JP5319027B2 - ガス検知装置およびガス検知方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ガスとの接触により電気的特性が変化する、ガス検知層、および前記ガス検知層を加熱可能なヒータ層を有するセンサ素子を用いて、ガスを検知するガス検知装置およびガス検知方法に関する。
一般的にガスセンサは、ガス検知装置などに用いられており、特定のガス、例えば、CO(一酸化炭素)、CH(メタンガス)、C(プロパンガス)、CHOH(メタノール蒸気)などに対して選択的に感応するように構成されている。このようなガスセンサについては、その性格上、高感度、高選択性、高応答性、高信頼性、および低消費電力が要求されている。
また、ガスセンサを用いたガス検知装置のうち、家庭用のガス漏れ警報器には、都市ガス用やプロパンガス用の可燃性ガスの検知を目的としたもの、燃焼機器の不完全燃焼ガスの検知を目的としたもの、またはこれら両方の機能を合わせ持つものなどが存在している。しかしながら、いずれのガス漏れ警報器についても高いコストや設置の難易性の問題から広く普及していない。このようなガス漏れ警報器が広く普及するためには、特に、設置性を改善することが望まれている。このような要望に応じるためには、駆動源に電池を用いるとともにコードレス化を図ることによって、コンパクトなガスセンサを提供することが考えられる。駆動源に電池を用いる場合、ガスセンサを低消費電力化することが特に重要となる。しかしながら、接触燃焼式や半導体式のガスセンサは、400℃〜500℃の高温に加熱された状態でガスを検知する。そのため、高温状態を維持するために多くの電力を消費する必要があり、このことがガスセンサを低消費電力化する上で問題となっている。
そこで、特許文献1には、間欠駆動する薄膜ガスセンサ1が開示されている。図1に示すように、この薄膜ガスセンサ1においては、Si基板2が設けられ、Si基板2には貫通孔2aが設けられている。この貫通孔2aの開口を覆うようにSi基板2上全体に熱絶縁支持層3が配設されている。熱絶縁支持層3の構成については、Si基板2上全体に熱酸化SiO層3aが配設され、熱酸化SiO層3a上全体にCVD−Si層3bが配設され、CVD−Si層3b上全体にCVD−SiO層3cが配設されている。
さらに、熱絶縁支持層3上の中央部にはヒータ層4が配設され、熱絶縁支持層3全体およびヒータ層4を覆うように電気絶縁層5が配設されている。電気絶縁層5上の中央部にはガス検知層6が配設されている。ガス検知層6の構成については、電気絶縁層5上の中央部に一対の接合層6aが配設され、一対の接合層6a上にそれぞれ感知層電極6bが配設され、一対の感知層電極6bの間を結ぶように電気絶縁層5上に感知層6cが配設されている。さらに、電気絶縁層5上には感知層電極6bおよび感知層6cを覆うように選択燃焼層6dが配設されている。そのため、特許文献1の薄膜ガスセンサは微細加工プロセスを用いたダイヤフラム構造などにより、高断熱性・低熱容量性に優れている。
この薄膜ガスセンサ1において行なわれるヒータ層4の間欠駆動については、例えば、CH、Cなどの可燃性ガスを検出する場合、ヒータ層4の温度を400℃〜500℃の高温とするように、50ms〜500msの一定時間ヒータ層4に電圧を印加して通電し(High状態)、感知層電極6bにより感知層6cの抵抗値を測定し、その抵抗値の変化からCH、Cなどの可燃性ガス濃度を検出している。高温下にある選択燃焼層6dにおいて、CO、H(水素)などの還元性ガスその他の雑ガスを燃焼させることによって、不活性なCH、Cなどの可燃性ガスが、選択燃焼層6dを透過して拡散するとともに、感知層6cに到達して感知層6cのSnOと反応する結果、SnOの抵抗値が変化するので、このことを利用して、ガス機器などのガス漏れ時に発生するCH、Cなどの可燃性ガスの濃度を検出している。さらに、ヒータ層4に電圧を印加せずに通電しない状態(オフ状態)を一定時間設定している。このような間欠駆動は、High−Off駆動と呼ばれ、High状態およびOff状態を所定の周期(例えば、60秒周期)で繰り返される。
また、不完全燃焼時に発生するCOを検知する場合、一旦、ヒータ層4の温度を400℃〜500℃の高温状態とするように、50ms〜500msの一定時間ヒータ層4に電圧を印加して通電し(High状態)、薄膜ガスセンサ1のクリーニングを行った後に、ヒータ層4の温度を約100℃の低温状態に降温するように電圧を印加して通電し(Low状態)、この低温状態でCOを検知する。このとき、CO感度および選択性が高くなることが知られている。さらに、ヒータ層4に電圧を印加せずに通電しない状態(オフ状態)を一定時間設定している。このような間欠駆動は、High−Low−Off駆動と呼ばれ、High状態、Low状態、およびOff状態を所定の周期(例えば、150秒周期)で繰り返される。
さらに、Low状態においてCO検知を行なうとともに、High状態において薄膜ガスセンサ1のクリーニングに加えてメタン検知も行うことによって、1つの薄膜ガスセンサ1においてメタンおよびCOの両方を検知可能なものも存在している。
特開2005−164566号公報
しかしながら、上述の間欠駆動においてヒータ層4がオフ状態の間は、ヒータ層4の温度が周囲の温度まで降温している。そのため、薄膜ガスセンサ1は周囲の温湿度の影響を受け易くなっている。特に、急激な周囲の温湿度変化による影響を受けた場合、ガス検知層6を含んだ薄膜ガスセンサ1全体が結露するおそれがある。薄膜ガスセンサ1が結露した場合、薄膜ガスセンサ1における各要素の抵抗が大幅に低下し、誤ってガス漏れ警報を発するおそれある。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、設置し易いコンパクトな構造を維持し、かつ低消費電力化を図るとともに、結露した水分を十分に除去可能とすることによって、誤検知を防止して、精度の高いガス検知を可能とするガス検知装置およびガス検知方法を提供することにある。
課題を解決するために本発明のガス検知装置における一態様は、ガスとの接触により電気的特性が変化する、ガス検知層、および前記ガス検知層を加熱可能なヒータ層を有するセンサ素子と、前記ガス検知層を加熱するために、前記ヒータ層に所定の周期で間欠的に電圧を印加して所定の通電時間通電するヒータ制御部と、前記ヒータ層により加熱された前記ガス検知層の電気的特性に基づいてガスを検知するガス検知部とを備えるガス検知装置であって、前記ガス検知層の結露を検知するための結露検知部が設けられ、前記結露検知部が前記ガス検知層の結露を検知した場合、前記ヒータ層への通電時間を前記所定の通電時間より長くするか、または前記ヒータ層に通電する周期を前記所定の周期より短くするように制御する構成となっている。
この場合、本発明のガス検知装置における一態様は、以下のように構成されていると好ましい。
(1)前記結露検知部は、前記所定の通電時間内に一定となった前記ヒータ層の温度を測定して、前記測定したヒータ層の温度が所定の温度以下である場合に、前記ガス検知層の結露を検知するように構成されているか、または
(2)前記結露検知部は、前記所定の通電時間内における所定の時間に前記ヒータ層の温度を測定して、前記測定したヒータ層の温度と前記ヒータ層の加熱目標温度との比である温度応答性が所定の割合以下である場合に、前記ガス検知層の結露を検知するように構成されている。
さらに、前記結露検知部は、前記ヒータ層の抵抗値を測定するように構成されており、前記所定の時間内に測定した前記ヒータ層の抵抗値と、予め求めておいた前記ヒータ層の抵抗温度係数、基準温度、および前記基準温度における前記ヒータ層の抵抗値とから前記ヒータ層の温度を算出することによって、前記ヒータ層の温度を測定するように構成されていると好ましい。
また、課題を解決するために本発明のガス検知装置における別の一態様は、ガスとの接触により電気的特性が変化する、ガス検知層、および前記ガス検知層を加熱可能なヒータ層を有するセンサ素子と、前記ガス検知層を加熱するために、前記ヒータ層に所定の周期で間欠的に電圧を印加して所定の通電時間通電するヒータ制御部と、前記ヒータ層により加熱された前記ガス検知層の電気的特性に基づいてガスを検知するガス検知部とを備えている、ガス検知装置であって、前記ヒータ層による前記ガス検知層の加熱後に前記ガス検知層に残った水分を検知する水分検知部が設けられ、前記水分検知部が前記ガス検知層に残った水分を検知した場合、前記ヒータ層への通電時間を前記所定の通電時間より長くするか、または前記ヒータ層に通電する周期を前記所定の周期より短くするように制御する構成となっている。
この場合、本発明のガス検知装置における別の一態様は、以下のように構成されていると好ましい。
前記水分検知部は、前記所定の通電時間内における所定の時間に前記ヒータ層の温度を測定して、前記測定したヒータ層の温度と前記ヒータ層の加熱目標温度との比である温度応答性が所定の割合以下である場合に、前記ガス検知層に残った水分を検知するように構成されている。
さらに、前記水分検知部は、前記ヒータ層の抵抗値を測定するように構成されており、前記所定の時間内に測定した前記ヒータ層の抵抗値と、予め求めておいた前記ヒータ層の抵抗温度係数、基準温度、および前記基準温度における前記ヒータ層の抵抗値とから前記ヒータ層の温度を算出することによって、前記ヒータ層の温度を測定するように構成されていると好ましい。
課題を解決するために本発明のガス検知方法における一態様は、ガスとの接触により電気的特性が変化する、ガス検知層、および前記ガス検知層を加熱可能なヒータ層を有するセンサ素子を用い、前記ヒータ層に所定の周期で間欠的に電圧を印加して所定の通電時間通電することによって前記ガス検知層を加熱した状態で、前記ガス検知層の電気的特性に基づきガスを検知するガス検知方法において、前記ガス検知層の結露を検知するステップと、前記ガス検知層の結露を検知した場合、前記ヒータ層への通電時間を前記所定の通電時間より長くするか、または前記ヒータ層に通電する周期を前記所定の周期より短くするステップとを含む。
この場合、本発明のガス検知方法における一態様は、以下のようになっていると好ましい。
(1)前記ガス検知層の結露を検知するステップが、前記所定の通電時間内に一定となった前記ヒータ層の温度を測定するステップと、前記測定したヒータ層の温度が所定の温度以下である場合に、前記ガス検知層の結露を検知するステップとを含むか、または、
(2)前記ガス検知層の結露を検知するステップが、前記所定の通電時間内における前記ヒータ層の温度が所定の時間に前記ヒータ層の温度を測定するステップと、前記測定したヒータ層の温度と前記ヒータ層の加熱目標温度との比である温度応答性が、所定の割合以下である場合に、前記ガス検知層の結露を検知するステップとを含む。
さらに、前記ヒータ層の温度を測定するステップは、通電状態の前記ヒータ層の抵抗値を測定するステップと、前記測定した前記ヒータ層の抵抗値、並びに予め求めておいた前記ヒータ層の抵抗温度係数、基準温度、および前記基準温度における前記ヒータ層の抵抗値から前記ヒータ層の温度を算出するステップとを含むと好ましい。
また、課題を解決するために本発明のガス検知方法における別の一態様は、ガスとの接触により電気的特性が変化する、ガス検知層、および前記ガス検知層を加熱可能なヒータ層を有するセンサ素子を用い、前記ヒータ層に所定の周期で間欠的に電圧を印加して所定の通電時間通電することによって前記ガス検知層を加熱した状態で、前記ガス検知層の電気的特性に基づきガスを検知するガス検知方法において、前記ヒータ層による前記ガス検知層の加熱後に前記ガス検知層に残った水分を検知するステップと、前記ガス検知層に残った水分を検知した場合、前記ヒータ層への通電時間を前記所定の通電時間より長くするか、または前記ヒータ層に通電する周期を前記所定の周期より短くするステップとを含む。
この場合、本発明のガス検知方法における別の一態様は、以下のようになっていると好ましい。
前記ガス検知層に残った水分を検知するステップが、前記所定の通電時間内における前記ヒータ層の温度が所定の時間に前記ヒータ層の温度を測定するステップと、前記測定したヒータ層の温度と前記ヒータ層の加熱目標温度との比である温度応答性が、所定の割合以下である場合に、前記ガス検知層に残った水分を検知するステップとを含む。
さらに、前記ヒータ層の温度を測定するステップは、前記所定の時間内に前記ヒータ層の抵抗値を測定するステップと、測定した前記ヒータ層の抵抗値、並びに予め求めておいた前記ヒータ層の抵抗温度係数、基準温度、および前記基準温度における前記ヒータ層の抵抗値から前記ヒータ層の温度を算出するステップとを含むと好ましい。
本発明のガス検知装置における一態様によれば、以下の効果を得ることができる。
本発明のガス検知装置は、ガスとの接触により電気的特性が変化する、ガス検知層、および前記ガス検知層を加熱可能なヒータ層を有するセンサ素子と、前記ガス検知層を加熱するために、前記ヒータ層に所定の周期で間欠的に電圧を印加して所定の通電時間通電するヒータ制御部と、前記ヒータ層により加熱された前記ガス検知層の電気的特性に基づいてガスを検知するガス検知部とを備えるガス検知装置であって、前記ガス検知層の結露を検知するための結露検知部が設けられ、前記結露検知部が前記ガス検知層の結露を検知した場合、前記ヒータ層への通電時間を前記所定の通電時間より長くするか、または前記ヒータ層に通電する周期を前記所定の周期より短くするように制御する構成となっている。
そのため、一定時間内において、前記ヒータ層への通電時間が結露検知前よりも増加することによって、前記ガス検知層を加熱する時間が増加する。従って、前記センサ素子に結露により付着した水分が早期に十分蒸発することとなり、前記センサ素子が、結露した状態から正常な状態に早期に復帰できる。よって、前記ヒータ層への電圧印加を間欠的なものとして低消費電力化を図りながら、誤検知を防止して、ガス検知の精度を高めることができる。
さらに本発明のガス検知装置における一態様によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)前記結露検知部は、前記所定の通電時間内に一定となった前記ヒータ層の温度を測定して、前記測定したヒータ層の温度が所定の温度以下である場合に、前記ガス検知層の結露を検知するように構成されているか、または、
(2)前記結露検知部は、前記所定の通電時間内における所定の時間に前記ヒータ層の温度を測定して、前記測定したヒータ層の温度と前記ヒータ層の加熱目標温度との比である温度応答性が所定の割合以下である場合に、前記ガス検知層の結露を検知するように構成されている。
さらに、前記結露検知部は、前記ヒータ層の抵抗値を測定するように構成されており、前記所定の時間内に測定した前記ヒータ層の抵抗値と、予め求めておいた前記ヒータ層の抵抗温度係数、基準温度、および前記基準温度における前記ヒータ層の抵抗値とから前記ヒータ層の温度を算出することによって、前記ヒータ層の温度を測定するように構成されている。
そのため、結露を検知するための結露センサや温度センサなどが不要となり、前記センサ素子およびガス検知装置は、部品点数増加により大型化することなく設置し易いコンパクトな構造を維持しながら、前記ヒータ層への電圧印加を間欠的なものとして低消費電力化を図り、かつ誤検知を防止して、ガス検知の精度を高めることができる。
また、本発明のガス検知装置における別の一態様によれば、以下の効果を得ることができる。
本発明のガス検知装置は、ガスとの接触により電気的特性が変化する、ガス検知層、および前記ガス検知層を加熱可能なヒータ層を有するセンサ素子と、前記ガス検知層を加熱するために、前記ヒータ層に所定の周期で間欠的に電圧を印加して所定の通電時間通電するヒータ制御部と、前記ヒータ層により加熱された前記ガス検知層の電気的特性に基づいてガスを検知するガス検知部とを備えている、ガス検知装置であって、前記ヒータ層による前記ガス検知層の加熱後に前記ガス検知層に残った水分を検知する水分検知部が設けられ、前記水分検知部が前記ガス検知層に残った水分を検知した場合、前記ヒータ層への通電時間を前記所定の通電時間より長くするか、または前記ヒータ層に通電する周期を前記所定の周期より短くするように制御する構成となっている。
そのため、一定時間内において、前記ヒータ層への通電時間が、余剰水分検知前よりも増加することによって、前記ガス検知層を加熱する時間が増加する。従って、前記センサ素子に付着した余剰水分が早期に十分蒸発することとなり、前記センサ素子が、余剰水分の付着するような高湿度環境に対応して、正常な状態に早期に復帰できる。よって、前記ヒータ層への電圧印加を間欠的なものとして低消費電力化を図りながら、誤検知を防止して、ガス検知の精度を高めることができる。
さらに本発明のガス検知装置における別の一態様によれば、以下の効果を得ることができる。
前記水分検知部は、前記所定の通電時間内における所定の時間に前記ヒータ層の温度を測定して、前記測定したヒータ層の温度と前記ヒータ層の加熱目標温度との比である温度応答性が所定の割合以下である場合に、前記ガス検知層に残った水分を検知するように構成されている。
さらに、前記水分検知部は、前記ヒータ層の抵抗値を測定するように構成されており、前記所定の時間内に測定した前記ヒータ層の抵抗値と、予め求めておいた前記ヒータ層の抵抗温度係数、基準温度、および前記基準温度における前記ヒータ層の抵抗値とから前記ヒータ層の温度を算出することによって、前記ヒータ層の温度を測定するように構成されていると好ましい。
そのため、前記ヒータ層の抵抗値を測定して、かつ前記ヒータ層の温度を測定することによって、余剰水分の検知を行なうので、余剰水分を検知するための水分センサや温度センサなどが不要となり、前記センサ素子および前記ガス検知装置は、部品点数増加により大型化することなく設置し易いコンパクトな構造を維持しながら、前記ヒータ層への電圧印加を間欠的なものとして低消費電力化を図り、かつ誤検知を防止して、ガス検知の精度を高めることができる
本発明のガス検知方法における一態様によれば、以下の効果を得ることができる。
本発明のガス検知方法は、ガスとの接触により電気的特性が変化する、ガス検知層、および前記ガス検知層を加熱可能なヒータ層を有するセンサ素子を用い、前記ヒータ層に所定の周期で間欠的に電圧を印加して所定の通電時間通電することによって前記ガス検知層を加熱した状態で、前記ガス検知層の電気的特性に基づきガスを検知するガス検知方法において、前記ガス検知層の結露を検知するステップと、前記ガス検知層の結露を検知した場合、前記ヒータ層への通電時間を前記所定の通電時間より長くするか、または前記ヒータ層に通電する周期を前記所定の周期より短くするステップとを含む。
そのため、一定時間内において、前記ヒータ層への通電時間が結露検知前よりも増加することによって、前記ガス検知層を加熱する時間が増加する。従って、前記センサ素子に結露により付着した水分が早期に十分蒸発することとなり、前記センサ素子が、結露した状態から正常な状態に早期に復帰できる。よって、前記ヒータ層への電圧印加を間欠的なものとして低消費電力化を図りながら、誤検知を防止して、ガス検知の精度を高めることができる。
さらに本発明のガス検知方法における一態様によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)前記ガス検知層の結露を検知するステップが、前記所定の通電時間内に一定となった前記ヒータ層の温度を測定するステップと、前記測定したヒータ層の温度が所定の温度以下である場合に、前記ガス検知層の結露を検知するステップとを含むか、または、
(2)前記ガス検知層の結露を検知するステップが、前記所定の通電時間内における前記ヒータ層の温度が所定の時間に前記ヒータ層の温度を測定するステップと、前記測定したヒータ層の温度と前記ヒータ層の加熱目標温度との比である温度応答性が、所定の割合以下である場合に、前記ガス検知層の結露を検知するステップとを含む。
さらに、前記ヒータ層の温度を測定するステップは、前記所定の時間内に前記ヒータ層の抵抗値を測定するステップと、測定した前記ヒータ層の抵抗値、並びに予め求めておいた前記ヒータ層の抵抗温度係数、基準温度、および前記基準温度における前記ヒータ層の抵抗値から前記ヒータ層の温度を算出するステップとを含む。
そのため、前記センサ素子は、前記ヒータ層の温度や抵抗値を測定するというシンプルな方法によって、早期かつ確実に結露を検知して結露を除去することができるとともに、前記ヒータ層への電圧印加を間欠的なものとして低消費電力化を図りながら、誤検知を防止して、ガス検知の精度を高めることができる。
また、本発明のガス検知方法における別の一態様によれば、以下の効果を得ることができる。
本発明のガス検知方法は、ガスとの接触により電気的特性が変化する、ガス検知層、および前記ガス検知層を加熱可能なヒータ層を有するセンサ素子を用い、前記ヒータ層に所定の周期で間欠的に電圧を印加して所定の通電時間通電することによって前記ガス検知層を加熱した状態で、前記ガス検知層の電気的特性に基づきガスを検知するガス検知方法において、前記ヒータ層による前記ガス検知層の加熱後に前記ガス検知層に残った水分を検知するステップと、前記ガス検知層に残った水分を検知した場合、前記ヒータ層への通電時間を前記所定の通電時間より長くするか、または前記ヒータ層に通電する周期を前記所定の周期より短くするステップとを含む。
そのため、一定時間内において、前記ヒータ層への通電時間が、余剰水分検知前よりも増加することによって、前記ガス検知層を加熱する時間が増加する。従って、前記センサ素子に付着した余剰水分が早期に十分蒸発することとなり、前記センサ素子が、余剰水分の付着するような高湿度環境に対応して、正常な状態に早期に復帰できる。よって、前記ヒータ層への電圧印加を間欠的なものとして低消費電力化を図りながら、誤検知を防止して、ガス検知の精度を高めることができる。
さらに本発明のガス検知方法における別の一態様によれば、以下の効果を得ることができる。
前記ガス検知層に残った水分を検知するステップが、前記所定の通電時間内における前記ヒータ層の温度が所定の時間に前記ヒータ層の温度を測定するステップと、前記測定したヒータ層の温度と前記ヒータ層の加熱目標温度との比である温度応答性が、所定の割合以下である場合に、前記ガス検知層に残った水分を検知するステップとを含む。
さらに、前記ヒータ層の温度を測定するステップは、前記所定の時間内に前記ヒータ層の抵抗値を測定するステップと、測定した前記ヒータ層の抵抗値、並びに予め求めておいた前記ヒータ層の抵抗温度係数、基準温度、および前記基準温度における前記ヒータ層の抵抗値から前記ヒータ層の温度を算出するステップとを含むと好ましい。
そのため、前記センサ素子は、前記ヒータ層の温度や抵抗値を測定するというシンプルな方法によって、早期かつ確実に余剰水分を検知して余剰水分を除去することができるとともに、前記ヒータ層への電圧印加を間欠的なものとして低消費電力化を図りながら、誤検知を防止して、ガス検知の精度を高めることができる
本発明の第1実施形態における薄膜ガスセンサの概略を示す断面図である。 本発明の第1実施形態におけるガス検知装置のブロック図である。 本発明の第1実施形態において、ヒータ層に間欠的に印加する電圧を表すグラフを示した図である。 薄膜ガスセンサを外部から加熱する温度とヒータ層の抵抗値との関係を表すグラフを示した図である。 本発明の第1実施形態におけるガス検知のフローチャートを示す図である。 本発明の第2実施形態におけるガス検知のフローチャートを示す図である。 実施例1において、ヒータ層に通電する時間とヒータ層の温度との関係を表すグラフを示した図である。 実施例1において、ヒータ層に通電する時間と薄膜ガスセンサの抵抗値との関係を表すグラフを示した図である。 比較例において、ヒータ層に通電する時間とヒータ層の温度との関係を表すグラフを示した図である。 比較例において、ヒータ層に通電する時間とヒータ層の温度応答性との関係を表すグラフを示した図である。 比較例において、ヒータ層に通電する時間と薄膜ガスセンサの抵抗値との関係を表すグラフを示した図である。 本発明の第3実施形態におけるガス検知のフローチャートを示す図である。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態におけるガス検知装置およびガス検知方法について以下に説明する。図1は、本発明の第1実施形態のガス検知装置およびガス検知方法において用いられるセンサ素子である薄膜ガスセンサ1の概略を示す断面図である。薄膜ガスセンサ1は、図1に示すように、Si基板2と、熱絶縁支持層3と、ヒータ層4と、電気絶縁層5と、ガス検知層6とを備えている。Si基板2には、貫通孔2aが設けられている。熱絶縁支持層3は、熱酸化SiO層3aと、CVD−Si層3bと、CVD−SiO層3cとを備えている。ガス検知層6は、接合層6aと、感知層電極6bと、感知層6cと、選択燃焼層6dとを備えている。なお、Si基板2はシリコンウェハーから構成され、ヒータ層4はガス検知層6を加熱可能に構成され、ガス検知層6は、例えば、CO、CH、C、CHOHなどに対して選択的に感応した場合に電気的特性が変化するように、構成されている。
このような薄膜ガスセンサ1の製造方法の一例を説明する。Si基板2の表面および裏面に、熱酸化SiO層3aを形成する。次に、熱酸化SiO層3a上に、CVD−Si層3bと、CVD−SiO層3cとを順次プラズマCVD法により形成する。
さらに、ヒータ層4と、SiOから成る電気絶縁層5とを順次スパッタ法により形成する。次に、ガス検知層6を形成するため、電気絶縁層5の上に、接合層6aと、感知層電極6bと、SbをドープしたSnOから成る感知層6cとを順次スパッタ法により形成する。第1実施形態では一例として、スパッタ法による成膜には、RFマグネトロンスパッタリング装置が用いられると好ましい。成膜条件については、例えば、TaまたはTiから成る接合層6aと、PtまたはAuから成る感知層電極6bとの場合では、Arガス圧力を1Paとし、基板温度を300℃とし、RFパワーを2W/cmとし、接合層6aと感知層電極6bとの厚さをそれぞれ500Åと2000Åとすると好ましい。
感知層6cを十分に覆うように、選択燃焼層6dをスクリーン印刷法により塗布し、その後、500℃の温度下で1時間以上焼成を行なう。選択燃焼層6dは、AlにPdを触媒として担持した焼結材から構成されている。次に、Si基板2の裏面からエッチングによりシリコンを除去し、貫通孔2aを形成する。なお、ここで説明した薄膜ガスセンサ1の製造方法は、一例であり、その他の製造方法を用いることも可能である。
薄膜ガスセンサ1を備えるガス検知装置の構成を説明する。図2は、本発明の第1実施形態におけるガス検知装置の構成の概略を示すブロック図である。図2を参照すると、ガス検知装置には、マイコン制御回路7が設けられており、マイコン制御回路7は、ガス検知装置の全体を制御するように構成されている。ガス検知装置には、薄膜ガスセンサ1のヒータ層4に接続されたヒータ制御回路8が設けられ、このヒータ制御回路8はマイコン制御回路7に接続されている。ガス検知装置には、マイコン制御回路7およびヒータ制御回路8に接続された電源回路9が設けられており、ガス検知装置は電源回路9によって動作するように構成されている。電源回路9の一例としては、乾電池や充電池などの消耗電池が用いられるとよい。電源回路9の他の例としては、商用電源および定電圧回路により構成されてもよい。
ヒータ制御回路8においては、電源回路9から供給される電圧が、薄膜ガスセンサ1全体を駆動するためのセンサ電圧とヒータ層4を加熱するためのヒータ電圧とに変換するように構成されている。図3に示すように、時間tとヒータ層4に印加する電圧Vとの関係については、マイコン制御回路7に含まれるヒータ制御部7aは、ヒータ層4の温度を上げてガス検知層6を加熱するように、時間tの周期で、時間tの間ヒータ層4に電圧Vを印加して通電することを繰り返するように構成されており、ヒータ層4には間欠的に通電がされることとなる。一例として、時間tを60s〜150sとし、時間tを50ms〜500msとすることが考えられる。
再び図2を参照すると、ガス検知装置には、薄膜ガスセンサ1のヒータ層4に接続された結露検知回路10が設けられ、この結露検知回路10はマイコン制御回路7に接続され、薄膜ガスセンサ1、特にガス検知層6が結露した場合、結露はマイコン制御回路7に含まれる結露検知部7bによって検知される構成となっている。ここでは一例として、結露検知回路10がヒータ層4に接続されたシャント抵抗(図示せず)を備えており、結露検知部7bがシャント抵抗の両端電圧を測定するように構成されている。結露検知回路10には、シャント抵抗の両端電圧に関するアナログ信号をデジタル信号に変換して結露検知部7bに送るために、A/D変換回路(図示せず)が設けられている。マイコン制御回路7において、結露検知部7bからヒータ制御部7aに結露を検知したことを伝えることができるように構成されている。
ここで、結露検知回路10により測定されたヒータ抵抗の抵抗値をRとした場合、ヒータ層4について基準となる温度を基準温度T(℃)とし、基準温度Tにおけるヒータ抵抗の基準抵抗値R(Ω)とし、ヒータ層4の抵抗温度係数をα(1/℃)とすると、ヒータ層4の温度T(℃)は、
T=(R/R−1)/α+T ・・・(1)
によって算出される。抵抗温度係数α、基準温度Tにおける基準抵抗値Rは、予め求めた数値である。
抵抗温度係数αを予め求める方法として、薄膜ガスセンサ1を高温炉に入れ、高温炉の温度を上昇させて、ヒータ層4の抵抗値の変化を測定する。このとき、測定した抵抗値と温度との関係を図4のグラフに示す。図4に示すように、複数のヒータ層4のサンプルに関して、約0℃〜約500℃の温度範囲でヒータ層4の抵抗値はそれぞれ線形的に変化している。これら複数のヒータ層4のサンプルにおける傾きの平均を抵抗温度係数αとする。また、基準温度Tにおける基準抵抗値Rは、図4のグラフから予め読み取る。
例えば、抵抗温度係数αおよび基準抵抗値Rは、1枚のシリコンウェハーを用いて作製される複数の薄膜センサ1においては、各薄膜センサ1間のバラツキが少ないので、同様の数値を用いてもよい。さらに、抵抗温度係数αおよび基準抵抗値Rは、薄膜センサ1の製造ロット毎に、同様の数値を用いてもよい。
結露検知部7bは、ヒータ層4に通電する時間t内に一定となった温度Tを測定し、この温度Tが結露検知温度T以下となった場合に、ガス検知層6の結露を検知して、結露を検知したことをヒータ制御部7aに伝えるように構成されている。一例として、結露検知温度Tは、ヒータ層4を加熱する目標温度である加熱目標温度Tを400℃〜500℃の範囲とした場合において、誤差などを考慮してTに対して−5℃〜0℃の範囲とすることが考えられる。
再び図2を参照すると、ガス検知装置には、薄膜ガスセンサ1のガス検知層6に接続されたガス検知回路11が設けられている。ガス検知回路11は、マイコン制御回路7に含まれる都市ガス検知部7cとCOガス検知部7dとにそれぞれ接続されている。都市ガス検知部7cは、ガス検知層6の電気的特性に基づいて、例えば、都市ガスに含まれるCH(メタンガス)などを検知可能に構成されている。COガス検知部7dもまた、ガス検知層6の電気的特性に基づいて、CO(一酸化炭素)を検知可能に構成されている。ガス検知層6によりガスが検知された場合、ガス検知層6から発せられる信号はアナログ信号となっている。そのため、ガス検知回路11には、このアナログ信号をデジタル信号に変換して、都市ガス検知部7cおよびCOガス検知部7dに送るために、A/D変換回路(図示せず)が設けられている。
ガス検知装置には、ガスを検知した場合に視覚的に警報を表示するための警報表示回路12が設けられており、警報表示回路12は、ランプなどの警報表示部(図示せず)を備えている。この警報表示回路12は、マイコン制御回路7に含まれる表示制御部7eに接続されている。ガス検知装置には、ガスを検知した場合に聴覚的に警報を出力するための警報音出力回路13が設けられており、警報音出力回路13は、スピーカなどの警報を音声として出力する警報音出力部(図示せず)を備えている。この警報音出力回路13は、マイコン制御回路7に含まれる警報音制御部7fに接続されている。
ガス検知装置には、ガスを検知した場合に電気的な外部出力をするための外部出力回路14が設けられており、外部出力回路14は、外部の機器に信号などの電気的な外部出力を送ることができるように構成されている。この外部出力回路14は、マイコン制御回路7に含まれる外部出力制御部7gに接続されている。さらに、ガス検知装置には、マイコン制御回路7に接続された外部記憶回路15が設けられている。この外部記憶回路15には、結露の水分除去およびガス検知に用いられる閾値および設定値、並びに、ガスを検知して警報を発したときのデータなどの履歴を記憶可能に構成されている。
なお、マイコン制御回路7は、マイクロコンピュータなどのCPUおよびその周辺回路によって構成されている。ヒータ制御部7aと、結露検知部7bと、都市ガス検知手段7cと、COガス検知部7dと、表示制御部7eと、警報音制御部7fと、外部出力制御部7gとは、ハードウェアまたはソフトウェアによって構成されている。
本発明の第1実施形態におけるガス検知方法を、図5を参照して説明する。
図5に示すフローチャートのように、ガス検知層6を加熱するように時間tの間ヒータ層4に電圧を印加して通電し(S1)、このような通電状態で、ヒータ層4の抵抗値Rを測定して、式(1)によりヒータ層4の温度Tを計算により測定する(S2)。次に、ヒータ層4の温度Tが結露検知温度T以下であるか否かを判断する(S3)。温度Tが結露検知温度Tより大きい場合、異常なしと判断して(S4)、再びヒータ層4に時間tの間、電圧を印加して通電する(S1)。一方で、ヒータ層4温度Tが結露検知温度T以下であった場合、ガス検知層6が結露したと判断して(S5)、ヒータ層4に通電をする時間を長くして時間t’(>t)とし(S6)、時間t’の間ヒータ層4に通電した状態で、ヒータ層4の抵抗値Rを測定して、ヒータ層4の温度Tを計算により測定する(S2)。
以上のように本発明の第1実施形態によれば、結露を検知した場合に、ヒータ層4に電圧を印加して通電する通電時間tを長くするので、一定時間内において、ヒータ層4への通電時間が結露検知前よりも増加することによって、ガス検知層6を加熱する時間が増加する。従って、薄膜ガスセンサ1に結露により付着した水分が早期に十分蒸発することとなり、薄膜ガスセンサ1が、結露した状態から正常な状態に早期に復帰できる。よって、ヒータ層4への電圧印加を間欠的なものとして低消費電力化を図りながら、誤検知を防止して、ガス検知の精度を高めることができる。
本発明の第1実施形態によれば、ヒータ層4の抵抗値Rを測定して、かつヒータ層4の温度Tを測定することによって、結露の検知を行なうので、結露を検知するための結露センサや温度センサなどが不要となり、薄膜ガスセンサ1およびガス検知装置は、部品点数増加により大型化することなく設置し易いコンパクトな構造を維持しながら、ヒータ層4への電圧印加を間欠的なものとして低消費電力化を図り、かつ誤検知を防止して、ガス検知の精度を高めることができる。
本発明の第1実施形態によれば、薄膜ガスセンサ1は、ヒータ層4の温度や抵抗値を測定するというシンプルな方法によって、早期かつ確実に結露を検知して結露を除去することができるとともに、ヒータ層4への電圧印加を間欠的なものとして低消費電力化を図りながら、誤検知を防止して、ガス検知の精度を高めることができる。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態のガス検知装置およびガス検知方法について以下に説明する。第2実施形態のガス検知装置およびガス検知方法の基本的な構成は、第1実施形態のガス検知装置の構成と同様になっている。第1実施形態と同様な要素は、第1実施形態と同様の符号および名称を用いて説明する。ここでは、第1実施形態と異なる構成について説明する。
再び図2を参照すると、結露検知部7bは、ヒータ層4に通電する時間t内で、所定の時間t(0<t<t)におけるヒータ層4の温度Tを測定する。このヒータ層4の温度Tとヒータ層4の加熱目標温度Tとの比である温度応答性A(=T/T)が、結露検知温度応答性A以下である場合に、ガス検知層6の結露を検知して、結露を検知したことをヒータ制御部7aに伝えるように構成されている。一例として、ヒータ層4に通電する周期の時間tを60s〜150sとし、ヒータ層4に通電する時間tを50ms〜500msとした場合に、温度応答性Aを測定する時間tを時間tの中間の値とし、ヒータ層4の温度上昇中の過渡状態にあるヒータ層4の温度応答性Aを測定することが考えられ、さらに、加熱目標温度Tを400℃〜500℃の範囲として、結露検知温度応答性Aについては誤差などを考慮して95%〜100%とすることが考えられる。
本発明の第2実施形態におけるガス検知方法を、図6を参照して説明する。
図6に示すフローチャートのように、ガス検知層6を加熱するように時間tの間ヒータ層4に電圧を印加して通電し(S11)、このような通電状態で、ヒータ層4の抵抗値Rを測定して、式(1)によりヒータ層4の温度Tを計算により測定し、この温度Tと加熱目標温度Tとの比である温度応答性Aを計算により測定する(S12)。次に、この温度応答性Aが結露検知温度応答性A以下であるか否かを判断する(S13)。温度応答性Aが結露検知温度応答性Aより大きい場合、異常なしと判断して(S14)、再びヒータ層4に時間tの間、電圧を印加して通電する(S11)。一方で、温度応答性Aが結露検知温度応答性A以下であった場合、ガス検知層6が結露したと判断して(S15)、ヒータ層4に通電をする時間を長くして時間t’(>t)とし(S16)、時間t’の間ヒータ層4に通電した状態で、ヒータ層4の抵抗値Rを測定して、ヒータ層4の温度Tを計算により測定し、この温度Tと加熱目標温度Tとの比である温度応答性Aを計算により測定する(S12)。
以上のように本発明の第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果が得られる。
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態のガス検知装置およびガス検知方法について以下に説明する。第3実施形態のガス検知装置およびガス検知方法の基本的な構成は、第1実施形態のガス検知装置の構成と同様になっている。第1実施形態と同様な要素は、第1実施形態と同様の符号および名称を用いて説明する。ここでは、第1実施形態と異なる構成について説明する。
図1に示された感知層6cが、多孔質構造または柱状構造に構成されており、感知層6cの比表面積が増加し、感知層6cと検知対象のガスとの接触面積が増加している。また、選択燃焼層6dでは、貴金属触媒(例えば、Pd)が、非検知対象のガスを効率よく燃焼除去するために、担体として多孔質体のγ−Alなどを用いて担持されており、この多孔質体には、数nm〜数μmの直径を有する多数の細孔が設けられている。このような細孔には、下記の式(2)に基づく毛管凝縮によって水が吸着されることとなる。なお、式(2)は「Kelvinの式」であり、式(2)では、毛管の半径をr(m)とし、表面張力をγ(N/m)とし、液体(吸着する水)の分子量をM(mol)とし、毛管壁と液体との接触角度をθ(度)とし、液体の比重をρ(kg/m)とし、気体定数をRgas(J/mol・K)とし、絶対温度をT(K)とし、蒸気圧と飽和蒸気圧との相対圧をP/Pとする。
Figure 0005319027
また、図2に示された結露検知部7bの代わりに水分検知部が設けられている。水分検知部は、ヒータ層4に通電する時間t内に一定となった温度Tを測定し、この温度Tが高湿度検知温度T以下となった場合に、ガス検知層6が、通常の駆動状態よりも高湿度な環境にあることを検知して、高湿度環境を検知したことをヒータ制御部7aに伝えるように構成されている。一例として、高湿度検知温度Tは、ヒータ層4を加熱する目標温度である加熱目標温度Tを400℃〜500℃の範囲とした場合において、誤差などを考慮してTに対して−15℃〜0℃の範囲とすることが考えられる。
さらに、結露検知回路10の代わりに水分検知回路が設けられている。この水分検知回路の基本的な構成は、結露検知回路10と同様になっており、水分検知回路におけるヒータ層4の温度T(℃)の算出方法もまた、結露検知回路10と同様になっている。水分検知回路は、マイコン制御回路7において、水分検知部からヒータ制御部7aに高湿度環境を検知したことを伝えることができるように構成されている。
ここで、通常の駆動環境においては、ヒータ層4に通電していない時(以下、「ヒータ・オフ時」という)には選択燃焼層6dの細孔に水が吸着し、ヒータ層4に通電している時(以下、「ヒータ・オン時」という)には選択燃焼層6dの細孔に吸着した水が離脱して、この離脱した水は蒸発により除去される。そのため、このような吸着した水が、薄膜ガスセンサ1の特性に影響を及ぼさない。しかしながら、高湿度環境においては、ヒータ・オフ時に選択燃焼層6dの細孔に吸着する水の量が増加し、ヒータ・オン時に選択燃焼層6dの細孔から離脱する水が、蒸発により十分に除去されずに残って、このようなヒータ・オフ時の動作とヒータ・オン時の動作との繰り返しによって、この残った水分(以下、「余剰水分」という)が蓄積することとなる。
本発明の第3実施形態におけるガス検知方法を、図12を参照して説明する。
図12に示すフローチャートのように、ガス検知層6を加熱するように時間tの間ヒータ層4に電圧を印加して通電し(S21)、このような通電状態で、ヒータ層4の抵抗値Rを測定して、式(1)によりヒータ層4の温度Tを計算により測定し、この温度Tと加熱目標温度Tとの比である温度応答性Aを計算により測定する(S22)。次に、この温度応答性Aが高湿度検知温度応答性A以下であるか否かを判断する(S23)。温度応答性Aが高湿度検知温度応答性Aより大きい場合、選択燃焼層6dの細孔に吸着していた水が蒸発により除去され、異常なし(通常の駆動環境)と判断して(S24)、再びヒータ層4に時間tの間、電圧を印加して通電する(S21)。一方で、温度応答性Aが高湿度検知温度応答性A以下であった場合、選択燃焼層6dの細孔に吸着していた水が蒸発により十分に除去されておらず、余剰水分が存在し、高湿度環境であると判断して(S25)、ヒータ層4に通電をする時間を長くして時間t’(>t)とし(S26)、時間t’の間ヒータ層4に通電した状態で、ヒータ層4の抵抗値Rを測定して、ヒータ層4の温度Tを計算により測定し、この温度Tと加熱目標温度Tとの比である温度応答性Aを計算により測定する(S22)。
以上のように本発明の第3実施形態によれば、高湿度環境下のようにヒータ層4による加熱後にガス検知層6の余剰水分を検知した場合に、ヒータ層4に電圧を印加して通電する通電時間tを長くするので、一定時間内において、ヒータ層4への通電時間が、余剰水分検知前よりも増加することによって、ガス検知層6を加熱する時間が増加する。従って、薄膜ガスセンサ1に付着した余剰水分が早期に十分蒸発することとなり、薄膜ガスセンサ1が、余剰水分の付着するような高湿度環境に対応して、正常な状態に早期に復帰できる。よって、ヒータ層4への電圧印加を間欠的なものとして低消費電力化を図りながら、誤検知を防止して、ガス検知の精度を高めることができる。
本発明の第3実施形態によれば、ヒータ層4の抵抗値Rを測定して、かつヒータ層4の温度Tを測定することによって、余剰水分の検知を行なうので、余剰水分を検知するための水分センサや温度センサなどが不要となり、薄膜ガスセンサ1およびガス検知装置は、部品点数増加により大型化することなく設置し易いコンパクトな構造を維持しながら、ヒータ層4への電圧印加を間欠的なものとして低消費電力化を図り、かつ誤検知を防止して、ガス検知の精度を高めることができる。
本発明の第3実施形態によれば、薄膜ガスセンサ1は、ヒータ層4の温度や抵抗値を測定するというシンプルな方法によって、早期かつ確実に余剰水分を検知して余剰水分を除去することができるとともに、ヒータ層4への電圧印加を間欠的なものとして低消費電力化を図りながら、誤検知を防止して、ガス検知の精度を高めることができる。
ここまで本発明の実施形態について述べたが、本発明は既述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形および変更が可能である。
例えば、本発明の実施形態における変形例として、第1実施形態および第2実施形態において、結露を検知した場合に、ヒータ層4に通電する時間tを時間t’に長くする代わりに、ヒータ層4に通電する周期の時間tを短くして時間t’(<t)としてもよい。本発明の第1実施形態および第2実施形態と同様の効果が得られる。
[実施例1]
本発明の第1実施形態および第2実施形態のガス検知装置およびガス検知方法について、実施例1を説明する。
結露を検知前の状態において、ヒータ層4に通電する周期の時間tを60s(秒)とし、薄膜ガスセンサ1のヒータ層4に通電する時間tを100msとし、結露検知温度Tを395℃とし、加熱目標温度Tを400℃とする。結露を検知した場合においてヒータ層4に通電する時間t’を10sとする。なお、結露を検知する手段および方法は、第1実施形態および第2実施形態における手段および方法のいずれでもよい。
実施例1におけるヒータ層4に通電する時間とヒータ層4の温度との関係を、図7を参照しながら説明する。結露発生直後におけるヒータ層4の温度Tは、一点鎖線Bで示すように、結露発生状態で通電を開始してから20ms以降において100℃付近で一定となっている。しかしながら、ヒータ層4に時間t’通電した直後におけるヒータ層4の温度Tは、点線Cで示すように400℃付近に復帰しており、実線Dで示した結露の発生していない通常状態と同様になっている。これは、結露した水分が蒸発したことによるものと考えられる。
実施例1におけるヒータ層4に通電する時間と薄膜ガスセンサ1の抵抗値Wとの関係を、図8を参照しながら説明する。結露発生直後における薄膜ガスセンサ1の抵抗値Wは、一点鎖線Bで示すように、結露発生状態で通電を開始してから20ms以降において、1E+3Ω(1×10Ω)付近で一定となっている。しかしながら、ヒータ層4に時間t’通電した直後における薄膜ガスセンサ1の抵抗値Wは、点線Cで示すように1E+5Ω〜1E+6Ω(1×10Ω〜1×10Ω)の間の値に復帰しており、実線Dで示した結露の発生していない通常状態と同様になっている。
[実施例2]
本発明の第1実施形態および第2実施形態におけるガス検知装置およびガス検知方法の実施例2を説明する。
結露を検知前の状態において、ヒータ層4に通電する周期の時間tを60s(秒)とし、薄膜ガスセンサ1のヒータ層4に通電する時間tを100msとし、結露検知温度Tを395℃とし、加熱目標温度Tを400℃とする。結露を検知した場合においてヒータ層4に通電する周期の時間t’を1sとする。なお、結露を検知する手段および方法は、第1実施形態および第2実施形態における手段および方法のいずれでもよい。このようなガス検知装置およびガス検知方法において、時間t’を1sとした周期による通電を40s間繰り返した後に、実施例1と同様の結果が得られることとなった。
[比較例]
ガス検知装置およびガス検知方法の比較例を説明する。
比較例においては、常に、薄膜ガスセンサ1のヒータ層4に通電する時間tを100msとし、駆動周期tを60sとする。
比較例におけるヒータ層4に通電する時間とヒータ層4の温度との関係を、図9を参照しながら説明する。結露発生直後におけるヒータ層4の温度Tは、一点鎖線Eで示すように、結露発生状態で通電を開始してから20ms以降において100℃付近で一定となっている。結露発生後30min(分)経過時におけるヒータ層4の温度Tは、破線Fで示すように、結露発生直後と同様になっている。この要因は、ヒータ層4の熱が結露した水分の蒸発に費やされていることによると考えられる。結露発生後35min経過時におけるヒータ層4の温度Tは、二点鎖線Gで示すように、通電を開始してから50msでも、結露の発生していない通常状態のように400℃付近に上昇していない。結露発生後40min経過時におけるヒータ層4の温度Tは、点線Hで示すように、通電を開始してから50msで、400℃付近に復帰しており、実線Iで示した結露の発生していない通常状態と同様になっている。これは、結露した水分が蒸発したことによるものと考えられる。
比較例におけるヒータ層4に通電する時間とヒータ層4の温度応答性Aとの関係もまた、図10に示すように、ヒータ層4に通電する時間とヒータ層4の温度との関係と同様になっている。図10においては、結露発生直後の状態を一点鎖線Eで示し、結露発生後30min経過時の状態を破線Fで示し、結露発生後35min経過時の状態を二点鎖線Gで示し、結露発生後40min経過時の状態を点線Hで示し、結露の発生していない通常状態を実線Iで示す。
比較例におけるヒータ層4に通電する時間と薄膜ガスセンサ1の抵抗値Wとの関係を、図11を参照しながら説明する。
結露発生直後における薄膜ガスセンサ1の抵抗値Wは、一点鎖線Eで示すように、結露発生状態で通電を開始してから20ms以降において、ガス検知抵抗値W以下の範囲で、1E+3Ω(1×10Ω)付近で一定となっている。結露発生後30min経過時における薄膜ガスセンサ1の抵抗値Wは、破線Fで示すように、結露発生直後と同様になっている。結露発生後35min経過時における薄膜ガスセンサ1の抵抗値Wは、二点鎖線Gで示すように、1E+4Ω〜1E+5Ω(1×10Ω〜1×10Ω)となっており、ガス漏れ警報の閾値であるガス検知抵抗値Wに近い値となっている。結露発生後40min経過時における薄膜ガスセンサ1の抵抗値Wは、点線Hで示すように、1E+5Ω〜1E+6Ω(1×10Ω〜1×10Ω)の間の値に復帰しており、実線Iで示した結露の発生していない通常状態と同様になっている。
以上のように、実施例1、実施例2および比較例を対比すると、実施例1および実施例2においては、結露が短時間で蒸発するため、ガス検知層6の抵抗値Wが比較例のようにガス漏れの警報の閾値であるガス検知抵抗値Wに近い値で検出され難くなっている。よって、ガス漏れの誤警報を発し難くなっている。
1 薄膜ガスセンサ
4 ヒータ層
6 ガス検知層
7a ヒータ制御部
7b 結露検知部
7c 都市ガス検知部
7d COガス検知部
t,t,t’,t,t’,t 時間
V,V 電圧
T 温度
基準温度
結露検知温度
,T 加熱目標温度
高湿度検知温度
R 抵抗値
基準抵抗値
W 抵抗値
ガス検知抵抗値
A 温度応答性
結露検知温度応答性
高湿度検知温度応答性
α 抵抗温度係数
毛管の半径
γ 表面張力
M 液体(吸着する水)の分子量
θ 毛管壁と液体との接触角度
ρ 液体(吸着する水)の比重
gas 気体定数
絶対温度
P/P 蒸気圧と飽和蒸気圧との相対圧
,B 一点鎖線
,C 点線
,D 実線
〜E 一点鎖線
〜F 破線
〜G 二点鎖線
〜H 点線
〜I 実線

Claims (14)

  1. ガスとの接触により電気的特性が変化する、ガス検知層、および前記ガス検知層を加熱可能なヒータ層を有するセンサ素子と、
    前記ガス検知層を加熱するために、前記ヒータ層に所定の周期で間欠的に電圧を印加して所定の通電時間通電するヒータ制御部と、
    前記ヒータ層により加熱された前記ガス検知層の電気的特性に基づいてガスを検知するガス検知部と
    を備えているガス検知装置であって、
    前記ガス検知層の結露を検知するための結露検知部が設けられ、
    前記結露検知部が前記ガス検知層の結露を検知した場合、前記ヒータ層への通電時間を前記所定の通電時間より長くするか、または前記ヒータ層に通電する周期を前記所定の周期より短くするように制御する構成となっている、ガス検知装置。
  2. 前記結露検知部は、前記所定の通電時間内に一定となった前記ヒータ層の温度を測定して、前記測定したヒータ層の温度が所定の温度以下である場合に、前記ガス検知層の結露を検知するように構成されている、請求項1に記載のガス検知装置。
  3. 前記結露検知部は、前記所定の通電時間内における所定の時間に前記ヒータ層の温度を測定して、前記測定したヒータ層の温度と前記ヒータ層の加熱目標温度との比である温度応答性が所定の割合以下である場合に、前記ガス検知層の結露を検知するように構成されている、請求項1に記載のガス検知装置。
  4. 前記結露検知部は、前記ヒータ層の抵抗値を測定するように構成されており、前記所定の時間内に測定した前記ヒータ層の抵抗値と、予め求めておいた前記ヒータ層の抵抗温度係数、基準温度、および前記基準温度における前記ヒータ層の抵抗値とから前記ヒータ層の温度を算出することによって、前記ヒータ層の温度を測定するように構成されている、請求項2または3に記載のガス検知装置。
  5. ガスとの接触により電気的特性が変化する、ガス検知層、および前記ガス検知層を加熱可能なヒータ層を有するセンサ素子と、
    前記ガス検知層を加熱するために、前記ヒータ層に所定の周期で間欠的に電圧を印加して所定の通電時間通電するヒータ制御部と、
    前記ヒータ層により加熱された前記ガス検知層の電気的特性に基づいてガスを検知するガス検知部と
    を備えているガス検知装置であって、
    前記ヒータ層による前記ガス検知層の加熱後に前記ガス検知層に残った水分を検知する水分検知部が設けられ、
    前記水分検知部が前記ガス検知層に残った水分を検知した場合、前記ヒータ層への通電時間を前記所定の通電時間より長くするか、または前記ヒータ層に通電する周期を前記所定の周期より短くするように制御する構成となっている、ガス検知装置。
  6. 前記水分検知部は、前記所定の通電時間内における所定の時間に前記ヒータ層の温度を測定して、前記測定したヒータ層の温度と前記ヒータ層の加熱目標温度との比である温度応答性が所定の割合以下である場合に、前記ガス検知層に残った水分を検知するように構成されている、請求項5に記載のガス検知装置。
  7. 前記水分検知部は、前記ヒータ層の抵抗値を測定するように構成されており、前記所定の時間内に測定した前記ヒータ層の抵抗値と、予め求めておいた前記ヒータ層の抵抗温度係数、基準温度、および前記基準温度における前記ヒータ層の抵抗値とから前記ヒータ層の温度を算出することによって、前記ヒータ層の温度を測定するように構成されている、請求項6に記載のガス検知装置。
  8. ガスとの接触により電気的特性が変化する、ガス検知層、および前記ガス検知層を加熱可能なヒータ層を有するセンサ素子を用い、前記ヒータ層に所定の周期で間欠的に電圧を印加して所定の通電時間通電することによって前記ガス検知層を加熱した状態で、前記ガス検知層の電気的特性に基づきガスを検知するガス検知方法において、
    前記ガス検知層の結露を検知するステップと、
    前記ガス検知層の結露を検知した場合、前記ヒータ層への通電時間を前記所定の通電時間より長くするか、または前記ヒータ層に通電する周期を前記所定の周期より短くするステップと
    を含むガス検知方法。
  9. 前記ガス検知層の結露を検知するステップが、前記所定の通電時間内に一定となった前記ヒータ層の温度を測定するステップと、前記測定したヒータ層の温度が所定の温度以下である場合に、前記ガス検知層の結露を検知するステップとを含む、請求項8に記載のガス検知方法。
  10. 前記ガス検知層の結露を検知するステップが、前記所定の通電時間内における前記ヒータ層の温度が所定の時間に前記ヒータ層の温度を測定するステップと、前記測定したヒータ層の温度と前記ヒータ層の加熱目標温度との比である温度応答性が、所定の割合以下である場合に、前記ガス検知層の結露を検知するステップとを含む、請求項8に記載のガス検知方法。
  11. 前記ヒータ層の温度を測定するステップは、前記所定の時間内に前記ヒータ層の抵抗値を測定するステップと、測定した前記ヒータ層の抵抗値、並びに予め求めておいた前記ヒータ層の抵抗温度係数、基準温度、および前記基準温度における前記ヒータ層の抵抗値から前記ヒータ層の温度を算出するステップとを含む、請求項9または10に記載のガス検知方法。
  12. ガスとの接触により電気的特性が変化する、ガス検知層、および前記ガス検知層を加熱可能なヒータ層を有するセンサ素子を用い、前記ヒータ層に所定の周期で間欠的に電圧を印加して所定の通電時間通電することによって前記ガス検知層を加熱した状態で、前記ガス検知層の電気的特性に基づきガスを検知するガス検知方法において、
    前記ヒータ層による前記ガス検知層の加熱後に前記ガス検知層に残った水分を検知するステップと、
    前記ガス検知層に残った水分を検知した場合、前記ヒータ層への通電時間を前記所定の通電時間より長くするか、または前記ヒータ層に通電する周期を前記所定の周期より短くするステップと
    を含むガス検知方法。
  13. 前記ガス検知層に残った水分を検知するステップが、前記所定の通電時間内における前記ヒータ層の温度が所定の時間に前記ヒータ層の温度を測定するステップと、前記測定したヒータ層の温度と前記ヒータ層の加熱目標温度との比である温度応答性が、所定の割合以下である場合に、前記ガス検知層に残った水分を検知するステップとを含む、請求項12に記載のガス検知方法。
  14. 前記ヒータ層の温度を測定するステップは、前記所定の時間内に前記ヒータ層の抵抗値を測定するステップと、測定した前記ヒータ層の抵抗値、並びに予め求めておいた前記ヒータ層の抵抗温度係数、基準温度、および前記基準温度における前記ヒータ層の抵抗値から前記ヒータ層の温度を算出するステップとを含む、請求項13に記載のガス検知方法。
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