JP3519510B2 - 無菌容器処理装置における回転シール装置 - Google Patents
無菌容器処理装置における回転シール装置Info
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Description
室内で充填作業など、容器に対して各種の処理作業を行
うための無菌容器処理装置に関し、特にその無菌室の内
外の境界部に配設される回転体側と装置の固定側との間
に形成されるシール部に適用される回転シール装置に関
する。
填システム等の無菌容器処理装置においては、回転体と
装置の固定側との接続部における気密性を保持するた
め、シール液を用いた液体シール手段を適用したもの
(特開平4−154501号公報)や、シール部に隣接
して殺菌液等を充填したバリヤー室を設けたもの(特開
平2−4692号公報)などが知られている。
液体シール手段を用いた従来技術においては、シール液
槽内におけるシール液の流動が自由であったため、何ら
かの原因によって無菌室内外の圧力関係に急激な変動が
生じた場合には、シール液面に作用する圧力作用により
シール液がその液槽内を吹抜けて槽外へ流出してしまう
といった問題があった。この場合、この種の容器処理装
置においては、シール液として殺菌性のあるオキソニア
等が用いられることが多く、しかもこの種の用液は腐食
性も大きいため、回転体のベアリング部や他の隙間など
に染込むとその取扱が大変厄介であった。他方、後者の
シール部に隣接してバリヤー室を形成した従来技術は、
前記シール部を介してバリヤー室の殺菌液等が無菌室側
へにじみ出る可能性を完全に払拭することは困難であ
り、無菌状態を害する一因にもなった。本発明は、以上
のような事情に鑑みてなされたもので、陽圧に設定され
た無菌室内外の圧力変動に対するシール作用の安定性が
大きく、しかもシール部における菌遮断作用が確実で、
かつ無菌室へのシール液の浸入を確実に防止できる無菌
容器処理装置の回転シール装置を提供するところに目的
がある。
に接して配設された回転体の外周部に固定側に設けられ
たシール部材を配置し、その回転体の外周面とシール部
材との間に形成されるシール部にシール液を供給するシ
ール液供給部を設けるとともに、前記回転体の外周部の
下端部を固定側に形成されたシール液受け用の環状ポケ
ットに臨ませ、前記シール液供給部を介して前記シール
部にシール液を供給するとともにそのシール部を通過し
たシール液を前記環状ポケットに回収し、さらに排出管
を介して前記無菌室外へ排出するように構成したことを
特徴とする。前記シール液として殺菌液を用いることが
でき、その場合には前記シール部材をテフロン樹脂から
形成することが望ましい。さらに、前記環状ポケットに
回収されたシール液を定液面まで貯留するように構成す
るとともに、前記回転体の外周部の下端が前記定液面以
下に位置するように設定し、回収されたシール液によっ
て液体シール部を形成するようにしてもよい。
転体の外周面とシール部材とが接触しているかあるいは
その間に僅少の隙間が形成された状態にあり、しかもそ
のシール部はシール液により密封されるので、シール作
用が無菌室内外の圧力変動により影響されることは問題
にならない。また、本発明におけるシール方式ではシー
ル部を介して多少のシール液が漏出することは当然の技
術的な前提とされており、そのシール部を通過したシー
ル液は回転体の外周部を伝わって前記環状ポケットに回
収され、さらに排出管を介して無菌室外へ排出されるの
で、シール液が無菌室側へ浸入することは確実に防止さ
れる。
説明する。図1は本発明を充填機に適用した一実施例の
要部を示した概略構成図である。図示のように、充填機
1の作業領域は、カバー体2によって外気から隔離さ
れ、無菌室Aとされている。この無菌室Aには、上方の
供給口3,4を介して無菌エアを供給するとともに下方
の排出口5,6を介して排出することにより、常に新し
い無菌エアが充満され良好な無菌状態が維持されるよう
に構成されている。また、この無菌室A内は、隙間を介
して外気等が流入しないように、駆動系等の配設された
下部室B等に対して若干の陽圧に設定されている。な
お、下部室Bは、本実施例では、外気に連通されてい
る。
に配設され、下部室Bにおいて図示しない駆動系に接続
され、回転駆動されるように構成されている。また、そ
の上部は、前記無菌室A内に位置し、上方の供給管8を
経て供給される充填液を充填ノズル9を介して昇降台1
0上の容器11に充填するように構成されている。昇降
台10は充填部7を構成する回転テーブル部12の周辺
部に所要数配設され、それぞれ昇降軸13に取着された
カムフォロア14を介して、充填部7の回転角度に応じ
てカム板15の形状に沿って昇降するように構成されて
いる。また、回転テーブル部12の周縁部には、装置の
固定側である上板16との接続部の気密性を保持するた
めに液体シール手段17が適用されている。なお、容器
11は前記各昇降台10上に載置され、充填部7の回転
に応じて昇降しながら順次充填作業を受ける。そして、
充填済みの容器11は、本発明の対象である回転体の一
例を構成するスターホイール装置18を介して搬送装置
19へ移送され、更に図示しないキャッパ等の次工程へ
搬送されることになる。
を用いて具体的に説明する。図2は前記スターホール装
置18の回転支持部分に関する具体例を示した縦断面図
である。図示のように、公知のスターホイール19は回
転軸20の上端部に固着された回転支持体21に装着さ
れる。回転軸20は下方のギヤ22を介して図示しない
駆動側ギヤに連結され、前記回転テーブル部12と同期
してスターホイール19を回転駆動するように構成され
ている。この回転軸20は、下部をベアリング23を介
して装置の固定側に固定した下部支持体24に回転自在
に支持され、上部をベアリング25を介して筒体26に
よって前記下部支持体24と一体的に連結した上部支持
体27に回転自在に支持される。さらに、回転軸20の
下端部には、軸方向にのみ摺動可能な状態に係止部材2
8が遊嵌されており、バネ29により上方に付勢するこ
とによりギヤ22を支持している。回転軸20に過負荷
が作用した場合には、係止用ボール30が乗上げること
により係止部材28が軸方向に変位し、リミットスイッ
チ31によってその過負荷状態が検出されるように構成
されている。
側の上部支持体27との間に配設された回転シール装置
部分を拡大して示した部分拡大図である。図示のよう
に、回転側の前記回転支持体21の下部に形成された小
径部32の外周部と、固定側の前記上部支持体27との
間には、テフロン樹脂から形成されたシール部材33が
配設されている。すなわち、前記無菌室Aに接して配設
された回転体である回転支持体21と、固定側の上部支
持体27とは、前記シール部材33により回転自在に密
封され、そのシール部により無菌室Aと外部とを遮断す
るように構成されている。ところで、前記小径部31と
シール部材33とは、接触した状態でも、両者間に多少
の間隙が存在する状態でもよい。これらの両者により形
成されるシール部の上方には、そのシール部にオキソニ
ア等の殺菌液からなるシール液を供給するための供給管
34等からなるシール液供給部が設けられている。この
シール液供給部を介してシール液が前記シール部に常時
供給される結果、確実なシール作用が得られることにな
る。しかも、シール液として殺菌液を用いれば菌の浸入
をより確実に予防することができる。その場合、シール
部材33としてテフロン樹脂を用いればオキソニア等の
薬液に対する耐腐食性のきわめて大きいので確実なシー
ル作用を永続できる。
受け用の環状ポケット35が形成されており、前記回転
支持体21の小径部31の外周部下方に延設した周壁部
36がその環状ポケット35に臨むように構成されてい
る。これにより、前記シール部を通過したシール液は小
径部31の周壁部36を伝わって環状ポケット35内に
回収されることになる。そして、回収されたシール液は
排出管37を介して無菌室Aの外部に排出される。した
がって、従来のようにシール液が無菌室Aへ浸入するこ
とは防止される。図中、38は排出管37を無菌室A外
へ気密性を保持して誘導するためのシール部材である。
なお、本実施例では、排出管37は環状ポケット35の
底部に接続されており、回収されたシール液を直ちに排
出し環状ポケット35内に貯留しないように構成されて
いる。すなわち、シール作用としては、シール部材33
により形成される前記シール部によるシール作用だけを
用いている。これに対し、排出管37の接続部を上方に
ずらして環状ポケット35からの流出位置を前記周壁部
36の下端より上方に設定し、周壁部36の下端部が環
状ポケット35内に回収されたシール液中に没入するよ
うに構成したり、レベルセンサを用いて図示しない排出
用ポンプを制御して前記シール液の液面を周壁部36の
下端部より上方に保持するように構成することにより、
回収されたシール液を利用して液体シール部を付加する
こともできる。
発明を無菌室A内に配設された排出側のスターホイール
装置18に適用した場合を例示したが、入口側のスター
ホイール装置や他の回転部のシール手段として適用し得
ることはいうまでもない。また、充填機だけでなくリン
サやキャッパ等の他の各種の容器処理装置用の無菌室に
用いられる回転シール手段として適用し得る。要は、陽
圧に設定された無菌室A内と外部とを遮断するために無
菌室Aに接して配設された回転体と固定側との間に設け
られるシール手段であれば広く適用が可能である。
できる。 (1)無菌室内外の圧力変動によりシール作用が影響さ
れることがなく、無菌処理システムとしての安定性が向
上する。 (2)シール液の供給によりシール部におけるシール作
用がより確実に実現されるとともに、そのシール部を通
過したシール液は前記環状ポケットに回収され、さらに
排出管を介して無菌室外へ排出されるので、シール液が
無菌室側へ浸入することは確実に防止される。 (3)シール液としてオキソニア等の殺菌液を用いれ
ば、菌の浸入をより確実に遮断できる。 (4)シール部材としてテフロン樹脂を用いればオキソ
ニア等の薬液に対する耐腐食性がきわめて大きいので確
実なシール作用を永続できる。 (5)前記環状ポケットに回収されたシール液を利用し
て液体シール部を付加すれば、その二重のシール作用に
よって、より安定した遮断効果が得られる。
した概略構成図である。
図である。
大図である。
排出口、7…充填部、8…供給管、9…充填ノズル、1
0…昇降台、11…容器、12…回転テーブル部、13
…昇降軸、14…カムフォロア、15…カム板、16…
上板、17…液体シール手段、18…スタホイール装
置、19…スターホイール、20…回転軸、21…回転
支持体、22…ギヤ、23…ベアリング、24…下部支
持体、25…ベアリング、26…筒体、27…上部支持
体、28…係止部材、29…スプリング、30…係止用
ボール、31…リミットスイッチ、32…小径部、33
…シール部材、34…シール液の供給管、35…環状ポ
ケット、36…周壁部、37…排出管、38…シール部
材
Claims (4)
- 【請求項1】 陽圧の無菌室に接して配設された回転体
の外周部に固定側に設けられたシール部材を配置し、そ
の回転体の外周面とシール部材との間に形成されるシー
ル部にシール液を供給するシール液供給部を設けるとと
もに、前記回転体の外周部の下端部を固定側に形成され
たシール液受け用の環状ポケットに臨ませ、前記シール
液供給部を介して前記シール部にシール液を供給すると
ともにそのシール部を通過したシール液を前記環状ポケ
ットに回収し、さらに排出管を介して前記無菌室外へ排
出するように構成したことを特徴とする無菌容器処理装
置における回転シール装置。 - 【請求項2】 前記シール液が殺菌液からなる請求項1
記載の無菌容器処理装置における回転シール装置。 - 【請求項3】 前記シール部材がテフロン樹脂からなる
請求項2記載の無菌容器処理装置における回転シール装
置。 - 【請求項4】 前記環状ポケットに回収されたシール液
を定液面まで貯留するように構成するとともに、前記回
転体の外周部の下端が前記定液面以下に位置するように
設定し、回収されたシール液により液体シール部を形成
した請求項1〜3のいずれかの1項に記載の無菌容器処
理装置における回転シール装置。
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JP18491895A JP3519510B2 (ja) | 1995-06-28 | 1995-06-28 | 無菌容器処理装置における回転シール装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18491895A JP3519510B2 (ja) | 1995-06-28 | 1995-06-28 | 無菌容器処理装置における回転シール装置 |
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JPH0912013A JPH0912013A (ja) | 1997-01-14 |
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ID=16161616
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JP18491895A Expired - Fee Related JP3519510B2 (ja) | 1995-06-28 | 1995-06-28 | 無菌容器処理装置における回転シール装置 |
Country Status (1)
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-
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- 1995-06-28 JP JP18491895A patent/JP3519510B2/ja not_active Expired - Fee Related
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