JP6347537B2 - ガス検出装置とガス検出方法 - Google Patents

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Description

この発明は、MEMSタイプの金属酸化物半導体ガスセンサによる、ガスの検出に関する。
金属酸化物半導体ガスセンサの出力は絶対湿度に依存することが知られている。またMEMSタイプの金属酸化物半導体ガスセンサは、高湿雰囲気中で高抵抗化することが知られている(特許文献1:JP2007-279061)。そして絶対湿度への依存性をある程度補正し、かつ湿度センサによるコスト増を避けるため、相対湿度を一定と仮定して、周囲温度によりガスセンサの出力を補正することが行われている。このため、湿度センサを別個に設けること無しに、金属酸化物半導体ガスセンサ自体から、湿度に関する情報を取り出すことが出来れば便利である。
特許文献2(JP5319027)では、MEMSタイプの金属酸化物半導体ガスセンサをパルス的に加熱し、ヒータの抵抗値から、パルス加熱により到達した定常温度を求める。例えばヒータはPtの薄膜ヒータであり、その抵抗温度係数からヒータの温度を求めることができる。そして金属酸化物半導体ガスセンサが結露すると、パルス加熱で到達する定常温度が低くなるので、結露を検出できる。
JP2007-279061 JP5319027
この発明の課題は、湿度センサを別個に設けること無しに、MEMSタイプの金属酸化物半導体ガスセンサへの湿度の影響を補正することにある。
この発明は、Siチップの空洞部上の絶縁膜に、測温抵抗体としての薄膜状のヒータと、金属酸化物半導体膜とを設けた、MEMSタイプの金属酸化物半導体ガスセンサを有するガス検出装置において、
抵抗と、
ヒータ電流が電源からヒータと前記抵抗とを介してアースへ流れる状態と、ヒータ電流が前記抵抗を通らずに電源からヒータを介してアースへ流れる状態との間で、ヒータ電流の経路を切り換えるスイッチを備え、
前記ガスセンサは常時は室温に放置されて、ヒータ電流により間欠的に加熱され、
ヒータ電流が電源からヒータを介してアースへ流れるようにスイッチをセットした際の、金属酸化物半導体の抵抗値からガスを検出するガス検出部と、
ヒータ電流が電源からヒータと前記抵抗とを介してアースへ流れるようにスイッチをセットし、ヒータ電流を流す際の、定常温度に達するよりも前の昇温過程でのヒータ電流から、湿度を検出する湿度検出部をさらに備えていることを特徴とする。
この発明はまた、Siチップの空洞部上の絶縁膜に、薄膜状の測温抵抗体としてのヒータと、金属酸化物半導体膜とを設けた、MEMSタイプの金属酸化物半導体ガスセンサを、マイクロコンピュータにより駆動するガス検出方法において、
前記ガスセンサは常時は室温に放置されて、ヒータ電流により間欠的に加熱され、
前記マイクロコンピュータにより、スイッチを制御することにより、ヒータ電流が電源からヒータと抵抗とを介してアースへ流れる状態と、ヒータ電流が前記抵抗を通らずに電源からヒータを介してアースへ流れる状態との間で、ヒータ電流の経路を切り換え、
前記マイクロコンピュータにより、ヒータ電流が電源からヒータを介してアースへ流れるようにスイッチをセットした際の、金属酸化物半導体の抵抗値からガスを検出し、かつヒータ電流が電源からヒータと抵抗とを介してアースへ流れる状態で、ヒータ電流をオンした際の、定常温度に達するよりも前の昇温過程でのヒータ電流から湿度を検出することを特徴とする。
金属酸化物半導体は室温で水蒸気を吸着し、ヒータ電流を加えると、吸着水は蒸発する。またスイッチの切り換えにより、湿度の測定時に抵抗を経由してヒータ電流が流れ、ガスの検出時には抵抗を経由せずにヒータ電流が流れるようにする。そしてヒータ電流を小さくして吸着水の蒸発速度を小さくすると、相対湿度の変化による吸着水の量の変化がヒータ温度の変化として表れる。このため結露に到る前の湿度の程度を、例えば中低湿と高湿との2段階に判別できる。抵抗に加わる電圧、あるいはヒータに加わる電圧等を測定すると、ヒータの抵抗値等が分かり、ヒータはPt薄膜等で、所定の抵抗温度係数を備えている。そして吸着水の量による昇温速度の差を、ヒータ電流から検出する。なおヒータ電流を検出することには、ヒータ電流が所定値に達するまでの時間を測定する、ヒータ電流の変化率を測定する等のことも含まれる。この発明では、ガスセンサのヒータを用いて、湿度を検出できる。
ヒータの温度が50℃以上250℃以下の時点で、ヒータ電流から湿度を検出すると、中低湿と、高湿とを確実に判別できる。特に、ヒータの温度が60℃以上100℃以下の時点で、ヒータ電流から湿度を検出すると、低湿/中湿/高湿の3段階に湿度を判別できる。
前記のヒータ電流の値は周囲温度の影響を受ける。従って、周囲温度を測定するための手段を設けて、昇温過程でのヒータ電流と周囲温度とから、相対湿度を求めることが好ましい。
湿度を検出する場合に、ガスを検出する場合と、電源から同じ電圧を、同じデューテイ比で、直列に接続したヒータと前記抵抗に加え、前記抵抗によりヒータ電流を制限することにより、ヒータの昇温を遅らせることが好ましい。なおデューテイ比は100%としても良い。このようにすると、ガスの検出と湿度の検出とで、電源の電圧を同じに出来、デューテイ比も同じにできる。
この発明はガス警報装置に応用できる。MEMSタイプの金属酸化物半導体ガスセンサには、高湿中に長期間置かれると、抵抗値が増加するとの問題がある。そこで、ヒータ電流から求めた湿度により、高湿雰囲気が長期間続いたことを検出する。そして高湿雰囲気が長期間続き、かつ空気中での金属酸化物半導体の抵抗値が増加している場合に、ガス濃度が警報濃度以上か否かを判別するための、金属酸化物半導体の抵抗値への閾値を補正する。この閾値は抵抗値として表現されていても、電気伝導度等として表現されていても良い。
呼気中のアルコール、アセトン、アセトアルデヒド等を測定する用途では、呼気の吹きかけを確認するため圧力センサが用いられている。これに対して、昇温過程でのヒータ電流から、昇温前にセンサが置かれていた湿度を求めると、呼気の吹きかけの有無を判別できる。
実施例のガス検出装置のブロック図 MEMSガスセンサの構成を示す図 実施例でのマイクロコンピュータのブロック図 実施例でのヒータのon/off波形を示す図 実施例での湿度検出アルゴリズムを示すフローチャート 代替の湿度検出アルゴリズムを示すフローチャート 実施例での警報レベルの補正アルゴリズムを示すフローチャート 周囲温度10℃、相対湿度88%及び50%で、定常温度220℃へ加熱した際の、検出電圧を示す図 周囲温度35℃、相対湿度48%-90%で、定常温度240℃へ加熱した際の、検出電圧を示す図 周囲温度25℃、相対湿度32%〜90%で、定常温度150℃へ加熱した際の、検出電圧を示す図 周囲温度25℃、相対湿度32%〜90%で、定常温度100℃へ加熱した際の、検出電圧を示す図 周囲温度25℃、相対湿度35%〜90%で、定常温度80℃へ加熱した際の、検出電圧を示す図 実施例での湿度の検出方法を示す図 室温から250℃へ昇温させた際の金属酸化物半導体の抵抗値を示す図 呼気の吹きかけの有無による、定常温度80℃へ加熱した際の検出電圧を示す図 湿度によるガスセンサ出力への補正を示す図 変形例でのヒータの制御パターンを示す波形図で、1)はスイッチT1のon/offを、2)はスイッチT3のon/offを、3)はヒータ温度を示す。
以下に本発明を実施するための最適実施例を示す。
図1〜図16に実施例とその変形とを示す。図1はガス検出装置を示し、E1は電池等の電源で、1次電池でも2次電池でも良く、T1〜T3はトランジスタ等のスイッチである。SはMEMSタイプの金属酸化物半導体ガスセンサで、4はそのヒータで、例えば測温抵抗体兼用のPt薄膜から成り、5はSnO2等の金属酸化物半導体で、例えば厚膜である。RLは金属酸化物半導体5の負荷抵抗、R1はヒータ4の抵抗値を検出するための抵抗で、スイッチT3をオフするとヒータ電流は抵抗R1を流れて、抵抗R1に加わる電圧から、ヒータ4の抵抗値を求める。Thは周囲温度検出用のサーミスタであるが、ヒータ4で代用できる。例えば、ヒータ4に0.1m秒幅等の極く短いパルスを加えて周囲温度を検出する、あるいは100m秒幅等のパルスを加え、その初期でのヒータ4の抵抗値から周囲温度を検出する、等でも良い。R2は抵抗、μ1はマイクロコンピュータである。なおヒータ4をアース側に、抵抗R1を高電位側に配置しても良い。
図2はMEMSタイプの金属酸化物半導体ガスセンサS(以下「ガスセンサS」)の構成を示し、Siチップ1の空洞部2上に設けた架橋部3上に、Pt薄膜ヒータ4,層間絶縁膜6,電極7,7、及び厚膜の金属酸化物半導体5とを配置する。架橋部3はダイアフラム等でも良く、架橋部3とダイアフラムとを、空洞部2上の絶縁膜と呼ぶ。さらに金属酸化物半導体5を薄膜として、その上部に酸化触媒の厚膜を積層しても良い。またSnO2以外にIn2O3,WO3等でも良い。金属酸化物半導体5へ導入する雰囲気を、活性炭、ゼオライト等のフィルタFで処理し、被毒物質を除去すると共に、フィルタFよりも下流側(金属酸化物半導体5側)での相対湿度を一定に近づける。フィルタFは無くても良い。
図3はマイクロコンピュータμ1を示し、12はヒータドライブで、トランジスタT1,T3をonすることにより、ヒータ電圧VHを加える。そしてトランジスタT1をonし、トランジスタT3をoffすることにより、ヒータ4と抵抗R1との直列片に同じヒータ電圧VHを加える。Vcドライブ14は、適宜のタイミングで、例えばトランジスタT1,T3をonするパルスの最終期等に、トランジスタT2をonし、検出電圧Vcを加える。ADコンバータ16は、負荷抵抗RLに加わる電圧VRL、抵抗R1に加わる電圧VH1、抵抗R2に加わる電圧VR2をAD変換する。湿度検出部18は、電圧VH1の波形により、必要に応じて周囲温度の情報を電圧VH1の波形の情報に加えて相対湿度を求め、必要に応じて相対湿度と電圧VR2により絶対湿度を求める。
基準値更新部20は、空気中での金属酸化物半導体5の抵抗値の挙動と、相対湿度の長期平均とにより、基準値を更新する。長期平均は例えば1日〜1月程度の期間の平均で、平均は文字通りの加算平均以外に、次の式による処理等を含み、平均化する期間での湿度の平均的な値を表す量で有ればよい。
AVG・RHnew=AVG・RHold×(1−α)+α×RH (1)
ここにAVG・RHnewは新しい相対湿度の平均値、AVG・RHoldは古い相対湿度の平均値、RHは相対湿度の測定値、αは正の定数で例えば1/4096、1/256、1/64、1/16、1/4等である。さらに長期平均として、湿度のメジアン(中央値)、最頻値等を用いても良い。また低湿/中湿/高湿の3段階に湿度を分類し、これらの頻度を求めて、最大頻度のものを「長期平均」としても良い。この場合、長期平均の値は低湿/中湿/高湿の3種類である。基準値を更新する間隔は例えば30秒以上1日以下で、間隔が短い場合、例えば前記のαを小さくし、所望の期間に渡る平均となるようにする。
警報レベル発生部22は、サーミスタThにより求めた周囲温度、及び相対湿度の測定値により、基準値更新部20で更新した基準値をさらに補正して、警報レベルに換算する。基準値更新の過程で、長期的な水蒸気の影響は補正済みで、ここでの相対湿度は長期平均ではなく、過去1時間以内等の相対湿度の測定値である。
ガス検出部24は、金属酸化物半導体5の抵抗値が警報レベル以下の場合に、あるいは電気伝導度が伝導度換算での警報レベル以上の場合に、警報を発生する。なお検出対象のガスは例えばメタンであるが、種類は任意である。外部出力26はガス検出装置の現在の状態、今までの動作履歴、ガスへの警報等を外部へ出力する。不揮発性メモリ28は、警報レベルの発生用の定数として、初期の警報濃度のガス中での金属酸化物半導体5の抵抗値Raと、空気中での金属酸化物半導体5の抵抗値R0、電圧VH1のサンプリング方法と、相対湿度への換算方法等を記憶する。
波形解析部30は、金属酸化物半導体5を加熱した際の抵抗値の波形、あるいは電気伝導度の波形等から、相対湿度を算出する。波形解析部30は湿度検出部18をバックアップするもので、設けなくても良い。平均湿度算出部32は、相対湿度の長期平均を算出する。
図4は、ヒータ4のドライブを示し、例えば30秒等の周期毎に1回、例えば100m秒等の幅でスイッチT1,T3をonし、2V等のヒータ電圧をヒータ4に加える。すると金属酸化物半導体5は例えば室温から500℃程度まで加熱され、500℃程度の温度でスイッチT2をonして検出電圧を加え、負荷抵抗RLへの電圧をAD変換し、メタン等のガスを検出する。ガスセンサSは100m秒以内に定常温度に達し、加熱が終わると室温に戻る。湿度検出は例えば1時間に1回〜30秒に1回程度の頻度で行い、トランジスタT1をon、トランジスタT3をoffし、抵抗R1への電圧VH1をAD変換する。ガスの検出でも湿度の検出でも加える電圧を同じにすると、マイクロコンピュータμ1での処理が簡単になる。湿度の検出では抵抗R1によりヒータ4の発熱量を小さくし、例えば定常温度が60℃〜300℃、好ましくは60℃〜150℃程度となるように、抵抗R1の抵抗値を選択する。300℃以下では中低湿と高湿とを判別でき、150℃以下では低湿と中湿と高湿との3段階に判別できる。ヒータ抵抗を計測する時点での温度は例えば50℃以上250℃以下で、好ましくは常温常湿の雰囲気で、ヒータ抵抗を計測する時点での温度を60℃以上220℃以下とする。特にこの温度を60℃以上150℃以下、より具体的には60℃以上100℃以下とすると、低湿/中湿/高湿の3段階の判別ができる。湿度の検出後に直ちにガスの検出を行っても、これらの間に時間を置いても良い。
図5に湿度の検出アルゴリズムを示す。ヒータ4を抵抗R1に接続し、ヒータ電圧をonする(ステップ1)。そして電圧VH1と周囲温度とから相対湿度を求め(ステップ2)、相対湿度の1日〜1月程度の長期平均を算出する(ステップ3)。
図6は、金属酸化物半導体5の抵抗値の波形による、相対湿度の検出アルゴリズムを示す。金属酸化物半導体5を最高温度が200℃〜300℃程度に昇温させ、昇温過程での抵抗値が減少速度、及び抵抗値の極小値の有無と、極小値を経過した後の抵抗値の増加速度等から、相対湿度を検出する(ステップ5,6)。この加熱は抵抗R1を用いて行っても、ヒータ電圧をガスの検出の場合よりも小さくして行っても良い。
図7は警報レベルの補正アルゴリズムを示す。初期設定時に空気中の抵抗値R0と、警報濃度のメタン中での抵抗値Raを測定して、ガス検出装置の不揮発性メモリ28に書き込む。ステップ10で、実使用時での空気中での抵抗値Rairをサンプリングする。清浄な空気中か低濃度のガス中かの判別は難しいので、例えばサンプリングした抵抗値Rair中で、抵抗値が比較的高いものを空気中の抵抗値とする。そして好ましくは、測定した湿度に応じて、抵抗値Rairを補正し、補正済みの抵抗値Rair’とする。相対湿度は30秒に1回〜1時間に1回程度の頻度で測定し、ステップ11で、相対湿度の長期平均が低湿/中湿/高湿のいずれかであるかを判別する。中湿では警報レベルを補正せず、高湿でかつ空気中の抵抗値が増加している場合、RSTDと抵抗値基準での警報レベルRbとを増加させる(ステップ13,14)。また低湿でかつ空気中の抵抗値が減少している場合(ステップ15)、RSTDと警報レベルRbとを減少させる(ステップ16,14)。
なお低湿と中湿との判別が難しい場合、ステップ12,13,14を実行して、ステップ15,16を省略しても良い。また低湿及び中湿に対して、ステップ15,16を実行しても良い。以上の処理により、長期間高湿の雰囲気にガスセンサSがさらされ、空気中での金属酸化物半導体5の抵抗値が増加した場合、警報レベルRbを増加させる。空気中での金属酸化物半導体5の抵抗値が減少し、かつガスセンサSが長期間低湿の雰囲気に置かれている場合、高湿雰囲気の影響が解消したものとして、警報レベルRbを低下させる。
金属酸化物半導体ガスセンサSは、例えば10秒〜1分程度の短期間での湿度の影響を受け、湿度が高いと抵抗値が減少し、低いと抵抗値が増加する。そこで短期的な相対湿度の測定値に応じて、警報レベルRbを補正する(ステップ17)。
ヒータ4の室温での抵抗値との比を変えるように、抵抗R1の値を変化させ、ヒータ4と抵抗R1との直列片に2Vの電圧を100m秒ずつ30秒に1回加えた際の、抵抗R1に加わる電圧VH1の波形を、測定した。結果を図8〜図12に示し、各図での測定条件を表1に示す。なおいずれもフィルタFを取り付けずに測定した。また定常温度は常湿(相対湿度60-65%)で到達する温度の定常値である。
表1
抵抗R1/室温での 定常温度 周囲温度
でのヒータ抵抗 (℃) (℃)
図8 1.64 220℃ 10℃
図9 1.64 240℃ 35℃
図10 2.73 150℃ 25℃
図11 3.88 100℃ 25℃
図12 4.82 80℃ 25℃
次ぎに図8〜図12での、30m秒後のヒータ温度を表2〜表6に示す。なおヒータ温度はPtの抵抗温度係数を3750ppmとして計算した。
表2 (図8での30m秒目のヒータ温度)
相対湿度(%) 温度(℃)
50% 181℃
88% 160℃
表3 (図9での30m秒目のヒータ温度)
相対湿度(%) 温度(℃)
48% 220℃
65% 215℃
80% 198℃
90% 165℃
表4 (図10での30m秒目のヒータ温度)
相対湿度(%) 温度(℃)
32% 130℃
65% 125℃
82% 110℃
90% 101℃
表5 (図11での30m秒目のヒータ温度)
相対湿度(%) 温度(℃)
38% 85℃
63% 80℃
80% 75℃
90% 67℃
表6 (図12での30m秒目のヒータ温度)
相対湿度(%) 温度(℃)
35% 76℃
63% 72℃
71% 68℃
80% 65℃
90% 60℃
30m秒後のヒータ温度は相対湿度が高いほど低く、30m秒目の温度が常湿(相対湿度65%)で215℃の図9では、高湿と中低湿の2段階の識別が可能であった。また30m秒目の温度が常湿(相対湿度63%)で60℃以上100℃以下の図11,図12(常温常湿での定常温度は80℃と100℃)では、高湿と中湿及び低湿の3段階の識別が可能であった。30m秒目のヒータ温度には、相対湿度により10℃〜50℃程度の温度差が生じ、これは膜厚50μmのSnO2からなる金属酸化物半導体膜に吸着した水蒸気量の差によるものと考えられる。また同じ相対湿度でも、周囲温度によりヒータ温度は異なっていた。従って、サーミスタ等により周囲温度を求めて、ヒータ温度から得た信号を補正する必要があった。
図13は湿度検出のモデルを示し、例えば加熱開始から一定の時間Taでヒータの抵抗値を測定する。時間Taでのヒータ温度は例えば50℃以上250℃以下が好ましく、特に60℃以上220℃以下が好ましい。この温度は、より好ましくは60℃以上150℃以下とし、最も好ましくは60℃以上100℃以下とする。一定の時間での電圧VH1を測定する代わりに、一定の電圧Vaまで電圧VH1が低下する時間を測定しても良い。さらに適宜の時刻Tbでの、VH1の減少速度(単位はmV/m秒)もしくはVH1の減少率(単位は%/m秒)等を測定しても良い。このようにして求めた信号を周囲温度と組み合わせ、相対湿度に換算する。このため、得られた信号と周囲温度との2変数の数式、あるいは信号と周囲温度との2変数の表等を用いる。
VH1の減少率を用いる場合には、周囲温度による補正を省略しても良い。また周囲温度により信号を陽に、即ち周囲温度が直接に処理に表れるように補正する代わりに、周囲温度が高い場合、電圧VH1をサンプリングする時期Taを早めて、他の処理は同じにしても良い。例えば基準温度よりもΔTだけ周囲温度が高い場合、ヒータの熱時定数からヒータ温度がΔTだけ低くなる温度でサンプリングするように、サンプリング時期を変更しても良い。周囲温度が高いほど、同じ相対湿度でも、ヒータの温度が高くなるからである。また電圧Vaへ達するまでの時間を測定する場合、周囲温度が高いと電圧VH1は速やかに減少するので、電圧Vaを低くしても良い。このようにすると、ヒータ温度による信号を見かけ上補正せずに、周囲温度の影響を除いて相対湿度を求めることができる。
図8等では30m秒目の検出を示したが、相対湿度によりヒータ温度に大きな差が生じる温度で検出すればよい。ヒータ4に抵抗R1を直列に接続し、一定のヒータ電圧VHを加える方式では、抵抗R1の値により昇温の速度、定常温度等が定まり、逆に定常温度を定めると昇温速度と抵抗R1の値も定まる。そして表1によって、検出対象ガスをメタンとし、ガスセンサSの最高温度をそれに応じて定めると、抵抗R1の値と室温でのヒータ抵抗との比は好ましくは1.5以上6以下(図8〜図12を包含)、より好ましくは2以上6以下(図10〜図12を包含)、最も好ましくは3以上6以下(図11,図12を包含)となる。
ガスセンサSの湿度依存性には、長期的なもの(特許文献1)と、短期的なものの2種類があり、金属酸化物半導体5の抵抗値への影響は逆向きである。次ぎに相対湿度と絶対湿度との区別を考えると、室温にガスセンサSが放置されている期間での影響は主として相対湿度によるもの、特に吸着水によるものと考えられる。加熱により吸着水が蒸発した後の影響は、吸着水の状態が変化して強く吸着した水によると考えられ、これは絶対湿度と関係している。
図14は、25℃から250℃へ100m秒間で昇温させた際の、金属酸化物半導体5の抵抗値を示し、相対湿度は68%から98%の範囲で変化させた。低湿では抵抗値の減少速度が大きく、かつ抵抗値の極小値が生じて、その後の抵抗値の増加率が大きかった。そこで金属酸化物半導体5の抵抗値の減少率、極小値の有無とその後の抵抗値の増加率から、相対湿度を推定できた。しかしながら昇温過程での金属酸化物半導体の抵抗値は、CO、エタノール、水素等の他のガスの影響を受ける可能性がある。これに対して、ヒータの昇温速度は吸着水の量で定まる物理的な現象なので、相対湿度をより的確に検出できる。
相対湿度の検出は、ガスセンサSへの呼気の吹きかけの有無の判定にも利用できる。呼気中のアルコール、アセトン、アセトアルデヒド等を、金属酸化物半導体ガスセンサにより検出することが行われている。そして呼気の吹きかけの有無は圧力センサで検出されているが、実施例を用いると、ヒータの抵抗値から検出できる。図15に結果を示し、30秒毎に1回100m秒間加熱し、加熱前に7秒間吹きかけた場合と、3秒間吹きかけた場合、及び吹きかけなかった場合とを示す。最終温度は吹きかけた場合は60℃、吹きかけなかった場合は80℃であった。
金属酸化物半導体ガスセンサSには、低濃度のVOC(トルエン等の有機物)濃度、あるいは臭気強度を連続監視する用途がある。この場合、清浄空気中からの抵抗値の減少が信号となり、湿度の影響と、VOCあるいは臭気への感度とを分離できると、最低検出濃度を小さくすることが出来る。図16のモデルでは、ガスセンサの電気伝導度を実線で、ガスセンサのヒータ抵抗から求めた湿度と周囲温度とから求めた湿度を破線で、湿度の補正後の電気伝導度を一点鎖線で示す。湿度の影響が小さくなるので、より低濃度のVOC、あるいはより低濃度の臭気を検出できる。
図17は変形例でのヒータ制御を示し、1)のようにスイッチT1のon/offのデューテイ比を変え、湿度の検出ではデューテイ比を低く、ガスの検出では高くする。またスイッチT3は2)のように制御する。するとヒータの温度は3)のように、湿度の検出では緩やかに上昇し、ガスの検出では速やかに上昇する。
S MEMS金属酸化物半導体ガスセンサ
E1 電池
T1〜T3 スイッチ
RL 負荷抵抗
R1,R2 抵抗
Th サーミスタ
μ1 マイクロコンピュータ
F フィルタ

1 Siチップ
2 空洞部
3 架橋部
4 ヒータ
5 金属酸化物半導体
6 層間絶縁膜
7,7 電極
12 ヒータドライブ
14 Vcドライブ
16 ADコンバータ
18 湿度検出部
20 基準値更新部
22 警報レベル発生部
24 ガス検出部
26 外部出力
28 不揮発性メモリ
30 波形解析部
32 平均湿度算出部

Claims (8)

  1. Siチップの空洞部上の絶縁膜に、測温抵抗体としての薄膜状のヒータと、金属酸化物半導体膜とを設けた、MEMSタイプの金属酸化物半導体ガスセンサを有するガス検出装置において、
    抵抗と、
    ヒータ電流が電源からヒータと前記抵抗とを介してアースへ流れる状態と、ヒータ電流が前記抵抗を通らずに電源からヒータを介してアースへ流れる状態との間で、ヒータ電流の経路を切り換えるスイッチを備え、
    前記ガスセンサは常時は室温に放置されて、ヒータ電流により間欠的に加熱され、
    ヒータ電流が電源からヒータを介してアースへ流れるようにスイッチをセットした際の、金属酸化物半導体の抵抗値からガスを検出するガス検出部と、
    ヒータ電流が電源からヒータと前記抵抗とを介してアースへ流れるようにスイッチをセットし、ヒータ電流を流す際の、定常温度に達するよりも前の昇温過程でのヒータ電流から、湿度を検出する湿度検出部をさらに備えていることを特徴とするガス検出装置。
  2. ヒータの温度が50℃以上250℃以下での、ヒータ電流から湿度を検出することを特徴とする、請求項1のガス検出装置。
  3. ヒータの温度が60℃以上100℃以下での、ヒータ電流から湿度を検出することを特徴とする、請求項2のガス検出装置。
  4. 周囲温度を測定するための手段をさらに備え、
    湿度検出部は、昇温過程でのヒータ電流と周囲温度とから、相対湿度を求めるように構成されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかのガス検出装置。
  5. 湿度を検出する場合に、ガスを検出する場合と、電源から同じ電圧を、同じデューテイ比で、直列に接続したヒータと前記抵抗に加え、前記抵抗によりヒータ電流を制限することにより、ヒータの昇温を遅らせるように構成されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかのガス検出装置。
  6. ガス検出装置は、警報濃度以上のガスを検出するように構成され、
    かつガス検出装置は、ガス濃度が警報濃度以上か否かを判別するための、金属酸化物半導体の抵抗値への閾値を発生する手段を備え、
    前記金属酸化物半導体の空気中での抵抗値が増加し、かつ湿度検出部により求めた相対湿度の長期平均が高湿である場合に、前記閾値を増加させるように構成されていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかのガス検出装置。
  7. ガス検出装置は呼気中のガスを検出するように構成され、
    昇温過程でのヒータ電流から、呼気の吹きかけの有無を判別するように構成されていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかのガス検出装置。
  8. Siチップの空洞部上の絶縁膜に、薄膜状の測温抵抗体としてのヒータと、金属酸化物半導体膜とを設けた、MEMSタイプの金属酸化物半導体ガスセンサを、マイクロコンピュータにより駆動するガス検出方法において、
    前記ガスセンサは常時は室温に放置されて、ヒータ電流により間欠的に加熱され、
    前記マイクロコンピュータにより、スイッチを制御することにより、ヒータ電流が電源からヒータと抵抗とを介してアースへ流れる状態と、ヒータ電流が前記抵抗を通らずに電源からヒータを介してアースへ流れる状態との間で、ヒータ電流の経路を切り換え、
    前記マイクロコンピュータにより、ヒータ電流が電源からヒータを介してアースへ流れるようにスイッチをセットした際の、金属酸化物半導体の抵抗値からガスを検出し、かつヒータ電流が電源からヒータと抵抗とを介してアースへ流れる状態で、ヒータ電流をオンした際の、定常温度に達するよりも前の昇温過程でのヒータ電流から湿度を検出する、ことを特徴とするガス検出方法。
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