JP4702885B2 - ホイール式搬送装置、駆動装置、回転軸シール機構 - Google Patents
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Description
このような回転式の充填機をはじめ、ボトル容器を搬送するための搬送装置等には、回転自在な回転体の外周に複数のグリッパを取り付け、このグリッパでボトル容器を把持して回転搬送する、いわゆるスターホイールと称されるものが用いられている。
無菌充填機においては、駆動シャフト2の上端部、回転体6、およびグリッパ7が無菌室の無菌雰囲気中に露出しているものの、駆動部分を構成する駆動シャフト2の残部、ギヤ8、モータ等の駆動源は、駆動シャフト2のケーシング2a内やベースフレーム5のベース板5aの下方に収容され、無菌雰囲気中にこれらが露出しないようになっている。これは、駆動シャフト2をはじめとする駆動部分に使用される潤滑油等が、無菌雰囲気中に浸入して無菌環境を損なうのを防ぐためである。
さらに、駆動シャフト2の上部のベアリング3の上方には、駆動シャフト2のケーシング2a側とシャフト本体2b側との隙間を塞ぐシール部材9が設けられ、これによって、この隙間からの潤滑油の無菌雰囲気中への漏出を防止する構造となっている。
このため、シール部材9とベアリング3の間をラビリンス構造としたり(例えば、特許文献1参照)、シール液を用いて水封する構造としたり(例えば、特許文献2参照)することが試みられている。
本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたもので、過酢酸を始めとする浸透性の高い腐食性流体やガスに対して確実なシール効果を発揮し、可動部分の腐食等を防止することのできるホイール式搬送装置等を提供することを目的とする。
このようなホイール式搬送装置は、飲料の充填機等において用いられるもので、ボトル容器をグリッパで保持しながら搬送する、いわゆるスターホイールと称されるものである。ホイール式搬送装置を、無菌充填機等に適用する場合、無菌充填機が設置される無菌室には過酢酸等の浸透性・腐食性の高い液体(ミスト)やガスが存在する。その場合、ケーシングとシャフトの隙間を塞ぐシール部材のうち、ケーシングの端部に位置するシール部材に対し、ケーシングの外方側は、殺菌作用を有する液体または気体が供給される無菌室とされる。このとき、シール部材でケーシングとシャフトの隙間を塞ぐことでシール性を高め、ケーシング内でシャフトを回転自在に支持するためのベアリング等の可動部分の腐食を防ぐのである。
このとき、シール部材を多重にするだけでなく、供給機構でシール部材どうしの間の空間に気体または液体を供給し、さらに排出機構でこれを排出することで、殺菌剤や洗剤等が万が一浸入した場合にも、これを排出することができる。
第一のシール部材と第二のシール部材の間の気体の圧力を、ケーシングの外方側の雰囲気圧力よりも低くなるようにすることで、この気体や他の不純物等が第一のシール部材からケーシングの外方側に漏出するのを防止できる。
この場合、供給側から気体をファンやポンプ等で押し込むと第一のシール部材と第二のシール部材の間の内圧が上がってしまうので、排出側から気体をファンやポンプで引き込み、第一のシール部材と第二のシール部材の間の内圧を下げる方が、確実に圧力差をつけるのには好ましい。
さらに、ケーシングとホイールの間に、ラビリンス構造とされた第二のラビリンス部をさらに備えるようにしても良い。そして、これらラビリンス部、第二のラビリンス部の少なくとも一つが水封ラビリンス構造とすることもできる。特に、軸シールの最外周に位置することになる第二のラビリンス部を水封ラビリンス構造とするのが有効である。その場合、水封ラビリンス構造には、薬剤や無菌水を貯水するのが有効である。
図1は、本実施の形態におけるボトル容器搬送装置が組み込まれた飲料充填機の実施の形態を示している。
この飲料充填機は、例えば過酢酸がミスト状に供給されることで無菌状態に保たれる無菌室内に設置されるもので、空のボトル容器(図示無し)を洗浄するリンサー11、リンサー11で洗浄されたボトル容器に飲料を充填するフィラー(充填機)12、飲料が充填されたボトル容器にキャップを取り付けるキャッパ13を主に備えている。
リンサー11に対しては、図示しない搬入コンベアから、リンサー搬入ホイール15iを介してボトル容器が供給される。そして、リンサー11で洗浄されたボトル容器は、リンサー搬出ホイール15oにより搬出され、中継ホイール16を経て、フィラー搬入ホイール17iを介してフィラー12に供給される。フィラー12で飲料が充填されたボトル容器は、フィラー搬出・キャッパ搬入ホイール17oにより搬出されてキャッパ13に供給され、キャップが装着されたボトル容器は、キャッパ搬出ホイール19oを経て、図示しない搬出コンベアへと搬出されるようになっている。
ここで、リンサー搬入ホイール15i、リンサー搬出ホイール15o、フィラー搬入ホイール17i、フィラー搬出・キャッパ搬入ホイール17o、キャッパ搬出ホイール19oの構成について説明する。リンサー搬入ホイール15i、リンサー搬出ホイール15o、中継ホイール16、フィラー搬入ホイール17i、フィラー搬出・キャッパ搬入ホイール17o、キャッパ搬出ホイール19oは、基本的に共通する、ホイール式搬送装置(駆動装置)20としての構成を有している。
駆動シャフト21は、ホイール式搬送装置20のベースフレーム25から上方に向けて延びるように設けられている。この駆動シャフト21は、筒状のケーシング26と、ケーシング26内に位置するシャフト本体(シャフト、回転軸)27とから構成されている。
ケーシング26は、その下端部がベースフレーム25に固定されている。このケーシング26に対し、シャフト本体27は、上下に突出するように設けられており、ケーシング26の上下端部の2箇所において、ベアリング28、29により回転自在に支持されている。ここで、ベアリング28、29には、潤滑油が封入されたタイプのものを用いるのが好ましい。潤滑油の無用な飛散を防ぐことができ、またベアリング28、29への給油ミスという人為的作業におけるミスを防ぐためである。
駆動機構22においては、駆動源でギヤ30を介してシャフト本体27を、その軸線周りに回転駆動させるようになっている。
回転体23の外周部には、所定間隔ごとにグリッパ24が設けられている。各グリッパ24は、図示しないカム等を用いたメカニカルな開閉機構、あるいは空圧、油圧、電動等を用いた開閉機構により開閉可能とされており、これにより、ボトル容器(搬送対象物)100のネック部を保持・開放できるようになっている。
図3に示すように、シャフト本体27の上端部27bには、回転体23を取り付けるための取付シャフト31が取り付けられている。一方、回転体23の中央部には、取付孔部32aが形成された取付ボス32が一体に設けられ、取付孔部32aに取付シャフト31が挿入され、さらにキャップ33により、取付ボス32と取付シャフト31とが一体に連結されるようになっている。
取付シャフト31は、シャフト本体27よりも小径とされており、これによってシャフト本体27の上端と取付シャフト31の下端との間には段部が形成されている。そして、取付シャフト31の下端部には、シャフト本体27の上面と取付ボス32の下面との間に介在する筒状のブッシュ34が設けられている。このブッシュ34は、取付シャフト31に対し、着脱可能となっている。これにより、ブッシュ34が摩耗した場合等には、回転体23を取り外した後に、取付シャフト31からブッシュ34を取り外して、ブッシュ34を交換することもできるようになっている。
さらに、リング部材36には、内方に突出してブッシュ34と対向する、所定高さを有した対向リング部36aが一体に形成されている。この対向リング部36aの上端部は、ラビリンスリング35のリブ35aよりもさらに内周側にクリアランスを有して位置し、かつリブ35aの下端部よりも上方のレベルに位置するよう設けられている。これにより、取付ボス32とリング部材36との間の空間は、断面視するとジグザグ状で、いわゆるラビリンス構造を有し、ラビリンス部として機能している。
一方、リング部材36には、オイルシール40とオイルシール41との間に貫通する貫通孔43が形成され、この貫通孔43には、大気に連通する連通管(圧力維持手段、排出手段)44が接続されている。これにより、取付ボス32とリング部材36、オイルシール40、41によって囲まれる空間(第二の空間)Bは大気圧とされ、無菌環境領域Aに対して圧力差を有することになる。したがって、オイルシール40においては、無菌環境領域A側から空間B側に圧力が掛かることになり、空間B側から潤滑油等の不純物が無菌環境領域A側に漏出するのを防止できる。
なおこの場合、排出管(図示無し)から排出されたオイル等の液体は、供給管45から再度空間Cに供給し、循環させるようにしても良い。
空間Dには、ドライエアに変えて、ベアリング28用の潤滑油を流すようにしても良い。これにより、ベアリング28のメンテナンスが軽減されるとともに、潤滑油が、ドライエアと同様、空間Dまで浸入してきた過酢酸等の液成分やガス成分を排出する機能を担うこともできる。
さらに、オイルシール40、41間の空間Bは大気開放されて大気圧とされ、無菌環境領域Aに対し圧力差を有し、オイルシール41、42間の空間Cにはオイル等の液体が供給され、さらに、オイルシール42とベアリング28の間にはドライエアを供給することで、いずれも、過酢酸等の液成分やガス成分が空間Dまで浸入してきたときに、これを系外に排出する効果が得られる。
このようにして、ベアリング28までの過酢酸等の腐食性の高いガスや液体の浸入を確実に防止することができ、高いシール効果を得ることができる。その結果、ベアリング28の耐久性を高めることができ、ひいてはホイール式搬送装置20の耐久性向上、メンテナンスコストの抑制等といった効果が得られる。
このようにすると、空間Cの上下に位置するオイルシール41、42が外方に向けて張られることになり、オイルシール41、42によるシール性をより一層確実なものとすることができる。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。
Claims (10)
- ベース上に立設された筒状のケーシングと、
前記ケーシング内に回転自在に支持されたシャフトと、
前記シャフトに取り付けられた円板状のホイールと、
前記ホイールの外周部に複数設けられ、それぞれが搬送対象物を保持可能なグリッパと、
前記ケーシングと前記シャフトの隙間を塞ぐシール部材と、
前記シール部材どうしの間の空間に気体または液体を供給する供給機構と、
前記空間から前記気体または前記液体を排出する排出機構と、
を備えるとともに、
前記シール部材として、前記ケーシングの端部側に設けられた第一のシール部材と、前記第一のシール部材よりも前記ケーシングの内方側に設けられた第二のシール部材と、前記第二のシール部材よりも前記ケーシングの内方側に設けられた第三のシール部材と、を備え、
前記供給機構および前記排出機構により、前記第一のシール部材と前記第二のシール部材の間に気体を供給・排出するとともに、前記気体の圧力を、前記第一のシール部材に対し、前記ケーシングの外方側の雰囲気圧力よりも低くなるようにし、
前記供給機構および前記排出機構により、前記第二のシール部材と前記第三のシール部材の間に液体を供給・排出することを特徴とするホイール式搬送装置。 - 前記第二のシール部材と前記第三のシール部材の間に供給される前記液体を加圧する加圧手段と、
前記液体の圧力が一定以上になったときに前記液体を前記第二のシール部材と前記第三のシール部材との間から排出する圧力開放手段と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載のホイール式搬送装置。 - 前記シャフトは前記ケーシングにベアリングを介して回転自在に支持され、
前記第三のシール部材と前記ベアリングとの間にドライエアが供給されることを特徴とする請求項1または2に記載のホイール式搬送装置。 - 前記第一のシール部材と前記第二のシール部材との間に、ラビリンス構造とされたラビリンス部を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のホイール式搬送装置。
- 前記ケーシングと前記ホイールの間に、ラビリンス構造とされた第二のラビリンス部をさらに備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のホイール式搬送装置。
- 前記ラビリンス部、前記第二のラビリンス部の少なくとも一つが水封ラビリンス構造とされていることを特徴とする請求項4または5に記載のホイール式搬送装置。
- 前記シャフトに筒状のブッシュが着脱可能に設けられ、前記第一のシール部材、前記第二のシール部材は、前記ブッシュに摺接するように設けられていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のホイール式搬送装置。
- 前記ケーシングと前記シャフトの隙間を塞ぐ少なくとも前記2つのシール部材のうち、前記ケーシングの端部に位置する前記シール部材に対し、前記ケーシングの外方側は、殺菌作用を有する液体または気体が供給される無菌室とされていることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のホイール式殺菌装置。
- 所定の環境に維持された第一の室、前記第一の室とは区切られた第二の室の双方を貫通するように設けられたシャフトと、
内部に前記シャフトが挿通されたケーシングと、
前記シャフトを回転駆動させることで、前記シャフトに取り付けられた回転体を回転させる駆動手段と、
前記シャフトと前記ケーシングとの隙間を塞ぐ第一のシール部材と、
前記第一のシール部材よりも前記ケーシングの内方に設けられて、前記シャフトと前記ケーシングとの隙間を塞ぐ第二のシール部材と、
前記第一のシール部材と前記第二のシール部材の間の空間に気体を充填し、前記気体の圧力を前記第一の室より低く維持する圧力維持手段と、
前記空間内に充填された前記気体を前記空間外に排出する排出手段と、
を備えるとともに、
前記第二のシール部材よりも前記ケーシングの内方側に第三のシール部材が設けられ、
前記第二のシール部材と前記第三のシール部材の間に液体を供給・排出することを特徴とする駆動装置。 - 所定の環境に維持された第一の室、前記第一の室とは区切られた第二の室の双方を貫通するように設けられ、回転可能に支持された回転軸と、
内部に前記回転軸が挿通されたケーシングと、
前記回転軸と前記ケーシングとの隙間を塞ぐ第一のシール部材と、
前記第一のシール部材よりも前記ケーシングの内方に設けられて、前記回転軸と前記ケーシングとの隙間を塞ぐ第二のシール部材と、
前記第一のシール部材と前記第二のシール部材の間の空間に気体を充填し、前記気体の圧力を前記第一の室より低く維持する圧力維持手段と、
前記空間内に充填された前記気体を前記空間外に排出する排出手段と、
を備えるとともに、
前記第二のシール部材よりも前記ケーシングの内方側に第三のシール部材が設けられ、
前記第二のシール部材と前記第三のシール部材の間に液体を供給・排出することを特徴とする回転軸シール機構。
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JP2005343287A JP4702885B2 (ja) | 2005-11-29 | 2005-11-29 | ホイール式搬送装置、駆動装置、回転軸シール機構 |
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