    部の動作温度を制御するヒータ制御部と、前記ガスセン
    サの信号検出部と、複数の検知レベルを変更することが
    できる検知レベル制御部と、前記信号検出部の検出信号
    の基準値からの変化度合と予め定めた空気雰囲気汚染程
    度に対応した複数の変更可能な検知レベルとを比較する
    比較部と、該比較部からの信号により空気雰囲気汚染程
    度を表示するための表示部および(または)空気雰囲気
    汚染を改善する機器を制御するための機器制御用外部出
    力部と、これらを総括制御する主制御部と、これらを駆
    動する電源部とからなり、前記ガスセンサの経時劣化自
    己検知手段として、予め定めた経時劣化検知条件を満す
    時点に到達する毎に、前記ガスセンサの動作温度を定格
    動作温度:T0及びこれより低い予め定めた設定動作温度:
    T1に変化させ、動作温度T0及びT1におけるガスセンサの
    抵抗値RT0、およびRT1から劣化判定指数:P=RT1/RT0
    演算・記憶するとともに、ガスセンサ使用初期からの該
    劣化判定指数の変化:Qn=Pn/P0を演算すること、さらに
    前記ガスセンサの経時劣化自己補正手段として、前記劣
    化判定指数の変化:Qnに見合った複数の検知レベルを前
    記検知レベル制御部で設定すること、又は、前記劣化判
    定指数の変化:Qnによりガスセンサの性能劣化自己補正
    ならびに寿命表示および警報を行うことを特徴とするガ
    ス検知装置。
  3. 【請求項3】還元性ガス検知用感ガス部および該感ガス
    部を加熱するヒータ部とを有する半導体式ガスセンサを
    用いたガス検知装置において、予め定めた経時時間毎
    に、前記ガスセンサの定格動作温度:T0における、固有
    抵抗値:RT0と、該定格動作温度:T0より低い動作温度:T1
    における固定抵抗値:RT1とから、劣化判定指数:P=RT1/
    RT0を求め、前記ガスセンサ使用初期からの該劣化判定
    指数の変化:Qn=Pn/P0を求め、前記ガスセンサの性能の
    経時劣化検知手段とし、該経時劣化検知手段により得た
    劣化検知結果に見合った、劣化自己補正手段および寿命
    報知手段を有することを特徴とするガス検知装置。
  4. 【請求項4】上記、ガスセンサ使用時の劣化判定指数:P
    及び劣化判定指数の変化:Qn及び検知レベル制御部の自
    己補正後の検知レベルを記憶する手段として、不揮発性
    メモリ:EEPROMまたはバッテリによるバックアップ手段
    を保持したCMOSRAMを用いることを特徴とする特許請求
    の範囲第1項または第2項に記載のガス検知装置。
  5. 【請求項5】上記、ガスセンサの感ガス部の動作温度を
    定格動作温度:T0から設定動作温度に変化させ、劣化判
    定指数:Pを計測するための経時劣化自己検知手段を実行
    している間、上記検知レベルを、予め定めた第2の検知
    レベルに設定することを特徴とする特許請求の範囲第1
    項または第2項に記載のガス検知装置。
  6. 【請求項6】上記ガスセンサの予め定めた経時劣化検知
    条件として、該ガスセンサの定格動作時における検出信
    号(又は、ガスセンサの抵抗値)の変動が、予め定めた
    値以下で所定の時間継続することとしたことを特徴とす
    る特許請求の範囲第1項または第2項に記載のガス検知
    装置。
  7. 【請求項7】上記、検知レベルが所定のガス濃度におけ
    るガスセンサの抵抗値もしくは、該ガスセンサの信号検
    出部の出力信号の絶対値で予め初期設定してあることを
    特徴とする特許請求の範囲第1項記載のガス検知装置。
  8. 【請求項8】上記、検知レベルが通常の空気雰囲気にお
    けるガスセンサの抵抗値もしくは出力信号(基準値)に
    対する変化量(比)で予め初期設定してあることを特徴
    とする特許請求の範囲第2項記載のガス検知装置。
  9. 【請求項9】上記基準値は、使用開始時のガスセンサの
    抵抗値もしくは、出力信号を先ず基準値として設定し、
    該設定した基準値は、信号検出部からの出力信号が、上
    記検知レベル以下のままで所定時間継続すると、その時
    点での出力信号もしくは、ガスセンサの抵抗値を新たな
    基準値として基準値の更新を行うことを特徴とする特許
    請求の範囲第8項記載のガス検知装置。
  10. 【請求項10】上記ガスセンサの感ガス部の動作温度:T
    1(℃)を定格動作温度:T0(℃)の1/2〜7/8の範囲内の
    温度としたことを特徴とする特許請求の範囲第1項,第
    2項または第3項のいずれかに記載のガス検知装置。
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