JP3521491B2 - 路車間通信装置 - Google Patents

路車間通信装置

Info

Publication number
JP3521491B2
JP3521491B2 JP20722194A JP20722194A JP3521491B2 JP 3521491 B2 JP3521491 B2 JP 3521491B2 JP 20722194 A JP20722194 A JP 20722194A JP 20722194 A JP20722194 A JP 20722194A JP 3521491 B2 JP3521491 B2 JP 3521491B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vehicle
signal
road
roadside
abnormal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP20722194A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0877489A (ja
Inventor
英作 阿久津
健史 佐々木
啓二 青木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP20722194A priority Critical patent/JP3521491B2/ja
Priority to EP95305524A priority patent/EP0704831B1/en
Priority to US08/512,320 priority patent/US5784005A/en
Priority to DE69513480T priority patent/DE69513480T2/de
Publication of JPH0877489A publication Critical patent/JPH0877489A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3521491B2 publication Critical patent/JP3521491B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G08SIGNALLING
    • G08BSIGNALLING OR CALLING SYSTEMS; ORDER TELEGRAPHS; ALARM SYSTEMS
    • G08B25/00Alarm systems in which the location of the alarm condition is signalled to a central station, e.g. fire or police telegraphic systems
    • G08B25/01Alarm systems in which the location of the alarm condition is signalled to a central station, e.g. fire or police telegraphic systems characterised by the transmission medium
    • G08B25/016Personal emergency signalling and security systems

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、路車間通信装置に係
り、特に上下車線の区別をも含めた車両位置の特定を可
能とする路車間通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両事故発生時における迅速
な事後処理の実現等を目的として、路車間通信システム
の構築が提案されている。すなわち、路車間通信システ
ムを用いて車両事故の発生と共にその情報を管理センタ
等に送信することができれば、例えば車両事故の当事者
等が自ら救助を求められない場合、又は救助に一刻を争
う場合等において、迅速な事後処理を行うことが可能で
あり、尊い人命の救助或いは道路の往来の円滑化による
社会の発展に有益である。
【0003】ところで、路車間通信を用いて、車両事故
に対する迅速な事後処理を可能とするためには、事故車
両の位置が精度良く特定できる必要がある。これに対し
て、車両位置を特定する技術としては、例えば特開平6
−60293号公報に開示される如く、グローバルポジ
ショニングシステム(GPS)を用いた自己位置標定装
置が従来より知られている。
【0004】従って、路車間通信システムを構築する前
提として車両側にGPSを用いた自己位置標定装置を搭
載することとすれば、路車間通信システムを利用する各
車両において自己位置を特定させることは可能であり、
車両事故発生時に送信される事故情報に、自己位置情報
をも含めることとすれば、迅速に事故位置を特定するこ
とが可能である。
【0005】また、路車間通信を行うにあたっては、イ
ンフラストラクチャとして通信ポストやビーコン等を道
路上に所定間隔毎に設置する必要があるが、例えば車両
から事故情報が発せられた場合に、その事故情報を何れ
の通信ポスト、又はビーコンが受信したか等を検出する
こととすれば、事故位置を大まかに特定することが可能
である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述の如く、
路車間通信を行う前提として各車両にGPSを利用した
自己位置標定装置を搭載する構成、及び事故情報を受信
したビーコンの位置から事故車両の位置を特定する構成
においては、道路に複数の車線が存在する場合に、事故
車両の存在する車線までを特定することは困難である。
【0007】従って、例えば高速自動車道の如く道路に
中央分離帯が設けられて上下線の行き来が困難な道路状
況においては、車両事故の発生した車線を特定した上で
処理を開始する必要があるが、上記の構成によっては、
かかる要求を満たすことができないという問題が存在す
ることとなる。
【0008】これに対して、上り車線、及び下り車線の
それぞれに通信ポスト或いは路上ビーコン等を設置すれ
ば、車線判定を含めて車両事故の発生位置を特定するこ
とも可能ではあるが、かかる構成は、インフラストラク
チャの設置コストの大幅な上昇を招き、事実上実現が困
難である。
【0009】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であり、道路に沿って少なくとも3種類の信号を順次発
生させるべく複数の路側局を配設し、車両側で受信され
た信号の履歴に基づいて車両の進行方向を判定すること
により、上記の課題を解決する路車間通信装置を提供す
ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】図1乃至図7は、上記の
目的を達成する路車間通信装置の原理構成図を示す。す
なわち、上記の目的は、図1に示す如く、少なくとも3
種類の信号が、道路に沿って順次繰り返し現れるように
配設された道路の上り車線及び下り車線の双方に対して
共通の複数の路側局M1-nを有する路側局群M1と、前
記路側局M1-nから発せられる信号を受信する車載受信
器M2と、該車載受信器M2により受信された信号の種
類を識別する信号識別手段M3と、該信号識別手段M3
の識別結果の履歴を記憶する履歴記憶手段M4と、該履
歴記憶手段M4の記憶に基づいて、前記少なくとも3種
類の信号の現れた順に基づいて車両の進行方向を判断
し、該車両の進行方向に応じた信号を発する信号発生手
段M5とを具備する車両搭載局とからなる請求項1記載
の路車間通信装置により達成される。
【0011】また、上記の目的は、図2に示す如く、上
記請求項1記載の路車間通信装置において、前記路側局
群M1が有する複数の路側局M1-nは、種類の異なる信
号として、送信周波数の異なる信号を送信し、前記信号
識別手段M3は、前記車載受信器M2が受信した信号の
周波数に基づいて、受信された信号の種類を識別する請
求項2記載の路車間通信装置によっても達成される。
【0012】更に、上記の目的は、図3に示す如く、上
記請求項1及び2記載の路車間通信装置において、前記
車両搭載局は、特定の信号を送信する車載送信器M6
と、車両の異常を検出する異常検出手段M7と、該異常
検出手段M7により車両の異常が検出された際に、前記
信号発生手段M5の発する信号を、前記車載送信器M6
から異常信号として送信する送信制御手段M8とを備
え、前記路側局群M1が有する複数の路側局M1-nは、
前記車載送信器M6から送信される信号を受信し、該受
信信号を、車両情報の管理を行う所定の管理センタM9
に転送する機能を有する請求項3記載の路車間通信装置
によっても達成される。
【0013】また、図4に示す如く、上記請求項3記載
の路車間通信装置において、前記管理センタM9は、何
れかの路側局M1-nから前記異常信号が転送された場合
に、該異常信号を発した車両の位置、及び進行方向を推
定し、該車両の後続側の適当な路側局M1-nから走行中
の車両に向けて、異常車両の存在する車線情報を含む警
報を発生させる警報発生手段M9-1を備え、前記車載搭
載局は、前記警報に基づいて、異常車両の存在する車線
を識別する異常車線識別手段M10と、該異常車線識別
手段M10により自車の走行中の車線が異常車線である
と識別された場合に、異常を認識して前記警報を情報と
して採用する異常認識手段M11とを備える請求項4記
載の路車間通信装置は、2次災害防止に有効である。
【0014】更に、図5に示す如く、上記請求項3記載
の路車間通信装置において、前記管理センタM9は、前
記車載送信器M6から発せられた異常信号が、複数の路
側局M1-nにおいて受信された場合に、各路側局におけ
る受信レベルを検出する受信レベル検出手段M9-2と、
該受信レベル検出手段M9-2の検出結果に基づいて、前
記異常信号が受信された複数の路側局M1-nに対して異
常車両の位置を同定する車両位置同定手段M9 -3とを備
える請求項5記載の路車間通信装置は、異常車両の存在
位置の高精度な同定に有効である。
【0015】一方、図6に示す如く、上記請求項1記載
の路車間通信装置において、前記路側局群は、交差点を
含む複数の道路において、少なくとも3種類の信号を、
道路に沿って順次送信すべく配設された複数の路側局M
1-an ,M1-bn を有する請求項6記載の路車間通信装
置は、2次元に広がる道路網において請求項1記載の発
明を実現するにあたって有効である。
【0016】そして、図7に示す如く、上記請求項6記
載の路車間通信装置において、前記路側局群M1は、特
定の路側局M1-1が発生する信号を第1信号、該路側局
M1-1の配設されるノードに接続される第1乃至第kリ
ンクの他端に配設される路側局M1-2〜M1-k+1が発生
する信号をそれぞれ第2乃至第k+1信号とした場合
に、第1信号乃至第k+1信号の種類が全て異なるよう
に配設された複数の路側局M1-nを有する請求項7記載
の路車間通信装置は、2次元に広がる道路上で何れの方
向に進行した場合においても進行方向を検出できるシス
テムを構築するにあたって有効である。
【0017】
【作用】請求項1記載の発明において、前記路側局M1
-nは、道路に沿って少なくとも3種類の信号を順次送信
すべく設置される。従って、当該路側局M1-nが設置さ
れる道路を車両が走行する場合、前記車載受信器M2に
は、順次3種類以上の信号が順次受信される。
【0018】この結果、前記信号識別手段M3では、車
両の走行と共に順次3種類以上の信号が識別され、その
変化の履歴が前記履歴記憶手段M4に記憶される。この
場合、前記車載受信器M2に受信される信号の変化方向
は、車両の進行方向に対応しており、前記履歴記憶手段
M4に記憶される信号の履歴は、そのまま車両の進行方
向に対応している。
【0019】従って、前記方向進行発生手段M5が、前
記履歴記憶手段M4に記憶される信号の履歴に基づいて
発生する信号は、車両の進行方向に対応したものとな
り、車線毎に路側局を配設することなく、適切に進行方
向を判定することが可能となる。
【0020】請求項2記載の発明において、前記複数の
路側局M1-nは、送信する信号の周波数を異ならしめる
ことで複数の種類の信号を形成し、また前記信号識別手
段M3は、受信した信号の周波数に基づいて信号の種類
を識別している。
【0021】従って、本発明においては、複数の路側局
M1-nから送信される信号それぞれについて、例えば識
別信号を重畳させる等の加工を行うことがなく、簡単な
構成で、上記請求項1記載の発明に必要にされる路車間
通信が実現される。
【0022】請求項3記載の発明において、前記異常検
出手段M7は、車両において異常が発生したことを検出
する。また、前記送信制御手段M8は、車両の異常が検
出された場合において、その状態を前記管理センタM9
に知らせるべく、前記車載送信器M6から異常信号を送
信させる。
【0023】この際、前記車載送信器M6から送信され
る異常信号には、前記信号発生手段M5から発せられ
る、車両の進行方向を表す信号が含まれている。一方、
車載送信器M6から送信された異常信号は、道路に設置
された路側局M1-nの何れかに受信され、前記管理セン
タM9に転送される。
【0024】従って、前記管理センタM9には、異常の
発生した車両の、異常発生前における進行方向が情報と
して提供されることになり、この情報に基づいて、異常
車両の存在する車線が適切に認識できることになる。
【0025】請求項4記載の発明において、前記管理セ
ンタM9が備える警報発生手段M9 -1は、異常信号が受
信された場合に、該異常車両の存在を、走行中の他車に
知らせるべく警報を発する。ここで、前記警報発生手段
M9-1は、異常車両の後続側に警報を発することで、警
報の対象を絞っている。
【0026】しかし、道路が双方向通行である場合、前
記警報は、異常車両が存在する車線と同一車線を、その
後続側から異常車両に向けて走行中の車両に向けて発せ
られると共に、異常車両の存在しない車線を走行中の車
両にも発せられることになる。
【0027】これに対して、前記警報には、異常車両の
存在する車線の情報が含まれており、一方、車両搭載局
は、その情報に基づいて異常車両の存在する車線を識別
する異常車線識別手段M10、及び異常車線が自車の走
行中の車線である場合にのみ警報を情報として採用する
異常認識手段M11を備えている。
【0028】このため、前記管理センタM9から発せら
れた警報は、異常車両の存在する車線と同一方向の車線
を、その後続側から異常車両に向けて走行している車両
においてのみ情報として採用されることになり、事実
上、真に有益な情報のみが通信されることになる。
【0029】請求項5記載の発明において、前記受信レ
ベル検出手段M9-2は、複数の路側局M1-nにおいて異
常信号が受信された場合に、各路側局M1-nにおける受
信レベルを検出する。
【0030】すなわち、異常信号が単一の路側局M1-n
においてのみ受信された場合は、当該異常信号を受信し
た路側局M1-nの直近位置に異常車両が存在すると推定
できるが、複数の路側局M1-nにおいて異常信号が受信
された場合は、それら複数の路側局M1-nの中間に異常
車両が存在すると考えられる。
【0031】一方、路側局M1-nにおいて受信された異
常信号の受信レベルは、異常車両と路側局M1-nとの距
離の関数であり、両者が離間するほど受信レベルは低下
する。
【0032】これに対して、前記車両位置同定手段M9
-3は、前記受信レベル検出手段M9 -2の検出結果に基づ
き、複数の路側局M1-nにおける異常信号の受信レベル
を比較考慮することで、異常車両の存在位置と、各路側
局M1-nとの位置関係を推定し、異常車両の位置を同定
する。
【0033】この場合、路側局群M1の備える複数の路
側局M1-nの中間で異常車両が停車している場合にも、
精度良く、その位置が同定されることになる。
【0034】請求項6記載の発明において、前記路側局
群M1は、交差点を有する複数の道路において、それぞ
れ順次3種類以上の信号が繰り返し送信されるべく、複
数の路側局M1-an,M1-bnを備えている。この場合、
前記信号発生手段M5では、路側局M1-anが配設され
る道路において、及び路側局M1-bnが配設される道路
において、それぞれ車両の進行方向に応じた信号が発生
されることになる。
【0035】つまり、道路網が2次元に広がっている場
合においても、双方向通行の道路であって、車線判定が
必要とされる道路について、それぞれ道路に沿って3種
以上の信号が順次送信されるべく複数の路側局M1-a
n,M1-bnを配設すれば、適切に請求項1記載の発明が
2次元の道路網に適用されることになる。
【0036】請求項7記載の発明において、前記路側局
群M1が備える路側局M1-nは、特定のノードに配設さ
れる路側局M1-1と、該ノードに連結される全リンクの
他端に配設される路側局M1-2〜M1-k+1とが、全て異
なる信号を送信すべく配設されている。
【0037】従って、本発明においては、2次元に広が
る道路網上を、車両が如何なるルートで走行した場合に
おいても、常に前記車載受信器M2に受信される信号の
履歴と、車両の進行方向とが1対1で対応することにな
り、前記信号発生手段M5では、常に2次元の道路網上
における車両の進行方向に応じた信号が発生されること
になる。
【0038】
【実施例】図8は、本発明の一実施例である路車間通信
装置の概念図を示す。同図に示す路車間通信装置は、中
央分離帯を有する双方向通行の高速自動車道において、
路側局群として設置した複数の通信ポスト10-nと車両
との間で情報の授受を行うべく構成されたものである。
【0039】通信ポスト10-nは、小電力クラスの無線
局であり、中央分離帯上に所定間隔毎に設置されてい
る。ここで、各通信ポスト10-nは、隣接する通信ポス
ト10-nとの中間点を僅かに越える程度の領域が通信可
能領域として設定されている。尚、通信ポスト10-nは
小電力クラスの無線局の他、微弱電波を発する無線局に
よっても実現可能である。
【0040】道路に沿ってほぼ等間隔に設置された通信
ポスト10-nは、それぞれ所定周波数の信号を送信する
機能、及び所定周波数の信号を受信する機能を備えてい
る。本実施例においては、通信ポスト10-nから車両に
向けて4種類の信号を送信する構成としており、個々の
通信ポスト10-nに対して、f1 〜f4 のうち何れかの
周波数が送信周波数として与えられている。
【0041】また、特に本実施例においては、図8中左
から右に向けて、順次f1 ,f2 ,f3 ,f4 の送信信
号が発せられるように、各通信ポスト10-nの送信周波
数を決定している。
【0042】従って、図8に示す高速自動車道を、左か
ら右に向けて走行する車両においては、順次周波数
1 ,f2 ,f3 ,f4 の信号が受信されることにな
り、一方図8に示す高速自動車道を、右から左に向けて
走行する車両においては、順次周波数f4 ,f3
2 ,f1 の信号が受信されることになる。
【0043】尚、本実施例においては、以下、図8中左
から右に向かう方向を進行方向とする車線を下り車線、
右から左に向かう方向を進行方向とする車線を上り車線
と称す。
【0044】路側局群を構成する通信ポスト10-nは、
交通情報の管理を行う所定の管理センタ20に接続され
ている。管理センタ20は、各通信ポスト10-nを介し
て走行中の車両に対して交通情報を提供すると共に、車
両から発せられた情報を通信ポスト10-nを介して受信
することで交通情報を収集する。
【0045】より具体的には、路側局群を構成する各通
信ポスト10-nと管理センタ20は、それぞれ双方向通
信可能に接続されており、管理センタ20は、何れかの
通信ポスト10-nを指定して所定内容の情報を供給する
ことができ、また車両から発せられた情報を通信ポスト
10-nを介して受けた際には、何れの通信ポスト10-n
を介して供給されたものであるかを特定することができ
る。
【0046】尚、管理センタ20は、救急病院、高速機
動隊、道路管理局等とも通信網で結ばれており、収集し
た交通情報をこれらの機関に供給し、またこれらの機関
から必要な情報の提供を受けることで、総合的な交通情
報の利用を図っている。
【0047】本実施例の路車間通信装置を実現する各車
両30は、通信ポスト10-nから発せられるf1 〜f4
の信号を適宜受信して交通情報として利用する機能を備
えると共に、例えば図8中上り車線中央に示す如く、他
車との接触等の異常事態が生じた際には、自ら周波数f
5 の信号を送信する機能を備えている。
【0048】これに対して、通信ポスト10-nは、周波
数f5 の信号を受信し、その信号に包含される情報を管
理センタ20に転送する機能を備えている。この結果、
上述した管理センタ20と車両30との相互通信が可能
となり、路車間通信による交通情報の提供と収集が実現
されている。
【0049】図9は、各車両30に搭載される車両搭載
器40のブロック構成図を示す。同図に示す如く、車両
搭載器40は、通信ポスト10-nとの信号の授受を可能
とする内蔵アンテナ42、内蔵アンテナ42に到達した
周波数f1 〜f5 の信号を受信する受信器44、内蔵ア
ンテナ42に対して周波数f5 の信号を供給する送信器
46、受信器44及び送信器46と接続される制御部4
8を備えている。
【0050】ここで、受信器44に対して、周波数f5
の信号を受信する機能付与しているのは、車両搭載器4
0においては、後述の如く、通信ポスト10-nから発せ
られた周波数f1 〜f4 の信号の他他車から発せられた
周波数f5 の信号をも受信する必要があるからである。
【0051】制御部48は、受信器44が受信した信号
を適当に処理すると共に、必要に応じて送信器46に対
して適当な指令を発する装置であり、本実施例において
は、マニュアルスイッチ50、加速度センサ(Gセン
サ)52、スピーカ及び表示機器54が接続されてい
る。
【0052】Gセンサ52は、車両に発生する衝撃を検
出すべく配設されたものであり、制御部48は、所定値
を越える加速度が検出された場合に、車両異常が発生し
たと認識して、所定の処理を行う。
【0053】スピーカ及び表示機器54は、受信器44
が受信した信号を情報として車両搭乗者に提供すべく配
設されたものであり、必要に応じて種々の交通情報の表
示等を行う。
【0054】また、マニュアルスイッチ50は、制御部
48の動作を手動操作するためのスイッチであり、Gセ
ンサ52の検出結果とは無関係に制御部48において所
定の異常処理を実行せしめる場合、及び制御部48から
スピーカ及び表示機器54への情報提供をオン・オフす
る場合に操作される。
【0055】図10〜図18は、本実施例の路車間通信
装置における機能を実現すべく、管理センタ20、路側
局群、すなわち通信ポスト10-n、及び車両搭載器40
においてそれぞれ実行される処理の内容を表示したフロ
ーチャートの一例を示す。以下、各図を参照して本実施
例の路車間通信装置の機能について説明する。
【0056】図10は、路車間通信装置全体の機能を概
略的に示すフローチャートである。以下、同図に沿っ
て、本実施例の路車間通信装置の概略動作について説明
し、その後図11〜図18を参照して、詳細な処理内容
について説明する。
【0057】図10中、ステップ100に示す如く、管
理センタ20は、常態では通常の交通情報を各通信ポス
ト10-nに向けて送出する。
【0058】また、ステップ200に示す如く、各通信
ポスト10-nは、予め自局に割り当てられた周波数fn
(f1 〜f4 の何れかの周波数)を搬送波周波数とし
て、通常の交通情報を送信する。
【0059】これに対して、車両搭載器40では、ステ
ップ300に示す如く、受信信号のレベルをモニタする
ことで搬送波周波数fnに応じた受信チャネルを選択
し、受信した情報を搭乗者に提供し、更に受信信号の搬
送波周波数fnを識別する信号を記憶すると共に、緊急
情報の割り込みがあった場合には、その情報を提供する
処理を行う。
【0060】一方、ステップ400に示す如く、車両搭
載器40は、自車の衝突又は事故等の検出、搬送波周波
数f5 の信号、すなわち他車から送信される異常信号の
検出を行い、必要に応じて自車の異常を知らせるべく搬
送波周波数f5 にて異常信号を送信する処理を行う。
【0061】ステップ500に示す如く、路側局群10
は、搬送波周波数f5 の信号の受信レベルをモニタして
おり、かかる信号を受信した場合は、車両事故が発生し
たと判断して、事故発生の第一報を緊急情報として放送
する。
【0062】車両搭載局40では、ステップ600に示
す如く、かかる緊急情報の放送が開始されると、割り込
み処理によりその放送の受信を開始し、運転者による操
作の有無に関わらず、事故発生の第一報を搭乗者に提供
する。
【0063】一方、路側局群において搬送波周波数f5
の異常信号が受信された場合、その信号は管理センタ2
0に転送される。管理センタ20では、この信号を受け
て、ステップ700に示す如く、事故発生位置、及び事
故車両の進行方向、すなわち事故車両が上下線何れの車
線に存在するかを同定し、事故車両の後続側を走行中の
車両に対して事故発生に対する注意警報を発するべく、
ゾーン別情報送出を開始する。
【0064】これを受けて路側局群10では、ステップ
800に示す如く、事故発生の第一報に代えて、事故車
両が存在する第x番局に対して後続側に存在することと
なる第x+a番局、又は第x−b番局の一方の通信ポス
ト10-nから、この通信ポスト10-nに割り当てられた
搬送波周波数fnxにて事故情報を放送する、ゾーン別緊
急割り込み放送の放送を開始する。
【0065】そして、車両搭載器40は、ステップ90
0に示す如く、かかるゾーン別緊急割り込み放送を受信
して、その情報を搭乗者に提供する処理を行う。
【0066】図11〜図13は、上記ステップ300の
具体的内容を表すフローチャートを示す。
【0067】車両搭載器40が始動すると、先ず図11
に示す発見動作ルーチンが実行される。上述の如く、本
実施例においては、通信ポスト10-nから発せられる信
号の搬送波周波数fnが順次変更されるため、路車間通
信を行うためには、走行中の領域に対応した適切な受信
チャネルを発見する必要があるからである。
【0068】すなわち、本ルーチンが起動すると、先ず
ステップ301において、搬送波周波数f1 〜f4 の何
れかに対応した受信チャネルへの切り換えを行い、次に
ステップ302で、受信信号の受信レベルを計測する。
受信チャネルの選択が適切であるかを確認するためであ
る。
【0069】そして、受信レベルの計測を終えたら、ス
テップ303において所定レベル以上の受信レベルが得
られているかを判別し、適切な受信レベルが得られてい
る場合にはステップ304へ、一方適切な受信レベルが
得られていない場合は、上記ステップ301へ戻ってチ
ャネルの切り換えを行った後、同様の処理を行う。
【0070】ステップ304は、ルーチンの暴走を防止
すべく実行されるステップである。すなわち、ステップ
304では、上記301〜303の処理が繰り返し実行
された結果、何らかの原因で複数のチャネルで所定レベ
ル以上の受信レベルが得られていると判別された場合を
考慮し、所定レベル以上の受信レベルが得られた信号が
2波以上あるかを判別する処理を行う。
【0071】そして、2波以上あると判別された場合
は、ステップ305へ進んで受信レベルが最大の受信周
波数を受信チャネルの周波数として選択する。尚、所定
レベル以上の受信波は1波のみであると判別された場合
は、その受信周波数を受信チャネルの周波数として選択
し、所定周波数の送信信号が提供されるゾーンエリアを
発見したものとして今回のルーチンを終了する。
【0072】ところで、上述した如く、本実施例の路車
間通信装置は、車両が走行するに伴って路側局10-nか
ら発せられる信号の搬送波周波数fnが変化する点に特
徴を有している。従って、上記発見動作ルーチンを実行
することで、適正は搬送波周波数fnを発見しても、そ
の後車両の走行状態に応じて適切に受信チャネルを切り
換える必要がある。
【0073】図12は、かかる機能を実現すべく車両搭
載器40が発見動作ルーチンに続いて実行する追跡動作
ルーチン310のフローチャートの一例を示す。以下、
同ルーチンの内容について説明する。
【0074】ここで、図12に示す追跡動作ルーチン3
10は、上述の如く車両の走行に伴って受信チャネルの
切り換えを行うべく実行されるルーチンであり、具体的
には、図13に示す追跡チャネル推定処理ルーチンによ
って推定された新規チャネルへの切り換えを、同じく図
13に示す追跡チャネル推定処理ルーチンによって推定
された切り換えタイミングにおいて行うルーチンであ
る。
【0075】すなわち、図12に示す追跡動作ルーチン
が起動すると、先ずステップ320において、後述する
追跡チャネル推定処理ルーチン(図13)が実行され
る。そして、同ルーチンにおいて、新規に切り換えるべ
きチャネル、及び切り換えタイミングの推定を終えた
ら、ステップ330へ進んで新規チャネルへの切り換え
を行う。
【0076】このようにして新規チャネルへの切り換え
を終えたら、次にステップ340へ進んで、チャネル切
り換え後における受信レベルの計測を行う。ここで、通
信ポスト10-nから発せられる信号の搬送波周波数fn
と切り換え後のチャネルの受信周波数とが整合していれ
ば、大きな受信レベルが、また整合していなければ、小
さな受信レベルが計測されることになる。
【0077】そして、ステップ350において、上記の
如く計測した受信レベルが、所定レベル以上であるかを
判別し、所定レベル以上である場合には適切なチャネル
切り換えが行われたものと判断し、ステップ380にお
いて新規のチャネル番号を記憶してチャネル追跡を完了
する。
【0078】一方、所定レベル以上の受信レベルが得ら
れていないと判別された場合は、チャネルの切り換えが
適切ではなかったと判断してステップ360以降の処理
を行う。
【0079】ここでステップ360、370は、切り換
えタイミングに過誤がなかったかを確認するステップで
ある。すなわち、上記ステップ350において受信レベ
ルが過少であると判断された場合、先ずステップ360
において、所定時間が経過するのを、又は所定距離の移
動がなされるのを待つ。
【0080】次いで、ステップ370では、ステップ3
60の処理回数が所定回数α以上であるかが判別され、
未だα回に到達していないと判断された場合は、上記ス
テップ340に戻される処理が行われる。
【0081】従って、ステップ360において設定され
た所定時間の経過、又は所定距離の移動がα回計数され
る以前に所定レベル以上の受信レベルが検出された場合
は、適切なチャネル切り換えが行われたと判断され、以
後ステップ380が実行されることになる。
【0082】一方、ステップ370において、ステップ
360の処理回数がα回に到達したと判別された場合
は、以後上記図11に示す発見動作ルーチン300を実
行すべく処理が進められる。そして、その後適切な受信
レベルの得られるチャネル切り換えが実行されたと判断
されたら、ステップ380の処理を行ってチャネル追跡
を完了する。
【0083】次に、図13に示す追跡チャネル推定ルー
チン320について説明する。
【0084】本実施例の路車間通信装置においては、路
側局群として配設した通信ポスト10-nから、搬送波周
波数f1 〜f4 の信号が道路に沿って順次送出される。
この際、各通信ポスト10-nの通信領域は、隣接される
通信ポスト10-nとの中間点を僅かに越える程度に設定
されている。
【0085】従って、車両が第x番局の通信ポスト10
-nを通過した後、チャネルの切り換えを行うべきタイミ
ングは、各通信ポスト10-nの設置される間隔、及び車
両の走行速度等により決定することができる。
【0086】また、搬送波周波数fnの変化は、f1
4 に向けて順方向に変化するか、或いはf4 〜f1
向けて逆方向に変化する場合に限られ、第x番局の通信
ポスト10-n通過後に現れる信号の搬送周波数は、過去
の履歴から容易に推定することができる。
【0087】そこで、本実施例においては、かかる点に
着目して新規チャネル、及びチャネルの切り換えタイミ
ングを推定している。
【0088】すなわち、図13に示すルーチン320が
起動すると、先ずステップ321において、特定の通信
ポスト10-nを通過した後の経過時間、及び車速を入力
する。
【0089】そして、ステップ322において、特定の
通信ポスト10-nを通過した後の走行距離を、これら経
過時間及び車速から換算し、又は走行メータより直接入
力する。
【0090】次に、ステップ323においては、特定の
通信ポスト10-nを通過した後、チャネルの切り換え処
理を行うにあたって経過を待つべき所定時間、又は移動
を待つべき所定距離の演算を行う。
【0091】ステップ324は、上記ステップ323に
おいて演算した所定時間又は所定距離と、上記ステップ
322において換算又は入力した走行距離等とを比較
し、特定の通信ポスト10-nを通過後、所定時間が経過
し、又は所定距離を走行しているかを判別するステップ
である。
【0092】この場合、所定時間が経過し、又は所定距
離を走行していると判別された場合はステップ325へ
進み、一方未だそれらの時間及び距離に満たないと判別
された場合は、上記ステップ323の処理が再度実行さ
れる。
【0093】ステップ325は、車両において受信され
た信号の搬送周波数fnの変遷を履歴として書き込むス
テップであり、過去所定期間において検出されたチャネ
ル番号をメモリに追記する処理を行う。
【0094】そして、ステップ326においては、過去
の履歴に基づいて搬送波周波数fnの変化傾向を検出
し、その変化傾向、及び最新の受信チャネルの番号に基
づいて、新規チャネルの番号を推定する演算を行う。
【0095】つまり、最新の受信チャネルが搬送波周波
数f1 を受信するチャネルである場合において、搬送波
周波数の変化傾向が過去の履歴において順方向である場
合は、新規チャネルとしてf2 を設定し、搬送周波数の
変化傾向が過去の履歴において逆方向である場合は、新
規チャネルとしてf4 を設定する。
【0096】以後、ステップ327において、新規チャ
ネルへの切り換えを行うべきタイミングを推定演算して
追跡チャネルの推定を終える。
【0097】この結果、車両搭載器40においては、道
路に沿って配設された通信ポスト10-nより順次搬送波
周波数の異なる信号が発せられるのに対応して、順次適
切なタイミングで、受信器44のチャネル切り換えが行
われることになる。
【0098】ところで、車両搭載器40では、上述した
処理と共に図14に示す事故検知・発報ルーチンが実行
されており、車両において事故が検出された場合には、
同図に示す所定の処理が行われる。
【0099】すなわち、図14に示すルーチンにおいて
は、ステップ410においてGセンサ52の出力を読み
込む。次にステップ420において、Gセンサ52の出
力が所定値以上であるかを判別する。車両が異常な衝撃
を受けていないかを判別するためである。
【0100】そして、Gセンサ52の出力が所定値以上
でないと判別された場合は、以後何ら処理を行うことな
く今回のルーチンを終了し、一方所定値以上であると判
別された場合は、ステップ430へ進んで、搬送波周波
数f5 に受信チャネルをセットする。他車からの異常信
号の送出の有無を確認するためである。
【0101】つまり、上記の如く受信チャネルをセット
したら、ステップ440において受信レベルをモニタ
し、更にステップ450において、所定値以上の受信レ
ベルが検出されているかを判別する。
【0102】そして、所定レベル以上の受信レベルが得
られている場合は、ステップ460において受信信号の
データを入力し、ステップ461においてデータを解読
し、更にステップ462において所定のデータ列が構成
されているかを判別する。
【0103】その結果、所定のデータ列である場合は、
他車からの異常信号であると判断し、同様の異常信号が
重ねて送信されるのを防止すべく、上記ステップ440
以降の処理を繰り返し実行する。
【0104】一方、上記ステップ450において、搬送
波周波数f5 の信号の受信レベルが所定値未満であると
判別された場合、及びステップ462において、受信さ
れた信号が所定のデータ列を構成していないと判別され
た場合は、共に他車から異常信号は送出されていないと
判断して、ステップ470へ進む。
【0105】ステップ470以降の処理は、自らの異常
状態を、通信ポスト10-nを介して管理センタ20に知
らしめるべく異常信号を発する処理であり、先ずステッ
プ470では、チャネル番号の過去の履歴をチャネル番
号列として読み出す。そして、ステップ471におい
て、読みだしたチャネル番号列を異常信号として搬送波
周波数f5 にて車外に向けて送信し、ステップ472に
おいてマニュアルスイッチ50による停止信号が入力さ
れるまでその送出を継続する。
【0106】この結果、車両搭載器40を備える車両に
おいて、所定値を越える衝撃が検出された場合、既に他
車から異常信号が送信されている場合を除き、チャネル
番号の過去の履歴を含む異常信号が自動的に路側局群に
向けて送信されることになる。 ところで、車両側から
路側局群に向けてかかる異常信号が送信されると、路側
局群では、図15に示す事故認知・発報ルーチンの実行
が開始される。すなわち、路側局群では、搬送波周波数
5 の信号が所定値以上の受信レベルで検出されるま
で、ステップ510、520において、搬送波周波数f
5 の信号の受信レベルをモニタし、その受信レベルが所
定値以上であるかを判別する処理が繰り返し実行され
る。
【0107】そして、車両側から搬送波周波数f5 の信
号が送信され、所定値以上の受信レベルが検出される
と、ステップ530に進み、車両において事故が発生し
たことを認知し、受信した異常信号のデータの読み取り
を行う。
【0108】このようにして車両事故発生を認知した
ら、ステップ540へ進み、事故車両の近辺に存在する
各通信ポスト10-nから、緊急信号を付加した事故発生
の第一報の放送を一斉に開始して、ステップ550へ進
む。尚、車両搭載器40においては、この第一報を受け
て、後に詳説するステップ600の処理を実行する。
【0109】ステップ550では、車両側から送信され
てきた異常信号の内容に、異常信号を受信した通信ポス
ト10-nのポスト番号情報を付加し、それらの情報を管
理センタ20に転送する処理を行う。
【0110】これを受けて、管理センタ20では、後に
詳説するステップ700の処理を実行し、異常車両の存
在する車線を同定し、更に事故車両の存在位置との関係
で、詳細な事故情報を放送すべき領域を特定し、ゾーン
別情報の送出を行う。
【0111】一方、路側局群は、上記ステップ550の
処理を実行後、ステップ810へ進んで管理センタ20
からゾーン別情報が送信されるのを待ち、ゾーン別情報
の受信が開始されたら、ステップ820へ進んで第x+
a、又は第x−b番局の通信ポスト10-nを用いて、ゾ
ーン別緊急割り込み放送を開始する。
【0112】ここで、ゾーン別緊急割り込み放送を行う
通信ポスト10-nのポスト番号は、異常車両が上り車線
に存在するか下り車線に存在するかに応じて決定され、
例えば上り車線の第x番局付近に異常車両が存在する場
合には、その所定距離後続側である第x+a番局を選択
し、下り車線の第x番局付近に異常車両が存在する場合
には、その所定距離後続側である第x−b番局を選択す
る。
【0113】尚、ゾーン別緊急割り込み放送は、選択さ
れたポストの通信ポスト10-nに対して付与されている
搬送波周波数fnxにて、詳細な事故情報に緊急信号を付
加して行われ、これを受けて車両搭載器40は、後に詳
説するステップ900の処理を実行する。
【0114】以後、路側局群は、事故処理が終了し、ゾ
ーン別緊急割り込み放送を終了すべき旨の操作がなされ
るまで、すなわち事後処理終了信号を受信するまで上記
放送を継続して実行し、事後処理終了を受信したら本ル
ーチンを終了する。
【0115】図16は、上述したステップ700の処理
として、路側局群から異常信号が転送された際に管理セ
ンタ20内で実行される事故位置推定ルーチンのフロー
チャートの一例を示す。
【0116】すなわち、管理センタ20においては、搬
送波周波数f5 の信号が所定値以上の受信レベルで検出
されるまで、ステップ710、720において、搬送波
周波数f5 の信号の受信レベルをモニタし、その受信レ
ベルが所定値以上であるかを判別する処理が繰り返し実
行される。
【0117】そして、上述の如く路側局群から搬送波周
波数f5 の信号が転送され(ステップ550)、所定値
以上の受信レベルが検出されると、ステップ730に進
み、異常信号の受信された通信ポスト10-nのポスト番
号を認知し、また受信した異常データの内容を読み取る
処理を行う。
【0118】ところで、各通信ポスト10-nの通信領域
は、上述の如く、隣接する通信ポスト10-nとの中間点
を越えて設定されている。従って、異常車両の存在位置
によっては、車両から発せられた異常信号が、複数の通
信ポスト10-nによって受信されることになる。
【0119】この場合、何らの手当てもなされていない
とすれば、異常車両の存在位置を的確に推定することは
できず、迅速な事後処理を実現するうえで不利益を生ず
る。そこで、本ルーチンにおいては、所定値以上の受信
レベルを持つ異常信号が検出された場合、以下の処理を
行うことで適当な手当てを実現することとした。
【0120】すなわち、上記の如くステップ730まで
の処理が実行されたら、続くステップ740において、
所定値以上の受信レベルを持つ異常信号が複数ポストに
入力されているかを判別する。
【0121】そして、複数ポストに入力されていると判
断された場合は、ステップ750において、該当ポスト
それぞれにおける受信レベルを読み込み、これらの受信
レベルを用いた補間演算をステップ760において実行
する。
【0122】つまり、車両が複数の通信ポスト10-nの
中間に存在する場合、車両から発せられた異常信号は、
車両と各通信ポスト10-nとの距離に応じた強度でそれ
ぞれ受信される。
【0123】従って、異常信号を発した車両は、受信レ
ベルが強く検出された通信ポスト10-nに近接している
と推定することができ、複数の通信ポスト10-nにおけ
る異常信号の受信レベルを比較考慮することとすれば、
異常車両の存在位置と各通信ポスト10-nとの位置関係
とを同定し、従って異常車両の存在位置を精度良く同定
することができる。
【0124】一方、上記ステップ740において、異常
信号は単一のポストにおいてのみ所定値以上の受信レベ
ルで受信されていると判断された場合は、異常車両の存
在位置を、そのポストの直近として同定することができ
る。
【0125】このように、本ルーチンにおいては、異常
信号が所定値以上の受信レベルで受信されるポストが単
一であっても、複数であっても、共に精度良くその位置
を同定することができる。
【0126】そして、上記の如く異常車両の存在位置を
推定したら、以後ステップ770において、異常信号に
含有される車両側受信チャネルの履歴データに基づい
て、異常車両が上下線何れの車線に存在するかを同定
し、必要なデータを異常車両の後続側に向けて送出すべ
くゾーン別情報の送出を開始して今回のルーチンを終了
する。
【0127】尚、本実施例においては、車両側から送信
されてきた受信チャネルの履歴がf 4 〜f1 に向けて順
次逆方向に変化する場合は異常車両が上り車線に存在す
ると判断し、f1 〜f4 に向けて、順次順方向に変化す
る場合は異常車両が下り車線に存在すると判断する。
【0128】ところで、図17は、路側局群において事
故発生の第一報が発せられた場合、及びゾーン別緊急割
り込み放送が行われた場合に、車両搭載器40において
実行される受信モード切り換えルーチンの一例のフロー
チャートを示す。
【0129】すなわち、車両搭載器40においては、上
述したステップ300、及びステップ400の処理と共
に、図17に示す受信モード切り換えルーチン600が
実行されている。
【0130】同ルーチン600においては、スピーカ、
表示機器54等への交通情報の提供状況に関わらず、上
記図12に示す追跡動作ルーチン310と同様のルーチ
ンがステップ610において実行されている。
【0131】この結果、運転者への交通情報の提供がさ
れていると否とに関わらず、通信ポスト10-nから送信
される信号は、常に受信器44において受信されている
ことになる。
【0132】次に、ステップ620においては、このよ
うにして受信した受信データの解読が行われ、更にステ
ップ630において、受信データ内に緊急信号が含まれ
ているかが判別される。
【0133】ここで、受信データ内に緊急信号が含まれ
ていない場合は、通信ポスト10-nの放送内容が通常の
交通情報であると判断し、ステップ640へ進んでマニ
ュアルスイッチ50が情報を受信すべくオンされている
かを判別する。この場合は、車両搭乗者の意思に従って
情報提供を行うべきだからである。
【0134】従って、マニュアルスイッチ50がオンで
ない場合は、何らの強制処理を行うことなく、そのまま
上記ステップ620へ戻り、一方、マニュアルスイッチ
50がオンである場合は、ステップ650へ進んで受信
した情報をスピーカ及び表示機器54により搭乗者に提
供する。
【0135】尚、ステップ650の処理を終えたら、ス
テップ660において、再び受信データ中に緊急信号が
存在するかを判別する。通常の交通情報提供中に緊急信
号が送信される場合を考慮したものである。そして、今
回も緊急信号が検出されない場合は、上記ステップ62
0へ戻り、上記の処理を繰り返し実行する。
【0136】これに対して、上記ステップ630、又は
660において、受信信号内に緊急信号が含まれている
と判断された場合は、ステップ910へ進んで緊急割り
込み受信を開始する。
【0137】緊急信号を含む信号、すなわち事故発生を
知らせる第一報、及び事故の詳細情報を特定のゾーンに
のみ伝えるゾーン別緊急割り込み放送が受信されている
場合は、交通の安全・円滑を確保する上で、強制的に搭
乗車にその情報を提供して注意を促すのが適切と考えら
れるからである。
【0138】そして、以後ステップ920において、マ
ニュアルスイッチ50により強制停止操作がなされたか
を判別し、強制停止の操作がなされていない場合は、再
び上記ステップ620へ戻って上記の処理を繰り返し、
一方、強制停止操作がなされた場合は、搭乗者の意思を
尊重して今回のルーチンを終了する。
【0139】この結果、本実施例の車両搭載器40を備
える車両においては、通常の交通情報を情報として受信
しながら走行している場合であっても、情報として受信
せずに走行している場合であっても、自車の近傍におい
て他車に異常が生じ、その異常を知らせるべく緊急放送
が開始されれば、常に強制的にその情報が車両の搭乗者
に提供されることになり、交通の安全及び円滑の確保に
極めて有益な情報提供が実現されることになる。
【0140】ところで、管理センタ20で加工した詳細
な事故情報を放送するゾーン別緊急割り込み放送は、異
常車両の存在する車線において後続側に存在する第x+
a番局、又は第x−b番局の通信ポスト10-nにおいて
行われる。
【0141】一方、本実施例における通信ポスト10-n
は、上記図8に示す如く道路の上り車線、及び下り車線
を共に情報提供領域として設置されている。従って、ゾ
ーン別緊急割り込み放送は、異常車両と同一の車線を走
行中の車両に対しては、進行方向前方に異常車両が存在
することを知らしめる有益な情報であるが、異常車両と
異なる車線を走行中の車両においては、自車の走行に無
関係な情報に過ぎず、強制的な割り込み受信は煩わしさ
を与えかねない。
【0142】図18は、ゾーン別緊急割り込み放送のか
かる弊害を除去すべく車両搭載器40が実行する受信モ
ード切り換えルーチンの一例のフローチャートを示す。
尚、同図において上記図17に示すルーチンと同一のス
テップには、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0143】すなわち、本ルーチンは、ステップ630
又は660において緊急信号の存在が判別された場合、
次いでステップ905において、その緊急信号が他の車
線(進行走路方向が反対の車線)における異常車両の存
在に起因するものであるかを判別する点に特徴を有して
いる。
【0144】つまり、本実施例においては、異常車両の
発する異常信号内に、受信チャネルの履歴を表す信号が
含まれており、その履歴に基づいて異常車両の存在する
車線判定が容易に行い得ることは前記した通りである。
従って、路側局群が上記ステップ500、及び800を
実行する際に送出する緊急信号内に、異常車両の存在す
る車線又は進行走路の方向を表す車線コードを含ませる
こととすれば、車載搭載器40において、容易に自車の
車線と異常車両の車線との同一性を比較することができ
る。
【0145】そこで、本ルーチンにおいては、ステップ
905において、緊急信号内に含まれている車線コード
が他の車線を表すコードであるかを判別し、他の車線を
表すコードでない場合にのみステップ910へ進んで緊
急割り込み受信を行うこととした。
【0146】この場合、路側局群から発せられる緊急放
送は、自車の走行の安全と交通の円滑に真に資する場合
にのみ強制的に情報として受信されることになり、不要
な情報が提供されることによる煩わしさが有効に解消さ
れることになる。
【0147】ところで、本実施例においては、路側局群
を構成する各通信ポスト10-nに対して、4種類の信号
を割り当てる構成としているが、これに限るものではな
く、少なくとも3種類の信号が、道路に沿って順次現れ
る構成であればよい。
【0148】また、本実施例においては、周波数を異な
らせることで種類の異なる信号を生成することとしてい
るが、かかる手法に限るものではなく、例えば通信ポス
ト10-nからの送信信号をコード化し、コードを異なら
せることで複数種類の信号を生成することとしてもよ
い。
【0149】また、上述した実施例は、図8に示す如
く、通信ポスト10-nが配設される道路が一次元である
場合に限定しているが、本発明の適用範囲はこれに限る
ものではなく、例えば図19乃至図26に示す如く複数
の道路が交差して2次元状の道路網が構成されている場
合にも適用することが可能である。
【0150】尚、図19乃至図26において実線で示す
直線は、X方向、及びY方向に延びる道路を表示してお
り、図20、21、22、35、26中に破線で示す折
れ線は、同一種類の信号を発する通信ポスト10-nを結
んだ線を示している。
【0151】すなわち、図19は、縦方向(以下、Y方
向と称す)に延びる複数の道路について車線判定を可能
とすべく、何れの道路についても、Y方向に走行する場
合は搬送波周波数f1 〜f4 が順次現れるように通信ポ
スト10-nを配設した例である。
【0152】例えば、Y方向に延びる道路にのみ中央分
離帯が存在し、横方向(以下、X方向と称す)に延びる
道路には中央分離帯が存在せず、従って上下車線を区別
する実益がない場合等に有効である。
【0153】図20は、3種類の信号、すなわち搬送波
周波数f1 〜f3 の信号を用いて、X方向、Y方向何れ
の方向に延びる道路についても、繰り返し3種類の信号
が繰り返し現れるように通信ポスト10-nを配設した例
である。例えば、X方向に延びる道路にも、Y方向に延
びる道路にも中央分離帯が存在し、何れの道路において
も上下車線を区別する実益がある場合に有効である。
【0154】尚、上記図20は、3種類の信号を用いて
かかる機能を実現しているが、信号種類は3種類に限ら
れるものではなく、例えば図21に示す如く通信ポスト
10-nを配置すれば4種類の信号を用いて、また図22
に示す如く通信ポスト10-nを配置すれば5種類の信号
を用いて、同様の機能を実現することができる。
【0155】ところで、現実に形成されている2次元状
の道路網は、交差点間隔が均一に構成されているわけで
はない。一方、本実施例において路車間通信に用いる通
信ポスト10-nの通信可能領域は、種々の観点より統一
することが便利である。
【0156】このため、本実施例の路車間通信装置を2
次元の道路網において構築すべく、全ての交差点に対し
て通信ポスト10-nを設置した場合、比較的交差点間隔
が長い領域においては、その中間点付近に通信ポストの
通信可能領域から外れる領域が生ずるおそれがある。
【0157】そこで、かかる場合には、図23中に破線
で示す如く道路を仮想し、その仮想の道路と実際の道路
とが交差する点をも含めて通信ポスト10-nを配設する
ことが有効である。この場合、現実の道路網における交
差点間隔に制約を受けることなく確実に所望の路側局群
を構成することが可能である。
【0158】また、現実の道路網に対して本発明を適用
するためには、図24に示す如き異形の道路をも考慮す
る必要がある。この場合、本来の交差点のみに通信ポス
ト10-nを配設したのでは、各道路における交差点数の
不均一から、全ての道路について、順次3種類以上の信
号を繰り返し送信させることが困難となる。
【0159】そこで、かかる場合には、図24中に破線
で示す如く異形の道路の延長線上に道路を仮想し、各道
路における交差点数を均一化することが有効である。こ
の場合、異形道路の有無に関わらず、全ての場合におい
て上記図19〜図23と同様の配列を構成することがで
き、所望の路側局群を実現することができる。
【0160】ところで、上記図19〜図24に示す通信
ポスト10-nの配列は、何れかの道路を直進する場合に
おいて上下線を判別するためには有効であるが、走行過
程において車両が交差点を右左折すると、その直後にお
いて進行方向の判別が困難となる場合を有している。
【0161】これに対して、特定の交差点(以下、ノー
ドと称す)、及びそのノードに接続される道路(以下、
リンクと称す)を隔てて隣接する全てのノードに配設さ
れる通信ポストが、互いに異なる種類の信号を発する場
合には、道路網上を如何なるルートで車両が走行して
も、常に進行方向と受信チャネルの履歴とが1対1に対
応し、進行方向の判定が確実に行い得る状況を形成する
ことができる。
【0162】図25、図26は、かかる配列で通信ポス
ト10-nを配設してなる路側局群の一例を示したもので
ある。つまり、図25においては、例えば同図中、中央
において搬送波周波数f2 の信号を発生する通信ポスト
10-1に対して、隣接される通信ポスト10-2〜10-5
が、それぞれ搬送波周波数f3 ,f4 ,f1 ,f5 の信
号を発生する。
【0163】この場合、通信ポスト10-1の配設される
ノードに対して、如何なる方向から侵入し、また如何な
る方向に脱出したとしても、その進行ルートと受信チャ
ネルの履歴とは1対1に対応することとなり、その後車
両に異常が生じて異常信号が送信された場合、管理セン
タ20においては、その信号を受信した通信ポスト10
-nのポスト番号、及び異常信号に含まれている受信リャ
ネルの履歴に基づいて、確実に異常車両の存在位置、及
び進行方向すなわち存在車線を同定することができる。
【0164】また、図26は、信号の種類をコードによ
り異ならしめたものであり、同図中、中央に配設される
通信ポスト10-1、及びこれに隣接する通信ポスト10
-2〜10-5が、それぞれコードA〜Eを含む信号を送信
する構成である。この場合においても、上記図25の構
成と同様の機能を実現することが可能である。
【0165】ところで、上述した実施例は、車両から通
信ポスト10-nに向けて受信器44のチャネルの履歴を
列送信することにより異常車両の進行走路方向を出力す
る構成である。この意味で、上記実施例においては、チ
ャネルの履歴を表す信号が前記請求項1に記載される
“車両の進行方向に応じた信号”に相当している。
【0166】但し、この信号はチャネルの履歴を表す信
号に限られるものではなく、車両搭載器40が、チャネ
ルの履歴に基づいて進行走路方向を識別し得る機能を備
えている場合には、進行走路方向を直接表す信号により
形成することも可能である。
【0167】尚、上記実施例においては、通信ポスト1
0-nが前記請求項1乃至7記載の路側局M1-nに、車両
搭載器40の内蔵アンテナ42が前記請求項1乃至7記
載の車載受信器M2に相当している。また、制御部48
により上記発見動作ルーチン(図11〜図13)が実行
されることにより前記請求項1乃至7記載の信号識別手
段M3、履歴記憶手段M4、及び信号発生手段M5が実
現される。
【0168】更に、車両搭載器40のGセンサ52によ
り、前記請求項3乃至5記載の異常検出手段M7が、制
御部48が事故検知・発報ルーチン(図14)を実行す
ることで、前記請求項3乃至5記載の送信制御手段M8
が実現される。
【0169】そして、路側局群において事故認知・発報
ルーチン(図15)が、又は管理センタ20において事
故位置推定ルーチン(図16)が実行されることによ
り、前記請求項4記載の警報発生手段M9が、制御部4
8が図18に示す受信モード切り換えルーチンを実行す
ることで、前記請求項4記載の異常車線識別手段M1
0、及び異常認識手段M11がそれぞれ実現される。
【0170】また、管理センタ20において、図16に
示す事故位置推定ルーチン中、特にステップ710〜7
60が実行されることにより、前記請求項5記載の受信
レベル検出手段M9-2、及び車両位置同定手段M9-3
実現されることになる。
【0171】尚、上記図19〜24に示す通信ポスト1
0-nの配置例は、前記請求項6記載の発明の実施例を示
したものであり、また、上記図25、26に示す通信ポ
スト10-nの配置例は、前記請求項7記載の発明の実施
例を示したものである。
【0172】
【発明の効果】上述の如く、請求項1記載の発明によれ
ば、車線毎に路側局を配設することなく、適切に車両の
進行方向を判定することができる。従って、本発明によ
れば、車両が上下線何れの車線に存在するかを認識する
ことができ、車両位置を特定するにあたっては上下線を
特定することが要求される高速自動車道等においても、
有効に機能し得る路車間通信装置を、比較的低コストで
実現することができるという特徴を有している。
【0173】請求項2記載の発明によれば、周波数の違
いによって信号の種類が形成される。従って、路車間で
授受される信号の内容を各路側局毎に変更する必要がな
く、比較的簡単な構成で、上記請求項1記載の発明の機
能を実現することができる。この意味で、本発明は、路
車間通信装置の簡単化、低コスト化に有効であるという
効果を有することになる。
【0174】請求項3記載の発明によれば、車両搭載局
を具備する車両に異常が生じた場合、異常発生前におけ
る当該車両の進行方向を表す信号を含む異常情報が、異
常の発生後即座に、所定の管理センタに供給される。こ
の場合、管理センタにおいて、異常車両の存在を迅速に
把握できると共に、その存在位置を、道路上における車
線を含めて認識することができ、迅速な事後処理が可能
となる。
【0175】請求項4記載の発明によれば、車両搭載局
を具備する車両に異常が生じた場合、管理センタから
は、異常車両の存在する車線の情報をも含めて、異常車
両の後続側にのみ警報が発せられる。また、走行中の他
車においては、異常車両の存在する車線が自車の走行中
の車線と同一である場合にのみ、警報を情報として採用
する。
【0176】従って、双方向通行の道路においては、双
方の車線に向けて異常車両についての警報が発せられる
にも関わらず、本発明によれば、実質的には異常車両の
存在する車線を走行中の他車のみを対象として警報が発
せられることになり、真に有益な情報のみを授受し得る
路車間通信装置を実現することができる。
【0177】請求項5記載の発明によれば、複数配設さ
れた路側局の中間に異常車両が停車して異常信号を発し
ている場合、複数の路側局で受信された信号は、それぞ
れ管理センタに転送され受信レベルが検出される。そし
て、それらの受信レベルに基づいて、異常車両の位置が
複数の路側局との関係で精度良く同定される。
【0178】従って、本発明によれば、複数の路側局が
配設される道路上、何れの位置において異常車両が異常
信号を発する場合でも、管理センタ側で、精度良くその
位置を同定することができ、迅速な事後処理に資するこ
とができる。
【0179】請求項6記載の発明によれば、3種類以上
の信号が順次送信される道路を複数設けることが可能で
ある。従って、本発明によれば、交差点を有する複数の
道路からなる2次元に広がる道路網において、車線判定
を行うべき複数の道路について請求項1記載の発明を適
用することができる。
【0180】請求項7記載の発明によれば、2次元に広
がる道路網において、特定のノードに配設される路側
局、及びこれに隣接して配設される全ての路側局が、常
に異なる種類の信号を送信する。従って、道路網上を車
両が走行する場合において、単一の道路を直進する場合
のみならず、如何なるルートで走行する場合において
も、車両の進行方向と、車両において受信される信号の
履歴とが1対1に対応することになり、的確に進行方向
を把握することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1記載の発明の原理構成図である。
【図2】請求項2記載の発明の原理構成図である。
【図3】請求項3記載の発明の原理構成図である。
【図4】請求項4記載の発明の原理構成図である。
【図5】請求項5記載の発明の原理構成図である。
【図6】請求項6記載の発明の原理構成図である。
【図7】請求項7記載の発明の原理構成図である。
【図8】本発明の一実施例である路車間通信装置の概念
図である。
【図9】本実施例の路車間通信装置の車両搭載器のブロ
ック構成図である。
【図10】本実施例において車両搭載器、路側局群、及
び管理センタにおいて実行される処理の概略を表すフロ
ーチャートの一例である。
【図11】本実施例において車両搭載器で実行される発
見動作ルーチンのフローチャートの一例である。
【図12】本実施例において車両搭載器で実行される追
跡動作ルーチンのフローチャートの一例である。
【図13】本実施例において車両搭載器で実行される追
跡チャネル推定ルーチンのフローチャートの一例であ
る。
【図14】本実施例において車両搭載器で実行される事
故検知・発報ルーチンのフローチャートの一例である。
【図15】本実施例において路側局群で実行される事故
認知・発報ルーチンのフローチャートの一例である。
【図16】本実施例において路側局群で実行される事故
位置推定ルーチンのフローチャートの一例である。
【図17】本実施例において車両搭載器で実行される受
信モード切り換えルーチンのフローチャートの一例であ
る。
【図18】本実施例において車両搭載器で実行される受
信モード切り換えルーチンのフローチャートの他の例で
ある。
【図19】請求項6記載の発明を実現する路側局群の第
1実施例である。
【図20】請求項6記載の発明を実現する路側局群の第
2実施例である。
【図21】請求項6記載の発明を実現する路側局群の第
3実施例である。
【図22】請求項6記載の発明を実現する路側局群の第
4実施例である。
【図23】請求項6記載の発明を実現する路側局群の第
5実施例である。
【図24】請求項6記載の発明を実現する路側局群の第
6実施例である。
【図25】請求項7記載の発明を実現する路側局群の第
1実施例である。
【図26】請求項7記載の発明を実現する路側局群の第
2実施例である。
【符号の説明】
M1 路側局群 M1-n 路側局 M2 車載受信器 M3 信号識別手段 M4 履歴記憶手段 M5 信号発生手段 M6 車載送信器 M7 異常検出手段 M8 送信制御手段 M9 管理センタ M9-1 警報発生手段 M9-2 受信レベル検出手段 M9-3 車両位置同定手段 M10 異常車線識別手段 M11 異常認識手段 10-n 通信ポスト 20 管理センタ 30 車両 40 車両搭載器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−68377(JP,A) 特開 昭57−182899(JP,A) 特開 平4−295995(JP,A) 特開 平2−44929(JP,A) 特開 昭61−223907(JP,A) 特開 平6−111179(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G08G 1/00 - 1/16 H04B 7/26

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも3種類の信号が、道路に沿っ
    て順次繰り返し現れるように、道路の上り車線及び下り
    車線の双方に対して共通の複数の路側局が配設された
    側局群と、 前記路側局から発せられる信号を受信する車載受信器
    と、該車載受信器により受信された信号の種類を識別す
    る信号識別手段と、該信号識別手段の識別結果の履歴を
    記憶する履歴記憶手段と、該履歴記憶手段の記憶に基づ
    いて、前記少なくとも3種類の信号の現れた順に基づい
    て車両の進行方向を判断し、該車両の進行方向に応じた
    信号を発する信号発生手段とを具備する車両搭載局とか
    らなることを特徴とする路車間通信装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の路車間通信装置におい
    て、 前記路側局群が有する複数の路側局は、種類の異なる信
    号として、送信周波数の異なる信号を送信し、 前記信号識別手段は、前記車載受信器が受信した信号の
    周波数に基づいて、受信された信号の種類を識別するこ
    とを特徴とする路車間通信装置。
  3. 【請求項3】 請求項1及び2記載の路車間通信装置に
    おいて、 前記車両搭載局は、特定の信号を送信する車載送信器
    と、 車両の異常を検出する異常検出手段と、 該異常検出手段により車両の異常が検出された際に、前
    記信号発生手段の発する信号を、前記車載送信器から異
    常信号として送信する送信制御手段とを備え、 前記路側局群が有する複数の路側局は、前記車載送信器
    から送信される信号を受信し、該受信信号を、車両情報
    の管理を行う所定の管理センタに転送する機能を有する
    ことを特徴とする路車間通信装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の路車間通信装置におい
    て、 前記管理センタは、何れかの路側局から前記異常信号が
    転送された場合に、該異常信号を発した車両の位置、及
    び進行方向を推定し、該車両の後続側の適当な路側局か
    ら走行中の車両に向けて、異常車両の存在する車線情報
    を含む警報を発生させる警報発生手段を備え、 前記車載搭載局は、前記警報に基づいて、異常車両の存
    在する車線を識別する異常車線識別手段と、 該異常車線識別手段により自車の走行中の車線が異常車
    線であると識別された場合に、異常を認識して前記警報
    を情報として採用する異常認識手段とを備えることを特
    徴とする路車間通信装置。
  5. 【請求項5】 請求項3記載の路車間通信装置におい
    て、 前記管理センタは、前記車載送信器から発せられた異常
    信号が、複数の路側局において受信された場合に、各路
    側局における受信レベルを検出する受信レベル検出手段
    と、 該受信レベル検出手段の検出結果に基づいて、前記異常
    信号が受信された複数の路側局に対して異常車両の位置
    を同定する車両位置同定手段とを備えることを特徴とす
    る路車間通信装置。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の路車間通信装置におい
    て、 前記路側局群は、交差点を含む複数の道路において、少
    なくとも3種類の信号を、道路に沿って順次送信すべく
    配設された複数の路側局を有することを特徴とする路車
    間通信装置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の路車間通信装置におい
    て、 前記路側局群は、特定の路側局が発生する信号を第1信
    号、該路側局の配設されるノードに接続される第1乃至
    第kリンクの他端に配設される路側局が発生する信号を
    それぞれ第2乃至第k+1信号とした場合に、第1信号
    乃至第k+1信号の種類が全て異なるように配設された
    複数の路側局を有することを特徴とする路車間通信装
    置。
JP20722194A 1994-08-31 1994-08-31 路車間通信装置 Expired - Fee Related JP3521491B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20722194A JP3521491B2 (ja) 1994-08-31 1994-08-31 路車間通信装置
EP95305524A EP0704831B1 (en) 1994-08-31 1995-08-08 Communications infrastructure system for vehicles
US08/512,320 US5784005A (en) 1994-08-31 1995-08-08 Communications infrasturcture system for vehicles
DE69513480T DE69513480T2 (de) 1994-08-31 1995-08-08 Infrastruktur für ein Fahrzeugkommunikationssystem

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20722194A JP3521491B2 (ja) 1994-08-31 1994-08-31 路車間通信装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0877489A JPH0877489A (ja) 1996-03-22
JP3521491B2 true JP3521491B2 (ja) 2004-04-19

Family

ID=16536255

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20722194A Expired - Fee Related JP3521491B2 (ja) 1994-08-31 1994-08-31 路車間通信装置

Country Status (4)

Country Link
US (1) US5784005A (ja)
EP (1) EP0704831B1 (ja)
JP (1) JP3521491B2 (ja)
DE (1) DE69513480T2 (ja)

Families Citing this family (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3609197B2 (ja) * 1996-04-04 2005-01-12 日本無線株式会社 無線案内システム
EP0825580B1 (en) 1996-07-25 2002-03-20 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Transmission system and communication method for a transmission system
JP3744102B2 (ja) * 1997-02-21 2006-02-08 株式会社デンソー 車両の運行処理装置
JP3269792B2 (ja) * 1997-08-20 2002-04-02 株式会社東芝 非同期ネットワーク型制御システム、このシステムにおけるプロセス管理方法およびプロセス管理プログラムを記録した記録媒体
FR2795213B1 (fr) * 1999-06-15 2001-08-03 Sagem Reseau d'appel d'urgence pour voie de transport
US6166658A (en) * 1999-11-22 2000-12-26 Testa; David P. Speed limit control system
JP2001256598A (ja) * 2000-03-08 2001-09-21 Honda Motor Co Ltd 危険箇所報知システム
US6336075B1 (en) * 2000-03-10 2002-01-01 Rotis Inc. Apparatus and method for guiding a vehicle
JP2002042288A (ja) * 2000-07-26 2002-02-08 Yazaki Corp 運行状態記録装置及びそれを利用した運行管理システム
KR20030083050A (ko) * 2002-04-19 2003-10-30 주식회사 실리코니어 근거리 무선 통신을 위한 주파수 스캔 장치 및 이를이용한 주파수 스캔 방법
US6666411B1 (en) 2002-05-31 2003-12-23 Alcatel Communications-based vehicle control system and method
US7188026B2 (en) * 2003-05-12 2007-03-06 Dash Navigation, Inc. Hierarchical floating car data network
US6925378B2 (en) * 2003-05-12 2005-08-02 Circumnav Networks, Inc. Enhanced mobile communication device with extended radio, and applications
US20050131627A1 (en) * 2003-12-15 2005-06-16 Gary Ignatin Traffic management in a roadway travel data exchange network
JP2009277163A (ja) * 2008-05-18 2009-11-26 Alpine Electronics Inc Its割込案内受信出力方法及び装置
US8508386B2 (en) * 2009-06-04 2013-08-13 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha In-vehicle information processor
WO2014104285A1 (ja) * 2012-12-28 2014-07-03 楽天株式会社 超音波通信システム
DE102016202088B4 (de) * 2016-02-11 2022-11-03 Cosmin Tudosie Verfahren zur Beeinflussung des Straßenverkehrs
US11092687B2 (en) * 2016-09-12 2021-08-17 Sew-Eurodrive Gmbh & Co. Kg Method and system for position capture
US10237691B2 (en) * 2017-08-09 2019-03-19 Quintrax Limited Proximal physical location tracking and management systems and methods

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4002983A (en) * 1974-02-28 1977-01-11 Tesla, Narodni Podnik Vehicle-emergency call system
US4229724A (en) * 1977-08-04 1980-10-21 Prince Corporation Vehicle position indicator with selectable position alarm means
FR2499739B1 (fr) * 1981-02-06 1985-07-19 Voisin Jean Pierre Systeme de transmission selectif d'informations routieres
DE3336092A1 (de) * 1983-10-04 1985-04-18 Siemens AG, 1000 Berlin und 8000 München Verfahren zur erfassung von gefahrenstellen in einem leit- und informationssystem fuer strassenfahrzeuge
JPS62261981A (ja) * 1986-05-08 1987-11-14 Nippon Denso Co Ltd 移動体の進行方向検出装置
GB2223869B (en) * 1988-09-12 1992-07-22 Tunstall Telecom Ltd Apparatus for the transmission of alarm signals
US4962457A (en) * 1988-10-25 1990-10-09 The University Of Michigan Intelligent vehicle-highway system
JPH043300A (ja) * 1990-04-20 1992-01-08 Japan Radio Co Ltd 移動体位置検出システム
US5289183A (en) * 1992-06-19 1994-02-22 At/Comm Incorporated Traffic monitoring and management method and apparatus
JP2998981B2 (ja) * 1990-10-12 2000-01-17 富士通テン株式会社 ナビゲーション装置
GB9106370D0 (en) * 1991-03-26 1991-05-15 Tunstall Telecom Ltd Alarm system
JPH0660293A (ja) * 1991-08-29 1994-03-04 Meitec Corp 事故通報装置付車両
DE4213880A1 (de) * 1992-04-28 1993-11-04 Bosch Gmbh Robert System zur bidirektionalen datenuebertragung zwischen mehreren feststehenden einrichtungen und einem fahrzeug

Also Published As

Publication number Publication date
DE69513480T2 (de) 2000-05-04
EP0704831B1 (en) 1999-11-24
US5784005A (en) 1998-07-21
DE69513480D1 (de) 1999-12-30
EP0704831A1 (en) 1996-04-03
JPH0877489A (ja) 1996-03-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3521491B2 (ja) 路車間通信装置
US7986247B2 (en) Advisory system for previewing local conditions on a highway
JP3833845B2 (ja) 自動走行支援システム
US7373243B2 (en) Method and system for providing traffic information
JP4876628B2 (ja) 接近報知システム、並びにそれに用いる車載機及び携帯端末
CN106846912B (zh) 基于ZigBee的公路交通预警及方法
JP2001184592A (ja) 車輌通行支援装置
JP4692206B2 (ja) 接近報知装置
WO2008031636A1 (en) System and method for exchanging positioning information between vehicles in order to estimate road traffic
JP4998071B2 (ja) 路車間通信システム、車載機、車両および交通信号制御機
JP5025623B2 (ja) 情報提供装置および情報提供方法
KR20060056370A (ko) 이동 경로를 따른 물품들의 이동성을 판정하는 방법 및시스템
JP5211784B2 (ja) 通信システム
JP5062292B2 (ja) 路車間通信システム及び車載装置
WO2012114568A1 (ja) 移動体通信装置、端末装置、基地局装置、送信制御方法、通信制御方法
JP2006293491A (ja) 交通状態収集装置、情報センタ、および交通状態収集システム
JP2001307291A (ja) 路車間通信システム及び車載用通信装置
JP2012052956A (ja) 走行支援装置、信号制御装置、及び走行支援システム
KR20210127859A (ko) 주행 가이드 시스템 및 그 방법
CN111540236A (zh) 交叉口内左转机动车与非机动车碰撞情形的预测方法
JP6497094B2 (ja) 車両用通信機
JP2002367081A (ja) 通信装置、情報伝送装置及びこれを用いた車両運行補助装置
CN110555995A (zh) 基于车联网的智慧城市不良视距会车预警系统
JP2012048459A (ja) 情報提供装置、及び走行支援システム
JP2000215388A (ja) 危険警告用路車間通信システム

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040120

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040202

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees