JP3522257B2 - ガス検出方法とその装置 - Google Patents

ガス検出方法とその装置

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JP3522257B2
JP3522257B2 JP2002036239A JP2002036239A JP3522257B2 JP 3522257 B2 JP3522257 B2 JP 3522257B2 JP 2002036239 A JP2002036239 A JP 2002036239A JP 2002036239 A JP2002036239 A JP 2002036239A JP 3522257 B2 JP3522257 B2 JP 3522257B2
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gas
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の利用分野】この発明は、金属酸化物半導体ガス
センサのパルス加熱を用いたガスの検出に関する。
【0002】
【従来技術】特開平8−220047は、ガスセンサを
450℃程度に発熱させた後放冷し、次いで300℃程
度でガスを検出することを提案している。そして特開平
8−220047では、450℃への加熱と300℃程
度の加熱との間に、ガスセンサは室温まで放冷される。
発明者はこれとは別に、パルス加熱型のガスセンサを用
いて、出来る限り小さな消費電力でガスを検出すること
を検討し、この発明に至った。
【0003】
【発明の課題】この発明の基本的課題は、小さな消費電
力でイソブタンやメタン等の可燃性ガスを検出すること
にある。請求項2の発明や請求項8の発明での追加の課
題は、用いる電源を簡単なものにすることにある。請求
項3〜6の発明や請求項9〜12の発明での追加の課題
は、可燃性ガスを検出するための特に好ましい条件を提
供することにある。
【0004】
【発明の構成】この発明のガス検出方法では、ガスによ
り抵抗値が変化する金属酸化物半導体とヒータとを備え
て、ヒータをパルス的に発熱させるガスセンサを用い
て、ヒータをパルスエネルギーP1でパルス幅T1の第1
パルスでパルス発熱させた後に、冷却期間Tvの間冷却
し、次いで第1パルスよりも小さなパルスエネルギーP
2のパルス幅T2の第2パルスでヒータをパルス発熱させ
て、第2パルスに同期してガスを検出し、さらに第1パ
ルスと第2パルスの合計幅(T1+T2)の10倍以上の時
間Tsの間放冷する、サイクルを行う。
【0005】好ましくは、第1パルスでも第2パルスで
も、共通のヒータ電圧をヒータに加え、かつ T1>T2
とする。さらに好ましくは、 1/20≦T2/T1≦2
/3 かつ 1/4<Tv/T2<10とする。ここでヒー
タ電圧を第1パルスも第2パルスも共通とした場合、1
/20≦T2/T1≦2/3 はほぼ 1/40≦P2/P1≦
1/2 となる。また好ましくは、1/10≦P2/P1≦
1/2 かつ 1/3≦Tv/T2≦3/2とする。より好ま
しくは、 1/40≦P2/P1≦1/3 かつ 1.2<T
v/T2<4とする。なお 1/40≦P2/P1≦1/3 は
ヒータ電圧が共通の場合、ほぼ 1/20≦T2/T1≦
0.4 に相当する。好ましくは冷却期間Tvでの最低温
度を50℃以上とし、さらに好ましくは冷却期間Tvで
の最低温度を100℃以上する。
【0006】この発明のガス検出装置では、ガスにより
抵抗値が変化する金属酸化物半導体とヒータとを備えた
ガスセンサと、ガスセンサのヒータを電源に接続するた
めのスイッチと、スイッチの制御手段と、前記金属酸化
物半導体の抵抗値からガスを検出するための検出手段と
を備えて、ヒータをパルスエネルギーP1でパルス幅T1
の第1パルスでパルス発熱させた後に、冷却期間Tvの
間冷却し、次いで第1パルスよりも小さなパルスエネル
ギーP2でパルス幅T2の第2パルスで、ヒータをパルス
発熱させ、さらに第1パルスと第2パルスの合計幅(T1
+T2)の10倍以上の時間Tsの間放冷するサイクルを
繰り返すように、前記制御手段を構成する。さらに第2
パルスと同期して、ガスを検出するように前記検出手段
を構成する。
【0007】好ましくは、第1パルスでも第2パルスで
も、電源から共通のヒータ電圧をヒータに加え、かつ
T1>T2 とする。特に好ましくは、 1/20≦T2/
T1≦2/3 かつ 1/4<Tv/T2<10とする。ここ
でヒータ電圧を第1パルスも第2パルスも共通とした場
合、1/20≦T2/T1≦2/3 はほぼ 1/40≦P2/
P1≦1/2 となる。また好ましくは、1/10≦P2/
P1≦1/2 かつ 1/3≦Tv/T2≦3/2とする。よ
り好ましくは、 1/40≦P2/P1≦1/3 かつ 1.
2<Tv/T2<4とする。なお 1/40≦P2/P1≦1/
3 はヒータ電圧が共通の場合、ほぼ 1/20≦T2/
T1≦0.4 に相当する。好ましくは冷却期間Tvでの
最低温度を50℃以上とし、さらに好ましくは冷却期間
Tvでの最低温度を100℃以上する。
【0008】
【発明の作用と効果】この発明では、ガスセンサのヒー
タを第1パルスでパルス発熱させた後に、冷却期間Tv
の間冷却し、次いで第1パルスよりも小さなパルスエネ
ルギーの第2パルスで再度パルス発熱させて、第2パル
スの後期ないしは終了後のセンサ信号からガスを検出す
る。また第2パルスの終了後、次の第1パルスまでに放
冷する休止時間Tsは、第1パルスと第2パルスの合計
幅の10倍以上の時間とし、ガスセンサは休止時間Ts
の間に室温まで放冷される。
【0009】このようにすると、第1パルスと第2パル
スとの間に冷却期間Tvを設けず、第1パルスと第2パ
ルスの合計時間(T1+T2)分の時間の単一のパルスでガ
スセンサを加熱する場合に比べ、イソブタンやメタン等
の可燃性ガスへの感度を高める、エタノールや水素等の
雑ガスに対する選択性を向上できる、あるいは高温高湿
雰囲気への耐久性や常温と高温との間の温湿度依存性を
小さくできるなどの効果が得られ、この内必要な効果を
達成するようにすればよい。このためこの発明では、小
さな消費電力でガスを検出できる。ここで第1パルスと
第2パルスとで、ガスセンサのヒータへ加えるヒータ電
圧を共通にすると、電源回路の構成が容易になる。
【0010】第2パルスと第1パルスとのエネルギーの
比や、第2パルスの加熱時間とパルス間の冷却期間との
比には、実験的に定まる最適条件がある。第2パルスの
エネルギーP2が第1パルスのエネルギーP1の1/2を
超えると、可燃性ガスへの感度も、雑ガスに対する選択
性も不足する。一方第2パルスのエネルギーP2が第1
パルスのエネルギーP1の1/40未満となると、実質上
第2パルスを加えていないのと同じことになる。パルス
間の冷却期間が第2パルスのパルス幅の10倍以上で、
雑ガスに対する可燃性ガスへの選択性が低下する。次に
パルス間の冷却期間が第2パルスのパルス幅の1/4以
下となると、可燃性ガスに対する感度が低下する。この
ため第2パルスのエネルギーP2と第1パルスのエネル
ギーP1との比を1/40以上で1/2以下とし、第1パ
ルスと第2パルスとの間の冷却期間Tvと第2パルスの
パルス幅T2との比を1/4超で10未満とすると、可燃
性ガスへの感度が高く、かつエタノールや水素等の雑ガ
スに対する選択性も優れている。また、1/10≦P2/
P1≦1/2 かつ 1/3≦Tv/T2≦3/2とすると、
高温高湿雰囲気への耐久性を高め、かつ常温と高温との
間の温湿度依存性を小さくできる。
【0011】
【実施例】図1〜図9に、実施例とその変形とを示す。
図1に実施例で用いたガスセンサ2を示すと、4はPd
触媒を添加したSnO2のビーズで、ここではビーズ4の
直径が約250μmである。6は中心電極で、8はPt
−Wを用いたコイル状のヒータで、中心電極6とヒータ
8との間の抵抗値からガスを検出する。ヒータ8は、線
径15μmのPt−W線からなる7ターンのコイルで、
コイル長およびコイルの直径は共に約150μmであ
る。
【0012】図2に、変形例のガスセンサ12を示す。
13はアルミナ基板で、その表面はグレーズガラスによ
り熱伝導率を低下させてある。14はSnO2の厚膜で、
16は層間絶縁膜で、18はRuO2膜から成るヒータ
である。
【0013】図3に、図1のガスセンサ2を用いる場合
のガス検出回路の例を示す。20,22は電池電源で、
24,26はスイッチで、28は負荷抵抗である。30
は制御用のマイクロコンピュータで、スイッチ24のオ
ン/オフにより、ヒータ8をパルス的に電源20に接続
する。スイッチ24のオン/オフにより中心電極6とヒ
ータ8間に検出電圧を加え、直列に接続した負荷抵抗2
8を用いて、マイクロコンピュータ30のADコンバー
タにより、中心電極6とヒータ8間の抵抗値を求める。
求めた抵抗値により、メタンやイソブタン等の可燃性ガ
スを検出し、外部出力を介して、警報回路32を制御す
る。
【0014】図4に、ガスセンサ2の動作パターンを示
す。パルス幅T1の第1パルスと、パルス幅T2の第2パ
ルスの間の冷却期間をTvとし、第2パルス終了後次の
第1パルスまでの時間を休止時間Tsと呼ぶ。ヒータ電
圧VHはここでは1.3Vとする。室温から最終温度50
0℃まで加熱する場合、ガスセンサ2の90%応答時間
は270ミリ秒である。500℃から100℃までの休
止時間Tsは350ミリ秒で、50℃までの休止時間Ts
は670ミリ秒である。
【0015】ガスセンサ2に1.3Vのヒータ電圧を6
00ミリ秒間加えると、センサ表面温度は約470℃で
ほぼ安定する。この温度は可燃性ガスの検出に適した温
度なので、第1パルスと第2パルスとの合計幅を600
ミリ秒に固定して、パルスエネルギーの分配を考え、冷
却期間Tvを種々に変化させる。実験によると、可燃性
ガスの検出に適したサンプリングポイントは、第2パル
スの後半特に終了時から第2パルスの終了から数百ミリ
秒程度の間であった。そこでここでは、第2パルス終了
時にガスセンサの抵抗値をサンプリングすることにし
た。休止時間Tsはここでは60秒とし、少なくとも第
1パルスと第2パルスの合計時間(600ミリ秒)の10
倍以上とし、好ましくは第1パルスと第2パルスの合計
幅に冷却期間Tvを加えたものの10倍以上とする。休
止時間Tsは例えば6秒〜300秒とする。
【0016】第2パルスのパルス幅T2と第1パルスの
パルス幅T1の比T2/T1は、ヒータの抵抗温度係数のた
め、パルスエネルギーの比とは異なる。別途に抵抗温度
係数を加味して、第2パルスと第1パルスのパルス幅の
比T2/T1をパルスエネルギーの比P2/P1に換算する
と、パルス幅の比が2/3でパルスエネルギーの比は1/
2となり、パルス幅の比が1/20でパルスエネルギー
の比は1/40で、パルス幅の比が0.4でパルスエネル
ギーの比は1/3となった。
【0017】電源20に1.3Vよりも高い電圧の電源
を用い、スイッチ24でPWMで制御しても良い。この
ような場合の制御波形の例を図5に示す。図5では、ヒ
ータ電圧の値自体は第1パルスでも第2パルスでも共通
であるが、第1パルスと第2パルスとで実効電圧V1,
V2を変えてある。
【0018】図6〜図8にガスセンサの特性を示す。な
お図6〜図8の測定は別のガスセンサを用い、別々に測
定したものである。図6〜図8において、縦軸はイソブ
タン1000ppmに対する他のガスや空気の相対的な抵
抗値を示す。横軸は駆動条件の番号である。図6での第
1パルスの幅T1,冷却期間Tv,及び第2パルスの幅T
2の条件を、表1に示す。
【0019】
【表1】 表1 図6のパルス駆動条件 No. T1(ミリ秒) T2(ミリ秒) Tv(ミリ秒) 1 400 200 100 2 400 200 300 3 400 200 500 4 400 200 1000 5 450 150 100 6 450 150 300 7 450 150 500 8 450 150 1000 9 500 100 100 10 500 100 300 11 500 100 500 12 500 100 1000 * 第2パルスから次の第1パルスまでの休止時間Tsは60秒;金属酸化物半 導体の抵抗値のサンプリングは第2パルスの終了直後.
【0020】図6から明らかなように、No.6,7,9の
駆動条件で、イソブタン感度を高くとることができ、か
つエタノールや水素に対してイソブタン感度をより大き
くできた。またNo.5の条件で、メタンと他のガスとの
相対感度を改善できた。No.8,10,11,12の条件
でも、イソブタン感度を大きくできるが、雑ガスへの感
度が増加した。
【0021】図7に別に行った試験での結果を示す。図
7のデータでの、ガスセンサ2の駆動条件を表2に示
す。
【0022】
【表2】 表2 図7のパルス駆動条件 No. T1(ミリ秒) T2(ミリ秒) Tv(ミリ秒) 1 0 600 0 2 150 450 300 3 150 450 1000 4 150 450 3000 5 300 300 300 6 300 300 1000 7 300 300 3000 8 450 150 300 9 450 150 1000 10 450 150 3000 * 第2パルスから次の第1パルスまでの休止時間Tsは60秒;サンプリング は第2パルスの終了直後.
【0023】図7では、No.8の駆動条件で、イソブタ
ン感度を大きく得ることができ、かつ選択性も向上し、
メタン感度も大きくできた。これに対してNo.9,10
の条件では、イソブタン感度は大きいものの、選択性が
低下した。
【0024】図8にさらに他の測定結果を示し、表3に
その駆動条件を示す。なお図6〜図8で、イソブタン,
水素,エタノールの濃度は各1000ppmで、イソブタ
ン1000ppm中の抵抗値との比で他のガスや空気中で
の抵抗値を示す。また第2パルスから次の第1パルスま
での休止時間Tsは60秒、サンプリングは第2パルス
の終了直後である。
【0025】
【表3】
【0026】この例では駆動条件3,4,7でイソブタ
ン感度を大きくし、水素やエタノールに対しても比較的
良い選択性を得ることができた。駆動条件2,5,8,
9では、メタンとイソブタンとの感度をほぼ等しくし、
かつ雑ガスへの選択性を改善できた。なお幅600ミリ
秒の1パルスのみを加えた例(No.1)では、どのガスに
対しても感度が小さかった。
【0027】図9に、以上の結果を○,△,Xに3段階
評価して示す。Xマークは感度もしくは選択性が極めて
不足するものを、△はこれらの値がやや不十分なもの
を、○は感度と選択性が共に良好なものを示す。
【0028】図9から明らかなように、第2パルスの幅
T2を第1パルスの幅T1の2/3以下とすることによ
り、感度や選択性が得られた。実験は、第2パルスのパ
ルス幅が第1パルスのパルス幅の1/11以下で行い、
しかもT2/T1が1/11でも良い結果が得られたことか
ら、T2/T1の下限を1/20とした。T2/T1を1/20
〜2/3とすると、第2パルスと第1パルスとのエネル
ギーの比に換算して、1/40以上で1/2以下となる。
冷却期間Tvが第2パルスの幅T2の10倍以上となる
と、選択性が不足した。また冷却期間Tvと第2パルス
の幅T2との比Tv/T2を1付近から減少させると感度が
低下するので、Tv/T2を1/4超とした。これらのこと
から、好ましい駆動条件は、第2パルスと第1パルスと
のパルス幅の比T2/T1で、1/20以上2/3以下であ
り、第2パルスのエネルギーP2と第1パルスのエネル
ギーP1との比P2/P1で、1/40以上1/2以下とな
る。冷却期間Tvと第2パルスの幅T2との比で、好まし
い条件は1/4<Tv/T2<10 となる。さらに冷却期
間Tvは1秒以下が好ましい。図9には全てのデータが
○となる領域があり、この領域は1/20≦T2/T1≦
0.4 かつ 1.2<Tv/T2<4 であり、1/20≦
T2/T1≦0.4 をパルスエネルギーの比P2/P1に換
算すると、1/40≦T2/T1≦1/3 となる。
【0029】図9の主な条件に対する、第2パルス終了
時の温度と、第2パルス直前の温度を表4に示す。○,
△,Xは前記の3段階評価の値で、休止時間Tsでの最低
温度は50℃以上が好ましい。なお表4の測定温度は±
10°程度の誤差がある。
【0030】
【表4】 表4 温度データ No. 評価 T1 T2 Tv 第2パルス 第2パルス (ミリ秒) (ミリ秒) (ミリ秒) 直前の温度(℃) 終了時の温度(℃) 1 △ 550 50 50 300 370 2 △ 500 100 50 300 400 3 △ 450 150 50 … 440 4 ○ 550 50 100 200 310 5 ○ 500 100 100 230 390 6 △ 450 150 100 200 400 7 △ 400 200 100 250 400 8 ○ 550 50 150 150 270 9 ○ 500 100 150 160 370 10 △ 450 150 150 … 410 11 ○ 500 100 300 80 340 12 ○ 450 150 300 80 390 13 △ 400 200 300 70 370 14 △ 500 100 500 50 320 15 ○ 450 150 500 50 380 16 △ 400 200 500 50 350 17 x 500 100 1000 30 290 18 △ 450 150 1000 40 380 19 △ 400 200 1000 40 390
【0031】図9の条件は、図2のガスセンサに対して
も当てはまる。例えば図2のガスセンサの場合、イソブ
タンの検出に適した条件は、第1パルス幅T1を100
ミリ秒とし、ここでの最高温度を500℃弱として、第
2パルス幅T2を20ミリ秒とし、第2パルス幅終了時
の温度を約400℃とし、この間の冷却期間Tvを50
ミリ秒とするものである。このようにすると、単純に幅
120ミリ秒のパルスを加える場合に対してイソブタン
感度を増し、雑ガスに対する選択性を増すことができ
る。
【0032】
【実施例2】図10〜図13に、高温高湿での特性の改
善を目的とする実施例を示す。用いたガスセンサ2は図
1のもので、ガス管やガスタンクなどからのガス漏れの
検出を目的とし、検出対象ガスはここではLPGとし、
実験ではLPGを代表するガスとしてイソブタンを用い
た。なおセンサ2には、イソブタンを吸着せずに、エタ
ノールなどの有機溶剤の影響を弱めるために、活性アル
ミナやシリカやゼオライトなどのフィルタを設けても良
い。
【0033】この実施例では、ヒータ電圧を1.2Vと
し、SnO2のビーズ4をパルス的に加熱するためのパル
ス幅T1,T2の合計を1000ミリ秒に固定し、3年間
屋外でバッテリードライブにより使用し得るように、休
止時間Tsを200秒とした。次にイソブタン感度(空気
中の抵抗値とイソブタン1000ppm中の抵抗値との比)
を最大にし、かつエタノール及び水素に対するイソブタ
ンの選択性を損ねないとの条件で、パルス幅T1やパル
ス幅T2及び冷却期間Tvを決定した。ここではパルス幅
T1を800ミリ秒、パルス幅T2を200ミリ秒、冷却
期間Tvを150ミリ秒としたが、TvとT2との比は1/
3以上3/2以下が好ましく、特に好ましくは1/2以上
3/2以下とする。T2とT1との比は、1/9以上2/3
以下が好ましく、特に好ましくは15/85以上3/7以
下とする。これらは室温と高温との間の温湿度依存性を
小さくし、高温高湿への耐久性を増すための条件でもあ
る。
【0034】ここではパルス幅T1でもパルス幅T2でも
ヒータ電圧は共通で、1/9≦T2/T1≦2/3は抵抗温
度係数を勘案すると、エネルギーの比P2/P1では1/1
0≦P2/P1≦1/2 に相当する。T1を800ミリ
秒、Tvを150ミリ秒、T2を200ミリ秒とすると、
パルス幅T1の終了時の温度は約430℃、冷却期間Tv
の終了時の温度は約150℃、パルス幅T2の終了時の
温度は約380℃であった。
【0035】図10,図11に、−10℃の結露雰囲気
と、20℃相対湿度65%の標準雰囲気、及び50℃相
対湿度65%の高温雰囲気の間の、温湿度依存性を示
す。結果は各々5個のセンサの平均値を示し、図10は
800ミリ秒パルス加熱,150ミリ秒冷却,200ミ
リ秒パルス加熱の条件での特性を示し、図11は100
0ミリ秒連続して単一のパルスで加熱し、冷却期間を設
けずパルス幅T2を0とした際の特性を示す。図10の
場合パルス幅T2の終了時の特性を測定し、図11の場
合1000ミリ秒の加熱終了時の特性を測定した。
【0036】図10(実施例)では、図11(比較例)に対
して、イソブタン感度が高く、イソブタン濃度を変えた
際のセンサ抵抗の変化も僅かに増して、イソブタン濃度
依存性も改善されている。図11(比較例)では、20℃
から50℃へ温度を増すとセンサ抵抗は著しく減少し、
−10℃から50℃の範囲で、イソブタン中での抵抗値
のカーブは上に凸である。これに対して図10(実施例)
では、20℃と50℃との間の温湿度依存性が小さく、
イソブタン中でのカーブは全体として下に凸である。こ
れらのことをまとめると、1回のパルスで金属酸化物半
導体のビーズを加熱するよりも、僅かな冷却期間を置い
て2つのパルスを用いると、常温と高温との間の温湿度
依存性を小さくできることが分かる。なお、冷却期間T
vを100〜200ミリ秒の範囲で変えても(T1を80
0ミリ秒に固定、T2を200ミリ秒に固定)、あるいは
第2のパルス幅T2を150〜300ミリ秒の範囲で変
えても、(T1+T2を1000ミリ秒に固定、Tvを15
0ミリ秒に固定)、同様に20℃と50℃との間の温湿
度依存性を小さくできた。
【0037】図12,図13に、15週間の範囲でのガ
スセンサ42の経時特性を示す。図12は、パルス幅T
1が800ミリ秒、冷却期間Tvが150ミリ秒、第2パ
ルスT2の幅を200ミリ秒として、休止時間Tsを20
0秒とする条件で駆動した際の結果を示す。図13は、
図11と同様に、1000ミリ秒の単一パルスでガスセ
ンサ42を駆動した際の結果を示す。結果はいずれも、
3個のガスセンサの平均値で、図12の場合、第2パル
ス終了時の特性を測定し、図13の場合、1000ミリ
秒の単一パルス終了時の特性を測定した。図12,図1
3には、イソブタン1000ppm及び3000ppmでの抵
抗値の挙動を示す。5週目から8週目までの4週間の
間、50℃相対湿度90%の環境で、ガスセンサ42を
パルス加熱しながら用いた。
【0038】50℃90%の雰囲気でガスセンサを使用
することを、高温高湿耐久と呼ぶ。高温高湿耐久中や高
温高湿耐久直後のデータは、ガスセンサを常温常湿の雰
囲気に戻した後、1時間後に測定した。図12(実施例)
の場合、高温高湿耐久でガスセンサの抵抗値はやや増加
したが、高温高湿耐久によるセンサ抵抗の変化は比較的
小さかった。
【0039】これに対して、図13(比較例)の場合、高
温高湿耐久(4週間)を体験すると、センサ抵抗は著しく
増加した。高温高湿耐久によるイソブタン中の抵抗値の
変化は、図13の方が図12よりもはるかに大きい。な
おパルス幅T1,T2の合計を1000ミリ秒、冷却期間
Tvを150ミリ秒に固定し、パルス幅T2を150ミリ
秒、250ミリ秒、300ミリ秒に変化させても、ある
いはパルス幅T1を800ミリ秒,T2を200ミリ秒に
固定し、冷却期間Tvを100ミリ秒、200ミリ秒に
変化させても、高温高湿耐久の影響は図12と同程度で
あった。
【0040】これらのことをまとめると、金属酸化物半
導体ガスセンサに加えるパルスエネルギーを一定にした
場合、1回のパルスにする代わりに、2つのパルスに分
割し、その間に僅かな冷却期間Tvを与えると、高温高
湿への耐久性を向上させ、室温と高温との間の温湿度依
存性を小さくできることが分かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例で用いたガスセンサの要部平面図
【図2】 ガスセンサの他の例を示す断面図
【図3】 実施例の回路図
【図4】 実施例のヒータ波形を示す波形図
【図5】 ヒータ波形の他の例を示す波形図
【図6】 実施例の特性図
【図7】 実施例の特性図
【図8】 実施例の特性図
【図9】 第1パルスの幅T1と第2パルスの幅T2と
その間の冷却期間Tvとによる、イソブタン感度と、水
素及びエタノールへのイソブタンの選択性への評価を示
す特性図
【図10】 第2の実施例でのガスセンサの温湿度特性
を示す特性図
【図11】 参照用のガスセンサの温湿度特性を示す特
性図
【図12】 第2の実施例でのガスセンサの経時特性を
示す特性図
【図13】 参照用のガスセンサの経時特性を示す特性
【符号の説明】
2,12 ガスセンサ 4,14 金属酸化物半導体のビーズ 6 中心電極 8,18 ヒータ 20,22 電源 24,26 スイッチ 28 負荷抵抗 30 マイクロコンピュータ 32 警報回路
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−316652(JP,A) 特開 平5−87761(JP,A) 特開2001−337062(JP,A) 特開2000−275202(JP,A) 特開 平8−220047(JP,A) 国際公開00/65334(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 27/12

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガスにより抵抗値が変化する金属酸化物
    半導体とヒータとを備えて、ヒータをパルス的に発熱さ
    せるガスセンサを用いて、 ヒータをパルスエネルギーP1でパルス幅T1の第1パル
    スでパルス発熱させた後に、冷却期間Tvの間冷却し、
    次いで第1パルスよりも小さなパルスエネルギーP2の
    パルス幅T2の第2パルスでヒータをパルス発熱させ
    て、第2パルスに同期してガスを検出し、さらに第1パ
    ルスと第2パルスの合計幅(T1+T2)の10倍以上の時
    間Tsの間放冷する、サイクルを行うようにしたガス検
    出方法。
  2. 【請求項2】 第1パルスでも第2パルスでも、共通の
    ヒータ電圧をヒータに加え、かつ T1>T2 としたこ
    とを特徴とする、請求項1のガス検出方法。
  3. 【請求項3】 1/20≦T2/T1≦2/3 かつ 1/4
    <Tv/T2<10としたことを特徴とする、請求項2の
    ガス検出方法。
  4. 【請求項4】 1/40≦P2/P1≦1/2 かつ 1/4
    <Tv/T2<10としたことを特徴とする、請求項1ま
    たは2のガス検出方法。
  5. 【請求項5】 1/10≦P2/P1≦1/2 かつ 1/3
    ≦Tv/T2≦3/2としたことを特徴とする、請求項4の
    ガス検出方法。
  6. 【請求項6】 1/40≦P2/P1≦1/3 かつ 1.2
    <Tv/T2<4 としたことを特徴とする、請求項4の
    ガス検出方法。
  7. 【請求項7】 ガスにより抵抗値が変化する金属酸化物
    半導体とヒータとを備えたガスセンサと、ガスセンサの
    ヒータを電源に接続するためのスイッチと、スイッチの
    制御手段と、前記金属酸化物半導体の抵抗値からガスを
    検出するための検出手段とを備えて、 ヒータをパルスエネルギーP1でパルス幅T1の第1パル
    スでパルス発熱させた後に、冷却期間Tvの間冷却し、
    次いで第1パルスよりも小さなパルスエネルギーP2で
    パルス幅T2の第2パルスでヒータをパルス発熱させ、
    さらに第1パルスと第2パルスの合計幅(T1+T2)の1
    0倍以上の時間Tsの間放冷するサイクルを繰り返すよ
    うに、前記制御手段を構成し、 さらに第2パルスと同期して、ガスを検出するように前
    記検出手段を構成したガス検出装置。
  8. 【請求項8】 第1パルスでも第2パルスでも、電源か
    ら共通のヒータ電圧をヒータに加え、かつ T1>T2
    としたことを特徴とする、請求項7のガス検出装置。
  9. 【請求項9】 1/20≦T2/T1≦2/3 かつ 1/4
    <Tv/T2<10としたことを特徴とする、請求項8の
    ガス検出装置。
  10. 【請求項10】 1/40≦P2/P1≦1/2 かつ 1/
    4<Tv/T2<10としたことを特徴とする、請求項7
    または8のガス検出装置。
  11. 【請求項11】 1/10≦P2/P1≦1/2 かつ 1/
    3≦Tv/T2≦3/2としたことを特徴とする、請求項1
    0のガス検出装置。
  12. 【請求項12】 1/40≦P2/P1≦1/3 かつ 1.
    2<Tv/T2<4としたことを特徴とする、請求項10
    のガス検出装置。
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