JP7317318B2 - 複数のガスセンサを備えるガス検出装置とガス検出方法 - Google Patents

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Description

この発明は、複数のガスセンサを備えるガス検出装置とガス検出方法とに関する。
複数の金属酸化物半導体ガスセンサを備えるガス検出装置が知られている。例えば、特許文献1(JP S60-31049A)では、4個のガスセンサを順に1個ずつ使用する。ガスセンサの信号により発した警報回数はガスセンサがガスに触れた回数を示し、この回数が多いとガスセンサが寿命に達したと評価する。そこで警報回数をカウントし、カウント回数が所定値に達すると次のガスセンサに切り替える。
特許文献2(JP 6288613B)では、複数のガスセンサ中の1個を動作状態に、残りを予熱状態に置き、冷凍空調機器からのフロンガスのリークを検出する。動作状態のガスセンサがフロンガスを検出すると、他のガスセンサを1個動作状態に移行させ、フロンガスのリークを確認する。
特許文献3(EP 3153849A)では、複数のガスセンサを順次使用することにより、シロキサン等による被毒への耐久性を増す。即ち、ガスセンサを所定時間使用すると、ガスセンサが被毒されている可能性があると推定し、次のガスセンサに検出を切り替える。なお、複数のガスセンサを1個のMEMSチップに集約すると、センサコストの増加よりも、寿命延長の効果が大きくなる場合がある。
JP S60-31049A JP 6288613B EP 3153849A
発明者は、フロンガス等の検出装置の寿命を延長することを検討した。フロンガス等の検出では、ガスセンサを数年間使用すると、ガスセンサの抵抗値が増加する。しかし、空気中とフロンガス等を含有する雰囲気中での、ガスセンサの抵抗値の比はほぼ一定値に保たれる。従って、ガスセンサの抵抗値自体ではなく、空気中とフロンガス等を含有する雰囲気中での抵抗値の比に基づいてガスを検出すると、寿命を延長できる。なお空気中とガス中での抵抗値の比に基づくガス検出を相対値検出という。
ガスセンサを複数設け、例えば所定期間最初のガスセンサを使用した後に、次のガスセンサに切り替える。ガスセンサを例えば2個用いると、ガス検出装置の寿命を約2倍にできる。しかし相対値検出では、新しく使用するガスセンサに関して、空気中の抵抗値を学習する必要がある。学習が完了するまでの期間、新しく使用するガスセンサは信頼性がある検出ができない。
この発明の課題は、
・ 複数のガスセンサを順次使用すること、及び相対値検出を行うことにより、ガス検出装置の寿命を向上すること、及び
・ ガスセンサの切替時に、新しく使用するガスセンサでの空気中の抵抗値を適切に学習させることにより、検出の信頼性を維持することにある。
この発明のガス検出装置は、ガスとの接触により抵抗値が変化する金属酸化物半導体とヒータを備えるガスセンサを複数個と、前記複数個のガスセンサを動作させる付帯回路を備えている。
付帯回路は、
ガスセンサを動作させている時間をカウントするタイマ手段と、
金属酸化物半導体の、空気中での初期的な抵抗値と、所定濃度の検出対象ガスを含む雰囲気中での初期的な抵抗値との比に対応する値を、ガスセンサ毎に記憶する記憶手段と、
動作しているガスセンサでの、金属酸化物半導体の空気中の抵抗値を学習するための学習手段と、
動作しているガスセンサでの、学習手段で学習した空気中の抵抗値を前記比で割ったものに対応する値よりも、金属酸化物半導体の抵抗値が低くなった際に、検出対象ガスの発生を出力する検出手段とを備え、
前記付帯回路は、最初のガスセンサを所定時間動作させた際に、次のガスセンサと最初のガスセンサを学習期間の間共に動作させ、最初のガスセンサにより検出対象ガスの検出を続行すると共に、学習手段により次のガスセンサでの金属酸化物半導体の空気中の抵抗値を学習し、
学習期間が終了すると、次のガスセンサにより検出対象ガスを検出し、最初のガスセンサは例えば加熱を停止するように構成されている。
この発明のガス検出方法では、ガスとの接触により抵抗値が変化する金属酸化物半導体とヒータを備えるガスセンサを複数用いると共に、前記複数のガスセンサを付帯回路により動作させる。付帯回路により、
ガスセンサを動作させている時間をカウントし、
金属酸化物半導体の、空気中での初期的な抵抗値と、所定濃度の検出対象ガスを含む雰囲気中での初期的な抵抗値との比に対応する値を、ガスセンサ毎に記憶し、
動作しているガスセンサでの、金属酸化物半導体の空気中の抵抗値を学習し、
動作しているガスセンサでの、学習手段で学習した空気中の抵抗値を前記比で割ったものに対応する値よりも、金属酸化物半導体の抵抗値が低くなった際に、検出対象ガスの発生を出力し、
前記付帯回路は、最初のガスセンサを所定時間動作させた際に、次のガスセンサと最初のガスセンサを学習期間の間共に動作させ、最初のガスセンサにより検出対象ガスの検出を続行すると共に、学習手段により次のガスセンサでの金属酸化物半導体の空気中の抵抗値を学習し、
学習期間が終了すると、次のガスセンサにより検出対象ガスを検出し、最初のガスセンサは例えば加熱を停止する。
ガスセンサの金属酸化物半導体の抵抗値が変化しても、空気中とガス中の抵抗値の比はほぼ一定に保たれることが多い。そこで、学習手段で学習した空気中の抵抗値を初期的な抵抗値の比で割ったものに対応する値と、金属酸化物半導体の抵抗値とにより、ガスを検出する。このためガスセンサの寿命を長くできる。次のガスセンサを動作させるためには、空気中の抵抗値の学習が必要である。そこで次のガスセンサと最初のガスセンサを学習期間の間共に動作させ、最初のガスセンサにより検出対象ガスの検出を続行すると共に、学習手段により次のガスセンサでの金属酸化物半導体の空気中の抵抗値を学習する。このため次のガスセンサは、最初からガスを的確に検出できる。
空調機器、冷凍機器からの冷媒のリークの検出では、長期間メンテナンス無しで使用できるガス検出装置が必要である。この発明のガス検出装置は、好ましくはフロンガス検出用である。
ガスセンサは例えば、基板上に、ガスとの接触により抵抗値が変化する金属酸化物半導体膜とヒータ膜とを設けたものである。しかしビード状の金属酸化物半導体にヒータと電極を埋設したガスセンサ等でも良い。長期間使用すると、ガスセンサの信頼性が低下することはガスセンサの種類によらない現象である。
次のガスセンサに対して適切な空気中の抵抗値を学習するため、学習期間は好ましくは1週間以上で3ヶ月以下とする。
動作しているガスセンサよりも小さな電力を次のガスセンサのヒータに加え、次のガスセンサの金属酸化物半導体を動作温度と室温の間の温度に予熱する。予熱により吸着水等の不純物の蓄積を防止すると、ガスセンサの耐久性を向上できる。
好ましくは、前記付帯回路は、動作しているガスセンサを所定の動作温度で動作させる。そして動作しているガスセンサが所定濃度以上のフロンガスを検出すると、外部へフロンガスのリークを出力する。これと共に、動作しているガスセンサの温度を通常の動作温度から例えば100℃以上低下させる。好ましくはヒータをオフし、ガスセンサを室温付近へ放冷する。高濃度のフロンガスに動作温度で曝されると、フロンガスの燃焼熱によりガスセンサの金属酸化物半導体の特性が変化し、例えば金属酸化物半導体の抵抗値が増加する。外部へフロンガスのリークを出力すると、ガスセンサの次のジョブはフロンガスの濃度が低下したことを検出することである。このジョブは緊急性を要することではないので、ガスセンサの温度を低下させ、金属酸化物半導体の変化を防止する。
より好ましくは、前記付帯回路は、動作しているガスセンサの温度を動作温度から低下させた後に、間欠的に動作しているガスセンサの温度を動作温度に戻す。すると、フロンガス濃度が低下したか否かも検出できる。
特に好ましくは、前記付帯回路は、動作しているガスセンサでの抵抗値の時間当たりの減少率、及び学習した空気中での抵抗値との抵抗値の比の双方から、フロンガスのリークを検出する。このようにすると、ガスセンサの抵抗値が充分に減少するよりも前に、速やかにフロンガスのリークを検出できる。また学習した空気中での抵抗値との抵抗値の比も考慮するので、空調機器の洗浄液中の溶媒、その他の雑ガスによる誤動作のおそれは少ない。
実施例のガス検出装置のブロック図 実施例で用いたガスセンサの要部断面図 実施例で用いたガスセンサの断面図 実施例での初期設定アルゴリズムのフローチャート 実施例でのガス検出装置の動作アルゴリズムのフローチャート 実施例での金属酸化物半導体の抵抗値のサンプリングを示す波形図、1)は検出電圧の波形を、2)は出力電圧のサンプリングを示す。 実施例での、空気中の抵抗値のサンプリングを示す図 ガスセンサの変形例を示す断面図 ガスセンサの第2の変形例を示す断面図 変形例のガス検出装置の要部ブロック図 変形例でのガスセンサの動作を示す波形図で、(A)はガスセンサの抵抗値を、(B)はアラーム(外部出力)の有無を、(C)はガスセンサのヒータ電力を示す。 第2の変形例のガス検出装置の要部ブロック図 第2の変形例でのフロンガスの検出機構を示す図
以下に本発明を実施するための最適実施例を示す。
図1~図7に、実施例を示す。図1は実施例のガス検出装置2の構造を示し、4,5は同種の2個の金属酸化物半導体ガスセンサで、実施例ではフロンガス(例えば微燃性のR32ガス)検出用である。フロンガス以外に、空気中のVOC、あるいは生体からのガス等を検出しても良く、検出対象ガスは任意である。空気中での抵抗値を学習し、学習した抵抗値との比に基づいてガスを検出する相対値検出に、実施例は適している。ガスセンサ4が最初のセンサ、ガスセンサ5が次のセンサで、3番目以降のガスセンサを設けても良い。
図2,図3はガスセンサ4,5の構造を示す。基板8に金属酸化物半導体膜6とヒータ膜7とが支持され、金属酸化物半導体膜6に例えば一対の電極9,10が接続されている。また図示しないパッドから、ヒータ膜7及び電極9,10に接続された例えば4本のリード11が引き出されている。金属酸化物半導体膜6はSnO2の厚膜であるが、材質と膜厚は任意で、フロン等の可燃性ガスとの接触により抵抗値が減少する。金属酸化物半導体膜6の動作温度は例えば400℃程度で、検出対象ガスに応じて定め、待機中(使用開始前)のセンサ5は室温に放置しても良いが、好ましくは100℃程度(金属酸化物半導体膜6の動作温度と室温の中間の温度)に加熱する。
リード11は、ベース12に固定されたピン13に接続されている。基板8の周囲はキャップ15が覆い、キャップ15の例えば頂部の開口から、雰囲気をフィルタ16を介し、基板8の周囲へ導入する。なお、17は金網、18はフィルタ16の支持リングである。フィルタ16は例えばゼオライトで、シロキサン等の被毒物質を除去すると共に、エタノールなどフロンガスの検出と競合するガスを除去する。ガスセンサ4の種類と構造は任意である。例えばシリコンチップの空洞を覆う絶縁膜上に、金属酸化物半導体膜6,電極9,10及びヒータ膜7を設けたMEMSガスセンサでも良い。またヒータ膜7を電極に兼用し、金属酸化物半導体膜6とヒータ膜7との並列抵抗を検出しても良い。この場合、電極9,10は不要である。
ガスセンサ4,5の問題は、長期間高温に保たれると、金属酸化物半導体膜6の抵抗値が増加することにある。例えば7年間連続使用すると、金属酸化物半導体膜6の抵抗値は、空気中でもフロンガス中でも、最大10倍程度増加する。しかしながら、空気中とガス中との抵抗値の比Rair/Rgasは、金属酸化物半導体膜6の抵抗値が増加してもほぼ一定に保たれる。従って、空気中での金属酸化物半導体膜6の抵抗値Rairを学習すると共に、空気中と所定濃度のフロンガス中との抵抗値の比Rair0/Rgas0を記憶し、学習した空気中の抵抗値Rairを記憶した比Rair0/Rgas0で割った値と、測定した抵抗値Rsを比較すると、フロンガスをほぼ正確に検出できる。
なお、金属酸化物半導体膜6の抵抗値自体を用いる必要はなく、抵抗値の逆数の電気伝導度を用いても良く、また抵抗値に対応する他の信号(例えばガスセンサ4,5の負荷抵抗への電圧、電気伝導度をべき乗しガス濃度に線形にしたもの)等を用いても良い。また空気中の抵抗値Rairと所定濃度のフロンガス中の抵抗値Rgasとの比Rair/Rgasを用いる必要はなく、この逆数のRgas/Rairなどを用いても良い。即ち、学習した空気中の抵抗値Rairを、初期的な空気中での抵抗値と所定濃度のフロンガス中での抵抗値との比Rair0/Rgas0で割ったものに対応する値と、金属酸化物半導体膜6の抵抗値に対応する値とに基づいて検出すればよい。付帯回路で扱う信号が、抵抗値であるか電気伝導度であるか、あるいは初期的な感度として空気中の抵抗値抵抗値とフロンガス中の抵抗値の比を用いるか他のパラメータを用いるか、などは任意である。
最初のガスセンサ4の次に用いるガスセンサ5を、例えば100℃程度に常時予熱すると、金属酸化物半導体膜6へ吸着水等が蓄積することによる経年変化を軽減できる。このため、ガスセンサ4を動作させている間、ガスセンサ5を予熱することが好ましい。
図1に戻り、P.S.は電源、20はガスセンサ4,5への負荷抵抗である。21はサーミスタで温度センサの例であり、負荷抵抗22に接続されている。23,24はトランジスタ等のスイッチ、30はマイクロコンピュータで、付帯回路の主要部である。
ドライブ31はスイッチ23,24を駆動し、最初にガスセンサ4を駆動し、例えば7年半経過すると、ガスセンサ5を駆動する。スイッチ23により、ヒータ膜7への電力を例えばPWM(パルス幅変調)制御し、金属酸化物半導体膜6を動作温度へ加熱する。また例えばスイッチ24により、金属酸化物半導体膜6に、短い幅のパルス電圧を加える。
A/Dコンバータ32は、負荷抵抗20,20,22への電圧等をAD変換する。タイマ33は、マイクロコンピュータ30内のクロック信号等を積算し、ガスセンサ4,5の使用時間の算出、ガスセンサ4からガスセンサ5への切換時の学習期間のカウント、スイッチ23,24のオン/オフ信号の発生等を行う。メモリ34は、ガスセンサ4,5毎に、初期的な感度S0(空気中での抵抗値Rair0と所定濃度のフロンガス中での抵抗値Rgs0との比)を記憶し、実施例では他に初期的な空気中での抵抗値Rair0も記憶する。なお金属酸化物半導体膜6の抵抗値には温度への依存性があるので、マイクロコンピュータ30では、測定した抵抗値をサーミスタ21で補正した抵抗値を用いる。
学習部35は、ガスセンサ4,5の空気中での抵抗値Rairを学習する。実施例では過去30日間の空気中での抵抗値の移動平均を学習し、特に1日間のガスセンサの抵抗値の最大値の移動平均を学習する。平均値に変えて最頻値、中央値などを学習しても良い。ガスセンサ4,5が置かれている環境での空気質は1日周期で変化すると考えられるので、1日間の最も清浄な空気に対応する抵抗値として、毎日の抵抗値の最大値を測定する。空気質が1日周期で変化するため、学習には複数日必要で、好ましくは1週間以上で3ヶ月以下の期間(実施例では30日間)学習する。
切替部36は、ガス検出装置2の動作期間が7年半に達したとき、あるいはガスセンサの空気中の抵抗値Rairが初期値Rair0の10倍以上になった時に、ガスセンサ4からガスセンサ5への切替を行う。切替では、学習期間の例えば30日間、ガスセンサ4でフロンガスの検出を続行し、ガスセンサ5への空気中の抵抗値Rairを学習する。その後、ガスセンサ4の動作を停止し、ガスセンサ5によりフロンガスを検出する。
初期設定部38は、初期的な感度S0の設定と初期的な空気中での抵抗値Rair0の設定(メモリ34への記憶)を処理する。検出部37は、学習した空気中での抵抗値Rairを初期的な感度S0で割った閾値と、金属酸化物半導体膜6の抵抗値Rsとを比較し、抵抗値Rsが閾値以下に低下すると、フロンガスの発生を検出し、出力部39から外部へ出力する。
図4~図7に、ガス検出装置2の動作を示す。図4の初期設定アルゴリズムでは、ステップS1で空気中の抵抗値Rair0をガスセンサ4,5のそれぞれについて測定し、ステップS2で所定濃度のフロンガス中の抵抗値Rgas0をガスセンサ4,5のそれぞれについて測定する。ステップS3で、ガスセンサ4,5のそれぞれについて、初期感度S0(空気中の抵抗値Rair0と感度の比)を記憶する。
図5はガス検出装置2の全体的動作アルゴリズムを示し、プロセスP1で、動作させるガスセンサのヒータ膜7を例えばPWM制御し、待機中のガスセンサは例えばより小さなデューテイ比でPWM制御し予熱する。プロセスP2で、動作させるガスセンサの金属酸化物半導体膜6とその負荷抵抗20に、例えばパルス的に検出電圧Vcを加える。図6-1)に検出電圧Vcの波形を示し、例えば1秒に1回、2msec幅の検出電圧Vcを加える。図6-2)に示すように、検出電圧Vcを加えている期間の後半に例えば7回、負荷抵抗20への電圧をA/D変換し、最大値と最小値を除いた5回のデータの平均値を求める。この平均値をサーミスタ21により求めた温度により補正し、金属酸化物半導体膜6の温度補正済の抵抗値を求める。なお実施例で使用する抵抗値は、温度補正済の抵抗値である。
プロセスP3では空気中の抵抗値Rairを学習し、金属酸化物半導体膜6の抵抗値の1日内の最大値を過去30日分記憶する。図7の点はこれらのデータを示し、上位3データと下位3データを除いた24点のデータの平均値を求める。この平均値と空気中の抵抗値Rairとして記憶している値とを比較し、差が3%以内であれば、平均値を新しい空気中の抵抗値Rairとして記憶する。差が3%を越えている場合、現在記憶している空気中の抵抗値Rairを±3%変更する。空気中の抵抗値Rairの学習方法は任意であるが、過去1週間以上で3ヶ月以内の期間のデータを反映させ、徐々に変更することが好ましい。
プロセスP4では、学習した空気中の抵抗値Rairを感度の初期値S0で割った値以下に金属酸化物半導体膜6の抵抗値が低下した場合、フロンガスの発生(多くの場合空調機器、冷凍機器からの冷媒のリーク)を検出する。
プロセスP5で、ガスセンサ4からガスセンサ5への切替を行う。学習期間を例えば30日とし、この間ガスセンサ4によるフロンガスの検出を続行し、プロセスP3と同様にしてガスセンサ5での空気中の抵抗値を学習する。そして30日間のデータから上位3点と下位3点を削除し、残りの24点のデータを平均したものを、ガスセンサ5での空気中の抵抗値とする。
学習期間が終了すると、ガスセンサ4を例えば停止させ、ガスセンサ5による検出と、空気中の抵抗値の学習を行う。そしてガス検出装置2の積算使用期間が例えば15年に達すると、検出装置2が寿命に達したことを出力する。
ガスセンサの変形例
図8,図9に、変形例での次に用いるガスセンサ45,55を示す。待機中に、ガスセンサのフィルタ16にシロキサン等の被毒ガス、フロンガス、有機溶媒等が蓄積することがある。次のガスセンサの動作を開始した際に、ガスセンサのヒータ膜7からの熱により、これらのガスが脱離し、金属酸化物半導体膜6に接触し、ガスセンサの動作が不安定になる可能性がある。そこで待機中にフィルタ16を50℃~150℃等に例えば連続的に加熱し、フィルタ16へのシロキサン等のガスの吸着を抑制する。あるいは次のガスセンサ45,55へ切り替える前に、次のガスセンサ45,55のフィルタ16を例えば100℃~200℃等に例えば1時間~1日加熱し、シロキサン等のガスを脱離させる。そしてシロキサン等のガスが充分脱離した後に、次のガスセンサ45,55の動作を実施例と同様に開始する。他の点では、実施例と同様である。
図8のガスセンサ45では、リング状のヒータ46を、ガスセンサ45のキャップ15(例えば金属、セラミック等の耐熱性のキャップ)の外周で、かつフィルタ16を囲む位置に取り付ける。ヒータ46は、例えば合成樹脂のリングにヒータ用の巻線を固定したものである。
図9のガスセンサ55では、ガスセンサ55の周囲にアルミニウム等の金属ブロック58を設け、金属ブロック58内にヒータ56が設ける。なおガスセンサ55のキャップ15は、例えば金属あるいはセラミック製で、耐熱性がある。ヒータ56からの熱はガスセンサ55全体を加熱し、フィルタ16と基板8の双方を加熱する。
変形例1
図10,図11に警報濃度以上のフロンガスを検出すると、ガスセンサ4,5のヒータをオフするようにした変形例を示す。警報濃度はフロンガスのリークを外部へ出力する濃度で、例えばフロン5000ppmである。マイクロコンピュータ60は、新たにヒータ制御部61を備え、警報濃度以上のフロンガスを検出した際に、動作しているガスセンサのヒータをオフする。他の点では、マイクロコンピュータ60は図1のマイクロコンピュータ30と同様である。
図11の(A)に示すように、動作しているガスセンサの抵抗値(金属酸化物半導体膜6の抵抗値)が警報閾値以下に低下すると、遅延時間Dをおいて外部へ出力する(B)。そしてガスセンサのヒータをオフし、所定時間(例えば5分間)毎に、例えば30秒ずつヒータを動作させ(C)、ガスセンサの抵抗値が回復したかどうかを検出する(A)。抵抗値が低いままの場合、再度ヒータを所定時間オフし、次いで抵抗値が回復したかどうかを確認する(C)。そしてガスセンサの抵抗値が回復すると、ガスセンサを通常の動作温度に戻す。
このようにすると、高濃度のフロンガスとの接触により金属酸化物半導体膜6の抵抗値が変動することを防止できる。なおヒータをオフすることに限らず、金属酸化物半導体膜6の温度を例えば100℃以上、好ましくは200℃以上低下させればよい。
変形例2
図12,図13は、金属酸化物半導体膜6の抵抗値の減少率からフロンガスのリークを検出する変形例を示す。実施例では、ガスセンサからの出力は、学習済みの空気中の抵抗値と測定した抵抗値Rgasとの比Rair/Rgasである。Rair/Rgasの対数はガスセンサの出力の変化率で、以下では変化率の正負の符号を無視して説明する。変化率が所定値以上の時間が例えば10秒等の所定時間以上続き、かつガスセンサの出力が警報閾値よりも低濃度側の補助の閾値(Rair/Rgasが例えばフロン3000ppm相当)よりも高濃度側であると、フロンガスのリークが生じている可能性が高い。そこでこれらの条件が充たされる場合に外部へ出力する。すると、本来の警報濃度である5000ppmに達する前に、フロンガスのリークを検出できる。
用いるマイクロコンピュータ70は変化率検出部71を備え、例えばRair/Rgasの対数の変化を検出する。この変化は単純な差分、あるいは平滑化した差分等により、検出できる。他の点では、マイクロコンピュータ70は図1のマイクロコンピュータ30と同様である。
2 ガス検出装置
4,5 ガスセンサ
6 金属酸化物半導体膜
7 ヒータ膜
8 基板
9,10 電極
11 リード
12 ベース
13 ピン
15 キャップ
16 フィルタ
17 金網
18 支持リング
21 サーミスタ
20,22 負荷抵抗
23,24 スイッチ
30 マイクロコンピュータ
31 ドライブ
32 A/Dコンバータ
33 タイマ
34 メモリ
35 学習部
36 切替部
37 検出部
38 初期設定部
39 出力部
45,55 ガスセンサ
46,56 ヒータ
58 金属ブロック
60 マイクロコンピュータ
61 ヒータ制御部
70 マイクロコンピュータ
71 変化率検出部
D 遅延時間

Claims (8)

  1. ガスとの接触により抵抗値が変化する金属酸化物半導体とヒータを備えるガスセンサを複数個と、前記複数個のガスセンサを動作させる付帯回路を備え、
    前記付帯回路は、
    ガスセンサを動作させている時間をカウントするタイマ手段と、
    前記金属酸化物半導体の、空気中での初期的な抵抗値と、所定濃度の検出対象ガスを含む雰囲気中での初期的な抵抗値との比に対応する値を、ガスセンサ毎に記憶する記憶手段と、
    動作しているガスセンサでの、前記金属酸化物半導体の空気中の抵抗値を学習するための学習手段と、
    動作しているガスセンサでの、学習手段で学習した空気中の抵抗値を前記比で割ったものに対応する値よりも、前記金属酸化物半導体の抵抗値が低くなった際に、検出対象ガスの発生を出力する検出手段とを備え、
    前記付帯回路は、最初のガスセンサを所定時間動作させた際に、次のガスセンサと最初のガスセンサを学習期間の間共に動作させ、最初のガスセンサにより検出対象ガスの検出を続行すると共に、学習手段により次のガスセンサでの前記金属酸化物半導体の空気中の抵抗値を学習し、
    学習期間が終了すると、次のガスセンサにより検出対象ガスを検出するように構成されている、複数のガスセンサを備えるガス検出装置。
  2. 検出対象ガスはフロンガスであることを特徴とする、請求項1の複数のガスセンサを備えるガス検出装置。
  3. 前記学習期間は1週間以上で3ヶ月以下であることを特徴とする、請求項2の複数のガスセンサを備えるガス検出装置。
  4. 前記付帯回路は、前記次のガスセンサのヒータに、前記最初のガスセンサよりも小さな電力を加えるように構成されていることを特徴とする、請求項2または3の複数のガスセンサを備えるガス検出装置。
  5. 前記付帯回路は、動作しているガスセンサを所定の動作温度で動作させると共に、動作しているガスセンサが所定濃度以上のフロンガスを検出すると、外部へフロンガスのリークを出力すると共に、動作しているガスセンサの温度を動作温度から低下させるように構成されていることを特徴とする、請求項2の複数のガスセンサを備えるガス検出装置。
  6. 前記付帯回路は、動作温度から温度を低下させたガスセンサの温度を間欠的に動作温度に戻し、フロンガス濃度が低下したか否かを検出するように構成されていることを特徴とする、請求項5の複数のガスセンサを備えるガス検出装置。
  7. 前記付帯回路は、動作しているガスセンサでの抵抗値の時間当たりの減少率、及び学習した空気中での抵抗値との抵抗値の比の双方から、フロンガスのリークを検出するように構成されていることを特徴とする、請求項2の複数のガスセンサを備えるガス検出装置。
  8. ガスとの接触により抵抗値が変化する金属酸化物半導体とヒータとを備えるガスセンサを複数用いると共に、
    前記複数のガスセンサを付帯回路により動作させ、
    前記付帯回路により、
    ガスセンサを動作させている時間をカウントし、
    前記金属酸化物半導体の、空気中での初期的な抵抗値と、所定濃度の検出対象ガスを含む雰囲気中での初期的な抵抗値との比に対応する値を、ガスセンサ毎に記憶し、
    動作しているガスセンサでの、前記金属酸化物半導体の空気中の抵抗値を学習し、
    動作しているガスセンサでの、学習手段で学習した空気中の抵抗値を前記比で割ったものに対応する値よりも、前記金属酸化物半導体の抵抗値が低くなった際に、検出対象ガスの発生を出力し、
    前記付帯回路は、最初のガスセンサを所定時間動作させた際に、次のガスセンサと最初のガスセンサを学習期間の間共に動作させ、最初のガスセンサにより検出対象ガスの検出を続行すると共に、学習手段により次のガスセンサでの前記金属酸化物半導体の空気中の抵抗値を学習し、
    学習期間が終了すると、次のガスセンサにより検出対象ガスを検出する、複数のガスセンサを備えるガス検出方法。
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